民間シェルターの概要
大阪市立大学
民間シェルターとは、民間の手で運営されている、虐待を受けた女性の緊急一時避難の場所である。現在全国に
2.どうすれば民間シェルターに入れるか
民間シェルターの場所は、安全確保のため公開されていない。そのため、民間シェルターの情報を手に入れるのはなかなか難しいが、女性への暴力に関する書物の中から知ったり、婦人相談所や公的な相談機関で情報を得ることが出来る。とはいえ、民間シェルターの情報が浸透しているとはいえず、相談に行ったところで必ず情報が得られるわけではない。民間シェルターに何らかの方法で連絡を取ったあとは、民間シェルターがそれぞれ独自に入所の必要性を判断する。行政機関では手続に時間がかかったり、判断の基準が厳しかったりと、受け入れられないケースが多い。このような場合にも、民間シェルターは状況によって柔軟に対応している。しかし、受け入れ定員数は少なく、満員の場合もあり、いつでも入れるとは限らないのが現状である。
3.シェルターに入ってから
シェルターでは、被害女性が再スタートするための相談にあたり、弁護士や福祉
事務所などとの協力によって 問題を解決できるように支援する。民間シェルターによっては、新しい生活のための住居や、生活保護や離婚手続などの相談にのる。日本にはまだまだ、シェルター間のネットワークや、援助提供の統一基準などがない。1998
年6月に、日本で初めての民間シェルターの全国ネットワーク会議が北海道で開かれ、民間シェルター間の連携や共通意思を持とうという動きが、ようやく出始めている。しかし現状は、それぞれが独自の方法やネットワークで女性をサポートしている。4.問題点と課題
ほとんどが、支援する会員からの寄付や会費でまかなわれており、DVの視点で公的援助を受けているのは東京と新潟だけである。利用を有料としていても、何も持たずに逃げてくる女性たちには支払えない場合も多く、スタッフにも十分な賃金を払えない。
にもかかわらず、シェルターのスタッフは激務を強いられている。男性からの攻撃はスタッフにも及ぶことがあるし、暴力から逃げてくる女性を
財政問題にもからんで、一般にも民間シェルターの意義を知らせ、支援者を増やすのも大切だろう。安全のため場所を非公開にすることは大事だが、民間シェルターの存在を何らかの方法で、もっともっと広く伝える必要がある。
被害女性のサポートには、心理的なケアを始め法律の問題や行政とのやり取りなど、多岐にわたる分野の援助が必要である。そのためには、民間の力だけでは限界もあるので、官民を越えた連携が不可欠である。民間シェルターと他の関連機関とのネットワークを確立することが、被害女性により有効な援助ができることにつながる。
女の駆け込み寺・生野学園(大阪市大が訪問させていただいた民間シェルターについて以下にまとめる)
<開設の経緯>
婦人保護施設生野学園の閉鎖に伴い、生野学園の元職員が中心となり
1998年開設。<運営>
専従スタッフ
3人、ボランティア(弁護士13人、カウンセラー14人、保健婦2人、他3人)、支援会員594人(年会費6000円)<目的>
<事業内容>
電話相談、面接相談、法律相談
入所期間は原則として3ヶ月を限度とする。利用料は1日1500円
(子ども何人でも+500円)食事は自炊とし副食費は各自負担。定員は4組。
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生野学園退所者からの不安の声][
生野学園から太田房江知事への申し入れ]