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− 轍 ・ 04/05/02 −

紀伊長島港 道の駅の東屋で一緒に泊まったサイクリストと暫し雑談してから出発する。今日は朝から天気が悪くて、走り始めるとすぐに小雨が降ってきた。紀伊長島港の堤防を走ると、長島港防波堤灯台の向うに大石灯台が見えたが、やっぱり島だ。堤防の端はドン詰りで、階段しかなくてがっかり。引き返して街中の狭い道を抜けていく。
紀伊長島にはぐるぐる巻ループ橋があるのだが、上るのがダルいので上流側の古い方の江ノ浦橋を渡る。こちらは橋桁を吊り上げる方式の可動橋なので、橋の両側には遮断機が設置されている。ポールが設置されていたので、現在は自動車通行禁止になっているようだ。海野を周ってR42へ出て、馬瀬から島勝浦方面へと向かう。 江ノ浦橋
白浦港東防波堤灯台 雨は段々とマジ降りになってきたので、途中でカッパを着る。天気が悪いと、自転車もフィルムも思うように進まない。一発目の峠をトンネルで越えて、矢口浦。次のトンネル手前で左に折れれば、短いトンネルを抜けた先にある白浦もまた小さな漁港だ。
防波堤の背後にある岬の上にはウタガ鼻燈台が見えていたので、白浦港の防潮堤に自転車を置いて歩き始める。民家の庭先を登っていくと、林の中に続く小径の途中には小さな社があった。お参りしてさらに進むとウタガ鼻燈台に到着。海を眺めてみると、今日はそれなりに波が立っていて、なかなか気分が良い。
先程の道まで戻って島勝浦に向かい、三つ目のトンネル横の旧道の途中に島勝燈台への入口を見つけた。尾鷲海上保安部が開催している灯台ウォーク&フォトラリーの対象に選定されたせいか、道は綺麗に整備されて歩き易くなっていた。それにしても灯台前に生えてる木が邪魔臭いし、海が綺麗に見えるわけでもないし、フツーの人の不評を買うような気がするぞ。
島勝浦の街の手前から須賀利への山越えにかかる。一気に100mアップして島勝浦港を眼下に望むと、トンネルを抜けて須賀利に下る。須賀利は海岸に沿って家が並んだとても小さな漁村で、細い道を走り抜けた先の港の端に須賀利港灯台が見えた。この雨の中、港では漁具の手入れをしている方々が幾人もいて、やはり大変な仕事なんだなぁと、改めて感じ入ってしまうのであった。
須賀利湾の向かい側の岬の上には、尾南曽鼻灯台に点された灯火がぼんやりと浮かんで見えていた。島勝に戻る途中で怪しげな林道があったので突入してみたが、すぐに行き止まり。漁網を洗っているおじさんがいたので灯台まで行く道はないか尋ねてみると、『尾南曽かぁ〜』と言って一頻り大きく笑った後に『ありゃぁ無理だ』だって。なかなか豪快なおじさんだった。 尾南曽鼻
九鬼への海岸 引本から相賀へ抜けてR42を尾鷲へと向かうと、熊野古道を歩いている方々がいた。最近流行らしいが、この雨の中を元気なことだ。って、きっと向うもそう思っていることだろう。この先が田舎なのは判っているので一日分の食購を済ませてから、九鬼への道へと進んでいく。途中にある大曽根浦駅は青春18のポスターに使われた駅なので、記憶を頼りに撮影場所を捜したが、よくわからんかった。
暫くは海岸に沿っていくが、行野浦から上り始める。やはりダルい道だ。ピーク360mは矢ノ川トンネルと同程度の標高だが、ダルさはかなり上。それでもリアス式海岸は美しくて、この道を辿る価値は十分にある。雨で視界が悪いのが残念でならないが、雨に煙る光景もまた良しとしよう。とにかくピークを越えて九鬼まで下る。集落の外れに自転車を置いて沓埼灯台に行こうと通りかかったおばあさんに道を尋ねたら、会話がなかなか通じないで大変だった。この辺には猫がいるので食べ物を出しておくと漁られると言っているようで、風呂敷まで出してくれた。風呂敷は丁重にお断りしたが、猫には何度もやられたことがあるので、念のために食料を入れたコンビニのレジ袋を持って燈台まで行くことにしたのだった。 雨に煙るリアス式海岸
沓埼の神社 九鬼は九鬼水軍発祥の地であり、九鬼氏の祖となった藤原隆信が祭った九木神社が有名である。沓埼にも岬神社が祀られていて、九木港沓埼燈台がその横に立っている。社の両側に木の枝が供えられているが、瀬戸物の魚の開いた口に活けられているのが、なんとも言えず可愛らしい。
JR紀勢線の九鬼駅に寄る。見るからに人気の無い寂びれた駅だ。駅舎の前に自転車が一台停まっていたので『チィース』と言いながら入っていくと、ガランとした待合室にいたサイクリストは挨拶もできない暗そうなヤツだった。この天気で気分まで暗くなっては敵わないので、水だけ補給してサックリ出る。 JR紀勢線 九鬼駅
早田港東防波堤灯台 R311から早田港へと下る。小さな港の外れでタマナワ鼻灯台を探すのだが、それらしい送電線はあるものの道が見つからない。港の周囲は急斜面の森で、海岸沿いもギリギリまで木が生えているので、どうにも行けそうにないので仕方なく諦める。早田港東防波堤灯台だけ眺めて我慢して、次なる獲物の三木埼へと向かうことにした。
新しいトンネル横の旧道に入り、途中の分岐から三木埼園地に向かう。遅くなったらテントを張ろうかと思っていたのだが、トイレも東屋も水道も無い、木の看板があるだけのとんでもないところだ。標識は無いが遊歩道の階段を登っていく。きっとこれでいいのだろう。周囲は深い森で、雰囲気は頗る良い。 三木崎園地の遊歩道
三木埼燈臺 途中、中年の夫婦連れとすれ違う。ここまで僻地の燈臺では他の人に遭うことなど滅多にないのだが、三木埼燈臺も尾鷲海上保安部の灯台ウォーク&フォトラリーの対象になっているので、それでやって来たのでしょうか? やっと道標がひとつあって三木埼燈臺に到達。周囲の柵には有刺鉄線も付けられていたが、失礼して乗り越える。
三木埼燈臺は斜面に建てられていて、付属舎の2階に入口と記念額があるヘンな構造になっている。陸側から見ると背が低く見えるのだが、海側からだと見上げるほどの堂々とした灯塔だったりする。三木埼燈臺から立ち去ろうかと思ったら、レンズが音も無く回り始めて灯火が点った。ちょっと得した気分になって帰途に就く。三木里は海岸の公園でも寝れそうだったが、雨が強くなってきたし、無人駅だったので、JR三木里駅の軒にした。食事の用意をしていたら仕事を終えたバスの運ちゃんが話しかけてきて、年金問題等々について語り合ってしまったのであった。 三木埼燈臺の灯籠


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