はじめての障害(ジャンプ)レース
'07主要障害(ジャンプ)レース結果あんない

 ここでは、'07年に行われた主な障害(ジャンプ)レースの結果を案内しております。なお、まるしんの頁の「馬のコーナー」では「競馬を知らない人にもわかるように」のコンセプトゆえ、あえて細かい記述を避けて要点だけにとどめております。
 
レース名 発走日 競馬場
距離など
優勝馬(赤)
2着馬(黒)
J・G3 小倉サマージャンプ 7月21日(土) 小倉競馬場
3390m直線芝
コウエイトライ
キングジョイ
福島ジャンプステークス 7月7日(土) 福島競馬場
3380m直線芝
キャピタルゲイン
アインオーセン
J・G2 東京ハイジャンプ 6月9日(土) 東京競馬場
3300m直線芝
メルシーエイタイム
メジロベイシンガー
J・G3 京都ジャンプステークス 5月12日(土) 京都競馬場
3170m直線芝
キングジョイ
ブロードキャスター
J・G1 中山グランドジャンプ 4月14日(土) 中山競馬場
4250m芝外回り
カラジ(豪州)
リワードプレザン(日本)
SSS相当 ペガサスジャンプステークス 3月24日(土) 中山競馬場
3350m芝外回り
メルシーエイタイム(日本)
アグネスハット(日本)
J・G2 阪神スプリングジャンプ 3月10日(土) 阪神競馬場
3900m直線芝
スリーオペレーター
コウエイトライ
淀ジャンプステークス 2月10日(土) 京都競馬場
3790m直線ダート
アドマイヤホープ
スリーオペレーター
SSS 春麗ジャンプステークス 2月3日(土) 東京競馬場
3300m直線ダート
コウエイトライ
クルワザード
SSS 牛若丸ジャンプステークス 1月13日(土) 京都競馬場
3190m直線ダート
フミノトキメキ
マルブツトップ
中山新春ジャンプステークス 1月8日(月祝) 中山競馬場
3200m直線ダート
リワードプレザン
カナハラコマンダー
 
ひとくちメモ [J・G3]小倉サマージャンプ
 真夏の北九州市で、うだるような暑さの中、例の全身スーツを着込んでスキージャンプの飛距離を競う大会…ではなく、真夏の北九州市・小倉競馬場で行われる障害(ジャンプ)レースの重賞競走(いわば大レース)。しかし、冗談抜きにジャンプスキーと混同する人がいるとかいないとか。奇しくも同じ日、北海道では「札幌市長杯宮の森サマージャンプ大会(ノーマルヒル)」が行われます。
 このレースは、過去の実績のある馬よりもむしろ最近力を付けてきた馬により有利な「ハンディキャップ戦」というレース設定ですが、小倉競馬場に設置されている障害は「固定障害」がメインで意外と難易度が高く(このレース時に限り、通常時に比べ20cmプラスである高さ140cmにせり上げられる障害もある)、また日本一の「小回りコース」であるため、特に「飛越技術」と「器用さ」が問われます。そのため、ハンディキャップ戦といえど、過去に実績のある馬が勝ちにくいとはいちがいに言えない面もあります。
 距離は3390mで、道中延べ10回のジャンプと1回のバンケット(山)越えがあります。最後の直線は芝コースを使用、そこには置き障害が1個置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際にめいっぱいの14頭が出走、全馬無事完走しています。なお、1着馬と2着馬は前年('06年)と全く同一でした。1着賞金3500万円。

ひとくちメモ [S]福島ジャンプステークス
 毎年7月上旬に福島競馬場で行われる障害レースのオープン特別競走(いわば中レースといったところ)で、年にたった5レースしか行われない福島競馬場の障害レースの中ではいちばん大きなレース。福島競馬場の障害レースはハードル(置き障害)が中心で難易度は低いですが、通常時は高さ120cmで運用されているたすきコース上の竹柵障害(固定障害)がこのレースに限り高さ130cmにかさ上げされ、ちょっとだけ難易度が高くなっています。
 さて、福島競馬場の障害レースは、低い難易度の割になかなか「キャラが立って」いて、レース中盤のバンケット(山)越えはヴィジュアル的にいちばんのアクセント。TV(CS)やモニタ観戦の方はこちらに注目。一方、たすきコースの竹柵障害(前述)の脇やスタンド前直線のハードルの脇は、まさに観衆の目の前で障害ジャンプの迫力を味わえます。
 距離は3380mで、道中のべ9回の障害ジャンプと1回のバンケット(山)越えがあります。最後の直線は芝コースを使用、そこには置き障害が1個置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際にめいっぱいの14頭が出走、うち12頭が完走しています。1着賞金1800万円。
 ところでこのレース、梅雨も佳境に入る時期の実施であるにもかかわらず、過去においては意外に雨に降られていませんが、今年も雨に降られずに済んでいます。

ひとくちメモ [J・G2]東京ハイジャンプ
 東京都府中市にある東京競馬場で梅雨入り時期に行われる障害レースの重賞競走(大レース)。大回りで直線部分も長いという東京競馬場の障害コースの特性から「春シーズンのスピード王決定戦」意味合いが濃くなっていますが、後述するように道中に大障害もひかえているため、スピードだけにまかせると泣きを見ることもあります。また、レース名の「ハイジャンプ」は、「道中に高さ150cmの障害があるJ・G2クラスのレース」の意味があります。
 このレースの使用コースそのものは通常のレースと同じものですが、このレースのときには正面に設置されている4つの障害のうち3つが通常よりも大きな障害に差し替えられ(注:これらの障害はユニット式=いわばカセット式の形態で、障害の取り替えが可能)、そのぶん難度がアップしています。距離は3300mで、直線は芝コースを使用、そこには置き障害が1個置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際にめいっぱいの14頭が出走、うち13頭が完走しています。1着賞金5000万円。

ひとくちメモ [J・G3]京都ジャンプステークス
 ゴールデンウィーク明け・初夏の京都を彩る障害レースの重賞競走(大レース)。より実力があると思われる馬の背により重い重量を背負わされるハンディキャップ戦で、障害レースを何勝もしている馬よりもむしろ新規勢力により有利な条件設定となっています。また、このレースの中盤では年に2回しか使用されない大障害コースを使用します。大障害コースには高さ150cmの大きな障害と「ホップ・ステップ・ジャンプ」のリズムでで飛び上がり飛び降りるバンケット(台)があって新興勢力向きというレースの割に障害の難度は高く、結果としてレース途中での転倒騎手落馬が比較的多いレースとなっています。果たして、今回は全馬完走できるでしょうか?
 距離は3170mで、直線は芝コースを使用、そこには置き障害が1個置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際には13頭が出走、うち11頭が完走しています。1着賞金3500万円。

ひとくちメモ [J・G1]中山グランドジャンプ
 日本における障害レース界の祭典で、世界唯一の国際招待形式の、そして世界最高賞金額の障害レース。距離は4250m(国内競馬最長距離)で、道中のべ12個の障害(そのうち年2回しか使用されない大障害が2個)のジャンプと、のべ5回の坂の下り上りが控えています。レース終盤は芝外回りコースを使用,そこには置き障害が3つ(そのうち最後の直線には1つ)置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は16頭で、実際には15頭が出走、うち14頭が完走しています。なお、勝ち馬カラジ号は、一昨年・昨年に続くこのレース3連覇という偉業を達成しています。1着賞金8000万円。

ひとくちメモ [SSS相当]ペガサスジャンプステークス
 花粉真っ盛りの(苦笑)時期に行われる障害レースのオープン特別競走(いわば中レース)。レースの格そのものは高くないものの,4月14日(土)に行われる日本競馬障害レース界春の大一番「中山グランドジャンプ」競走の前哨戦の中で最も重要なレースとなっています。「中山グランドジャンプ」競走へ出走予定の外国馬も参戦可能で,外国馬にとっては本番前に中山競馬場障害競走コースの「試走」をする絶好の機会です(もちろんぶっつけ本番で「中山グランドジャンプ」競走へ望むことも可能)。
 レース名の「ペガサス」は,ギリシャ神話に登場する翼を持った馬。「馬が飛ぶ」ことが競馬の障害レースと共通すること,そして4月の大一番に向けて「飛翔する」という願いを込めて名付けられていると思われます。余談ですが,このレースが存在しなかった平成期初頭までは「ペガサスステークス」という平地競走の大レースが存在していました(レースそのものは「アーリントンカップ」競走に改名されて現存しています)。
 距離は3350mで,道中延べ11回の障害ジャンプとのべ3回の坂(谷)の下り上りがあります。レース終盤は障害競走用のコースから平地競走用の芝コース(外回りコース)に飛び出し,ゴールを目指します。なお,平地用芝コース上には置き障害が3個(うち最後の直線に1個)置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際にめいっぱいの14頭(うち外国馬4頭)が出走、うち13頭が完走しています。1着賞金1800万円。

ひとくちメモ [J・G2]阪神スプリングジャンプ
 日本競馬の本場である関西エリア・兵庫県宝塚市内に立地する阪神競馬場で行われる,障害レース界の王道戦線の幕開けを告げる重賞競走(大レース)。
 このレースのスタート地点はゴール付近観客の目の前で,しかも通常とは逆向きでスタート。正面の平地レース用芝コースを逆走し,途中に置かれた置き障害を1個ジャンプして(ここは絶好の「がぶりつき観戦」スポットである),障害レース用のコースに入っていく非常にトリッキーなコース取りで行われます。これは,このレースと暮れの「三木ホースランドパークジャンプステークス」の年に2回しかみることができないレアなものです。ちなみに障害レース用のコースに入ってからもしばらくは逆回り走行のままレースが進行しますが,レース中盤でさしかかる「たすきコース」で走る向きが変わって順回りとなり,ゴールを目指します。
 距離は3900mで,道中のべ14個の障害をジャンプ。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で,実際には12頭が出走,うち10頭が完走しています。最後の直線は(スタート時に使用した)芝コースを使用,ここでは(スタート直後にもジャンプした)置き障害を1回ジャンプしてゴールへと駆け込みます。1着賞金5000万円。

ひとくちメモ [S]淀ジャンプステークス
 レース名の「淀」は,京都競馬場のある界隈の地名で,最寄り駅も京阪電鉄の淀駅です。また京都競馬場そのものも「淀競馬場」という通称をもっています。また,江戸時代までは淀城があり,本丸の一部は淀駅(京都方面のりば)の近くに,小さな公園のような形で残っています。また,淀城址内には,明治期になって現在の場所に移転された與杼神社(「與杼」も読みは「よど」)もあります。
 距離は3790mで,道中のべ17回のジャンプがあります。最後の直線はダート(砂)コースを使用,そこには置き障害は置かれません。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で,実際にめいっぱいの14頭が出走,全馬無事完走しています。1着賞金1800万円。

ひとくちメモ [SSS]春麗ジャンプステークス
 立春時期の東京競馬場で行われる障害レースのオープン特別競走。カテゴリはいわば「中レース」ですが,実績のある馬により有利な条件設定であるため,時として大レース並みの豪華な顔ぶれになる場合もあります。
 レース名の「春麗」は素直に「しゅんれい」と読み,読んで字のごとく「春うららか」な意。今年の冬は,まさに「春麗」のような陽気の日が多く(ただし,レース当日に限ってはほぼ平年並みの寒さだった…)イマイチ実感がありませんが,本来は日も少しずつ長くなり冬から春への移り変わりはじめの時期に合わせたネーミングであるとともに,障害レースの世界そのものも「春麗らか」であれ,という願いも込められているようです。
 距離は3300mで,道中のべ12回のジャンプがあります。最後の直線はダート(砂)コースを使用,そこには置き障害は置かれません。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で,実際にめいっぱいの14頭が出走,全馬無事完走しています。1着賞金1800万円。

ひとくちメモ [SSS]牛若丸ジャンプステークス
 新年の京都競馬場で行われる障害レースのオープン特別競走。週はじめに行われた「中山新春ジャンプステークス」競走のウリが「大一番のレースと同一の競馬場で行われる」ことだとすれば、この「牛若丸ジャンプステークス競走」のウリは何といっても「中央競馬の本場・関西エリアで行われる」こと。3月に行われる「阪神スプリングジャンプ」競走や4月に行われる「中山グランドジャンプ」競走に向け、よりレヴェルの高い争いが繰り広げられそうです。
 レース名の牛若丸とは、源義経の幼名。京都・五条橋の上で武蔵坊弁慶と牛若丸が闘って,弁慶が敗れ牛若丸に仕えるようになったという伝説はあまりにも有名です。ただし、当時の五条橋は,現在の五条橋の上流に架かっている松原橋周辺のようです(牛若丸と弁慶が闘ったのは五条橋ではなく,他の橋であったという説もあります)。いずれにしてもこの闘いで弁慶の振るうなぎなたを、牛若丸がひらりひらりとジャンプしてかわしたさまが、障害(ジャンプ)レースの名に掛かっているようで,そのネーミングのインパクトの強さからちょっとした名物レースにもなっています。
 距離は3190mで,道中のべ14回のジャンプがあります。最後の直線はダート(砂)コースを使用,そこには置き障害は置かれません。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で,実際にめいっぱいの14頭が出走,うち13頭が完走しています。1着賞金1800万円。
 

ひとくちメモ [S]中山新春ジャンプステークス
 暮れの「中山大障害」競走から2週間,その興奮もさめやらぬうちに行われる障害レースのオープン特別競走(いわば「中レース」的存在)。実力馬はおおむね「中山大障害」競走などに出走しているため、このレースに出走する馬は新興勢力が中心となります。それでも、次にやってくる大一番「中山グランドジャンプ」競走(4月14日実施)出走に向けて「まず、(トリッキーなコースである)中山競馬場での障害レースを経験しておこう」という「大物候補」も出てきたりすることがあります。距離は3200mで,道中のべ10回の障害ジャンプとのべ4回の坂(谷)の下り上りがあります。最後の直線はダート(砂)コースを使用,そこには置き障害は置かれません。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で,実際には11頭が出走,全馬無事完走しています。1着賞金1800万円。

 
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