第48回  ヤシカ35の分
(ちょっと曲者なやつ)

今回はヤシカ初のレンズシャッター35mm機であるヤシカ35の分解をしてみたいと思います。ちょっと曲者で分解にてこずった方も多いと思います。トップカバーは従来の方法で分解は可能なのですが問題はレンズ鏡胴部分のヤシカの文字の書いてあるカバーであると思います。確かにこれはちょっと曲者でした。
レンズボードを外してみました。ここまで行くのが大変かもしれませんね。(笑)問題のカバーがありますので。実はこのカバーは距離計リングを外さないと外れない構造になっています。距離計リングを外してからカバーを外してレンズボードのネジにアクセスするようになっています。 このカメラの弱点であるシャッターボタン周りです。シャッターボタンの上のネジが変心ネジになっています。ここでシャッターボタンの調節を行うのですがこのネジが回ってしまってよくシャッター不良になってしまいます。後シャッターのリンクもプロンタータイプのシャッターに多い棒一本止めなのでここも故障の原因になりやすいです。
距離計周りです。さすがヤシカが気合いれただけあって非常にしっかりした構造になっています。距離像もメッキガラスではなくプリズムが使用されています。距離計の稼動も非常にスムーズでよくありがちな距離像の動かないと言うようなトラブルは少ないと思います。 問題のカバーと鏡胴ブロックです。なにが問題かと言いますと組み込み時にシャッター部分を組み込むと鏡胴部分のネジが締められなくなってしまいます。ちょっとトンチを使えばわかるのですがカバーを回転させながら鏡胴のネジをつけてあげれば良いだけのことだったんです。結構悩みました(笑)
鏡胴ブロックからシャッターを外したところです。ここでシャッターボタンの上にある問題のチャージ部分が確認することができます。ここが回転することによりシャッターチャージをおこなうのですがシャッター側が一本の棒だけでリンクされていますのでここが折れてしまってチャージ不良になってしまうわけです。 トップカバーを外した全体像です。この構造を見たときには船を思い出してしまいました。これだけしっかり内部構造をカバーしているカメラも珍しいと思います。基線長を稼ぐためにかなりファインダーは左にシフトしていることもわかると思います。レイアウト的に見ても非常にきれいに配置されていると思います。