4-13-1.根室半島


根室半島

根室は日本最東端の岬、納沙布岬を有する町です。釧路、知床、阿寒、摩周などから離れ、主要な観光ルートからは外れるため目的地のひとつとして考えなければなかなか行きにくい場所ですが最果て感を感じるにはとても良い場所です。

一般的には納沙布岬往復程度しか考えられませんが、人が訪れることも少ない魅力的な岬や湖沼が点在します。落石岬やフレシマ湿原、春国岱などがそれらにあたります。また厚床ではフットパスが3ルート整備され、それらを歩くのもいいのではないでしょうか。

釧路からはJR花咲線(快速は2往復)と根室交通の都市間バス(平日3往復・土日祝2往復)があり、札幌からは根室交通の夜行バスがあります。花咲線にはルパン3世ラッピングトレインも運行されています。

根室の名産品としては花咲がにが著名で根室駅前や花咲港には直売店もあります。また端谷菓子店のオランダせんべいも昭和40年代からの根室銘菓として懐かしい味を今に伝えます。

宿は昔ながらのビジネスホテルや旅館はありますが、全国チェーンの宿泊施設はありません。特筆される宿もないので厚岸、浜中、別海、中標津方面に宿泊するのもひとつの方法でしょう。

(交通:釧路-[JR快速87分・普通92分]-厚床-[JR快速23分・普通24分]-落石-[JR快速17分・普通21分]-根室)



根室市街

■エスカロップ

バターライス(ケチャップライス)にとんかつをのせ、デミグラスソースをかけたもので、根室の味として静かな人気があります。駅前のニューモンブランやどりあんなど根室市内の飲食店にはメニューにある場合が多い。ニューモンブランは建物自体はスナックの雰囲気。

■明治公園

明治8年創設の開拓使根室牧畜場を起源とする公園です。大正10年北海道練乳(現株式会社明治)の所有となり、昭和7年造の第2サイロ・昭和11年造の第1・3サイロと3基の煉瓦造のサイロが建設され、それが公園のシンボルにもなっています。

■慟哭の森美術館

根室で歯科を営みながら製作したチヌカイコロ(茂木幹)の作品を展示しています。艶やかな風景画がメイン。開館日は非常に少ない。

(入場料:100円、10:00〜17:00、毎月第2日曜のみ)

■金乃比羅神社

根室港を見下ろす高台にある神社で例大祭が毎年8月に開催されます。祭りの日以外は神輿殿とお祭り資料館を訪れると良い。

■東根室駅

日本の最東端の駅ですがごく普通の無人駅です。

■清隆寺

日本の桜前線の終点です。千島桜は5月中旬〜下旬が見頃となります。



納沙布岬

■納沙布岬

納沙布岬は日本最東端の岬です。 元旦には初日の出を拝むために多くの人が集まりますが元旦の日本一早い日の出は犬吠埼とのことです。周囲は決して人口の少ない場所ではなく漁村の先に岬があるという雰囲気です。灯台の先まで歩いて行くことができます。霧に覆われることが非常に多い。

岬からは間近に北方領土を望み、否が応でも国境の雰囲気が伝わってくるのです。望郷の家には北方領土の昔の写真や資料が展示されています。 またここには展望室もあり天気がよければ貝殻島の灯台や水晶島などの北方領土を双眼鏡にて眺めることができます。また望郷の家の横には四島のかけはしというモニュメントがあるほか周囲にはたくさんの民間の北方領土返還への願いを書いた碑が林立しています。

■平和の塔

納沙布岬の四島のかけはしのすぐ西側にある展望塔です。笹川財団の手により昭和62年に建設されたもので高さは97mあり、天候がよければ納沙布岬を俯瞰でき、北方領土の島々を眺めることができますが入場料は少々高い。2階には日本最東端の珍スポット、ミステリアスランドが存在します。

(入場料:900円、8:30〜日没15分後)

■北方原生花園

根室と納沙布岬を結ぶ道道の脇にある原生花園です 。木道が整備されています。

■ノッカマップ岬

国後騒動の時に処刑されたアイヌ人の慰霊祭が行われる岬です。

(交通:根室駅-[バス40分]-ノサップ岬)


春国岱

風蓮湖とオホーツク海に囲まれた春国岱は海岸砂丘と湿原の島です。 ハマナス、エゾカンゾウなどの花が咲き乱れます。 また北海道でも有数のバードウォッチングの場所として知られています。

■春国岱自然歩道

春国岱橋を越えた駐車場から自然歩道が始まります。 ヒバリコース、アカエゾマツコースの約4.0kmを一周するのが針葉樹林、広葉樹林、湿原、砂丘と変化があり楽しめます。 そして時間があればハマナスコースやその果てまで行ってみましょう。

私が行った時はアカエゾマツコースの途中の木道の下にキタキツネの巣が作られていました。 また天候の変化が激しく入り口では晴れていたのが帰りには雨に。 ハマナスコースの奥まで行く時は注意が必要かもしれません。

■ネイチャーセンター

バードウォッチングのための拠点となっている所です。 専門職員の方がいて様々な質問にも答えてくれます。 野鳥を窓越しに観察ができるコーナーがあり間近でえさをついばむ野鳥を見ることができます。。 また双眼鏡を借りて小鳥の小道を歩いてみましょう。 自分で鳥を探しながら歩くと時の過ぎるのを忘れてしまいます。

■白鳥台

風蓮湖は白鳥の飛来地としても知られています。 春国岱橋、白鳥台、川口の3ヶ所が観察ポイントです。 また白鳥台の展望台からは風蓮湖が見渡せます。

(交通:根室駅-[バス17分]-東梅-[バス7分]-白鳥台-[バス5分]-川口-[バス16分]-厚床)


落石岬

■落石岬

釧路から根室に至る海岸線には幾つもの岬がありますが、その中で最も人の手の入っていない美しい岬です。

落石駅から落石の漁港まではゆったり遠く落石岬のある半島を眺めながら歩きます。 そしてその行き詰まった岬のたもとから岬のある半島の台地にゆっくり登っていきます。 台地の上は様々な湿原的な植物が繁茂しています。 その中を朽ちかけた木道がまっすぐ灯台まで続いています。 途中、森林地帯に入りそこを抜けると灯台と延々と広がる太平洋が眼下に飛び込んできます。

漁港から登って少し歩いた台地の上に無線通信局の跡があります。 前は本当に壁のみが残る遺構だったのですが一頃、画廊に使われていたりしていましたので現在はどうなっているのでしょうか。 荒涼とした台地の風景とこの無線通信局の遺構がなぜかとてもマッチしていました。

■夢想平

根室YHで教えてもらった場所でたぶん名前もYHの人が付けたのでしょう。 小さな湿原がなんのきなしに広がっています。

■長節湖

昆布が無数に干された長節の集落を過ぎた先にある小さな湖です。 なんということもない湖ですが一周する散策路がありその道のかたわらには幾つもの石でできた仏像が置かれています。

■花咲岬

円形の石に放射状の亀裂が入った珍しい石、車石がある岬です。

(交通:厚床-[JR24分]-落石-[JR14分]-花咲-[JR7分]-根室)


別当賀・フレシマ湿原

■フレシマ湿原

太平洋の脇に広がる小さな湿原です。 根室YHでこんな所もあるよと教えられ、その時は行けなかったのですが別の渡道の機会に訪れました。 しかし残念ながらその時はあまり湿原の様子も窺い知ることができない一面の霧でした。 霧になってしまうと観光地ではない湿原は木道がある訳じゃなしどうしようもありません。 再訪をしようと心を決めています。

■プー太郎街道

ここも根室YHで紹介された所です。 命名は根室YHのペアレントさんです。 立派な道路なのにルート選定のまずさからほとんど車が通ることがありません。 サイクリングには最適な道です。 ひところプー太郎街道と書かれた看板なんかもあったのですが多分今はないでしょう。

■ガッカラ浜

もしかしたら歩いてフレシマ湿原から行ける場所です。 地図を見る限り静寂な空間が広がる魅力的な所じゃないかと思っているのですが。

(交通:厚床-[JR14分]-別当賀-[JR10分]-落石-[JR21分]-根室)








北海道旅情報巻頭  4-13.根室・中標津
4-13-1.根室半島