まるしんの頁 馬のコーナー
競馬観戦用語のキ・ホ・ン

 ここでは主に競馬を「観る」ことに関する用語を、競馬を知らない人にもわかるような表現で説明します。用語は必要に応じて、順次追加していきます。赤字部分は観戦マナーを中心とした重要事項。オールテキストですので「名前を付けて保存」して必要に応じて目を通すといいかもしれません。

ア行】  【カ行】  【サ行】  【タ行】  【ナ行】

ハ行】  【マ行】  【ヤ行】  【ラ行】  【ワ行】


【ア行】

アラブ(Arab)
 競走馬の種類のひとつで、その中でもサラブレッドとの混血である「アングロアラブ」が主。サラブレッドに比べ、スピードで劣るため中央競馬ではアラブの競走がなくなってしまい、地方競馬独特のものとなっている。(→サラブレッド)

一般席(いっぱんせき)
 入場料だけで入れる自由席部分で、スタンド階下部分にある。大レースのときは混雑して動くのもままならないこともあるが、競馬の迫力を味わうならここに限る。(→指定席・特別観覧席)。

ウィナーズサークル(winner's circle)
 勝った馬やその関係者が表彰式を行うところ。一般に、スタンドとレースコースの間にあり、作者 まるしん はスタンドで障害レースを観戦しゴールシーンを見届けたのち、ここへダッシュをかける(笑)。

内馬場(うちばば)
 競馬場のレースコースの内側部分。公園として開放されているところもあり,そういう競馬場ではピクニック気分で競馬観戦が楽しめる。
 

【カ行】

グレードレース(grade race)
 ランク付けされた大レース。大レースの中の大レース(頂点となるレース)はgrade1=「GI(ジー・ワン)」で、以下「GII」「GIII」と続く。日本では中央競馬で始まった制度であるが、現在は地方競馬にも「(中央地方)統一グレードレース」があり、また、それとは別に独自のランク付けをしている地区もある。中央競馬の日本ダービーや有馬記念はもちろん「GI」競走。(→重賞競走)

公営競馬(こうえいけいば)
 →地方競馬

控除率(こうじょりつ)
 馬券を売った際に上がる利益分のことで、いわゆる「テラ銭」のこと。競馬の馬券の「控除率」は売り上げのおよそ25%(競輪・オートの車券や競艇の舟券も同様)で、残りの約75%が馬券的中者に還元される。したがって、最終的に馬券を買った総額の7割5分の額が自分の手に戻ってきていれば「御の字」である。そしてこの25%のテラ銭=利益分が、競馬場の従業員の給料や公共事業費などに使われることになる。ちなみに宝くじやサッカーくじトトの「控除率」は約50%で、競馬よりはるかに割が悪い。
 
コーチ屋(や)
 競馬場にはびこっている(いた?)悪者。突然なれなれしく声をかけ、自分(コーチ屋)の予想に基づいて馬券を購入することを「コーチ」して勧める。そして馬券を買わせて外れればそのままドロン、当たれば多額の謝礼を要求したりする。作者は15年間競馬ファンをやっていて1回もコーチ屋を見たことがないので、その数は激減していると思われるが、気を付けるに越したことはない(声をかけられても無視すればOK)。ちなみに地方競馬場でブースをかまえて予想をしているオジサンは、コーチ屋とは異なるので混同しないように。(→予想屋)

ゴール板(ばん)
 競馬場のゴール地点に据え付けられている板。コース内端に細長い鏡(写真では四角い柱に見える)が据え付けられており、そこに映った馬をスタンド上部に備え付けられたカメラで撮って着順を確認する。多くの競馬場でその周りに装飾が施され、個性をかもし出している。

国際競走(こくさいきょうそう)
 日本においては、日本の馬と海外の馬が一同に会して走ることのできるレースのこと。細かく分けると、レースに参加する外国馬の渡航費用などを参加者側(外国馬陣営)が自己負担する「(単なる)国際競走」と、渡航・参加費用を主催者側(日本側)が負担する「国際招待競走」とがある。ちなみに中央競馬の「中山グランドジャンプ」競走は、世界でただひとつの、障害レースの国際招待競走である。
 

【サ行】

サラブレッド(thoroughbred)
 競走馬の種類のひとつで、この種類の馬の血統をさかのぼると、すべての場合においてたった3頭の馬にたどりつくという。日本国内競馬のメインはサラブレッドの競走。殊に現在の中央競馬は全部がサラブレッド競走なので、当然障害競走もすべてサラブレッド競走。(→アラブ)

指定席(していせき)
 読んで字のごとしで、一般にスタンド階上部分にある。地方競馬ではテーブル付き,前面ガラス張り,空調完備の指定席を「特別観覧席」と呼ぶことがある。乗り物の指定席と違い,座席が指定となるばかりでなく,一部を除いて馬券売り場も一般自由席と区別されるのが特徴で,混雑を気にせず馬券が買える。指定席券は、一部前売りするものもあるが、当日発売の形が主流で,いい席を取ろうとする場合は開門前からならんだりもする。指定席のない競馬場もある。(→一般席・特別観覧席)

(しば)コース
 芝のレースコース。中央競馬でメインに使われるコースで、障害コースも芝コースのひとつ。(→ダートコース)

重賞競走(じゅうしょうきょうそう)
 説明すると難しくなるので割愛するが、簡単にいえば「大レース」のこと。地方競馬には「準重賞」がある場合もある。(→グレードレース)

障害競走(しょうがいきょうそう)
 生け垣などの障害物を飛び越えながら走る長距離競馬で、ジャンプレース(ジャンプ競走)の通称をもつ。現在は中央競馬独特のもので、地方競馬には存在しない。まるしんの頁・「馬」のコーナーのメインである。(→平地競走)

場外発売(じょうがいはつばい)
 レースが実際に行われている競馬場以外の場所で、そのレースの馬券を売ること。具体的には、場外馬券売り場(=レースコースなどをもたない、馬券を売ることだけに特化した施設)や他の競馬場で馬券を売ること。馬券の売り上げの大部分が「場外発売分」で占められることもままある。(→本場発売)
 
ジャンプレース(Jump race)・ジャンプ競走(きょうそう)
 障害競走の通称。障害競走は、馬がところどころでジャンプしながら走ることから名づけられた。(→障害競走)

勝負服(しょうぶふく)
 レースの際、騎手が着る派手なデザインの上着。中央競馬では馬主がデザインを決め、乗る馬に応じて服を着替えるので、服のデザインで騎手を判別できない。一方、地方競馬ではデザインを騎手自身が決め、乗る馬の馬主にかかわらずずっと同じ服を着る(というか同じ服を何着も持っている)ので、そのデザインで騎手がわかる。中央競馬と地方競馬の交流戦では、「アウェイ」の騎手は「貸し服」を着たりする。

せん馬(ば)
 「せん」は漢字で書けば「 馬扇 (「うまへん」に「おうぎ」。外字)」で,去勢されたオス馬のこと。気性があまりにも荒いオス馬のタマ(※表現失礼)を取るとおとなしくなって,レースで好走できる場合がある。ただし,繁殖能力を失っているだけに,引退後の余生は厳しい。(→牡馬=ぼば,牝馬=ひんば)
 

【タ行】

ダートコース(dirt course)
 砂のレースコース。道路のダートと違って「砂利」ではないので注意。地方競馬でメインに使われるコース。(→芝コース)

地方競馬(ちほうけいば)
 「公営競馬」ともいい,地方自治体またはその組合が運営する競馬。従って「地方」は「田舎」の意ではなく,都会で行われる大井競馬(東京23区の組合が運営)なども「地方競馬」の範疇に入る。ダート(砂)コースが中心。

中央競馬(ちゅうおうけいば)
 日本中央競馬会(JRA)が運営する競馬(旧国営競馬)。芝コースが中心。競馬を知らない人でも知っているほど有名な「日本ダービー」や「有馬記念」などは中央競馬のレースである。また,「障害(ジャンプ)競走」は中央競馬独特のもの。

投票(とうひょう)
 競馬の世界においては「馬券を買う」こと。馬券売り場の窓口は「投票所」と呼ばれる。また、プッシュホンなどを通じて馬券を買う(代金は口座引き落とし)「電話投票」や、インターネットに接続して馬券を買う「インターネット投票」などの形態がある。ただし「ファン投票」(ある特定のレースに出したい馬の名を投票すること)といった場合は、一般的な意味での投票となる。

特別観覧席(とくべつかんらんせき)
 略して特観席(とっかんせき)という。一般にはテーブル付き,前面ガラス張り,空調完備の指定席。なお,「特別観覧席」は地方競馬独特の用語で,テーブルなし座席指定の「指定席」と区別されることがある。中央競馬ではテーブル付きの席もテーブルなしの席も単に「指定席」と呼んでいる。(→指定席・一般席)
 

【ハ行】

馬券(ばけん)
 正式名「勝ち馬投票券」。詳細な説明は略するが,初めての方はシンプル・イズ・ベスト,1着になる馬を当てる「単勝式」を100円買ってみよう(馬券に馬や騎手の名が記入される競馬場もある)! 外れ馬券を投げ捨てたり、紙吹雪代わりに飛ばすのは厳禁。ここは記念にとっておく(競馬運営主体によってデザインに個性があるので、集めるというテもある)か、ゴミ箱へ。なお、未成年者は馬券を買えず、また譲り受けることもできない(注:以前は成人した学生も馬券を買うことができなかったが、'05年から馬券を買う、または譲り受けることができるようになった)。競馬は、馬券を買わなくても楽しめる。

ハロン(furlong)
 レースコース脇に通常200mごとにある、数字の描かれた背の高い棒。役目はもちろん距離の指標。ちなみに1ハロンは1マイルの8分の1で、正確には約201mであるが、メートル法の日本では1ハロン=200mと置き換えている。

ばんえい競馬
 漢字では「輓曳競馬」と書く(が、めったに見かけない)。地方競馬における競走の一形態。おもりと騎手を載せたそりを引いて2つの障害(山)を越えてゴールを目指す。馬(ばん馬)の体重は約1トン、通常の競馬で使われるサラブレッドの約2倍。力を競う競走でスピードが全くない(途中で一時停まってしまうこともある)ため、ブラウン管越しに視ると間抜けだが、逆にライヴで観るとすごい迫力。世界でも北海道のみにみられる。

パドック(paddock)
 レースに出る馬の下見所。ここで馬の気合いや腰の筋肉の状態などを確認して,馬券購入の参考にする。

平地競走(ひらちきょうそう)
 競馬の一般的な形態で、地方競馬はすべてこれ。障害物が一切なく、ひたすら走り抜くもの。短距離ではスピード、長距離ではスタミナを競う。(→障害競走)

牝馬(ひんば)
 メス馬。レースでそこそこ走れば引退後は,次の時代の競馬界を担う子づくり=「繁殖」の仕事が待っており,オス馬などに比べ幸せな余生を送れる可能性が高い。(→牡馬=ぼば,せん馬)

ファンファーレ(fanfare)
 レース直前に奏でられる音楽。レトロなものからあか抜けたものまで、競馬の運営主体によって個性がみられる。レースのランクによって区別されていることが多く、通常はCDかテープによる演奏だが、大レースでは生演奏になることもある。中央競馬ではファンファーレに合わせて手拍子が打たれることがあるが、馬にも優しくないのでこれはやめよう

牡馬(ぼば)
 オス馬。レースで大活躍したりすると引退後,種牡馬(しゅぼば。種馬のこと)になれるが,その割合はほんのひとにぎりの厳しい世界。で,種牡馬はさぞかし快感な仕事かと思いきや,その子がレースで活躍しないと「種牡馬失格」の烙印を押されてしまい,これまた厳しい。(→牝馬=ひんば,せん馬)

ボロ
 馬の糞。パドックを歩いている馬がよく「ボロを出す」が,ここで「不潔」「汚い」なんていわず,これに注目。糞のかたさが体調の指標,すなわち馬券購入の参考のひとつだ。パドックで馬が糞をするのはレース前で緊張している証拠で,逆にリラックスしているときは尿を出す。(→パドック)
 
本場発売(ほんじょうはつばい)
 レースの行われている競馬場の場内や入口で、そのレースの馬券を売ること。ライヴ観戦派の競馬ファンは、主として「本場発売分」の馬券を買うことになる。(→場外発売)
 
本馬場入場(ほんばばにゅうじょう)
 パドックからレースコース(本馬場)へレース出走馬が入場すること。先頭に誘導馬がつき、それに続いて出走馬が歩く(ときには最後尾にも誘導馬がつく)。一般に、本馬場入場の際にはマーチ系の音楽が奏でられる。馬は臆病な動物なので、本馬場入場の際は静かに観よう。中央競馬では最近、ファンファーレに飽きたらず本馬場入場の音楽に合わせて手拍子を打つ輩が出てきたが、これはコースに出てきた馬を驚かす結果になるので厳禁だ。(→パドック・誘導馬・ファンファーレ)
 

【マ行】

マークカード(mark card)
 試験などでもおなじみ、該当部分を鉛筆やペンで塗りつぶして使用するカード。多くの競馬場で、馬券を購入する際これを使用する。中央競馬ではこれをちぎって、ゴールの真ん前で馬がゴールする瞬間に紙吹雪として飛ばす輩がいるが、これも自然に優しくないので厳禁だ。マークカードのデザインは競馬の運営主体によって個性があるので、集めてみるのもおもしろい。
 

【ヤ行】

誘導馬(ゆうどうば)
 レース出走馬がパドックから本馬場(レースコース)に整列入場する際、その先頭または最後尾を務める馬。一般に芦毛の馬(俗にいう「白馬」)が多い。かつてはレースでそれなりの活躍をした馬であることも少なくない。

予想屋(よそうや)
 読んで字のごとし。主としてスタンドの裏側に専用のブースをもち、次に行われるレースについて大声で演説。その演説が信用できると思ったら1レースあたり100円で予想(馬券の買いパターンが記入された紙片)を買う。主催者公認&定額の予想料であるという点で、非合法な「コーチ屋」と異なる。予想屋はあまりにも予想が当たらない場合、売り上げに響くばかりでなく、主催者側からペナルティがある?など結構厳しい稼業らしい。予想屋は地方競馬独特のムードあふれる存在(ただし、一部存在していない地方競馬場がある)で、演説に耳を傾けているだけでもおもしろい。中央競馬場には存在しない。(→コーチ屋)
 

【ラ行】

ラチ
 漢字で書けば「埒」で「ラチがあかない」のラチと同義。レースコースの両端に設けられた柵で、コースの外側のものを「外ラチ」、内側のものを「内ラチ」という。特に内ラチの造りはもろく、事故があって馬が激突したりすると派手に壊れてビックリすることがある。もっともこれは「わざと」で、造りが頑丈だと逆に馬や騎手が大けがをしてしまうため。もちろん壊れても修復はアッという間だ。
 

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