流 水 想

鳴り渡る  静寂
風の棲む  場所で

流れる風に
夢を見ていた
移ろいゆく水の 夢を見ていた
遠い  水音の
言葉を  聴いていた

水は  さらさらと
遠く 遠く 遠く
この手に残るのは
いつもただ
一滴の雫

夢だったのに
ただ  私を映していた
夢だったから  何ひとつ
濡らすこともなく

静寂を  すくいとる
こぼれる想いは
風の棲む場所に  たゆとい

水は  流れよ
さら さら さらと
川に  海に  空に

いつか  また  風に




嵯峨野 桜 & クリ, 2002.10.18
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