『没になった詩たち』

馬鹿


ニヒリズムをロマンチックに語る馬鹿
独身主義者の集いでプロポーズする馬鹿
過激な発言でヒーローになれると思ってる馬鹿
投稿しっぱなしで感想もレスも書かない馬鹿
詩なのに怒りまくる馬鹿
おまえがいちばん馬鹿だよと呟く馬鹿
おまえとはなんだ!と息巻く馬鹿
おまえのことだよと言い返す馬鹿
テロのときはテロ、殺人事件のときは殺人事件の詩を書く馬鹿
転送メールと匿名でしか発言できない馬鹿
身許偽装でしか世間と関われない馬鹿
他人の揚げ足取りにオルガスムスを感じる馬鹿
ちょっと甘えっ子の馬鹿
馬鹿なくせにやけに魅力的な馬鹿
個人主義の主張に同調を求める馬鹿
タイポグラフィもアナグラムも知らない馬鹿
韻も踏まずにラップする馬鹿
馬鹿なふりをしようとするがホントの馬鹿
馬鹿だからと謙遜するそのとおりの馬鹿
界面活性して禿げる馬鹿
21世紀になってもネズミ講にはまる馬鹿
日本の破綻にほんとに気づいてない馬鹿
自覚せずに差別している馬鹿
自分は理解していると思っている馬鹿
自分は違う都信じている馬鹿
実験する馬鹿
忘れられない馬鹿
馬鹿リストを列挙する馬鹿
それを読んでる馬鹿
ほんとに馬鹿な馬鹿
?な馬鹿
Ÿℵ℘しない馬鹿
Λ"Л
カバの馬鹿
馬鹿か?
かばか?
カカバ?
ババか?



フェードアウトする馬鹿
終わりに困る馬鹿
ここまで読んだ馬鹿
…と書いてちょっとすまながる馬鹿


Kuri, Kipple : 2002.冬
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