第43回 フジカ ミニの分
(小さな宝石箱)

今回は、おしゃれなカメラのフジカミニの分解です。外観は非常に女性を意識したカメラでASA感度設定部分は宝石が埋め込まれてます。(本物じゃないよ!!)女性をターゲットにしただけに操作は非常にシンプルなカメラで距離調整もなく巻き上げてメーター針を合わせて押すだけの元祖「写るんです」です。構造的に見れば非常にシンプルで各部品はブロック単位になっていて簡単に組み立てられるようになっています。ただカバーに隠れた巻き戻しノブはどう外すか考えましたが!!
さてレストアしていきましょう!まず冒頭にもかきましたが巻き戻しノブは普通のものと同じ方法で外れます。ただカバーに隠れているだけなんです。それだけでした。写真は前のUVフィルター部、セレンカバー類を外してセレン板の写真です。セレンカバーの回転によりセレンの当たる部分を調節してメーター針を動かします。 次にトップカバーなど外して見ましょう。ちなみにこの写真はファインダーブロックも外してあります。一番びっくりしたのはファインダーブロックはネジ1本で止まっていたことです。普通は最低でも2つぐらいで止まっているもんですよね。一番のこのカメラの特徴はメーターユニットの小ささです。オートハーフのものより一回り小さいです。非常にきれいに各部品が配置してあるので保守はしやすいカメラになっていると思います。
絞りの構造を見てみましょう。赤丸の中の部分が絞りに対応しています。この部分のレバーがセレンカバーに刻まれている切抜きにはまり赤矢印の方向に動きます。そのことにより絞りが動くわけです。セレンカバーは先ほど書きましたがセレン受光部にリンクしていますのでここでセレンと絞りのリンクが出来ることになります。オートハーフなども基本的に同じ構造になっています。 角度を変えて見ました。前の写真になりますが非常に長いシャッターチャージスプリングになっています。ただ押し圧は「ペチッ」と言う感じで非常に感触は悪いです。ここいらがソフトだったら良かったのに!!上部にレバーと長いスプリングが見えますがここがシャッターチャージとの連動部になっています。実はこのスプリングが曲者でここにセレンから出た線が挟まってしまい線切れでメーター故障になっているものが多いと思います。(あまりに近すぎます。カバーもないし)
さてくみ上げて見ますとこんな感じの全体になっています。この写真ではゴミゴミしているように見えますがそんなことはなくスペースを有効に使い小型化に勤めていると思います。そうそうこのカメラのレストアの鬼門であるUVフィルターの外し方ですがこれは簡単でただのネジなのでくるくる回すと外れてくれます。巻き上げに関してもペンより簡単で直接ドラムに連動しているので本当に簡単な巻上げ機構になっています。 今回は2台のミニを二個一にしてありますので2台のミニがあります。と言っても片方はメーター不良なので交換してあるだけでマニュアルとしては使用できる状態になっています。塗装なども非常によくないのであまりきれいに残っているものは少ないのではないかと思います。本当に女性がペンティみたいにちゃらちゃらと持ち歩いていたのでしょうかね?でも私が使うと似合いません。(笑)