Toddler Penguin's Place >> 今月の言葉 >> 1999
いままでの言葉:1999年
- 12月の言葉:「自分もさぐりを求め、師にも教えを乞い、知って覚えて、はじめてものは落着くのに、心にかけつつも完了しないのは、怠慢である。怠慢には一種いうにいわれぬ快さがあるので、つい愚図愚図とそちらへひかれて風情に欠けることばかりしている。」by 幸田文
- 「ことしの別れ」『季節のかたみ』(講談社,1993)
- 明治のおばさんの説教はイタイ。ほんと、最近さぼりまくりだから…。
- この方と料理家の辰巳浜子さんって、家事をして貰ったら最高だろうけど一緒に暮らしたくはない2大夫人ですな。
- 11月の言葉:「それが、手段のほうにばかり気をとられているから、バカバカしい筋にうんざりしたり、…遅い運びにイライラしたりするのです」
- 「理性でなく感性で観てほしい」国立劇場第一制作室長 北潟喜久「イヤホンガイド耳で観る」10月号より
- ここでいう手段っていうのはストーリーのことです。
- 国立劇場で『音菊天竺徳兵衛』を観ました。歌舞伎は高校の鑑賞教室以来。華麗にして無茶な話で(発端のお家騒動なんて最後にはどっかいっちゃうのだ)、楽しみました。日本のアニメのいでき初めの親は歌舞伎だったかって(笑)
#声優おっかけもキャラ萌えも江戸時代からOKだったらしいし(オイオイ)
- 10月の言葉:「サラリーマンだって、地球を救う正義の味方になれる!」
- 『地球防衛企業ダイガード』新番組予告より
- 人数合わせで独立行政法人化されてしまう、木ッ端公務員(まるしー星新一)の心に響く言葉でした(^^;
- 国立大学の独立行政法人化なんて、誰も喜んでないのにやっちゃうんだよねぇ。なんだかなぁ。
- 9月の言葉:「ひとつ言えることは、探したい本があるときは、「フォース(理力)を使え」ということです。」by 岡崎武志
- 「念ずればかなうのだ」:「欲しい本をどうやって手に入れるか?」『季刊本とコンピュータ』1999夏p85
- こういうまじめな雑誌も読んでます(^^;
- この後、「どれだけ強く念ずるかで、本が入手できる確率が違ってきます」と続くんだけど、これって、まともに本を探したことのある人の共通認識でしょう。
- Webでデータベースもどんどん公開されているし、情報検索の技能が特定の人や場所に限られるってこともなくなってきてる。あとどのくらいそれが欲しいか、どれだけお金を費やせるかって問題。で、そういうことに意識的な人とそうじゃない人の、得られる情報の量の差もけた違いになっていくんでしょう。
- マタイの法則「おおよそ富めるものはますます富み」って奴だけど、平等原則の図書館としてはけっこう大問題。
- 8月の言葉:「近頃の新聞はチットでも訳のわからんことがあると、すぐに、ヘンタイ何とかチウって書きおるでな」by 荒物屋の隠居
- 夢野久作「いなか、の、じけん」(『あやかしの鼓 夢野久作怪奇幻想傑作選』 角川書店 1998.4(角川ホラー文庫)4-04-136611-9)より
- ヘンタイをインターネットとかゲームに置き換えれば、ほら今朝の新聞のできあがり。ちなみに初出昭和2年7月です。
- で、7月はじめから新聞とるのやめたのですけど、困るのはテレビの時間変更くらい(笑)
- 7月の言葉:「あれがパブ―居酒屋(イン)です。C・S・ルイスやトールキンが友人のインクリングたちと会っていた場所ですわ」by ドラゴン・レディ
- アーサー・C・クラーク『3001年終局への旅』(伊藤典夫訳 早川書房,1997)より
- fj.rec.sfでだめだめって評判だったので読んだらやっぱり駄目駄目でした。たしかにクラークなんだけど、全然すごくない。
- で、お話には全然ないところからのお言葉です。仮想のオックスフォード上空をドラゴンで飛んでいる場面を想像してください。クラークはトールキンが大好きなんでしょうね。たしか『2010年宇宙の旅』でもイオの表面をモルドールに例えていたし。
- ところでこの部分、ルイスもトールキンもインクリングスの一員だったわけだから、誤訳とはいえないけど、その方面にうといハードSFな人にはちょっと不親切かな。
- トールキンといえば、訳は相変わらずしょーもないけど、久々に新刊『仔犬のローヴァーの冒険』(原書房)もでましたね。それから関係ないけど『人生を複雑にしない100の方法』というハウツー本には「贈り物をマソムにしてしまえ」というアイデアがなにげにでていてびっくり。あやしいフィギュアもトイザラスにならんでるし、今年はトールキン年かしらん(笑)
- 6月の言葉:「現代は明らかに技術ロボットを必要としている。世界が機械ロボットを必要としているのは、生命よりも機械を信じているからであり、生命の奇跡よりも技術の驚異に心を奪われているからなのである。」by カレル・チャペック
- 「「ロボット」作者の自己防衛」リドヴェー・ノヴィニ(人民新聞)1935年6月9日号
- カレル・チャペック『R.U.R. ロボット』(栗栖継訳 十月社,1992)より
- SONYのAIBO、20分で売り切れ、アメリカではサーバをダウンさせたそうで。昼休みに売れ残ってたら買おうなんて根性では当然手に入りません。それでも、一度も使ったことのないソニーファイナンスのカードを財布に突っ込んでく程度の物欲はありました。ソニービルでのAIBOデモンストレーションを最前列で見ちゃいましたからねぇ。たったの15分でしたがとにかくかわいい。
で、はじまる前に後ろにいたお姉さまたちが、R2D2、アナライザー、ブレードランナー、ロボコップなんて固有名詞を出した挙句に、「育てるのに失敗した時ようにロボット原則入っているのかな」みたいなことをおっしゃった時には、SFの浸透と拡散とはこういうことかと感じ入った次第です。チャペックとアシモフを間違えてらしたから、その筋の人ではあるまいと(^^;
- あの時のお二人へ。もしこのページを見ていたら名乗りでてくださいまし。いぢめませんから。
- 5月の言葉:「だれかコスタキを見た者は?」by スメランデ
- アレクサンドル・デュマ・ペール&ポール・ボカージ「蒼白の貴婦人」から。ピーター・ヘイニング編『ヴァンパイア・コレクション』(角川書店,1999)より。
- ウテナの枝織ちゃんじゃあありませんが、「願いは必ず叶う」んですね。キム・ニューマンの力技『ドラキュラ紀元』(東京創元社,1995)に登場するプリンス・コンソート直属カルパティア人近衛隊大尉。ヤードのマッケンジー警部との少数民族同志愛(なんなんだ)に目覚める彼。調べたんだけど、もちろん未訳、英語ならなんとかなるかと思ったのに、こっちも絶版。それがついに日本語で読めるとは、いやぁいい時代に生まれたものです。
- 4月の言葉:「帰れ!」by ユウシロウ&ミハル
- アニメ『ガサラキ』最終話(3月28日放映)から
- 流されるままに生きてきたユウシロウくんが、自らの意思で立つという正しい終わり方をした『ガサラキ』でした。そういう話にすることはなかったんじゃないかと思うのだけど。富野とか高橋監督とか、上の世代の人はまじめだからエヴァに答えなくちゃって思うのかもね。
- 餓沙羅鬼の謎のほうは、ちょうど読み終わったところだったので、「おお、『七夕の国』(岩明均、講談社、1997-1999)」なんて思ったけど、“宇宙人に遺伝子操作された人類”って昔からあるパターンだよね。『神々の指紋』(は読んでない)ブームで復刊したデニケン『未来の記憶』とか、中学生位の時はけっこう信じていたような気がする(^^;
オレっていまだに科学知識ないし、どうしてこういうのを眉に唾つけて見られるようになったのか。やっぱ人はオタクになったとき、「と」の呪縛から逃れられるのかも。
- 3月の言葉:「一九九九年なんて永久にやってこないような気がしていたのである。」by 木田元
- 朝日新聞 1999.2.21(朝)読書欄『定年後』の評から
- 『ノストラダムスの大予言』とか『日本沈没』とか流行った時代がありまして。そう思っているうちに20年(^^;
- 2月の言葉:Verba volant, scripta manent.
- 塩野七生『ハンニバル戦記』 新潮社 1993.8(ローマ人の物語2)4-10-309611-X
- お正月休みは『ローマ人の物語』をかたずけていました。
「話したことは飛び去るが、書いたことは残る」と訳されています。もひとつ、"Arduum res gestas scribere"「書くことはむずかしい」。こたえるお言葉です。
- 1月の言葉:「俺たちゃあきらめが悪いんだ。」by ロッソ
- アニメ『DTエイトロン』最終話から
- 今、歯医者にかかってます。歯科衛生士のお姉さんの情け容赦ない攻撃にさらされている最中に有線で「おなじ星」がかかって、思わず涙がでそうに。それは美しく残酷なエンディングでした。アミノ監督は最終回に視聴者が期待するものをちゃんとわかってる方だ。
- で、ようやくサントラも手にいれました(ビクター VICL60260)。難波弘之でしたね。そうか、次回予告で流れる物悲しい曲は"Mother"というのか。歌の町の楽しいスキャットの作曲者はハミングバード(アイドル防衛隊ではない)の福山さんか?
- まあ、今年は恐怖の大王も降りてくることですし、リターナーを見習ってしぶとく行こうということで。しかし、『ノストラダムスの大予言』by五島勉を読んだ時は、この年齢まで生きておたくやってるとは思わなかったな〜。おっと、当時まだ、をたくは存在してなかったね。マニアとミーハーしかいなかった筈だ(^^;;
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