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− 轍 ・ 94/05/03 −

夜中に起きると地面が湿っていた。やはり少し降ったようだ。朝には上がっていたので、飯食って出発。今ひとつカラッとは晴れないが、上出来としよう。まずは氣多神社。急坂を登り到着すると、まだ8時前だというのに結構人がいる。Jを置いてぶらぶらとお参りする。大国主命と隣のスサノオの命には、出雲の国以来だ。
01: 羽咋 氣多神社 御神籤を引くと、20番大吉、縁談、多くて困ることあり静かに心を定めてよし。なんのこっちゃと思いつつ、旅に来れたことを感謝し、旅の安全を祈る。境内の奥は入らずの森になっていて、木々が鬱蒼と茂っている。菅原道真公の社はやはり絵馬がいっぱい。出る頃には陽も射し始めた。これは暑くなるなとセーターを脱ぎ、海へ向かって走り出した。
海辺の道を走り、滝港から自転車道に入るとすぐにBコースの時に眺めただけの滝埼燈台が見えたのでハント。海は穏やかで、石の上には海鳥が翼を休めている。自転車道を走っていくと柴垣の集落。黒い瓦屋根の背の低い民家の間を走り抜けていくのが、無性に懐かしかった。自転車道が海岸から離れて森に入っていくと、先行する自転車を1台発見。軽装のMTBだったので地元民かと思ったらキャンプ場に入っていった。つまらん。 02: 能登海岸自転車道路
03: 志賀 天領大庄屋・平家 自転車道は志賀から内陸に入るようだし、工事中でよう判らんので、とにかく海に一番近い道を走ることにする。橋を渡り川に沿っていくと、岬のドン詰まりだった。気を取り直して少し戻り、相変わらず細い道を無謀に進むと、どうやら岬の向こう側に出たようだ。すると「天領大庄屋・平家」という渋い民家があったので寄ってみると、平家の末裔の屋敷で、屋敷、庭ともに実に渋くてなかなかのものであった。
今迄の5月ツアーは峠が多かったが、のんびり走るのもいいなぁと思ってしまう。で、走り出すと、前方には白黒の異様な煙突。もしやと思っていると、やはり原発であった。そういえば、あったっけかぁ。ここらからアップダウンが始まるが、それほど苦労せずに福浦まで来たので旧福浦灯台を見に行く。集落の外れの金比羅さんの横を歩いていくと、民家と同じように黒い瓦屋根の旧灯台に着いた。旧酒田港灯台よりも純和風だ。 04: 志賀原子力発電所
05: 能登金剛 巌門 福浦の街を出て走り始めるとどうやら新道のようで、街並を下に眺めて橋を渡る。いよいよ能登金剛。それほど苦しまずに巌門。Bコースでは休憩してアイスクリームを食った憶えがある。フィルムが残り少なくなったので買おうとしたら、2軒行ったがASA400しか無かった。50m位の高度を保って走っていくが、やがて海岸線に下りR249と合流。ここも憶えがある。
すぐに富来。世界一長いベンチは無視して写真屋を探すが、すぐにあった店は休み。やっと富士カラーの看板のある薬局を見つけ、ASA100を入手する。「バイクですか?」と尋ねられたので、「いえ、自転車です」と答えておいた。海沿いの道に戻り暫し行くとAコープがあったので、休憩するついでに食購した。天気が好くて暑い位なので、アイスを買って暫しウダっていると、サイクリストが1名通過。走り始めるとR249と分岐した辺りで追いついた。彼はスポルティフだがテント装備で、やはり能登一周ということだ。直接能登金剛に向かう彼と別れて、一番海に近い道を再び走り始める。
風戸、風無と細長い集落が続き、相変わらずのきらきらと光る黒い瓦屋根の民家が美しい。半島を廻り込んで畑の中に出る。5万図にはこの道を通過したと記してあるのだが、さっきの集落もこの畑もどうも憶えがない。とにかく海士埼灯台へと向かう。ちょっとした森を抜けると円筒形の白亜の灯台。灯台の形は違うが、なんとなくチコギ埼といった感じのロケーションだ。 06: 黒い瓦屋根が輝く
07: 琴ヶ浜 幾つか集落を通り抜けると再び能登金剛。ヤセの断崖では路駐がいっぱいいて、ちょっとムカつく。関野鼻はそうそう面白い物でもないので、適当にして先に進む。R249と合流して浜に下ると琴ガ浜。なかなか良さそうな砂浜だったので昼食にする。砂浜で寛いで道に戻ってくると、富来方面から自転車が駆け下りてくる。MTBに乗った外人の男女が奇声を上げて通過した後は、昼前に会った彼だった。
相変わらずのペースで1時間ほど海沿いを走ると門前。外れた所で川を渡ると猿山灯台の標識があり、森の中をかなりの勾配で登っていく。昔を思い出しながらリズムをつくってペダルを踏み込む。やっと勾配が緩くなってくると三叉路に出た。門前の街と海が見えた。いい加減登ったのでそろそろフラットかと思っていたら、まだまだ登る。それでも最高点は概ね300m。下りに入ったと思うとすぐに皆月からの道に突き当たった。 08: 門前〜猿山
再び登るが、僅かな勾配だというのに脚が言うこと聞きやしない。それでもなんとか車道終点の東屋まで辿り着いた。既に15:30。ここまで1時間かかったか。遊歩道を歩き、約10分で猿山岬燈台。まだ緑浅い岬から海を眺め、サクサクと帰途に就く。なかなか良い岬であったが、アベックばかりいるというのが、ちょっとむかつくぜ。気分直しにワインディングを下り、小崎を廻り込むと皆月が見えた。黒い瓦屋根の美しい集落を見ると涙が出た。道端の水道で水だけ補給してアップにかかる。だるい坂だというのは憶えていたが、やはりだるい。昔はこの道をレーサー従えて先頭切って突っ走ったのかと思ったら、また涙が出た。やってられなくなって休みまくるが、それでもやってられなくなって押す。温見峠でも押さなかったというのに、なんて情け無い。
09: 西保海岸 三叉路まで辿り着いたが、輪島まで20kmを残して既に17時。皆月からの250mアップで40分かかっているが、意地を張って西保海岸へと下り始める。暗くなり始めた海岸に人気は無く、いきなりアップが始まる。やはり後悔してしまう程に高度を上げ、大沢の集落で海岸まで降りると再びアップ。今度は只管登り続け、高度を保ったまま海を横目に走り続ける。
集落と云う程の物も無く、人家の前の自販機を見付けて一息入れる。どうやら18時でも無理なようだが、陽が長いのでなんとかなるだろう。残りあと10km位だと思い、気合いを入れる。ゾウゾウ鼻とかいう地名があったがどれだかわからん。これを過ぎるとやっと下り始め、あっという間に鵜入の港。このあとちょろっと登ったが、ほぼ海沿いフラット。岬の付根を乗り越せば輪島だが、先端の小山の上に灯台を発見。砂浜に沿ったキャンプ場にはサイクリストが1人いた。最後の坂をへろへろと登り、石段を昇って灯台へと向かう。思った通り何も無い竜ヶ埼燈台で暫し佇む。坂を下りればもう輪島の街だ。輪島駅はJRではなくなったとはいえ、終着駅らしい広い構内。とりあえずスーパーで食購し、暫く迷ったがテント張るの面倒臭いしやっぱり雨降りそうなので駅で寝ることにした。夜中にライダーが来て、なんだか騒いでいた。彼はバスの待合室に泊まるようだ。


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