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Asian News> アジア各国の女性労働に関する最新ニュース
-最新の記事(2件)- ●タイ・トリンプの工場で大量解雇 労働省内に200人が泊まり込み10.03.18
●台湾の青年と派遣労働者10.03.18
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10.03.18up
タイ・トリンプの工場で大量解雇 労働省内に200人が泊まり込み
世界の下着メーカーとして知られるTriumph International(以下TI社)は、スイスとドイツを拠点に世界中に下請け工場を持ち、120カ国に事業所をおいて販売競争を勝ち抜いている典型的な多国籍企業です(日本ではトリンプというブランド名を使用)。途上国の工場を互いに競わせて「高品質」と「低生産コスト」を維持してきましたが、アジア各国で労働争議が絶えません。
タイのサムットプラカーン省にあるBody Fashion衣料工場(BFT)もTI社の下請け工場ですが、昨年8月29日、約1960人の労働者が解雇されました。これは4000人の工場のほぼ半分。会社は「世界経済危機で注文が減ったため」と説明していますが、別のところに新工場を建て、臨時労働者を雇って仕事を続けています。
労働者は突然の解雇に怒り、解雇撤回を求めて工場の前で交渉を要求してきましたが何の進展もなく、解雇から100日後、労働省に場所を移して約200人が交替で泊まり込みを続けています。
12月12日、CAWの会議に参加した仲間たちと一緒に、抗議行動の現場を訪ねました。労働省の近くでミニバスを降り、難なくゲートを通ると、ま正面の建物の1階フロアが「解放区」になっていました。土曜日の朝9時半、まだ朝食途中の人もいて、ずいぶんとのんびりした雰囲気なのに驚きました。子どもたちもたくさんいて、母親のそばで遊んだり宿題をしたり絵を描いたり…。品物の販売を手伝っている子どももいました。壁のない広いフロアは周囲を洗濯物や簡単な家具で囲われ、内部は原材料や仕事の道具などでちょっとした仕切りをつけ小グループに分けられています。リリアン編みやパッチワーク、ビーズを使った手作業をしながらおしゃべりや笑い声で賑やかです。フロアいっぱいに並べられた「商品」はカラフルですが、隅に置かれた緑色のテント(蚊帳)が生活をかけた闘いであることを物語っていました。
1階のフロアは高床式で、階段を数段上がったところにあります。その入り口にはデモや集会で使われるバナーやプラカード、張りぼて、メガホンなどが無造作に置かれていましたが、フロアに上がるとまず目につくのがミシンでした。

労働省内に持ち込まれたミシンが大活躍
私たちのブランドは“Try Arm”
たった5台のミシンですが、ここでブラジャーやショーツを縫い、最近“Try Arm”というブランドを立ち上げ「プロテストパンツ」として販売を開始しました。“トライアンフ”と音が似ているところがミソです。この工場では1980年代はじめから労働組合を結成して労働条件の改善等に取り組んできており、そのために勤続の長い人も多いのです。世界に通用するブランド品を作ってきた労働者たちですから技術には自信を持っています。解雇されたデザイナーとミシン技術の指導者も加わって新しいデザインを作りだしました。
「下着を作るのは細部に細かい神経を使う。レースをまっすぐに縫い合わせるのはとてもたいへん。私たちの技術は半端じゃない。みんなとても几帳面だからできるのです。」「ミス・タイコンテストで使われる水着は私たちが作ったの。それが最後の仕事だった。私たちは自分の仕事に誇りを持って働いてきたのです。」

労働省内に泊まり込んで闘うタイの労働者
「“Try Arm”は労働者の闘いのシンボルとして、労働者の搾取によらない高品質のものとして、まず中年の女性労働者をターゲットにしている。でもはじめにはいてもらいたいのは労働大臣ね。」
バングラデシュの女性が質問しました。「どうやってこの場所を占拠したの?自分の国ならすぐに捕まってしまう!」と。皆の共通の疑問でした。
「ここを占拠することを決めてから、組合員が三々五々ゲートを通って敷地に入り、役所が何かおかしいと気付いた時にはすでに相当数の労働者が中に入っていてこの場所を占拠した。その後、守衛の隙を突いてミシンや生活用品などをフェンスの上下から投げ入れた。」その後何度も退去勧告を受けたものの、実力行使はなかったそうです。
政府は相手が多国籍企業であり、タイの法律には違反していないということで、労働者のために何もしてくれないが、政治状況が不安定な中で大きな火種にしたくないし国際的な問題になることを恐れて静観しているのだろうということでした。
労働者との交流では皆明るく友好的で、ドラムや笛など鳴り物入りで歓迎してくれました。互いに激励の言葉を掛け合い、私たちも大きなエネルギーをもらって現場を離れました。

200人が交替で泊まり込み−2か月経過
フィリピンでも解雇 狙いは労働組合つぶし?
同じ時期、トライアンフ・インターナショナルに関連する労働争議は、フィリピンでも起こっていました。昨年6月から7月の間にフィリピンの2つのTI社下請け工場で、1660人の労働者が解雇通告を受けました。
7月末にはタイのTI労働組合の代表2人がフィリピンを訪れ、スイス大使館とドイツ大使館への要請行動を一緒に行いました。スイス大使館ではフィリピンとタイの4人の労働者代表を受け入れ意見を聞きましたが、「スイス政府は人権を尊重し保護する姿勢を持っており、企業が自社の行動規範を守っているかどうかモニターすることはできるが、工場を閉鎖するかどうかを決定する立場にはない。フィリピンの労働組合は、補償金の増額等について交渉ができるのではないか」と言うに留まりました。
ドイツ大使館は、大使館が入居している商業ビルに20人以上の武装した警備員と1匹の番犬を配置し、労働者の入室を断固拒否しました。要請書を受け取ることも拒否していましたが、最後に2人の労働者代表をビルの中に入れ、大使館の窓越しに要請書を受け取ったということです。
翌日、労働組合員はタイの代表と一緒に労働雇用省までデモ行進をし、要請書を提出しました。政府は労働者が補償金を確保できるように援助するが、会社が言うように分割払いを受け入れた方がいいと説得しました。結局、フィリピンの工場は閉鎖され労働者は解雇されましたが、TI社は、CALABARZON(カラバルソン)と呼ばれる工業地域に新工場を建設し、新しい労働者を雇うということです。つまり、経済危機を口実にした工場閉鎖と労働者解雇は、まったく偽装としか言いようがありません。
タイで2008年にも労組委員長解雇
タイのTI労働組合を代表してフィリピンを訪れたジトゥラは、2008年7月にTI社の下請けであるBody Fashion衣料会社(BFT)を突然解雇されました。その理由は、映画館の中で国王を讃える歌(国歌)が流れたときに立つことを拒否したある人を擁護するキャンペーンのTシャツを着ていたということでした。
ジトゥラは、4月にテレビのインタビューを受けたときにそのTシャツを着ていましたが、話の内容はタイの女性労働者には望まない妊娠が多いということと中絶の権利についてでした。
解雇通告があったのは工場で働く女性たちの賃金と福利厚生についての交渉が成功した後で、ジトゥラは組合の委員長でしたが、彼女がテレビのインタビューに答えたとき、自分がトリンプ工場の労働組合の委員長であるとか仕事に関することについては何も語っていません。しかし、会社はTシャツの着用が会社のイメージを悪くしたとしてジトゥラを裁判所に訴え、彼女がそのことを何も知らない間に、解雇を認める裁判所の決定がなされたのです。
解雇通告の後、BFTの工場で働く3700人の労働者はジトゥラの解雇撤回を求めてストライキに入りましたが、会社は交渉に応じるどころか、20人の組合リーダーを解雇し、他の労働者に懲罰を与えました。今回の大量解雇はこのような組合敵視政策から起きていると考えられます。
中国では3000人がストライキ
中国南部のハイコウ市にあるTI社の下請け衣料工場では昨年11月、会社が「生産性が前年比50%を上回らなければボーナスをカットする」と発表したため、約3000人の労働者がストライキに入りました。労働者は、世界的な経済危機で生産が減っているのに無理だと反発しました。農村からの出稼ぎ労働者は仕事保障も医療保険も年金もなく働いているのに、すでに賃金カットがなされ、苦しい生活を強いられています。これまでの不満が爆発して、最低賃金引き上げや休暇の取得など基本的な要求を掲げています。(広木道子)
 訪れる人に物品を販売して生活を支える
 ここから学校に通う子どももいる
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10.03.18up 台湾の青年と派遣労働者
台湾で、労働者の権利促進を目指している「青年労働者ユニオン95(注)」によれば、台湾ではますます多くの使用者が、労働関係を弱める様々な策略によって底辺の労働者を粗末に扱っている。その1つの搾取的な条件が“不払いの見習い期間”というものだ。つまり新規雇用者は1〜3か月の見習い期間は不払い労働の対象となる。経済状況の悪化のために、多くの労働者がこれを受け入れさせられている。
台湾の労働基準法には、“見習い期間”とか“訓練期間”に関する明確な規定はない。そのため使用者は自分の責任を逃れ、労働者の基本的権利を奪う法律上の抜け穴を利用している。たとえば、ある使用者は新規雇用者に基本的な賃金を払わず、労働保険も掛けずに見習い期間だけ雇っている。しかし最近の判例によれば、見習い期間の労働者でも労働者の権利は保護され、労働災害補償も受けられるというものであった。
その他に、青年労働者ユニオン95は、台湾の派遣労働者の深刻な問題を明らかにした。労働関係評議委員会が発表したデータによれば、派遣事業者の86%が労働法に違反しているという。たとえば、派遣事業者の30%が労働者と有期契約についての取り決めをしているが、労働保険に保険料をきちんと払っていない。政府は、20万人以上の派遣労働者がいると推定している。
青年労働者ユニオン95は実際の労働法違反はもっと多いだろうと推測している。たとえばある会社は、雇用関係を逃れ法的責任を回避するために、意図的に子会社の派遣会社を通して労働者を雇っている。広く行き渡っている“柔軟化”と規制のない労働関係は、台湾で労働者の搾取が強まっている理由の1つとなっている。
(注)青年労働者ユニオンは、若い社会活動家、大学の学生と研究者たちによるNGO。主に若い学生と中高年の女性を組織している。主要な目的は、
1. 若年、未熟練、底辺労働者の労働条件改善 2. パートタイム労働者の法的・実際的な労働保護の強化 3. 若い労働者が社会問題に積極的に関わることを通して自分たちの権利のために団結し闘うよう支援 4. 労働の権利に対する市民社会の意識を高める
(AMRC「ASIAN LABOUR UPDATE」より)
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