●第201話 投稿者:ashukus  投稿日: 2月10日(土)20時31分06秒 「・・・アルベルトさん」 「なんだ?」 「こういうの・・・どう思いますか?」 「・・・さぁな」 「おい、この街はこんな事ばっかなのか?」 「比較的こんな事ばっかりですね・・・」 見回りに出ていたアルベルトとシュウ、偶然居合わせたルシード。彼等の前にそれはいた。俗に言う悪魔(複数)が 「どうしますか?」 「隊長に報告をだな」 「あ?そんな暇があんのか?」 と、そんな時、悪魔の一人が彼等の前に飛んできた。そして口を開く 「人間か、大人しくしていろ?苦しみたくなかったらな」 薄ら笑いを浮かべる悪魔 「・・・どうやら」 「話し合いの余地はねぇみたいだな」 「みたいですね」 三人はそれぞれの武器を抜く。しかし悪魔は動じる事無く余裕の薄ら笑いを浮かべている。が 「無駄な事を、我等はこの世の闇を゙っ・・・」 アルベルトの槍、シュウの剣、ルシードの剣を一気に受けた悪魔は月並みな台詞を終わらせる事無くそのまま倒れ、絶命した。 「あ?この程度か?悪魔と言ってもピンキリみたいだな」 「数はかなり凄いですけど」 「同感だな」 そして、それが引き金となり、凄まじい数の悪魔が三人に向かってきた。三人は構えを取る。 「おい、魔法の使用許可は取らなくて良いんだろ?始末書はごめんだぜ」 「んな物この街にはねぇよ」 「便利な街だぜ」 『インファーノ』 ルシードの剣に超強力な炎属性がかかる。そしてルシードは悪魔に斬りかかる 「ぐわっ!!」 「がはぁっ!!」 「ぐはっ!!」 ルシードの剣に触れた悪魔は否応無しに無に還されていった 「ほぅ、なかなかやるな」 「流石はブルーフェザーリーダーという所ですね」 と、そんなアルベルトとシュウにルシードを避けて来た悪魔が飛びかかる 「オレたちなら勝てると思ってんのか?」 「世の中そんなに甘くない」 悪魔を次々と切り裂いていく三人。だが悪魔の数は気が遠くなるほど多い、というか増えていた・・・ ●第202話 投稿者:美住 湖南  投稿日: 2月11日(日)09時42分50秒 「いったいなんなのかな?」  いつの間にかケインはいなくなっていてその代わりに悪魔(2人は気がついていない)がいた。それも大量に。 「ふふふ・・・我らは世界の闇の中に棲むもの、ぐほぅ!!」 「うるせぇ。人のささやかな休息時間を減らすな」  槍で一突きにした悪魔を見下ろした。 「どんどんキャラが黒くなってないか?」 「・・・いうな」  一人(そう呼ぶべきか?)がいなくなったことを知ったのか、クラウド医院内に大量の悪魔が出現した。 「ほう。あいつらは死んだようだな。・・・悪魔に「死」というのも変な話か」  リーダー級の悪魔がそういって初めて2人は気がついた。 「おまえら、悪魔だったのか」 「・・・見てわからないのかい?この羽(真っ黒)!この鎌(これも)!!この服(これまで)!!!そしてこの美貌!!!!ふわーっはははははははは!!このわたしこそ悪魔の中の悪魔だぁ!」  この悪魔はナルシストが入っているようだ。周りの悪魔も呆れた様子だ。 「どうするんだい?」 「ドクターとディアーナには悪いが、ここで闘わせてもらおう。外に出て一般住民に被害が及んだらあいつらの思うつぼだろうからな。結界でも張ればいいだろ?」 「魔力のほうは?」 「全然オーケー」  完全に無視された悪魔は切れた。 「わたしを無視するとはいい度胸!さあ行け、我が僕(しもべ)よ!!我らの明るい未来のために!!!」  剣や槍を持った悪魔がアーシィとディムルに斬りかかる。 「一つ、いいことを教えてやろう。睡眠不足のおれを怒らせないことだ!!」  アーシィの手によってすでに結界は張られた。クラウド医院は破壊されるだろうが住民の安全を考えたらささやかなものだ。  悪魔は槍で突かれ、弾の前に伏し、炎で焼かれ、水におぼれ、風に切り裂かれた。最後に、ナルシストの悪魔だけが残った。こいつは周りの悪魔を盾にして攻撃から逃れていた。 「くっ・・・戦力が足りなかったようだ。また会おうぞ!我が名はナ、ぐはぁ」  名前を言う前にアーシィの弾が額を打ち抜き、ディムルの槍が胸を貫き壁に縫いつけた。次は心優しい人間として生まれ変わってくれ。 「さぁ。行こうか」 「は?」 「この分じゃ町に悪魔がいるだろうからね」 「みなまで言うな。おれも行けばいいんだろ?」 「その通り。これが終わったらアリサさんのお茶でもどうぞ」 「そうさせてもらうよ」  ディムルはナルシストから槍を引き抜いた。 ●第203話 投稿者:タムタム  投稿日: 2月11日(日)19時57分04秒 ―セント・ウィンザー教会―  其処にはお約束の様に悪魔がいた。だが、よく考えなくともここは教会。悪魔が来て良い場所では無い。全く不届きな奴である。しかし、そうも言ってはいられない。悪魔の目の前にはローラ達がいるのだから。 「クックック。子供ってうめぇんだよなぁ。こんだけいりゃあ」  なかなかに危ない表情と切れた台詞を隠す事無く、ゆっくりと近付いて行く。青白い顔をしながらよだれまで垂らしているのだ。これで****(自主規制)だったら、グランドスラムものである。 「いやだよぉ」 「怖いよー」 「誰か助けてぇぇぇ〜〜〜!!!」  恐怖から身を寄せ合っていた子供達だが、とうとう耐え切れなくなったのか、ローラが悲鳴を上げた。 「誰も来やし…」  かなりハイに成りながら近寄ってきた悪魔だが、パターン通りその台詞を言い終える事は出来なかった。 「アーシィ・キィーック!」  これまたお約束通り、恐ろしいほどの速さで飛び込んで来た青年が悪魔を蹴り飛ばした。情け容赦の無い、完全な不意打ちで放たれた蹴りは易々と悪魔を弾き飛ばし、壁に打ち付ける。不意打ちで蹴りを放つ場合は名前を叫ぶという、エンフィールドの伝統はここでも守られている様だ。 「はー。やっぱエーテル・バーストは偉大だな」  そう言いながらやって来たのはディムルだ。その後ろにはアリサとテディ。シーラにフローネと続いている。途中、シーラの家とジョートショップに拠り、保護して来たのだ。  フローネは街全体を覆う結界を張るのに必要なので連れて来た(三人なら何とか張れる筈だ)。だから、残ったブルーフェザーのメンバーは今も街中を奔走しているだろう。 「ってぇー!てめぇから食い殺してやる!!」  勢い良く突撃しようとした悪魔だが、今度はその頭を壁に叩き付けられる。すでに接近していたアーシィが、鷲づかみにして叩き付けたのだ。 「…出来るものならやって見な。君はローラちゃん達を食おうとしたんだ。覚悟は出来ているね…」  やっと聴き取れるほどの小さな声でアーシィは言う。悪魔を睨み付けているその瞳は邪眼の力でも宿っているのでは無いか?と言うほど冷たい殺気に満ちている。 「お前は…まさか、ロ…」 『君に覚める事無き永劫の悪夢を』  何だか非常に失礼な事を言おうとした悪魔の言葉を遮り、アーシィが一言呟いた。その途端、蒼白い炎が悪魔を包み込み灰燼と化す。 「皆、大丈夫だったかい?」  くるっと振り返ったアーシィは先程の表情は何処へやら、何時も通りの優しい笑みを浮かべていた。助かったと知り、大喜びする子供達を他所にディムルは一人呟いた。 「…お前も十分黒いじゃないか…」  祈りと灯火の門の前で少女は足を止めた。このまま街の外に出てから飛び去ろうと思っていたのだが、そうも行かなくなった様だ。 「何故?悪魔がここに?」  街の外に無数の、街の中には多数の悪魔の存在を感じる。街の外より、街の中の方が若干強い様だが、街中の反応はぽつぽつと消えて行っている。街の外の反応は一部が消失したようだ。まあ、権天使(下位第一位。絶大な攻撃力と防御力を持つ)である彼女にとって、どちらも負けるような相手では無い。  彼女がこの街に来たのはローラの事が有ったからであって、他に用事は無かった。理由が判らず首を傾げてみるが、思い当たる節も無い。サラサラの柔らかい金髪を鬱陶しそうに掻き揚げながら如何すれば良いかを考える。  すなわち、街の外の敵を倒すか、街の中の人を助けるか。答えは考えるまでも無かった。無意識のうちに彼女は街中へと戻っていた。 ●第204話 投稿者:HAMSTAR  投稿日: 2月12日(月)13時52分35秒  エンフィールドの町中に発生した悪魔たちは次第次第にその数を増やしていた。  だが、その数も恐らくは彼らの当初の予想からすればはるかに少ないだろう。なにせ、自警団たちに加え、というよりも絶対に自警団全体よりも強い存在が悪魔一行の邪魔をしているのだから。 「はあっ!」  ケインが異空間の『倉庫』から取り出した『破邪刀』を振るうたびに悪魔が最低三体は倒れていく。付属していた説明書(多分父親がつけていたのだろう)によると、はるか古の東方で作られた御神刀だという。  御神刀をヴァンパイアが振り回すのもどうかと思うが、使える武器なのだから使ってしまおう、と考えたケインだった。 「白き・・・爆流よ!」  解き放った超高熱の白炎の奔流が通りにいた悪魔を一挙に消しはらう。だが、数がやはり増えてきている。  ちなみに、この呪文はあまり意味は無い。要するにイメージを固めるためのものだ。 「どういうことだ?!悪魔がこんな大規模な行動するなんて、尋常じゃないぞ、おい!」  愚痴をいってもしょうがない。とにかく目に止まる端から叩き切る。  と、前方に人影。少女。見覚えなし。それだけ把握すると、その少女に群がろうとしている悪魔を撃破するために魔法を発動させる。 「乱舞する、疾風―」  が、詠唱を終えるよりも早く、その少女の背に翼が生え、そこから放たれた光が悪魔を消し去った。  唖然として、それを見つめる。少女のほうがこちらに気づいて口を開く― 「天使ぃ〜〜〜?」  よりも早く絶叫したケイン。もうなにがなんだかわからない状況に陥っている。もっとも、悪魔への無差別攻撃は止めていない。 「ったく・・・天使の遺跡で罠の嵐、町に帰れば悪魔の襲来・・・絶対呪われてるぞ、俺!」  叫びながらアーウィルを探す。あの男くらいしかこの状況を説明してくれそうなやつがいない。  と、見上げた空の彼方にアーウィルを見つけた。人間の目では捕らえられるかどうかの距離だが、第一封印開放状態ならなんとか見える。 「よし!アンタも来い!」  いいながらその天使の少女の手首をつかむ。 「え、あのわたしあの『コードΩ』は・・・」 「第二封印解放・・・羽根よ、風を受けて舞え!」  わけのわからない事を言う少女の言葉を無視して、ケインは重力を中和、一気にアーウィルの元へと飛んでいった。土産代わりに今までいた道に自動追尾式の光弾を無数において。  ちなみに、町を逃げ回っていたハメットがここを通りがかり、その光弾の餌食の一人となったらしいが、それはまた別の話。   ●第205話 投稿者:宇宙の道化師  投稿日: 2月13日(火)17時24分26秒 「うーむ」  アーウィルは眼下の街から高速で吹っ飛んできたケインと天使の少女を見、 「奇遇だな。こんなところで会うとは」 「かなりズレてる気がするが、それは置いとく。さて、どーゆーことだか説明してもらおう」  アーウィルは頭を掻き、 「何故に自分が知ってると思う?」 「何かわけの解らんことが起きたら、人外魔境に聞けと親父が言ってた」 「人外魔境指数は、君も相当なもんだと思うんだが……」 「特に否定はせんが、おまえにだけは言われたくないぞ」  やれやれ、と駆動音の唸りを上げつつ両肩をすくめ、アーウィルは口を開いた。 「じゃ、手短に言おう。今回の騒ぎのきっかけは、そこの権天使のお嬢さんだ。だが、 あくまできっかけであって、原因は別のところにある」  天使の少女は、無言でアーウィルの口元を見詰めている。 「ここで五十年前、何があったか知ってるな?」 「ああ、シャレにならない数の魔道砲ファランクスが発射されたんだろう? お陰で国が一つ消えた」 「その通り。だが、それだけ膨大な量の魔力が、しかも強力な指向性を持たされ、 一瞬でぶちまけられた結果がそれだけで済むと思うか?」 「……実際、済んでるように見えるがな」 「外見上は、な。あの砲撃で、この地は極めて特異な場所となった。異世界、と言って良いほどだ。 ずいぶんと過去にも変な事件が起きてるし、今も現在進行形で発生中だ。この街の住人を見て、 どう思う? ケイン」 「……とんでもねえ逸材がごろごろしてるな。マリアとかシェリルとかクリスとか、その他大勢」 「そう。それが、五十年前の砲撃の結果の一つだ。だが、それだけじゃない。トゥーリアを覚えてるか?」 「覚えてるも何も……」  あれがこの街で巻き込まれたトラブル第一号だ。 「普通、コッペリア効果で器物が生命を持つには、最低百年は必要だ。だが、彼女はそれよりも遥かに短期間で生命を得ている。 ルーク・ギャラガーの腕とこの地の特異性が、それを可能にしたんだ」 「……ちょっと待て。かなり興味深い話だが、それと今回の騒ぎとどういう関係があるんだ?」 「ああ。単純なことだ」とアーウィル。「バランスだよ。バランス」 「バランス?」  思い切り怪訝そうな顔をするケイン。 「今言ったとおり、この地は極めて特殊だ。けっこう危ういバランスの上に成り立っている。 それが、そこの……」  ひどく無機的なまなざしを天使の少女に向ける。 「お節介なお嬢さんが来たせいで崩れた。バランスを取るためには、まったく正反対な属性の力を注ぐ必要がある。 ……で、この有様だ」 「……おい、正反対な属性の力を注ぐ…って、誰が注いだんだ?」 「この街自身さ。この街を支配する法則。一種の生命と言ってしまって良いかもしれない。 それが、今回の不均衡を解消するべく動いた」 「一応聞いとくが、いつになったらバランスが元に戻るんだ?」 「そうだな……」  一瞬空を睨み。 「出てきてるのは最下級の悪魔ばかりだ。このペースだと、丸一週間はこの状態が続く」 「なにーっ! いくらなんでも無茶だぞ、それは!!」 「だから自分も困ってる。……あ、そう言えば…」  ポン、とアーウィルは手を打ち……否、ズシン、と重々しい音を立てて義腕を叩き、 「天使に関係のある遺跡に行ってたな、たしか」 「ん? ああ、行ってたが、それが何か?」 「変な水晶球みたいな物はなかったか? それがあれば、なんとかなる」 「ああついてない! こんな時に限って刀が無いなんて!」  シュウも他の住人たちと同じく戦っていた。  だが、なにしろ使い慣れた刀ではなく剣を使わざるを得ないため、うまく実力を発揮できない。 『あらあら。大変そうね。手伝って上げましょうか?』 「なに?」  不意に聞こえてきた声を怪訝に思う間もなく、シュウは小さな手が額を撫でる感触を覚えた。  同時に、意識が闇に沈む。そして…… 「何者か知らんが、一応礼を言ってやる。おまえ……アーウィルの身内のようだな」 『正解。流石、と言うべきかしら? じゃ、頑張ってね』 「ふん…」  面白くなさそうに冷たいまなざしで空を一撫でし、シュウは剣を構えた。 ●第206話 投稿者:ブレードキング  投稿日: 2月13日(火)20時12分56秒 「さてと、ここで、いいんだよな・・・雷鳴山」 ローブを被ってるせいで顔は見えないが少年の声。 『こんな所に来て何をするのだ?先にエンフィールドに行った方が・・・』 彼、クロウ・フリュートの相棒の剣「アグレッサー」。 「あれだ。あの『雷鳴山事件』、見てみたくねぇか?」 クロウは不思議な『術』を使う。 その能力の一つである遠視でつい最近の事をほぼ知っている。 『いや、全然。』 アグレッサーのそんな言葉に、クロウは残念そうな顔をする・・・ 「・・・」 暫く、動こうとしないクロウを見た、アグレッサーは、 『・・・分かった。さっさと、行くぞ。』 「お。ありがとよ。」 『俺も色々と調べたいことがあるしな・・・』 「ん?なんか言ったかー?」 背中にあるアグレッサーに、クロウは言葉を放つ。 『いや・・・何でもない。(できれば、人間の頃に会いたかったな・・・)』 「・・・やべ。」 ここは、いつの間にかに、遺跡発掘現場。 『見事に迷ったようだな、まだここは雷鳴山か?それとも・・・』 アグレッサーが言い終える前に、 「あ、遺跡があるぜ!?」 これを、人は、現実逃避と言う。 そしてクロウは、遺跡に入ろうとした。 しかし、 「シャシャシャシャシャ・・・」 いきなり大蜘蛛が現れた。 「・・・く、蜘蛛ぉ?」 別に、普通驚いたりしないが、いきなり目の前に現れれば誰でも驚くだろう。 「シャシャシャシャシャ・・・」 そして、大蜘蛛が突進してくる 「なんか、やる気でねぇ、けど・・・獄火、封印解除。」 クロウは、腕輪についてる小型の刀のアクセサリーを外して、唱えたら、刀が実物大の大きさになる。 「失せろ!!蜘蛛!!」 そう言って刀を振るう、そしたら一瞬にして蜘蛛が燃え尽き、灰と化す 「・・・さてと、行くか」 『時間を喰ったな・・・』 そして、彼等は遺跡に入っていく・・・ まだ、罠が残ってるとは知らずに・・・ ●第207話 投稿者:ashukus  投稿日: 2月14日(水)00時14分17秒 「あ?おい、あの犯罪者野郎、何所か行っちまったぞ」 「シュウの奴か?・・・・・・いねぇな」 しかしそんな事に構っている暇は無い、悪魔の量は並ではないのだから。と、そんな悪魔の一人がいやみな口調で言い放つ。 「人間が、逃げたのか?情けな゙っ」 「ったく、また同じ展開かよ、少しは学習しろ」 アルベルトが悪魔を切り倒し、槍を力強く振り抜く。しかし体力の減少は隠せない。 「あ?どうした。自警団ってもその程度なのか?」 だが、そう言うルシードもかなりの疲労だ。魔力も残りが少ないらしい。 「へっ、冗談言うんじゃねぇよ、まだまだ行けるぜ」 と、そんな中シュウは一人でマーシャル武器店に居た。 「アナタ、何してるアルか?!」 エルが悪魔を倒しに外に出ているいるために店内にはマーシャルしか居なかった。そこを狙ってシュウは忍び込んだのだ。 「・・・そんな事を言っている場合ではないだろう?これを貰うぞ」 そう言いながらシュウは壁に掛けてある一振りの刀を盗った。 「・・・なかなかだ」 刀身を見て一言、そして彼は姿を消す。と、思ったがそこへ悪魔が乱入してきた。 「悪魔アルね。ワタシの力を見て驚くよろし」 ヌンチャクを振りまわすマーシャル。威圧感は無しに等しい。そして・・・ バキィッ 「ぐはっ・・・」 マーシャルは悪魔の拳打を食らい、そのまま気を失った。俗に言う戦闘不能だ。 「クックック、次はお前だ」 「・・・そうだな」 シュウは冷たく笑うと刀を抜いた 「・・・こいつの料金代わりに血祭りに上げてやる。特別に、な、ククク」 「なんだと?」 「・・・その後はローズレイクの魚の餌にでもしてやる」 「人間如きが調子に乗るな!!」 悪魔は手を掲げると大きな鎌を取り出し、シュウに斬りかかる。魔法でも使えばよかった物を・・・ 「・・・じっくり味わってやる」 『亜楠流剣術奥義ノ弐 流影』 刹那、シュウは風に揺れる柳のように、小川の水の流れのように緩やかに流れるような動きを取る。 「遅い!!」 叫んだ悪魔は鎌を振り下ろす。が ブンッ ブンッ ブンッ 悪魔の鎌は流水の動きとも言うべき彼を捉えられない。次第に頭に血が上っていく 「このぉっ人間如きが!!下等生物が!!」 と、その時、悪魔に絶対的な隙が生まれた。そして、緩やかな水の流れは激流へとその姿を変える ザシュッ 「ぐぅぁっ、この私が人間如きに」 完全無防備な悪魔を一閃。悪魔がよろける。しかし無慈悲なシュウは手を抜くことは無い。 『亜楠流剣術奥義ノ参 乱流』 ザシィンザシュッバシィッバシュッ・・・ 無数の剣閃を纏った突進技、切り刻まれた悪魔はすでに虫の息。そして止めといわんばかりにシュウは悪魔に手を触れる。 「・・・終わりだ、な」 『強制転送』 頭にローズレイクをイメージしたシュウは悪魔を飛ばした。言葉通り悪魔はローズレイクの魚の餌になったであろう・・・ 「・・・さて、雑魚の悪魔を血祭りに上げるのもつまらん。あいつを眠らせた借りもある事だ、アーウィルに協力でもするか。そのほうが面白そうだしな」 再び冷たく笑うと刀を鞘に収める。 「・・・例の水晶球とやらは・・・ロイか」 それだけ言うとシュウは今度こそ、その姿を消した。 ●第208話 投稿者:YS  投稿日: 2月14日(水)01時26分57秒  エンフィールドで悪魔と戦闘が繰り広げられているころ、ロイは・・ 「・・ポチ、餌・・」  そういわれると同時にポチは口を開け・・  ・・ごっくん・・ ・・水晶球を飲み込んだ。 「・・危険物ではないようですね・・」  そうしていると外から悲鳴が聞こえてきた。 「・・もしかしてまた誰か罠にかかったんでしょうか・・」  大したことではないようにいう。ここまでくると確信犯である。 「・・ロイ、水晶球はどこだ?」  唐突にシュウが現れ問いかける。 「・・どうしたんですか?」 (話す気がないようだな・・ならば・・)  そう考えるとシュウはロイの心を読むため集中する。抵抗されていたとしても、全力でやれば読めないはずはない。 「・・お前は何を考えている?」  シュウは困惑の表情を浮かべ、ロイに問い詰める。 「・・どうかしましたか?」  まったく読めないのではなく、逆に余計な情報が多すぎて読めない。シュウには原因はわからなかった。 「・・水晶球なら、いまポチが食べましたけど?」  会話がワンテンポずれているようだ。 「・・」  シュウはとりあえず黙っていることにした。 「・・何を考えているかといわれると・・少し前まで多重人格でしたから、自分でもよくわかりませんね・・」  やはり少しずれて返事をしている。セリーヌと一緒に行動していたためずれたということはシュウにはすぐにはわからなかった。 (・・多重人格だった?)  今のロイからは複数の意識が感じられる。細かく分析すれば行動の予測はある程度できるが、どの行動を取っているかはロイ自身にもわかっていないようだ。 「・・その水晶球が必要何だ」 「・・こめかみひきつってますけど、大丈夫ですか?」  ばれないようにとしたのだが、やはり仮の人格のマネに抵抗があったのか、ロイに指摘された。 「・・」 「・・」  しばし、沈黙。 「・・ここが最下層か・・」  そこに突然見たことのない人が現れた。途中で罠にかかりすぎたせいか、かなり疲れているようだ。 「・・あの、どちら様でしょうか・・」 「ん?子供?こんな遺跡に?」  ロイを指していう。実際、ロイは子供だ。しかし、それ以上に・・ 「・・な、魔法兵器!?」  ポチを指していう。知らない人間から見ればそれは驚異でしかない。なにせ、ここは遺跡。宝を守る守護者としていてもおかしくはない。 「・・ああ、大丈夫ですよ。この子はおとなしいですから・・」  ロイの言葉に多少戸惑う。だが、実際暴れる気配はない。 「それならいいが」  これでかたずけたのだからもしかしたら大物かも知れない。 「・・それで、あなたは?」 「ん?俺か?」  そして、お互いに自己紹介をする。 「・・それで、雷鳴山のことを知るためにここにきたんですか・・」 「ああ」 「・・でも、ここは雷鳴山じゃありませんよ・・」  はっきりという。事実は覆らない。近いことは確かだが・・ 「・・うーん、水晶球はここでは取り出せませんし・・」  思案する。 「・・この人はエンフィールドに用があるようですし・・」  クロウを見ながらいう。 「・・セリーヌさんも無事見つけましたし・・」  セリーヌの方を向いていう。 「・・では、帰りましょうか・・」 「どうやって帰るつもりだ?」  シュウが突っ込む。ここから徒歩で帰ると一日はかかる。 「・・ということで、誰かマジックアイテムもってませんか?」 「何でもいいのか?」  クロウが一つアクセサリーをロイに渡す。 「・・上質の物ですね、これなら大丈夫でしょう・・」 (・・人間の転送はやったことないけど・・)  心の中で付け足す。 「ロイ、今何か・・」 「・・ポチ、餌・・」  シュウが口をはさむ前にポチに食わせる。 「・・ということで、もう遅いです。ポチ、強制空間接続開始」  ポチがその腕を振るうと遺跡からその場にいた全員が消えた。  そして、ロイ達はエンフィールド上空、アーウィルやケイン、そして、天使の少女の真上に出現することになった。 ●第209話 投稿者:タムタム  投稿日: 2月14日(水)19時39分45秒 「さて、そろそろ始めようか。準備は良いね?」  ここは教会の中。フローネとディムルを見ながらアーシィは言う。フローネの手には青いカードが、ディムルの手には白いカードが、アーシィの手には紫のカードと緑のカードがそれぞれ握られている。  そして、三人の目の前には二枚の黒いカードが球体に包まれ浮んでいた。その周りでは複雑な魔法文字がくるくると回っている。街一つを包み込む結界を張るための準備は既に終えている。 「はい。いつでも良いです」 「こっちも大丈夫だ」  フローネは幾分緊張しながら、ディムルは気楽に肯定の返事をした。二人とも、先程教えた呪文は頭の中に叩き込んである様だ。其れを見たアーシィは一つ頷き、詠唱を開始する。 『吹き行く風、不動なる大地よ、我が呼び掛けに答えよ』 『流れ行く水は留まる事を知らず、無限なる旋律を奏でる』 『不可視なる光は瞬き交わる事により、その姿を現す』  続けてフローネ、ディムルも詠唱を開始し、三人の言葉は形となってゆく。カードの魔力は開放され、一つと成りて走り出す。詠唱の続く中、見る見るうちに複雑な紋様の魔方陣が、エンフィールドにひかれていき、そして、 『風と大地に導かれし流水は光を映し、眩く輝く路となる。大いなる魔力と堅固なる意思により、望みし者に対する壁となれ。我等が領域に踏み込めぬは魔界の者たる悪魔のみ!』  三人の声が唱和し、魔方陣は完成された。これで、中に居た悪魔は街の外へと追い出され、外から進入する事も出来なくなった筈だ。 「ディムル。早速出悪いんだけど、フローネと一緒に街の様子を見て来てくれないか?」  アーシィがいきなり口を開いた。魔方陣が完成してすぐである。 「少し位は休みたいんだが…。で、お前はどうすんだ?」 「私はここで不測の事態に備えるよ。それと、もし未だに街中に残っている悪魔が居たら気を付けてくれよ。洒落にならない位強いから」 「…行きたくねえな…。まあいい。帰ったらイチゴのミルフィーユも追加な」  そう注文を言い残し、ディムルはフローネを連れて教会を後にした。  そして、上空から魔方陣を見下ろす方々が居た。ロイを肩に乗せ、左手にポチをぶら下げたアーウィル。両手でシュウとクロウを掴んでいるケイン。そして、セリーヌを抱き抱えている天使の少女。 「結界の中心部は…教会?一体誰が…」  そう言いながら、意識を集中していく。少女の声を聞いてアーウィルとケインは顔を見合わせた。こんな事が出来る心当たりは“今の所”一人だけだ。 「三人がかりか…なかなか」 「よくもまあ、これだけでかい魔力をコントロール出来るよな」 「人間がこの結界を張ったの!?」  余り驚きもせずアーウィルとケインは言う。だが、天使の少女は事実を知って驚いてる様だ。だが、何時までも驚いている事は出来なかった。遥か下から、多数の悪魔が吹っ飛んで来たのだ。とりあえず回避運動を取るが、この状態では誰も戦う事が出来ないだろう。 「下に降りたほうが良いんじゃないかしら?」  その言葉を合図に、上空に浮んでいた方々は地面へ向かい降り始めた。 ●第210話 投稿者:HAMSTAR  投稿日: 2月16日(金)16時27分38秒  空中に浮かんでいた面々は思い思いに降り始めた。  セリーヌを抱えた天使の少女と、ロイ(+ポチ)を抱えたアーウィルはわりかしゆっくりと降下を始める。だが、ケインは違った。  そもそも、ケインが宙に浮かんでいた方法は他の二人とかなり違う。重力を『破壊』して浮かんでいたアーウィルや、原理不明だが、奇跡的な力で空を駆け抜ける天使とは違い、彼は重力を中和しているに過ぎない。  で、そんな彼が中和を解いたのだからその後どうなるか―押して知るべし。 「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」 「ん〜〜〜〜〜!」  ただひたすら絶叫を続ける見慣れぬ男―クロウとかいったか?―と、悲鳴をかみ殺しているシュウ―多分冷酷シュウだろう。彼らに空中でキャッチされても心中の動揺はあまり無かった―に気づく事も無く、ケインは魔力を編み上げた。 「見えざる風刃よ!散り行く波紋よ!乱舞する業火よ!」  落下中にぶつかりそうな悪魔たちに向かって無数の鎌いたち、空間の爆砕、純白の追尾式光弾を乱射する。  切り刻まれ、粉々に爆滅され、百発百中の光弾に撃ち抜かれる悪魔を尻目に、ケイン+2は一気に落下していった。 「・・・彼はわたしのことを人外魔境と言っていたが」  その落下―降下にあらず―を眺めながらアーウィルは呟く。 「あれを見てると、彼のほうがよっぽど人外魔境だなぁ・・・」 「まあいいんじゃないですか?悪魔の数はかなり減りましたし」 「そうだな」  それだけで済ましているアーウィルとロイを、天使の少女は呆然と見ているしかなかった。 「ヴァンパイアまでいるなんて・・・なんて町なのよ、ここは・・・」  つい先ほど少女を連れて飛び上がった地点にケインは落下する。無論、地面が近づくと再び重力を逆転させて速度を打ち消す。  で、その周りには黒焦げの男を喰おうとしていたのだろう、悪魔の群れがぞろぞろ。 「夢へ誘いし氷牙よ!」  即座に解き放った絶対零度の風が悪魔を襲い、完全に凍結させる。夏に外に出していても溶ける事は無いほどに凍っている。  両手に抱えた二人(失神寸前)を放り捨てる。と、アーウィルらが降りてきた。ケインとは違う、優雅でさえある動作だ。  「君も無茶をするねえ」 「遅いぞアーウィル。ところで、さっき天使の遺跡の水晶球がどうのといってたな」 「ああ。あれがあればこの事態を収拾できるんだが」  と、ロイが思い出したように口を開く。 「さっきまでいた遺跡で、水晶を見つけたんですが」 「なに?おい、それどこだ?!」 「ポチに食べさせましたが」  沈黙が流れた。その間に天使の少女も降り立っている。 「なあ、ロイ。ポチの事・・・解体しても」 「駄目です」