●第321話 投稿者:ブレードキング  投稿日: 5月19日(土)19時10分14秒 「・・・そういえば。」 クロウがいきなり言葉を発す。 話してる今も何処からかいきなり槍が飛び出してくる。 「どうかしたのか?」 ケインがその吐きに反応する。 ケインも何故か上空から飛来してくるタライを避けている。 これがぶつかったら笑い者になってしまう。 「キーアイテム忘れてた。」 「はぁ?」 今の声はディムル、ただ姿が見えない。 恐らく死角にいるのかも。 ジェノアはさっきロイが発動させた転移装置でどっかに飛ばされた。 大方、転移先は魔属の群だろう。 ちょっと憐れ。 『キーアイテムとは山頂にある封印の扉を開ける為のアイテムだ。フリュートの血と私、後は守り神達が持つアイテムだ。宝玉、書、髪飾り。これ全てだ。』 「・・・とりあえず前に進むしかないよな。」 闘技場 夢― 「おいっ!」 アーシィは座り込んだ後、生命力の回復を早めるためとりあえず寝ていた。 そして声をかけてきたのはさっきまで戦っていた相手、金髪の守り神、確か首を切断した筈・・・ 「・・・何故?」 アーシィはさも当然の発言をする。 首を切断した筈の相手がまだ生きていてそして自分に声をかけている。どう見ても不自然だ。 「なぁに、俺様は不死身・・・といいてぇとこだが、かなりガタがきてる。久しぶりに面白いファイトだったぜ!」 そして金髪の守り神が歪む。 「おっと、時間だ、俺は壊れた、そして胸の中に宝玉が隠してある、それ持ってけ。じゃな!」 簡潔に話すと金髪の守り神が完璧に消える。 そしてまた罠の道。 『・・・ほう。奴が壊れたか、どうせ直ぐに再生するんだろうな、奴の取り柄は馬鹿力と再生能力だからな。』 「っとぉ!!」 槍の次は上空よりハンマー飛来。 ぶつかったらひとたまりもないだろう。 そしてモニターだらけの部屋 「へぇー、あれが三十一代目か。あっ、アグちゃんもいるんだー。楽しくなりそっ♪」 ●第322話 投稿者:ファウスト  投稿日: 5月19日(土)19時15分18秒 「お、あいつが我侭娘か」 「そうじゃないですか」 「やっとか」 「やれやれ、ようやくみつけたか」 『頑張れよ、本当の戦いはこれからだ』 皆の視界に、さっき見せてもらった女がいる。 ここまで来るのは、大変だった。 ロイがいなければもう少し楽だったかもしれない。何せ、片っ端罠を発動させていくから、皆が罠の餌食となってしまう。 しかもその罠が、即死するような奴じゃなくて、いちいち解いていかないと先に進めなくなるような、足止めの罠がほとんどだった。 おかげで、えらい時間がかかった上に疲れて、ケガもしてしまった。なんにせよ、ここに時波がいなくて良かったな、と何人か思っていた。そして、この時は、まだ誰もアグレッサーの言葉の意味を理解してなかった・・・。 「誰、アンタ達?」 我侭娘が罠を設置しているの止めて、皆に、質問してきた・・・・。 時波はピンチに陥ってた。最後の問題、つまり50問目が解らないのだ。初めの方は知ってる問題ばかりだったが、途中から、こいつが作った問題ばかり出して来た。どこかで聞いた事のある問題ばかりだったので解けたけど、これは解らない。つまり、知らない。 「・・・・・・」 「解らないですか・・・?」 「・・・・・・はい」 「そうですか・・・それでは、やっつけます」 「えっ?」 男はいきなり、攻撃魔法をしてきた。 「うわーー!!」 直撃は免れたが、時波は吹っ飛んで気絶してしまった。もともと、時波が束になってもかなう相手じゃない。 「無知には死を・・・無智にも死を・・・・さようなら」 「うう・・・」 男がとどめを刺そうとした、その時。 『やめてくれないかね?セネカ』 時波の上に、幽霊の男が現れる。 「・・・・・スシュカル!!」 『そう呼ばれていたときもあったな。それにしても、久しぶりだね。どうしてそんなに変わったんだい?思い出せなかったよ。昔の君とは全然違う』 「色々あって、ここに落ち着いたんです。君こそなぜ、幽霊・・守護霊なんかに」 『俺も、色々あったんでな』 「そうですか・・聞かせてくれませんか?」 『ああ・・』 スシュカルはこれまでのいきさつの事を、話し始めた・・・。 ケインとマリアは、さくら亭の前にいた。なんとか、ここまでこれた様だ。 「やれやれ、さくら亭に行くのがこんなに大変だとはな」 「そう?大変だったけど、ケインかっこよかったよ☆」 「お、おだてたって、そんなに教えてやらないからな」 そう言うと、二人ともさくら亭に入った。しかし、ケインはまんざらではなさそうだ・・・。 「いらっしゃい、なんだ、マリアとケインじゃない」 「よ」 「パティ、飲み物ちょうだい」 「ケイン、どうしたんだい?アーウィルを探しに行ったんじゃなかったのかい」 「それはだな・・・」 マリアに、飲み物が出されて、それから、ケインの行動の説明が始まった。 「と、言うわけだ」 「ふーん・・アンタはこれからどうするんだい?」 「俺は・・・」 「そうだったんですか・・」 どうやら、説明が終わったようだ。 『俺は、ちょっと行ってくる。君はどうする?』 「あなたについて行きますよ。駄目なら、諦めますが」 『いや、ついて来てくれると、助かるよ。しかし、時波には知られないようにしてくれ』 「それじゃ、時波くんに私の事は知られない様に何かに封印して下さい」 『物質化ね。今はまだいい。それじゃ、行こうか』 「はい」 「ん〜、しばらく動けそうに無いな」 アーシィは、地面に寝そべっていた。さっきの戦いでの疲労のせいで、動くのもままならない状態だった。 「寝るわけにもいかないしなあ・・・」 そのまま、ぼーっとしていたアーシィだったが・・妙な気配を感じた。 「ん〜?なんだ・・・・!?」 そこには、さっき首をはねてやった金髪の男がいた。自分の首を脇に抱えてうろついている。歩くのも大変そうだ。何度か自分の頭を落としている。かなり気味悪い図だったが、ほっといてもよさそうだ。 「・・・・・どうしよう?」 アーシィはこの状況にどう対処したらいいのか、考え始めた。 ●第323話 投稿者:熱血王  投稿日: 5月19日(土)21時19分17秒 「その右腕はどうなってるんですか?・・・いや,その前に名前を教えてもらえませんか?」 二言目はそんな言葉だった。目の前の青年の名前より,まず先に見た事の無い異形の義腕が 興味の対象になる。 「ああ,名前はウィップ・アーウィル。これは見ての通り私の右腕だよ。」 「はあ,右腕ですか,・・・。それより助けていただいてどうもありがとうございました。」 「いや,見つけたのはルーティと言う娘だし,私は担いだだけだから。」 謙遜気味とでも言うのだろうか,特に恩を着せるようでもなくコウは『悪い人ではない』と考え る。 「そう言えば,さくら亭の人達があなたを探してましたよ。とても真剣に。」 「だろうね。私もそのために出てきたようなものだから。」 「・・・?」 アーウィルの答えに,少し疑問を感じたものの,それ以上は何も言わなかった。 「それじゃあ僕はこの二人を送ってきますから,アーウィルさんはさくら亭に行ってもらえませんか?その方がこの状況も早めに解決されそうですし。」 「ああ,わかった。」 言ってコウはアーウィルが向かうさくら亭とは正反対の方向へと歩き出した。 「俺は・・・,つーか他の奴らはなんでいないんだ?」 今まで考えていなかったが,急に疑問に思う。 「ああ,みんなは浮遊山に行ったよ。あんたも聞いただろアグレッサーとか言う物の声を。」 「そういえばそんなこと言ってたな。俺もそこに行くべきなんだろうな,この状況だと。」 「え!ケインそこ行くの?」 いままでパティの出したフルーツジュースをおいしそうに飲んでいたマリアが急に反応する。 「あ,ああ。連れてかんぞ流石に今回は。」 「ぶ〜。」 納得がいかないらしく,スネ初めている。 「それじゃあ俺はそろそろ行ってくる。」 そう言ってケインはさくら亭を出ようとした。 ―どん― ケインはいきなり入ってこようとしたアーウィルとぶつかった。 「あ!あんたどこ行ってたんだい。」 「そうだ,このたいへんな時に。」 「いや,どこと言われても困るんだが・・・。」 はぐらかすようにはなすアーウィル。 「この際そんな事はどうでもいい!一体この,街に何が起こってるんだ?」 ケインはこの事態についての情報をアーウィルから聞き出そうとする。 ●第324話 投稿者:紅の狸  投稿日: 5月20日(日)21時39分05秒 「・・・なんでこうなったんだか・・・」 ちなみにジェノアは今一人。なぜかとゆーとロイが使った転移装置でどっかに飛ばされてしまったから。・・・何故に?・・・ 『・・・・ジェノア・・・・』 「・・・ああ・・・」 イリスが注意を促す。ジェノアの周りには魔物の死骸が散乱している、転移先はどーしてか魔物の巣窟だった。取りあえず片っ端からブッ倒しているが後から後から湧いてきていた。 「・・・面倒なコトになったもんだな、あのガキ・・後で覚えてやがれ・・・」 そう言うと、ジェノアは襲ってきた中型の魔物の攻撃をかわし、胸に王太刀を突き刺し、そのまま中型と同時に襲ってきた小型の魔物を横薙ぎに斬り払った。 イリスは魔法を使おうとしているが、やはりまだ大きな魔法は使うことは出来ない様だ。 「まあ、よくよく考えれば向こうにいてもオレは役に立たねえか・・・」 『・・・・そういう・・こと・・・・』 間を置く事無く襲ってくる小型の魔物を斬りながら、取りあえず前向きなひとり言をいうジェノア。イリスも同意。 「・・・ココを片付けたら後はアイツ等に任して帰るか・・・」 『・・・・そうする・・・・』 とんでもないことを言うジェノア、つーかイリスは既に帰る気。 「じゃあさっさと済ますか・・・」 そう呟くとジェノアは頭のバンダナを取った、向こうから今度は大型の魔物が突進してきた。その魔物の一撃を王太刀で受け止め、左手で腰の大型ナイフを抜き、首を斬り払った。ナイフはかなりの業物のようで魔物の首を難なく落とした。 「・・・面倒くせェから、まとめて掛かって来いよ・・・」 バンダナを取ったジェノアの頭に二本の角、久々の鬼の姿だ。その気迫で魔物の群れは少し怯んだがすぐさま一斉に飛びかかって来た。ジェノアは王太刀の柄を開け魔力を流し込んだ、王太刀の刀身は炎に包まれ赤熱化していく。(どうやら王太刀の力は使える様だ)ジェノアは左手のナイフを口にくわえて一斉に襲ってくる魔物の群れに王太刀『緋王』を両手での渾身の一撃で放つ。その一撃で全体の三分の一の魔物を灰に帰した。 「(・・・緋王の力が弱ェ・・・)」 今の一撃で半分以上もっていくつもりだったが、どうやら王太刀の力は使えるが十分には引き出せないようだ。まー今の状況で使えるだけマシなんだが。 「・・・しかたねェか・・・」 口にくわえていたナイフを左手に持ち直しながらそう呟くと、ジェノアは魔物の群れに突っ込んでいった。 ●第325話 投稿者:タムタム  投稿日: 5月21日(月)20時36分09秒 「…そうだ…宝玉を…」  突如、意識がハッキリする。が、身体はあまり思うように動かない。視線を動かすと、隣に金髪の守り神が仰向けになって倒れていた。先程の映像は夢だったのだろうか?。  そんな事を考えながら、何とか身体を引き起こす。すぐ近くに倒れているため、アーシィはゆっくりと、這うようにして近寄っていく。 「確か、ある場所は胸の中…」  宝玉の事は現実と言うより夢の中の出来事に思えるのだが、不思議と違和感が無く、当然のように身体を動かす。そして、右手を守り神の胸の上にかざした時、淡い光と共に宝玉が浮かび上がってきた。  その宝玉は虹色に鈍く輝き、色彩が刻一刻と変わってゆく。丁度片手で持つのに支障が無い程度の大きさだ。アーシィがそれを受取ると光が止み、宝玉が手の中で虹色に輝いているだけになる。  アーシィはそれをしばらく眺めていたが、ゆっくりと立ち上がり始める。が、途中で金髪の守り神に語りかける。 「…そう言えば、君の名前を聞いてなかったね」  あの状況では名前を聞く所ではなかったし、そもそも喋れるのかすら不明だった。だが、今それを言っても仕方ない。 「私の名はアーシィ・フォーヴィル。せめて私だけでも名乗っておくよ」  聞こえてないと思いつつも、それだけ言い立ち上がる。そして、宝玉を握り締めながらゆっくりと歩き始める。  闘技場から出ると、またもや山道になっていた。今度は道らしい道がついていたが、それなりにきつい勾配だ。途中で休息を取りながら、少しづつ着実に登って行く。  アグレッサーの話だと、ここには魔物が出現するらしいが今までに出会っていない。運が良いのか、それとも何か理由があるのかは判らないが、敵は出てこないに越した事は無い。  のだが、しばらく進むうちに石を積み上げて造ったような小さな建物が見えてきた。あまり関係なさそうなきがするが、 「ん〜。そう言えばここには少しだが財宝があるっていう話だったね」  長年遺跡荒らしをしていた内に染み付いた習性なのか、外見から大きさを予測し、罠が無いか慎重に調べながら、内部へと侵入して行く。何かお土産になる様な物があると良いのだが…。 ●第326話 投稿者:ファウスト  投稿日: 5月22日(火)21時56分58秒 アーシィが財宝を探し始めてすぐに、こんなものを見つけた。 「ん〜?」 それは、『体力回復の泉です。人間でもモンスターでもお気軽に♪でも、回復するのに泉に入る時は、服を脱いでね♪』と張り紙されていた、変な形の噴水みたいなところだった。噴水から出る水によって、泉が出来ている。 しかし、周りにモンスターの死骸がころがっている。死体からは血も吹き出ている。 なのに、泉はとても綺麗で、水は透き通っている。 「ん〜・・・?どうするべきか・・・」 今、アーシィはとても疲れていた。さっきの戦いで魔力は空に近いし、生命力もかなり使ってしまっていた。もしここで、体力を回復できるならとても嬉しいが、妖しい・・・とアーシィは周りから感じていた。 そして、アーシィが出した答えは・・・・。 「よし、決めた!」 そのころ、時波達は・・・と言っても、時波はセネカにかつがれていたが。 二人とも、山頂へ向かって歩いていた。 「あ、忘れてましたが」 『どうしたね』 二人とも足をとめる。 「これ渡しておきます」 『何だい、これ?』 「私の髪飾りです。山頂にある封印の扉を開けるのに必要なキーアイテムです」 そう言って、セネカは自分の髪飾りをはずした。髪飾りによってまとめられていた髪が、一気に広がる。たとえるなら、ゼファーのような髪形になった。もっと長いが。 『あらぁ、そっちの方が綺麗じゃない』 スシュカルがいきなり、女に変わっていく。 「・・・・いつのあなたですか?」 『時波から、10代前ね。よろしくね・・・』 「はぁ、よろしく」 しかし、そこで女からスシュカルに戻っていく。 『出てくるな・・。全く、すまん。幽霊体だからな、別の俺にも変わってしまうんだ。気にしないでくれ。とりあえず今は、山頂へ向かうか』 セネカは、スシュカルの取り合えずと言う言葉にひっかかりを覚えながらも、質問しなかった。しかし、そこで気付く。 「その前に、あと二つのアイテムがないですと、開けられませんよ?」 『そうか。じゃあ、さっき時波が見た奴から探すか』 「そうしましょう」 二人は、起動を修正して歩いていった。 コウはさくら亭とは反対方向に歩いていたが、そこへトーヤがやってきた。 「コウ!!患者がいなくなった!!お前知らないか?」 「えっ?」 「知らないか・・逃げられたんだ!!」 「落ち着いてください、名前を教えてくれない事には・・・」 その一言で少しトーヤは落ち着いた。 「さっき、お前が教えてくれた奴だ。あいつが逃げ出した」 「そうなんですか。僕は知らないですが」 「そうか。実は俺も、さっきの変な声で気付いたんだが、他の患者が多くて診察に時間がかかって探しに行くのが遅れたんだが。今はディアーナに病院を任せている。だが、あいつのケガはかなり重症なんだ。良かったら探すの手伝ってくれないか?」 患者を心配しているトーヤを見てコウは少し考えてから、 「いいですよ。一緒に探しましょう」 「礼を言う。所で、さっきの声でなんと言ってたんだ?よく聞き取れなかったんだ」 「ああ、あれは・・・」 コウがトーヤに簡単に説明する。 「なるほど・・じゃあ、あいつは浮遊山と言う所にいるんだな・・・」 「あ、そういうことになりますね」 「場所がわかれば、俺一人で十分だ。ありがとう、行ってくる」 「え、ちょ、ちょっと!」 トーヤが走り始めた。しかしそこに、モンスターがトーヤを襲う。 「・・またか、解剖してやる」 そう呟くと、トーヤは自分のメスでモンスターの手足を切断していく。こんな小さなメスで簡単にバラバラにできるのは、流石は医者と言ったところか。 「・・・・・凄い・・・」 コウがそう呟いたときには、モンスターは死に、そしてトーヤはもう見えなくなっていた。 場所変わって時波たち。 「あっ、いましたよ」 『なんだ、首が体と別れているじゃないか。死んでいるのか?』 「生きてますよ。これくらいじゃ死にやしません。ほら、起きろ」 セネカが、時波を降ろし、金髪の首を体に持っていって、魔法で引っ付けてやったら金髪がゆっくり体を起こし始めた。 「・・・・・・」 『で、アイテムは?』 「お前、アイテムはどうした?」 「ねえよ・・・渡しちまった・・」 『そうか。所で、君の名前は?』 「俺の名は・・・」 ●第327話 投稿者:ブレードキング  投稿日: 5月23日(水)13時34分37秒 「俺の名は・・・知らない。」 『は?』 「しょうがねぇだろう。俺は名前をもらってないんだから。」 『どういうことだ?』 セネカに話し掛けるスシュカル 「確か彼は初代フリュートによって作られた存在ですから。」 「最後の仕事も終ったし俺は強い相手でも探してみるさ。名前は後で考える。」 その中身がパーのおつむで考えてもきっといい名前は出ないだろう。 これからは彼は名無し権兵衛だ。(嘘です) 「今頃アーシィとかいう奴もあっちいってるんだろ?俺は仕事が終ったから下山するかも。じゃな」 そういって金髪の男は闘技場から去って行った 『・・・ふう、また分身か。こいつも懲りない奴だ。』 「はぁ?分身?」 そう、目の前に現れたトラップを仕掛けてるのは分身。 『・・・とりあえず本体以外はまるっきり戦闘能力がない、ほっとくぞ。』 とりあえず言われた通り放って行く一行。 確かに通り過ぎたら又トラップを仕掛けだした。 そして暫く進んで 「やっほー♪アーグちゃん♪」 そしてそれに反応したアグレッサー。 『げ。とっとと書を置いてとっとと去れ。』 「むぅ、つれないなーアグちゃん、あたしはこんなに貴方を愛して止まないというのに・・・」 いきなり泣く真似をする少女。 『下手な演技はいらん。それにアグちゃんは止めろ。』 「むー、あ、そっちの方々も面白い物もってるねー、あたしにくれない?」 いきなり話を切り替える。 もちろん皆、却下したが。 「えー、ヤダー、頂戴ー、ねぇ?いいでしょー?」 粘る。 と、アグレッサーがいきなり歪んだと思ったら現れるのは長身で肌は白く真っ黒で吊っている感じな眼、服は全部紫、髪はボサボサで伸び放題の男。 『いい加減にしたらどうだ?怒るぞ?』 「「「???」」」 いきなりの登場に困惑する一同。 クロウは呆れている。 「なんでまた封印を解いたんだ?かなり負担がかかるだろう。俺に。」 アグレッサーは封印の邪剣、己に人間を宿す事のできる剣。 「んー、アグちゃんはやっぱりカッコイイねー♪」 『・・・五月蝿い、とっとと書をよこせ。』 「・・・アグちゃんの姿も久々に見たしー、ま、いっか♪ゴメンねー、初代さん。」 遠目で空を眺め始めた少女。 『ふう。で、書をくれないか、アイリ。』 既に剣に戻ってるアグレッサー。 「あ、ゴメンー、多分あたし落とした。」 「な゛・・・」 唖然。 ・・・何故そんな大切な物を落とすんだ。 ●第328話 投稿者:タムタム  投稿日: 5月25日(金)18時14分58秒  泉の前、アーシィは地面に落ちていたモンスターの腕を何気なく拾い、無造作に泉に向けて投げる。 ―パシュッ―。湿った音を立てて、その腕は切り飛ばされた。 「ん〜、よくあるトラップだね」  口に出してみたが、今は一人。『ねぇよ』などと突っ込みを入れてくれる奴は居ない。…少しだけ悲しかったりもする。 「ん〜、めぼしい物も無いようだし、先に進むとしようかな」  やはり、答えてくれる人は居ない。この場合、独り言ほど空しい物は無い。しかも、見つけた物と言えば、お墓(の様な所)にあった日記帳(らしき物)だけだ。  おそらく、フリュート家の誰かが記した物だと思うが、アーシィには必要ない。クロウにでも渡しておけばいいだろう。いい加減道草を食うのもなんなので、とりあえず山頂を目指し歩き始めた。 ―ジョートショップ― 「…どこ行きやがった…」  盆栽を前に、ルシードはぶつくさ言っていた。盆栽の手入れを始め、ちょっと目を放した隙にゼファーが消えていたのだ。  この仕事をよろこんでいたゼファーがさぼるとは思えない。だが、この場からすっかり消えているのも事実。  盆栽は趣味じゃないが、ルシードもゼファーから色々聞かされ、多少なりとも理解を示してはいる。だがしかし、何をどうして良いのかは判らない。盆栽を前にぼーっとしているのも仕方ないと言えば仕方ない。  とは言っても、見ているだけで仕事になるわけではない。時間がただ過ぎて行くだけだ。  今のルシードにとって、街の様子が変だと言う事よりも、この仕事をどうするかの方が重要だったりもする。事の重大さが解っていないと言うよりも、情報が無い以上、理解する事が出来ないだけである。  それ以前に、一度受けた仕事を果たせないのはルシードのプライドに反する。BFの管轄とは全く関係無いが、仕事は仕事だ。自らのプライドを守るために、ルシードは考えた。如何するべきかを。 「…とりあえず、中途半端な所を少しだけ切って見るか」  かなり弱気な態度だが、何もしないよりはましだろうと思い、ちょっとづつきり始めた。 ―そして、しばらく時が過ぎ―  アーシィは罠の道を歩いていた。一応解除しながら進んでいるが、何故か連鎖トラップが多い。一つ間違えば大変だ。なかなかに嫌な作業である。  どこまで進めば先に行った連中と合流出来るのだろうか…。 ●第329話 投稿者:ファウスト  投稿日: 5月26日(土)14時25分53秒 「本当に落としたのか?」 「うん、だってあたしは持ってないもん」 アイリがそういうなら、やることは一つ。 『頑張って、みんなで見つけろよ』 アグレッサーがそう言った。 「なにを・・・こんな広い所で見つかるわけないだろうが!!」 と、クロウ。 「それに、モンスターに出会ったら大変ですよ」 と、ディルム。 「でも、探さなきゃ、どうにもなりませんよ」 と、ロイ。 『と、言うわけだ。大人しく探せ』 「・・・・」 そうして、皆でこの山の中書を探す羽目となった。だがその前に・・・。 「ところで、どこら辺で落としたんです?」 「そうそう、それがわからんとな」 「えーっと・・・・気付いたらなくなってた。アハハ」 「・・・・・・・・・」 仕方ないので、アイリが歩いた所を手当りしだい探す事に・・・・。 「全く、何でここはこんなに、モンスターが多いんだ?」 そういいながらも、寄ってくるモンスターをスパスパ切っているトーヤ。服にはかなりの返り血が・・・。その返り血が今までに切ったモンスターの量を物語っている。 「チッ、これじゃ、メスが血糊で切れ味が悪くなるな・・・・」 と、そこにゴーレムのようなモンスターが。 「やれやれ、いったい何体出てくるんだ・・・」 だが、次の瞬間にはもう切りかかっていた。だが・・・ 「ふん、メスでは切れんか・・・ならば」 トーヤのメスの歯が欠けてしまった。やはり、ゴーレムを切るのは大変なようだ。 そこで、トーヤが出したものは、薬が入っているビンだった。 「はっ」 ゴーレムにビンを投げつけた。命中。 「これもだ」 そう言って、二個目のビンを一個目と同じところに投げつけビンが割れた瞬間。 「魔力逆流・・・活動停止」 そのところから煙が出て、どんどん融けていく。最期にはゴーレムは動かなくなった。 「やはり、持って来て良かったな。しかし、ここまで強力とは・・・」 ビンの中身はトーヤが調合した薬だった。決められた二つの薬品を混ぜて、浴びせると大抵の物質は溶かす事ができる。他にも、何種類かあるようだ。 「ん?何だこれは」 ゴーレムを倒して進もうと思ったら、足元に何かを見つけた。それを拾ってみた。 「何かの書みたいだな・・・。一応、持って行くか」 トーヤは知らなかったが、それはアイリが落としたキーアイテムだった。 「あいつは何処にいるんだ・・・」 「おい、見つかったかー?」 「いいやーそっちはー?」 「こっちもー見つかってませーん」 アイリが落とした書を皆で探している。だがなかなか見つからない、それはトーヤが持っているからだ。 「ところで、クロウさん」 ロイが探すのをやめて、話しかけた。 「なんだ?」 「キーアイテムが全部そろわないと扉って開けられないんですよね」 「ああ、そうだ」 「じゃあ、アーシィさんと時波さんに合流しないと」 「別に合流しなくても、山頂にいれば会えるだろ」 「そうかもしれませんが・・・」 もしも、アーシィ達が来れなかったらどうするんだろう、と思ったが、口にはしなかった。 そして、ロイも見つからない書を探しに戻った。 金髪と別れたあと時波たちは・・・ 『どうする?それじゃ、書のほうを取りに行くか』 「いや、もう山頂で待っていた方がいいと思いますよ。多分他の人たちがもう、持っていると思います」 『そうだな、そうするか』 「でも、転移魔法は使えないですし、どうします?」 『「魔楽器」程度じゃ、私の魔法をおかしくするなんて出来ないさ』 スシュカルが転移魔法を唱えると、山頂の扉の前についた。 「凄い・・・「魔楽器」の範囲内では魔法なんてろくに使えないのに・・・」 『まあ、昔と比べて少し腕が上がったかな。後はゆっくり待つだけだな』 セネカは時波を地面に置いた。 「時波くんが起きるのと、他の人たちが来るのどっちが先でしょうか」 『どっちでもいいさ・・・』 一体どっちが先だろうか・・・。 ●第330話 投稿者:HAMSTAR  投稿日: 5月28日(月)10時28分13秒  一方のさくら亭。マリアが飲み物を飲み干す頃には、ケインはアーウィルから大体の状況を聞きだしていた。  もっとも、アーウィルは自分のしる全てを話したわけではないのだが。  ケインが判った事は、リサから聞かされたことと大体同じ。エンフィールドに現在進行形で起こっている異変と、その解決の為にアーシィらが随分前にさくら亭を発ったこと、そして、 「よーするに、まぁたお前が一枚噛んでるんだな?」  といったことだった。 「まあ、そうなるかな?」  あくまでそらっとぼけるアーウィルの胸倉を思いっきりひねり上げ、ケインは凄む。 「そうなるかな、ってお前!なんでこー次から次へと厄介ごとを起こしてんだよ、おい!」 「まあまあ落ち着いて」 「落ち着けるかぁ!」  ドン、とアーウィルを突き飛ばしてから指を突きつけて一気にまくし立てる。 「なんでお前はなにかっちゃあ妙な事件にいちいち関わってくるんだ!?しかもほとんど休み無しに!  せっかくこっちがやれやれと思って平穏な日常を堪能しているところに騒動の元凶を撒きやがって!お前、この事件が終わったら頼むから一ヶ月くらい静かにしててくれ!いいか?!」  はあはあと肩で息をついて睨みつける。この程度で向こうが恐れ入ってくれるなんて思ってもいないが。 「それでケイン、あんたはこれからどうするんだい?」  やりとりを黙って聞いていたリサが言ってくる。確かに、この事件が終わらないことには平穏はやってきそうにない。 「そうだな・・・」  考え込んだところに、突然モンスターが飛び込んでくる。が、ケインはその方向を振り返りもせず鋼線で寸断する。血しぶきをあげるモンスターをアーウィルが、 「第三起動」  で消し去る。ちなみにマリアはリサが目隠しをしてくれていた。 「いまさらその浮遊城とかいうのに行っても無駄足か、合流できずに終わる算段の方が大きいしな・・・俺は町のモンスターを殲滅していくとしようか」  行って、ケインはさくら亭を後にした。