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スイスのアルバム

グリュイエール編


 グリュイエールは小さな村です。ここも周りを城壁で囲まれた小高い丘の上にあります。ムルテンにその点では似てますね。
 ここには更に小さなお城があります。この近くのロモンも同じ感じで似ているのですが、このグリュイエールは何と言ってもチーズで有名ですね。
 村の玄関たる鉄道駅から歩いて15分から20分。バスの滅多になく歩くしかありません。運良くバスが来ればいいのですがね。 ビュルからバスで行くという手もあります。でも、これもなかなかいい便がありませんね。
 何年か前、家族で行った時は、グリュイエールで大雨。合羽をみんな着て、ザァザァ降りの雨の中を歩きました。大変でしたが、まっそれも過ぎてしまえば、そんなこともあったっけ、位のものです。
 このグリュイエールは緑豊かな村で、あの厳しいアルプスの荘厳さとは違ったスイスのもう一つの典型のように思えます。
 バルトークがこの辺りの別荘で、名曲のいくつかを作ったというのも、この静かな、落ち着いた環境があってこそと思います。

 村の中は広場があって、噴水があって、その先には小さなお城がそびえています。これで全部。あっけないくらい小さく、そして魅力的です。広場に面している家々は、ホテルかお土産屋という感じで、やっぱり観光の村なんだな、と思わせられます。
 おばあさんがレースの織物をしていたりで、ちょっとした民芸村?みたいです。おいしいチーズの産地ですから、ぜひチーズ・フォンデュをどうぞ。泊まったホテルで食べたチーズ・フォンデュはそれはそれは美味しいものでした。

 この村の名前にもなっているグリュは鶴のことです。いたるところに鶴がデザインされています。ホテルのマダムに子供達が鶴を折って差し上げたところ、「息子さんがボランティアをしていて、小さな子供達のお世話をしている。」ということでした。そしてその子供達からもらった絵などが、受付の中にいっぱい飾られていたのです。
 我が子の「鶴」もその中に飾っていただき、更にチョコレートをいただきました。子供達のスイスの思い出です。行かれた節はどうぞ鶴を折ってみて下さい。ちょっとした民間外交です。(そんな大層なものではないですが)
 ここのグリュイエール伯はサリーヌ川の谷一帯を支配していた名家だったそうです。鶴はその紋章ですが、どうして鶴なのかはよく知りません。一四七六年のムルテンの戦いでの戦利品をりと、お城の中も見所がいっぱいです。ここでそのムルテンの戦いの犠牲者を追悼するミサが執り行われたそうですから、十六世紀頃までは安定した勢力を誇っていたようです。
 城そのものは十五世紀のものだそうですが、要塞としての城でなく、居城として作られた城は、なかなか見るところがあっていいものです。鶴の紋章は、お城の窓にもうまく使われていました。
ここに来れば、美しく飾られた花に迎えられ「ああ来て良かった」としみじみ思うことでしょう。長く滞在するに足る村のように思われます。
 我が家の一行がグリュイエールに行った時は、お城では展覧会が行われていました。ちょっと騙し絵的なものばかりでした。
 お城の上の階のベランダからは、美しい幾何学模様に花が植わった庭と、緑薫グリュイエールの野が広がります。遠くビュルの町が望め、そののどかさは時間の経つのを忘れさせるほどです。
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