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− 轍 ・ 03/09/20 (2) −

川尻岬に砕け散る荒波 久津の港から北に向かって丘を幾つか越えていくと眼前に日本海が大きく開けた。川尻岬は本州最西北端に位置する小さな岬だが、海に突き出した岬は玄武岩の海食崖に囲まれ、なかなかダイナミックな景観だ。キャンプ場からコンクリ舗装の遊歩道を歩いていくと、断崖に砕け散る荒波が凄まじい。砕けた波が強風に煽られて海に近いところではけっこうな飛沫がかかる。山頂に向かって急坂を登り切ると、長門川尻岬灯台が立っていた。
川尻岬からR191に戻る道は丘陵地の中を真直ぐ通したような道で、ツーリングマップルには快走路と書いてあるが自転車で走るとゲロゲロだ。長門古市から茅刈への道も萎えてしまうような急坂が立ちはだかり、素直に押す。途中にあった小さな牧場には牛さんがいました。 牧場の牛さん
茅刈の巨木 茅刈の集落には集会所前に立派な巨木が生えていた。圧倒的な生命の前では、通りすがりの人間であっても安らぎを感じることができる。広場海寄りの家の脇から石が並べられた道が下っているので、今岬灯台へと歩き始める。道は岬に向かってほぼ一直線で、迷うことはなかった。歩き続けて約20分で、今岬灯台に到達。電線が無いのが気になっていたのだが、灯台の横にはかなり大きな太陽電池のパネルが設置されていた。
今岬の先端には地形図に立神と記された岩の島が立っている。台風が接近している影響で強い風は一向におさまらず、海面も波が高い。東を見ると青海島の竹の子岩が見えていた。その左手の遥か海上に霞んで見えるのが相島だ。相島と見島にも行こうと思っていたのだが、どうやら今回の旅では時間が足りないようだ。 今岬先端の立神
長門市街をスルーして青海島に向かう。青海大橋は島に向かって急勾配の上り坂。橋の上から見えた王子鼻灯台は高さ5m足らずの小さな灯台で、平成8年改築のまだ新しいプレートが付けられている。梯子がリベットで止められているので灯塔を叩いてみるとコンコンと軽い音がする。FRP造のようだ。
波の橋立 波の橋立に寄ってみた。細長く延びた砂州には松林の中に遊歩道が作られている。深川湾と青海湖を隔てる砂州は長さ1300mあるが、幅の狭い所は20m位だろうか。波の橋立は仙崎八景のひとつで、仙崎で生まれた童謡詩人『金子みすゞ』の詩にも詠まれている。内側にある青海湖は、同様な潟湖であるサロマ湖や中海とは違って淡水湖である。フナやコイなどが生息し、冬季には多くのカモ類の渡来地になっている。
仙崎港は終戦直後に海外引揚げ港となり、約41万人の引揚者を受け入れた。仙崎港の外れには海外引揚げ上陸跡地の記念碑が建てられている。 仙崎港海外引揚げ上陸跡地
JR山陰本線仙崎支線 仙崎駅 仙崎は大正時代末の童謡詩人『金子みすゞ』の出身地であり、町中には多くの詩碑がある。『金子みすゞ』は故郷仙崎の町と自然への愛情に満ちた詩を数多く残し、僅か26歳でその生涯を閉じたという。今年(2003年)は生誕100年にあたり、JR仙崎駅の構内には特別列車『金子みすゞ号』のポスターが貼られていた。
JR仙崎駅は山陰本線の長門市駅から一駅だけの仙崎支線の終着駅である。ちょうど発車していく気動車の写真を撮って、時刻表を見てみると、一日6本で今のが最終列車だった。まったく、よく廃止にならないものだ。 仙崎駅を出る最終列車


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