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− 轍 ・ 04/05/01 (2) −

古和浦を行く漁船 古和浦からまたもや激坂を上ると、玉助さんが途中で断念したと言っていた古和浦燈台が前方に見えてきた。燈台は海岸ギリギリの磯に立っているが、標高70m辺りに付けられている道路沿いから尾根に沿って送電線が伸びているのが見える。なんとか獲ってやるぞと気合が入ってくる。
入口には『キケン』と赤ペンキで書かれた波トタンが立っていて、すぐにわかった。わりと踏まれた道を進んでいくと照射灯小屋の廃屋があり、中を覗くと人間が居た残渣が未だにこびり付いている。何時頃まで使われていたのかはわからないが、かつては人里はなれた場所で航路標識を守る人々が幾人もいたのだろう。 廃照射灯小屋
古和浦燈台 照射灯小屋から先は多少荒れていて、浅い羊歯の藪を漕ぎながら進んでいく。半島先端部までいくとガレた痩せ尾根になり、深く切れ込んだ湾の奥に位置する古和浦燈台が直下に見えるようになってきた。ロープの連続で海岸まで降りて、古和浦燈台に到達した。R260旧道の入口からは十数分程度で、私はとても楽しかったが、ガレ場の経験がない方にはお勧めできませんね。
古和浦燈台のプレート横には電力計が取り付けてある。これってやっぱり電力会社の人が、毎月検針に来るんでしょうか? 電力計の窓に何かあるので良く見てみたら、何故か2匹の蝉の死骸が並んでいた。 古和浦燈台プレート
棚橋竈の小さな神社 棚橋竈の公民館(?)の横から細い石段を登っていくと、小さな神社がある。社殿というほどの立派なものは無く、石垣の上に小・大・中の社が並んでいるだけなのだが、周囲の鬱蒼とした森と注連縄に下げられた真白な紙四手が清々しい気分にさせてくれる。
棚橋竈から錦までは新道トンネルが開通しているようだが、やはり旧道を選んだ。棚橋隧道は国道であったとは信じられないような狭くて真暗なトンネルだ。でも自転車だから、これの方が楽しいんだよね。美しい森の中を下ってT字路に当たると、錦峠も新トンネルになっている。やはり旧峠を越えると路面は落ち葉と落石でかなり荒れていたが、旧道のワインディングはやはり気分が良いものだ。 棚橋隧道
棚橋隧道入口の石仏 棚橋隧道入口にあった小さな石仏には、木の葉で作られた輪が掛けられていた。こうした出逢いがあるのも、自転車で旧道を辿る魅力の一つだ。それに比べて、錦峠の西側に見えた新道は、味も素気もないゲロ道だった。
錦からまたもや激坂を上がる。R260は体力バリバリの20年前に走った時でさえ、あまりのアップ&ダウンに疲れ果て、挙句に雪まで降ってきて、見えていた錦燈臺を素通りしたほどなのに、このトシになって再び訪れる事になるとは思ってもいなかった。 錦湾
錦燈臺の不動レンズ 地形図では錦燈臺の東側に破線の道が記されているので探しながら走るが、全く見つからない。行き過ぎたところで振り返ると、入口はすぐそこにあった。道端に自転車を置いて山道を歩いていくと、梢の上に錦燈臺の不動レンズが頭を覗かせた。錦燈臺の入口には階段があり、大きな屋根も付けられている。不意に『寝れるな…』と思ってしまったのは、数少ない灯台巡りストの中でも恐らく私だけだろう。マイナー灯台には形状が規格品なのもあるが、初点灯が古い灯台は個性的であることが多く、苦労して巡る甲斐があるというものだ。
海を眺めていると、遠く沖には米島灯台が見えている。諦めていただけにラッキーと思って、フロントバッグに入れたままの200mmのレンズを取りに自転車まで戻ったのだった。手前の防波堤の先には、赤色の錦港東外防波堤灯台が見える。 米島灯台遠望
錦燈臺プレート

錦燈臺のプレートには御影石らしき立派な石が使われていて、そこに刻まれた文字は絶品だった。どうせ作るなら、やっぱりこれ位のプレート作って欲しいよね〜。ここまで来れば紀伊長島までもう少しなので、海を見てしばし呆ける。
錦燈臺からもう一発越えるが、さすがに力が入らん。かなり弱っている。なんとかトンネルを越えて、長島大石灯台を確認するためにレクリエーション都市孫太郎とかなんかへ向かう。トンネルをさらに2つ抜けると、プールのウォータースライダーの向うに視認できた。玉助さんは『行けるかも』と言っていたが、やっぱり島だ。到達は無理みたいなので引き返して、暗くなってきた道を紀伊長島まで走るのであった。 長島大石灯台遠望


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