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第2章

ashukus

翌日、ブルーフェザー事務所
シュウを本部へと引き渡し事件は解決、という事でブルーフェザーもいつもの調子に戻っている
「あ〜昨日は疲れだぜ」
「ご主人様、お疲れ様ですぅ〜」
「まぁ、とりあえず事件も解決したわけだしね」
これは昼間からビールを飲みながらバーシア
「でもアイツおっかしいよな〜ころっと性格変わっちゃって」
「そうよね、最初は結構怖かったのにね」
ビセットとルーティの話にフローネが言う
「でも、あの人が昔とはいえ人を殺したなんて」
「あ?どうせ猫被ってたんだろ」
「そんなようには・・・・それでセンパイ、あの人どうなるんですか?」
「まぁ有罪は確実だしな、どうなるんだろうな」
そんな時、突然メルフィが駆け込んで来た。また何か事件だろうか?
「大変よ、昨日ルシードさんたちが捕まえた犯人が拘置所から脱走したらしいわ」
「おい、どういうことだ?!本部の奴らは何やってたんだ!!」
「なんでも突然煙のように消えちゃったみたいなの、だからルシードさん」
「しょうがねぇな、ブルーフェザー出動」

保安局本部
「どういう事だ?拘置所内の犯人が消えたとかなんとか」
ルシードのこの問いに答えたのはヴァレスだ
「見張りの話では、突然、人が変わりその瞬間消えてしまったらしい」
「人が変わった?」
「ああ、『無罪だ』だの『冤罪』だの情けなく叫んでいたらしいが、消える瞬間に感情が消えたように冷たい顔になっていたとか・・・・」
と、その時メルフィから通信が入った
「おっと、わりぃ、なんだメルフィ」
《ルシードさん、大変よ!!》
「どうしたメルフィ?」
《重傷を負ってフローネさんたちが病院に運んだ人、その人が襲われたらしいわ!!》
「なんだと?!警備に保安局の人間がついてたんだろ・・・・・とにかく行くしかねぇな、それじゃあ何かあったら頼むぜ」
「ああ」

中央総合病院
「保安局の者だ、どうなってんだ?」
ルシードの問いに看護婦が答える
「それが、突然、病室に人が現われて、保安局の人が止めようとしたんですけど、全員体が動かなくなって・・・」
「被害者は?」
「刃物で切りつけられていて、現在手術中です・・・・」
「現場を見たいんだが」
「こちらです・・・・」
ルシードたちはある病室へ連れていかれた。床には血の跡が生々しく残っている
「ひでぇなこりゃ・・・・・・んっ」
ルシードは床に落ちていた一枚の紙切れに気が付いた。と、内容を確認する前にビセットが口を開く
「『人誅』とか書いてあったりして、じゃあアイツは倭○術の使い手だな」
「漫画の見過ぎだバカ・・・・・・・こりゃ」
「どうしました?センパイ」
「あのヤロウ調子に乗りやがって、こいつは挑戦状代わりの地図だ、場所はエクイナス山だな」
「センパイ」
「おう、いくぜ!!」
ブルーフェザーはエクイナス山へと向かった。

エクイナス山
「シュウどこだ、てめぇが呼んだんだろうが!!」
森にルシードの声が響く、そしてルシードたちの前に一人の青年が姿を現す
「・・・・来たか、ブルーフェザー・・・・・それで、アイツは死んだか?」
「今手術中だ」
「・・・・まだ生きているのか、しぶとい奴だ・・・・・・まぁいい」
「それで俺たちに何の用だ?まあ、こっちは用があるけどな」
剣を抜くルシード
「・・・フッ闘る気か、どうせ闘り合う為に呼んだんだ、丁度いい・・・・魔法能力者、面白そうだ」
そう言うとシュウは7年前の事件の時にも使った刀『水幻』を抜くその刀身は赤く染まっている、対するルシードたちも戦闘体勢を取る
魔法使用の許可をとっている時間は無い。唐突にルーティが魔法を放つ
『ブラスト』
シュウの周りを風が渦巻く、しかしその瞬間シュウの姿が消える
「えっ?!どういうこと?!」
突然の事に困惑するルーティ
「・・・こういう事だ」
ルーティの背後に突然シュウが姿を現す
『剣技 燕刃』
「うわっ」
シュウを中心とし、円を描く剣閃が現われる。ギリギリかわすルーティ、がさらにシュウは追い討ちをかける
『剣技 流刃』
流れるような剣閃を描きながら突進していくシュウ、体勢が悪く無防備なルーティ、かわし切れない
ガキィィ
間一髪でルシードがシュウの刀を受け止める
「・・・次はお前か」
「あ?余裕こいてられんのも今のうちだぜ」
ルシードの中攻撃、受け止めるシュウ
「・・・・なかなかやる、こっちも本気を出すか」
ルシードの剣を弾き距離を取ったシュウが流れるように構えをとる
『亜楠流剣術奥義ノ壱 速水』
この技は六つの奥義ノ一つ、超高速の居合抜きだ
「!!」
ガキィィン
なんとか受け止めるルシード、しかし衝撃で手が痺れ、剣を持つ手に力が入らない
「センパイ!!」
『スプラッシュ』
フローネが魔法を唱える。その瞬間シュウの足元に水が噴出す
「・・・くっ」
シュウが水圧に吹き飛ばされる。そしてビセットが追い討ちをかける
「おりゃゃゃゃあ!!」
『ランペイジ』
炎属性をまとったビセットの拳がシュウにヒットする。
「でやぁぁ!!」
よろけるシュウにバーシアが追撃、しかしシュウはその姿を消し、バーシアの槍は空を切る
「・・・くっ、まさかここまでやるとは」
姿を現したシュウ、そしてルシードが言葉を放つ
「もう観念しな」
「・・・・フッ、ククク、観念か・・・・・どっちがだろうな」
「あ?お前に決まってんだろ」
『エアバースト』
広範囲魔法を放つルシード、だが魔法が発動する瞬間シュウは姿を消す
「どこだ?」
今度はルシードの背後に姿を現す
「・・・『エアバースト』風系広範囲魔法、単体に対しては広範囲の意味は無い」
「チッ(なんだこいつ、なんで魔法の特徴知ってんだ?)」
「・・・・なんで知ってるか?少し読ませてもらった」
意味の分からないシュウの言葉、そしてルシードは距離を取り再び魔法を唱える
「訳のわかんねぇことを(とにかく足を止めねぇとな、あの異常なスピードは厄介だぜ)」
その時唐突にシュウは口を開いた
「・・・無駄だ、足を止めた所で効果は無い、俺は『動いてる』わけじゃない『移動』してるんだ」
「!!こいつ、まさか俺の考えた事を」
ルシードは気が付いた。自分の心を読まれているという事に
「チッ、これじゃあ手が出せねぇ・・・・」
「・・・・どうした、もう終わりか?」
ルシードに斬りかかるシュウ
キィィン
「くそっ(どうすりゃいい、どうせ次の手は読まれてるだろうしな)」
「・・・その通り、どうにもならないな」
次が読まれていると下手に手が出せない、手痛い反撃を食らうからだ
「コイツ、ストーカーかよ(次に賭けるしかねぇな)」
「・・・・次に賭ける、か、面白い」
「いくぜ!!」
ルシードがビセットにサインを送ったように見えたが気のせいだろうか
「ハッ!!」
ルシードの中攻撃、受け止めるシュウ
「・・・・甘い・・・・・・・!!」
「おりゃゃゃあ」
『ランペイジ』
後ろからビセットが奇襲をかける。
「・・・・無駄だ」
『剣技 燕刃』
その瞬間、ビセットは思わず後ろへ下がる。そのまま飛び込んでいったら危なかったであろう
一方ルシードは現われた円を描く剣閃を上に飛びかわす。それにシュウは驚愕した
「・・・!!(コイツ、こんな行動は考えてなかったはずだ、まさか・・・感覚だけで避けたのか?)」
『インファーノ』
強力な火属性をまとったルシードの剣がシュウを切りつける
「・・・・ぐぅ、この程度で」
ダメージは大きいがまだ闘えるらしい、しかし
「・・・・?・・・?!」
どうやらシュウは動けないらしい、インファーノの効果が現われたようだ。その瞬間油断していたシュウに総攻撃をかけるブルーフェザーの面々
『ゲイル』
『ランペイジ』
『スプラッシュ』
『デューン』
最初から順にからルーティ、ビセット、フローネ、バーシアだ、よく考えると全属性を放っている
それをシュウは目に見えない壁を作り魔法を防ごうとする、が何かが破裂するような音と共に壁は消滅し魔法をモロに食らってしまう
まず、辺りの空気が暴走し、ビセットの炎属性の拳がヒットし、地面から水が噴出し吹き飛ばされ、飛ばされた場所で土に襲われた
「うっ・・・・ぐぅ・・・・・」
そして止めはルシード、剣を振り下ろす。しかしまたもシュウが姿を消す
「くそっ、出たり消えたりしやがって」
ルシードは辺りを見まわす、すると木の上にシュウの姿が
「くっ・・・まだ手はあるが、俺が俺で無くなる・・・フッ、チームワークか俺には無縁の代物だな・・・・どうやら、俺の負けのようだ」
「あ?だったら大人しくしな」
ルシードのその言葉に冷たい笑みを浮かべ、シュウは言葉を放つ
「・・・・フッ、逃げるのは好きじゃない、が」
「あ?この状態からどうやって逃げるつもりだ?」
「・・・・そんな事は簡単なのさ・・・・さて、ブルーフェザー、もう会うことも無いだろう」
そう言うとシュウは精神を集中する。そして・・・・・
『超長距離瞬間移動』
シュウの姿が消える。跡形もなく・・・・・・
「アイツ、何処へいった!?」
ルシードは辺りを見まわす。またすぐに姿を現すと思ったからだ、しかしシュウがルシードたちの前に姿を現すことは無かった
その後すぐにルシードたちからの連絡を受けた保安局はシープクレスト周辺に非常線が張った、がシュウが捕まる事は無かった

一週間後
ブルーフェザーはいつもの暇な部署へと戻っていた、ちなみにシュウに病院で襲われた男は一命を取りとめたらしい
そしてまたも談話室でだれているルシード、テレビを見ているゼファー
「あ〜あ暇でしょうがねぇな」
「ルシード、暇というのは・・・・」
「・・・・ゼファー・・・・・・・」
「ふっ」
「それにしても本当に暇でしょうがねぇな」
ブルーフェザーが暇を持て余している頃

雷鳴山
「やっと街が見えた・・・でもここって・・・・どこだ?」
一週間前、シュウは気が付くと体中傷だらけで見知らぬ山の中にいた。それから一週間さまよい続け、雷鳴山に辿り着いたのだ。とその時
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
突然の悲鳴、シュウはその悲鳴の方へと走った
「きゃぁぁぁ誰か〜!!」
見ると、グリーンの髪に白衣のような物を着た少女がモンスターに襲われていた
「があぁぁぁぁぁ!!」
オーガーだ、今にも少女に襲い掛かりそうだ、シュウは手に持っていた『水幻』を抜く、その刀身は薄く青く透き通っているようだ
『剣技 流刃』
シュウの刀が流れるような剣閃を描きオーガーを一閃
「ぐぁぁぁぁ・・・・・」
オーガーはその場に倒れた。動かない、どうやら仕留めたらしい
「ふぅ、えっと大丈夫、かな?」
「あっ、はい、ありがとうございました」
そう言うと少女は足早に去っていった。まぁ無理も無いだろう、シュウは服はボロボロだし、体中傷だらけなのだから

数週間後
シュウはエンフィールドのとある喫茶店でウェイター(バイト)として働いていた。
「お待ちどうさまで〜す」
相変わらずサボリが多くクビになりかけているようだが、厳密に言うと彼がサボっているわけではないのでどうにもならない、と新しい客だ
カランカラン
「いらっしゃ〜い」
入ってきたのは髪に大きな黄色いリボンをした少女、トリーシャに、この前に雷鳴山でモンスターに襲われていた少女、ディアーナだ
「え〜と、ご注文は?」
「そうだな〜どうしよっかな〜・・・・あれシュウ君、どしたの、確か別の場所でバイトしてなかった?」
「うおっトリーシャ・・・あ〜いや〜ハハハ、ちょっとな〜」
この時点でシュウは既に一度バイトをクビになっていた
と、トリーシャの向かいに座っているディアーナが思い出したように口を開く
「あれっ、もしかしてこの前の?」
「この前?・・・・ああ、あの時の」
どうやらシュウは忘れていたらしい
「なに?ディアーナ知り合い?」
間・・・・・・・・・
「へぇ〜そんな事があったんだ、でもさ、なんでシュウ君って自警団で働かないの?」
「そうですよ、あの位の腕だったら」
「う〜ん、俺って魔力が無いしさ〜それに今はこのバイトがあるしね〜」
シュウがそう言った瞬間、店長らしき男が怒鳴る
「おらバイト!!サボってんじゃねぇよ!!」
「おっと、それじゃあ仕事にもどるかな〜、えっとご注文は?」

そしてシュウはその後にこのバイトもクビになり結局自警団でバイトをする事となる。
その時に(副人格が)何故か使いたくない『水幻』を寮の押入れに魔術師組合の力を借りて永久封印し
マーシャル武器店で安売りの刀を購入したという・・・・・・そして物語はリレー小説へ


あとがき

とりあえずリレー小説でのオリキャラの過去の事を書いてみました。ちなみにこのネタは少し前から考えていた物です
にしても最初がかなりダークですね・・・・・

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