「内破まで、あと3分です」 


 君のことを考えていられるのは 
 今から、この詩を読み終えるまでの 
 たった3分の間だけなのだろう 
 気を抜くと置き忘れる感情移入 
 
 応えのない呼びかけと、持続力の欠落 
 
 こうして無限のアキレスの待ちぼうけを喰らう 
 こうしていつも3分遅刻する注意力 
 きゅらきゅらと言葉を捩じ込んでみる 
 でもそこはもはや時刻の屍 
 世界平和が余計なお世話と似てくる 
 
 君はこうしたほうがもっと美しい、と 
 優しくもぎ取ったのが心臓だったり 
 存在理由だったりする じゅぶじゅぶと 
 
 ゆうべの夢が、白い水蒸気となって 
 また、恋人を無意識に傷つける 
 そして別離の言葉 
 「白いのは湯気だよ湯気。水蒸気は見えないぞ」 
 
 もう3分は過ぎてしまったのだろう 
 セピアの 致命傷