●第411話 投稿者:紅の狸  投稿日:11月 7日(水)17時13分57秒 全員の考えは口に出さずとも一致した。 『エサは決まった!!』 決まってしまえば話は早い。 まずジェノアが、寝ているクロウをたこ糸でグルグル捲きにし、途中起きかけたクロウをシュウが当て身で再度眠らせ準備完了。 船の先にクロウを運び終えたら、全員が一言づつ述べた。 「付き合いはまだ無かったがお前のことは忘れねえ」 「来世では幸せになるって信じてるぞ」 「ありがとうクロウさん・・ボク絶対優勝するよ」 「ミディアムレアというところですから多分食いつくと思いますよ」 全員のひとでなし発言が終わったとき、クロウが運悪く目を覚ましてしまった。 「・・・ん・・な、え!あ!?」 今の自分の状況が理解できない様子のクロウ。 後ろの四人は顔を見合わせ言葉は出さずアイコンタクト。 内容は「「「今のうちに・・・」」」だ。 そして状況が理解できず混乱しているクロウに近づき背中を全員でポンと・・・。 「え!?」 「え!?」という声とドッボーン!!という音を立ててクロウはローズレイクの湖に沈んでいった。 『・・・・ちょっと・・・かわいそう・・・・』 何処かで呟くイリス、ちょっとだけらしい・・・。 全員でクロウが沈んだ場所を見つめていた、まだ下から空気がぷくぷくと来ている。 ・・・そして、五分・・・ 下から来ていた空気が途絶えた。 「・・・やっぱりダメだったか」 やっぱり? 「いけると思ったのにな〜」 いける? 「エサに問題が・・・」 エサ? 「これでまたフリダシか・・・」 全員からクロウを心配する言葉は出てこなかった・・・オニだ・・・。 「「「「・・・・・」」」」 しばらくの沈黙のあと、目を見合わせた四人は、またジリジリと間合いを取り出した、また先程の”ローズレイク・船上の決闘、生き残るのは誰だ?そして生贄(エサ)は・・・”を始めようとしているようだ・・・その時・・・。 ザッバーーンンン!!! と、大きな音と水飛沫を上げ5,6メートルはあろうかという巨大な大顎月光魚が姿を現した、その大顎にはしっかりとクロウが・・・。 『・・・・おいしかったんだ・・・・』 イリスの言う通り余程クロウが美味しかったのか、大物が掛かってしまった。 ●第412話 投稿者:美住湖南  投稿日:11月 7日(水)21時31分13秒  その頃のヴァネッサ一行。  何かが水に落ちた音がしないでもなかったが、速やかかつ迅速に食料調達するという前提があったので見に行くという行為はしなかった(哀れ・クロウよ)。  コウの野宿している場所に到着すると肉の残りを・・・探すまでもなく見つかった。 「さすがに、これだけじゃぁ・・・な」  見つかったはいい。が量が少ない。ヴァネッサの腕前を考えるとこれの少なくとも2倍ぐらいは欲しい。  一応コウの治療もしてやりたいが場所が場所。薬草のことを考えると雷鳴山のほうが良かったか。 「ディムルくん、ここって食べられる花ってあるかしら?キクとか・・・何でもいいけど」 「どーだろーな・・・。あんま、ソレ関係の本は読まねぇからな・・・。どれが食べられるかなんて見当もつかねーや。コウ、おーーい、生きてるか〜?」 「ええ・・・何とか、大丈夫です。無理はしない方がいいと思うのですが」  さっきよりは少し良くなっている感じはある。まあ、これなら大丈夫だろう。無理をしなければの話だが。 「ねえ、他に食べられる植物とかここにないかしら?動物でもいいけど。(動物ならディムルくんが捕まえてくれるわよね)」  他力本願なヴァネッサである。 「そうですねぇ・・・」  さらに大きな、そう、水飛沫のような音が聞こえる。また何か落ちたのか? 「・・・ここにいる魚は?」  水飛沫で思いついたらしい。 「「やめとけやめとけ」」  やはり。 「ハーブってのはどーだ?」  これはヘキサ。 「それはいいな。肉を焼いてハーブで香り付け。良い感じじゃねーか?」 「ちょうどいいのがあればいいんだけどねぇ」 「まえ、パティがなんてゆーんだったか・・・何か見つけてきたぞ?えっと・・・こー・・・」 その瞬間、ヴァネッサの目が妖しい輝きを見せた・・・。 「来なさい!その何かを探すわよっ!」 ●第413話 投稿者:タムタム  投稿日:11月 8日(木)19時48分35秒 ―グラシオコロシアム― 「おーっと!トリーシャチーム!クロウを餌にして大物の大顎月光魚が掛かったー!」  アレフの実況中継のもと、次第に盛り上がり始めていた。そう、先ほどまではそれほど盛り上がってはいなかったのだ。  ほとんど『課外授業』の様なノリで果物や山菜を集めるマリアチーム、釣りの準備を始めてたトリーシャチーム、考え込んでたヴァネッサチーム。これで盛り上がってろと言うのは中々に無茶な相談だ。  だがしかし、トリーシャチームの状況が動いた。5,6メートルの大顎月光魚が掛かり、ジェノアが釣上げようと奮闘している。  しかも、船は小型と言わざるを得ない大きさだ。1メートル級ならまだしも、6メートル級相手には不安を覚えるだろう。というか、確実に荷が勝ち過ぎている。  そう、船が引っくり返る可能性だってあるのだ。やってる側は命がけ、見ている人間が盛り上がるには充分だ。 『・・・素晴らしいスピードですね』 『ジェノアさん、頑張って引き寄せて!そしたらボクのトリーシャチョップで・・・』 『っくぅぅぉぉぉぉぉ!!!・・・』 『・・・生きて帰れるかな・・・』  大顎月光魚に引きずられる船の上、彼らの死闘は続く……。 「さーて、他のチームはどうかな・・・」  アレフは三分割されたスクリーンの一角(トリーシャチーム)から、別のチームへ目を移す。もしかしたら、何か面白い事をやっている可能性だってあるからだ。 「お!?、ヴァネッサチーム、何かを探し始めたようだ!。これはこれからの展開に期待って所だな」  かなり近寄りがたいような雰囲気で『何か』を探すヴァネッサと、真面目に探すディムル。仰向けに寝かされているコウ。うつ伏せで無い所にディムルの優しさが見受けられる。ヘキサは撮影するだけで、探したりはしていない。やはりヘキサはヘキサだ。 「さーて、残るマリアチームは・・・」  ・・・マイペースに食材を集めていた。今一盛り上がりに欠ける状態である。 「・・・何だかなぁ。これじゃあ、観客が納得しねぇよ」  そこでアレフは考えた。どうすれば盛り上がる状態に出来るかを。このままでは何事も無く帰ってきてしまうだろうから。 「なあ、ケイン。ちょっと邪魔して来てくれないか?」 「爽やかに変な事を言うな」  親指でスクリーン(マリアチーム)を指差しながら、笑顔でそう言ったアレフに、ケインはそっけなく答える。 「それに見ろ、あいつらすでに帰って来ようとしているぞ」  確かにケインの言うとおり、帰路についているようにも見える。集めた材料は果物+山菜+キノコ+αだ。そこに魚も肉も無い。それはアーシィの策略だろうか?。  残された時間は…特に決まっていない……―――。 ●第414話 投稿者:ブレードキング  投稿日:11月11日(日)10時22分00秒 まだ覚醒しきっていないが目を覚ましたクロウ。 といっても激痛で身体を動かすのもままならない。 といえば聞こえはいいが、大顎にしっかりと捕まっていて少しでも動けない状況にある。 クロウがこの状況を脱するには、「アレ」しかなかった。 「・・・究極奥義!ルーンバレット!」 それの何処が究極だ。とのツッコミがきそうだが敢えて無視しよう。 しかし、ルーンバレットは発動しなかった。 代わりに上から大量の大岩が降ってくる。 ザッバーン!!という大きな音と共に、5,6メートルの大顎月光魚、それと船がお空へと旅立った。 「よしっ!」 何がよしなのかわからないクロウの独り言も、皆の絶叫によってかき消される。 ズドーン!!!ガガガガガ・・・ゴオォォォン!! 強烈な破壊音と共に、ローズレイク周辺の民家に多大な被害が出たとか、出なかったとか。 ●第415話 投稿者:HAMSTAR  投稿日:11月23日(金)11時24分09秒  場面変わってコロシアム。 「そんなこと言って〜。本当はマリアに嫌われたくないってだけなんだろ〜?」  アレフの小声に、ケインはビクリ、と肩を振るわせた。自分の反応が、実は他人から見ればわかりやすい事に、ケインはまだ気づいてはいない。 「あ〜あ。会場のお客様を盛り上げるよりもマリアの方が大事なのか〜。なんかもー、このことマイクで大声であたり一面に言いふらしたくなってきたな〜」  白々しく呟くアレフに、ケインは覚悟を決めた。 「アレフ。実は俺も今、お客さんを沸かせる企画を思いついたんだ」 「?」  顔をしかめるアレフに、ケインは一言。 「カーマイン・スプレッド」  紅い閃光がアレフに殺到し、彼を爆裂する力の中へと放り込む。それを横目で見やりながら、ケインはマイクを取り上げると、アレフに告げた。 「エンフィールドで浮名を流すアレフ君。大勢の女性と付き合いながら、全ての女性に対して平等に接している事は賞賛に値する―人間としてのすべてのアビリティを活用しなければ恐らく不可能だろう」  それだけ言うと、黒こげアレフを見下ろして一言。 「だが、そーゆーの、俺は気に入らないんだ。というわけでメンバーが来るまで『浮気人アレフ公開処刑ショー』というのを考えてみたんだが、どうだ?」 「よくねー!」  黒焦げになりつつも生きていたらしいアレフが反対の声を挙げる。が、ケインは臆することなく「大丈夫だ。殺しはしない―死んだ方がましっていうだけだ」 「それでもよくねー!」 「まあ、しばらく休憩というところで手を打つのはどうだろうか?―お前が無事なうちに」 「・・・わかったよ」  アレフもさすがに自分の身は大切らしい。ケインに妨害を頼むのは諦めたようだ。 『ざっば〜〜〜ん』  なにやら轟音が通信球から響く。それと、実際の地響きと。 「なにがあった!?」  ケインが聞くと、 『お〜っと!ローズレイクのトリーシャチーム、クロウを餌に、特大の大顎月光魚を釣り上げた!これは大漁だーーー!」  いつの間にやらマイクを取り戻していたアレフが実況する。映像では、体長5,6メートルの巨大魚が、空中から降ってきた大岩によってか、空へと旅立っていくところだった。その中に、小さな船も見えるが。  そして、客席から、悲鳴や絶叫、怨嗟の声がいくつか聞こえる。自分の住む家を破壊された人たちだろう。 「・・・弁償するのって、あいつらだよな」  ケインの問いに、アレフは答えなかった。 ●第416話 投稿者:熱血王  投稿日:11月25日(日)21時41分14秒 「ちょっと,どこなのよ?そのこーなんとかってのは!?」 ヴァネッサは先程から茂みの中を探って,ディムルの言ったハーブを探していた。 カモミール,コリアンダー,ミント,バジル・・・何故か他の種類は集まるのだが,目当ての物が見つからない。正直もうディムルは「これ以上必要無いんじゃないか?」と思っていた。 側には第二波が来てグッタリとしているコウ。ここまで来ると哀れに思える。 「なあヴァネッサ,もう良いんじゃないのか?他のはこんなにあるんだから」 「何言ってるのよ!勝つ為にはそれだけじゃダメなの!!」 等と言っているが,どんなに良い食材を使っても結局は生物兵器並の料理になるのら探しても無駄だとも思えた。 「んなこと言ったってな,ハーブだけ探して・・・」 言葉が途中で途切れたのは,予期せぬ事があった為。 何故かヴァネッサの向こうにオーガがいる。察するに,コウの所から取ってきた食料と集めたハーブの香りにでも寄ってきたのだろう。 「きゃあ!?ちょっとなんなのよ!!」 茂みに頭を突っ込んでいたヴァネッサには,何が何だか分からなかったようだ。 ●第417話 投稿者:タムタム  投稿日:11月27日(火)20時57分46秒 ―雷鳴山のどこか― 「……ねえ?、アーシィ☆……」 「ん〜、いい眺めだね?」 「ちょっと!ちゃんと聞きなさいよ!」 「なんだい?マリアちゃん」  ちょっぴり現実逃避し掛けている様なアーシィに、マリアが怒った様に言う。いや、実際にマリアは少々膨れてた。対するアーシィは別に現実逃避をしている訳では無い。ただ、のんびり構えているだけだ。 「いつになったら下山できるのよ!」 「ん〜、多分もうすぐだよ」  のんびり歩きながら、マリアとアーシィは山を下りていく。一応採取した食材が一緒なので、走って転んだりしたら少々危険だからだ。まあ、よほどの事が無い限り、山道は走るものでは無いが…。 「来る時は一瞬だったような気がするんだけどなぁ☆」 「……気のせいじゃないっスか?」  少々呆れたようなテディの突っ込み。魔法も使っていないのに、一瞬で着いたはずが無いからだ。第一、テディもずっと一緒にいたんだから、気のせいと言うのは当然だろう。 「ん〜、世の中には不思議な事もあるからね」  肯定とも否定とも付かないアーシィの台詞。と、言うよりも、話が繋がっていない気さえする台詞である。それを聞きながら、マリアはまだむくれていたが、“良い事”を思いついたような表情になると、口を開く。 「ねえ☆。魔法でぽーんと飛んで帰ろうよ☆」 「マリアちゃん。あまり、魔法に頼る癖をつけてはいけないよ」 「……恐ろしく説得力の無い台詞っスね……」  そんな事を言いながらマリアチームは下山を続け、気が付けば、コロシアムの入り口まで辿り着いていた。 ●第418話 投稿者:YS  投稿日:12月16日(日)02時11分01秒 ―ローズレイク空中―  ロイやポチは空中にいた。そしてロイは即座に思考した。 (このままでは俺も弁償させられる方に回ってしまう!!) ・・・と。はっきり言ってそれはロイのプライドが許さなかった。思考の中でとはいえ、本来の人格が表に出るほど嫌だったらしい。  子供のプライドと侮るなかれ、時として子供の方が無意味なプライドを多く持ち合わせているのだ。・・・たぶん。  ロイはポチに指示をだそうとして・・・やめた。周りが騒がしすぎて声が届かないのだ。  つまり、やるなら音声以外の方法。あるいは周囲の騒音以上の声を出すくらいだろう。 「・・まず現状で必要なのはトリーシャさんと魔力強化で作った竹竿とたこ糸に・・」  あれでも一応魔力強化をした代物だったらしい。まあ、そうでもなければ5,6メートルの大顎月光魚に一瞬で食いちぎられていただろう。ちなみに原材料はピートからもらったものだ。 「・・大顎月光魚とその口の中のクロウさんもおまけで助けますか・・」  人命はおまけらしい。ロイは意識を集中して、呪文を唱える。 「・・・究極奥義!ルーンバレット!でしたよね?」  クロウのときと同様にルーンバレットは発動しなかった。上から大量の大岩が降ってくる。  ロイの特技コピー魔法だ。威力も効果もまったく同じで直前に見た魔法を使用できるのだ。連続使用が不可能で自分の意志で威力も調整できない。  結果・・・ローズレイク周辺の被害はさらに増した。そしてさらに上空へと浮かんでいく一行。そのおかげで下の被害地の騒音は少し遠くなった。 「・・ポチ、転送してください・・」 「ぐっぐぐー」  待ってましたといわんばかりにポチが元気に答える。そして、いつものようにあるようでない腕を振るうと・・。ロイとトリーシャ、大顎月光魚”のみ”が消えた。 「・・ちょっとまて、残った俺たちはどうなる?」  遠い地面の騒音は段々と近づいていた。 ―エレイン橋―  ロイとポチ、トリーシャとシュウと獲物の大顎月光魚はそこにいた。 「・・あれ?いつのまにこんなところに・・」  トリーシャはあまりよくは覚えていないらしかった。 「・・それよりもどうやってシュウさんが一緒にきたのかが疑問ですよ・・」  当然自分の力で転移したのだが、その答えを聞く前にトリーシャが口を開いた。 「あ、そうだ。ボク家に戻って調味料とか取ってくるよ。やっぱり使い慣れたものの方がいいからね」  言うが早いか、行うが早いか。トリーシャは走っていった。すぐに追いかけないとロイの足では確実に見失ってしまう。シュウへの疑問は後で聞くことにして、ロイとシュウはトリーシャを追いかけた。ここからグラシオコロシアムまでは目と鼻の先だ。 ―落下地点(住宅街)― 「どうする・・逃げるか?」  なぜか無事着地に成功したらしいジェノアがたずねる。 「今もロイが作った監視システムが動いてるんじゃなかったか?」 「それより先に治療した方がいいと思うわ」  なぜかまったく汚れてすらいないイリスに突っ込まれていた。クロウには見事に大顎月光魚の歯形が残っていた。 ●第419話 投稿者:HAMSTAR  投稿日: 1月27日(日)15時56分27秒  で、グラシオコロシアム。観客の数が減っている。 「災難だな。ローズレイクに住んでた人・・・」  ケインのボヤキ通り、いなくなった観客はローズレイク周辺に居を構えていた人たちだった。家は無くなり家財道具も破壊されたろう。 「なんで食材調達でここまで大騒ぎになるんだろうな?」 「俺はそれよりも人外の料理が続出するだろう次の戦いが不安だ」  ケインには後に生け贄の運命が待っているのだが、そんなことを本人が知る由も無い。 『おおっと!どうやら食材調達を成功させたチームが生還したようだ!まずは・・・マリアチーム!』  突然マイクを手にしたアレフがそう叫ぶ。タイミングどんぴしゃでマリアやアーシィが会場に入ってくる。 「・・・あれ?」 「観客が減ってるッスね・・・」  マリアは呆気に取られたように、テディは顔色をかすかに青くして観客席を見渡す。マリアにすれば、それは単純な疑問であり、テディにすれば審査員に選ばれる確率が増えた事を意味するからだ。 「なにかあったのかい?」  椅子に座っているケインに問い掛けるアーシィ。ケインは少し不機嫌そうな表情だが、一応答えた。 「ローズレイクで大騒ぎ。津波と落盤で湖畔の家は壊滅だ」 「はぁ?」 「詳しく説明すると長くなる・・・察しておけ」  そういわれて映像を見るアーシィ。そこには壊滅したローズレイク周辺が写っていた。 「うあ・・・」  うめいて、十字架を切るアーシィ。と、 『おおっ!早くも第2のチームが帰還した。トリーシャチームだ!』  そのアレフの一言に。  会場にまだ残っていたローズレイク周辺の住民がギギッという音すら響かせて会場を向く。そこに飛び込んできたトリーシャ(調味料を抱えている)とロイとシュウ(大顎月光魚を抱えている)は、自分たちに向けられた殺意の塊にひるんだ。 「え?なになに?」 「まあ、湖の周りの家を壊滅させましたからね・・・」 「あ、あはははは・・・」  乾いた笑みを浮かべるトリーシャ。  ともあれ、あと残るはヴァネッサチームのみ。 ●第420話 投稿者:美住湖南  投稿日: 1月28日(月)00時23分18秒  武器を持っていなかったためオーガーをやり過ごす。こんな時にまで武器が必要なのかと思うが、必要になってしまうのだから仕方がない。  ヴァネッサはいまだにハーブを見つけようと藪をかき分けている・・・。 「戻るぞ!」  言うが早いか(手を出したのが先だが)殴りつけ、気絶させるとヴァネッサとコウを引きずってコロシアムへと急いだ。ヒドイものである。  ちなみに、ディムルの言っていたハーブは乾燥したところを好むため、ここにはないということを後で聞くことになる・・・。  場所は変わってコロシアム。 『や〜っと戻って来るみたいだな』  とアレフ。マリアチーム、トリーシャチームは既に料理に取りかかっている。  匂いはマリアはあまりにもひどいにおいで、トリーシャは大変いい匂いである。後は材料がものをいう。 『もー戻ってきた!ヴァネッサチーム!食料は程々に調達できた模様!さあっどんな料理ができるのか、楽しみですっ!』  今のところのディムルの仕事、それは、ヴァネッサを起こすことだ。