第14回 セミファーストの分解
(古い蛇腹カメラの分解)

(故障内容)シャッターが切れない、蛇腹が閉じない。レンズかび
(故障原因)シャッターチャージリングの部品変形、油切れ。


作業時間約3時間

今回は、昭和12年製のセミファーストという蛇腹カメラの分解をしたいと思います。
写真1は、セイコーシャ製のシャッター内部の様子です。シャッター内部は、ご覧の通りぎっしりと部品が詰まっています。
写真2の緑丸は、今回故障の原因となっていたシャッターチャージリングです。青丸の部分のシンクロ調整用ガバナー部分のチャージリングが変形していた為、シャッターが固着してしまいました。チャージリングをもとのように曲げて注油を行い、シャッターも無事に切れるようになりました。赤矢印は、チャージの方向を示しています。
写真3は、シャッター調速リングを付けたところです。赤丸のスプリングで強制的に膜速をあげて1/250というシャッター速度を作っています。緑丸はシャッター調速用の切り抜きプレートです。あまりシャッター速度がないので切り抜きも少ないです。
写真4は、写真1になるまでに外した部品たちです。1はシャッター調速リング、2はリング固定プレート、3は前群レンズ、4はヘリコイド+2群目レンズ、5はボディとシャッターを繋ぐ部品、6は絞りプレート、あとネジが4つほどでシャッター内部が見えます。しかしこのころのシャッターは大きな音がします。なんか写真を撮ったという実感があるシャッターでした。