この言葉少なの幽霊は
黙々と眠りを貪る
生きている隣人たちは
彼には目も呉れず飯を食う
コリコリツ
シヤクンシヤクン
ドクルドクル
美味いね
ガシガシ
彼はそれでも深い眠りの下
起きているのは 飯を食うその家族だけ
太陽も常夜燈を付けて寝ている
濃い紅の秋の花も目蓋を閉じた
風も鼾を掻いている
猫も夢を見ている
もちろん
ライオンも寝ている
そして彼もねている
グジユグジユ
プツプツ
美味いよ
ザクリ
ああ…
皆が目を覚ましませんように
この幽霊は時々 こんな寝言を言う