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− 轍 ・ 05/04/29 −

5時前に家を出て、明るくなってきた姉ヶ崎駅前で輪行。コンビニで弁当を買って予定通り初電に乗り、動き始めたと思ったら、いきなり止った。なんと駅構内で人身事故。その列車は救出作業のため動かず、次の電車も遅れまくって、姉ヶ崎駅を出発するまで1時間ぐらいかかった。がっちょん。やっと東京駅に着いて、もうかなり混み合ったコンコースの臨時切符売場で乗車券と新幹線自由席券を買う。これだったら切符も姉ヶ崎駅で買うんだった。結局、予定より1時間半遅れで広島行“のぞみ”に乗る。まったく幸先の悪いスタートになった。
JR山陽本線 幡生駅 今回は乗り換えがいっぱいでたいへん。新下関駅で新幹線から降りたら、山陽本線ホームまでの乗換通路がやたらに長くて、疲れたぞ。このトシになるとキャンプ装備の輪行は辛い。早くも夏服になった学生達にまじって山陽本線に一駅だけ乗って、次の幡生駅で山陰線を待つ。この駅は2003年9月の山口ツアーで山陽本線旧線探索をやったときの起点だ。あの時は道路から見ただけだが、懐かしい。
山陰線のワンマンカーを小串駅で乗り継いで阿川駅に着いたら、やっぱり16時を過ぎていた。前回は到着が遅くて角島灯台を参観できなかったので、今回は間に合うように出て来たはずだったのだが、どうやら無理のようだ。まぁ、仕方ない。よほど縁が無いのだろう。ホームを渡る跨線橋の上から快く晴れた空を眺めて、悠然と走り去っていく長門行の気動車を見送った。 去っていく気動車
JR山陰線 阿川駅 阿川駅の駅舎は、旧き善き時代の佇まいを残していた。最近は地方の駅舎が簡易な鉄筋コンクリート製に建替えられていることが多くて、淋しい思いがする。古い駅舎は維持が大変なのだろうか? 旅の途中では、こうした広い待合室にある木製の長椅子に身体を預けて一息つくのが、最高に嬉しい。
山陰線に揺られているうちに、この辺は駅の近くでも商店が乏しいのを思い出した。食購できなかったら特牛の港まで行かなくちゃならんと思ったら、小さな店があった。弁当は無かったが、おにぎりとパンを買って出発しようと思ったら、洗濯挟みが無いぜ。R191に出たところでスーパーがあったので入って尋ねてみたが無くって、隣の文具店は休みだ。半ば諦めていたら、角島への分岐にローソンがあった。洗濯挟みは無かったので、代わりに事務用Wクリップ6個入りを買う。
いよいよツアーの始まりだ。キャンピング装備はやはり重いが、晴天に気を良くして走り始める。R191からなだらかな丘を越えると、青い海が見えた。さすがは日本海。今日は天気が良いから、とっても綺麗。別にヒコーキに乗って南の島に行かなくても、碧くて美しい海は、ちゃんとここにもあるのさ。 碧い海
角島大橋 角島まで続く浅瀬には全長1780mの角島大橋が横たわり、美しい曲線を描くしなやかな身体を惜しげもなく晒している。傾き始めた太陽が海に反射して眩しく輝く。捩れて歪んだ心が、ゆっくりと、だが確実に、元に戻っていくのを感じる瞬間だ。角島大橋の向こうに見える長門伊瀬灯台にも再会。
角島大橋を渡って島に入ると、角島灯台とは反対側の西側に向かって田舎道を辿る。急坂を押して小さな集落を抜けると、深い緑に彩られた森の中に照射灯の白い灯塔が見えてきた。海側から見上げると、思った通り二ツ目だ。元山三ヶ瀬北東照射灯元山三ヶ瀬南西照射灯は、「灯台表」に記された位置や塔高が同じなので予期していたが、同じ灯塔上に並んで設置されている。窓が並んだ四角い灯籠が、まるで人間の顔のようで、なんとも言えない愛嬌がある。う〜ん、かなり珍しい。
前回、角島に来た時には、角島灯台まで真直ぐ突き抜けていく新しい道路だけ往復してしまったので、今回は集落の中を通って漁港に出てみることにした。やはり漁村の風景こそ、島の本来の姿でしょう。時間にはたっぷり余裕があるから、防波堤の先端に見える灯台まで歩いてみた。防波堤上に並ぶ電柱に架けられた電線は途中で切れて海に没していて「あれれ」と思っていたら、角島港南防波堤灯台には小さな太陽電池板が取付けられていた。 角島港南防波堤
角島灯台 角島漁港から丘を越えると、角島灯台が見えてきた。海岸沿いの道で岬を回って灯台入口まで行くと、やはり参観時間は終わっていた。それにしても16時までというのは、ちょっとケチ臭い気がする。GWであるせいか、まだ夕刻になったばかりの夢崎園地には、まだ多くの観光客がそぞろ歩いている。
夕暮れの気配が深まるのにつれて、人影はだいぶ疎らになってきた。海を渡ってくる風が少し肌寒く感じられる。日本の灯台の父、リチャード・ヘンリー・ブラントンの最高傑作とも云われる角島灯台が、夕陽に照らされていく。御影石を積上げた塗装されていない灯塔は、素朴でありながら優雅でもあり、無機質でありながら暖かさに満ちているかのようだ。 角島灯台の灯塔
角島灯台の落陽 参観には間に合わなかったが、海に沈む夕陽には間に合った。この風景も前回は悪天候で見損ねていたが、なかなか期待通りの風景だ。また振り出しに戻る旅に陽が沈んでいく〜♪とタクローを口ずさんでいると、太陽は沈んでいった。海に沈む夕陽を見届けて、只それだけのこと♪と今度はしょーやんを口ずさみながら、テント設営を始める。




角島灯台の灯光
夜の帳が降りると、輝く光の車が廻り始める。うむ、やはりとっても素晴らしい。筆舌に尽くしがたい光景だ。でもフツーの観光のお客様は、もうお帰りになっておられるのは何故だろう? やっぱり灯台ってマイナーなんだな、うん。 今宵も独りで存分に堪能して、眠りに就くのだった。


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