第27回 PETRI AUTOMATEの分解

(故障内容)シャッターが切れない、ファインダーの清掃
(故障原因)シャッターは、チャージ部品の位置ずれ。


作業時間約3時間

今回は、ペトリの異端児オートメイトの分解です。私も手に入れるまでは、聞いたことのない機種でした。大きな特長としては、倍率の高いアルバタ式ファインダーと外見的にはM3を思わせるところです。ただ内部的に見ても従来の35シリーズとあまり変化がありません。
写真1は、ヘリコイドブロックとシャッターユニットを外したところです。1がヘリコイドブロック、2がシャッターユニットです。写真2、3で紹介するようにここにペトリの特長と故障の原因になる部分が見ることができます。
写真2は、ヘリコイド部を見たところです。赤矢印のレバーはシャッターボタンへ連動、緑矢印の部分がシャッターチャージ部へ連動しています。この部分は非常に良く作られており故障はまず無いです。
写真3は、シャッターユニットとそれに付随するリングです。赤矢印部分がシャッターボタンに連動、緑矢印がシャッターチャージに連動する部分です。このチャージ部分がペトリカメラの内部的な特長になり、故障の多発する部分になります。チャージ動作を説明すると青矢印方向にチャージ用リングが回転します。そうするとシャッター内部と連動するチャージ用レバーが青矢印方向に上にあがりシャッターをチャージすることになります。このチャージ用レバーの中に見えるネジが使っているうちに緩んでしまいやがてチャージができなくなってしまいます。たいていこの部分が巻き上げだ出来てもシャッターが切れないというトラブルの9割以上の原因になります。へまをするとこの部分のネジが完全に外れていることもあります。ただこの部分まで分解するには、非常に知恵が必要で非常に苦労をしますので分解初心者の方は手を出さないほうは無難です。はっきりいって私もかなりいつでも苦労しています。へたに後群のリングを力を入れて外すと部品が簡単に変形しますし、最悪部品が完全に折れてしまい完全なジャンクとなってしまいますので注意が必要になります。
写真4は、トップカバーを外したところです。美しいアルバタ式ファインダーの中身がみることが出来ます。トップカバーを外しただけでも十分ペトリの独自性を感じることが出来ます。
写真5はファインダー部を拡大したところです。赤丸部分で距離計の調節をするのですが非常にやりにくいカメラでもあります。おまけに良くくるいます。ここがペトリの醍醐味ですか(笑
写真6は、ペトリ自社制のシャッターの内部です。やはりシャッターメーカーのシャッターより構造的には雑に思えます。細かい部分での故障も多いです。
最後にペトリの悪口ばかり書いているように思えますが実は個人的には非常に好きなメーカーです。個性的なラインナップにペトリのよさを感じています。今の時代まで残っていたらどんなカメラを作っていたと思いますか?