Toddler Penguin's Place >> 今月の言葉 >> 2004

いままでの言葉: 2004年

書名にamazon.co.jpへのリンクを貼りました。散財に御協力いただければ幸いです。
12月の言葉:「私はもう四十になる年寄りだ。長く生き過ぎた。」 by オクル
サムライチャンプルー』 #17「酔生夢死 ふた夢」
11月の言葉:「待て、しかして希望せよ」by モンテ・クリスト伯
アレクサンドル・デュマ ; 山内義雄訳『モンテ・クリスト伯』7  (岩波書店, 1957.1)
*岩波文庫版の翻訳: 日夏耿之介先生は「読書夜話」(井村君江編『日夏耿之介文集』)で「ジイドの翻訳では只一人山内義雄をあげるに止めませう。この人のフランス訳詩は上田敏のあとを承けて、「海潮音以後」の名調をよく伝へてゐます」とおっしゃっています。ジイドとデュマじゃ随分ちがいますけど、つまりちゃんとした日本語になってる、ということでせう。
(2005/2/17追記)シンクロニシティはやはり在る。プレイヤード版が返却されて、オリジナルが判明。"Attendre et esperer!"(pの後のeにはアクサンがつきます)。
10月の言葉:「乱暴な仮定をしすぎるという非難もあるだろうが、どうせ受け入れられる主張ではないので気にすることはない。」by モーリス・シャトラン ; 南山宏訳
超古代遺跡と異星文明の謎 : 宇宙から来た神々がもたらした太古超文明の秘密』 p.44 (日本文芸社, 2000.9)
*子どもの手にとれるところ: 『神州纐纈城』も本棚の一番下にあったけど、『メタモルフォセス群島』は本棚の天板の上。ようするに空いているところに押し込んでいただけ、だったんでしょう。
**秘密でもなんでもなし: 別にネピリムが実在したとかじゃなく、そういう説は超古代文明ものでは基本というか大前提、という意味です。念のため。
9月の言葉:「エルフ語の研究は世界中で現在も進行中だ。」 by 伊藤盡
指輪物語エルフ語を読む』p. 220. 青春出版社, 2004.8. 4-413-03488-0
*翻訳じゃなくて: 海の向うでは何冊もでてます。でなきゃ映画でエルフ語会話シーンなんかできません。言語はだめだめなので"The languages of Tolkien's Middle-earth"しか持っていません。これが実在の旅行者向け言語ガイドとそっくりの装丁で(白水社のエクスプレスシリーズのような、といって通じる?)、そういう無駄な凝り方がまた嬉しいわけです。
**慶応高宮研究会: 慶応義塾大学の高宮利行先生と言えば、グーテンベルク42行聖書まるまる1冊を買った人として業界では著明なわけですが、アーサー王伝説の本を訳しておられたり、いまは見る影もない「マリ・クレール」で中世のタペストリーについての連載を持っておられたり。面識はもちろんありませんが、一回だけ、手稿本についての講演を聞いたことがあって、すごく面白かったのを覚えています。
8月の言葉:「最初にこの讃歌集を編纂した人物は、どうやら学殖に乏しく、また本文批判の能力や手腕をまったく欠いていたものと見え、」by 沓掛良彦
ホメーロスの諸神讃歌』p. 476. 筑摩書房, 2004.7. (ちくま学芸文庫) 4-480-08869-5
*昔の司書は偉かった: ヨーロッパの十九世紀の司書なら、英独仏西伊露羅希、読めて当然だった、とか。
**いきなり十九世紀: そりゃ今もキプロス領有問題があるトルコ支配には触れたくない|触れない方がいいんでしょうけど、ローマ帝国はありなの?「征服されたギリシアが、猛きローマを支配」したからいいって?
7月の言葉:「しかし不適切であることを確定するのが難しい場合があるからといって、明らかに不適切な読み方を容認してしまう理由にはならないだろう。」by 加藤隆
新約聖書はなぜギリシア語で書かれたか』p. 118. 大修館書店, 1999.4. 4-469-21236-9
*半可通: 創出レビ民申命記♪が唄える程度。
**貧しいやもめ: 生活費すべてを献金したやもめを見たイエスの言葉をどう解釈するかという問題。
6月の言葉:「日本古典に盲目なる通弁翻訳家の一夜漬にはその味がないので繰返して読む気がしないのです。」by 日夏耿之介
「読書夜話」井村君江編『日夏耿之介文集』筑摩書房, 2004.3 (ちくま学芸文庫)4-480-08835-0
*可愛いもので: 一回、住所氏名入りを貰ったことあり。著作権法違反示唆第一号になってもしらないぞ。ていうか、おたくなら著作権法くらい頭に入れておきなさい。どういう思考回路が働けば、見ず知らずの他人に京都府警の覆面捜査官でもJASRACの手先でもないと信じてもらえると思うのだろう?何も考えていない、が正解なんだろうけど。
5月の言葉:「カミングアウトしない?」from 筑波大学おたく系サークル連合新歓ポスター
*徐々に開示していくのがよろしいんじゃないかと: そうすれば年に一回会うくらいなら耐えられるけど、いっしょに仕事するのはちょっと……って奴に同好の氏だと馴れ馴れしくされないで済むし。
4月の言葉「……ただ一点を除いては黙してこれを看過することにする。その一点とは、……この本が短かすぎるということである。」by J.R.R.トールキン from 『指輪物語』著者ことわりがき
文庫版『指輪物語 追補編』(評論社, 2003.12) p. 267
*7回目か8回目: 新しい版を買うたびに読み(ほんとうは5セット持っていなくてはうそですが、4セット。内2セットが手元にあり)、映画を見れば読みで少なくともこのくらい。10や20は当たり前、の世界なですから、まだまだです
**スプラッタ映画を見て……: 実話。発言者は獣医。「『ゾイド』ってけっこう面白いですよね」「いやぁ、ドット落ちが気になっちゃって」という会話をしたことも。相手はゲーム関係の人。職業病といえるのかも。
3月の言葉:「その浩瀚なエラティック*な批評文で糊口を過した彼は、そのためにひどく宿敵を作つたと評伝家は伝へてゐるが、その点は鏡花には全くなく、むしろこの文の筆者の身の上にどうやら似てゐるやうすである。一笑。」 by 日夏耿之介 from 「『高野聖』の比較文学的考察」
井村君江編『サバト恠異帖』(筑摩書房, 2003.9) p. 285
*エラティック: 1. 常軌を逸した, とっぴ[奇矯]な. 2a 軌道[進路]の定まらない; 一貫性のない, 不安定な, 不規則な. b 《古》 一か所に定まらない, 一所不住の, 放浪性の(『研究社リーダーズ+プラスV2』より。ここは斎藤英和を引くべきか?)
**ジュル・アメデエ・バルベイ・ドウルビリイ: Barbey D'Aurevilly, Jules 1808-1889 今はバルベイ・ドールヴィイが慣用のようです(フランス語だし)。翻訳は『魔性の女たち』(国書刊行会)など。
2月の言葉:「文部省の木っ端役人どもから、おまえの仕事を社会的に正当化してみせろと、うるさく要求されることなんかなかった時代」 by ルーカス・ファイスト
フィリップ・J.デイヴィス著 ; マーガリート・ドリアン絵 ; 深町真理子訳『ケンブリッジの哲学する猫』(早川書房, 2003.4)
*国立大学法人: だいたい名前がねぇ。横国なんか国立大学法人横浜国立大学、ですよ。図書館情報学図書館が変じゃなくなっちゃうじゃないか(^^;;
1月の言葉:「用例: "Enthusiastic fans tend to have a narrow mind." (訳: 熱狂的なファンは、心が狭くなりがちだ。)」 from 『もえたん : 萌える英単語』
三才ブックス, 2003.12(第3刷)

rh7r-oosw@asahi-net.or.jp