クーレンカンプの芸術 VOL.2
(輸)DANTE LYS 134
木管のため息に誘われるように歌い始めるヴァイオリンの美しさは、この演奏がいかに優れているかを冒頭の一節で我々に証明して見せる…。
クーレンカンプの独奏によるブルッフのヴァイオリン協奏曲第一番ト短調はそのようにして始まります。
指揮をしているのは、この頃スイスに移り住んで来たドイツの名指揮者、カール・シューリヒト。
オーケストラは最近、ジンマンとのコンビで黄金時代を迎えつつあるチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団。
こんな豪華な取り合わせでの録音を、歴としたデッカが録音しているというから驚くじゃないですか。
そして、どうして今まで日の目を見ていなかったのかと、驚くやら、悲しくなるやら、更にはやっと出会えた喜びでうれしくなるやら、何かと忙しい演奏でもあるようです。 |