北炭夕張炭鉱の中枢部のあった地区はかつての石炭の歴史村で現在は石炭博物館、炭鉱生活館、ゆうばり化石館をまわることができます。石炭博物館は展示コーナーと実際に炭鉱の坑内に入っていくコーナーに大きく分かれ、炭鉱坑内では迫力ある機械採掘の現場を垣間見ることができます。炭鉱生活館は炭住での暮らしを再現したコーナーなどがありますがあと一歩深みが足りません。ゆうばり化石館は小さな施設で恐竜の動く模型があります。北の零年希望の杜は北の零年の大夕張で撮影されたロケ施設を保存したもの。
世界のはくせい館は休業中ですが再開されることはないでしょう。SL館は夕張鉄道、三菱大夕張鉄道のSLと関係資料の展示施設で休館中で今後の動向が大変不安です。
(石炭博物館:1,200円、炭鉱生活館500円、ゆうばり化石館300円、北の零年希望の杜無料、9時半-17時、4月末-10月中旬)
■花畑牧場
かつての石炭の歴史村の駐車場には花畑牧場の直営ショップとメロンパンカフェ、ホエー豚亭ができました。また最近まで炭鉱住宅が立ち並んでいた高松地区はすべての住宅が壊され「郷愁の丘」という新しい小さなテーマパークができましたが、それも改装され「花畑牧場希望の丘」となり、シネマカフェ、アートギャラリー、生キャラメル体験工房になりました。
■のんきや
傾いた建物は道路改良工事にて建て替えられ、代替わりもしましたが今も人気のラーメン店。素朴な塩ラーメンが名物。
■藤の家
惜しまれながら閉店。
■吉野家
市役所裏の蕎麦屋さん。夕張名物の長芋のとろろそばやカレーそばもあります。
■かど蛯
店の外の案内にカレーそばが人気との表示があり注文。若干甘めのカレーそばは大変おいしかったです。
■うさぎや
シナモンを餡ドーナッツにまぶしたシナモンドーナッツが有名。一部のセイコーマートや札幌でも手に入れることができます。
■花とシネマのドリームランド
閉鎖され謎の戦車も撤去されました。
■丁未風致公園
信じられないかもしれませんが昔は炭鉱住宅がここまで続いていたのです。
■歴史村商店街
夕張のメインの商店街で各商店の2階部分に昔の映画の手書きのポスターが飾られいい雰囲気でしたがかなりの店舗が解体されてしまいました。
■夕張鉄道跡サイクリングロード
トンネルが崩れる危険があるため閉鎖。自転車はホテルレースイ内で4時間まで500円にて借りることができます。
■レースイの湯
ぐるっとパスにも組み込まれた温泉。単独での日帰り入浴も可能です。ナトリウム-炭酸水素塩泉。
(日帰り入浴:680円、8時-21時)
■幸せの黄色いハンカチ広場
映画幸せの黄色いハンカチで使われた炭鉱住宅が保存されています。木造の炭住長屋で中は映画で使われた車が置かれ、映画の解説が写真とともにされています。圧巻なのは訪れた人が貼った願い事を書いた黄色い紙で壁天井一面に隙間がないくらい詰まっています。またこの施設のさらに上の一角には少ないながらも実際に使われている炭住がまだ数棟あるのです。
(入館料:500円、9時半-17時、4月末-11月初旬)
■旧北炭鹿ノ谷倶楽部(夕張鹿鳴館)
北炭の迎賓館として使われてきた建物です。加森観光が撤退後、新たな指定管理者がフレンチレストランとして再生。見学のみも可能です。レストランはランチ1,500円-5,500円程度、ディナー3,500円-9,000円程度。
(入館料:500円、10時-18時)
■ユーパロの湯
塩化物強塩泉でなかなか広くくつろぐには良いところ。北炭化成のコークス工場の煙突が残されていて温泉のシンボルになっています。6月下旬営業再開予定。
(日帰り入浴:600円、11時-21時、第2,4火休)
■北炭清水沢火力発電所
夕張周辺の各地の北炭の炭鉱の電力を供給していた発電所。その遺構は巨大で壮観でしたが残念なことに解体が進み、その姿を見ることができるのもあとわずかと思われます。発電所を遠望するには風間健介写真館へ向かう途中の清水沢ダムの堰堤からがお薦めです。敷地内は立入禁止。
■清陵町
夕張最後の北炭の炭鉱、夕張新鉱の炭鉱住宅街で近年の炭住街の雰囲気を最も良く残した所です。
市街地のはずれに新鉱の慰霊碑と通洞の入口が残っています。
■大夕張鉄道保存車両
南部には三菱石炭鉱業鉄道が清水沢から通じていました。 廃止後南部にあった南大夕張駅跡にはその車両が放置されていました。
腐食が進み無残な状態だったのですが保存活動が進み客車の一両が車内も含め公開されています。これらの客車は明治、大正期からの歴史ある車両でたいへん貴重なものなのです。道路反対側清水沢方の高橋商店に南大夕張駅観光スタンプが復刻され設置されています。
■青葉町・菊水町
三菱南大夕張鉱の炭鉱住宅が集中していた地区がこの青葉町・菊水町です。 現在そのすべての住宅が撤去され菊水町の敷地は夕張ファームの温室が立ち並んでいます。また中心部には荒れ果てた商店街が残り、その風景はあたかもゴーストタウンの様相を呈していますが、今もわずかに人が住み、町外れのゲートボール場は昼間老人が集う場所になっています。現在ダム工事によりダム側への道は途中で封鎖され、この道路改良工事が進むとこの地区は小奇麗に整備されてしまう可能性が高いようです。
■シューパロ湖
湖を渡る森林鉄道廃線跡の三弦トラス橋梁がアクセントを添える人造湖です。 この湖はダムの嵩上げ工事でさらに巨大な人造湖になる予定があり工事が進められています。 そして大夕張はその湖の下に沈むのです。
■大夕張
夕張市から独立してひとつの市になる話もあった大夕張も今は無人の地となりました。 わずかに残っていた道路沿いの商店街も今はほとんどが消失し、廃屋はすべて撤去され、ダム工事のための巨大な骨材プラントが大夕張には鎮座しています。 私が行った時は鹿島小学校の解体工事が黙々と行われていました。 その音だけが大夕張の静寂の中で響いていたのです。その後数回大夕張の地を訪れましたが鹿島小学校のグランドとイタヤカエデの木がその面影を今に伝えています。
(交通:歴史村-[バス26分]-清水沢-[バス16分]-南部)
北海道旅情報巻頭 4-8.夕張・雨竜・空知