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− 轍 ・ 04/05/04 −

蛭子神社 今日も朝メシを食べていたら雨が降ってきた。納得いかん。トンネルの連チャンを過ぎると、道端では蛭子神社の朱い社殿が雨に濡れていた。伊邪那岐命と伊邪那美命が最初に作法を間違えて産んだ骨の無い子を葦舟で流したと、古事記にある。その蛭子が流れ着いたという伝説が各地に残されているが、ここもその一つなのだろう。熊野の国は、古来から多くの人が漂着してきたようだ。
太地は古くから捕鯨の町として栄えてきた港街だ。R42から太地へと折れていくと、町の入口には鯨の親子が悠然と空を泳いでいる。 鯨のオブジェ
紀伊勝浦港乙島灯台 森浦湾に突き出した常渡まで行くと、ようやく雨も小降りになってきた。R42を走っているときから灯火だけが雨に滲んで見えていた紀伊勝浦港乙島灯台が、ようやく明瞭に姿を現した。
乙島のさらに奥に目をやると、紀伊勝浦港ケタノ鼻灯台も確認できた。灯台がある中ノ島には反対側に大きなホテルが建っているのだが、島に渡るにはホテルの送迎船しかないようだ。ビンボー人でも乗せてくれるんでしょうか? 紀伊勝浦港ケタノ鼻灯台
捕鯨船資料館 常渡の岸壁にはかつて使われていた捕鯨船が繋がれ、現在は資料館として中を見学できるようになっている。近くにはくじらの博物館などもあるが、まだ朝早くてどこも開いていないので、写真だけ撮って先に進む。
燈明崎に向かって、なんとなく覚えのある坂道を登っていく。でも岩手県の北山崎もこんなじゃなかったっけ? 坂道の途中から見える手前の赤灯台は、太地港北防波堤灯台。右手の沖に浮かんでいるのが、駒ヶ埼から遥か彼方に見えた那智勝浦鰹島灯台。 太地港沖
燈明崎の狼煙場跡 坂を登り切って崖上に上がると、松林の中には燈明崎への遊歩道が延びている。ここも漂着の地だ。奈良時代に遣唐使の吉備真備が流れ着いたことを記した石碑が立てられている。岬の先端には古式捕鯨を偲ばせる狼煙場跡の石段が残り、行灯型の燈明台と鯨を見張るための山見番所が復元されている。
燈明崎から梶取埼までの海岸沿いに続く道は車両通行止めの土ダート。梶取埼灯台が格好良く見えて、天気が良ければ気分良いんだけどねぇ・・・。雨は止まない上に、風が強くなってきて、も〜いやっ! やっと梶取埼まで行くと、芝生の広場の奥には梶取埼灯台が立てられている。つい先程までは灯火が点されていたのだが、残念なことに消されてしまったようだ。灯籠下のテラスの出っ張りには梶取埼ナミノリ礁照射灯が併設されている。 燈明崎から梶取埼への道
梶取埼灯台の灯籠
梶取埼灯台の灯籠と40センチ回転灯器。灯籠の上には風見鶏ならぬ風見鯨がいる。84年2月の初回訪問時(→)と見比べてみると、20年前には風見鯨はいなかったし、灯籠も塔頂部が平らな珍しい形状をしている。昭和38年に改築されているが、その後にオリジナルの灯籠に戻されたのではないだろうか? 梶取埼灯台の灯籠 (84/02/29)

くじら供養碑 梶取埼の芝生園地の入口近くには『くじら供養碑』が建立されている。太地の人々の生活を支えてきた鯨の命に感謝し供養するために、『鯨魂の永く鎮まりますよう』という願いが込められている。毎年4月29日には、捕鯨OBが主催する『くじら供養祭』が行われるということだ。
住宅地の中を通って、下里へ越える道を行く。海沿いの天満の集落から浦神港口灯台へ。坂を登った丘の上には漁業無線所のアンテナがあり、その奥の鄙びたログハウスの傍らにひっそりと立っていた。 浦神港口灯台
下里からR42へ出る。とにかく風が強くてなかなか前に進まないが、雨はほぼ止んだので浦~港導燈のある岩屋崎で雨具を脱いだ。浦~港導燈は初めて訪れた導燈であるが、「これが灯台か?」とびっくりしたので良く憶えている。ほとんど変わっていないようで、妙に安心してしまう。
古座川口燈台 とにかく凄い風の中を串本に向かう。今は干潮のようで、海岸のあちらこちらに岩床が出現している。古座川東側に広がる岩床はとりわけ広く、流木がゴロゴロと散乱して異様な様相を見せている。古座大橋のすぐ下流には古座川口燈台が立っているが、赤灯である理由は不明。





乱舞する鳶
岩床の上空では10羽を越えるトンビが乱舞していた。岩床の水溜りに取り残された魚でも狙っているのだろうか? 対岸の紀伊大島には戸島埼灯台が見えたが、背後は切り立った険しい崖で海岸に降りるルートは無いようだ。海岸沿いに行けるのかも、かなり怪しそうな雰囲気だ。
橋杭岩 やっと橋杭岩までやってきた。沖に向かって続く橋杭岩の向うには、紀伊大島との間に架けられたくしもと大橋のアーチが見える。海面からは結構な高さがあるようだ。昔は串本港から小さなフェリーで渡ったものだが、くしもと大橋の開通と同時に姿を消した。便利になった反面、旅の風情が失われていくようで残念でならない。
本州最南端の駅であるJR紀勢本線の串本駅に到着。すっかりやる気ないし、また小雨が降ってくるカンジだし、秒速10mを超える強風でくしもと大橋を渡る元気ないので、コンビニでテントとシュラフを宅急便で送り、駅まで戻ってお終いさ。 JR紀勢本線 串本駅


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