女性虐待(鬼頭、岩坂:静岡大学)        2000/11/11

  1. 虐待に関する相談件数 *資料1
  2.  DVの被害は増加してきているのでそれへの対応を考える

  3. 分析

(1)虐待の原因

一.ジェンダー(男性優位の社会背景)

  1. 加害者の人権意識の欠如

(2)DVへの現在の対応

一.危機介入における法的対応の現状

二.警察の不介入主義の問題点

三.司法の対応の現状

3.対策

(1)法的対応の必要性とその枠組み

一.被害者の権利の明確化

二.加害者に法的責任を負わせる刑法の適用範囲の明確化

三.就労,住宅,社会福祉など女性の選択を援助する支援サービスの法的枠組みの必要性

四.離婚制度の変更

五.健康保険制度の変更

六.生活保護や児童扶養手当の制度の変更

七.DV休業法の起草

八.DV防止法の起草

(2)被害者へのケア

  1. 婦人相談所等の機能強化、職員への教育

  1. 護施設(シェルター、母子寮)の増設(公費の投入)
  2. 職業訓練、斡旋、紹介

四.自助プログラムの作成(カウンセリング含む)

(3)加害者ケア

(4)啓発活動

  一.DVの認識強化

二.暴力があった場合の対処マニュアルの作成

4.他の3つの虐待との対比

(1)共通点

  1. 密室性

  1. 加害者の人権意識の欠如

  1. 強者から弱者への支配(暴力)

(2)女性虐待の特異点

  1. 必ず異性間の問題である

二.社会通念(男性優位)との関連

 

*資料1

あざれあ(静岡県女性総合センター)でのDVに関わる相談件数

年度(平成)

 5

 6

 7

 8

 9

 10

 11

相談件数

 845

957

1,351

1,802

1,730

1,923

792

暴力の件数

8

5

13

32

30

40

19

割合(%)

0.9

0.5

1.0

1.8

1.7

2.1

2.4

平成123

静岡弁護士会

<参考文献>

日本DV防止情報センター「夫・恋人からの暴力」

ニール・ジェイコブソン、ジョン・ゴットマン 訳:戸田律子「夫が妻に暴力をふるうとき」講談社 1999

静岡弁護士会「女性への暴力(ドメスティック・バイオレンス)」調査報告 平成123

日本弁護士連合会「ドメスティック・バイオレンス防止法律ハンドブック」明石書店 2000