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− 轍 ・ 03/12/29 (2) −

志摩半島を貫くR260に出て、御座へと走る。船越の先にある退治埼には八十島照射燈があるはずなので、自転車を置いて岬に向かう椿のトンネルを抜けていく。今度はどんな形だろうと楽しみにしていたら、山ノ神鼻月島照射灯とほとんど同じ形で、ちょっと残念だった。
すぐに志摩半島を横切る全長550mの深谷水道がある。英虞湾と外洋との海水交換を促進して湾内の水温を上げ真珠養殖の赤潮・冷潮被害を防ぐことを目的として、昭和7年に切り開かれた。水深が浅いせいか、とても鮮やかなエメラルドグリーンをしている。英虞湾内の深谷港と外洋間を繋ぐ最短水路でもあり、多くの漁船が通行している。熊野灘側の入口にある深谷水道口燈台は、小さいながらも重要な役目を持った燈台だ。 深谷水道
阿津里浜 英虞湾側にも深谷水道北口燈台があるが、こちらの方がかなり到達しにくい。迷路のような別荘地を抜けて英虞湾側に廻り込み、木の隙間から見える燈台に向かって踏み跡を下るが、砂で足が滑って海に転落しそうになった。志摩町を過ぎたあたりにあった阿津里浜。夏は海水浴場として賑わうのであろうが、今は人影ひとつ無い。真冬とは思えない明るい空の下で、穏やかな波が、ただ寄せては返すだけだ。
奥志摩照射灯群も、いよいよ最後の岩井埼にやってきた。海岸まで出てみると、真冬だというのにダイバーがいました。この寒いのによくやるな〜。まぁ、きっと向うもそう思っていることだらう。海岸から見えた岩井埼矢摺島照射燈の頂部は何の変哲もなかったが、到達してみると3段テラスの背高のっぽの燈塔だ。周りの森からも一際高く、見上げていると首が痛くなる。こいつはなかなか見事だ。 岩井埼
御座埼に行く途中の風景 R260を御座まで走り通して、港の手前から御座埼へとむかう。またもや別荘地になっていて、送電線に沿った小径を見つけて歩き始める。坂道を登る途中で振り返ると、入り江の向うに長く伸びた岬の先には、先ほどの岩井埼矢摺島照射燈が見えていた。これまで照射灯は灯台のオマケ的な存在だったのだが、この旅では色々と変わった照射灯を屠ることができたので、とても楽しむことができた。
森の中の静かな小径を歩いていく。途中には小さな神社があり、10分ほどで御座埼燈台に到達した。燈台は志摩半島先端の黒森という山の中腹に立っているが、さすがに黒森というだけのことはある深い森に囲まれていて、海はまったく見えない。御座埼燈台の灯篭部にはLX158型灯器が見える。御座白浜海岸のキャンプ場で御座埼燈台までの道を尋ねたときに、管理人のオヤジが「観光地じゃないから何にもないよ」としつこく言った訳がわかった。私はそんなこと承知でやっているのだが、きっとフツーの人は文句言うんだろうな〜。実際、燈台以外は何にもないもんな〜。なんで燈台の良さが分からないのかな〜。 御座埼燈台の灯器
御座港 御座港に着くと、広い船着場は閑散としていた。昔は英虞湾対岸の浜島まで奥志摩フェリーが就航していたが、道路が整備されて廃止になったのだろう。すぐにバスがやってきたが、乗降客は一人もいない。
船を待つ間に何か食べようと思って時刻表を見た途端に、自分の行いの良さを有難く思った。御座港には13:50に着いたのだが、昼間の浜島行きは09:00,14:00,16:30の3本しかない。もしも麦埼に寄っていたら完全にアウトだった。 観光船の時刻表
御座港の海 御座港の海は、港とは到底思えないほど綺麗に澄んでいる。かつてフェリーへの乗降に使われた岸壁は、使われなくなってチェーンが掛けられてしまった。鉄道廃線跡と同じような侘しさが漂ってくる。といっても、84年にフェリーに乗ったときにも、乗客は数えるほどしかいなかったのを憶えている。
ほどなくして到着した観光船はキャビン前部の扉から乗降する小さな船で、見るからにヤバイと思ったが、無事に自転車を積むことができた。賢島からやって来た観光船から下りた乗客はいなかった。御座港から乗ったのも自分だけ。貸切状態で浜島港まで約10分の船旅だ。 観光船
濱島港燈臺のある矢取島にはコンクリートの防波堤を歩いて渡ることができる。山頂にある燈臺まで、島の南側から苦労して岩をよじ登っていったのに、北側にはちゃんと道がつけられていた。燈臺から見える奥志摩の素晴らしい風景を堪能してから、鵜方へと走り始める。
登茂山からの怪しい道 鵜方から磯部にもどり、穴川駅に止めておいた車を拾って波切まで移動する。登茂山公園手前で車を捨てて、本日のラストオーダーになる大鼻灯台を獲りにいく。間違えて桐垣展望台まで行ってしまったが、なるほど英虞湾の眺めが素晴らしい。夕日を待っている方々を尻目に急いで引き返して、最近建設されたらしい巨大ホテルの駐車場から怪しげな道を進んでいく。
数人のハンターに猪を追っているから来るなと言われたが、『ハイ、そうですか』と引き下がれる訳がないのでシカトこいて進む。やがて羊歯の茂みが深くなり、道は行き止まりになって終わっていた。始めのうちは送電線に沿っていたのだが途中で逸れてしまい、他に進む道も見つけられない。やむなく大鼻灯台を断念する。すぐに暗くなってしまうので急いで引き返していくと、森の木の間から沈んでいく夕陽が見えた。 落陽
深谷港九木けい船護岸灯台 成果なしで真直ぐ車に戻るのは癪に障るので、船越を回っていく。深谷港には深谷港九木けい船護岸灯台があるが、どう見ても沿岸灯台ではないので獲物への認定はしない。防災放送かなにかから流れてくる17時の音楽を聴きながら、R260をデポしていた車まで走って、本日の走行は終了となった。


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