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the second state of war

ashukus

 エンフィールド、50年前の戦争で外部からほぼ独立状態になり外からの文化が全く入って来なくなってしまった街。それゆえに田舎と呼ばれがちだが街自体はのどかで平和、なはずだった。

「隊長、数が多すぎます」
「アル、とにかく今はこの場を何とかするんだ」
 オレ達自警団第一部隊は何十体という魔物に囲まれていた、その上今戦っているのは隊長そしてオレだけだった。
 それ以外のやつらは負傷したために転送魔法で街へと戻されているわけだ。
 この転送魔法ってのは最近開発されたもので二つ一組の魔法石だ、受信石を街に、送信石を自分が持つ送信石はマスターの生命反応が低下したり負傷したりすると自動的に受信石へと瞬間移動する仕組みらしい。
 だがこいつのおかげでオレ達はたった二人という孤独の中で何十体という魔物に囲まれているってわけだ。
 っと、ここで話は朝にさかもどる。

AM10:00自警団事務所
「さってと、見回りでも行くかな」
 今日もいつもどおりの日だった、オレはいつもの様に事務所に出勤しいつもの様に見回りに出ようとする。
 そこで一人の隊員がオレを止めた。
「アルベルト、俺も行くぞ」
 コイツは第三部隊の隊長○○○、第三部隊はノイマン隊長死後、隊員がコイツ一人になり存続が危ぶまれたが。
 その後1年間の成果が認められ、第三部隊は存続が決まりコイツが隊長になったって訳だ。
「勝手にしろ」

PM0:00
 正午、オレは一度事務所に戻りクレアの作った弁当を食べた。なぜかは知らんが今日はクレアの作った弁当を食べた、いつもは食べないことが多いのにな。
 それからまた見回りに出ることにした、食後の運動も兼ねてだ。っと○○○はいねぇな。
 また苦情処理にでも行ったんだろうな、アイツの仕事は苦情処理専門だからな。

PM1:00
 オレはジョートショップへ寄った、毎回見回りをしているときはジョートショップに寄るのが最近のオレの習慣になってきた、もちろん目当はアリサさんだ。
「こんにちはアリサさん」
「あらアルベルトさん、見回り大変ですね、どうぞお茶でも飲んでいって」
「ア、アリサさん、くぅ〜ありがとうございます」
 ジョートショップで1時間ほど過ごし、オレは事務所に帰った。

PM2:30
 事務所は物々しい空気につつまれ、隊長が第一部隊全員に召集をかけていた。
「よし、全員集まったな、これより大掛かりな魔物討伐を開始する」
「魔物討伐?、隊長どういう事ですか?」
「先ほど、このエンフィールドに向かい大量の魔物の群れが接近とていると言う情報が入った
 それによれば数は前回のあの魔物の群れの比ではないという事だ」
 この前回ってのは何ヶ月か前に人間に恨みを持つ魔物の群れがエンフィールドへ現れ、かなり大掛かりな討伐になった事件だ、あれの比じゃねぇってのはただ事じゃねぇな、とにかくオレ達は討伐へと出発した、その結果がこれだ。

「おらおらおらおらおら〜!!」
「ハッ!!」
 オレと隊長は次々に魔物をなぎ倒していく。だがさすがにオレも疲労してきた。
「ハァハァハァ隊長、他の部隊はどうなったんですか」
「わからん、連絡がつかんのだ」
「くそ、それにしてもきりがねぇな、それにこいつら」
 こいつらには恐怖ってものが無い様だった、斬っても斬ってもひるむこと無く襲ってきやがる。
「おそらくは何物かが操っているのだろう」
「じゃあ、そいつを倒せば」
「だがアル、今はこの場で精一杯だ」
 本当に精一杯だった、だんだん腕に力が入らなくなってきやがった。
「アル!!」
 気が付くとオレの前にいる魔物が剣を振り下ろしてきた。
 集中力が欠けていたらしい、かわし切れねぇ・・・
 バシィィィ
 突然オレの前にいた魔物が前のめりに倒れこんだ。
「大丈夫かアルベルト!!」
「おまえは、○○○」
「俺の方は以外と魔物が少なかったんでな、というわけで助太刀するぞ」
「へっ余裕かましやがって・・・・・・・まぁ、サンキューな」
「大丈夫かアル、すまないな○○○君、よしここが正念場だ、いくぞ!!」
「はっ!!」
「いくぜ!!」
 オレたちは気力を振り絞って戦った、とその時オレたちは頭の中に直接響くような声を聞く。気が付くと魔物の動きも止まっている。
『ほう、人間にしてはなかなかやるな』
「なっ誰だ!!」
『私か?私に名前は無い、ナンバリングされる前に廃棄されたのでな、そうだな「ゼロ」とでも名乗っておくか』
「ゼロだと?ふざけるな!!」
『フッまぁいい、私の邪魔をするおろかな人間どもよ消えてもらおう』
 この瞬間、辺りの空気が変わった、これは来る!!
「隊長」
「うむ、アル、○○○君、気を付けろ、おそらくは奴こそが元凶だ」
「すごいプレッシャーだ」
「軽くひねってやろうじゃねぇか」
 ドォォォン。
 爆発音そして衝撃波と共に奴は姿をあらわした、その姿は見るからに新種の魔物だった。
 ドラゴンのような羽を持ち、オーガーのような強靭な筋肉、そしてほどばしる魔力。
 コイツはただの魔物じゃない、オレは直感でそう感じた。オレたちは瞬間的に武器を構える。
『遅い!!』
 バキィィィィ。
「ウグッ」
 ドサッ。
 ○○○が吹っ飛ばされた、恐ろしいまでのパワーとスピードだ。
『次はお前だ、カーマインスプレット』
「!!」
 オレは油断していた、奴の動きに見入っちまっていた、気が付いた時には凄まじい爆発がオレを襲っていた。
 ドォォォォォォン。
「○○○君!!アル!!」
「クッ・・・モロに受けちまった・・・隊長、気を付けて下さい」
『最後だ!!』
 奴は隊長に向かって突進していく、隊長ならば何とかなるはず、が途中で奴の姿が消えた。
 と、奴は隊長の後ろに突然姿を現す、オレはとっさに声をあげた。
「隊長後ろです!!」
「むっ!!」
『終わりだな』
 ガキィィィィィィィ。
 隊長は奴の攻撃を受け止めている、さすが隊長、すげえ反射神経だぜ。
『人間め、なかなかやるな』
「アル、○○○君大丈夫か!!」
 隊長は奴の攻撃を抑えながらもオレ達にも気を使っている、オレも寝てる場合じゃない。
「・・・はい隊長・・グ・・・いつまでも寝てはいられませんよ」
「つうっ・・・・油断した」
 ○○○も起き上がった、オレは最後の力で武器を構える。
 と、○○○のポケットから何かが落ちた、それはたぶん石だろう。
『!!ウウ・・・!!??』
 奴はその石を恐れているようだ、恐怖心に疑問を感じつつ後ろへ後ずさりしていた。
 奴自身なぜその石を恐れているのかも分からねえらしい。そこで○○○が突然口を開いた。
「まさか、合成魔獣?」
「合成魔獣?なんだそりゃ?」
 少し考えたオレだが今はこのチャンスを見逃さないことが先決だと考えた。
「○○○、オレは右からお前は左だ」
「あ、ああ」
 ○○○はどうも乗り気じゃ無いようだったが、オレ達は左右から奴に同時攻撃を食らわせた。
「どりゃぁぁぁぁぁぁ!!」
「でゃぁぁぁぁぁぁ!!」
 バシィィィィィ。
『グゥ!!に、人間ぶぜいが!!』
「隊長!!とどめを」
「アル、○○○君、離れろ!!」
 隊長がよろけた奴へ飛び込んでいった、がよろけながらも奴は魔法を放った。
『くっ、ルーンバレット、ルーンバレット、ルーンバレット、アイシクルスピア、アイシクルスピア』
 隊長はそれら魔法の連発をすべてかわしていた、本当に50を過ぎているのかと思わせる動きだった。
 ザシィィィィィィ。
 凄まじい衝撃、さすが隊長だ格が違う。
『ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉ』
 隊長の一撃を食らい奴の体が徐々に崩れていく、まるで石像が砕けていくかのように。
『フッ・・フフフ、所詮私はプロトタイプか・・・・なるほど、欠陥とは耐久力に問題があったわけか』
 崩れていく奴に○○○が歩み寄っていく、何をする気だ?
「お前は『物言わぬ柱』の合成魔獣なのか」
『フッ、いかにも、私は合成魔獣、試作段階で生まれた欠陥品さ・・・・・あいつ等は私の大き過ぎる力と耐久力の欠陥により私を廃棄処分としたのだ』
 物言わぬ柱?たしか少し前に議会を占拠した連中だが、オレにはアイツらの会話が何の事かさっぱりわからなかった。
『お前ら人間は勝手に私を作っておきながら、欠陥が見つかった途端廃棄処分さ』
「それで人間に復讐か・・・・『ゼロ』すなわち『プロトタイプ』なるほどそういう事か」
『フッ・・・・・さてと、ここまでのようだな・・・・さらばだ・・・・憎き人間・・ども・・・よ』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・団長・・・いくらなんでもなんで合成魔獣なんて作ったんですか・・・・・」

 奴が消滅したあと魔物は正気を取り戻し森や山へと帰っていった、一部襲ってくる奴もいたがそいつらを倒しながら。
 オレ達はエンフィールドへと帰っていった。その後オレは○○○が奴と話していたことの詳しい内容は聞かなかった。
 隊長も『いつか彼から話す時が来るだろう』みたいな事を言ってたわけだしな・・・・・・
 それにしてもこの怪我じゃクレアがうるさいだろうな


あとがき

この話の設定はアルベルトはメンバーに入れずにグットエンド、そして話はアルベルトサイドで進むという設定です
途中で文章をどう書いて良いか分からなくなって変になっているかもしれません。それと3日で書いたので質は低いです


History

2000年10月8日 書き始め
2000年10月10日 頭がトチ狂って文章崩壊
2000年10月11日 何とか完成

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