ろうそくを点けてはいけない
ろうそくを
点けてと言ったら
あの娘は子供のよう
に イヤイヤをする

彼女は 言葉を
継いでいく
ケルン?
いいえ 賽の河原
わたしはモノを
食べる部分で
喋り 傷つけ くすぐる
そしてもはや それを恥じない

わたしの言葉が
彼女をえぐりはするが
わたしの言葉は
涙をぬぐうことはない
彼女を 蝕むけれど
蘇らせは しない

わたしの「ああ」
は 蒼白い
なめくじ となり
遠くの篝火を映し
彼女の肩甲骨の
あいだ を這う
 降りていく

嘘をつかずに と
彼女がささやく
だます方法を
教えてあげよう か と

知っている と
わたしは嘘をつく
ろうそくは もう
点けてはいけないのだ