千歳空港-富良野ドライブルート5選

質問掲示板において最も多く目にする質問は千歳空港から富良野に向かうルートと時間に関するものでしょう。千歳空港-富良野には様々なルートがあり、途中に地味ながらも北海道の歴史を伝える炭鉱遺跡や観光スポットが点在します。富良野にはたくさんの魅力的な場所がありますがそればかりを求めて富良野に一目散に向かうのではなく、途中1ヶ所でも立ち寄りながら旅をするのもいいのではないでしょうか。基本的にはどのルートも時間にして1時間程度の差こそあれ大差はなく、往復で経路を変えたりすることがドライブを楽しむコツです。所用時間は余裕を若干みてありますが一本道では低速車がいた場合かなりの時間のロスとなる場合があります。

札幌発の場合は1、2が最も一般的となり札幌からの日帰り行楽でもこのルートを通りますのでハイシーズンには一部で混雑する場合もあります。また苫小牧発の場合は2、3、4、5のルートのいずれもをとってもほぼ同じ所要時間となります。苫小牧発の場合は1を採用すると高速料金は4050円となり追加負担が大きくなります。

千歳空港のレンタカーの営業所は空港から離れた場所にあり空港で手続きをした後、マイクロバスにてその営業所に向かいレンタカーに乗り込むことになります。そのため飛行機の到着からレンタカーの出発まで小一時間程度の時間を要しますので注意しましょう。




1.千歳-滝川-富良野ルート

千歳空港-千歳IC-(道央自動車道)-滝川IC-(国道38)-富良野

高速道115km、一般道55km  所要時間3時間弱・高速料金3500円

地図感覚のない人でも道を間違えることなく行くことができるルート。高速道路の走行時間が半分強を占めドライブの魅力という点では味気なく高速料金がかかるのもいただけません。高速を利用せず国道12号を通るのはかなり時間のロスになり一般的には非現実的です。

以下立ち寄り推薦場所。





砂川ハイウェイオアシス

道央自動車道の途中には岩見沢S.A砂川S.Aのふたつのサービスエリアがあります。後者には通常の小休憩の施設に加えて奥に隣接して砂川ハイウェイオアシスという施設がありゲートはありますが高速道路を降りることなく立ち寄ることができます。駐車場の前にはオアシス館という松尾ジンギスカンの経営するレストランマッシーファームと大きめの土産物店で構成され、昼食で立ち寄る、帰路の土産物物色などの活用が考えられます。

またハイウェイオアシスは北海道子どもの国の入り口でもあり直接公園内に行くことができます。こどもの国は最近できた道内の新しい子供向けの公園の中では最低ランクともいえる施設で微妙なスポットとしても有名ですが、園内唯一の有料施設はふしぎの森という場所ではピラミッド、カタコンベ、万里の長城、ピサの斜塔などを模した遊具がめじろおし。子供をここで遊ばせるとかなり時間を要するので時間に余裕があり2時間滞在できるようなら訪れてみるのもいいかもしれません。営業はGW〜11月末のみ。月一回休みあり。





住友赤平立坑

滝川ICから富良野までは空知川を遡りながら国道38号を進むことになります。途中炭鉱町の赤平と芦別を通過することになりますが赤平には炭鉱の立坑が残っています。国道38号には隣接はせずJR根室本線の南側を通る道道227号赤平滝川線沿い、赤平駅の南東の方角にあります。知名度の上昇からか案内板もありちょっと立ち寄るには最適な場所。所要時間15分程度。近くには炭鉱の坑内から出た砕石の山、ズリ山があり階段がついていて登ることができます。頂上まで往復すると1時間程度。入り口にはコンクリート構造物のホッパーが保存されています。炭鉱資料館的なものは芦別の道の駅内の星の降る里百年記念館があり芦別の炭鉱が活況を呈していた時代のことを学ぶことができます。





空知川

芦別を過ぎると山は険しさを増します。そんな国道38号沿いに空知大滝への道標が姿を現します。安政4年に松浦武四郎も到達したこの滝はすぐ上流に滝里ダムが完成してしまったため放流が少ないときには落差もあまりないため残念ながら迫力不足の感はいなめません。所要時間往復込みで20分程度。優しい時間第1話のロケ地としても使われました。また滝里ダムには立派な資料館もあります。



2.千歳-三笠-桂沢湖-富芦トンネル-富良野ルート

千歳空港-(国道337)-マオイの丘-(国道274)-三川-(国道234)-栗山-(道道30)-三笠-(道道116)-桂沢湖-(国道452)-三段滝-(道道135)-島ノ下-(国道38)-富良野

一般道125km  所要時間3時間強

高速道路を利用しないで行く場合の最短ルートで経済的かつ早いので最も利用する人が多い道です。滝川経由と所要時間もそんなに変わることなく富良野に行くことができますが千歳-三笠間のルートが地図に慣れていない人だと少々わかりずらい。平野もしくは丘陵地帯を通るため最初に記したルート以外にも数パターン考えられます。この手間を回避するには道央自動車道を千歳ICから三笠ICまで利用するといいのですが大回りになるため2500円の料金に見合うだけの時間短縮の効果は絶対にありません。桂沢湖から島の下手前まではひたすら山間を走ることになり途中トイレは三段滝にしかないので注意が必要です。

以下立ち寄り推薦場所。





ゆにガーデン

三川を左折し国道234に入り北へ4km程行った先の左手の丘の上にある花をメインとした温泉もあるテーマパーク。イギリスの庭園を参考に造られた公園でで4月中旬から10月中旬の営業期間中、その季節ごとに四季折々の花が楽しめます。基本的には札幌市民のための施設という性格が強くこれから富良野へ向かう人が立ち寄る施設ではないかもしれません。所要時間2〜3時間。ユンニの湯は近接しますが車での移動となります。

また程近い場所にはハイジ牧場という動物にふれあえる施設があり子連れにはいいかもしれません。ヤギなどの哺乳体験、引き馬なども楽しめます。





旧雨煙別小学校

栗山を右折し道道30を2km程行った先の右手にある小学校。すでに廃校になってしまっていますが昭和11年竣工の木造2階建ての校舎はたいへん魅力的で車から降りて眺めてみたい。廃校後しばらく活用方法が決まりませんでしたが現在は補修され生まれ変わっています。





住友奔別立坑

三笠から桂沢湖へ向かう途中の幾春別市街の交差点を行程どおりなら右折するところを左折すると現れる炭鉱遺跡です。敷地内は立ち入り禁止ですが敷地の東側をぐるりと回りこむ道路があり、間近にその雄姿を望むことができます。その威容は数ある炭鉱の遺跡群の中でも群を抜いていてパンフレット等の表紙を飾ることも多い施設で一見の価値があります。所要時間15分。またこの三笠市には赤い三角屋根の炭鉱住宅、三笠鉄道記念館など炭鉱関連の見所も多く回り始めると切りがありません。



三段滝パーキング

桂沢湖から三芦トンネルを抜けた先にある休憩スポット。桂沢湖から富良野間の実質的には唯一の休憩地点でいつも賑わっています。三芦トンネルから三段滝へ向かう山間には人家はないながらも耕作地が広がりかつてはこの地にも住む人があったのかと感慨深い。芦別森林鉄道の遺構も目を凝らせば見つかります。



3.千歳-夕張紅葉山-桂沢湖-富芦トンネル-富良野ルート

千歳-(国道337他)-追分-(国道274他)-紅葉山-(国道452)-清水沢-(国道452)-桂沢湖-(国道452)-三段滝-(道道135)-島ノ下-(国道38)-富良野

一般道140km  所要時間3時間半

三笠経由と基本的には変わりませんが清水沢から島の下まで山間をさらに長時間走ることになります。夕張及びその周辺には炭鉱やその後にできた観光施設がたくさんあり、それらに立ち寄りたい人向けのルート。もしくは人気の少ない山間をゆったり走りたい人向き。道東自動車道を活用して千歳IC-夕張ICもしくは千歳東IC-夕張ICを利用すると10分〜20分程度短縮できます。

以下立ち寄り推薦場所。





滝ノ上公園

追分から道道462を抜け川端にて国道274に合流。夕張川を渡ると今までのどかだった丘陵地帯ににわかに山が迫ってきます。川端ダムをしばらく行った先は竜仙峡といい紅葉の名所。その先が滝ノ上公園になっています。のどかな公園で休憩地点にはもってこいの場所なのですが千歳空港からもまだ近く休憩するには早すぎる場所かもしれません。雪解け増水時の千鳥ヶ滝は迫力があり、その落差を利用して造られた北炭滝ノ上発電所の煉瓦造の建物も必見。所要時間30分。





三菱大夕張鉄道保存車両

紅葉山から国道452に入りひたすら直進すると夕張市街(石炭歴史の村等)へ行くことがでますがが清水沢にて国道は右折していきます。7km程行くと南部市街に入り左手に鉄道車両が鎮座していて、ここがかつての大夕張鉄道の南大夕張駅の跡。大夕張鉄道保存会の方が一度は放置された車両を定期的に補修整備しています。一両入ることができかつての炭鉱鉄道の雰囲気を味わうことができます。





大夕張

南部からしばらく行くとシューパロ湖を通過します。このダムは嵩上げ工事が行われていて完成時には道路も付け替えられます。湖上にはかつての森林鉄道の橋梁があり三弦トラス橋として名高いもの。そしてその先にかつての炭鉱町大夕張はありました。かつては2万人迫ったこの地は今ではダムにより水没する運命となり無人の地となりました。人が住んだ痕跡はわずかなものとなり荒れ野がただ広がります。三夕トンネルを越えると桂沢湖に到達、三笠からのルートに合流します。



三段滝パーキング

桂沢湖から三芦トンネルを抜けた先にある休憩スポット。桂沢湖から富良野間の実質的には唯一の休憩地点でいつも賑わっています。三芦トンネルから三段滝へ向かう山間には人家はないながらも耕作地が広がりかつてはこの地にも住む人があったのかと感慨深い。芦別森林鉄道の遺構も目を凝らせば見つかります。



4.千歳-夕張紅葉山-日高町-占冠-富良野ルート

千歳-(国道337他)-追分-(国道274他)-紅葉山-(国道274)-日高町-(国道237)-東山やなぎ-(国道38)-富良野

一般道160km  所要時間4時間


前の3ルートが北から富良野に進入するのに対しこちらは南から進入するルート。山間地をひた走るルートながらも交通量は多く、途中にちょっとした観光施設が点在します。千歳-富良野-千歳という折り返し行程を組む場合はバリエーションのひとつとして活用できます。道東自動車道を活用して千歳IC-夕張ICもしくは千歳東IC-夕張ICを利用すると10分〜20分程度短縮できます。

以下立ち寄り推薦場所。





滝ノ上公園

追分から道道462を抜け川端にて国道274に合流。夕張川を渡ると今までのどかだった丘陵地帯ににわかに山が迫ってきます。川端ダムをしばらく行った先は竜仙峡といい紅葉の名所。その先が滝ノ上公園になっています。のどかな公園で休憩地点にはもってこいの場所なのですが千歳空港からもまだ近く休憩するには早すぎる場所かもしれません。雪解け増水時の千鳥ヶ滝は迫力があり、その落差を利用して造られた北炭滝ノ上発電所の煉瓦造の建物も必見。所要時間30分。




日高町と占冠町

紅葉山から国道274をひた走り山を抜けた先にある盆地が日高町で道の駅樹海ロード日高があります。そば屋などの飲食店、土産物店などもありドライブの疲れを癒すには最適な場所。日高山脈館という小さな施設もあり見学ができます。所要時間20分。さらに国道237を北に進み日高峠を越えた先にあるのが占冠町。写真上の道の駅自然体感しむかっぷや占冠駅前に占冠村物産館があり後者には小さな郷土資料室もあります。これらの町を訪問することにより山村の雰囲気を少しでも感じるのもひとつの北海道旅行の楽しいひととき。




湯ノ沢温泉

さらに国道237を北へ向かうと山間の一軒宿湯ノ沢温泉があり日帰り入浴もできます。今時の新しい温泉とは違い屋内の浴槽ひとつのみですが熊の口から注がれる情景は味わい深いものがあります。帰路にのんびり旅のことを思い出しながら浸かるのもいいのではないでしょうか。



5.千歳-富川-平取-日高町-占冠-富良野ルート

千歳-(国道36)-追分-(国道235)-富川-(国道237)-平取-(国道237)-日高町-(国道237)-東山やなぎ-(国道38)-富良野

一般道150km 高速道20km  所要時間4時間強

さらに南側を通るルートで途中で前者のルートに合流します。アイヌの聖地平取を訪れ、その後富良野に行くというのもいいのではないでしょうか。日高自動車道の沼ノ端東IC-鵡川ICは無料なので是非とも活用したい道。またバリエーションとして早来、厚真経由で道道をひたはしるのもおもしろいでしょう。苫小牧東港発着の場合は富良野方面への最短ルートとなります。

以下立ち寄り推薦場所。





大野商店

ししゃも漁解禁のシーズンにはししゃも寿司も味わえる人気店です。帰路ならししゃもを是非購入して空港へ向かいましょう。





二風谷

アイヌの聖地とも言われる場所で資料館と土産物店数軒あり。白老のように観光化されてはいないためアイヌに関してじっくり学びたい人は一度は訪れたい。写真は萱野茂二風谷アイヌ資料館(400円)で資料がが大変豊富。町立の二風谷アイヌ文化博物館(400円)や沙流川流域の歴史と先日の水害の資料展示がされている沙流川歴史館(無料)もあります。全部訪問して所要時間2時間程度。






日高町と占冠町

二風谷からさらに沙流川を遡ることになりますが途中はほとんど離農した無人地帯でうら寂しい雰囲気。そして日高町に入ると道の駅樹海ロード日高があります。そば屋などの飲食店、土産物店などもありドライブの疲れを癒すには最適な場所。日高山脈館という小さな施設もあり見学ができます。所要時間20分。さらに国道237を北に進み日高峠を越えた先にあるのが占冠町。写真上の道の駅自然体感しむかっぷや占冠駅前に占冠村物産館があり後者には小さな郷土資料室もあります。これらの町を訪問することにより山村の雰囲気を少しでも感じるのもひとつの北海道旅行の楽しいひととき。




湯ノ沢温泉

さらに国道237を北へ向かうと山間の一軒宿湯ノ沢温泉があり日帰り入浴もできます。今時の新しい温泉とは違い屋内の浴槽ひとつのみですが熊の口から注がれる情景は味わい深いものがあります。帰路にのんびり旅のことを思い出しながら浸かるのもいいのではないでしょうか。





北海道旅情報巻頭  3-14.富良野・美瑛周遊


千歳空港-富良野ドライブルート5選