Toddler Penguin's Place >> 今月の言葉 >> 2003

いままでの言葉:2003年

12月の言葉:「したがって私が客観的にと言ったのもいわば言葉の綾であって、ひとがよく客観的な話だと言いながら話しているうちにしだいに主観的なものになっていくように、私が話そうとしているこの話もしごく難しいものなのである、と言うのもすべてが主観に、その当時の主観に関するものである、と言うのもすべてが主観に、その当時の主観に関するものであり、私が覚えているそのごく僅かなことが現在の主観同様にすっかり混乱を招くものだからである、そしてそのために私は現在まったく逆になっているものと混乱してしまう不利のある表現を用いたのであるが、それはしかし共通であるところのことを明るみに出すという利点もあるのである。」by Qfwfq氏 from「プリシッラ 1.ミトシス(間接核分裂)」
『柔らかい月』 / イタロ・カルヴィーノ ; 脇功訳 (河出書房新社, 2003.9)
11月の言葉:「……科学的発見からの心理的逃避、新しく発案された写真の持つ正確さに対する潜在的嫌悪感、これらの要素の多くをこれほど凝縮している絵画ジャンルは妖精画をおいてほかにない」by ジェレミー・マース&ルパート・マース from 『フェアリー・テイル : 妖精たちの物語』展覧会図録
アートライフ, c2003
10月の言葉:「無気力は無気力なりに結構着実に進歩の歩みを続けて行くのが市民の動きです。」by 鈴木棠三 from 『江戸巷談藤岡屋ばなし』続集
『江戸巷談藤岡屋ばなし』続集. 筑摩書房, 2003.6. (ちくま学芸文庫) 4-480-08776-1
9月の言葉:「私は自分の辿って来た道をふり返ってみて、そこにひとつとして大きな感情の起伏を見出すことが出来ないのに驚く。平坦なのだ。」from 氷川瓏「洞窟」
日下三蔵編『氷川瓏集 : 水蓮夫人』 (ちくま文庫 . 怪奇探偵小説名作選 ; 9)(筑摩書房, 2003.8) 4-480-03836-1
8月の言葉:「空想的な本に描かれた死というものが、とても恐ろしく思えるのは、子供の時だけだからである。」by ヘンリー・ライダー・ハガード
渋谷章訳「『ソロモン王の洞窟』の真実」「幻想文学」67号(2003年7月)
7月の言葉:「宇宙局だってお役所でしょ。いちいちムダが多いのよ」by Foundation2ステルヴィアの女医さん
『宇宙のステルヴィア』「ゆめとげんじつ」(2003/7/3)
6月の言葉:「この世に幸せな英文学教授などいるのだろうか」by ダニエル・グリン
パトリック・オリアリー ; 中原尚哉訳. 『不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ』 早川書房, 2003.5 (早川文庫SF ; 1444)(p. 461)
5月の言葉:「捜せ、そうすれば、見いだすであろう。」(「マタイによる福音書」7:7)
1954改訳(日本聖書協会, 1976)
4月の言葉: "One day Alan and I were talking about style and Alan mentioned that the Hobbit dwellings are very 'arts and crafts,' and I said, 'What's that?'" by John Howe
Gary Russel, The Lord of the Rings : the art of the Fellowship of the Ring, Boston : Houghton Mifflin, 2002. p. 11
3月の言葉: 「この世に出てきたときと同じようにして出ていくんだ。ぎゃあぎゃあわめいて、じたばたあばれて」by 三等技術員デイヴィッド・リスター
グラント・ネイラー著 ; 安原和見訳 『宇宙船レッド・ドワーフ号』1(河出書房新社, 2003.1)p. 183
2月の言葉:「初対面でここまで好きになれる相手はめったにない」by 十牛
バリー・ヒューガート ; 和爾桃子訳 『霊玉伝』(早川書房, 2003.1)p.
1月の言葉:1月の言葉:「しっかりと買い求めるのが幻想文学愛好者の仁義というものであろう」by 石堂藍
「戯画をちりばめた迷宮」(M.ピーク『タイタス・グローン』の書評)『季刊幻想文学』12号(1985年9月)

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