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− 轍 ・ 04/12/29 (2) −

サンシャインワーフ R43はイヤなので、なるべく海沿いに走っていくと、やっぱり芦屋の住宅地はスゴいなぁ。途中で行き過ぎたのに気付いて東神戸灯柱を見つけにいくが、サンシャインワーフとかいう広いアウトレットモールになっていて発見できず。帰ってきてから灯台表の付表を確認したら、やっぱり廃止になっていた。
岸壁にはコンクリートの荷揚げ設備が幾つも並んでいるのがそのまま残されていて、かつては広大な船着場であったことが伺える。海辺まで行って、沖に架けられた高速湾岸線の東神戸大橋を眺めてぼんやりと佇んでいると、大型船が何隻も接岸していたであろう昔日の光景を彷彿させてくれる。 東神戸大橋
神戸製鋼横の運河の脇の道から、摩耶海岸辺りに延々と広がるニュータウンの中を西進する。阪神大震災後に新たに建設された住宅地のようで、お住まいになっている方々には誠に申し訳無いが、無機質で胸クソ悪くなる。2005年で阪神大震災からちょうど10年になるが、新聞記事で見掛けた「街並みは戻っても、人の心は戻らない」と書かれていた意味が、ちょっとだけ分かったような気がした。
神戸ポートタワー R2に合流すると三宮。赤い鉄骨の鼓型をしたポートタワーが近づいてきた。この辺りは、かつて米利堅波止場と呼ばれていたが、今ではメリケンパークって言うんだって。「ダセ〜ッ」と思うのは私だけではないハズだ。神戸港には神戸メリケンパークオリエンタルホテル灯台という長い名前の灯台があるのだが、横浜マリンタワー灯台みたいにポートタワーに設置してくれれば良かったのになぁ。
オリエンタルホテルはポートタワーの横を突当たった中突堤先端にあるのだが、正面からでは灯台がどこにあるのか、さっぱり判らん。そもそも神戸メリケンパークオリエンタルホテル灯台は、灯台表によると塔高4.8mのくせに灯火高が海面上54mと記載されている。といっても、高さ50mもある山など、もちろんどこにも見当たらない。 オリエンタルホテル
神戸港旧信号所 オリエンタルホテルは神戸港中突堤旅客ターミナルになっているので、別にズカズカと入っていっても追い出されたりはしないだろうが、お上品な所は拒絶反応が起こるタチなので西隣の埠頭に廻ってみる。そこはハーバーランドとかモザイクガーデンとかいう、いかにも取って付けましたってところで、またもや観覧車があり、フツーの人々で賑わっていた。フツーの人波が途切れた端っこには、大正10年に建設された神戸港旧信号所の鉄塔が立っている。うむ、実に渋くて素晴らしい。
旧信号所からオリエンタルホテルを注視すると、最上階のテラスに立つ小さな灯塔が見つかった。まさか塔高4.8mのオリエンタルホテル灯台が、あんなところにあるとは・・・! せめて塔高54mで上部櫓型下部ビルとかにしてくれてれば、おっけ〜だったのに・・・。 私にとって、あのテラスに到達するのは、どんなに荒れ果てた獣道よりも険しい道のりだ。このナリではナンなので、潔く諦めた。お金持ちの方、お願いします。
些か気落ちしながら和田岬の神戸灯台まで行くと、予てからの情報通り工場の敷地の隅に立っているのが見えた。遠慮がちに事務所のガラス扉を開けておじさんにお願いしたら、イヤそうな顔で「勘弁してください」と言われたが、ここで引き下がる私ではない。「わざわざ千葉から自転車で来たのでお願いします」(ホントは新大阪からだけど)と言って頭を下げると「裏から廻って」との有難いお言葉を頂いた。 伊丹産業神戸工場
神戸灯台灯籠 そそくさと見にいくと、高さ29mの灯塔は流石に高くて堂々としたものだ。地面から高さ数mのところにある入口まで螺旋状の階段を登ると、プレートには神戸灯台の文字の下に、初点 明治5年1月29日、改築 明治17年3月1日、改築 昭和28年10月15日、と記されている。初点日は大坂条約により建設された初代和田岬灯台のものを受け継いでいるので、移設改築とともに名称も変更されたということなのだろう。見上げた灯籠の中には、縦に3連の電灯が更に扇形に並んだ、珍しい形式の灯器も見えていた。
地図を見ると和田岬の先端近くには∴和田岬砲台と記されている。そこで岬に通じる道を探すのだが、どこだか判らんまま和田岬駅前まで出てしまった。三菱重工まで引き返してタクシーの運ちゃんに尋ねたら、重工の敷地内なので事前に届けないとダメなんだって。それにしても和田岬駅前はほとんど人気が無いのに、重工の門前には客待ちのタクシーがズラ〜ッと並んでいるというのもスゴイ。 JR和田岬駅
和田岬駅ホーム 和田岬駅は山陽本線ということになっているが、兵庫駅から一駅だけの、所謂、盲腸線だ。人気が無いのも当り前で、和田岬駅には朝と夕方しか列車が無く、9時過ぎから17時までの間は一本も来ないという、正に三菱への通勤の為にだけ存在するような駅だった。実際はそんなモンだとしても、終着駅の突込み式ホームというものは、やはり旅情を誘う情景ですね。
R2を西へと走っていくと、諦めたはずの旧和田岬燈台は須磨海浜公園に移設されていた。「日本の灯台」ではピンク色に見えたが、実物は真赤だ。ブラントン設計の初代和田岬灯台は木造八角形だが、明治17年に改築された2代目は鉄造六角形で、現存する最古の鉄造灯台である。ちなみに現役最古の鉄造灯台は明治28年に初點燈した佐渡島の姫埼燈臺であるが、色違いの白色で良く似た形をしている。
砂浜に出ると、遠く西の海には明石海峡大橋が優雅な姿を見せ、夕日が黄金色の光を放っていた。神戸といえば有名な北野異人館街、一ノ谷や鵯越の源平古戦場跡などにも行くつもりだったが、予定より全然遅いから、あっさりパス。いつまでたっても学生の頃の体力でペースを見積もる癖が直らないから、今日中に姫路まで行くなんていう無茶な計画になるんだ! 須磨海浜公園
明石海峡大橋 陽が沈んで暗くなる寸前に、なんとか明石海峡大橋の袂までやってきた。暫らく暮れていく海を眺めてから、再びR2をひた走る。明石の街中からR250に入ると既に暗い上に強い逆風となり、いきなり疲労感に襲われた。二見まで走ったところで気合が尽きたので、コンビニで晩飯を買って明石海浜公園でテントを張るのだった。


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