![]() 図1-1.模型制御概要 |
図1-1に模型制御の概要を示します。
パワーパックはドライブ回路とその制御回路で構成されています。
通常の模型では、パワーパックのつまみ(制御回路)を人が手で操作することで、モータ(Rail)に流れる電流を制御します。
パワーパックのつまみに相当する部分をコンピュータ等で操作して、模型を制御します。
![]() 図1-2.パワーパックの例 |
図1-2にパワーパックの例を示します。
つまみ(VR)を操作するとViが変化し、ドライブ回路は REにかかる電圧、すなわち、 ICE( = レールを流れる電流) × RE が Viと等しくなるように ICE が流れます(IBEは微少なので無視)。
Vi をコンピュータで操作すれば、レールに流れる電流をコンピュータで制御できるようになります。
ICEを 0〜2[A]の範囲で制御する場合は、
0 × RE < Vi < 2 × RE
の範囲で Vi を制御すれば良いということになります。
![]() 図1-3.制御回路例 |
B0からP0を通りGNDへ流れる電流をi0,
同様にB1,B2からP1,P2を通りGNDへ流れる電流をi1, i2とし、
P0,P1,P2の電位をそれぞれVP0, VP1, VP2とする。
また、B0, B1, B2の電位をVB0, VB1, VB2とすると、
i0 = (VB0 - VP0) / 2R
i1 = (VB1 - VP1) / 2R
i2 = (VB2 - VP2) / 2R
VP0 = (i0 + i1 + i2) × 2R
VP1 = (i1 + i2) × R + VP0
VP2 = i2 × R + VP1
が成り立つ。
これを整理して、
VP0 = ( (VB0 - VP0) / 2R + (VB1 - VP1) / 2R + (VB2 - VP2) / 2R) × 2R
= VB0 - VP0 + VB1 - VP1 + VB2 - VP2
= 1/2 × (VB0 + VB1 - VP1 + VB2 - VP2)
VP1 = ( (VB1 - VP1) / 2R + (VB2 - VP2) / 2R ) × R
+ 1/2 × (VB0 + VB1 - VP1 + VB2 - VP2)
= ( VB1 - VP1 + VB2 - VP2 ) /2
+ 1/2 × (VB0 + VB1 - VP1 + VB2 - VP2)
= -VP1 + (2VB2 + 2VB1 + VB0)/2 - VP2
= (2VB2 + 2VB1 + VB0)/4 - VP2/2
VP2 = (VB2 - VP2) / 2R × R
+ (2VB2 + 2VB1 + VB0)/4 - VP2/2
= -VP2 + (4VB2 + 2VB1 + VB0)/4
= (4VB2 + 2VB1 + VB0)/8
となる。
1.は複線で2列車運転、複々線で4列車運転等、よく見られる方式です。
2.には NMRAの DCCや 岡瀬氏の NINE-SYSTEM があります。
3.は、NiftyServeの 鉄道模型フォーラム で使用されている CPP(詳細はNiftyserve, FTRAINM会議室#9参照)や 当方で開発中のNTCS等があります。
![]() 図2-1. 車載回路方式 |
車載回路方式は、各車両に搭載したドライブ回路を制御する事で複数車両の制御を行います。
複数車両(複数ドライブ回路)を2本の線(Rail)で制御するため、制御回路とドライブ回路の間に、デコーダ(マルチプレクサ含む)と車載エンコーダを必要とします。
制御信号の伝送には、Railではなく、無線、赤外線、架線等を使用するものもあります。
![]() 図2-2. 地上回路方式 |
![]() 図2-3. 電源選択方式 |
履歴 1998.09.23 更新 1998.08.26 更新