悠久交差点 [HOME] [悠久ミニストーリー]

悠久幻想曲 ORIGINAL ALBUM

第六話『Good News……本当か?STAY WITH!……久しぶり』

魔龍銀

クレアを送るために俺は、自警団寮を目指していた。
彼女から聞いた話によると、彼女はどうやらこの街とは別の街の学校に留学していたらしい。
それで、この街の兄……ようは、アルベルトの様子を見に来たらしいのだ。
ふと思ったのだが……普通は、家族の方に帰らないか?とも、思ったが‘あの‘アルベルトの妹である、思ったら一途な所は全く同じだと言うことで一応俺は心の中で納得した。
まぁ……それよりも……
「それじゃあクレア、俺はここで……」
と、いい俺はクレアと別れようとした。
だが……
ガシッ!
「あの……なんで掴むんでしょうか……?」
とりあえずそうたずねてみる。
後ろを見ると、ニコニコ笑ったクレアが俺の服の袖を掴んでいた。
ちなみに、俺は何故かそのニコニコした笑みにぞっとしたものを感じた。
(汗)
「いえ、まだお礼が済んでいないので……」
「そ、そんなものはいいよ別に」
顔を引きつらせながらも何とか言う、だが、クレアは一歩も引かない。
「いいえ、命を助けてもらったのですからそれなりのお礼をしなければなりません」
頬から冷や汗を流しつつも俺は笑みを浮かべた。
「じゃあ、明日で、明日でいいからさ」
「では、お送りいただいたお礼に……」
徹底的に俺を自警団寮に上がらせたいらしい。
なら仕方ない……
「あのなクレア、俺が自警団寮に上がれないのは……」
そこまで言ったところだった。
バン!!
すごい音がして自警団寮の扉が開く。
俺は、そこから出てくる人物を100%確信しながら見た。
そして、そこにいたのは……
「兄様!!」
そこにいたのはアルベルトだった。

「犯罪者……!てめぇ、ここに何しに来やがった!?」
怒りを含んだ口調で俺に槍を向けながら言う。
俺は、その視線を軽々と受け流しながら言った。
「別に、女の子の悲鳴が聞こえたから助けてあげた、その女の子の兄がここにいるらしいから連れてきた、それだけだ」
「なに!?」
そして、初めて俺の傍らにいるクレアに気付く。
クレアは余りの展開についていけてないようだ。
「それと、犯罪者と言うな犯罪者と、俺には魔龍 銀と言う名前があるんだから」
俺は淡々とそう言うと、頭を掻く。
「うるせぇ!犯罪者なんざ犯罪者で十分だ!!」
だがアルベルトはそう言いながら、槍を振り上げる、俺は腰の天空剣に手をかけいつでも防御できるようにする。
改めて言うが、迎撃と言うよりも、相手を傷つけずにする防御をするためである。
だが、今回はアルベルトにとっては意外な邪魔が入った。
「兄様、止めてください!!」
バキィ!!
凄まじい音がして、もろにクレアの後ろ跳び回し蹴りがアルベルトの鳩尾に入った。
…………い、痛そう……(冷や汗)
ちなみに、あのけりは一般人ではアルベルトやリカルドじゃなければ間違えなく意識をもっていかれているだろう。
俺や覚醒しているトリ−シャ、シ−ラは例外だが……(神クラスの実力を持った奴等が受けても大して痛くないだろう………………………多分)
んで、俺が呆然としているとクレアが猛然とアルベルトにつかみかかった。
「兄様!いきなりこの方に何をおっしゃられているんですか!?」
「う……うる、せぇ、俺は…事実を言っ……た、ま…でだ!」
アルベルトはかなりダメ−ジが残っているらしい、息も絶え絶え、である。
クレア……お前、実は無茶苦茶強いんじゃあ……?(滝汗)
「この方がそんなことをするはずがありません!!そもそも、何で犯罪者なんですか!?」
「それはな、クレア。俺がフェニックス美術館の窃盗の容疑で逮捕されたからだ」
しみじみとそう言う、最もクレアはその言葉に以外と、言うよりも信じられないと言った面持ちで俺を見る。
「どうしてですの!?」
「なんか、目撃者が俺に似た奴を見たんだって、それと俺の部屋に盗られた美術品があったらしい」
はぁ……と、溜息を吐いた。
だが、俺は多少の安心感のせいか、思わずボソリと一言漏らしてしまった。
「でも、まぁ……もう、犯人の目星もついてるんだけどね」
その言葉に勿論、過剰過ぎるほどにアルベルトが反応する。
「ふん、貴様が犯人に……!」
「兄様っ!!」
だが、彼の台詞は最後まで言えない。
なぜなら……
ビュッ!バキィ!!ドガァ!!
横からの右の蹴り、返したところを踵落としである……勿論、アルベルトは沈んでいる。
も……もしかしたら、俺でも沈むかも……(冷汗)
「全く……」
そう言いながら、クレアは困ったように俺を見る。
「あの……すいませんけど……」
「なんだ?」
俺は一抹の不安を覚えてクレアの言葉を返す。
「はい、実は…………」

「はぁ……」
で、何故か俺はアルベルトの部屋にいる。
あの後、アルベルトは完全に落ちてしまい、起きなかったのだ。
んで、俺が連れてくる羽目になった。
まぁ……俺にも原因があるのだが……
うぅぅ…………
「すいません、ご迷惑をおかけしてばかりで……」
「でも、アルベルトの状態のせいもあるがな。ここは男子寮な訳だしな……この調子じゃあ、ここに泊まるわけにはいかねぇなクレアは」
少し、素に戻ってたりする。
「はい、どうしましょうか……?」
「仕方ないな、アリサさんに頼んでみよう」
ちなみに、返事は一つでOKだった。
何故かそこから話しが進み、クレアがここにいる間だけジョ−トショップに住み込みで働くことになった。
クレア曰く、「魔龍様に恩をお返ししていませんから」らしい、それと、「わからずやの兄様に魔龍様の良さをお教えしたいのです!!」だそうです。
そこからである、クレアがジョ−トショップに居候することになったのは……
俺の人生は、前途多難で無い事を……祈る……マジで……
作者め……以前にもこんな事が有ったぞ……絶対……!
ちなみに、ジョ−トショップの部屋で空いているのは、残り3部屋だった。
多分……次回辺りで全部の部屋が埋まるだろう。

「朗報!朗報!」
と、ロ−ラが大声で飛び込んできた。
ちなみに、ここにいるロ−ラにはきちんと肉体がある、理由は簡単俺が見つけたからである。
それはともかく……
「どうしたの、ロ−ラちゃん」
あ、俺の台詞……シ−ラ……(泣)
そう一瞬心の中で泣きながらも俺はロ−ラの方を見る。
見てみると、ロ−ラははぁはぁ……と息も荒く、その状態で話し始める。
「じ……じつは……はぁ…」
「おいおい、まずは落ち着いて……アリサさん、ロ−ラに何か飲み物を出していただけませんか?」
「ええ」
俺の言葉にアリサさんは短くうなずくと、台所に向かう。
この様子だと少し長くなりそうだな。
「ロ−ラ、椅子に座ってまずは落ち着けよ」
やんわりと言い切る。
ロ−ラはその言葉に頷くと椅子に座って落ち着く。
そして、丁度ロ−ラが座った時にアリサさんが戻った。
手にあるのは紅茶、どうやら先程からいれていたようである。
「はい」
「あ、ありがとうございます……」
まだ、息は荒いが多少落ち着いたのか紅茶をゆっくりとすする。
「あ、この紅茶おいしい……」
「それ、魔龍君がとってきた……え〜と……?」
「ゴ−ルデンホ−ンですよ、アリサさん」
ちなみに、調合法はシ−ラと俺の秘密ね。
しかも、ゴ−ルデンル−ルでやっているものである。
「そうそう、幾つか混ぜたものらしいわ」
アリサさんの言葉にロ−ラは俺のほうを見る。
「駄目☆」
俺は、問答無用でにっこりと笑い切り捨てる。
ロ−ラが何を言おうとしたか察知したからだ、と言うより分かるだろう普通。
「う〜〜……あっ!」
「今度はなんだ?ロ−ラ」
なんだか叫び声ばかりあげるロ−ラにアレフが突っ込む。
ロ−ラは手を振りながらも大声で俺に詰め寄る。
「そうそう!お兄ちゃん、大ニュ−スよ!大ニュ−ス!」
「な、なんだよ?」
流石に一瞬迫力に押されそうになる。
ロ−ラはぶんぶん手を振りながら説明する。
「あのね、もしかしたらアリサおばさまの目が治るかもしれないの!」
≪ええっ!?≫
ちなみに驚いたのは、テディとアリサさん(悲鳴はあげてない)とアレフとパティである。
他の三名……つまり、化け物組みは別段と驚いていない。
「で?」
「で?……て、お兄ちゃん驚かないの!?」
「だって、なぁ?」
「あはは……」
「え、ええ……」
トリ−シャが苦笑し、シ−ラも困ったように笑みを浮かべる。
ちなみに、治療に関してはフィセア・ディス・ライド……つまり、以前出てきた金髪金眼の少女の方が俺よりは上である。
ましてや、ここには同じく回復のエキスパ−トであるシ−ラ(夢フィセアは回復魔法のエキスパ−ト)と魔力においては凄まじい物がある幻王リディアのの魂を引継ぎしトリ−シャがいる、驚かない理由が余りにも揃いすぎているのだ。
「まぁ……驚けない、よなぁ……?」
「そうだね」
「え〜と」
そう言えばアリサさんの目どうしようか……?
俺がそれを真剣に悩んでいると、バンッと思いっきり扉が開く。
「本当か!?ロ−ラちゃん!?」
「きゃあ!」
いきなりのことにロ−ラが悲鳴をあげる、出て来たのはアリサさんにらぶらぶ(こう言うのはひらがなのほうがいいな)のアルベルトだった。
そして、その声を勿論彼女は聞きつける。
「兄様!?」
「げっ、クレア!」
ちなみに、クレアがここにいることはアルベルトも承知済みだ。
だがしかし問題はそれじゃない、俺が見た所ではアルベルトは間違えなく化粧をしている。
修羅場……になるな。
俺は、嫌〜な予感がした。
「兄様……また、お化粧を……」
クレアの怒りのボルテ−ジがふつふつとあがっていくのが手によるようにわかった。
ちなみに、彼女もジョ−トショップの仕事を手伝うために常時薙刀を装備している。
スラリと薙刀を抜き構える。
……アルベルト……生きろよ……
心の奥底から俺はそう思った。
ちなみに、みな傍観の側に入っている。
日常なのだこれが。
ついでに言ってしまえば、手助けをする奴はいない。
……助けを求めれば別だが。
「ク……クレア、待て!落ち着け!!」
アルベルトも流石に引きながら慌てている。
「あらあら、大変ねぇ……」
どこかずれた口調でアルベルトとクレアの分もプラスした量で紅茶を持ってくるアリサさん。
「ま、魔龍!どうにかしろ!」
「……なんで?」
アルベルトも最近心得たもので俺に頼めば何とかなると踏んだらしい。
でも、今回は少しだけ意地悪をする。
この前犯罪者呼ばわりさせられてちょっとした仕返しである。
ただ、この仕返しは、本人の命に関わるが……
その間にクレアはじぃりじぃりとアルベルトに近づく。
そろそろかな?
「ま、魔龍!」
「おいおい、クレア、落ち着けよ」
俺の余りにも場違いな声にクレアが振り向く。
「しかし!」
「それよりも、ロ−ラの話を聞くほうが優先だ、アリサさんの目が治るかもしれない、て話しだしな」
流石にクレアもその言葉を聞いて押し黙る。
よし、話しを別のほうに向けたぞ。
俺が座るように促すとそれぞれ二人とも命名の座る。
どうやら、アルベルトもクレアも少しは落ち着いたようである。
ただ、アルベルトと俺はあの日から半ば無理矢理仲がよくなっていった。
理由は知らないがクレアにかなりこってりと絞られた様子である。
それに、俺が犯罪者を目星がついていると言う言葉が決定的だったらしい。
クレアを助けてあげた件に関してもプラスになっているようだ。
そのせいか、不用意に攻撃してくる事はなくなった。
第一、 俺のペ−スによく飲み込まれるせいでもある。
俺はよくは分からないのだが、俺は良くも悪くもマイペ−スらしい。
そのためか相手の気勢をかなり削いでしまうそのせいで、相手もけんかする気がなくなるらしい。
ま、人柄の特ってことかな?(違う)
「それで、ロ−ラちゃんアリサおばさまの目が治るって……?」
シ−ラが話しを促すようにいう。
やや呆然と事態を見守っていたロ−ラは我に返った。
「そう、そうなの!なんかね、天窓の洞窟って言うところに目薬茸て言うのがあるらしいの!」
目薬茸……あれか?
少しだけ予測がつく。
あれは、後天的なものには効くけど先天的なものにはきかねぇんだよな……
思わず苦笑する。
シ−ラもそれのことは知っていたのか苦笑している。
ま、ピクニックがてら……採りに行ってみるか。
もしかして、ってことも有るかもしれないし。
「それじゃあアリサさん、俺達はピクニックがてら行ってみます」
「ええ、あっそれじゃあお弁当と水筒が必要ね」
「「手伝いましょうか?」」
俺とシ−ラの言葉が重なる。
そして、お互いを見合わせ苦笑する。
どうやら、料理好きは二人とも変わらないらしい。
「いいえ、はい」
そう言われ、俺は思わず自分の目を疑った。
完成させられて弁当が幾つかと水筒があったのだ。
しかも、食べやすいようにサンドウィッチだ。
これは……!?
「アリサさん?」
俺が呆然として聞くと、アリサさんはにっこりと笑い言った。
「なんとなくね」
侮りがたし……アリサさん……

で、結局かなりの人数を伴っていくことになった。
構成メンバ−はいつもと変わらないといえばそうだが……
俺、シ−ラ、トリ−シャ、パティ、ルシ−ド(フロ−ネのことを考え無理矢理引き出した)、フロ−ネ、ビセット、ル−ティ、バ−シア、ロ−ラにアレフ、クレアにアルベルトだ。
総勢12人になった。
しかし、俺の近くにいるのはいつものメンバ−……つまり、シ−ラ、トリ−シャ、ロ−ラ、アレフ、クレア、パティだ。
アルベルト、ルシ−ド、フロ−ネ、ビセット、バ−シア、ル−ティは別働隊。
折角だから競争しようと言うことになったのだ。
別に断る理由も無いので了承した。
最も、ルシ−ドやフロ−ネの俺達の実力を見た組みから言えば「勝てない!」だそうだが。
無理矢理アルベルトが押しきった。
ま、罰ゲ−ムがあるわけでもないし。

「付けられてるわね」
「付けられてるな」
シ−ラが俺のほうを振り向かずに静かに言う。
その言葉に、歩調を変えないまま言葉だけで肯定を促す。
「それじゃあ、あの角を曲がったら……いいね?」
「OK」
アレフが俺の言葉に答えた。

「で、何のつもりだ?」
先程の角を曲がった所から2分、俺達の前にはへんてこりんな仮面を被った男とその部下達らしい
人物達をのした。
元々、相手にすらならない奴等だ。
「この洞窟にお宝があると聞いたから、私達は来たまででございますよ!!」
そう言いながら間抜けな仮面を被った男は地面に落ちる。
「……落ちたな」
「そうだな」
アレフの言葉にそう答えると皆歩き出す。
……皆、同じ用に無視することに決めたらしい。
最も、シ−ラはしきりに後ろを心配していたが。

「着いたわね」
「うん」
「そうだなぁ〜」
「きれいッスね」
俺とトリ−シャとシ−ラはにこやかに笑いながら洞窟の天窓の泉がある場所まで来ていた。
テディも俺の肩に乗りながらしきりに頷いている。
んで、俺は後ろを振り返ってみる。
「だらしないなぁ」
そして、へばっている三人の人物。
アレフ、クレア、パティは恨めしそうな視線で俺たちを見た。
「はぁはぁはぁはぁ……」
「ぜえ……ぜえ……」
「はぁ…ぜぇ…はぁ…ぜぇ……」
息も絶え絶えにへなへなと座り込む。
その様子に思わず苦笑する。
「休むか?」
「そう……してく…れ、ると……ありが…たい」
アレフが地面に大の字に寝転がる。
パティは壁にもたれかかる。
で、クレアは……
「隣り……よろしいでしょうか?」
「ん?あ、ああ……?」
俺も座り込んだところでクレアがタイミングを見計らったように(実際は見計らっていた)クレアが俺の隣りに座る。
「私も良い?魔龍君」
「え?ああ……?」
シ−ラも俺の隣りに座る。
普通なら、両手に花の状態に見えただろう……が。
バチバチ!!
と、擬音が出そうなほどにクレアとシ−ラがにらみ合っている。
前門の狼後門の虎……俺にはそんな状態に見えた。
しかも、俺を挟んでなので……ブワッと冷や汗が背中から流れ出す。
なぜ……俺がぁ……!
恐怖に震えながら、俺は泣きたい気持ちになった。
俺は、この手の訳の分からない空間が苦手だった。
誰か……助けて…くれ……
「クレアさんもかぁ……」
トリ−シャが訳のわからんことを言ってくれる。
俺は、とりあえず目線でトリ−シャに訴える。
どうにかしてくれ、と。
そして、見事にそれをトリ−シャは破ってくれた。
「僕も隣りいいかな?」
……どうやら、空中に竜まで現れたらしい。
東西南を固められてしまった。
ちなみに、北は壁である。
実質上、逃げ道は無くなった。
「………………」
まさに三つ巴……頼む、俺の回りではやめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
と、ことの元凶の俺が心の中で叫ぶ。
「チッ……うらやましい奴」
ボソリ……と、アレフが言った。
俺はアレフを睨みつけた。
絶対に復讐したる!!と、恨みながら。

とりあえず、十分ほどたった。
膠着状態の睨み合いはその間ずっと続いていた。
無論だが、俺に何か言う権利は無かった。
と、言うか口を挟む度胸はこれっぽっちも無かった。
更にずっとこの状態が続くと予測していた時、意外な所から助けが出た。
「もう、なにやってるのよ!急がないと追い越されちゃうわよ」
そう言いながらパティが立ち上がる、その言葉に俺は助かったとばかりに立ち上がる。
「よしっ!みんな、行くぞ!!」
妙に気合を入れて俺は言った。

「……あれって……」
パティが呆然とした調子で言う。
「ルシ−ド達」
アレフが呆れた調子で言う。
「ですよね?」
と、俺のほうに振り返りながらクレアが言う。
「みたいだなぁ」
途中で水を汲んでここまで来たはいいが、どうやら先程の休みのせいで追い抜かれてしまったらしい。
ちなみに、今はどうやら交戦中らしい。
だが、あの今ルシ−ド達が戦っている相手はどう見ても……モンスタ−だが。
俺は、得体の知れないものを感じた。
「……まずいっ!」
直感的に俺はそう感じ、ルシ−ド達の前に踊り出る。
そして、その直感は見事に命中する。
ブワッ!!
黒い羽が広がり謎の物体だったそれが人の形へと変わる。
!!!!!
「デス……ピア−……!?」
にやり……
奴はそう笑うと……いや、嘲笑うと黒い羽を羽ばたかせた。
!!??
「トリ−シャ!シ−ラ!ありったけの力でバリアを貼れぇぇぇ!!!」
そう言う間にも、俺はすでにカオス・ブレ−ド状態で剣を抜いている。
トリ−シャ達も相手に気付いて慌てて印を組み始めている。
「ギガ・シ−ルド!」
トリ−シャの赤い羽根が大きくはばたく。
「フォ−ス・バリア!」
シ−ラの髪の毛が水よりも清い青へと変わる。
瞳が美しい黄金へと変わる。
顔立ちはシ−ラだが、今の彼女はフィセアとシ−ラの融合体とも言える……
フィセアの力は完全解放した俺の力に近い物がある。
…………今のシ−ラは正確に言ってしまえばインフィニティ……俺の父親の力の一部を受けついでいる。
彼女の力は、今の俺には満たないがそれでも世界を滅ぼす程度の力位を持っている………
今なら、何が有っても大丈夫であろう。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!破邪龍聖流 奥義!!」
俺は、大きく跳躍すると剣を高く両手で掲げる。
「獅子王星撃ぃっっ!!!」
大気が震え大地が揺らぐほどの凄まじい一撃が奴へと向かう。
ズガァ!バァァァァァ!!キィィィン!!
……だが、しかし、破砕されたのは俺のカオス・ブレ−ドだった。
奴の薙刀が軽々と俺の武器を破壊したのだ。
……しかも、俺の剣にあったエナジ−と共に……
「はぁはぁはぁ………」
真っ二つに折れたアルティメット・ブレ−ドを新たに握りなおす。
……ここまで、実力差があるとは……
俺は、自らの封印を解くかを思案しながら奴に剣を向ける。
そして気付く、今の状態では封印が解けないことに……
「どうしたのかしら?まさか、その程度なの?」
そう言いながら薙刀を虚空へと消す……
「チッ……舐められたもんだな」
「今の状態のあなたには用は無いもの」
肩をすくめながらそう言う。
俺に至っては苦笑するしかなかった。
「悪かったな、不完全体でよ!」
俺はそう言うと剣を横殴りに斬り付ける。
だが、その一撃は見事に受け止められていた。
しかも、親指と人差し指に挟まれた状態で……
「そう……だから、そんなに弱いのね……?弱いあなたには用はない……元に戻ってから蹴りをつけさせてもらうわ!!」
ぶんっ!という風を切る音が聞こえ俺はその音とほぼ同時に壁にたたきつけられた。
とは言え、この程度はたいしたダメ−ジではない。
だが、問題はその後だ。
風が鋭い刃のごときかまいたちとなって俺を襲ったのだ。
「くっ……!!」
そのかまいたちが俺の体に無数の傷を作り上げて行く。
慌ててその風を魔闘鬼神流の技で叩き落す。
「さよなら、不完全な奇跡」
そう言うと奴は虚空に消えた……

「な……何とかなったな……」
俺は、体中が痛むのを堪えながらもよろよろと立ち上がった。
「魔龍様!?大丈夫ですか!?」
クレアが今にも泣きそうな顔で俺に詰め寄ってくる。
そして、そのまま半ば無理矢理俺の傷の手当てをしようとする。
ちなみに、俺は全身に本当に軽い軽傷を負っている程度である。
とは言え、俺の為と思ってやっている事だ苦笑しながらも受けないわけにはいかなかった。
「先を越された……」
ボソリとトリ−シャが囁いたのは内緒である。

「魔龍!てめぇ!!」
そう言いながら俺に詰め寄ってきたのはアルベルトだった。
流石に妹とのこんなシ−ンを見せ付けられて落ち着いてはいられないらしい。
でも、こいつに犯罪者って言われない用になっただけマシか……
「うるさいですわ!兄様!静かにしてください!!」
しかし、俺が何かを言う前にクレアの方が先に言葉を紡ぐ。
すでに、俺そっちのけで兄妹ゲンカが始まる。
「はぁ……」
思わず呆れてみていると、ル−ティが近づいてきた。
「なにやってるんだか……」
「本当だぜ」
ルシ−ドもこちらに来ている、やはり呆れているのだろう。
その後ろにはビセットやフロ−ネ、バ−シアがいるのもうかがえる。
「魔龍さん」
俺は自分の名を呼ばれたのを聞いて振り返る。
そこにいたのはトリ−シャだった。
「ちょっと良い?」
「ん、ああ?」
俺は、そう答えた。
トリ−シャが口の中で魔法の呪文を詠唱しているのが分かる。
そして、その魔法が完成した。
「ホ−リ−・ライト・エンブレス」
トリ−シャの手から出た暖かな光があたり一帯を包む。
その光に伴って自分が回復していくのがわかった。
疲労も回復している辺り、改良版なのだろう。
「ありがとう」
俺は、笑みを浮かべながらトリ−シャにそう言った。
トリ−シャは少し赤くなりながら言った。
……なんで、赤くなってんだ?
「う、ううん、友達として当然だよ」

その後、俺達は目薬茸を手に入れた。
それを持ち帰りト−ヤによって薬を作り出してもらい、アリサさんが飲んだ。
だが、結局アリサさんの目は治らなかった。
半ば予測していた通りとは言えやはり少しだけ残念だった。

そして、その夜……

俺は、珍しく過去の夢を見ていた。
そこにいたのは俺と吟遊詩人のロクサ−ヌ、それと少女達……若葉、ティナ、ウェンディ、アルザ、楊雲、リラ、カレン、キャラット、メイヤ−と、フェアリ−のフィリ−だった。
俺達人(11人と1匹?)は焚き火を囲んでいた。
「あの……これからの予定はどうされるんでしょうか?」
若葉が少し途惑ったように言う。
そう、俺達の旅は終盤に差し掛かっていた。
俺は自らの力を何者かに封印されたため自分の世界へと戻れないのだ。
だから、自分の世界へと戻るために暁の女神に俺の封印を解くように頼みにいくのだ。
「そうだな…俺は……」
ブアッ!!
場面が突然変わる。
半ば、傍観者のように見ていた俺は突如矢面に立たされた。
そして、目の前にいるのは……
それは、あの街でであった皆だった。
「もう少しであいに行くからまってなさいよ!!」
レミットが合いもかわらずの調子で言う。
「ひ、姫様!」
アイリスが慌てたように言う。
「ふっふっふっ……決着を付けに行くから待っていろよ!!」
……全く、決着はついたじゃないか。
苦笑しながらカイルの思ったことに答える。
「ボクも行くからね!魔龍さん!!」
キャラットが彼女の正確らしい言い方をする。
「私達が行くんだから、きちんと待ってなさいよ」
リラがふんっと鼻を鳴らしながら言う。
「そうや!うまい飯用意しといてや!」
相変わらず食欲魔人だな……アルザ。
「ふふふ……おね−さんもこの娘達を引率して行くから待ってなさいよ?」
カレンがそう言いながら大人っぽい笑みを浮かべる。
「そうですよ!みんな楽しみにしてるんですから」
メイヤ−もそういう。
「……私達はすぐそばにいますから……」
楊雲がそう言いながら照れたようにはにかむ。
そして、最後に出て来たのは……
若葉、ティナ、ウェンディだった。
「私達はあの時の答えを貰いに来たんです」
ウェンディが静かに言う。
「あなたは、答えてくれるのでしょうか?」
若葉が首をかしげながら俺を見つめる。
「……私達は、ずっと追い求めてきたんです」
ティナが恥ずかしそうに俯く。
「俺は……」
俺が何か言おうとした。
だが……
バッ!!
そこで、世界は暗転した。

翌朝、俺は起きると同時に飛び上がった。
はっきり言って、今まで彼女達のことを……失礼だけど忘れていた。
それに、今は考える余裕が無かった。
少しだけ思案しても、俺は途方にくれるだけだった。
「……顔洗おう……」
俺は、はっきりと意識がしていながらも夢見ごこちだった。

昼、俺はさくら亭に向かった。
別段と特別な理由はない、今日はパティとさくら亭、仕事なのだ。
「今日の仕事は店の手伝いだよな?」
「う〜んと、そのはずだけど……」
要領を得ない彼女の言葉に俺は少しだけ首をひねる。
「どうしたんだ?」
そう聞くが彼女は答えない、何処となくボ−としている。
そうこうしている内にさくら亭が見えた。
俺達はゆっくり中に入っていく。
そして、俺は…………………………………………硬直した。
中にいる人物をみて。
どうやら、相手も面食らった顔のままである。
「ウェ……ウェ……ウェ……」
俺は驚きの余り口が回っていなかったりする。
「ま……ま……魔龍さん!!」
がばり!
いきなり抱きつかれて思いっきり硬直する俺。
幸い、さくら亭の中には人が……
「あ〜ら、見せつけちゃってぇ☆」
由羅がいた……
ついでに言えば、クリスとリオがオプションに付き、回りにはロ−ラとトリ−シャがいる。
よりによって……この、メンバ−かい……
勿論、全員が興味津々と言った面持ちで俺をみている。
「魔龍さん、ウェンディさんとどういう関係……なの?」
トリ−シャがにっこりと笑いかけながら言う。
だが、その中には逆らえばヴァニシング・ノヴァから、ファイガ、果てにはアルテマまでが飛んできそうな勢いである。
……俺は彼女に対して恐怖した。
「あのですね、先程探している人物がいるといいましたよね?」
嬉しそうに抱きついたままで、彼女は言う。
「うん……て、もしかして!?」
「はい!魔龍さんです!!」
すっかりと最初の出会いの頃から変わってしまった彼女を引き離しながら(ひっついてる)俺は、さくら亭の椅子に座った。
「ウェンディ、みんなは?」
「えと、魔龍さんがどこかにいるかの情報を集めに行くとか言ってましたよ、ちなみに私は、ここで待機です」
ふうん……そっか、なら自警団辺りか。
俺は少しだけ見当をつける。
でも……待機させるなら、若葉のほうがいいような気がするぞ。
「なら、パティ彼女達をジョ−トショップまで案内してくれないか?」
「……なんであたしが?」
確かにそうだが……
「頼むよ、その代わり仕事全部引き受けるからさ」
「……はぁ……分かったわよ」
ちなみに、仕事は全然早く終わった。
まぁ、その間に由羅に絡まれたりロ−ラに質問攻めに会ったりと散々な目に会った。
しかし、一つ目の仕事が終わっても俺には新たな仕事が合った。
それは若葉を探すと言う重労働な仕事であった。(爆)

「ああっ!久しぶりねぇ!」
「フィリ−!?」
若葉を探す途中、旅の仲間だったフィリ−が途中から俺の元へとやってきたのだ。
彼女は、俺の肩の上に乗ると、早速文句をいい始めたのだ。
……全く……なんだか、とても気分がいいじゃないか!
やはり、自分の仲間との再会は嬉しいものだ、心なしか俺自身も文句を言われながら再開を喜んでいた。

そして、今現在……ジョ−トショップ一階、リビング。
俺は、そこに集まった人数をみて絶句した。
同じみのジョ−トショップのメンバ−に若葉、ウェンディ、ティナ、楊雲、メイヤ−、カレン、リラ、キャラット、それにアルザがいたのだ。
まぁ……カイルやレミット、更にはアイリスまで加わったら大変じゃあすまないことになるが……
とりあえず、俺が事情を彼女達双方(ジョ−トショップと、エタメロ側)に俺がどういう事情でここにいるのか、彼女たちが追いかけてきたのかを説明する。
そして、説明が終わった後、アレフがボソリと言った。
「たらし」
ブチッ。
俺の中で何かが切れた。
殺す!!
俺は、殺気のこもった目でアレフを睨みつけ剣に手をかける。
その様子をみてアレフが慌て始める。
「魔龍!冗談だ!!は、ははは話せば分かる!」
「うるさい……てめぇにだけは言われたくねぇんだ!!」
俺は天空剣を手に持ちすでに滅の力を発動させ始めていた。
「魔龍さん!駄目ですよ!!」
だが、その俺を若葉はたしなめる。
「チッ……運が良い奴」
俺はぼそりとそう囁きながら剣をしまう。
……この世界で、俺が頼まれたら断りきれない人物が数人いる。
まず、シ−ラは言うまでもないが、他にはウェンディ、ティナ、若葉……エタメロは自分のメンバ−全員だな。
その他にはメロディやキャラット、更にはティセと言った純情組……親友のルシ−ドそして、アリサさんである。
……ルシ−ド以外は、ほぼ女じゃねぇか……
「皆さん、魔龍さんは異性関係にはかなり過剰に反応するので注意してくださいね」
「……それを言って、半殺しにあった人間がいるから……」
メイヤ−が注意を促し、楊雲が少し青ざめた調子で言う。
ちなみに、その人物とはカイルである。
たしか……全治四ヶ月だったな。
確か……あの時、若葉が止めに入らなければカイルは冥界に逝っていただろうなぁ……
彼女達のその言葉を聞いて、ギョッとした調子でみんなが俺を見る。
だが、シ−ラなどは理由が分かっているせいか少し寂しそうな表情をしている。
「まぁ、ともかく……」
そこまで言ってはたと気付く、まだ、大切な言葉を言ってないことに……
「そうだ、これ言うの忘れてたな……みんな、本当に久しぶりだな」
俺は心から皆との再開を喜び微笑んだ。


座談会

魔龍:どうも、魔龍だ。
ティナ:始めまして、ティナ・ハ−ヴェルです。
魔龍:にしても……ずっと思ってたんだが……
ティナ:???
魔龍:お前って、『ワ−ルドクエスト』の方のティナ・ハ−ヴィと名前からしてにてるよな。
ティナ:……!そうですね。
魔龍:……………
ティナ:……………
魔龍:と、ともかく!!今回はエタ−ナルメロディのキャラがようやっと名前も出てきたな!
ティナ:え、ええ……と、は、はい!そ、そうですね。
魔龍:しかし、前回といい今回といいふせん貼り過ぎ……それに、今の俺でデスピア−と戦えるわけ無いじゃないか!!
ティナ:は、はぁ……?
魔龍:………………
ティナ:あの、所で……一つよろしいでしょうか?
魔龍:ん?
ティナ:上の方をみていると、ウェンディさんに抱きつかれてるみたいなんですけど、魔龍さん……
魔龍:(ギクッ)え、ええと……何のことかなぁ?
ティナ:(にこり)うふふふふ……どうしてそう言うこと言うんですか?
魔龍:(ゾ−)あはははは……
ティナ:ふふふふふ……

ちなみに、魔龍の体感気温はマイナス20度だったりする。(爆)

魔龍:と、ともかく!!次回は、エタメロのキャラを加えてGOだ!!
ティナ:……誤魔化そうとしても駄目ですよ、カレンさんや若葉さん、それに皆さん、すごく怒ってましたから。
魔龍:……うぐぅ。
ティナ:某たいやき娘の真似しても駄目ですよ。
魔龍:が……がおっ。←(何故知ってる〜!作者〜〜〜〜)
ティナ:某みすずちんの真似しても駄目ですよ。
魔龍:ティ、ティナ……性格きつくなってない?
ティナ:うふふふ……私はティナであってティナじゃありませんから(にこり)
魔龍:も、もしかして、わざと口調変えてるのか!?
ティナ:あら、気付いちゃった?それじゃあ、意見もまとまった所でレッツゴ−!
魔龍:誰か、助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

ズルズルと魔龍は引きづられて行った、合掌(笑)

悠久交差点 [HOME] [悠久ミニストーリー]