はじめての障害(ジャンプ)レース
'05主要障害(ジャンプ)レース結果あんない

 ここでは、'05年に行われた主な障害(ジャンプ)レースの結果を案内しております。なお、まるしんの頁の「馬のコーナー」では「競馬を知らない人にもわかるように」のコンセプトゆえ、あえて細かい記述を避けて要点だけにとどめております。
 
レース名 発走日 競馬場
距離など
優勝馬(赤)
2着馬(黒)
三木ホースランドパークジャンプステークス 12月25日(日) 阪神競馬場
3900m直線芝
ナイストップボーイ
コウエイトライ
J・G1 中山大障害 12月24日(土) 中山競馬場
4100m直線芝
テイエムドラゴン
メルシーエイタイム
SSS イルミネーションジャンプステークス 12月3日(土) 中山競馬場
3350m芝外回り
メジロオーモンド
メジロベイシンガー
J・G2 京都ハイジャンプ 11月12日(土) 京都競馬場
3930m直線芝
テイエムドラゴン
アズマビヨンド
SS 秋陽ジャンプステークス 11月5日(土) 東京競馬場
3300m直線芝
テレジェニック
ナイストップボーイ
J・G3 東京オータムジャンプ 10月15日(土) 東京競馬場
3300m直線芝
バローネフォンテン
テレジェニック
J・G3 阪神ジャンプステークス 9月19日(月祝) 阪神競馬場
3170m直線芝
アズマビヨンド
テイエムコンバット
J・G3 新潟ジャンプステークス 8月20日(土) 新潟競馬場
3250m芝
メジロベイシンガー
マイネルユニバース
J・G3 小倉サマージャンプ 7月24日(日) 小倉競馬場
3390m直線芝
フミノトキメキ
イブキリムジンオー
福島ジャンプステークス 7月9日(土) 福島競馬場
3380m直線芝
メジロシュナイダー
ブレーヴドライバー
J・G2 東京ハイジャンプ 6月11日(土) 東京競馬場
3300m直線芝
エリモカントリー
ネオマエストロ
J・G3 京都ジャンプステークス 5月14日(土) 京都競馬場
3170m直線芝
エリモカントリー
ローレルロイス
J・G1 中山グランドジャンプ 4月16日(土) 中山競馬場
4250m芝外回り
カラジ(豪州)
チアズシャイニング(日本)
SSS ペガサスジャンプステークス 3月26日(土) 中山競馬場
3350m芝外回り
バローネフォンテン(日本)
フォンテラ(新国)
J・G2 阪神スプリングジャンプ 3月12日(土) 阪神競馬場
3900m直線芝
ナムラリュージュ
ラージヒルジャンプ
淀ジャンプステークス 2月12日(土) 京都競馬場
3790m直線ダート
フレノキャプテン
コアレスプレジャー
SSS 春麗ジャンプステークス 2月5日(土) 東京競馬場
3300m直線ダート
チアズシャイニング
フサイチジハード
SSS 牛若丸ジャンプステークス 1月15日(土) 京都競馬場
3190m直線ダート
アズマビヨンド
コアレスプレジャー
中山新春ジャンプステークス 1月9日(土) 中山競馬場
3200m直線ダート
チアズシャイニング
タイキリオン
※ 「ペガサスジャンプステークス」競走の格は正確には「SSS」ではないものの、それに近いので便宜上「SSS」と表記してあります。
※ 新国=ニュージーランド
 

ひとくちメモ [S]三木ホースランドパークジャンプステークス
 その年の最後を締めくくる、障害レースのオープン特別競走。時期的に「中山大障害」競走と重複しますが、高さの高い障害やトリッキーな中山競馬場のコース形態などが合わないと判断され「中山大障害」競走を回避した馬や、大レース制覇という目標を今後に見据えた新興勢力馬などが出走することによって使い分けがなされています。また、このレースは有馬記念(グランプリ)と同日に行われるため、「ライトな競馬ファンの人目にもつきやすい」障害レースでもあります。
 ちなみにレース名にある「三木ホースランドパーク」とは、兵庫県三木市にある施設の名で、「馬が跳ぶ」競技である「馬術」が行われることから障害レースの名称として採用されていると思われます。
 距離は3900mで、最後の直線は芝コースを使用、そこには置き障害がひとつ置かれます。道中ジャンプする障害の数はのべ14個。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際には12頭が出走、うち11頭が完走しています。1着賞金1800万円。

ひとくちメモ [J・G1]中山大障害
 その年の障害レースの総決算的な役割をもつ、「華の大障害」とも形容される暮れの名物レース。
 このレースのいちばんのみどころは、レース中盤の、このレースと春の「中山グランドジャンプ」競走の年2回しか使用されない大障害(「大竹柵」と「大いけ垣」)のジャンプ。着地時につまづいて転倒したり騎手が落馬したりすることがままあり、数々の名馬がここで涙をのんでいます。この大障害を無事に越え、完走できる馬は果たして何頭いるでしょうか。
 距離は4100mで、最後の直線は芝コースを使用、そこには置き障害は置かれません。道中ジャンプする障害の数はのべ11個、そのほかに谷の下り上りがのべ6回あります。最大出走可能頭数(フルゲート)は16頭で、実際には14頭が出走、うち13頭が完走しています。結果、1着馬・2着馬がともに満3歳馬であったのですが、3歳馬の優勝は1968年以来。また、1着2着とも3歳馬で占めたのは中山大障害の長い歴史上でも初めてとのこと。1着賞金8000万円。

ひとくちメモ [SSS]イルミネーションジャンプステークス
 暮れも押し迫り、まさに街中にイルミネーションが輝き出す時期に行われる障害レースのオープン特別競走。このレースそのものは、いわゆる大レースではありません。しかし、障害レースの大一番である「中山大障害」競走(12月24日)へつながるステップレースとなっています。
 さて、「中山大障害」へのステップ競走の性格を持つレースは複数ありますが、この「イルミネーションジャンプステークス」競走が最も重要な役割を果たしてい、有力馬が出てくるケースが多くなっています。主な理由は、実績のある馬にとってより有利な条件設定であること、「中山大障害」競走へ向けベストなレース間隔(中3週)でのぞめること、「中山大障害」競走と同じ競馬場で行われることなどです。
 距離は3350mで、レース終盤は平地用芝コース(外回りコース)を使用、そこには置き障害が3個(うち最後の直線に1個)置かれます。道中ジャンプする障害の数はのべ11個、そのほかに谷の下り上りがのべ3回あります。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際にめいっぱいの14頭が出走、全馬無事完走しています。1着賞金1800万円。

ひとくちメモ [J・G2]京都ハイジャンプ
 紅葉真っ盛り(注:例年はそのはずだが、この年は紅葉の進行が遅かった…)の時期の京都競馬場で行われる障害レースの重賞競走(大レース)。レース名の「ハイジャンプ」は、「道中で高さ150cmクラスの障害をジャンプするJ・G2クラスの競走」の意。
 距離は3930mで、最後の直線は芝コースを使用、そこには置き障害は置かれません。この置き障害を含め、道中18個の障害をジャンプ(後述のバンケット上り下り1回を含む)。このジャンプ数は国内最多となっています。また、レース中盤では、年に2回しか使用されない大障害コースが使われます。この大障害コース上には障害が2つ設置されていますが、そのうちの2つ目にあたる「台」状のバンケット(通称「ビッグスワン」・「とび上がりとび降り台」。ちょうど、ホップ!で台に上がって、ステップ!で台上を移動し、ジャンプ!で台を降りるという感じとなるため「3段跳び」とも呼ばれている)が、このレースいちばんのアクセントです。
 フルゲート(最大出走可能頭数)は14頭で、実際には8頭が出走、全馬無事完走しています。1着賞金5000万円。

ひとくちメモ [SS]秋陽ジャンプステークス
 東京都多摩地方(府中市)にある東京競馬場で秋真っ盛りの時期に行われる障害レースのオープン特別競走。レース名の「秋陽」の読みは素直に「しゅうよう」で、意味も素直に「秋の日差し」。澄み切った青空と太陽のもとの熱戦を期待して名付けられているが、記事柄、雨にたたられることも多いのも真実(注:雨が降ってどろんこ馬場となるとスタミナ勝負となり、後ろに控える大一番にはよりつながってくるのだが…)。しかし、今年に関しては杞憂に終わり、その名のとおり秋のまばゆい日差しのもとで行われました。
 距離は3300mで、最後の直線は芝コースを使用、そこには置き障害が1個置かれます。この置き障害を含め、道中13個の障害をジャンプ。この条件は10月に行われた「東京オータムジャンプ競走」と同一ですが、東京オータムジャンプ競走と異なるのは、道中の一部の障害の大いけ垣や大竹柵への差し替えすなわち障害の難度アップはなく、普段の状態で行われることです。フルゲート(最大出走可能頭数)は14頭で、実際にめいっぱいの14頭が出走、うち13頭が完走しています。1着賞金1800万円。

ひとくちメモ [J・G3]東京オータムジャンプ
 東京都多摩地方(府中市)にある東京競馬場で、秋真っ盛りの時期に行われる障害レースの重賞競走(大レース)。ハンディキャップ戦という設定ゆえ、最近調子を上げてきた馬により有利です。
 このレースで使われるコースそのものは普段の障害レースでも使用されるものですが、このレースにおいてはレース中盤に通過する正面側にある4連続障害のうち、3つめの障害(通常時竹柵障害・高さ130cm)が大竹柵障害(高さ150cm)に、4つめの障害(通常時いけ垣障害・高さ150cm)が大いけ垣障害(高さ150cm)に差し替えられ、難度がアップしています。
 距離は3300mで、最後の直線は芝コースを使用、そこには置き障害が1個置かれます。この置き障害を含め、道中13個の障害をジャンプ。フルゲート(最大出走可能頭数)は14頭で、実際には11頭が出走、うち10頭が完走しています。1着賞金3500万円。

ひとくちメモ [J・G3]阪神ジャンプステークス
 兵庫県宝塚市(ただし市中心部=宝塚歌劇場近辺ではなく、市の南はずれ・西宮市との境に近い場所)に立地する阪神競馬場で行われる障害レースの重賞競走(大レース)で、秋シーズンの幕開けを告げる存在。
 距離は3170mで、道中のべ14回の障害ジャンプ、最後の直線には置き障害が1個置かれます。阪神競馬場の障害コースは小回りで、また設置されている障害は全体的に大きいため、スピードよりはむしろ器用さと跳びの巧みさが問われます。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際には13頭が出走、うち12頭が完走しています。1着賞金3500万円。

ひとくちメモ [J・G3]新潟ジャンプステークス
 晩夏の新潟競馬場で行われる障害レースの重賞競走。ハンディキャップ戦で、どちらかといえば最近力をつけてきた馬により有利な設定になっています。新潟競馬場には障害レース専用のコースがないため、人間の陸上競技のハードル競走のようにトラック(平地芝コース)上に置き障害を置いて行われます(8カ所)。そのため障害の難度はごく低く、スピード勝負のレースになる(人間の陸上でいう「400mハードル」に相当するレースだと思う)のですが、それだけに跳びをミスしてリズムを崩す(すなわちスピードが落ちる)とかなり響くという落とし穴が…。距離は3250mで、道中延べ11回の障害ジャンプがあります。また、ゴール前最後の直線には置き障害が1つ置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際にめいっぱいの14頭が出走、うち13頭が完走しています。1着賞金3500万円。

ひとくちメモ [J・G3]小倉サマージャンプ
 北九州市・小倉競馬場で行われる、夏の風物詩といえる障害レースの重賞競走。小倉競馬場の障害コースは、国内で障害レースの行われる競馬場の中で最も小回りなもの。さらに、普段は高さ120cmの竹柵障害1カ所が、このレースでは140cmにせり上げられ、難度がアップしています。それゆえこのレースではスピードよりもむしろ「跳びのうまさ」と「器用さ」が問われます。距離は3390mで、道中延べ10回の障害ジャンプと1回のバンケット(山)越えがあります。また、ゴール前最後の直線には置き障害が1つ置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、目いっぱいの下記14頭が出走、うち13頭が完走しています。1着賞金3500万円。
 以下余談だが、小倉サマージャンプ競走実施当日(7月24日)は、北海道名寄市・ピヤシリシャンツェノーマルヒルにおいても「サンピラー国体記念第3回サマージャンプ」が開かれ、原田らが好成績をおさめています(サマージャンプ違い)。

ひとくちメモ [S]福島ジャンプステークス
 年に5レースだけ行われる福島競馬場での障害レースの中で唯一の「オープン」クラスの競走(オープン特別競走)で、当然のことながら福島競馬場の障害レースの中で最も大きなレース。距離は3380m。道中のべ9回の障害ジャンプと1回のバンケット(山)越えがあります。福島競馬場の障害レースの難度は高くありませんが、バンケット(山)越えのシーンはヴィジュアル的に大きなアクセントとなっており、また、国内有数といえる障害ジャンプ観戦ポイントが2カ所あり「現地ライヴ観戦」にもってこいであることが大きな特徴となっています。最後の直線は芝コースを使用、そこには置き障害が1個置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際には13頭が出走、全馬無事完走しています。1着賞金1800万円。

ひとくちメモ [J・G2]東京ハイジャンプ
 初夏の東京競馬場で行われる障害レースの重賞競走。このレースは、どの馬も背負わされる斤量に大きな差がない設定で、相対的に過去の障害レースにおいて実績のある馬が有利(理論的にはより波乱の起きにくい)になっています。
 東京競馬場の障害コースは大回りで、かつ設置されている障害の難易度が全体的に低いため、よりスピードが重視されます。従って、このレースをひと言で表現すれば「春のスピード王決定戦」となります。ただし、このレースでは中盤にジャンプする4連続障害のうち3つが高さ150cm(通常に比べ10〜20cm高い)の大障害に差し替えられていて、やみくもにスピードだけに任せて走る&跳ぶとここに落とし穴が待っています。このあたりが、騎手の腕の見せどころであり、なおかつレースの最大の見どころです。
 距離は3300mで、道中延べ13個の障害をジャンプ、ゴール前最後の直線には置き障害が1つ置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際にめいっぱいの14頭が出走、うち12頭が完走しています。1着賞金5000万円。

ひとくちメモ [J・G3]京都ジャンプステークス
 新緑薫る5月の京都競馬場で行われる障害レースの重賞競走。このレースは、過去の障害レースにおいて実績のある馬に重いハンディキャップが与えられる設定であるため、どちらかといえば新興勢力にとって有利な、登竜門的なレースとなっています。
 このレースの中盤は、このレースと秋の「京都ハイジャンプ」競走の年に2回しか使用されないコース(大障害コース)を通ります。このコース上には高さ80cm・長さ15mの台状のバンケット(「ビッグスワン」「飛び上がり飛び下り台」や「3段跳び」の愛称・通称をもつ)や高さ150cm(通常のレースでは飛ばない高さ)の大きな生け垣障害も控えています。更に京都競馬場の障害コース事態が比較的大回り(=カーヴが緩い)でスピードも要求されるため、レースの格の割に難易度の高いレースとなっています。
 距離は3170mで、道中延べ15個の障害をジャンプ(前述のバンケットも1回のジャンプとしてカウント)、ゴール前最後の直線には置き障害が1つ置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際には11頭が出走、うち9頭が完走しています。1着賞金3500万円。

ひとくちメモ [J・G1]中山グランドジャンプ
 日本における障害レース界の祭典で、世界唯一の国際招待形式の、そして世界最高賞金額の障害レース。距離は4250m(国内競馬最長距離)で、道中のべ12個の障害(そのうち年2回しか使用されない大障害が2個)のジャンプと、のべ5回の坂の下り上りが控えています。レース終盤は芝外回りコースを使用,そこには置き障害が3つ(そのうち最後の直線には1つ)置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は16頭で、実際には14頭が出走、うち12頭が完走しています。1着賞金8000万円。

ひとくちメモ [SSS]ペガサスジャンプステークス
 外国馬も参戦する大一番「中山グランドジャンプ」競走(4月16日実施)へ向けた前哨戦のひとつであるオープン特別競走。このレースの格と賞金は決して高くありませんが、「中山グランドジャンプ」競走の行われる中山競馬場で実施されることもあり、いくつかある前哨戦の中では最も重要な存在となっています。また、「中山グランドジャンプ」競走に出走する外国馬にとっては、中山競馬場のコースを実戦で「試走」できる唯一の機会となります(注:このレースに出走せずに、直接「中山グランドジャンプ」競走に挑むこともできます)。
 距離は3350mで、道中延べ11個の障害をジャンプ、そして道中延べ3回の坂の下り上りがあります。このレースの終盤は、障害レース用のコースから平地レース用の芝コース(外回りコース)に出てゴールを目指す形となりますが、平地用芝コースに出てからゴールまでの間には、置き障害が3つ(うち最後の直線に1つ)置かれます。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際にめいっぱいの14頭が出走、全馬無事完走しています。1着賞金1800万円。
 なお、外国馬は「フォンテラ」号(ニュージーランド)と「カラジ」号(オーストラリア)の2頭が出走、それぞれ2着・3着でゴールしています。

ひとくちメモ [J・G2]阪神スプリングジャンプ
 阪神競馬場で行われる障害レースの重賞競走(大レース)。障害レースの中でもスタミナの問われるマラソンレースの部類で、4月に行われる大一番「中山グランドジャンプ」競走へ向けた重要な前哨戦です。ところで、レース名の「スプリング」は、ジャンプ(跳ぶ)から連想して何となく「ばね」のスプリングをイメージしがちですが、実際にはこのレースが春季に行われることから「スプリング」という名が付いています。
 阪神競馬場の障害コースは「小回り」なのが特徴で、このコースを克服するにはまず「器用さ」が要求されます。また、コース上に設置されている障害の中に、化け物のようなめちゃくちゃ大きな障害やトリッキーな障害はありませんが、それでも道中に高さ可変式の障害が1個あり、通常のレースでは高さ120cmのところ、このレースでは20cmせり上がって高さ140cmになっていて、難易度がアップしています。距離は3900mで、スタート直後はゴール前の直線芝コースを逆走し、そこに設けられた置き障害をジャンプするという非常に特徴あるコース取りです。道中延べ14個の障害をジャンプ、最後の直線はスタート時に通った芝コース&置き障害を使用します。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際には12頭が出走、全馬無事完走しています。1着賞金5000万円。

ひとくちメモ [S]淀ジャンプステークス
 京都競馬場で行われる障害レースのオープン特別競走。前週に行われた「春麗ジャンプステークス」競走に比べ、より新興勢力にとって有利な条件設定となっていて、かつ、3月に行われる「阪神スプリングジャンプ競走」の距離(=3900m)により近い距離で行われるのが特徴です。距離は3790mで、道中延べ17個の障害をジャンプ。最後の直線はダート(砂)コースが使用され、そこには置き障害は置かれません。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際にめいっぱいの14頭が出走、全馬無事完走しています。

 ところで、レース名の「淀(よど)」は、京都市の南西端(伏見区)・京都競馬場周辺を指す地名です。京都競馬場最寄りの駅は京阪電鉄の淀駅で、京都競馬場そのものも「淀競馬場」という通称をもっています。京都府と大阪府の境付近で、桂川・宇治川・木津川の3つの川が合流して淀川と名を変えて大阪湾へ注ぎますが、そのうち桂川と宇治川が合流する直前、その2つの川にはさまれた界隈が「淀」地区です。3つの川が合流することによって川の流れが「よどむ」ことからその名がいたという説が有力です。
 淀地区は、現在の風景(注:特に京都競馬が開催されていない日は「都会・京都市」域というのが信じられないほど、いたってのんびりした場所である)からは信じられないかも知れませんが、かつては淀城の城下町、そして水運の要所としての港町としてにぎわいました。その淀城跡は現在、「淀城跡公園」として開放され、本丸部分だった石垣などを見ることができます。また、城跡のすぐ隣には「与杼(よど)神社」などのスポットもあります。これらは淀駅からすぐの場所なので、競馬のついでにちょっと周辺をお散歩というのもいいのではないでしょうか。

ひとくちメモ [SSS]春麗ジャンプステークス
 暦の上での春を告げる障害レースのオープン特別競走。レース名の「春麗」の読みは素直に「しゅんれい」。そのネーミングには実施時期もさることながら障害(ジャンプ)レース界がこれからも春という季節のごとくおだやか・さわやかであれという願いが込められています。なお、サーチエンジンで「春麗」と入力すると、格闘ゲームの女性キャラクタの「春麗」が大量にヒットするが、もちろん直接関係ありません(そちらの「春麗」は、中国語読みで「チュンリー」と読ませますし…)。
 このレースは、新興勢力というよりはむしろ過去に実績を挙げた馬により有利な設定で、実際に結構豪華なメンバーが出走することが多くなっているのが特徴です。距離は3300mで、道中延べ12個の障害をジャンプ。なお、設置させる障害は通常時の設定と同一(難易度の高い障害への差し替えはない)。最後の直線は、ダート(砂)コースが使用され、そこには置き障害は置かれません。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際にめいっぱいの14頭が出走、全馬無事完走しています。
 最後に余談ですが、作者 まるしん にとっては、このレースは憂鬱な季節の到来を告げるレースでもあります。何せかなり重症の花粉症ですので(爆)。

ひとくちメモ [S]中山新春ジャンプステークス
 前年暮れの大一番「中山大障害」競走の興奮も冷めやらぬ時期に開催されるオープン特別競走で、'05年障害レース戦線のスタートを飾るレース。次なる大一番「中山グランドジャンプ」競走へ向け、「中山大障害」競走敗退組や別路線組、そして中山競馬場の障害コースを体験して「中山グランドジャンプ」競走出走へのステップとしたい関西エリアからの刺客らがしのぎを削ります。距離は3200mで、道中のべ10回障害をジャンプ、最後の直線はダート(砂)コースを使用します。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際には13頭が出走、全馬無事完走しています。1着賞金1800万円。

ひとくちメモ [SSS]牛若丸ジャンプステークス
 京都競馬場で行われる障害レースのオープン特別競走。前週に行われた「中山新春ジャンプステークス」と比較して、より過去に実績を積んでいる馬にとって有利(裏返せば、新興勢力にとっては不利)な条件となっていて、レースが施行される場所・コース形態の違いとあいまって棲み分けがされています。
 レース名の「牛若丸」は、源義経の幼名。京都・五条大橋(ただし、現在架かっている五条大橋とは異なった場所にある橋であるとされている)で牛若丸と弁慶が戦った伝説はあまりにも有名ですが、かの伝説の中で牛若丸が弁慶のなぎなたをかわすためにひらりと「ジャンプ」した動作と、障害レースにおいて馬がひらりと障害を「ジャンプ」する動作を引っかけて、レース名に「牛若丸」という名を付けたともいわれています。
 距離は3190mで、道中のべ14回障害をジャンプ、最後の直線はダート(砂)コースを使用します。最大出走可能頭数(フルゲート)は14頭で、実際には10頭が出走、全馬無事完走しています。1着賞金1800万円。

 
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