戻る
大系漢字明解 電子版
ID 部首 親字1 字解
1 1 イツ ひとつ はじめ もつぱら     説文に惟(コ)れ初め大極は。道が一に立つ。天地を造分し萬物を化成すとあるが。易の説に泥みたるものにて造字者は其程までに考へたものであるまいが。事物の始め。數の初めなり。一横畫にて其意を見はす(指事)なり。
イチ          
           
2 1 テイ みつ さかんなり       丁は夏氣分である。萬物の丁實(充實と義同じ)なる形なり。古文を見れば自(オノズカ)ら其意を察し見るべし。(指事)轉じて壮丁。丁年の義となす。又詩經に木を伐る丁には字音を借る。
チヨウ          
           
3 1 シチ ななつ         七は陰陽の陽の正位と曰ふてある。字形は複雑に説いてあるが。古文で考へて見ると十の字の末筆を屈曲して意をなしたるものと思へる。數字は一から十ができ。十から七九の字を作つたものらしい。形を易へて意を見わすの工夫で。__の屈したるは全を損缺せるもの。後退の意を見るべし。(指事)易に七日にして得。書經に璿璣玉平衡を在(ミ)て以て七政を齊ふ。後世桼(ウルシ)の字を用い代用す。シツの音通なり。
シツ          
           
4 1 マン よろず         万󠄂に作る同じ。此は支那固有の字にあらず。廣韻集韻に皆云く萬に同じ。古書に見へず。唯だ漢瓦文に子孫千_とあり。知る漢以後に出づ。又漢鏡文に万万󠄂に作る。又翻譯名義集に宋高僧傳を引く。翻譯に四例あり。音を翻して字を翻せず華嚴の_の字の如き是れなり。此方の萬の字を以て之を翻して字體は猶ほ是れ梵書なりと。__近し。此を隷變して万万󠄂とせしのみ。
           
           
5 1 コウ つかえる のびぬ       氣の舒出せんと欲し_の上が一に礙するなり。(指事)
           
           
6 2 ジヨウ たけ         十分を寸と爲し。十寸を尺と爲し。十尺を丈と爲す。字形は又(テ)(手)に十を持つの(會意)十までを度(ハカ)るの意なり。轉じて丈夫。丈人の義となす。易に貞丈人。注に能く法度を以て人に長ず。論語に丈人に遇ふ。
           
           
7 2 サン みつ         天地人の道と説いてあるが。古文にて考へて見ると。一と二を合せて以て(會意)す。史記に數は一に始まり。十に終り。三に成ると。老子には一は二を生じ。二は三を生じ三は萬物を生ずと是れなり。
           
           
8 2 ジヨウ かみ うえ       高きなり。字形は先づ一を借りて上下の界となし。その一の上に__の一筆を記識に附して其意となす。(指事)而して此_を倒さにすると_となる。上下の二字は相對して雙方の義が明かとなる。両字意義互に相承く。又轉注なり。易に雲は天に上る。注に升るなり。書經に昭かに上に升る。注に天を謂ふ。轉義は書經に維れ皇なる上帝。蔡邕獨斷に上なる者は尊位の在る所と。中庸に上焉なる者。注に君を謂ふなり。
シヨウ          
           
9 2 した しも くだる     底なり。字形は上の反倒形なり。上に述べたる如し。(指事)禮記に天は高く地は下し。書經に上下艸木鳥獸と。轉義は易に上より下に下る。又貴を以て賤に下る。爾雅に下は落なり。
         
           
10 2 しからず おおいなり       鳥が飛んで上翔し下り來らざるなり。一は天の意で。_が鳥の形である。(象形)又(シカラズ)否定の辭に用ゆるは否の代用なり。フ。ヒは一轉音なり。論語に鳳鳥至ら不(ズ)と。又詩經に不顯とは丕の代用。丕は大なり。
           
           
11 2 与󠄃 あたえる         賜与なり。一と勺󠄃の(會意)予と同意と。段氏云く一を以て勺󠄃を推す。予の_を以て_を推すが如しと。然れとも説文に與の字は与を音とすると。周古文は与󠄃に作り牙に從ふ。与の字疑ひあり。古籀篇に述べたり。賜与とは賜予を正字とすべし。
           
           
12 2 ベン おおう         見へざるなり。壅蔽の形に象る。古文に依れば_が人の面前を蔽遮してゐるの(象形)又匃(カツ)(コフ)の俗字を丐に作るものと別。
           
           
13 2 チユウ しごとはじめ うし       紐なり。系(ツナギ)の結び解げるの意にて。此より事の行はれるなり。又(テ)(手)に|を持つ。|は手に取る所の仕事の意。(指事)然れば丑は仕事を始めるの意にて。端緒なり。借りて月時の名となす古の十二月を牛と曰ひ。又十二時の一つの名となす。皆事を始めるの意に取る。又後世牛と訓ずるは。十二屬の配當にて。字の音義と關せず。
           
           
14 3 すすめる まないた かつ     薦(ススメ)るなり。此れを本義とす。字形は几(ツクエ)の系統なり。肉を盛って薦る俎の形なり。足に二横(_)あり(横木)なり。下の一は下地なり。置いて在る所の地なり。(象形)然れば俎且音義殆ど同じきも。俎は其器で且は其用なり。而して祖の古文の_に作るものと別字なり。又老子に慈を舎て勇を且(ト)るとは取の代用なりと。又(カツ)の語詞に用ひるものは字音の假借なり。諸書の注に此なり。復なり。將(マサニ)なり。未た定まらざるの詞なり。或は發聲の詞なり等是れなり。
           
           
15 3 おおいなり         大なり。一をもととし不を音とす。(形聲)一の字は以て太極の意とす。故に大の意とす。書經に天の大律を丕にす。又不顯休命とは。不は丕の代用となす。
           
           
16 3 セイ よよ       三十年を一世と爲すと。卅(サフ)(三十)をもととし。末の一筆を曳き延ばして。其意を示す。(指事)長い意なり。轉義は穀梁傳に天子。世子。天下を世(ヨヨ)にするなりと。周禮に世事。注に士農工商の事を謂ふなりと。
         
           
17 3 キユウ おか         土の高きなり。人の爲(ツク)りし所に非ず。(自然の地形)北と一の會意とあるが。小篆に泥みし説にて古文に依れば(象形)なり。一説に四方が高く。中央の下きを丘と爲すと。卽ち高層の地にして中クボの所を丘と曰ふなり。
           
           
18 3 ヘイ あきらか ひのえ       丙は南方に位し。萬物が成つて炳然たりと。夏氣分なり。字形は一入冂の(會意)とあると。古文にて知る丙は炳の古字なり。冂内に火が燃へて居る。その火氣は旺盛である。_にも作る。丁のと同意。故に借りて萬物の盛なる義となす。炳は明なり。火をもととし丙を音とす。丙炳音義同し。且つ炳に作らば火が重複になるなり。
           
           
19 3 ジヨウ たすく         翊(タスク)なり(輔翼の義)廾󠄂(キヨウ)(_)と卩(セツ)(節度の意)と山の(會意)山は高いもの。之を奉丞する意なりと。廾󠄂の兩手で節を持す。君を丞くるなりと。然も周古文は_卩の會意に山に從はず。按ずるに殷の古文は_(火)を省いてに作る。は烝の古文にて。氶と通用するものなるべし
           
           
20 3 ヘイ ならぶ         竝に同じ。立部を見よ。
           
           
21 4 h ひとつ       箇に同じ。竹部を見よ。
         
           
22 4 h チユウ なか うち あたる     和なりと訓ず。中庸に中和と是れなり。口は四方なり。其中央を|が一貫してゐる。中心を指し示す(指事)又中庸に中なる者は天下の大本なりと。論語に允(マコト)に厥(ソノ)中を執れ。疏に中正の道をいふと。中の義至て大なり。轉義は中心。中樞。秦策に母の中に在る有り。注に猶ほ内のごとしと。又史記に百發百中。秦策に是れ秦の計中す。注に得と。漢書の注に當るなり。禮記の注に中は猶ほ成るのことしとは庸の代用。又文字其中(ミ)。注に身なりとは躳の代用。又漢書の注に中は猶ほ滿のごとしとは充の代用又忠。仲。忡。の代用をなす。
           
           
23 4 h カン           卵に同じ。卩部を見よ。
           
           
24 4 h カン くしざし くし       毌貫に同じ。毋部を見よ。
           
           
25 4 チユ しるし とどまる       止する所あり。而して之を識るすなり。・に作るも同じ。(指事)今書を讀み句讀に、を附する是れなり。轉じて凡そ記識となし。また物象となすは假借なり。
           
           
26 4 丸󠄂 ガン まろぶ まるい       圜(マロ)く傾側(カタムキソバダツ)して轉(コロガル)ずるなり。字形は仄の反形にて仄と(轉注)なり。仄は側ち傾くと訓ず。人の厂(カン)の下に在るなり。厂は山邊の人が居るべき所であるが。横穴の危險なる所なり。此様な所に居る人は身體が傾側して轉落しそうで恐怖の念を抱くなり。然るにそれが遂に踏みはずして。ゴロゴロと轉落するを丸󠄂の字の本義とす。轉じマロキ形を丸といふ。丸󠄂を丸に作る非なり。莊子に官寮丸󠄂を弄ぶ。彈の字解に行丸󠄂なり。今の弾丸󠄂と同じ。又束皙賦に牢丸󠄂を飽食すと。團子なり。
           
           
27 4 タン あかいいし あかし     赤石なり。(礦物)取つて色料と爲す。_は丹石を采掘する所の井げたの形で中の・は丹石の形といふも(指事)轉義は禮記に繍黼丹朱。疏に赤色なり。
           
           
28 4 シユ ともしび ぬし あるじ     鐙(燈の本字)なり。_は火皿に臺足が附いてゐる形で。(シユ)は借りて心火(トモシビ)の形と爲す。然も(シユ)は亦音も兼ぬべし。(象形)にて形聲假借にも渡るなり。主を俗に炷に作るは非なり。又ヌシと訓ず宔の代用。宔は宗廟の神主なり。宀と主の形聲會意。故に轉じて主位。君主、主人の義となす。又一説に主人は(住)の代用。老子に敢て主と爲らずして而して客と爲ると。是れなり。
           
           
29 5 丿 乂󠄂 カイ かる         刈に同じ。刀部を見よ。
           
           
30 5 丿 𠂇 ひだり         同上。左右の左の本字なり。左の下を見よ
           
           
31 5 丿 ダイ すなわち         曳く詞の難なり。字形は氣の出る難渋なるの意に象ると。氣は語氣なり。本来下より上へ引上げて書くべきなり。便宜上。上より引下すのみ。無形の形ゆへ(指事)或は謂ふ乃は發聲の詞と。書經に乃ち羲和に命ずと。
ナイ          
           
32 5 丿 キユウ ひさし ふるし       久は字形に於て字義を知るべし。_は人の字の變形。_は人の兩脛の後ろより距止するものある意。而して長いこと離さない。是れ長久の義なり。(象形)孟子に以て久しかる可ければ則ち久し。公羊傳の注に久は稽留の詞なり。老子に天長地久。中庸に息まされば則ち久し。注に中に久常なるなり。論語に久要平生の言を忘れず。注に舊約なり。舊は久の代用。
           
           
33 5 丿 タク くさのは         艸葉なり。垂穂し上一を貫き下に根あるの(象形)
           
           
34 5 丿 ゆく この これ   出るなり。艸の伸び出るなり。艸が初め屮(テツ)より伸び枝や莖が益す大きくなり之(ユ)く所あるなり。一は地なり(象形)と。屮は艸木の始なり。屮より艸木の字を生ず。故に此れには艸となす。轉義は之き進となす。爾雅に之は往なり。詩經に死に之(イタ)るまて矢(チカ)ふて它(タ)(他)靡(ナ)し。箋に至るなり。又之(コ)の子于(ココ)に歸(トツ)ぐ爾雅に是の子なり。コノ。コレとは語詞にて。字音を借るのみ。經傳釋詞に之は言の間なり。事を指すの詞なりと。
           
           
35 5 丿 とどまる せまる うせる つくる しばらく 止るなり。一に曰く亡するなり。亡と一の(會意)一は礙ふる所あるなり。段氏は改めて亡を止むるの詞なりとなす。一理あり。然し此字は大疑問なり。凡そ殷周古文に據れば乍を以て作爲の作となす。蓋し亡は動なり。變なり。一は靜なり。正なり。動靜の宜きを得。是れ動作なり。故に説文に亡なり。又止なりと訓ず。動作の轉義は倉卒となし。倉卒の詞となす。廣雅に乍は暫(シバラク)なり。孟子に乍ち孺子を見ると是れなり。又按ずるに乍爲は作僞。詐譌の本字なり。爲の字は爪(手の義)象(似る)の會意にて。手眞似するなり。一轉して摹仿となる摹仿は眞に非ず。作僞なり。又詐譌なり。動行に作僞と曰ひ。言語に詐譌と曰ふ。此は後の分別にて。元は乍爲の轉義なり。然ば唯だ乍爲といふは。善にも惡にも通用の詞なり。又爲を見よ。
サク たちまち        
           
36 6 丿 ことばのひびき     語の餘りなり。兮をもととし(_)は气(キ)(氣)の上つて越揚するの形に象る。(指事)段氏云く。意が盡きず。故に乎と言て以て之を永くすと。兮は語の止まる所なり。八は語氣の發にて。丂は止まるなり。然れば一旦兮止した言氣が亦更に越揚し出づるを乎と爲すなり。東拷]く。サフシタモノカと疑ふとき。ニテハナキカと咏嘆するに用ゆと。
           
           
37 6 丿 ホウ とぼし         乏は字形に於て字義を知るべし。説文に先づ春秋(左)傳を引て曰く。反正を乏と爲すと。正しければ必ず充實し。正しからざれは必ず空乏す。理の當然なり。故に正の字を反對にして乏の字の義を爲す。(假借)なるも。正𣥄は轉注なること。上下の類の如し。楷書にて𣥄に書いては不便ゆへ。_に作り。亦乏に作りたるのみ。
ボウ          
           
38 6 丿 𠂤 タイ うずたかし         堆の本字なり。土部を見よ。
           
           
39 6 丿 カイ そむく もとる       戻(モト)るなり。𠁥(クワ)と𠔁(ベツ)の(會意)。𠁥は羊角の左右に背反する形。𠔁は別と意義近し。八の二重なり。八が兩方に分れる義なるに。それが二重卽ち二陪になれば。ソムクの意義は一層重厚となる。乖の字の義は以て知るべし。易に家道竆すれば必ず乖く。故に之を受くるに睽を以てす。睽は乖くなりと。賈子に和に反するを乖と爲す。楷書は形を失するなり。
           
           
40 6 丿 𡴘 コウ さいわい         僥幸の幸の本字。干部を見よ。
           
           
41 6 丿 𠂹 スイ たる         艸木の華葉の𠂹(タルル)なり。(象形)古文乇に従ふ。_亦象形。經傳は垂を以て代用字とす。垂は(𡍮󠄀)土をもととし𠂹を音とす。故に通用す。垂行れて𠂹は廢せり。
           
           
42 6 丿 ジヨウ のる のりもの       此字の説文の解釋は甚だ難解で。入と桀の會意。桀は磔と同じく罪人のハリツケなり云々と。然るに古文にて見ると。人が兩足を開張し。木上に登つてゐる(象形)である。字形字義は分明なり。大の字は大人の形ゆへ。造字には常に人とし用ひらる。乘の轉義は乘車。乘馬となる。又轉じて乘輿となり。又或は軍に乘ず。淩轢の義となす。又周禮其財用之出入を乘ず。俗に剩に作る。又孟子に萬乘。千乘。又百乘の家。朱駿聲云く。按ずるに此れ賦の法なり。賦の法に二あり。一は人を以て計ふる者。九夫を一井となし。六十四井を乘となす。長轂一乘る。馬四匹を出す。家を以て計ふる者。畝百を夫となし。夫三を屋となし。三百屋を成となす。革車一乘を得と。又繩勝塍の代用をなすなり。
           
           
43 7 オツ かがまる きのと しるし     春まだ寒く。艸木の芽が曲つてゐて。出かぬるを乙々といふ。(象形)用ひて十干の名(キノト)木の弟とす。又字形を借りて印(シル)しとす。乙識といふ。_の字と用義似たり
           
           
44 7 𠃉 イツ つばめ         燕とは𠃉鳥なり。齊魯に之を𠃉と謂ふ。其鳴て自ら謼(ヨ)ぶに取る。(イツイツはチッチッなり)(象形)とあり。古文に據れは_の省なり。後に鳥を加ふるのみ。
           
           
45 7 キユウ ここのつ きわむ       九は陽の變なりと。字形は屈曲究盡の形に象るとあるが。實は十の字を屈曲させて作つたもので七の字と同意の作法なり。十は數の完終で決定的の形義なるが其を屈曲させて究盡の意を寓し。十の前位に當てたるものなるべし。列子に一變じて七と爲り。七變して九となると。易の乾の初九の崔注に九は老陽の數なりと。
         
           
46 7 こう         气の俗省なり。コフと訓ず。の代用。气を見よ。
キツ          
           
47 7 へび なり       説文に女陰なり。象形とは。大なる誤なり。周器銘の也の字は正に它の字に作る。(象形)俗に虫を加えて蛇に作るは非なり。古音はタ。ヤ。イと轉通す。也をナリの語詞に用ゆるは。唯だ字音を借りて用をなすのみ。故に秦の文章に也の代わりに殹を用ゆ。顏氏家訓に也は語の巳(オハリ)及び句を助くるの辭なりと。又焉の如し又邪なり歟なり乎なりのごとしと。
         
           
48 7 トン           屮部を見よ。
           
           
49 7 乳󠄃 ニユウ こうむ ちちのます ちち     人及び鳥が子を産むを乳といふ。そして獸にはと曰ふ。古は此の如くに分別す。後世は通義とし分別なし。字形は𠃉(イツ)(玄鳥ツバメ)をもととし孚にて(會意)孚は鳥が卵を孚化するなり。子爪(モツ)の會意。爪は人の手に物を持つの形義なるも。借りて鳥が足で卵を轉ずる意とす。然れば乳は元と鳥をいふ。借り人をいふ。轉じて母乳。養ふ義とす。説文に乳の𠃉に從ふは子を請ふには𠃉の至る日を以てす。開生の候鳥と。
           
           
50 8 ケン ひのぼる かわく いぬい     乾坤の乾で。上出なりと訓ず。陽の義なり。乙をもととし倝を音とす。然も乙は陽の義にあらず。倝は日が始て出で。其光倝々(キラキラ)なり。然れば倝卽ち旦日朝陽が升り出で。溫氣が上發し。陰氣に壓せられてゐた乙が上出を得るなり。(形聲會意)説文に乙は物の達なりとは倝に遇ふの乙をいふのみ。易の説卦に乾は天なり。繫辭に乾は陽物なり。雜卦に乾は剛に坤は柔なりと。後人は以て乾燥の義となす。又重言して義をなり。易に君子終日乾々たり。
カン          
           
51 8 ラン おさむ みだる       治(オサム)るなり。乙をもととす。此乙は治るの意とある。卽ち乙識とて治るの意を印しするなり。形の假借となす。又𤔔󠄁は治むと訓ず。音はラン。幺(幼と同意)子が_(ケイ)(坰の古文)卽ち境界にて相爭ふ。それを𠬪(ヒヨウ)の兩手で引き分ける。故に𤔔󠄁は治めるなり。こうして治まつた意を乙にて印しにしたるなり。(ミダル)と訓ずるは𢿢の代用。俗に乱に作るは艸書の乱に出づ。
           
           
52 8 リヨウ あきらか さとる       本義は足の變形をいふと。詳かならず。字形は人の子の兩手無きなり。了は多く憭の代用にて行はる。(俗に瞭に作る)廣韻に了は慧なり。曉なりと是れなり。又轉じて爾雅の序に易了。釋文に照察なり。廣雅に了は訖(オハリ)なり。又了々といふ。
           
           
53 8 あたう         推し予へるなり。相予へるの形に象る。然れば__の合形で(象形)爾雅に予は賜なり。賚は予なり。又ワレと訓ずるは余。實は我の代用。爾雅に予は我なりと。
           
           
54 8 こと つかう       職なり。仕事するなり。史をもととす。本義は文官の職事なり。之(シ)()を音とす(形聲)爾雅に事は勤なり。左傳に政事を爲す。庸力行務。注に君に在て政と爲し。臣に在て事と爲し。民功を庸と曰ひ。治功を力と曰ふ。轉義は周書諸事を加ふれば則ち萬物服す。注に業なり。周禮に國の大事。注に喪戎(モイクサ)を謂ふ。詩經に三事大夫。箋に三公と。又禮記の注に事は猶ほ立のごとしとは植の代用。又禮記の注に事酒は今の醳酒と。の代用なりと。
           
           
55 9 ふたつ ふたたび       一が天で二は地であるから陰の數と説いてある。然し字形は一を二つ合わせたもので(會意)なり。但し篆は上下の一の長さは同じ。二に作れば古文の上の字となる。注意すべし。又禮記に卜の日二君を稱す。疏に副貳なりと貳の代用と。
         
           
56 9 おいて ここに     於(ニ)なり。气(キ)(氣)の舒于(ノビル)に象どる。丂(コウ)をもととし一に(會意)一は气(キ)の平らかなる意と假借なり。蓋し丂は氣が舒出せんと欲して。_が下から上に向つてゆくと上の一が障礙となり。升れない。然るに于は其_が一の上に舒び出たのてある。それが一の形の如くに平らになる。字義以て知るべし。於は烏の地なり。于と同音通用なり。説文の此解は借字を以て本字を説くなり。詩書は于を用ひ論語は於を用ゆ。
           
           
57 9 おいて ここに     上に同じ。
           
           
58 9 いつつ         此字も随分複雑に解釋してあるが。易と結びつけた説ゆへ今は省く。但し二に從ふものは天地の意で。天地の間に陰陽の氣が錯互してゐるの意とあるが。初の古文で見ると×は十を變じたもので。十の正形でないから半數となる。(假借)である。_に作るは(會意)五は後出字なり。五行の意に出づべし。又伍。午の字の代用をなすものあり。
           
           
59 9 ウン いわく         雲に同じ。雨部を見よ。イハクと訓ず曰の代用。
           
           
60 9 なわまき たがい       繩を收(マキオサ)むべき者なり。其器は竹にて作る。中は人が手で推し握るに象るとある。然し字形に依て考るに。工が絲を巻收すべきの器具で。此の_は丩の字。借りて交互に巻き收むるの意とす。故にタガヒの義とす。交互。參互といふ是れなり。互は(象形)は(會意)なり。轉義は周禮の注に肉を縣るの格と。周禮に以て參互して日の成を攷ふ。又漢書に宗族槃互。注に犬牙の相交入するが若きを謂ふと。
           
           
61 9 セイ いど       八家を一井と爲すと。古は八戸ごとに一つ井戸を用ひたるなり。は井桁(ゲタ)の形で・は釣瓶の象(カタチ)とある。・なきは省形なり。白虎通に井に因て市を爲すなり。故に市井と言ふと。又轉じて風俗通に。井は法なり。節なり。法制を言ふと。故に㓝の字井に從て法の意となす。易に井はコの地なり。荀子に井々なり兮其理有りと
           
           
62 10 よつ         四の古文なり。囗部を見よ。
           
           
63 10 カン もとめる めぐる       求め亘るなり。二と回にて(會意)は古文の回の字。二は此より彼に。彼より此れに物を求め回(マハ)るなり。段氏云く求むる所が上に在れば則ち(回)轉して上り。求む所が下にあれは則ち(回)轉して下ると亦通ず。又云く易の盤桓は當に般亘に作るべし。般は辟なり。亘は回なり。馬融云く槃桓は旋なりと。
セン          
           
64 10 コウ さかい わたす       竟なり。二を兩岸となし。舟が其間にあるの(象形會意)舟は渉る意なり。亙は渡舟場水陸の竟界なり。轉じて渡るの義となす。但し字の木に從ふは未だ詳かならず。或は云く字亦に作る。禮記に葬引てに至る。注に道なり。〇周古文にあり。詩經の月の恆(ユミハリ)の如しの恆なるべし
           
           
65 10 况󠄂 キヨウ           況の俗字。水部を見よ。
           
           
66 10           呰の俗字。呰の艸書の_より誤りしなり。
           
           
67 10 セイ           齊の古文のより出づ。而して齊と通用なり。
サイ          
           
68 10 みにくし つぐ       醜(シウ)(ミニクシ)なり。人の背の局(アガ)るなりと。按ずるに字は工を人の意とす。(巫壬の工と同意)_を局背(セムシ)の形とす。(假借)次(ツキ)と訓ずるは敘の代用。〇周古文にあり。亞室の義。其基礎に象る。
           
           
69 10 キヨク すみやか しばしば いたる     敏疾なり。人と口と又(テ)(手)と二とにて(會意)二は天地の意なりと。徐鍇云く。天の時に乘り。地の利に因り。口に之を謀り。手に之を執る。時は失う可からず。疾(スミヤ)かにするなりと。段氏は云く。天地の道は恆久にして巳まず。手疾口疾にして夙夜懈らず。君子は自強息まず。人道の天地と輿に參する所なり。故に人に從ひ二に從ふと。轉義は爾雅に亟は疾なり。速なり。詩經に亟かに其れ屋に乘れ。箋に急なり。
           
           
70 10 亡󠄃 ボウ かくる なし ほろぶ     逃るるなり。逃亡を本義とす。_(イン)は匿るるなり。曲り曲りて逃れ隱るる迹の意とす。(入)は逃げ入りウセルなり。(會意)轉義は有亡(アルナシ)の字となす。バウ。とムは轉音なり。此義は經傳に無を以て代用字とす。無は𣟒なり。唯だ音通のみ。漢人は𣟒の字を作り之に當てたるは非なり。秦瓦文に與天𣟒極の語多し。漢瓦文も亦同じ。亡に從ふの𣠮は後漢に出でたること知るべし易には无を用ゆるは奇字とて詳かならす。又轉じて死亡。亡失の義となすなり。
           
           
71 11 コウ くびすじ たかし あがる     人頸なり。大の省き(_)をもととし(__)は頸脈の形に象る。(象形)然も大の上部を借りて意となす。小篆は頁を加ふ。頁は首なり。又頸の意とす。亢の俗字は吭に作る。轉義は周書に重亢。注に累棟なり。又左傳に身を亢する能はず。又以て其讎に亢すとは抗の代用。又東方朔畫贊に頡頏以て世に傲るとは𡕧の代用。詩經に燕々于(ココ)に飛んで之を頡し之を頏す。頡頏對言す。傳に飛んで而して下るを頏と曰ふと。
           
           
72 11 コウ あしをかわす まじわる こもごも   脛を交ふるなり。字形を見れば義は明なり。(象形)書經に南交は南方の交趾の地で。此處の人は足を交はして歩するなりと。轉じてマジハルの義となす。小爾雅に交は倶なり。廣雅に合なり。荀子に諸矦交接を懐はざる莫し。注に連結なり。楚辭に交り忠ならず兮怨長し。注に友なり。又交情。交際。交接。交渉といふ是れなり。又淮南子に畫を交(トドメ)して暢びす。注に止なり。左傳に其れ九月十月の交か。卽ちコモコモの義となす。但し交錯とは䢒逪󠄁の代用なり。
           
           
73 11 ガイ きざす       荄なり(荄は艸根なり)十月に微陽が起りて盛陰に接す。_は古文の上の字。一人は男。一人は女。_は褱(イダク)子の咳々たるの形に象ると。然も此解説は漢人の陰陽説にて當てにはならぬ。疑を存するに如かず。又借りて十二支の名に配當す。但し豬に當てるは漢以後のこと。字の音義は關せず。〇愚按ずるに_は上の字にて陽の意となすも_の諸形は陰氣の盛なる意を書き見はしたるものなるべし。
           
           
74 11 エキ わきのした また       人の臂亦(ヒエキ)なり。大は人の形なり。兩傍の點はワキの所を指し示したるなり(指事)俗字は腋に作る。而してマタといふ。語詞の字となす。其音を借るのみ。
           
           
75 11 亨󠄁 キヨウ たてまつる そなえる うく とおる にる は獻なり。字形は高の省きをもととし_は孰(ジク)(熟の本字)物の形に象る。然らば烹熟したる御料理を。澤山に山盛りにして。神前に供へるなり。(象形)は饗と音義近し。神事に祭亯といひ。人事に饗宴といふ。皆誠意に行はる。誠意精進なれば。神は之を享く。亯享同字。享(ウ)くは轉義なり。神に亯して神之を享く。誠意が通するなり。亯亨も同字一義の轉なり。一説に熟物の氣は融通すと。其熟物は割して作る。字亦烹に作て分つ。古に非ず。又一説に周禮に割禮に割亨煎和の事。注に煮なり。此義は𩰱の代用なりと。は煮なりと訓ず。鬲をもととし羊を音とす。字亦鬺𩱑に作ると。羊亯音は通ず。又或は亯饗の二字互に通用す。左傳に止めて而して之を享す。注に食なり。兩君相見るの禮とは享を以て饗とするの例なり。又周禮に饗禮九獻。儀禮に祝饗。注に神に饗を告ぐるなり等は饗を以て享とするの例なりと。
コウ          
ホウ          
76 12 ケイ みやこ おおおか おおいなり     人の爲(ツク)る所の絶高の丘なり。字形はの省きと(丘)の省きにて形をなす。(會意)_を高の省。|を高きの意となすとの説は非なり。人爲的の高丘なれば民の安居する所なり。京師是れなり。師は衆なり。轉義は廣雅に京は大なり。詩經に京室の婦。傳に王室なり。又重言して義をなす。詩經に憂心京々たり。楷書の京は亰はに出づ
キヨウ          
           
77 12 リン           廩に同じ。广部を見よ。
           
           
78 12 テイ やどりいえ とどまる       民の安亭する所なり。高の省きをもととす。亭には高楼あるがゆゑなり。丁を音とす(形聲)古の制度に三十里ごとに宿舎(旅館)あり。此を亭といふ。此處は旅客の安心して留る所とす。故に亭に止まるの義あり。俗に停に作る。釈名に亭は停なり。人の停集する所と。停は漢の俗字。漢書に郵亭に因り。書以て聞す。注に卽今の驛遞なり。又泗上の亭長。注に行旅を停留す。宿食の館。後漢書に亭に長有り。以て盗賊を禁ず。
チン          
           
79 12 リヨウ つよし あきらか まこと     彊(ツヨシ)なり。人をもととし京を音とす。(形聲)キヤウ。リヤウ一轉音なり。_は同じ。_は_の省き。移して上にあり。亮w同じ。朱駿聲云く彊なりとは勍の代用。本義は明なり。諸葛亮の字は孔明。稽康の詩に皓々たる亮月と是れなり。又知なり助なりと訓ず。景の代用。詩經に彼の武王を亮く。景(カゲ)(影)の形に合して相助くる如し。又信と訓ずるは諒の代用。書の皋陶謨に亮(マコト)に有邦に采ると。
           
           
80 12 ハク くにのな         京兆の杜陵亭なり。高の省をもととし乇を音とす。(形聲)
           
           
81 12 ダン ゆたか あつし まこと     穀多きなり。㐭(リン)(廩)をもととし旦を音とす。(形聲)爾雅に亶は厚なり。朱駿聲云く。亶は擅の代用をなす。嫥擅なれば卽ち誠信なり。爾雅に亶は信なり。誠なり。又太玄の亶表。注に盡なり殫の代用と。
           
           
82 13 ジン ひと さね       人は天地の性で最も貴き者なり。(象形)蓋し人身の側視形なり。の正視形なるを避くるなり。説文に_を古の人の字となす非なり。周古文元允の下形皆に作る。人亦借りて果實の核をいふ。
ニン          
           
83 13 ジン いつくしむ したしむ あわれむ     親むなりと訓ず。人二の(會意)二人が親む。一方の人に慈愛心があるからである。二人は三人となり。三人は萬人となる。老子に一は二を生じ。二は三を生じ。三は萬物を生ずと。其理なり。舜は仁者であるから。居る所は一年で聚を成し。二年で邑を成し。三年で都を成す。是れなり。韓非曰く仁はコの光りなり。莊子に親んで廣からざる可からざる者は仁なりと。人(ジン)は音を兼ぬ。一視同仁。故に古文千心にて會意す。千も亦音を兼ぬ。
ニン          
           
84 13 シユウ たもつ あつむ くみがしら     相什保するなり。人十の(會意形聲)十は音を兼ぬ。周禮に其什伍を會す。注に五人を伍と爲し。十人を什と爲す。(卽ち組合法なり)鄭玄曰く保は任なり。(組合の團長。什長なり。)管子七法の注に軍の部に十官を置く。必ず伍と什と則ち長あり。故に十官と曰ふと又史記の五帝紀に什器。索隱に人家常用の器は一に非ず。故に十を以て數と爲すと。此は別出の會意。什器。什物なり。段氏云く古は任器と曰ふ。古今の語なり。周禮の任器。鄭注に任は用なりと。
ジユウ          
           
85 13 たおる のめる たおす     頓(ツマヅク)なり。一本に僵は却(シリゾ)き偃すにて。仆は前に覆(フ)すなりと。人をもととしトを音とす。(形聲)ボク。フ古音轉通す。素問に水を度(ワタ)り跌(ツマヅ)き仆る本義なり。史記に表を仆すと轉義なり。
           
           
86 13 キユウ たぐい つれあい あいかた     讎(アタ)なり。人をもととし九を音とす。(形聲)轉じて相對し向ふの名となし。匹仇の義となす。詩經に君子の好仇。或は怨耦となす。善惡ともに仇と稱するを得るなり。
アタ          
           
87 13 シユウ           集の注を見よ。
           
           
88 13 カイ さかい はさまる そえる たすく おおいなり 畫するなり。(境界をシキルなり)字形は人と八の(會意)人各(オノオノ)介ありと。自他の界。己の兩傍には界畫あるなり。八は分なり。其意となす。轉じて介在の義となす。又介副(カイゾヘ)の義となす。賓客の兩傍に在て補助するなり。故に助と訓ず。又介は善なりとは价の代用。又易に茲(コ)の介福を受く。爾雅に大なりとは𡗦の代用をなす。詩經に爾の介を疆す。又介蟲は甲の代用。
           
           
89 13 ソク           厂部を見よ。
           
           
90 13 キン いま         是の時なり。亼(シフ)_(キウ)の(會意)_は古文の及の字と。亼は集合の集の本字なり。數世。積年の意とす。以て今日に及びしなり。卽ち今なり。昔の反なり。
コン          
           
91 14 ジヨウ よる なお       因るなり。人をもととし。乃を音とす。(形聲)廣雅に仍は從(ヨル)なり。又重ねるなり。周語に晉仍(ナホ)無道なり。論語に舊貫に仍ると本義なり。又就くと訓するはの代用なりと。
           
           
92 14 シユウ ゆるす         相聽すなり。二人の(會意)經傳は隨從の從を以て代用す。服從。面從の類は是れなり。
           
           
93 14 ヒヨウ こおり         冫の本字。冫部を見よ。
           
           
94 14 まなぶ しごとする つかえる     學ぶなり。人をもととし士を音とするも。(形聲會意)士を事ふと訓ず。士仕音義近し。論語に仕(ツカヘ)て而して優なれば則ち學び。學んて而して優なれば則ち仕ふと。
           
           
95 14 になう ほか       負(オホ)ひ何(ニナ)ふなり(何は荷の本字)人をもととし它(タ)を音とす。(形聲)説文は也を女陰と訓ず大なる誤なり。也它(蛇)は同字なり。然れば佗他の同字なるは。沱池の同字なると一例なり。漢書に一馬を以て三十日の食を佗負すと。轉じて畜産の負載を言ふ。字亦駝に作る。駝も是れなり。又自他の義は它を本字とす。虫部の蛇を見よ。
           
           
96 14 シン           信の古文。下を見る。
           
           
97 14 あたう つく       予(アタ)ふるなり。寸は又(手)と通ず。甲の人の手から乙の人に物を與へるなり。又と人の(會意)交附。附與とは付が本義本字。付をツクと訓ずるは附。坿。駙の代用なり。
           
           
98 14 ダイ かわる かわり よよ     更(カハ)るなり。更改(アラタマル)の義なり。人をもととし弋を音とす。(形聲)古音は弋(ヨク)。代(ダイ)轉通す。又凡そ此を以て彼に易ふ。之を代と謂ふ。次第(シダイ)に相易はる之を遞代と謂ふと。凡そ異語を相易へる。之を代語と謂ふ。段氏云く代の字を以て世の字を代用するは唐人の諱を避くるに起る。世は代と義同じからずと。晋語に子父をして代るがはるを處せしむ。注に更(代)なり。漢書の注に。五代は唐虞夏殷周を謂ふなりと是れなり。ダイ。セイ轉通。又漢書に歳ごとに處を代ふ故に代田と曰ふと
           
           
99 14 よく たゆる       克つなり。人をもととし子を音とす。(形聲)詩經に仔肩の字あり。毛傳に克なり。鄭箋に任なり。仔肩の二字義同じ。俗に仔細の字を用ふ。或は微の代用か。微仔音通を得るなり。
           
           
100 14 セン やまびと         人の山上に在る貌なり。人山の(象形會意)隷楷に仙に作る上の義を失す。釋名に老いて而して死せざるを仙と曰ふ。仙は遷なり。遷つて山に入るなり。又僊を見よ。
           
           
101 15 仗󠄄 ジヨウ まもり         古は杖を以て之となす。仗は淮南子と廣韻以下の字書に見ゆ。然も唐の制に。殿下の兵衛を仗と曰ふ。漢書の李尋傳に近臣巳に杖(タヨル)に足らずと。注に杖は仗なり。卽ち知る仗は杖の俗變なり。淮南子は後人の改寫なること疑ひなし。兵衛が杖を執つて君側を守護す。杖を執るは人であるから仗に作る。
           
           
102 15 セン おさ         説文には伍什佰ありて仟なし。段氏云く廣韻に云く。千人の長を仟と曰ふ。毛晃云く。文字音義に出づと。六朝字なり。
           
           
103 15 ゼン おなじ         説文に仝は全と同字なり。然るに正字通に曰く。道書の同は仝に作ると。此仝はの異體にして。同の代用音通なるべし。
コウ          
           
104 15 㚢󠄁           奴に同じ。女部を見よ。
           
           
105 15 仞󠄁 ジン たてのひとひろ みつる みとむ   臂を伸ぶるの一尋(ヒロ)にて八尺なり。人をもととし刃を音とす。(形聲)或は曰く八尺は七尺の誤り。廣さ(横)八尺を尋と曰ひ。深さ(豎)七尺を仞と曰ふと。又上林賦に宮館をふし而して仞る勿れ。注に満るなりとはの代用。又列子に夢に人鹿を仞(ミト)む。允の代用。字或は認に作る。後漢書に人有り其馬を認むと。認は」の俗字なり。牣」皆同音にて通借するなり。
           
           
106 15 レイ つげる おしえ おさ よし   號令を發するの令なり。亼(シフ)卩(セツ)の(會意)亼は集合の集の本字。卩は節鉞。符節の節の本字。天子の代更(カハ)りに。先代が諸侯に授けて置いた卩(卽ち爵位の證)を徴集し其眞僞を調査する。此時に發する命令が令の字の本義なり。轉じて教令。禁令。律令。告諭の義となす。爾雅に令は告なり。冠子に令は制を出す者なり。賈子に天子の言を令と曰ふ。書經に號を發し令を施す。臧からざるなし。禮記に相に命しコを布き令を和すと。又爾雅に令は善なり。(古本は令を靈に作る)詩經に令聞令望。令儀令色。令妻壽母は良。靈の代用なりと。
リヨウ          
           
107 15 シン           鬒に同じ。髟部を見よ。
           
           
108 15 コウ おおはら         肛の本字。今肉部に入る
           
           
109 15 以󠄂 もちう もつて にせる     此篆は今の似の字なり。(イ)はムなり。似に作れば人が重複す。以󠄂を似の正形となす。説文には象るなり。人をもととし㠯󠄂を音とす。(形聲)又説文に以󠄂は用ふと訓ず。巳(シ)の字の反形とあるは誤りなり。周器古文は__に作る。(巳)の反形にあらず。實は矣の本字なり。さて似は像どるとは取り用ふるの義となる。一轉義のみ。説文に㠯󠄂は用なりと是れなり。又常語となしモツテの字を。宋本經傳は㠯󠄂に作る。以󠄂の代用のみ。
           
           
110 16 チユウ なか         中なり。人中の(會意形聲)仲は伯仲季の仲で其位次中にあり。古文は中を以て仲となす。
           
           
111 16 キヨウ あおぐ おおせ       首を擧ぐるなり。人をもととし卬を音とす。(形聲會意)卬にアフグの義あり。仰は俛(フ)仰の僞。卬は仰望。敬仰の仰の本字。
ギヨウ          
コウ          
112 16 ケン ことわけ くだん       古此字なし。六書故に件は物の別なり。又名件。條件。俗に物の數を號して若干件と曰ふと。一説に件は牽の俗字。周禮に牽合して物を等(ヒトシク)する所以なり。正に此義なりと。
           
           
113 16 カイ よし         善なり。人をもととし。介を音とす。(形聲)又介を善なりと訓ずるは价の代用。今小价の字を用ふ。芥の代用なりと。
           
           
114 16 エキ           役に同じ。彳部を見よ。
           
           
115 16 ジン たえる たもつ       保つなり。人をもととし壬を音とす。(形聲)保は養なり。壬は古の妊の字。充實の意あり。會意を兼ぬべし。轉義は負(オホフ)なり。勝(タヘル)なり。論語に重きに任ずる能はず。注に勝なり。又の代用をなす。
ニン          
           
116 16 フク ふす うかがう       司(ウカガフ)(伺)なり。人犬の(會意)犬は能く人を伺ふものなり。犬が人の擧動を伺候して吠えるなり。轉義は俛(フ)伏なり。易に坎を隱伏と爲す。廣雅に伏は藏なり。又荀子に伏膺とは。服實は𠬝(フク)の代用。又左傳に蒲伏は匐の代用。
           
           
117 16 バツ うつ ころす ぬきんず ほめる もとる 擊(ウツ)なり。人の戈を持つの(象形會意)本義は征伐なり。轉義は殺なり。又轉じて凡そ擊つの義となす。管子に鐘鼓の縣を伐(ウ)つ。又史記に其等を明にするを伐と曰ひ。日を積むを閲と曰ふ。字俗に閥に作る。論衡に吏の上功を伐と曰ふ。此等は拔の代用。拔擢なりと。論語に善に伐(ホコ)る無し。小爾雅に伐は美するなり。亦然りと。又詩經に是を伐コと謂ふとは悖の代用なり。又考工記の匠人に一耦の伐とは發の代用なり。
           
           
118 16 キユウ やすむ よみす       息ひ止まるなり。人の木に依る(象形會意)人が木の下(シタ)蔭に息ふは古意なり。字亦_に作り广(イエ)に從ふ。广宀同じ義なり。屋下に休息す。轉義は左傳に怒を休む。休怠。注に解(オコタリ)なり。後漢書に郡吏休を得。注に暇なり。又喜の代用は爾雅に休は美なり。慶なり。易に天の休命に順ふ。洪範に休徴。後漢書の注に休徴は美行の驗を敘す。周語に晉の休戚を爲す。注に喜なり。キ。キウ一轉音なり。又左傳に燠休とは煦の代用なり。
           
           
119 16 ひとのな         殷の聖人なり。天下を尹治する者なり。人尹の(會意)尹は吏なり。治むるなり。その又(テ)(手)に_(事の意)を掌握するの意なり。伊をコレと訓ず。字音を借り辭となす。
           
           
120 17 仿 ホウ さもにたり ならう さまよう     相似なるなり。見分けがつかぬなり。人をもととし方丙を音とす。(形聲)ホウ。ヘイ轉音なり。仿佛連言なり。髣髴と同じ。又經傳の放(ナラフ)效とは放は代用字。亦倣(ナラフ)に作る。轉義なり。似せるは效(ナラ)ふなり。
           
           
121 17 コウ あたる たかし たけし     人の名なり。人をもととし亢を音とす。(形聲)又左傳に伉儷。注に敵なり。秦策に天下之に能く伉する莫し。注に當るなりとは抗の代用。又詩經に高門伉たる有り。傳に高大なり。亢の代用。又健を伉と訓ずるはの代用と。の本義は健犬なり。其轉義なり。
           
           
122 17 おさ         相參伍するなり。五人の(會意形聲)五は又音なり。周禮に五人を伍となし。五伍を兩となす。又什伍を會し之に道藝をヘゆ。周書に五戸を伍と爲す。其制各の異る。
           
           
123 17 くみす そこなう わざ     與(クミスル)なり。人をもととし支を音とす。(形聲)段氏云く黨與なり。廣韻に侶なり。又詩經に人を𥷤(セメ)して伎忒すとは伎(ソコナフ)の代用。又思元賦に伎藝を雜へて以て珩と爲す。注に手伎とは技の代用なり。
           
           
124 17 つまだつ くわだつ       (クビス)を擧ぐるなり。人をもととし止を音とするも(形聲會意)止は足首なり。漢書に日夜企を歸るを望む。足をツマダテて人の歸るを待つなり。又釋名に企は啓なり。啓は開なり。言ふは自ら之を延竦(ノビアガル)すれば時に樞機皆開帳すと。延身すれば先きが見ゆ。今企圖。企業といふ。此義に出づ。
           
           
125 17 ギン ひとあつまる       衆󠄅立なり。三人の(會意)亦三は萬を生ずの意。衆󠄅。聚は㐺に從ふ。
           
           
126 17 ヒン           彬に同じ。彡部を見よ。
           
           
127 17 ハク はじめ おさ はたがしら     長子なり。伯仲季の伯なり。人をもととし白を音とす。(形聲)轉義は公侯伯子男の伯となす。孝經の注に伯は一國の長なりと。經傳は霸を借り之となす。霸業といふ。論語に諸侯に霸なりと是れなり。又孟子の什伯は佰の代用。
         
           
128 17 伴󠄃 ハン おおいなり くつろぐ ともがら     大なる貌なり。(身體の大をいふ)人をもととし半を音とす。(形聲)大學に心廣く體胖(ユタカ)なり。胖は伴の代用字。緩やかに餘裕あるなり。詩經に伴奐として游ぶ。傳に伴奐とは廣大にして文章ありと。箋に自ら縦恣するなりと。皆本義の傳なり。又楚辭に又何を以て此伴を爲す。注に侶(トモ)なりとは㚘の代用。_(㚘)は並び行くなり二夫の(會意)
           
           
129 17 うる         古人尸通用す。估は居の異體なるべし。賈の代用とす。賈を見よ。
           
           
130 17 うかがう         古は唯だ司を以て之となす。臣は外を司(ツカサドリ)掌(ツカサドル)するものなり。又伏伺といふものは。事に服事するなり。伺候。伺察皆元と司に作る。伺伏の二字義近し。伏も見よ。
           
           
131 18 レイ つかうど がくにん       弄なり。人をもととし令を音とす。(形聲)徐鍇云く。伶人は弄臣なりと。吾舊俗の茶坊主の類なるべし。轉じて伶利黠慧(コリコヲ)の義とす。又樂人を伶人と曰ふはを本字となす。の本義は水の名なり。用ひて姓と爲し。樂人の姓となる。因て一般の樂人を伶人と曰ふなり。
           
           
132 18 にる         象(ニ)るなり。人をもととし㠯󠄂(イ)を音とす。(形聲)實は以󠄂に同じ。上を見よ。
           
           
133 18 シン のびる         屈伸の伸なり。人をもととし申を音とす。(古申伸神同字なり。天神は萬物を引出すと。引き伸ばす。申はノビルの意なり。人功の引伸。人身の舒長。一義の轉用のみ。又屈信といふ。信は代用字。儀禮に君子に欠伸すと。
           
           
134 18 デン ひとつえのくるま たつくる つくりだ かり 中なり。(一轅(ナガエ)が兩牡の中にあり。故に中と名く。)人を(御者)をもととし田を音とす。(形聲)按ずるに左傳に中佃に乘ず。疏に甸は乘なり。四丘を田となす。車一乘を出す。故に甸を以て名と爲す然らば田租よりして車の名となす。疑らくは本義にあらざるべし。また_は天子の五百里の地なり。田勹(ハウ)(包(ツツム))の會意。而して古文は人に從ひ勹に從はず。佃甸は元と同字なるべし。畿内の田を本義とし。仲田を轉義とす。又畿田の轉義を。田を治むとなす。漢書に方に佃して時を作す。注に治田なり。廣韻。玉篇も然り。朱駿聲説は此を本義とし。他を轉義となす。又佃獵は畋の代用なり。
           
           
135 18 タン はだぬぐ はだか ただ     裼(ハダヌク)なり。人をもととし旦を音とす。(形聲)裼は但なり二字義同じ。但は肉但なり。又徒肌(スハダ)なり。經傳多くは袒を代用字となす。禮記に勞するも袒する毋れ。孟子に袒裼裸裎と皆是れなり。袒は衣の縫なり。轉じて(ホコロビ)の義と近じ。字亦綻に作る。但袒音通の字なり。又但をタダと訓じ。語辭となすは字音を借るのみ。
           
           
136 18           侮に同じ。下を見よ。
           
           
137 18 チヨ たたずむ         宁の俗字なり。詩經に佇立。爾雅に佇は久しきなり。毛傳は宁立久しに作る。古本は宁に作るなり。宁は物を積むなり。停滞なり。停も古は亭に作る。亦俗に竚に作る。
           
           
138 18 くらい         朝廷にて爵位の次弟(シダイ)に依るなり。卽ち君臣の席次なり。人立の(會意)而して周器の銘は唯だ立を以て位となす。古音轉通す。亦卽位。神位。天地位す。轉義なり。
           
           
139 19 テイ もと いたる ひくし     氐はドンゾコまで至りつくなり。氏の下が一に著(ツク)す。一は地なりと。氏は山の名で_は傍脅(カタワキ)が張り出てゐる形である。其フクレが落ち崩れる性質の者。卽ち俗にいふ大崩(オホクヅレ)なり。此氏の下氐根本が地上に著くを氐といふ。詩經に維(コ)れ周の氐。傳に本なり。爾雅に天根は氐なり。又高低となす。又低當といふ。一轉義なり。史記の孔子世家の贊に低回して之を留むと。又大低といふは抵の字の義となすと。抵あ推すなり。其轉義なり。
           
           
140 19 ジユ とどまる すまう       立つなり。人をもととし豆又はを音とするも。(ジユ)は立なり(形聲會意)又辵部の逗は止まるなり。と音義近じ。豆も立形。而してトウ。ジユ古音轉通。主シユも亦通ず。按するに人の止(トドマ)るをといひ。馬の止(トドマ)るを駐といふ。兩字音義相近し。兩字の形相渉て住の字となりしなるべし。後漢書に車を停め節を住むと。住は漢末六朝に出づべし。一説には主客の主の字と。
ジユウ          
           
141 19 たすく         古此字なし。左を本字となす。周末より漢にかけ。左右の字を借りて_(サ)(𠂇)ヒダリ(ユウ)(又)ミギの字となせしより。左右(タスケ)の字に二義あり。混ずるにより。漢時代からタスクの義の本義の方へは人を加えて佐佑に作り。分別することとなり。佐佑は漢人に出づ。
           
           
142 19 ユウ たすく         古は右を用ゆ。上の佐を見よ。
           
           
143 19 𠇙 ゴウ つよし         剛に同じ。刀部を見よ。
           
           
144 19 になう         他に同じ。上を見よ
           
           
145 19 になう なんぞ たそ せめとう   儋(ニナフ)(擔の本字)なり。人をもととし可を音とす。(形聲)又本義に荷を以て代用字となす音通のみ。詩經に天の休を何ふ。傳に任なり。又蓑(ミノ)を何ひ笠を何ふ。本字本義。又發聲の詞とて。經傳に何(ナニ)を以て。何人か有らんの如き。皆字音を借るなり。周石鼓文其他皆何に作る證すべし。何如ん奈何も同じ。又説文に一に曰誰(タソ)やと。何誰とは又誰何に同じ敦訶の代用。責め問ふなり。
           
           
146 19 ホン あらし からだ       古此字なし。廣韻に体は麤(アラシ)なる貌なり。又劣なり。蒲本切。とは笨の俗字なり。又俗に体を體とす。俗字の躰の艸書の_より譌出せるか
タイ          
           
147 19           古此字なし。蓋し加の俗字なるべし。字書にては廣韻に伽藍なり。求迦。切と見ゆるを始めとすべし。佛家の用ゆる所。六朝の字。音に主とす。
           
           
148 19 ことばのびる あまり われ   語の舒(ノビル)なり。八をもととし語氣の分散(しノビル)の意となし。舎(シヤ)の省き音とす。(形聲)シヤ。ヨ音は通ず。又余をワレと訓ず。我の代用。ガ。ヨも音通ず。
           
           
149 20 ホツ よくにる たがう ほとけ     見て詳かならざるなり仿佛なり。仿(倣)下に詳かなり。亦髴と音義同じ。又曲禮の注に佛は戻なり。片言の注に違ふなりとは弗拂の代用。又後世ホトケの義となす。字音を借りて名となすのみ。佛語の字多く然り。
フツ          
           
150 20 つくる おこす       起なり。(作興なり)動作なり。作爲なり。書經に新民を作(オコ)す。字形は人乍の(會意形聲)古は乍を以て作となす。乍に亡(ニグ)る。止めるの二義あり急遽となす。轉じて作造となす。易に聖人作つて而して萬物睹(アラ)はる。孟子に雲を作とす。
サク          
           
151 20 イツ ひまのたみ たのしむ       佚民なり。(論語に逸民に作るは借字)人をもととし失を音とす(形聲)又孟子に佚道を以て民を使う。漢書に士も亦佚樂す。一義の轉なり。又孟子に遺佚(ワスル)とはの代用は忘なり。又忽忘なり。又公羊傳に晉の𡨥を佚す。漢書に熊佚し圏を出づ。此等は逸の代用。又蒼頡篇に逸蕩なり。方言に佚は婬なり。論語に佚遊を樂む。漢書に男女淫佚。此等は泆の代用なり。
           
           
152 20 ネイ へつらう ごまかし       巧諂の高才なり。女と信の省きとにて(會意)女子の信はョに足らず。いはゆる黠智なり。論語に祝鮀の佞。皇疏に口才なり。晉語の注に譌善なり。鹽鐵論に。邪を以て人を導く之を佞と謂ふ。或は左傳に寡人不佞。又諸侯不佞と。轉義なり。口才無く意を盡す能はざるなり。
           
           
153 20 カイ           回の俗字。囗部を見よ。
           
           
154 20 ハイ おび おびる       大帶の佩なり。古の制は革帶あり鞶と曰ふ。其上に大帶を加ふ。之を紳と謂ふ。而して更に其上に佩を加ふる者なり。人凡巾の(會意)佩には必ず巾をつける。之を飾と謂ふ。(今の手拭ひなり)凡は誰も帶びぬ者無きの意なり。周禮に王の服玉。佩玉。注に王の佩ぶる所の者なり。詩經に雜佩。傳に珩。璜。琚。瑀。衝牙の類と。佩へは種々の者を附す。釋名に佩は倍なり。其一物に非ず。倍貳有るを言ふ。珠あり玉あり。容刀あり。帨󠄁巾あり。觿ありと。字俗に珮に作る。
           
           
155 20 ヨウ いつわる         古此字なし。古人儿同じ。佯は羌の異體なり。イツハルと訓ずるは詳の代用。能く詳(クハシク)かに似せるなり。又オモテムキと訓ず。昜(陽)の代用なり。
           
           
156 20 ハク ひとのかしら たのさかい     相什佰するなり。人佰の(會意形聲)百は音を兼ぬ。段氏云く佰の言(イヒ)は百なり。過秦論に什佰の中に俛起す。漢書音義に十長百長。此れ百人の長なり。轉じて漢書に仟佰の得あり。此れ貨錢の數を言ふ。又閩佰を以て界とす。此れ田の東西の界を言ふ。今は阡陌に作るも。古は千百に作る。
           
           
157 21 𠈇 シユク           夙に同じ。宀部の㝛を見よ。
           
           
158 21 イン くもる ひかげ ものかげ     雲の日を覆ふなり。雲をもととし今を音とす。云の_皆古文の雲の字なり。又朱駿聲云く此れは陰雨。陰暗。陰陽。陰私の本字なりと。經傳皆陰を代用す。
           
           
159 21 よし         善なり。人をもととし圭を音とす。(形聲)ケイ。カ古音は通ず。轉じて。廣雅に好なり。淮南子に佳人體を同くせず。美人面を同くせず。而して皆目を説(ヨロコ)ばす。又廣雅に佳は大なり又老子に兵を佳くする者は不祥なり。
           
           
160 21 チヨウ うすし かろし はやし     偸(カロシ)(婾と同じ)なり。人をもととし兆を音とす(形聲)婾は巧黠にして輕薄の義なり。詩經に民に視(シメ)すに佻からず。毛本は恌に作る異體。又疾なり佚なりと訓ずるはの代用。
           
           
161 21 使 つかう つかいす せしむ はしる   令(セシムル)なり。人をもととし吏を音とするも(形聲會意)禮記に故に君の其臣を使ふやと。命令を以て使用す。セシムルなり。又吏は使事するなり。吏使義通ず。但し古は使の字なし。吏を以て使となす。秦漢以後使あり兩字分別す。今の經傳皆漢人の隷寫にかかる者なり。故に吏使別用す。轉義は漢書に人と爲り剛直にして酒を使ふ。注に氣を使ふなり。又左傳に吏走し諸を朝に問ふ。注に速疾の意と。俗字は𩢲駛に作る。
           
           
162 21 カン たけし なおし たのしむ     剛直なり。㐰(シン)(古文の信)と𫶧の(會意)𫶧は其晝夜を舎(ス)てざるの意なりと。自ら信すること厚く直行なり。論語に子路侃々如たり。自強息まざるに近し。又樂むと訓ず。衎の代用なり。
           
           
163 21 ライ よきむぎ きたる       周の國が天より授わりし所の瑞麥なり。天より來りしもの故に行來の來となすと。(象形)|は莖にして上の_は葉の垂れたる形。上形の|は穂の形で_に作るべきの省きなり。天より授かるとは賚の義に合す。又行來の義は周の古文徠逨󠄁に作る。其本字か。易に憧々として往來す。論語に來る者は猶ほ追ふ可し。爾雅に玄孫の子を來孫と曰ふ。詩經に我行いて來らず。傳に至なり。箋に猶ほ反のごとしと。呂覽に士を來たす。注に致すなり。
           
           
164 21 レイ ならぶる         比(ナラブ)なり。(比例するなり。)人をもととし列を音とす。(形聲)レツ。レイ一轉音なり但し列は分解なり。比次分列を例となす。會意もあるべし。杜氏左傳を説いて乃ち云く凡を發し例を言ふ。列は迾󠄁なり。
           
           
165 22 しのぐ おごる       掩脅(掩はオツブセル。脅はオツカジメル)人をもととし多を音とす。(形聲)一に曰く奢泰なり。賈子に倹に反するを侈と曰ふ。奢卽ちの代用。又孟子に放僻邪侈と卽ち邪行なり迆の代用。ノラクラなり。
           
           
166 22 キヨウ そなえる あたう       設けるなり。陳列の整然たるなり。人をもととし共を音とす。(形聲)爾雅に供は具なり。後漢書に帳を供す。又説文一に曰く供給なりとはの代用。廣雅に供は進むるなり。爾雅に供は養なりと。
           
           
167 22 うけたまわる はんべる さむらい したがう 承(ウケタマハル)なり。承は奉(ササゲル)なり受(ウケル)なり。侍とは君側に在つて敬恭奉承するの義なり。人をもととし寺を音とするも(形聲會意)寺は朝廷なり。法廷を寺といひ。廷吏も亦寺といふ。寺侍音義皆近し。周代古文は寺あり侍なし。元は同字にて轉義通用のみ。孝經に曾子侍す。注に卑の尊者の側に在るを侍と爲すと。蒼頡篇に侍は從なりと。近侍なり。
           
           
168 22 ロン みち         思ふなり。亼(集)冊の(會意)經典に考へて人道を得るなり。
リン          
           
169 22 よる たよる       倚(ヨ)るなり。人をもととし衣を音とす。(形聲)廣雅に依は恃むなり。楚辭の注に保なり。方言に依は禄なり。禄は依頼する所のものなり。禮記學ばずして博依。注に廣く譬喩するなりと。蓋し依託して廣諭する也
           
           
170 22 ユウ ともかせぎ たすく すすめる     耦なり。女又は人をもととし有を音とす。(形聲)耦は配偶の本字。姷は夫婦協力して仕事するなり。故に字は人又は女に從ふ。轉義は詩經に以て妥(ヤスン)じ以て侑む。毛傳に勤なり。周禮に以て樂んで食をを侑む。儀禮に祝主人を侑めて拜す。注に勤なり。爾雅に酬。酢。侑は報なり。又管子に文に三侑あり。注に寛なりとは宥の代用なり。
           
           
171 22 r ボウ ひとし         齊等なり。人をもととし牟を音とす。(形聲)段氏云く考工記の注にrは上下等し。又rは猶ほ均のごとしと。墨子にrなる者は辭を比して而し倶に行ふ。轉義は強取なり。
           
           
172 22 シユ せひくし         古此字なし。晉語に侏儒使ふ可らず。王制の注に。侏儒は短人なりと。然れども左傳に朱儒是れ使ふと。古字なり。
           
           
173 22 ヘイ           倂の俗字。下を見よ。
           
           
174 22 あなどる かろんず       㑥(アナド)るなり。人をもととし每を音とす。(形聲)每は母の音なり。ボ。ブ一轉音なり。禮記に侵し侮らず。釋文に輕慢なり。左傳に鰥寡を侮らず。注になり。家語に侮らず狎れずと。
           
           
175 23 コウ まと きみ       射の的なり。人()をもととし厂は張布に象る(張り幕)矢が真下にある。(會意)而して周の古文は人に從はず。按ずるに𥎦は射的の正字。矦は𠊱の古文漢印に_に作るものあり。猶ほ古意を存す。_が𠊱となりしなるべし。𥎦矦は通用字。𥎦矦は用ひて五爵の名となす。左傳に諸矦同盟。疏に諸矦とは公侯伯子男。五等の總名。易に侯を建るに利あり。周禮に諸侯は熊矦豹矦を供すと。
           
           
176 23 侵󠄃 シン だんだんすすむ しのぐ おかす   漸く進むなり。人が又(テ)(手)帚(ハハキ)を持つの(會意)人が掃除しつつ前進するなり。轉義は廣雅に侵は淩なり。左傳に凡そ師に鐘鼓あるに伐と曰ひ。無きに侵と曰ふ。伐は重く侵は輕し。楚語の注に侵は犯なり。
           
           
177 23 リヨ とも         古此字なし。呂の俗字にして旅の代用なりと。聲類に伴は侶なり。而して樂記に進旅退旅と。此を正字となす。呂は膐の原字なり。故に旅を侶に作る。音通の理知るべし。蓋し初め呂を借りて旅となし。俗に人を加へしのみ。
           
           
178 23 便 ベン やすし ならわし たより     安なり。人に不便なる有れば之を改む。故に人更に從ふと。(會意)荀子の注に便宜なり。漢書に人々自ら便とす。注に安利なり。禮記に便人。釋文に便習を謂ふ。荀子に便辟。注に左右の小臣の親信する者と。又論語に便々として謂ふ。鄭注に言辯の貌と。辯の代用。又便佞を友とす。又荀子に齊給便敏。注に輕巧なりとは諞の代用。諞は巧言なり。又今郵便といふ傳の代用なり。
           
           
179 23 ジユ           住の本字なり。上を見よ。
           
           
180 23 おおいなり また       大なり。人をもととし。呉を音とす。語に夸大の意あり。(形聲會意)轉じて人か胯間を開帳するの義となす。マタと訓ずる是れなり。
           
           
181 23 ケイ かける かかる       拒ゥ(シツカリタバネル)なり。人系の(會意形聲)系は音を兼ぬ。孟子に子弟を係累す。注に猶ほ束縛のごとしと。左傳に朱絲を以て玉二瑴󠄀を係くと。系は自然。係は人爲なり。然も音義近し。
           
           
182 23 俊󠄂 シユン すぐれびと とし       材の千人に過ぐれたるなり。人をもととし氓音とす。(形聲)春秋繁露に十人なる者を豪と曰ひ百人なる者を傑と曰ひ。千人なる者を俊と曰ひ。萬人なる者を英と曰ふと。蓋し人に俊といひ。馬に駿といふ。冠子にコの萬人なる者を之を俊と謂ふと。また左傳に酆舒に三雋あり。注に絶異なり。又左傳に儁を得るを克と曰ふ是れなり。雋を借りて俊となし相渉て儁となる俗字なり。又誤つて㒞に作る
           
           
183 24 ソク せまる すみやか しじまる     迫るなり。人をもととし足を音とす。(形聲)轉義は催促なり。漢書の注に促は速なり。儀禮に禮容彌よ蹙まる。注に促恭は愨(マコト)の貌と。蹙は踧の字。促の代用をなす。
           
           
184 24 かたむく にわか       行きて頃(ケイ)(頭の正しからず)するなり。人をもととし我を音とす(形聲)行人の頭を曲げて歩くはよく見る所なり。又疾走して身體の中心を失ふも亦俄となす。玉篇に俄頃とは須臾なり。段氏云く廣韻に俄頃は速なり。此れ今の義なり。俄頃は偏側の意。小く偏側するは時たる幾何ぞ。故に因て倏忽を謂て俄頃と爲すと。朱駿聲は云く俄頃の俄は發聲なりと。又重言して義をなすものは。漢書の注に俄々は陳擧の貌なりと。
           
           
185 24 まないた にくもりのだい もりざかな   禮の俎なり。半肉(_は_の省きの且(マナイタ)の上に在るの(會意)なり。然も且は音を兼ぬ(形聲)なり。禮記に特牲三俎。注に三俎は豕。魚。腊なり。儀禮に賓辭するに俎を以てす。注に俎は肴の貴き者と。
           
           
186 24 ヨウ いたむ ひとかた       痛むなり。人をもととし甬を音とす。(形聲)廣韻に埤蒼を引く。俑は木人なり。葬を送るに關を設けて能く踊跳す。故に名くと。然らば悲痛の義にて名く。我國の埴輪人形も同じ。孟子の注に偶人なり。字亦に作る。
           
           
187 24 ゾク ならわし         習(ナラハシ)なり。人をもととし谷を音とす。(形聲)周禮の大司徒に俗を以て安をヘゆ。注に土地の生ずる所の習はしを謂ふと。大宰に禮俗を以て其民を馭(御)す。注に昏(婚)姻喪紀の舊より行はる所なり。釋名に俗は欲なり。俗は人の欲する所なりと。蓋し情欲の慣習するものなり。孟子に故家遺俗。流風善政と。又轉じて雅俗といふ。雅ならざるを謂ふ。又其習慣なり。又荀子に俗に由る之を道と謂ふ盡く嗛す。欲の代用と。
           
           
188 24 いけどり とらえる       軍に獲る所なり。人をもととし孚を音とす。(形聲)朱駿聲云く死者の左耳を取るをと爲し。生ける者を俘と爲す。左傳に以て俘と爲す。爾雅の李注に敵を囚するを俘と曰ふと。
           
           
189 24 キヨウ おとこだて         俜なり。人をもととし夾を音とす。(形聲)三輔(書名)に財を輕んずるを謂ふて俠と爲すと。俜俠は游俠なり。今の游び人。俠客なり。史記の游俠傳に言は必ず信あり。行は必ず果たす。巳に諾すれば必ず誠にす。其軀を愛(オシマ)ずと是れなり。又韓詩に四方に俠(アマネ)からず。帀の代用なり。
           
           
190 24 ヘイ こころつかう おとこだて       使ふなり。人をもととし甹を音とす。(形聲)上の俠を見よ。又𢖊に同じ。𢖊は使ふなり。彳をもととし䛣を音とす。氣を使ふなり。
           
           
191 25 ホウ たもつ やすんず やしなう まもる   養なり。(卽ち保養なり)人をもととし。𤓽又は其省きを音とす。𤓽は孚の古文なり。(形聲會意)孚は親鳥が卵を抱き溫(アタタ)めて雛となすの義なり。亦是れ保養と義同じ。周語に神に事へ民を保す。注に養なり。轉義は詩經に南土是れ保す。箋に守るなり。安なりと。左傳に君父の命を保す。注に恃なり。周禮に之をして相保せしむ。注に任なり。書經に大保。傳に三公の官名。呂覽に保介の御間に參す。注に介保は副なり。又易に順に相保(ヒロゲル)す。虞注に大なりとは襃の代用。又月令に四鄰保に入る。晉語の注に小城なりとは𡑏(壔)の代用。字亦俗に堡に作る。又書經に厥(ソノ)婦子を保抱攜持す。後漢書に越襁に在り注に小兒の服なりとは褓の代用なり。又周器の銘に多く永保之を用ひと。史記に九鼎保玉とは皆寶の代用なり。
         
           
192 25 シン まこと のぶ       誠なり。人言の(會意形聲)古音は人言皆音となる。太古は民人皆樸。其言は信なり。誠なり。孟子に諸(コレ)を己に有する之を信と謂ふ。墨子に信は言の意に合するなり。論語に信義に近づく賈子に期して言を果す之を信と謂ふ。又易に以て信(ノビ)んを求むとは伸の代用。又周禮に矦は信圭を執るとは身の代用。又晉語に封疆信す。注に審なりとは(ツラヌ)の代用なりと。
           
           
193 25 こさかし         後出俗字。字彙に音利。今の方言に黠慧を謂ふて伶俐と曰ふと。蓋し令利なり。
           
           
194 25 たのむ いやし       聊(タノム)なり。(ョなり)人をもととし里を音とす。(形聲)漢書に俚無きの至りのみ。注にョなり。無聊とはョり無きなり。又古賦に鄙俚の言の能く具ふる所に非ずとは里の代用なりと。
           
           
195 25 ふす うつむく       低頭なり。頁(クビ)と逃の省きとの(會意)大史卜書に頫仰の字は此の如くに作る。楊雄曰く。人面の頫すなり。或は曰く人免にて(會意)徐鉉云く頫首なる者は。逃亡の貌なり。今俗に俯に作る。段氏云く逃ぐる者は多く媿(ハジ)て俯す。故に逃に從ふ。猶ほ免に從ふがごとしと。西京賦に櫺檻に伏して而して頫し聽くと。又轉義は爾雅に視なり。俛伏して視察するなり。又列子に王府(フ)し而して之を視ると。俛府通用。俗に俯に作る。
           
           
196 25 シユウ かざる おさめる       飾(カザ)るなり。彡(サン)をもととし攸を音とす。(形聲)彡は彩色の刷毛目の如し。卽ち飾るの意なり。以て凡そ修治の義となす。中庸に其宗廟を修す。又道を修むる之をヘと謂ふ。論語に廢官を修す。皇疏に故を治むるを修と曰ふ。樂記に焉(コレ)を藏し焉を修す。注に習なり。呉語に地の修めざる。注に墾なり。轉々して義を生ず。又廣雅に修は長なりとは。攸の代用。
           
           
197 25 ホウ にたり まぎらわし ならう     仿の俗字。上を見よ。但し放を借りて後に倣に作る。
           
           
198 26 ハイ たわむれごと やくしや ぶらぶらあるき 戲なり。人をもととし非を音とす。(形聲)ヒ。ハイ轉音なり。三蒼に俳優は樂(ガク)なり。又倡なり。又嘯なり。漢書に詼笑俳倡に類す。又漢書に俳佪往來と。俗に亦徘徊に作る。「回を正字となす。
           
           
199 26 ともに         皆なり。人をもととし具を音とす。(形聲)齊策に而して儀之と倶にす。注に偕なり。孟子に父母倶に存す。莊子に道は載せて而して之と倶にすべしと。
           
           
200 26 ヒヨウ たわら         古此字なし。蓋し表の俗字。タワラは表にするなり。
           
           
201 26 ホウ てあて         奉の俗字。韻會に俸は禄なり。然も漢書の公孫傳に奉禄甚だ多しと正字なり。
           
           
202 26 エキ かえる あなどる       輕んずるなり。人をもととし易を音とす。(形聲)廣韻に㑥は相輕慢するなり。經傳は易を以て代用す。蓋し此義は𫾻の代用。一に曰く交㑥なりと。此を本義とす。交易の本字。
         
           
203 26 シユク よし はじめ おおいなり     善なり。人をもととし叔を音とす。(形聲)詩に云く淑人君子。淑は代用字。又一に日始なりと少の代用なりと。又甚なり。厚なりと訓ず。蓐の代用。又連言義をなすものは。漢書に義を扶けて俶儻。注に大節なり。
           
           
204 26 ます したがう せしむ     uなり。人をもととし卑を音とす。(形聲)段氏云く裨と義同じ。經傳は使なりと訓ず。u義の轉なり。爾雅に俾は從なり職なり。又一に曰く俾は門侍の人なりと。重言して義をなすものは字林に俾倪は傾側して正しからず。埤蒼に俾倪は城上の小垣なり。又睥睨に作る同じ。
           
           
205 26 リヨウ わざ         兩の俗字なり。集韻に伎倆は巧なり。然も呂覽に五兩の士を造る。注に技なりと。本字なり。
           
           
206 26 サイ そえる やせがれ       卒の俗字なり。周禮に王の倅車。注に倅は副なり。廣韻に百人を倅と爲す。此義周禮に卒に作る。古字なり。但し副訓は萃の代用なり。又今俗に己の子を倅(セガレ)と稱するは顦顇の顇の代用ヤセカレルの義にて謙辭なり。
スイ          
           
207 26 ソウ くら         倉は穀の藏なり。(象形)轉じて凡そ倉廩蓄藏の處とす。古文に依れは字は_(ベン)(宀)の系にて廩の古文の_に作ると同意。月令に倉囷を修むと。
           
           
208 26           箇の俗字なり。唯だ人數の義に此字を用ゆるも。宜しく廢すべし。
         
           
209 26 w リヨウ あきらか たすく       亮の本字。亠部を見よ。
           
           
210 26 はだか         と皆𧝹は同じ。衣部を見よ。
           
           
211 27 バイ かえす そむく ふやす     反へすなり。人をもととし咅(ホウ)を音とす。(形聲會意)バイ。ホウ轉音なり。咅は相興(トモ)に語り。唾して受けざるなり(シユ)否(ヒ)の會意。亦反背の意となす。倍の字代用多し。周禮の注に文を倍(セ)にするを諷と曰ふ。其文に面せずして之を讀むを謂ふ。大學に民倍(ソム)かずと注に相倍き棄てざるなり。背の代用。又墨子に倍を二と爲す。孟子に或は相倍蓰とは陪の代用。又五輔に長幼等無ければ則ち倍くは北の代用。又左傳に鄰に倍す。注にuなり。培の代用。
           
           
212 27 倏󠄂 シユク いぬはしる はやし       走なり。犬をもととし攸を音とす(形聲)イウ。シク轉音なり。蜀都賦に。鷹犬倏眒。注に疾速なり。轉義は漢書に辰(トキ)倏忽。注に倏は疾なり。又電牆藩に倏忽なり。注に倏忽は電光なり。
           
           
213 27 トウ さかさ         到の俗字なり。晉書に歎息絶倒。卽ちサカサマの義は到を県(ケウ)の代用となす。𩠐(クビ)の字のサカサの形。罪人の首を木に縣けると県となる。タウ。ケウ一轉音。亦人事なる故に人を加へ倒に作る。
           
           
214 27 したがう しとやか       順なる貌なり。人をもととし委を音とするも。委隨の(形聲會意)俗に誤つて俀に作る非なり。又漢書に倭を地名となす。
           
           
215 27 テキ たぶらかす おおいなり       廱(フサギ)蔽(オオフ)有るなり。人をもととし舟を音とす。(形聲)周𠣘は通用字。故に侜󠄀もまた倜に作る。詩經に誰か美を侜󠄀らかさん。傳に侜󠄀張は誑(タブラカス)なり。爾雅の釋文に或は倜に作ると。徐鉉新附に。倜儻は不羈なりと。
           
           
216 27 𠊱 コウ うかがう ものみ       伺ひ望むなり。卽ち斥𠊱なり人をもととし矦を音とす。(形聲)但し周古文及び漢印に_に作る侯なり。人上にあり傍にある同じ後𠊱に作る。人が重複す。上の侯を見よ。
           
           
217 27 よる たのむ       依るなり。人をもととし。奇を音とす。(形聲)書經に人乃の身を倚す。傳に曲(マゲル)なり。中庸に倚る所あり。注に偏(カタヨセ)して近づく所あるを謂ふ。老子に禍なり兮福なり兮倚る所。注に因るなり。又荀子に倚物怪變とは奇の代用。又穀梁傳に匹馬倚輪とは踦(チンバ)の代用。
           
           
218 27 コウ           幸に同く。實は𡴘の俗字なり。干部を見よ。
           
           
219 27 ケン うむ つかる       罷(ヤム)なり。人をもととし卷を音とす。(形聲)論語に之に居て倦む無し。本義なり。晉語の徧して倦まず。注に懈(オコタル)なり。淮南子に病者の巳に惓むごとし亦惓に作る漢書の注に疲なり。漢書の士卒罷勌。劵(ハタラク)を以て之となす。
           
           
220 28 シヤ かりる         古は借の字はなし。耤を本字となす。耤は天子の田なり。民力を之を耕すなり。耒をもととし昔を音とす。(形聲)古文に依れは人が手に耒を持つてゐるの形。_は耒の象形。然らば耒を存し人を省けは耤となり。人を存し耒を省けば借となる。但し借に作るは後出なり。漢書文帝紀に假借出納と。或は藉を以て之に當つ。墨子に此れ實に我を愛するに非す。假藉して我を用ふと。周禮鄭注に藉の言は借なりと。今字を以て古字を釋くの例なり。
シヤク          
           
221 28 シヨウ やくしや となえる あばれる     樂(人)なり。人をもととし昌を音とす。(形聲)聲類に倡は俳なり。漢書に李夫人は本倡を以て進む。字俗に娼に作る。最も近出なるもの又詩經に予に倡(トナ)へ女に和す。禮記に壹倡にして三歎す。注に歌句を發するなり。呉語に大夫種乃ち謀を倡ふ。注に始を發するを倡と爲す。皆唱の代用。又太玄に物皆倜倡。注に盛なり。朱駿聲云く倜倡は倜儻と同し。是れ昌の代用。又漢碑に倡𠎮とは倀の代用なり。俗字は猖に作る。莊子に猖狂妄行。後人の改寫のみ。
           
           
222 28 おく もつ たつ あたる   措くなり。人をもととし直を音とす。(形聲)又詩經に其鷺窒値すとは。持の代用。又立つを訓ず。植の代用。又儀禮の注に其文の相値る。疏に當なり直の代用。
           
           
223 28 キヨ おごる たかぶる       不遜なり。人をもととし。居を音とす(形聲)曲禮に遊て倨る毋れ疏に慢なり。秦策に㛮󠄁何ぞ前に倨つて後には恭しきと。禮記に倨は矩に中り句は鉤に中ると。轉義なり。
           
           
224 28 セン よきな         人の美なる字(アザナ)なり。人をもととし青を音とす。(形聲)轉義は漢書の注に士の美稱なり。方言に壻を之を倩と謂ふ。又詩經に巧笑倩たり。傳に好き口輔なり。又茜(アカネ)の代用をなし。請の代用をなす。倩を借(カル)と訓ず。
           
           
225 28 ゲイ ます にらむ よこめ はじめ   俾(マス)なり。人をもととし兒を音とす。(形聲)ジ。ゲイ轉音。但し俾倪なり。俾を見よ。又孟子に旄倪。注に小弱の繄倪なる者。莊子の端(耑)倪も微始にて皆兒の代用と。
           
           
226 28 ヘイ ならぶ         並ぶなり。人をもととし幷を音とす。(形聲會意)幷は相從ふなりと訓じ从(ジユウ)(シタガフ)をもととし幵を音とす。相幷從すれば亦相並ぶなり。又按ずるに幷の古文は_に作り。二人を相合す並なり。并併同じ。
           
           
227 28 ホウ たすく とも       輔(俌(タスク))なり。人をもととし朋を音とす。(形聲)此を朋友の本字となす。説文は鳳の古文の朋を音とするも。古文貝朋の朋を音とす。
           
           
228 29 リン ともがら みち すじ     輩なり。軍に車百兩(輛)を發するを輩といふ。人をもととし侖を音とす。(形聲)又轉じて同類の次を輩といふ。又倫は比なり。伍なりと訓ず。又説文に一に曰く道なり。此を字の本義とすべし。人道人倫なり。書經に倫を相奪ふ無し。傳に理なり。孟子に人倫を察すと。按ずるに侖は思ふなり。亼(集)冊の會意。經典を集めて人倫を思察す。侖倫の二字の義は互に相渉る。輩比は轉義のみ。
           
           
229 29 タク おおいなり あきらか       箸(チヨ)(著)大なり。人をもととし卓を音とするも。卓に大義あり。(形聲會意)著大なれば即ち高明なり。詩經に倬たる彼(カノ)雲漢。傳に明なり。
           
           
230 29 エン たおる あおぎたおる かくれる やすし 僵(タヲル)なり。人をもととし匽を音とす。(形聲)論語に寝るに尸せず。包注に偃臥して手足を布展し。死に似たるがごとくせず。段氏注に云く。凡そ仰仆を偃と曰ふ。引伸して凡そ仰くの稱と爲すと。又晉語に兩君兵を偃せ好を接す。注に匿(カクス)なり。又莊子の偃鼠は一名隱鼠。匽の代用。又周禮の注に偃(ツツミ)瀦は土を築き水を壅くものと。沈約の詩に千金の堰と。俗字なり。莊子に其偃に適く。厠は避匿の處と。皆一義轉のみ。
           
           
231 29 ダン よわよわし やわらか       弱なり。人をもととし耎を音とするも。耎は元同字なるべし。耎は稍くに前が大なり。大をもととし而を音とす。ジ。ダ。ナン轉音なり。前きが段々に大きくなれば本か勝へられぬ。弱きなり。又俗に愞輭軟に作る。又或はを借りてとなし。俗に嫰に作る。又懦を借りてとなす。懦夫(ヨハキヒト)是れなり。此は需耎似て誤るものなり。
         
ナン          
232 29 かり かる いたる おおいなり よし 眞に非らざるなり。人をもととし叚を音とす(形聲會意)叚は借なり。カリ。ニセ義近し。一説に叚假同字と。詩經に假寐(カリネ)して永歎す。假なり。左傳に手を我が寡人に假る。卽ち叚なり。又一に曰く至るなりとはの代用。亦遐に作る。亦爾雅に假は大なり。嘏の代用。又詩經に假樂の君子とは嘉の代用。又詩經に侍瑕まず。箋に病なりと。瘕の代用。又詩に假(カタ)い哉天命と。固の代用。又廣雅に假は(㑥の代用)なり。賈の代用をなす。又假(ナニ)を以てといふは何の代用。卽ち助語の詞なり。
           
           
233 29 偏󠄃 ヘン かたよる あまねし かたり     頗なり。人をもととし扁を音とす。(形聲)轉じて平かならざるを義となす。片寄るなり。書經にて偏無く頗無し。又易に偏は辭とは徧(アマネシ)の代用孟喜は正に徧に作ると。又莊子に巧言偏辭。とは諞の代用なりと。
           
           
234 30 ケン つよし すこやか       亢なり。人をもととし建を音とす。(形聲)亢は高き貌なり。立派なり。轉じて強剛の義となす。釋名に健は建なり能く䢖爲する所有るなりと。秦策に使者多くは健々として強きなり。易に天行は健なり轉義なり。
           
           
235 30 フク せまる         匐の俗字なり。勹も人なり。故に勹人は通用す。匐を迫ると訓ずるは畐の代用なり。畐滿すれは傍側に迫笮するなり。字亦逼に作る。迫の字に泥みて辵を加ふ。
           
           
236 30 ソク そば かたわら そばだつ     旁(カタハラ)なり。人をもととし則を音とす(形聲)段氏云く正しからざるを仄と曰ひ。中ならざるを側と曰ふ。二義別あり。而して經傳は多く通用すと。朱駿聲云く書經に側階に立つ。傍階なり。轉義は邊なり。又曰く反無く側無し。馬注に傾側なりと矢の代用。又曰く明を明かにして側陋に揚くと。仄の代用。又儀禮に日側すとは昃の代用。又廣雅に側は度なりとは測の代用。又漢碑に爾の酸辛を側むとは惻の代用なりと。
           
           
237 30 テイ うかがう         貞の俗字なり。貞は卜して問ふ。𠊱察の義あり。左傳の杜注に諜者は之を游偵と謂ふ。亦は之を間諜と謂ふと。一説に此義は詗の代用と。
           
           
238 30 うすし         婾に同じ。女部を見よ。
           
           
239 30 グウ にたり にんぎよう ならぶ たまたま   相人(サウジン)とて一名は俑なり。人に象るなり。人をもととし禺を音とす。(形聲)又爾雅に偶は合なりとは耦の代用。匹耦なり。又偶(タマタマ)と訓ず遇の代用。絶交書に偶ま足下と相知るのみ。注に偶然にて本志に非ざるを謂ふと是れなり。
           
           
240 30 偉󠄃 おおいなり さかんなり       奇なり。並みならぬなり。秀俊なり。人をもととし韋を音とす。(形聲)轉義は莊子に偉なる哉夫れ物を造る者。注に美なり。史記に偉なりと爲さずや。索隱に盛なり。廣雅に瑋は重きなり。字亦瑋に作る。
           
           
241 30 カイ つよし ともに       彊(ツヨキ)なり。人をもととし皆を音とす。(形聲)一に曰く倶になりと。詩に曰く君子偕に老ゆ。晉語に偕に入るとは皆の轉義の代用なり。
           
           
242 30 シヨウ あげる ほめる       揚るなり。人をもととし爯を音とするも爯に擧義あり。(形聲會意)爾雅に偁は擧なり。疏に書經に爾の戈を偁く。左傳に禹は善言を偁く。卽ち稱揚。稱擧。稱謂の本字なり。
           
           
243 30 テイ とどまる         亭の俗字。亭は人の止宿する所なり。故に轉義は止なり。俗に人を加へて分別するなり。
           
           
244 30 𠋢 ソウ           _に同じ。又部を見よ。
           
           
245 30 ソウ           上に同じ。
           
           
246 31 カイ おおいなり         偉なり。人をもととし鬼を音とす。(形聲)荀子に傀然として獨立すと。字亦𠐤に作る。亦大傀異災とは怪の代用。又傀儡とは儡の下を見よ。
           
           
247 31 もりやく たすく       相なり。タスケルなり。人をもととし尃を音とす。(形聲)傅は輔弼の輔の本字なり。左傳に鄭伯王に傅たり。又_は輔なり人をもととし甫を音とす。俌傅は元同字なるべし。又轉義は周禮に賻をして之を補はしむ。賻は別體。故書は傅に作る。又周禮に傅別。注に券書と符の代用。又廣雅に傅は就(ツ)くなり。詩經に亦天に傅る。箋に至なりとは附。駙の代用。又王傅御に命ず。箋に冢宰を謂ふと。副の代用。又考工記に衆力を傅す。付の代用。又敷。欨を代用す。
           
           
248 31 傍󠄂 ホウ かたわら そう       近づくなり。人をもととし旁を音とす(形聲會意)旁溥。(磅礴の本字)充ちて四方に充溢し側迫をいふ。旁は側(カタハラ)の義となる。而して人が旁に依り附くを傍といふ。賈子に成王の生るるや。仁者之を養ひ。孝者之を強し。四聖は之に傍ふと傍旁音義近く通ず。亦人の旁側も傍といふ。又傍を附行となすは徬の代用。又中庸の注に其傍僾の貌を思ふと。仿佛なり。仿の代用をなす。
           
           
249 31 サン からかさ あまがさ       古此字なし。後出の象形字。蓋し繖の俗字なるべし。今の洋傘の如き者パラツと開くをいふ。通俗文に帛を張り雨を避くるを繖と謂ふと。然も繖も𣀧の俗字なり。𣀧は繳弋とてイグルミなり。隹をもととしを音とす。㪔分開披(チラバリワカレ)して鳥に纏ひカラム者なり。集韻に傘は又𢄻𡙫に作る。葢(オホヒ)なり。續一切經音義に傘は繖の古文とは妄甚し。
           
           
250 31 ヨウ           徭の本字。㑾とは別なり。徭を見よ。
           
           
251 31 コウ ならう         效の俗字なり。攴部を見よ。
           
           
252 31 シツ ねたむ         嫉に同じ。女部を見よ
           
           
253 31 タイ           態に同じ。心部を見よ。
           
           
254 31 ケツ すぐれびと         埶(勢の本字)なり。材の萬人に過ぐるなり。人をもととし桀を音とす。(形聲)孟子に俊傑位に在りと。荀子に俊傑之に化す。注に萬人に倍するを傑となす。又俊を見よ。轉義は詩經に厭たる其傑有り。傳に苗の厭然として特に美なるをいふ。箋に先に長するものと。又爾雅の注に魁梧傑大と。
           
           
255 31 セン さかんなり つまうつくし       熾盛なり。人をもととし扇を音とす。(形聲)詩經に豓妻傓として方に處る。美なり。
           
           
256 32 サイ はばむ おしのける もよおす     相擣(ウツ)なり。人をもととし崔を音とす。(形聲)詩經に室人交(コモゴモ)も徧く我を催(ハバ)む。互に推除けて入れぬなり。毛詩は摧に作る。摧は擠(オシノケル)なり。義通ず。今は催促の義となす。韻會に催は促なり迫なりと。
           
           
257 32 備󠄂 そなえる つぶさに       慎むなり。人をもととし𤰈を音とす。(形聲會意)𤰈は具(ソナハ)るなり。用をもととし苟の省きにて會意。苟(キビシクイマシム)は急敕なりとて事を用ふる急敕。用心の至り。𤰈僃󠄂音義近し。大戴禮に不虞を戒むるを備を知ると曰ふ。轉義は禮記に備とは百順の名なり。順ならざる所無き之を備と爲す。月令に農事備さに收む。注に盡(コトゴトク)なり。亦𢞎(ツカル)の代用をなし憊に作る。
           
           
258 32 𠌶           花の本字なり。艸部を見よ。
           
           
259 32 ヨウ やといびと         均直(ヒトシキアタヒ)なり人をもととし庸を音とす。(形聲會意)庸は用(モチユル)なり。力を賣り相當の直を受くる者なり。古書は多く庸を以て代用とす。廣雅に庸は償なり。又詩經に昊天傭しからず。傳に均なりと中の代用。
           
           
260 32 ゴウ おごる         倨(オゴル)なり。人をもととし敖を音とす。(形聲會意)敖は游敖なり放蕩自恣の意とす。詩經に彼の交は敖るに匪ず。敖を以て代用す。轉義は樂記に齊の音は傲辟喬志なりと。又廣雅に傲は㑥(アナド)るとはの代用。
           
           
261 32 デン たより つたえる やど ふみ   遽(ニハカ)なり。人をもととし專を音とす(形聲)周禮に邦國の傳遽。禮記の注に傳遽は車馬を以て使に給するもの。今の飛行便に比すべし。古は車馬にて辨ず。馬繹(ツギ)には必ず傳舎あり。宿場なり。之を驛といふ。又此義より轉じて凡そ音信文書の義となす。周禮の注に傳は今の移の如し。過ぐる所の文書なり。依て又傳達するも傳といふ。又世傳の義となす。秦策に商君に傳へんと欲す。注に禅なり。又傳説の義となす。禮記に其傳を失す。注に説の如しと。展傳引伸の稱なりと。公羊傳に主人其讀を習ふて而して其の傳を問ふ。注に訓詁を謂ふ。又傳注の義となす。
           
           
262 32 びつこ せむし       なり。人をもととし婁を音とす。(形聲)周公の韤僂。或は言ふ背僂と佝僂なり。
           
           
263 32 せむし こごむ       僂なり。人をもととし區を音とす。(形聲)佝僂なり。禮記に傴者は袒せず。釋文に背の曲るなり。轉義は左傳に一命して而して僂し。再命して而して傴す。鞠竆恭敬の意となす。
           
           
264 32 サイ かり         責の俗字。債は貸して還へせと請求するなり。轉じて其證書券符をも責といふ。管子に券契の責と。漢書に負責數百萬。注に人の財物を假貸して未だ償はざる者と。
セキ          
           
265 33 シヨウ きず ておい そしる     創なり。人をもととし𥏫(キズツク)をの省を音とす(形聲會意)月令に理を明じ傷を瞻る。注に創の淺き者を傷と曰ふと。轉義は呂覽に堯を傷(ソシ)るに不慈の名を以てす。注に毀るなり。廣雅に傷は思ふなりと。
           
           
266 33 ケイ かたむく あやうし       仄(ソバダツ)なり。人をもととし頃を音とす。(形聲會意)頭に頃といひ。全身に傾くといふ。轉じて廣雅に傾は(ジヤ)(邪)なり。曲禮に傾けば則ち姦と。晉語に大命は其れ傾く。注に危なり。家語に葢を傾け之を語ると。
           
           
267 33 キン わずか こらえる       材(ワヅカ)に能くするなり。人をもととしを音とす。(形聲)は黏土なり。黏力の意を兼ぬるか。周語に余(ワレ)一人僅かに亦府を守ると。秦策に僅かに以て亡者を救ふと。
           
           
268 33 セン ながいきびと       長生して僊し去るなり。人䙴󠄂の(會意形聲)䙴󠄂は音を兼ぬ。_は高きに升るなり_(キヨ)をもととし_(シン)を音とす。或は_に作り。古文は_に作る。人が高きに升るは卽ち仙なり。仙僊は同字のみ。又仙を見よ。莊子に千歳世を猒(イト)ひ去て而して僊上す。又重言して義をなす。詩經に屢ば舞つて僊々たりと。
           
           
269 33 セン みな         皆なり。亼(シフ)(クワン)从(ジユウ)の(會意)亼は集。は衆口。从は(隨從)虞書に僉曰く。小爾雅に僉は同なり。
           
           
270 33 ヒヨウ かろし         嫖に同じ。女部を見よ。
           
           
271 33 キヨウ さいわい         の俗字なり。心部を見よ。
           
           
272 33 マン           嫚󠄂に同じ。女部を見よ。
           
           
273 33 傹󠄂 ケイ たおる         竟の俗字。僵の代用をなす。立部を見よ。
           
           
274 33 ドウ はたらく         動の俗字なり。勞働。自働は勞動。自動なり。
           
           
275 33 たのしむ うれし       嬉の本字なり。女の部を見よ。
           
           
276 33 像󠄄 シヨウ にせる かたどる       象(カタド)るなり。人をもととし象を音とす。(形聲會意)易に象なるものは此に像(ニ)するものなり。此は近字を以て古字を説きたるなり。韓非子説に古は支那に象はゐなかつた。畫にて見るのみで眞物を相像したるなり。然れば像は元と象の後出別體なること知るべし。
ゾウ          
           
277 33 シユン そむく         舛に同じ。部首。
           
           
278 33 𠍶 ジユ           儒の俗字なり。下を見よ。
           
           
279 33 ボク しもべ つかいびと       事に給する者なり。召使(メシツカヒ)なり。人又は臣をもととし菐とにて(形聲會意)菐は亦音なり。菐は煩瀆(ウルサイ)雜事なり。周禮大僕の注に尊者に侍御するのものなりと。
           
           
280 34 リヨウ ほうばい どうやく よきかたち     好き貌と訓ず(嫽の代用)官僚を本義とすべし。人をもととし𤊽を音とす。(形聲會意)書經に百僚師々。詩經に爾の同僚に及ぶ。左傳の服注に僚は勞なり。共に事に勞するなり。蓋し僚人の居る所を寮と爲す。寮にォあり。ォは庭燎なり。寮内に庭燎あり。其傍らに在るの官僚卽ち吏人なり。僚寮義相渉るなり。
           
           
281 34 セン そなう えらぶ       具なり。人をもととし巽󠄃を音とす。(形聲會意)巽󠄃と同字のみ。
           
           
282 34 いつわる しごとする       詐(イツハル)なり人をもととし爲を音とす。(形聲會意)月令に詐僞淫巧と是れなり。然れども僞は實は爲の後出字。爲僞は元と同字なり。説文の爲の解釋は全く誤まる。爲の爪は手なり。_は象の字。象は似せるの意なり。然れば人が手に眞似すれば爲又僞の義なり。轉じて凡そ眞似となす。善も惡も皆マネなり。卽ち作爲なり。此義を知れば荀子説は明かなり。一説に詐るとは譌の代用なりと。然も譌も亦爲の轉義後出のみ。
           
           
283 34 ソウ           古此字なし。按ずるに尸人は往々通用。僧は層の別體なるべし。後人字音を借りて僧侶の義に當つ。魏志の釋老書に僧の三歸は君子の三畏の若しと。
           
           
284 34 僨󠄂 フン たおる うごく       僵(タヲル)なり。人をもととし賁を音とす。(形聲)莊子に一僨󠄂一起と。轉義は大學に此を一言事を僨󠄂(ヤブ)ると謂ふ。注に猶ほ覆(クツガヘリ)敗のごとしと。又左傳に亂氣狡僨󠄂。注に動なり。奮の代用。
           
           
285 34 セン かり たがう おかす     假なり。人をもととし朁を音とす。(形聲)詩經に覆(カエツ)て我を僭と謂ふ。箋に信ならざるなり。又僭せす賊せす。傳に差ふなり。又穀梁傳に僭樂。注に下の上を犯す。之を僭と謂ふ。
           
           
286 34 カン たけし ゆるやか       武の貌なり。人をもととし󠄂を音とす。(形聲)詩經に瑟たり僩たり。毛傳に寛大なりとはの代用となす。韓詩に美なる貌とは嫺の代用となす。
           
           
287 34 僮󠄂 ドウ わらべ しもべ       未だ冠せざるなり。人をもととし童を音とす。(形聲)魯語に僮󠄂子をして官に備へしむ。注に僮󠄂蒙達せずと。字亦偅に作る。經傳多く童(シモベ)を以て代用す。易に童蒙。鄭注に稚なり。禮記に成童にして象を舞ふ。注に十五以上。又自ら其君を稱して小童と曰ふ。注に未成人と云ふ若し。鄭語に頑童竆固。注に童昏固陋なり。又易に童牛。注に角無きの牛。字亦に作る。皆童を以て僮󠄂となす。又僮󠄂を以て童を代用す。漢書に僮󠄂を賣る。又目童子は別に瞳に作る。周古文に見ふ。
           
           
288 35 シユウ やとう         廣雅に僦は賃なり。通俗文に車を雇ふて載するを僦と曰ふ。商子に糧を送らしめて僦を取る無し。史記に其僦を償はす。蓋し漢以後の字。就の字の音を借るのみ。
           
           
289 35 キヨウ あおぎたおる たおる     僨󠄂なり。人をもととし畺を音とす。(形聲)段氏云く僵は仰倒を謂ふ。莊子の推して之を僵すの如し。朱駿聲云く。卻(シリゾ)き偃るを僵と曰ひ。前(ススミ)覆を仆と曰ふ。轉義は呂覽の注に殭は斃なりと。
           
           
290 35 アイ かすかにみゆ かなしむ     仿佛なり。人をもととし愛を音とす。(形聲)禮記に祭の日に室に入れば。僾然として必ず其位に見はるる有りと。詩經の傳に僾は隱なり。又唈(ムセブ)なりと。
           
           
291 35 シユン とし         俊に同し。上を見よ。
           
           
292 35 セン になう         擔の本字。手部を見よ。
           
           
293 35 ビン つとむ         黽に同じ愐の代用。心部を見よ。
           
           
294 35 ヘキ かたよる よこしま いやし     避(サケル)なり。人をもととし辟を音とす。(形聲)凡そ回避するは正當にあらず。(ジヤ)(邪)なり。詩經に民の僻多き。釋文に邪なり。説文に一に曰く旁(カタハラ)より牽くなりと。論語に師や僻と。注に過差(シクジリ)を飾るなり。楚辭に僻遠と雖も何をか傷まん。左傳に辟なり君の事を執る。注に陋なり。辟は代用。曲禮に劔を負ひ辟咡。釋文に側なり又惡僻とす俗に癖に作る。
           
           
295 35 コウ さいわい         の俗字。心部を見よ。
           
           
296 35 あたい         賈の俗字なり。賈は市するなりと。市は買賣の之(ユク)所なり。商人の買ふも賣るも皆市なり。又賈なり。賈とは凡そ買賣の通稱なり。故にアタヒとも訓ず。古本論語に善き賈(アタヒ)を求めて而して諸(コレ)を賈(ウ)らんと。古の正字。今本は善價に作る。後人の改寫のみ。然れば賣り買は賈の本義。賈直(ネダン)は賈の轉義。俗に人を加へて價に作るは。責の俗字を債に作るがごとし。
           
           
297 35 カン           愆に同じ。心部を見よ。
エン          
           
298 35 のり のつとる おごそか     度(ド)(ノリ)なり。人をもととし義を音とす。(形聲會意)但し古は義を以て儀となす。義は己の威義なり。固より法度あるなり。大學に威儀と。義儀は元と同字なるべきのみ。
           
           
299 35 ケン つづまやか         約なり人をもととし僉を音とす。(形聲)約は纏束なり。僉の言(イヒ)は斂なるべし。自ら斂収して放侈ならざらしむ。易に倹コを以て難を避くとあり。
           
           
300 36 億󠄂 オク やすし かずのな       安なり(右の本義)人をもととし𢡃󠄁を音とす。(形聲)又𢡃󠄁は滿なり。心をもととし𠶷󠄁を意とす。一に曰く十萬を𢡃󠄁と爲すと。説文は此の如し。然も周古文は𠶷󠄁を以て十萬の義とす。而して𠶷󠄁は快なり言中(アタル)の會意。卽ち知る十萬の義は字音を借りて名となすなり。但し𠐥を億に作るは漢の瓦當文に多く見へたり。此を形近の通用といふも俗誤なり。
           
           
301 36 儆󠄂 ケイ いましむ         戒なり。人をもととし敬を音とす(形聲會意)
           
           
302 36 ジユ やさし がくしや       柔なり。術士の稱(トナエ)なり。人をもととし需を音とするも(形聲會意)需に柔義あり。禮記の儒行に鄭曰く。其記に道コの所行あるを以てなり。儒の言ひは優なり柔なり。能く人を安し。能く人を服すと。段氏云く術は邑中の道なり。因て以て道の稱と爲す。周禮に儒は道を以て民を得るなり。注に儒に六藝有り。以て民をヘふる者と。又荀子に偸儒轉脱とは懦の代用なりと。
           
           
303 36 チユウ かざし ともがら       翳なり。人をもととし。壽又は_を音とす。壽も_を音とするなり。翳は華蓋(カザシ)なり。儔と𦒇と音義近し。𦒇は翳なり。舞人の執る所なり。故に字或は人に從ふ。𠃬(チウ)は古文の疇。故に𠃬𠷎壽皆同音なり。段氏云く唐以前は儔侶の字は。皆疇に作り。絶て儔に作る者なし。蓋し古者一井を疇と爲し。畔を並ぶるを疇と爲すに由る。易の注に疇は類なり。國策の注に疇は匹なりと。然ば儔を借りて疇と爲し。匹儔といふは近世の例なり。儔は(形聲)
           
           
304 36 ジン つくす まま       盡の俗字なり。後人ママと訓ず。盡空の義より轉出せるなるべし。
           
           
305 36 サイ ともがら ひとし       等輩なり。人をもととし齊を音とす。(形聲)左傳に吾が儕小人。又晉鄭同儕。漢書の注に儕は耦なり。
セイ          
           
306 36 ヒン たすく         擯と同し。手部を見よ。
           
           
307 36 シヨウ つぐなう         還へすなり。人をもととし賞を音とす。(形聲)上より下の功勞に報ゆるに貨貝を以てするを賞といひ。上下の別なく報還すべき貨財を反へすは償といふ。廣雅に償は復へすなり。
           
           
308 36 ライ つかれる あやつり       相敗るるなり。人をもととし畾(雷)を音とす。(形聲)寡婦賦に容貌儡として以て顇々たり。注に羸るる貌なり。朱駿聲説に連言して義をなすものは。今木偶(ニンギヤウ)の戲れを謂つて傀儡と爲すと。卽ち連言にて二字の音に語義をなすものにして。其義は毫も關せず。
           
           
309 37 カイ やまにら せまし       薤實は䪥に同じ。陜と訓ずるは隘の代用なり。
           
           
310 37 儥󠄀 トク まみゆ ゆきうる       見(マミエ)るなり。人をもととし𧶠を音とす。(形聲)今經は皆覿に作る。朱駿聲云く。易に三歳覿へす。儀禮に私面私覿。又𧶠の代用をなす。𧶠は𧗳なり。𧗳とは行くと且つ賣(ウ)るなり。𧶠(トク)賣(バイ)別字。
           
           
311 37 優󠄃 ユウ やくしや やわらぐ しとやか まさる おおし 饒なり。人をもととし憂を音とす。(形聲)一に曰く倡なりと。説文の此解釋相反す優倡は字の本義。饒多は瀀の代用。詩經にに優に渥と。正に瀀の義なり。周語に布施優裕。今人の優等皆是れなり。又優游。優柔は憂の代用なりと。憂は和して行くなり。詩經に政を敷く優々。亦是れなり。
           
           
312 37 𠐤 カイ おおいなり         説文傀の異體を𤪿に作るも瑰を以て傀の代用をなすなり。此に依て俗に𠐤に作る。
           
           
313 37 チヨ たくわえる ひかえ       (庤(タクハエ)の代用)なり。人をもととし諸を音とす。(形聲)庤は屋下に儲置するなり。或は云ふ。を待つと訓ず。庤へて以て需索を待つの義か。又具なり積なり。又蔡邕云く儲は副君なり。
           
           
314 37 レイ つれあい うつくし       古語に棽儷といふ。實は偶を本義とす。人をもととし麗を音とす(形聲會意)周語に伉儷妃嬪。儀禮の士冠禮に儷皮。注に兩なり。牝牡二皮なり。麗元と兩相對する義あり。麗儷音義近し。
           
           
315 37 ゆくかたち         行いて節あるなり。人をもととし難を音とす。(形聲)佩玉儺たり。又論語にク人の儺。孔注に疫鬼を驅逐するなりと。𩴓の代用。_は鬼を見て驚く貌なり。鬼をもととし難の省きを音とす。
           
           
316 37 トウ とも うつ もしくは     朋羣なり。手をもととし黨を音とす。(形聲)後人は黨を借りて攩となす。音通なり。字亦儻に作る。廣雅に擊なり。此は掌の轉義の代用なりと。朱駿聲云く。假借連言義を爲すものは。射雉賦に映日の儻朗。注に明かならざるの狀なり。又徐鉉云く倜儻は不羈の義なりと。又字音を借りて義をなす。莊子に儻然として終日言はず。注に志を失う貌。又史記の注に儻は未定の辭と。尚の代用といふも字音を借るのみ。
           
           
317 37 ゲン おごそか         頭を昂(アグ)るなり。人をもととし嚴を音とす(形聲會意)爾雅に儼は敬なり。論語に之を望む儼然たり。離騷に禹嚴として合を求む。注に敬なり。嚴儼殆ど同字なり。
           
           
318 38 コツ はじめ たかくたいらか     高くして而して上が平かなり。一の人の上に在るの(會意)説文の此解は誤る。_は元に同じ言辛の古文は_に作り。。イ䡇の同字なるにて知るべし。但し高くし上が平かなりとは阢の字の轉義の代用なり。阢は石山の土を戴くなり。阜をもととし兀は音とし。會意を兼ぬと。其實意に非ず唯た形聲なり。山上に土を戴く其上が平かなり。借りて兀頭義とす。今人山に艸木なきをハゲ山といふ。人頭に毛髪無きが如きなり。一義通用す。
           
           
319 38 ゲン はじめ もと きみ くび   元は始めなり。一をもととし兀を音とす。(形聲)コツ。ゲン。グワン轉音なり。然れども。説文の此解釋は誤りなるべし。字は人をもととし_(古文の上)にて會意す。(上の兀をも見よ)蓋し上は天なり陽なり。長男の義か。或は又元首。君長となすべし。書經に元首起ん哉。傳に元首は君なり。廣雅に元は長なり。轉義は孟子に勇士は其元を喪ふを忘れず。皆上人會意の恉(ムネ)を知るべし。又易に元とは善の長なり。呂覽に元とは吉の始めなり。穀梁傳に元年とは何そ。君の始の年なり。書經に月正元日。傳に上日なり。又儀禮に元服を加ふ。顏師古曰く元は首なり。故に冠を謂ふて元服と爲す。書經に元龜。注に大龜。曲禮に牛を一元大武と曰ふ。注に頭なり。
ガン          
           
320 38 イン まこと ゆるす       信なり。人をもととし㠯󠄂(イ)を音とす。(形聲)イ。イン一轉音なり。書經に允に恭く克く讓る。爾雅に允は信なり誠なり。轉義は玉篇に允當なり。又肯(ガエンズ)(肎)なり。又許可の義とす。
           
           
321 38 なし         説文にに同じ。實は亡に同じきなり。
           
           
322 38           _の楷體なり。部首字。
           
           
323 38 サン かざし         簪の本字。竹部を見よ
           
           
324 38 ケイ ます あに いわんや     長なり。(諸家云く滋長の義。亦轉じて長幼の義と)口人の(會意)然しイハンヤを本義となす。(或は況を借りて兄となし誤つて况に作る)増加するの辭なり。轉じて滋uの義となし。重なるの義となす。兄は先生にて弟は後生なり。先生の年は後生なる者よりも多し。故に兄を以て名く。要するに兄弟の二字皆專字に非ず假借字なり。段氏云く君父より重きは莫し。故に正字あり。兄弟の字は聲に依り事に託すと是なり。
           
           
325 39 ジユウ としたける みつる あつ     長なり高なり。人をもととし育の省きを音とす。(形聲)イク。ジユウ古音轉通す。一説に育に從ふは會意なりと。轉義は養なり肥なり。育子は長大の成人なり。方言に充は養なり。轉義は周禮の充人の注に猶ほ肥のごとしと。又充實といふ窒(シ)の代用なりと。詩經の充耳。箋に耳に塞る。亦𪎽に作る。荀子に顏色充盈。注に猛獅ネり。周禮に以て府庫に充つ。左傳に元𡨥賊充斥。注に滿なり。又其陽を充つ。注に實なりの類皆是れなり。又竟なりと終の代用と。
           
           
326 39 キヨウ おそれさわぐ あしきひと     𢹎(ゼウ)(擾の本字)恐なり。人の凶の下に在るの(會意)戰爭で彈丸が飛ぶ。其下に在る人は騷亂恐譟するなり。左傳の兇懼と是れなり。轉じて兇賊の義となす。
           
           
327 39 チヨウ うらかた われめ あらわる     龜を灼いて坼るなり。卜をもととし_は(象形)と誤りなり。古文によれば_は古文の卜の字。_は𠔁(ベツ)の省。辨別の意なり。或は謂ふ_は𡍩󠄀文(ワレメ)なりと。篆文の如きは卜が重複す。但し周は𠧞に作る。大篆なるべし。周禮大卜に三𠧞の法。注に龜を灼き火に發し。其形の占ふ可き者と。轉義は罅隙をいふ。晉語に其魄民に兆す。注に見(アラ)はるなり。又廣雅に兆は避なり。逃の代用なり。亦禮記に兆民。注に萬億を兆と曰ふとは字音を借りて名となすなり。
           
           
328 39 セン さき すすむ       前進なり。人が之(ユク)()の(會意)之は前進の意なり。轉じて先後の義となす。易に先には迷ひ後には得。詩經に予曰く先後有り。禮記に先生に從ふと。
           
           
329 39 コウ ひかり         明なり。火の人の上にあるは光明の義なり。(會意)古文廿火の會意。廿は衆の意なりと。又_にも作る。轉義は易に君子の光りと。
           
           
330 39 とく ほごす よろこぶ     説(ヨロコ)ぶ(悦の本字)なり。人をもととし㕣(エン)を音とす(形聲)實は兌は説の古文にて人口八の(會意)なり。人が喜べば口を開く。口を開いて笑へば氣が分散する。八は氣の分散する意なり。尒。余。曾の字の八と同意。氣がホゴレル。易に兌を口と爲す。説に作れば口言意複す。又今兌換といふ一義の轉なり。又易に兌とは説ぶなり。説を釋(ト)くと訓じ。一に曰く談説なり。皆一義の轉なり。字亦悦に作る。荀子に佞兌にして而して曲らず。注に兌は悦なり。
エツ          
           
331 39 コク になう たえる かつ よく   肩(カタ)なり任(タヘル)なり。古文に依れば人をもととし古を音とす。(形聲)コ。コク轉音なり。篆は高きの意か。爾雅に肩は克なり。勝なり。又克は能なり。左傳に凡そ師の儁を得るを克と曰ふ。俗に剋に作る。勊を借りて克となし。剋に譌するなり。書經に剛克。柔克。馬注に勝(スグレル)なり。詩經に斧に匪んば克(アタ)はず。傳に能なり。禮記に我戰へば則ち克つ。注に勝つなり。己に克つて禮に復へるを仁と爲すと。轉々して義を生ず。
           
           
332 40 ベン こをうむ まぬかる       子を生み身を免するなり。子免に從ふと。而して免の字を脱す。故に前人衆訟紛然たり。李髏烽ノて略ほ決す。其要に依れば。免は㝃の省きなり。又別にの字あり。兔が子を生むなり。其安産の義からの字を借り。人獸の區別をする爲め。女を子に改め。兔の一畫を省いて㝃の字を作り。又省いて免となりしなり。其證據は漢書に婦人の免乳は大(事)故になり。注に免乳とは子を生むなりと。則ち㝃の字の義なり。轉義は廣雅に免は脱なり。左傳に使者を免して而して復た鼓す。注に脱なり。周禮に若し之を免せんと欲せば。注に猶ほ赦すのごとしと。禮記に冠は免(ヌ)く毋れ。又人情の免かるる能はざる所と。注に猶ほ自ら止むるがごとしと。又娩に作り。媚の代用をなす。内則に蜿娩聽從と。
メン          
           
333 40 うさぎ         兔獸なり。(象形)上は兩長耳に象る。中は踞まるに象り。末は其尾の形と。詩經に躍々たる毚免と。字亦菟䖘に作る。俗出のみ。
           
           
334 40 ちのみご こども       乳子なり。又嬰兒といふ。人をもととし。上は小兒の頭𦥓(シン)(頭蓋骨)の未だ合はざるの形なりと。は_の省きか。又女の部に之を嫛󠄁婗と曰ふ。
         
           
335 40 シン とがる         兓々は鋭の意なり。二兂(サン)の(會意)段氏云く兂(簪)は入を主とす。故に兩兂を鋭の意とす。俗字は尖に作る。或は鑯を以て代用とす。
           
           
336 40 㝸󠄁 ベン           弁に同じ。廾部を見よ。
           
           
337 40 トウ かぶと         首の鎧(ヨロヒ)なり。もと_に從ふとあるも疑はし。皃は貌の本字で人の形なり。上の_は首なり。_はカブトの(象形)なるべし。書經の人名に驩兜あり古字なり。
           
           
338 40 キヨウ あらそう つつしむ おそる     競ふなり。二兄をもととす。二兄は先を競ふの意。丯を音とす。(形聲)一に曰く競は敬なり。説文は此の如し。_丯同きはの__の同きと一例なり。丯(カイ)。キヤウ轉音。然も此解説には異論もある。詩經に々兢々。傳に言を用ゆる堅彊(ツヨシ)なりと。熱烈なる爭論なり。競の義と近し。競()の省きに從ふて㒭に作りしにはあらざるか。疑を存す。又競敬とは詩經の戰々兢々。傳に戒なり是れなり。
           
           
339 41 ニユウ いる         内(イ)るなり。上より倶に下り。深く下に入るに象るなり(指事)上より下る。自然なり順なり。を倒まにすれば逆なり。故に干(オカス)の字は入の倒まのYを主としに作る。
           
           
340 41 𠓛 シユウ あつむ         三合なり。三合の形に象ると。三方より集るなり。集合の集の本。一は二を生じ。二は三を生じ三は萬を生ず。亼は大衆の合なり。
           
           
341 41 ボウ にぐ なし       亡の本字。亠部を見よ。
           
           
342 41 ダイ うちにいる いる       入るなり。冂(ベキ)(覆(オホ)ふ形)をもととし。上部卽ち外より内に入るなり。(會意)轉じて入る所の處を内といふ。又周禮の内府。左傳の内實。大學に本を外にし末を内にす。
ナイ          
           
343 41 全󠄃 ゼン まつたし そなわる       完(マツタシ)なり。入をもととし工を以て(會意)工は巧者の製作の如しと。入の義を詳かにせず。疑ふらくは_(宀)の省きか。完の字の宀と同意ならん。家の内にて工者が完全な仕事をするなり。(道書に仝を同となすは別字)又純玉を全と曰ふと。此は別に一字なるべし。純粹無缺の善玉なり。_(シフ)は亼(シフ)の省か。集玉中の良玉とす。又説文の古文をに作る。未だ詳かならず。轉義は周禮に十全を上と爲す。考工記に六材の全。注に瑕病無きなり。禮記に其義を明かにせざれば君人全からず。列子に天地全功無し。注に備なり。莊子に唯全人之を能くす。注に聖人なり。又卵の代用をなす。老子に未だ牝牡の合を知らずして而して全作(ナ)ると。字亦に作ると。
           
           
344 41 リヨウ ふたつ         再なり。冂𠓜の(會意)と。但し|の形を説かず。按ずるに_は象形。周器の文に多く馬㒳と曰ふ。車輛の本字。𠓜を二入なり。㒳の字は𠓜に從ふと。𠓜は二馬の入る意か。_は其入る所の處なり。下の兩をも見よ。
           
           
345 41 リヨウ はかりのめ わざ ふたつ ばけもの   二十四銖なり。量目は十二黍(キビ)を一分(ブン)とし。十二分を一銖とす。その二十四銖を一兩と爲す。一と㒳の(會意)㒳は平分するなりと。㒳は音を兼ぬ。(形聲)㒳は二つ並ぶ。平等平分の意。平分して兩目を得るなり。兩㒳同音通用す。小爾雅に度は丈を倍し之を端と謂ひ。端を倍し之を兩と謂ひ。兩を倍し之を匹と謂ふ。㒳の代用。又伎兩と謂ふ。法の代用。俗に倆に作る。古音轉通す。又罔兩(ハケモノノナ)は蜽の代用なるも古字なり。
           
           
346 42 うつろふね むなし いよいよ     木を空中にして舟と爲すなり。亼(シフ)舟にて(會意)す。は水なりと。窬を木を穿つの戸となす。二字音義近し。又越語に辭俞󠄀(イヨイ)よ卑く禮は俞󠄀よ尊し。逾の代用。又踰(コヘル)。愉(ココロヨシ)の代用をなす。
           
           
347 42 八󠄃 ハツ やつ わかる そむく     別(ワカル)なり。八別して相背くの形に象ると。(象形)五の字の古文の×を引分けたる形なるべし。八は分數の大なるもの。六は八より小なり。數字は合せ考ふべし。
ハチ          
           
348 42 リク むつ         六は易の數に結び附け。複雜に解いてあるが。それ程こみ入つた意味で作られたものとは思へない。字形にて考へ見れば明かに(入)八にて(會意)す。は陰の意あり(白の字の入に從ふと同意)八と六とは均しく偶數にして分けらるるなり。六は八よりも小數ゆゑに入をもととす。入は縮小なり。亦入は音も兼ぬべし。ニフ。リフ。リク一轉通音なり。説文は曰く。易の數は。陰は六に變じて八に正し。段氏云く六を陰の變となし。八を陰の正となすを謂ふ云々。
リユウ          
ロク          
349 42 コウ おおやけ ただし きみ     平分なり。八(ハチ)厶(シ)の(會意)厶は私の本字なり。韓非子曰く。厶(ワタクシ)に背く(八の義)を公と爲すと。私は禾(イネ)の名で禾をもととし厶をを音とす。故に私を以て厶となす。同音通用。今は厶の字を知るものなし。然れば公は公私を本義となす。又爾雅に公は君なり。周書に制を立て衆に及ぶを公と曰ふ。皆kの代用。此義或は翁を以て代用す。又詩經に以て膚公を奏すとは功の代用。又爾雅に公は事なりとは工の代用。又官の代用をなす。古音の轉通なり。
         
           
350 42 ケイ ことばとどまりてまたのびる     語の稽る所なり。丂と八の(會意)八は氣の越に象ると。は丂(氣止る)をもととし。一を氣の平かに舒びる意とし。兮は丂をもととし。八を以て揚り舒びるの意とす。兮の別を味ふべし。然ば兮は一旦語氣を止めて又張り揚けるなり。大學に斷々兮他技無し。老子に淵兮萬物の宗に似たりと。操觚字訣に上のコトバ。イヒテカラ。ウウトイヒ。シバラク思按して。又下をイヒ出すなりと。
           
           
351 42 𠔏 キヨウ ともに みな       同なり。廿と_(キヨウ)の(會意)廿は二十。眾庶の意なり。庶人の擧手が一方に向ふ。共同一致なり。字形字義明かなり。莊子に其コを共にす。注に壹なり。又周語に共給とは龔の代用。爾雅に共は具なり供の代用。
           
           
352 42 キヨウ ともに みな       上に同じ。
           
           
353 43 ヘイ ぶきのな つわもの       械なり。(一般の兵器の總名)_(キヨウ)(兩手)に斤(斧鉞)を持つ。本義は器を執る人をいふ。故に古文は人が干を_(モ)つ。皆(會意)轉じて械器の名となすなり。左傳に上國の兵を簡ぶ。疏に戰は必ず人をして兵を執らしむ。因て人を名けて兵と爲すと。又曰く以て兵を興すべしと。又周禮に五兵。注に戈。殳(シユ)。𢧢。酋矛。夷矛。易に離を戈兵と爲す。越語に兵は凶器なり。
ヒヨウ          
           
354 43 その       其箕は同字。簸(ハ)(アフル)すべき者なり。篆は竹をもととす。竹にて作るなり。𠀠は其(象形)丌(キ)は其器を置くの臺なり。(象形會意)又簸は米を揚げて𥹺(ヌカ)を去るなり。箕をもととし皮を音とす。詩經に南に箕あり。簸揚すべからずと。二字相對して義は明白なり。又鄭語に檿弧箕福。綦の代用と。又易に死其將に至らんとすとは期の代用。又事物を指すの辭。ソノの義は字音を借るのみ。
           
           
355 43 そなえる つぶさ       供置なり。_(兩擧手)に貝を持つ。貝は貨なり。貨を大切に捧げ進める。供給して不足なからしむるなり。(會意)禮記に長者を佐けて具を視ると。又詩に民具(トモニ)爾を瞻るとは倶の代用。
           
           
356 43 テン のり つね つかさどる     古の道を書せる尊き書籍なり。尊きが故に丌(キ)(ツクエ)の上に安置するなり。(會意)典には人道の常法が記してある。爾雅に典は經なり。常なり。詩經の傳に法なりと。又廣雅に典は主(ツカサ)とるとは敟の代用なり。
           
           
357 43 兼󠄅 ケン かねる あわす       幷(アハス)なり。又(テ)(手)に秝(二禾)を持つの(會意)兼は二禾を持ち。秉は一禾を持つと。兼は秉より義重し。儀禮に之を兼ね執つて以て進む。注に兩なり。又諸(コレ)を弣に兼ぬ。注に矢を弣に幷はす。孟子に兼金百。注に其價常に兼倍する者と。家語に句龍は社に兼食す。注に並なり。荀子に聖人其欲を縦にし其情を兼ねて焉(コレ)を制す。注に猶ほ盡のごとし。又の注に兼は復の名なりと。
           
           
358 43 冀󠄂 きたのくにのな こいねがう     北方の州なり。北をもととし異を音とす。(形聲)此字多くは覬の代用にて行はる。魯語に五び冀ふて而して我を修む。注に望むなり。離騷に枝葉の峻茂を冀ふ。注に幸なり。又荀子に行いて供に冀く。翼の代用と。
           
           
359 44 ヘキ おおう         覆ふなり。一の字を下垂したる形なりと。𠔼(ボ)冃(ボウ)の字の形原なり。徐鉉云く今俗に冪に作る同じと。
           
           
360 44 ボウ           帽の本字。巾部を見よ。
           
           
361 44 ゼン ほおひげ たれる       毛の冄々なり。(象形)冂は頰の輪廓でが其形なり。段氏云く。冄々とは柔弱下𠂹の皃なり。須部の𩓾は(冄をいふ)下𠂹(垂)の意に取る。女部の㚩は弱の意に取ると。
           
           
362 44 モウ あみ         网(網)に同じ部首字。
           
           
363 44 𠔾 シユウ おわり         終に々。糸部を見よ。
           
           
364 44 ケイ           _坰に同じ。土部を見よ。
           
           
365 44 サク かきもの ふみ       冊は符命とて。諸矦の進みて王より受くる者なり。其札(竹の尺の如し)一長一短でこれに二編ある(___)に象る(象形)_は節なり坼けるを妨ぐ。冊は今の授爵書の如し。古は字數多き者は冊に書し。字數少きものは木札に書すと。又古の經典傳記は冊に書す。後世帛を用ひ。漢に及んて紙を用ひなり。説文の古文の_を竹と爲すというも。_の譌形にはあらざるかと思はる。疑を存すといふ。
サツ          
           
366 44 再󠄃 サイ ふたたび         一擧し二つなり。一をもととし冓の省とにて(會意)冓は加へ重ぬる意なり。段氏云く。凡そ二と言う者は對偶の詞。凡そ再と言ふ者は重複の詞。一にして而して加ふる有るなりと。周禮に再刺。再宥。再赦。禮記に再拜と。
           
           
367 44 チユウ かぶと         兜鍪なり。(首鎧)冃をもととし由を音とす。(形聲)ユウ。チウ一轉音なり。古文は冒をもととし上は兜頭の飾に象る。司馬法の冑は革をもととし。其革にて作るの意となす。段氏云く古は之を冑と爲す。曲禮に甲を獻する者は冑を執ると。
           
           
368 44 冒󠄃 ボウ おかす         冡(モウ)(蒙)して前むなり。冃(バウ)(帽の本字)目の(會意)帽子を目深にかむり。目暗滅法に衝き進むなり。轉じて凡そ干犯の義となす。白刃を貪冒の如き是れなり。又易に天下の道を冒(オホ)ふ。詩經に下土是冒ふ。漢書に姓を冒すと。皆𠔼(バウ)の代用。𠔼は重覆なり。又書の大傳に古の人は衣上に冒ありとは冃(バウ)(帽)の代用。又考工記に冒を執る四寸とは瑁の代用。又呂覽に夫妻相冒(ネタム)と媢の代用。又書經に爾サを以て冒(ツトメ)て非幾に貢(オトシイ)る無れ。勖の代用。
           
           
369 45 冓󠄃 コウ かまう         材を交積するなり對交の形に象る。(象形)畫圖に作れば_なり。下の二古文は省形なり。是れ殆と構の古文。淮南子に土を築き木を構ふ。
           
           
370 45 ベン かんむりのな       大夫以上の冠なり。邃延(フカキボウシ)垂瑬󠄀(タレルタマカザリ)紞\(ミミカクシ)冃又は糸をもととし免を音とす。(形聲)昔者黄帝初て冕を作る。
           
           
371 45 𠔼 ボウ かさねおおう       重覆なり。冂一の(會意)とあるが古文に據れは。明かに冂(ベキ)の重形なり。
           
           
372 45 イン さまよう         冘々として行く貌なり。人の_(ケイ)(坰)を出づる(象形會意)
           
           
373 45 カン かむり かむる       髪に(タスキ)する所以(ユエン)なり。(は約束の意)弁冕の總名。冖元寸の(會意形聲)元は音を兼ぬ。元は首なり。冠には制度あり。寸は法なり。冠は最も古なり。後に弁冕あるも冠を以て代用とす。禮記に冠は至尊なり。又曰く士は弁して而して公に祭り。冠して而して己に祭る。注に元冠なり。轉義は禮記に冠は禮の始めなり。説苑に冠する者は成人を別つ所以なり。又凡そ覆して上に加ふるの稱となす。漢書に位羣臣に冠す。注に其首に居るを謂ふと。
           
           
374 45 冡󠄂 ボウ おおう くらし       覆ふなり。豕の(會意)元來豕は鈍物なり。其に二重の_(オヒ)を被らせたら。愈よ鈍物となる冡昧。お先き眞暗なり。此を童蒙の本字となす。
モウ          
           
375 45 冢󠄃 チヨウ つか         怩フ本字なり。土部を見よ。
           
           
376 45 セキ むらめし         飯の剛柔調せず。相箸(チヤク)(著(ツク))するをいふ。(ニホヒ)をもととし冂(ベキ)を音とす。(形聲)今此事あり此字存すべし。
           
           
377 45 シユ つむ もつとも       積むなり。_は覆ふなり。覆蓋の下に取り聚めて積むなり。取は音を兼ぬ(會意形聲)段氏説に冣聚の二字音義皆近し。公羊傳の注に冣の言たる聚なり。周禮の注に凡そ簿書の冣目と。今總目と言ふごとし。爾雅に灌木は叢木なり。詩經の毛傳には冣木に作る。皆取を音とす。然るに最(サイ)の字の音で。冣(シユ)の字を讀み。之を混ずるは誤りなりと。又云く古凡そ殿冣と云ふ者は皆冣に作るべし。韋昭曰く第上を冣となし。極下を冣となすと。
           
           
378 46 エン かがまる まがる       屈なり。冖兔の(會意)兔が_(覆)の下に在り走るを得ず。uす屈折するなり。轉じて人を謂ふ。廣雅に冤は曲なり。枉なり。抑なり。冤罪も亦是れなり。
           
           
379 46 メイ たらし ふかし       幽(カスカ)なり。(一本に窈(クラキ)なりに作る)日六_の(會意)日の數は十なり。十六日にして而して月始て虧けて冥するなりと。又一説に_(ケイ)を音とす。周錢の古文證すべしと。昏の字を日且(マサ)に冥せんとすと訓ず。一義の轉なり。又轉じて曲禮の注に闇は冥なり。俗に暝に作る。莫を暮に作るのと同例にて日が重複す。莊子に北冥。注に窅(ナカクボ)なり。冥にして極りなし。故に冥と謂ふと。詩經に維れ塵冥となり。箋に目明に蔽入して見る所なしと。此は或は瞑の轉義か。又周禮の冥氏はの幎の代用。又重言なるものは。荀子に冥々の志。注に專默精誠の謂ひと。
           
           
380 46 最󠄃 サイ おかしとる         犯し取るなり冃取の(會意)段氏云く。徐鍇曰く。犯して取るなり。犯して取るは猶ほ冡して前むのごとし。冣最の二字は義殊(コト)にして音も亦殊なると。又冣を見よ。
           
           
381 46 冪󠄂 ベキ           冂に同し。或は云く幎に同しと。皆通ずべし。
           
           
382 46 ヒヨウ こおり         凍なり。(凍はよりも堅なり)水の冰(コホル)(の代用)の形に象る。(象形)朱駿聲云く水の始て凝るや文理之に似たり。易に乾を冰と爲す。冰は借字と。俗に水を省いて氷となす。
           
           
383 46 トウ ふゆ         冬は四時の盡るなり。(氷の本字)と𠔾(終の古文)にて(會意)終は畢なり盡なり。釋名に冬は終なり。物終に成るなりと。時の功の終結するなり。
           
           
384 47 タイ           太に同し。大を見よ。
           
           
385 47 ケツ           決の誤字なり。
           
           
386 47 チユウ むなし         沖の俗字。水部を見よ。
           
           
387 47 キヨウ いわんや         況の俗字。水部を見よ。
           
           
388 47 ギヨウ こおる こる       水の堅きなり。水(氷の本字)の(會意)疑は漢の俗字。後人は冰を省いて氷に作り。以ての代用をなし。亦凝に作つて冰に換え。而しては廢字となる。轉義は廣雅に凝は定なり。爾雅に冰は脂なり。内則の注に凝る者と脂と爲し。釋ける者を膏と爲す。詩經に膚は凝脂の如しと。考工記に土を凝らして器と爲す。淮南子に凝結して流れずと。又左傳に甲を釋き冰を執る。注に櫝丸の蓋と棚の代用と。
           
           
389 47 とける うつくし       銷なりをもととし台を音とす。(形聲)タイ。イ。ヤ音通するなり。銷とは金を鑠するなり。の融消するか如し。轉じて鑪で金を消し物を鑄たり。金を焼いて鍛錬するをも冶と謂ふ。朱駿聲云く。冶を野の代用となす。易に冶容。陸虞本は野容に作る。荀子に美麗姚冶と。此義は唯た音を借るものか。
           
           
390 47 ハン           泮の俗字なり。詩經に冰の未だ泮けざると。判の代用。義實はに非ず。
           
           
391 47 レイ ひややか つめたし       寒なり。をもととし令を音とす。(形聲)
           
           
392 47 バツ かぜさむし         は風の寒きなり。をもととし犮を音とす。(形聲)毛詩は觱發に作る。音通なり。
           
           
393 47 レツ さむし         寒なり。をもととし列を音とす。(形聲)冽の列音なるは。烈の列音なるが如く。其義は音に存す。段氏云く今本冽を𠘝に誤ると。
           
           
394 47 セイ すさまじ         淒の俗字なり。水部を見よ。
           
           
395 47 リヨウ すずし         涼の俗字なり。水部を見よ。
           
           
396 47 ジユン ゆるす         準の俗に省略せるもの。今は准を用ひて允准。許可の義となす。
           
           
397 47 セイ さむし すずし       寒なり。をもととし青を音とす。(形聲)禮記に冬は溫にして夏は凊しくすと本義なり。段氏云く。方言には浄なり。二字は皆冫に從ふべし𠗾は即ちの字にして凈は即ち凊の字なりと。蓋し古より清淨の字通用す。故に凊も亦凈に作るべきなり。
           
           
398 47 凌󠄂 リヨウ こおり         𠗲に同じ。下を見よ。
           
           
399 47 ゲン           減の誤字なり。
           
           
400 48 凋󠄃 チユウ しぼむ         半(ナカバ)傷(イタム)なり。未だ全く傷まざるなり。をもととし周を音とす。(形聲)思元賦に卉既に凋󠄃す。注に落なり。荀子に勞苦彫萃。又呂覽に寒なれば則ち彫むと。彫。雕代用なり。
           
           
401 48 トウ こおる         をもととし東を音とす(形聲)段氏云く初て凝るをとと曰ひ。の壯なるを凍と曰ふ。又水に氷と曰ひ。物に凍と曰ふ。月令に。水始て冰り地始て凍ると。
           
           
402 48 リツ さむし おののく       寒なり。をもととし栗を音とす。(形聲)詩經に二の日凓冽と今本は栗に作る。蓋し栗に戰栗の義あり。凓は會意も兼ぬべし。字亦慄に作る。爾雅に慄は慼(イタム)なり。廣雅に慄は戰なり。卽ち戰凓なり。
           
           
403 48 シヨウ さむし すずし       寒なり。をもととし倉を音とす。(形聲)滄の字と音義同し。然も寒義は固よりに從ふべし。滄の本義は滄浪水名にて。其寒の訓はの代用なるべし。亦𠗾に作る。凊の下を見よ。
ソウ          
           
404 48 ヒツ かぜさむし         風の寒きなり。をもととし。畢を音とす。(形聲)㓖は連言なり。を見よ。
           
           
405 48 𠗲 リヨウ こおり おそる しのぐ     (氷)の出るなりと。蓋しの水面に盛り上りて棱々然たるなり。をもととし。_夌を音とす。(形聲)トウ。リヨウ古音轉通。風俗通に積冰を凌と曰ふと。詩經に𠗲陰。傳に冰室なり。轉義は爾雅に凌は慄なり。注に凜なり。字亦㥄に作る。西京賦に百禽㥄遽。注に怖(オソル)なり。又史記に相凌(シノ)ぐを鬥と爲すとは夌の代用
           
           
406 48 メツ           滅の誤字なり。
           
           
407 48 リン さむし おそる       寒なり。をもととし廩を音とす。(形聲)廩は稟を音とす。故に𠘡も亦凜に作る。轉義は埤蒼に凜とは顏色の懼る貌なり。凛冽恐るべし。字亦懍に作る。文賦に懍々として以て霜を懐く。注に危懼の貌なり。漢書に直ちに此が廩々を爲すなり。注に危きなりと。廩を以て𠘡となす。
           
           
408 49 つくえ         凥の几なり。(象形)周禮に五几。玉几。彫几。彤几。䰍几。素几と。凥は居處の居の本字。朱駿聲云く坐するに凭る所以なりと。卽ち机案の本字なり。丌(キ)と音同く義は別なり。
           
           
409 49 ハン すべて およそ       冣(アツメ)括(ククル)して言ふなり。をもととし__を括るの意となす。(會意)は偶數なり。多きの意とす。説文は_をとし_を古文の及の字となす誤る。
ボン          
           
410 49 キヨ おる すわる すまい     処(オル)(處)なり。尸(ヒト)の几(牀几)を得て而して止まるなり。(象形會意)孝經に曰く仲尼凥す。間凥を謂ふ。此字多く居を借りて代用となす。轉して坐上の義となす。禮記に居れ吾汝に語らん。注に坐なりと。居處の字は本字は凥処なり。居は踞の本字なり。禮記の間居。燕居も皆凥の義なり。
           
           
411 49   なぎ         邦字なれば音なし。ナギとは。風が止むの合の省きなるべし。
           
           
412 49 𠘱 シン とりとぶはやし       (鳥が)新に窒生じて而して飛ぶなり。𠘧(シユ)彡(サン)の(會意)_は鳥の短窒ネるもの飛ぶ𠘧々なり。象形。シユシユと音がするなり。彡は毛窒フ意。_に作るべきのみ。𠘱の本字の_(シン)とは別なり。
           
           
413 49 ヒヨウ つくえによる よりかかる       几に依るなり。几をもととし任を音とす。(形聲)説文の音は讀む馮の若(ゴト)しと。故に亦凴に作る。ヒヨウとジンと古音は轉通なり。字林には凴に作る。詩經に馮有り翼有り。箋に馮は几に馮るなりと。馮を以て凭と爲す。卽ち讀む馮の若きなり。故に馮凭相渉つ凴に作るなり。西京賦に虗に凴る公子なる者あり。注に依託なりと。
           
           
414 49 オウ ほうのめす         古は鳳皇に作り。凰の字なし。古書にして凰に作るものあらば後人の俗改なり。韻會に雄を鳳と曰ひ。雌に凰と曰ふ。卽ち近俗字。
           
           
415 49 ガイ           豈の俗字なり。豆部を見よ。
           
           
416 50 キヨク うつわまがる       今此篆を補ふ。凵は_に同じ。匚(ホウ)_の同字なるにて知るべし。_は隷楷に曲に作る。日部を見よ。段氏云く匚は之を側視する形。凵は之を正視する形。
           
           
417 50 キヨウ あしし         惡(アシキ)なり。地下に穿孔(アナ)ありて。それが交錯してゐる(×が其意)其中に䧟るなりと。(象形)此程不吉なることなし。易に吉凶と曰ふ是れなり。轉じて失となす。
           
           
418 50 シユツ いずる すすむ       進むなり。艸木の生長して伸びるなり(象形)と按ずるに古は出の字二ツあり。此解義は_に作る。殷古文に見ゆ。義は才()より屮(テツ)。(_)屮より之(シ)。()之より出と追々と生長するなり。禮に句する者畢く出づ。韓非子に始め之を出と謂ふ是れなり。又一は進むなり前出の義。字形は本文の如し。止(アシクビ)をもととし__は後より推し進めるの意とす。亦象形。爾雅に男子姉妹の子を謂て出と爲す。秦策に齊の女を出す。注に婦人の大歸を出と曰ふ。又外達の義とす。書經に以て五言を出納すと。凡そ人事に關するもの是れなり。
スイ          
           
419 50 カイ つちぐれ         塊の本字なり。土部を見よ。
           
           
420 50 オウ なかくぼ くぼみめ       深目なり。穴中の目との(會意)なり。此を凹の本字とす。字亦䆟に作る。東方朔の神異經に其湖に凸凹無しと。或は此に出つべし。
           
           
421 50 トツ なかだか ほねいず       骨の差(クイチガヒ)なり(トビデル)肉をもととし失を音とす。(形聲)シツ。トツ一轉音なり。骨の高く肉表に出づるなり。字書にて凹凸の字を載せたるは葛洪の字苑なるべし。
           
           
422 50 函󠄃 カン した ふくむ いる よろい はこ 舌(シタ)なり。舌の體は㔾㔾(カンカン)(ベロベロ)なり。㔾は音を兼ぬ。(象形形聲)㔾は(フク)むなり。内に在るの意。又肉をもととし今を音とす。(形聲)キン。カン轉音なり。故に函󠄃を包含。包容の義となす。(ハコ)と訓ず物を容るるもの。此義も是れより出づべし。禮記に席間に丈を函る。漢書に之を函る海の如しと。或は云ふ此等は含の代用と。又廣雅に函は鎧なりとは甲の代用。説文に貝の水に在るを函と爲す。上の轉義。字亦䤴に作る。俗に凾に作るは非なり。又按ずるに周古文は矢に從ひの省きを音とするものの如し。果して然らば此を別に一字とす。玉篇に㿪は箭器と。古字匵丸に作るべし。而して丸函音通すべし。は或は此丸の本字か。
           
           
423 51 トウ かたな ぜに       兵なり(象形)刀に大小あり。皆刀と名く。公羊傳に右に鸞刀を執る。漢書に刀筆の吏。又荀子に刀布。注に錢なり。_形なり。漢書の注に民に利すと。字亦刀に作る又小舟を刀といふ。𦩍の代用。
           
           
424 51 刃󠄃 ジン やいば         刀の堅なり燒きを入れるなり。丶は其意とす。(指事)古字書に焠して刀ルを作るなりと。刃は亦𠟎と曰ふ。淮南子に金を鑄て而して刃と爲す。注に五刃は。刀。劔。矛。𢧢。矢なり。
           
           
425 51 フン わかつ さける はかりめ     別なり八刀の(會意)刀は以て物を分別するなりと。八は分つなり。禮記に死生分かる。注に猶ほ半のごとしと。又日夜分かる。正に分半。兩分なり。轉義は禮記に分夾して而して進む。注に猶ほ部曲のごとし。論語に邦分崩離析。注に民に異心あるを分と曰ふ。五穀分たす。注に猶ほ理のごとしと。素問に癰腫を分潰す注に裂なり。禮記に男に分あり。注に職なり。又賈子に十釐を分となす。是れ字音を借りて義となすなり。
         
ブン          
426 51 セツ きる しきり       (キル)なり。刀をもととし七を音とす。(形聲)段氏云く轉義は迫切となし。一切となす。師古曰く。刀を以て物を切るが如し。苟も整齊を取つて長短縦横を顧みず。故に一切と言ふと。論語に切に問うて近く思ふと。又詩經に切るが如く瑳ぐが如し。骨や玉の堅きを切るなり。字亦𢪃に作る。廣雅に𢪃は磨なり。亦砌に作り榍の代用をなす。西都賦に玄墀釦砌。榍は限なりと訓ず。
サイ          
           
427 51 ソウ きず         創の本字なり。下を見よ。
           
           
428 51 カイ くさかる かる かま おさむ せむ 艸を芟(カ)るなり。丿(ヘツ)(左へ)乀(ホツ)(右へ)の(會意)。刀を加ふるも同し。刀は刃物。鎌なり。鎌にて艸を刈る。詩經に是れ刈り是れ濩る。轉じて鎌をいふ。管子に槍刈耨鎛を挾むと是れなり。亦轉じて修治の義となす。書經に能く乂(オサ)め俾(シ)む。爾雅に乂は治なり。史記に海内乂安。或は云く此は䢃の代用と。又書經俊乂官に在りとは傑。若くは彦の代用なりと。古音轉通す。又漢書に霍氏を懲乂すとは㣻の代用なりと。
           
           
429 51 カン きる けずる さだむ     剟(キル)なり。(剟は刊なり)刀をもととし干を音とす。(形聲)周禮に陽木を刊る。凡そ削り去るを刊といふ。故に石に刻するを石を刊すといふ。廣雅に刊は定なり。又栞の代用は禹貢に山に隨ひ木を刊すと。又竿の代用をなす。
           
           
430 52 フン くびはねる         歾(ボツ)に同し。歾は歿の本字。荀子に壽にして其頸を歾(ハネ)んと欲す。楊注に歾は刎に同じ一切經音義に。自刎。注に古文は歾に同じ。ボツ。フン古音轉通なり。
           
           
431 52 ケイ くびきる ころす       剄(クビキル)なり。刀をもととし幵(ケン)を音とす。(形聲)ケン。ケイ一轉音なり。韓非子に殺戮之を刑と謂ふ。易に用て人を刑するに利あり。又書經に五刑服有り。凡そ刑罰の義は㓝の代用。㓝を見よ。又書經に厥(ソノ)二女に刑(ノツト)るを觀ると。凡そ儀刑の字は型(ノリ)の代用。又漢書に宇内に刑(アラハ)る。注に見なりとは形の代用。漢碑文に患害を無刑に避くと亦同じ又漢書に土刑に歠(スス)る。注に羹を盛る所以との代用。𨦕は鼎の類。
           
           
432 52 ケイ ただす おさむ       罪を罰するなり。刀と井の(會意形聲)易に曰く井は法なり。井は音も兼ぬ。字を作るには多く井を法則の意とし用ゆ。六書の假借なり。井然として整齊なるの形なり。周禮に五㓝を以て萬民を糾す。漢書に㓝なる者は君の罰する所以なり。左傳に嚴斷㓝罰。疏に對文すれば。罪を加ふるを㓝と爲し。贖を收むるを罰と爲す。又爾雅に㓝は法なり。常なりとは型の代用。又多く刑の代用をなし。形𨦕と通ず。
           
           
433 52 㓞󠄃 カツ よくきざむ         巧㓞󠄃なり。刀をもととし丯を音とすとは非なるべし。丯の彡が巧㓞󠄃の文なり。|は兩分の意とす。栔はでき上りたるの證券。栔を以て取り引きの約束するが契なり。大なる契約なり。
           
           
434 52 レツ わかつ わかれる つらぬ     分解なり。刀をもととし𡿪(レツ)を音とするも(形聲會意)𡿪は流の水脈が分派して下り行くなり。川をもととし列の省きを音とす。二字音義相渉る。轉義は小爾雅に列は次なり。陳なり。廣雅に列は布なり治なり。禮記に火三列。疏に行くなり。又故事列す可し。注に次弟あり。左傳に輕重以て列す。注に位なり。呂覽に文章を列す。注別なり。荀子に列星旋に隨ふと。又周禮に朝に野外に在り則ち内列を守る。注に藩營の内に在る者と迾(サヘギル)の代用。
           
           
435 52 ガン たつ けずる きざむ すりへらる   剸(斷の代用)なり。刀をもととし元を音とす。(形聲)一に曰く齊(トトノヘ)るなり。又轉じて廣雅に鏤なり。楚辭に方を刓して圜と爲す。字亦剜に作る。字林に剜はなり(は削の誤りなるべし。埤蒼は削に作る誤らず。亦に作る。考工記の古書に摩の工。ケヅリヘラスなり。又史記に印を刻し刓して而して授くる能はず。集解に刓断して復た廉鍔なしと。又荀子に游抏とは玩の代用。字亦抏に作ると。
           
           
436 53 シヨ はじめ はつ うぶ うい   始なり。刀衣の(會意)衣を裁する始なりと。刀にて布帛を齊斷す。製衣のハジメなり轉じて凡そ初始の義となす。易に初は吉終は凶。詩經に厥(ソノ)初め生民と。易の乾鑿度に。太初は氣の始めと。
           
           
437 53 サン けずる さだむ       剟(テツ)なり。(剟は刊なり。刊は剟なり。)刀冊の(會意)冊は書なり。古は書記を司る者を刀筆の吏と曰ふ。刀にて文字を㓞󠄃(キザミ)劃し又は刪り去るなり。三蒼に刪は除くなり。聲類に刪は定むるなり。書の序に詩三百篇を刪ると。無用を除き有用を存す。漢書の注に刪は刊なり。亦削るなり。皆一義相合す。
           
           
438 53 キヨウ           劫の誤字なり。力部を見よ。
           
           
439 53 判󠄃 ハン わかつ         分つなり。刀をもととし半を音とするも(形聲會意)判は半分するなり。字亦に作る。周禮に凡そ責(サイ)(カリ)有る者は判書あり。注に半分にして而合すべき者なり。今の證券に本紙副紙あるが如し。又印判の語ある所以なり。轉義は又周禮の媒氏に萬民の判を掌る。注に判は半なり。其半を合せて夫婦と成すを主とる。晉語に上下既に判有り。注に離なり。又裁判。判事。判決となす。字亦拌に作る。史記に石にり蚌を拌つ。
           
           
440 53 ベツ わかつ わける       分解なり。(列と義近し)刀と冎󠄁(クワ)の(會意)冎󠄁は骨と肉とを別々に解き離し。其骨を存置する義なり。然れば其事を行ふが別である。牛肉やで肉と骨とを剥ぎ取つてゐるのは。卽ち別の義なり。轉義は凡そ分別。辨別となす。周禮に傅別。注に別つて兩家各一を得るなり。管子に別券有る者は幾何く家ぞ注に分契なり。此義には字俗に䇷莂󠄂に作る。離騷に夫の離別を難しとせず。注に遠ざかるを別と曰ふと。又禮記に貴賤の義別る。注に明なり。
           
           
441 53 とし         刀刃の鋭利を謂ふなり。切れ味なり。刀禾の(會意)禾は龢なり。調の意なり。論語に工は其事を善くせんと欲する者。先つ其器を利にすと。此理なり。大工の鉋磨ぎなり。詩の毛傳に鸞刀は刀に鸞(スズ)あり。割の節に中るを言ふと。刀と手との和なり。轉義は易に曰く利は義の和なり。又其利は金を斷つ。老子に國の利器。孟子に地の利。注に険阻城池の固めなり。又周禮其利害を知る。卽ち福利といふはョの代用なりと。
           
           
442 53 ケン てがた         契なり。手形なり。刀をもととし𢍏(ケン)(龹)を音とす。(形聲)古の證券は木を用ゆ。刀にて數義を記し。又兩分するなり。禮記に右券。注に契なり。劵(ウム)と混ずべからず。
           
           
443 54 トウ いたる さかしま さかさ     至るなり。至をもととし刀を音とす。(形聲)至は義深く到は義淺しと。此處まで至る。極まで達するにあらず。今到著といふは義に合す。爾雅に疏に遠より至ると。此に依れば彼より此に到り。此より彼に至るなり。詩經に國として到らざる靡(ナ)し。又莊子に艸木の到(サカシマ)に植たる者。此義は県(ケウ)の代用。県は罪人の首を木つサカサに縣(カケ)たる義なり。此義は俗に倒に作る。詩經に之を顚し之を倒す。後人の改寫せるものなり。
           
           
444 54 シヨウ はじめ         法を造り業を刱むるなり。井(法の義とす)をもととし刅を音とす。(形聲)刅は創の本字なり。而して經傳は創を以て刱となす。周語に天下を創制すと此類なり。
ソウ          
           
445 54 さく えぐる       判なり。刀をもととし夸を音とす。(形聲)蓋し刀を以て判分するなり。書經に孕婦を刳剔すと。段氏云く内則に之を刲し之を刳す。按ずるに刲は之を刺し殺すを謂ひ。刳は其腹を空しうするを謂ふと。易に木を刳りて舟と爲すと亦木の中を虗ふするをいふ。一本にに作る。蓋し夸に空張の意あり。或は會意あり。
           
           
446 54 セイ たちきる さだむ とどむ     裁なり。刀未の(會意)未(果實)は物成つて滋味あり裁斷すべきなりと。卽ち制裁を本義とす。一に曰く止むるなりと。轉義なり。易に君子は制數を以ふ。注に止なり。秦策に王因て而して之を制す。注に御なり。淮南子に聖人法を作つて而して萬物制す焉。注に猶ほ從のごとし。荀子に國を處する制有り。注に等差を謂ふなり。孝經に節を制し度を謹む。注に費用約倹之を制と謂ふ。
           
           
447 54 カツ むぎかき こする けずる     掊杷なり。刀をもととし。𠯑を音とす。(形聲)元𠜜に作り。隷省刮に作る。段氏云く掊杷は麥を收むるの器なり。凡そ地を掊するは。麥を杷するが如く然り。故に之を累言して掊杷と曰ふ。轉義は廣雅に刮は削るなり。段説と通ず。考工記に刮摩の工とあり。或は摩切と訓ず。
           
           
448 54 ケイ さす ほふる       刺すなり。刀をもととし圭を音とす。(形聲)
           
           
449 54 サツ きる のごう ぬぐう する こする 刮(ケヅル)なり。刀をもととし㕞(サツ)の省きを音とす。(形聲)此刷は多く㕞の代用にて行はる。_は飾るなり。手に巾を持して尸(屋)の下に在るの會意。飾は俗に拭に作る。屋の拭(フ)き埽除して清潔にするを㕞といふ。爾雅に刷は清よめるなり。三蒼に刷は埽ふなり。漢書に會稽の恥を刷す。注に之を拭除するを謂ふなり。又詩に鶴が猪ムを刷すといふ。今印刷といふも此義に出るなるべし。
           
           
450 55 さす ころす そしる せむ   直傷なり。刀朿の(會意形聲)朿は音を兼ぬ。木の朿(トゲ)は人を刺す。刀を以て朿の如くに突き刺すなり。轉義には爾雅に刺は殺なり。左傳の注に大夫を殺すを刺と言ふ。又考工記に刺兵。注に矛の屬なり。釋名釋書契に刺書は筆を以て紙簡の上を刺すなり。史記に繍文を刺す。又廣雅に刺は箴なり。詩の序に上を風刺す。𧧒の代用。又詩經に天何を以てか刺(セム)す。傳に之を責むとは。責の代用。又荀子に中を刺し穀を殖す。注に絶なり。斯(ツクス)の代用。
           
           
451 55 コク きざむ ほりつける ふかし     鏤なり。刀をもととし亥を音とす。(形聲)ガイ。コク古音は轉通す。鏤は剛鐵(ハガネ)なり。鏤刀を用ひて彫刻をするが本義なり。左傳に桓宮の桷に刻す。注に鏤なりと是れなり。廣雅に刻は分なり。畫なり。又後漢書に肌に刻す。注に墨劓臏刖と。文身(ホリモノ)。入れ墨なり。又詩經の箋に挈壺氏は漏刻(トケイ)を掌る。(符目を刻せるなり)又秦策に深刻にして恩寡し。注に急なり。後漢書に五藏に刻著す。注に之を心に銘するを謂ふなりと。
           
           
452 55 サツ てら         古此字なし。殺の俗字なるべし。殳刀同意なり。後人寺刹の字となすは。字音を借りて名となすのみ。一説に㓼の俗字と。稍(ヤヤ)遠し。
           
           
453 55 コク かつ         勊の俗字なり。力部を見よ
           
           
454 55 ケイ くびはねる         刑なり。(刑は剄なり)刀をもととし。巠を音とす。(形聲)巠は或は頸の省にて會意を兼ぬ。史記集解に刀を以て頸を割るを剄と爲す。
           
           
455 55 ソク ひとしくわかつ のり すなわち   物を等(ヒトシク)(分け)畫(クギリ)するなり。刀貝の(會意)貝は古の物貨なり。畫は劃なり。平等なれば公平なり。故に常則。法則とす。爾雅に則は法なり。常なり。詩經に物あれば則あり。素問に必す法則有り。注に準なり。詩經に君子是れ則(ノツト)り是れ倣ふ。以上を轉義とす。又荀子に口耳の間は則(ワヅカ)に四寸とは才の代用。又禮記に亡は則ち之を忘れす。曾(スナハチ)の代用。皆古音は轉通なりと。左氏の序に然らば則ち春秋。疏に則とは下事を陳ぶ。載(スナハチ)を用ひ曾を用うると同じ。
           
           
456 55 くじく         折傷なり。刀をもととし坐を音とす。(形聲)莊子に廉なれは則ち剉すと轉義なり。〇莝󠄂は芻を斬るなり。坐音に義を存す。
           
           
457 56 削󠄃 シヨウ かたなのさや わる けずる   鞞(サヤ)なり。(鞞は刀室なり。)刀をもととし肖を音とす。(形聲)俗に鞘に作る。削は二枚の木を合せたるもの。故に析の義となる。説文に一に曰く析なり。漢書に削は則ち削。注に刪り去る所あるを謂ふ。簡牘を削るなりと。曲禮に天子の爲めに瓜を削る。疏に刊なり。呂覽に魏國此より削らる。注に弱なり。又別義は淮南子削鋸。注に兩刃の句兵。曲禮の疏に削は書刀なり。
サク          
           
458 56 テイ かみそる         鬀の俗字なり。髟部を見よ。
           
           
459 56 前󠄃 セン きりそろえる はさみ きる まえ   齊く斷つなり。刀をもととし歬(セン)を音とす。(形聲)前は剪の古正字。此義經傳或は翦を以て代用す。詩經の甘棠。翦(キ)る勿れ伐つ勿れと。齊策に而(ナンジ)の類を剗す。字又剗劗に作ると。蓋し齊斷は前刀の效用なり。而して其器も前(ハサミ)と曰ふべし。經傳に前を以て歬の代用となす。_は行かずして進むなり。止(人の足)が舟の上にある。人は動ぬが舟が進み出る。前進なり。以て前後の義となす。前を專ら歬の義とせしより。前の義へは又刀を加へて剪に作る。刀が重複す。
ゼン          
           
460 56 ラツ もとる いたむ       戻なり。束(トゲ)刀の(會意)刀なる者は之を刺(サ)すなりと。周書に愎佷にし過ちを遂ぐるを剌と謂ふ。禮記の注に背剌せずと。又方言に剌は痛なり。瘌の代用と。
           
           
461 56 テイ とく かみをそる       古は此字なし。徐鉉が説文に補入せしもの。實は𩮜の省略字なり。鉉曰く骨を解くなりと。解散するは𩮜の轉義なり。髟部を見よ。
テキ          
           
462 56 ホウ わかつ わる       判なり。刀をもととし咅を音とす。(形聲)蒼頡篇に剖は析なり。左傳に女と剖分して而して之を食ふ。注に中分を剖と爲す。莊子の注に心(ムネ)を剖る。疏辭に治(オサム)なり。思元賦の注に分明なり。
           
           
463 56 ゴウ たちきる つよし はがね     彊(ツヨク)斷なり。堅利なり。刃物で切斷するなり。其刀は鏤(ハガネ)を用ゆ。故に剛刃の材を剛鐵と曰ふ。字俗に鋼に作る。剛は刀をもととし岡を音とす。(形聲)段氏云く古文の剛は㐰に從ふ。㐰は古文の信。信なる者は必ず剛なりと然も𠇙𠇝_(侃)に同じ侃剛(カンカウ)古音は通ず古文は借字か。轉義は凡そ健力なるを剛と謂ふ。左傳に之を斷ずるに剛を以てす。書經に剛にして而して塞。鄭注に事理剛斷を謂ふ。易に剛柔なる者。荀注に乾を剛と爲す。論語に未だ剛者を見ず。鄭注に強志屈撓せざるを謂ふ。又禮記に周は騂剛とはの代用なり。
           
           
464 56 エン たつ けずる       刓の俗字なり。上を見よ。
           
           
465 57 ハク はがす むく わる     裂(分裂)なり。刀をもととし彔卜を音とす。(形聲)皮字の解に曰く。獸の革を剥ぎ取るなり。又瓜を剥ぐと。本義なり。轉義は一に曰く割るなり。廣雅に離なり脱なり。
           
           
466 57 ほりものこがたな ほる     𠜾は曲刀なり。刀をもととし奇を音とす。(形聲)淮南子に之を鏤するに剞𠜾を用ゆ。注に巧工の鉤刀なり。楚辭剞劂に作る。
           
           
467 57 𠜾 ケツ ほりものこがたな       剞𠜾なり。刀をもととし屈を音とす。(形聲)字亦劂に作る屈厥音通ず。クツ。ケツ一音の轉なり。
           
           
468 57 ゲイ かおのいれずみ       墨刑の面に在るなり。K又は刀をもととし(會意)或は京を音とす。(形聲)剠は黥䵞の合變なり。轉じて凡そ墨刑(イレスミ)の名となす。又釧(カスメ)取と訓じ。奪取の義となすは。掠卽ち勍の代用なり。
           
           
469 57 エン とがる そぐ       鋭利なり。刀をもととし炎を音とす。(形聲)字亦掞に作る。易に本を掞して楫と爲す。又木を掞して矢と爲す。釋文に本剡に作る。
           
           
470 57 㓵󠄁 ガク やいば         劔の刃(ハ)なり。刀又は㓞をもととし。㖾各を音とす。(形聲)㓞は刻の意なり。𠟎は俗に鍔に作る。
           
           
471 57 フク わかつ そえる たすく     判なり。刀をもととし畐を音とす。(形聲)㽬も亦畐に同じ。曲禮に天子の爲めに瓜を削る者之を副す。注に析くなり。蓋し析けば二ツとなる。故に副貳の義となす。周禮の注に三貳三u之に副するなり。漢書に誤つて副車に中る。注に後乘を謂ふ。又正人は以て其誠を副するに足る。集注に稱なり。猶ほ衣の襌複具はるを一稱と謂ふがごとしと。素問に萬民の副と爲る。注に助なりと。今副總裁と曰ふ補助なり。
           
           
472 57 ジヨウ あます くわう       古此字なし。疑らくは乘の俗字なり。乘に覆ふの義あり。又加ふる有るの義となす。又轉じて餘饒の義となすべし。或は謂ふ剩は賸の俗字と。形に於て稍(ヤヤ)遠し。
           
           
473 57 ソウ きずつく はじむ つくる     傷(キヅ)なり刀をもととし。__は傷の意。(指事)又刀をもととし倉を音とす(形聲)俗に瘡に作る。轉義は瘢痕(キヅアト)となす。漢書に破散創艾。注に懲懼なり。又創は刱の代用をなす。刱(サウ)は法を造り業を創(ハジ)むるなり。廣雅に創は始なり。周語に以て天下を創制す。注に造なり。論語に裨ェ之を草創す。孟子に業を創め統を垂るの類なり。
           
           
474 58 セン           前の俗字なり。上を見よ。
           
           
475 58 割󠄅 カツ さく わる       剥(ハグ)なり。刀をもととし害を音とす。(形聲會意)刀を以て傷害する所あるなり。ガイ。カツ一轉音なり。爾雅に割は裂くなり。廣雅に斷なり。截(キル)なり。裁なり。周禮に割亨(ポウ)(烹)煎和の事。注に肉を肆解するなり。又牲を割く。注に體を制するなり。轉義は秦策に必ず地を割いて以て王に交はる。注に猶ほ分のことし。又書經に洪水方に割す。又割を我家に降すと害の代用。又大夫の淫は其勢を割くとはの代用轉義なり。
           
           
476 58 𠞲 わかつ わる はなす     剥なり。劃なり。刀をもととし。𠩺(リ)を音とするも(形聲會意)𠩺は坼(サケル)なり。攴(ウツ)と厂(ガケ)にて會意し未を音とするも。未は果實なり。坼け易き者なり。𠩺の二字音義皆近し。長楊賦に單于を分す。注に割なり。後人分離。離別といふ。離はの代用なり。となし。又蠡は音通ず。先づ蠡を借りてとなし。亦に作る。荀子に盤盂をす。注に割なり。
           
           
477 58 ヒヨウ はりさす おびやかす       砭(ヘン)刺なり。(砭は病を刺す石針なり)刀をもととし票を音とす。(形聲)此字多くは勡の代用にて行はる。説文に一に曰く劫なりと。又漢書に其人剽悍。注に輕なりと慓の代用と。
           
           
478 58 カク くぎる かく       錐や刀にて(畫するを)劃と曰ふ。刀をもととし。畫を音とするも(形聲會意)筆には畫といふのみ。朱駿聲云く。字亦砉に作る。莊子に砉然嚮然。注に皮骨の離るるなりとは劃の轉義なり。字は宜しく石をもととし圭の聲なるべし。然らば元𥒐に作るなり。亦騞に作る。列子に騞然として過ぐ。釋文に破るる聲なり。又に作る。西征賦注には破るる聲なりと。
           
           
479 58 ヘキ わる さく       破るなり。刀をもととし辟を音とす。(形聲)考工記の注に劈は破裂なり。釋名に辟歴は辟析なり。辟劈。歴析皆通用字なり。此義は後世俗に霹靂に作る。
           
           
480 58 ゲキ はげし         の俗字なり。廣韻に艱なり。亦務の轉義なり。亦是れ六朝字なり。今本荀子に見ふ。後人の改寫のみ。
           
           
481 59 シヨウ たちきる         絶なり。刀をもととし喿を音とす。(形聲)書經に天用て其命を絶すと。字亦剿に作る。なほ藻同字の例の如し。又或はに作る。參𠻝喿混同に依るものなり。漢書の王莽傳には截なり。廣雅には夭なりと。折の如きなり。又漢書の西域傳には絶なり。_に作りしなるべし。剿を勞と訓ず。卽ち勦の代用。又方言には獪なりとは狡の代用と。
ソウ          
           
482 59 リユウ ころす         説文に劉を音とする字多し。而して劉篆を脱す。今他に據る。殺すなり。金刀の會意卯を音とす(丣は誤り)説文丣を音とする字。古文は皆卯に作る。又鐂は金をもととし留を音とす。形聲なり。此畱も_の誤りなり。但し殺すと訓ずるも。周器の銘文に依れば本義は小斧の如きものにて_此の如きものなり。亦用いて人を殺すべし。又詩經に佼人劉たり。朱駿聲云く。美目の清しきなり。瀏の代用。又爾雅に毗劉は暴樂なり。
           
           
483 59 サイ たちそろえる       齊(トトノヘル)なり。切て揃へるなり。刀をもととし齊を音とするも(形聲會意)段氏云く爾雅に劑は剪齊なり。按ずるに周禮に或は質劑と言ひ。或は約劑と言ふ。注に券書と爲し。又は市中の平價を謂ふ。卽ち切手。證券。又相場の平均なり。券書は割いて二つにするも各同一なり。剪齊の義に近し。又漢書に丹沙の諸藥を化し。齊く黄金と爲すを事とす。注に藥の分齊なり。然ば今の調合の謂ひなり。今藥劑の字を用ふ。代用なり。
           
           
484 59 ケン つるぎ         人の帶びる所の兵なり。刃又は刀をもととし。僉を音とす。(形聲)古の制は劔は小なる者なり。考工記の注に今の匕首なり。又長劔あり。禮記に劔を負ふと。
           
           
485 59 リヨク ちから つとむ       節なり。人が力を出すと筋が肉上に見はれる。其(象形)なり。チカラの義とす。轉義は説文に治功を力と曰ふと。禮記に之を行ふに貨力を以てす。注に筋骸の強き者なり。詩經に威儀是れ力む。漢書に農を力め耘を數む。注に之を勤作するを謂ふと。蓋し男子の田を治むるは冣も力を致す。故に男の字は田力にて會意す。字亦仂に作る。廣雅に仂は勤なり。
リキ          
           
486 60 コウ いさお てがら しごと     勞を以て國を定むるなり。力をもととし工を音とす。(形聲)然も工は規矩なり法度なり法を以て功績を建つ會意あるべし。轉義は周禮に國功を功と曰ひ。王功を勳と曰ひ。民功を庸と曰ひ。事功を勞と曰ひ。治功を力と曰ひ。戰功を多と曰ふ。禮記に報功。注に功臣なり。詩經に以て膚公を奏す。傳に膚は大なり。公は功なり。公は功の代用なり。又小爾雅に功は事なり。周禮に九貢。九職九功の貳。又其功緒を稽ふ。注に吏職なりとは皆工の代用なり。
         
           
487 60 つとめいう しのぐ くわえる     語相増加するなり。力口の(會意)口は言なり言語に力むるなり。論語に我人の諸(コレ)を我に加ふるを欲せざる。馬注に陵(シノグ)なり。轉義は爾雅に加は重ぬるなり。儀禮に席を加ふ。論語に朝服を加ふ。孟子。夫子は齊の卿相に加はる。注に猶ほ居るのごとしと。又淮南子に大夏曾加。注に材木相乗架するなり。架に作る。冓の代用と。
           
           
488 60 レツ おとる         弱なり。力少の(會意)力の足らぬなり。廣雅に劣は滅なり。少なり。鄙なり。
           
           
489 60 ジヨ たすく         左(タスク)(佐)なり。力をもととし且を音とす。(形聲)ソ。シヨ。ジヨ轉音なり。孟子に助とは藉なりと。且は薦なり。藉なり。會意も兼ぬ。論語に我を助くる者に非す。注にuなり。
           
           
490 60 つとむ         怒の俗字なり。怒氣を含んて力め行ふ。奮勵なり。方言に努は勉むるなり。(今本)然も廣雅に怒は勉なり健なり多なり。正字なり。方言の古本は怒に作るべし。
           
           
491 60 キヨウ おびやかす うばいとる おびゆ     人が去らんと欲するを力を以て脅(オビヤカ)し止むる。劫と曰ふ。(脅は劫の代用)力去の(會意)轉義は荀子に之をす。注に奪ひ取るなり。字誤て刧に作る音は通す。又劫を怯の代用となす。怯は㹤に同じ。畏れ多きなり。
           
           
492 60 せむし なやむ       曲脊なり。疒句の(會意形聲)句は音を兼ぬ。轉義は詩經に母氏劬勞す。傳に病苦なり。
           
           
493 60 劵󠄂 ケン つかれる つとむ       勞なり。力をもととし𢍏(ケン)を音となす。(形聲)倦と別なり。字亦勬に作る廣雅に勬は勤なり。考工記の故書に左券せずと。
           
           
494 60 シヨウ もつとも つとむ       勉なり。力をもととし召を音とす。(形聲)漢の成帝の詔に。農を劭む。蘇林云く精異の意なり。晉灼云く劭は勸勉なりと。
           
           
495 61 ガイ つみす きわむ かんがう     罪あるものを法に依りて正すなり。力をもとと亥を音とす。(形聲)廣韻に劾は罪人を推窮するなり。六書故に其實を覈劾すと。また彈劾となす。
           
           
496 61 コウ しるし         效の俗字。敕を勅に作ると同例。攴部の效下に詳かなり。
           
           
497 61 チヨク みことのり         敕の俗字なり。效を効に作ると同例なり。攴部を見よ。
           
           
498 61 コク よくつとむ よく かつ たえる   尤(モツトモ)(ツトム)なり。力をもととし克を音とす。然も(形聲會意)段氏云く。勊はの尤なる者なり。とは力を以て勝を制するの謂ひなり。許書の勊は克と同じからず。克は肩なり。肩は任なり。(ヨクの義なり。而して亦克を以て勊となす。通用なり)春秋に鄭伯段に鄢に克つ。傳に儁を得るを克と曰ふ。此れ勊の義なり。勊の字譌して而して刀に従ひ剋に作る。猶ほの譌して而して刀に從ふ(劇となる)がごとし。經に克あり勊なし。百家の書に克剋分たず。而して勊は卽ち廢せりと。此説詳かなり。
           
           
499 61 キツ つつしむ         愼なり。力をもととし吉を音とす。(形聲)書經に殷の獻臣を劼す。
           
           
500 61 ケイ ちからつよし つよし       彊(ツヨシ)なり。力をもととし巠を音とす。(形聲)荀子に筋力越勁。注に勇なり。列子に孔子の勁。注に力なり。轉義は宋策に兵勁くして而して權重し禮記に廉直勁正なり
           
           
501 61 ボツ おしのける もとる むつとする     排なり。力をもととし孛を音とす。(形聲)ハイ。ボツ古音轉通す。排とは擠なり。又論語に色勃如なりとは𦫛の代用。古本或は孛に作る。亦代用なり。又莊子の注に勃は反戻なりとは悖卽ち誖の代用。又廣雅に勃は懟むなりとは𢘥の代用。又淮南子に。賁星墜て而して渤海決す注に大なりとはの代用と。又風賦に勃鬱煩冤。注に風の回旋の貌なり。或は云く悖の轉義なり。
           
           
502 61 勇󠄃 ヨウ いさむ         勇は气(キ)(氣)なり。力。又心戈をもととし甬又用を音とす。(形聲)氣は氣力なり。左傳に勇力の士。本義なり。周書に敵に勝ち志を壯にするを勇と曰ふ。墨子に勇は志の敢なる所以なり。故に字亦戈心に從ふ禮記に事に望んで而して屢ば斷ずるは勇なり。字亦慂に作る。恿の異なり。廣雅に慫慂は勸むるなり。又廣雅に動なり。忡の代用。
ユウ          
           
503 62 ベン つとむ         勥(ツヨシ)なり。勉強なり。力をもととし免を音とす。(形聲)禮記に諸矦を勉めしむ。注に勸なり。左傳に爾其れ之を勉めよ。注に怒力を謂ふ。詩經黽勉(ビンベン)事に從ふ。亦僶俛に作り。愐勉に作る。サ勉を本字とす。
           
           
504 62 ケイ つよし         彊なり。力をもととし京を音とす。(形聲)蓋し京に大義あり。自らの大義あり。自ら會意あるべし。左傳に勍敵の人。注に強なり。廣雅に勍々は武なり。
           
           
505 62 ライ いたわる きたす       勞なり。力をもととし來を音とす。(形聲)孟子に放勳曰く之を勞し之を來す。來を以て之と爲す。字亦徠に作ると。然も徠も亦來の古文なり。又多く誤り用ひて勅と爲す。勅の本字は敕に作る。音義は全く別なり。然るに今本の書經に天の命を勑す。易に罰を明かにし法を勑す。皆敕となす。六朝人の妄改せるなり。
           
           
506 62 ロク おもがい おさえる きざむ     馬頭の落銜なり。(落は絡の代用)革をもととし力を音とす。(形聲)段氏云く其頭を落して而して其口に銜し。控制す可きを謂ふなり。引伸して抑勒の義とす。又月令に物は工名を勒す。注に刻なりとは刻の代用なり。或は云く阞(スジメ)の代用なりと。又詩經に鳥の斯の勒の如し。𦑜(ハネ)の代用。
           
           
507 62 ドウ うごく はたらく なげく     作なり(作為なり)仕事するなり。力をもととし重を音とす。(形聲)古文辵に從ふ行動の意か。然も或は㣫の別體。動と通ず。俗に働に作る。易に動いて而して健なり。注に震なり。又天下の動に效ふ者なり。注に發なり。動の本義は自動なり。轉義は他動となる。感動なり。周禮に侲動。杜注に讀て哀慟の慟と爲す。心を加ふるは漢人の俗字なるべし。或は云ふ慟は𢝆の異體。以て動の代用をなす。漢碑文に戚哀悲𢝆と相合す證すべしと。
           
           
508 62 ボウ つとむ         勉むるなり。力をもととし冒を音とす。(形聲)書經に勖めよや夫子と。俗本は勗に作る。詩經に以て寡人を勖めしむと。
キヨク          
           
509 62 カン さだむ かんがう       説文勘なし。卽ち戡の別體。勇𢦨同字の例の如し。戡は刺(サシ)殺なり。不逞の徒を討伐するなり。故に鎮定を勘定となす。又轉じて校勘の義となす。書經に厥を功を勘定す。或は云く校勘の字は刊を用ふ。玉篇に刊は定なりと。
           
           
510 63 おもむく つとむ       趣くなり。疾走する如く事を行ふなり。力をもととし敄(ム)を音とす。(形聲會意)敄は強なり。強行の意とす。晉語に國の務を得。注に猶ほ趨のごとし。或は云ふ。荀子に其業を務むは懋(ツトム)の代用なりと。
           
           
511 63 シヨウ たえる よくす まさる かつ   任(タエル)なり。力をもととし_を音とす。(形聲)チン。タウ。シヨウ。古音轉通す。任とは保なり。保とは當なり。凡そ能く之を擧げ能く之に克つ。皆勝と曰ふと。易に之を勝(ア)げて説く莫し。注に能なり。詩經に勝へざる靡(ナ)し。注に任なり。管子に幼弱食に勝へず。注に堪なり。又禮記に人の勝ざる靡し。注乘なり。又之を戰勝に用ふ。注に敵に克つとは乘の代用。又易に終に之を勝ぐ莫し。注に陵(シノグ)なりとは陵(シノグ)なり極なりとは夌の代用。又論語に質文に勝(マサ)る。皇疏に多きなりとは賸の代用なりと。
           
           
512 63 ロウ はたらく はげし てがら いたわる   (ハゲシ)(劇の本字)なり。力をもととし熒の省を音とす。(形聲)ケイ。ラウ古音轉通す。焱(ヒノコ)火が宀(イヘ)を燒く。力を用ふるもの勞するなりと。然らば消防夫の動(ハタラ)きて疲勞するの義なり古文悉に從ふ。心を勞して悉すの意か。皆會意を兼ぬ。轉義は勞苦。功勞となす。越語に勞して其功に(ホコラ)ず。又慰勞となす。一説に師を犒ふとは卽ち慰勞なり。左傳の注に師枯槁を以て之に飲食を饋ると。然れば犒は槁字。槁は實は勞の代用と。
           
           
513 63 募󠄂 つのる         廣く求むるなり。力をもととし莫(暮の本字)を音とす。(形聲)蓋し莫は廣漠の意なるべし。荀子に招延募選と本義に合す。廣韻に募は招くなりと。
           
           
514 63 リヨウ ちからをあわす       力を幷(アハ)すなり。力をもととし翏を音とす。(形聲)齊語に諸矦と力を勠せ心を同ふす。呉語に力を戮せコを同うす。戮は代用字なり。
           
           
515 63 𠢕 ゴウ つよし         健なり。力をもととし敖を音とす。(形聲)讀む(音)豪の若しと。游敖。傲倨と稍や近く別なり。此を豪傑の本字とす。後世は豪行はれて𠢕は廢せりと。
           
           
516 63 ヒヨウ おびやかす         劫なり。力をもととし票を音とす。(形聲)漢書に白晝大都の中にて吏を勡かし。而して之れが金を奪ふと。又剽を借りて勡と爲す。
           
           
517 63 セイ いきおい         古は埶を本字となす。禮記に埶に在り。注に埶は位なりと。是れ勢力を以て地位に在るの義なり。埶は樹藝の本字なり。樹埶から埶(ゲイ)術となり。埶術に熟達すれば勢いあるなり。
           
           
518 64 キヨウ しゆる つよし つとむ     迫るなり。(シユルなり)力をもととし強を音とす(形聲)古文は(形聲會意)此を勉強の本義とす。段氏云く。彊とは力有るなり。𠣃とは力を以て相迫るなりと。
           
           
519 64 キン つとむ         勞なり。勤勞するなり。力をもととし。を音とす。は黏土なり。堅密の意とす(形聲會意)心力を盡すを勤となす。詩經に文王既に勤む。傳に勞なり。
           
           
520 64 ソウ つからかす ぬすみとる たつ     勞なり。力をもととし巢を音とす。(形聲)朱駿聲云く字亦譌して𠞰に作り剿に作る。左傳に安そ速成を用て其れ以て民を勦せん。又鈔の代用をなす。曲禮に勦説する毋れ。廣雅に勦は取るなり。又の代用をなす。勦絶とは絶なり。
           
           
521 64 𠢤 ケツ ちからつよし         彊力なり。力をもととし厥を音とす。(形聲)
           
           
522 64 キヨ つとむ はげし おおごと はなはだし   務なり力をもととし豦を音とす。(形聲)キヨ。ゲキ古音轉通す。段氏云く務は趣なり。力を用うる尤も甚しき者なり。字譌して劇に作る。漢書に口訖にして劇談する能はずと。
ゲキ          
           
523 64 クン いさおし         能く王功を成すなり。力をもととし熏又は員を音とす。(形聲)周禮の司勳に王功を勳と曰ふ。鄭注王業を輔成する周公の若し。史記にコを以て宗廟と社稷を定るを勳と曰ふと。漢碑文に策梔、家に著はる。桙以て勳となす。或は熏を桙フ省となし。會意を兼ぬ。
           
           
524 64 勵󠄂 レイ つとむ はげむ       勉力なり。力をもととし萬を音とす。讀む(音)獅フ若(ゴト)しと。故に亦勵に作る。マン。マイ。レイ轉音なり。書經に用て勵めて我邦家を相く。埤蒼に勵は強なり。勉なり。勤なり。小爾雅に勵は勸なり。文選の勸勵題の注に勵とは己を勖むるの稱なりと。
           
           
525 64 デツ はなつ すてる       發なり。力徹の(會意形聲)徹は音を兼ぬ。又撤を見よ。
           
           
526 64 リヨ たすく         助なり。力非(非を去る)の(會意形聲)慮は音を兼ぬ。
           
           
527 64 勸󠄂 カン すすむ         勉なり。力をもととし雚を音とす。(形聲)雚聲の字大義あり。廣雅にヘなり助なり。又之を勉めて而して悦從するも勸と曰ふと。懽と義渉る。又勸進の義となす。
           
           
528 65 ホウ だきこむ つつむ       裹(ツツム)なり。人の曲れる形にて包裹する所有るなり。此を包裹。包藏の包の本字となす。
           
           
529 65 フツ はたのな にわか なかれ     州里の旗にて民を趣かすと。催促して呼び集めるなり。故に遽かなるを勿々といふと。_は曲柄に象り彡は三游(ナガシ)とて旗の旒なり。(象形)又一は㫃をもととし勿を音とす。要するに篆文の後出俗體なるものなり。又字音を借りて語詞となす。小爾雅に勿は無なり。廣雅勿は非なり。論語の皇疏に猶ほ不のごとく莫のごとし。
コツ          
           
530 65 キン すこし ひとし       少なり。勹(ホウ)二の(會意)凡そ勹(ツツ)めるものを。二ツに分てば減少するなり。然も眞二ツに等分すれば平等を得るなり。故に廣韻に奄ヘ齊(ヒトシ)なり。焔マは音義皆近し。一切經音義に説文を引く奄ヘ調奄ネりと。均の義なり又廣雅に奄ヘ徧なり。旬の代用と。
           
           
531 65 コウ           句の俗字なり。口を厶に作るは漢隷に始まる。單を𠫹に。嚴を_に。靈を_に作るの類なり。
           
           
532 65 イン におい けはい       古此字なし。言海に氣韵の韵の略なりと。さもあるべし。韵致。風韵の義よりニホフの義出づべし。韵に作るは韵よりも稍や古し。然も皆六朝の字なり。段玉裁は云く音韵の字は元均の異體なりと蓋し奄フ艸書の_より譌せしなるべし。
           
           
533 65 セン もんめ         明の海篇類編にと記臆するが(舊藏今は無し)_は錢の字と。今も支那の色料の包紙に匁は錢に作る。或は戔の艸書の_より出づべし。
           
           
534 65 包󠄃 ホウ はらむ つつむ       妊なり。人の(クワイ)(懐)に象る。は中(子宮)に在り子の未だ成らざるの形なり。(象形)古文に據れば_は子宮に象る。勹に從はざるなり。又包を裹と訓ず勹の代用。
           
           
535 65 キヨク まこと すみやか       自ら急敕(ハゲシクイマシム)するなり。羊の省き(古文は省かず)勹(ホウ)(ツツム)口とにて(會意)勹口は言を愼むなり。羊は善祥の意なり。愼言の結果は善なり。此字は苟且(イヤシクモ)の字と別なりと。苟は艸の名である艸をもととし句を音とす其音を借りて言辭となすのみと。或は云くを其字となすと。
           
           
536 66 キヨウ むね         の本字なり。肉部を見よ。
           
           
537 66 𠣘 シユウ めぐる         帀(匝)徧(メグリアマネシ)なり。勹をもととし舟を音とす。(形聲會意)舟は匝らすべきなり。此字經傳は周を以て代用とし。俗字は週に作る。凡そ圜周。周つて而して復始まる是れなり。
           
           
538 66 キク かきこむ すくう       手に在るに匊と曰ふ。勹米の(會意)俗字は掬に作ると。詩經に蕃衍匊に盈つ。曲禮に珠玉を受るものは手を掬す。
           
           
539 66 トウ すえものつくるかまど すえもの     瓦器の竃なり。缶をもととし包の省きを音とす。(形聲)然も勹にて會意を兼ぬべし。亦窯と曰ふ。經傳は陶を以て代用す。
           
           
540 66 ホウ はう ふす       手にて行くなり。勹(ホウ)(イダク形)をもととし甫を音とす。(形聲)釋名に匍匐は小兒の時なり。廣雅に匍は伏なり。然しホプクの音に其義を存す。卽ち連言して義を得るのみ。
           
           
541 66 スウ まぐさ         艸を刈るなり。その包束せるの形に象る。_は艸にて二勹(ホウ)は一勹(ツツム)と同し。(象形會意)芻は牛馬を飼ふものなり。又芻にて飼ふ所の牛羊も芻と曰ふ。字亦俗に蒭に作る。亦譌して_に作る。
           
           
542 66 フク はらばい はう せまる     地に伏すなり。(伏して行く)勹をもととし畐を音とす。(形聲)字亦偪に作る。勹も人なり同意。以て畐の代用をなす。周語に偪(セマ)る可からずと。
           
           
543 66 ホウ ひさご         瓠なり。瓠の省きと包とにて(會意形聲)包は音も兼ぬ此包は勹の代用にて物を勹藏すべきなり。匏は今の干瓢(フクベ)のことなり。以て器を納るるに足る段氏云く匏を判てば蠡。()瓢。𧯷(卺)と曰ふと_形なり。
           
           
544 67 したしむ         相與に比敘(ナラブ)するなり。反人の形にて義を爲す。己を捨てて人に從ふ。比附するなり。比音義近し。たたし比の義重し。又箸の義は柶の字の代用なるべし。又首を短劔の稱となす。字音を借るもの。頭の短をいふと。
           
           
545 67 𠤎 かわる ばける       變なり。到(倒)人にて義をなす。(假借)人體の發達が止まり。老人となる。是れ變匕なり。老の字を見よ。俗に匕に作る非なり。後人はヘ化の化を以て匕となす。音通假借なり。又化を見よ。又周末戰國時代の刀布文字は匕を以て貨の代用をなす。
           
           
546 67           比部を見よ。
           
           
547 67 おしう かわる なびく すすむ ばける ヘの行はるるなり。人に善を匕(クワ)するの(會意)匕は變化の本字。人の字を倒さにす。上の匕を見よ。荀子に漸なり。順なり。靡なり。久なり。服なり。習なり。之(コレ)を化と謂ふ。漸々に善に導くなり。又云く神則ち能く化す。注に善に遷るを謂ふと。又注に化とは舊形を改むるの名と。又多く匕の代用をなす。易に變化の道。素問に化は代ふ可らず。注に造化を謂ふと是れなり。又貨の代用をなす。周末貨錢の文皆化に作る。書經の傳に化は交(易)なりと。
           
           
548 67 北󠄂 ホク そむく きた       乖(ソムク)なり。二人の相背く。(象形會意)背北の二字は義殆と同じ。書經に三苗を分北す。鄭注に猶ほ別けるのごとし。段氏云く乖とは戻るなり。此れ其字形に於て其義を得るなり。軍の奔るを北と曰ふ。其轉義なりと。朱駿聲説に爾雅に朔は北方なり。按ずるに人の坐立する。明に面し暗に背く。故に背を以て南北の北と爲すと。然も北の字の形が此義となる。
           
           
549 67 ノウ           腦の本字なり。肉部を見よ。
           
           
550 67 さじ         なり。をもととし是を音とす。(形聲)此なりとは柶の代用なるべし。假借字を以て形義となす。亦造字の一法一例なり。
           
           
551 67 さけくみ みずくみ       羹(アツモノ)の魁(オタマシヤクシ)に似たり。柄の中に道あり以て水。酒を注ぐ可し。匚をもととし也を音とす。_(形聲)
           
           
552 67 キユウ           柩に同じ。木部を見よ。
           
           
553 68 シヨウ たくみ         大工なり。匚(ホウ)斤の(會意)斤は斧の小なるもの。大工の利器なり。匚は容器なり。道具箱なり。周禮の匠師。又匠人。轉義は廣雅に匠は治なり。匠は巧にて治修するなり。
           
           
554 68 キヨク めしびつ はこ ふばこ ただす おそる 飯器の筥(メシビツ)なり匚(ホウ)をもととし㞷(ヲウ)を音とす。又或は竹匚をもととす。意同じ(形聲)詩經に維れ筐及び筥。傳に方に筐と曰ひ圓に筥と曰ふ。又轉義は詩傳に筐は篚の屬なり。幣帛を行ふ所以なり。漢書に刀筆筐筴。注に書を盛る所以なりと。此字假借の例多し。そのうちにも。詩經に以て王國を匡す。論語に一び天下を匡すとは。片實は囗(ホウ)の代用なり。囗は方圓の原字なり。囗匚も音義同じ比類多し。又禮記に衆匡懼せず。注に猶ほ恐のごとしと恇の代用。
キヨウ          
           
555 68 コウ はこ         匱なり。匚をもととし甲を音とす。(形聲)或は柙を代用す。
           
           
556 68 キヨウ よこせまのはこ       (カン)藏なり。(は篋なり)一に曰く笥なり。匚又は竹匚をもととし夾を音とす。(形聲)儀禮の注に隋(橢)方を篋と謂ふ。
           
           
557 68 はこ かご あらず     器は竹匧に似たり。匚をもととし非を音とす。(形聲)又竹部の篚は車笭なり。竹をもととし匪を音とするも。匡筐。匧篋の例に準ずれは匪篚は同字なるべし。車笭は轉義なり。書經に厥(ソノ)篚は織文と。正に字の本義なり。又易に匪(アラ)ず婚媾す。非の代用。又詩經に匪たる君子有り。斐の代用なり。又字音を借りて發聲の詞となす。匪(カノ)行邁の謀。廣雅に匪は彼なり。
           
           
558 68 ワイ うつわのな めぐる さかる     器なり。匚をもととし淮を音とす。(形聲)書の禹貢に匯澤。注に回るなり。回の代用。又廣雅に匯は大なりとは。𤱿(ハイ)(サカル)の代用なり。
           
           
559 68 レン きょうだい         の俗字。又奩に作る。今大部に詳かにす。
           
           
560 68 タン ずし はこ       宗廟の宔(ヌシ)を盛るの器なり。匚をもととし單を音とす。(形聲)匰簞音義近し。
           
           
561 68 ひつ         匣なり。匚をもととし貴を音とす。(形聲)字亦に作る。廣雅に見ふ。亦鐀樻に作る。漢書に石室金と。又乏と訓ずるは潰の代用。キ。カイ古音轉通す。詩經に孝子匱しからず。傳に竭くるなり。漢書の注に盡なり空なりと是れなり。又廣雅に匱は加ふるなりとは饋(オクル)の代用なりと。
           
           
562 69 匶󠄁 キツ ひつぎ         柩に同じ。木部を見よ。
           
           
563 69 トク ひつ         匱なり。匚をもととし𧶠を音とす。(形聲)又木部に櫝は匱なり。同字のみ。論語に匵に韞めて而して諸(コレ)を藏すと。轉義は小棺となす。
           
           
564 69 ケイ かこまう かくす よこみち     (ジヤ)(邪)徯に夾藏する有るなり。_(イン)をもととし。上に一あり之を覆(オホ)ふと。_(イン)は匿くれるなり。𨒅曲し隱蔽するの形に象る。抜け裏の曲路を逃れ回はるの形迹なり。
           
           
565 69 匹󠄃 ヒツ きぬふたまき ふたつ そろう あいかた 布帛の四丈ものなり。二丈を一反(タン)となす。匸八の(會意形聲)八を音を兼ぬ。匸(ケイ)は隱藏の意あり。見へぬ處に八が入つてゐる。一匹の布帛を八度び揲(ツマ)み。其れが一匹となる。揲とは呉服屋が一イ二ツと指の間に挿む手つきなり。二反一對の義より転じて匹耦(配偶)の義となす。爾雅に匹は合なり。詩の傳に匹は配なり。又転じて左傳に秦晉は匹なり。注に敵なりと。
ヒキ          
           
566 69 ロウ かくれる         側に逃るなり。匸をもととし丙を音とす。(形聲)
           
           
567 69 匿󠄃 ジツ にげる かくる       亡なり。匸(ケイ)をもととし若を音とす。(形聲)ジヤク。ジツ一轉音なり。亡なりとは逃げ隱れるなり。左傳に瑾瑜は瑕(キヅ)を匿くす。注に藏すなり。論語に怨を匿して其人を友とす。字亦た慝㥾に作る。爾雅釋文に其情を隱匿して以て非を飾るを言ふなり。心を加ふる所以なり。周禮に邦國を匡して而して其慝を觀る。注に姦僞の惡なり。又詩經に死に之(イタル)まで慝す靡(ナ)し。傳に邪(ヨコシマ)なり。此等は忒の代用。又方言に㥾は愧なりとは恧の代用なり。
ジヨク          
           
568 69 匽󠄂 エン かくる         匿なり。匸をもととし妟を音とす。(形聲)轉義は匽鼠となす。俗鼴に作る。
           
           
569 69 區󠄃 まちまち くぎり わける ちいさし   踦區とて。連言して一語。卽ち一義となる。出入屈曲のあるなり。品の匸(ケイ)の中に在るの(會意)踦區の處には藏匿し得るなり。品は衆なり戸口なり。轉じて區域となり。小室の義となる。荀子に言の信なる者は區蓋の間に在り。注に物を區藏するの處なり。論語に區して以て別つ。又左傳に宋國區々。廣雅に區々は小なりと。重言して義をなす。
           
           
570 70 ジユウ とお         十は數の具はるなり。一を東西となし。hを南北とす。則ち四方中央が備はると。此説も一理あれども。少し穿ち過ぎると思ふのである。士の字の解に曰く。數は一に始り十に終ると是なり。故に字形は一を變じて|となす。(__と一理なり)唯だ其位を易へたるのみ。然も十には十方具備の意あるを以て十にも作る。而して廿(シフ)は二十。丗(サフ)は三十。𠦜は四の字を作る。又X(五)の字となる。
シユウ          
           
571 70 セン ちぢ       十の百なり。十をもととし人を音とす。(形聲)ジン。セン轉音なり。又轉義は阡陌の字とす。古は千佰に作る。阡陌は皆俗字なり。
           
           
572 70 卄󠄀 シユウ はたち         二十の幷(アハセ)たるなり。古文筆寫の略法なり。_と同じ。シフの音は二十の合音なりと。形音皆一理なり。
           
           
573 70 ロク すぐれる         材の十人なり。十力の(會意形聲)力は音を兼ぬ。王制に祭に数の仂を用ふ。注に仂は十の一なり。段氏云く一の十に當るを仂と爲す。
           
           
574 70 ソウ みそ         三十の幷なり。古文略法たるは廿と同し。世の字は之をもととす。サフは三十の合音なりと。漢人の篆に_に作るあり十と廿の合なり。
           
           
575 70 シヨウ ます のぼる       十合なり。斗(マスハカリ)をもととし(象形)と_をいふなり。然も古文に依れば_を形とす。_中の・は。器中にある物にて。下の・は斗と異るの意で。指事なり。卽ち_が斗である。此升をノボルと訓ずるは登の代用なり。詩經に日の升るが如しと是れなり。字を俗に昇に作る。又陞に作る。廣雅に陞は上るなり。又穀梁傳に五穀升らず。大饑と爲す。注に成なり。禮記に男女辨無ければ亂升(ナ)ると。成の代用と。
           
           
576 71 さかう さからう むま     (ゴ)(サカラフ)なり。五月に陰氣が陽氣と𠵦屰(逆)(ゴギヤク)して。地を冒して而して出るなり。矢の(頭)と同意と(指事)形をいふなり。然れども古文に依れば此説は非なり。𠵦屰とは俗に迕逆に作る。史記に午とは陰陽の交はるなり。故に午(ゴ)と曰ふと。ゴの音にサカラフの義があるなり。按ずるに午は他の十二支の字の如く。艸木に取るべし。h(シン)(進)をもととし。陰氣が出づる意とす。而して__は迕逆する所の障礙卽ち陰の意となす。は陰なり。(白)の字のと同意。後世借りてムマと爲す。唯た十二屬の名に當てはめたるまでにて漢字としての音義は關せず。一説に午は古文の杵字と。
           
           
577 71 半󠄃 ハン なかば         物の中分なり。八牛にて(會意)牛は物の大にして分つべきなりと。然も殷周古文は八と斗(マス)にて會意す。斗にて量り兩つに分つ。正半を得。又㪵は半の別體のみ。
           
           
578 71 𠦄󠄁 くさぐさ くさ       艸の總名なり。屮と艸の(會意)小大の艸を兼ぬるなり。詩經に百卉具に腓たりと。轉義は廣雅に卉は衆なり。又上林賦に卉然として道を興して而して義に遷る。注に勃なりとは𠦪の代用なり。進出の義なりと。キ。コツ古音轉通なり。
           
           
579 71           丕に同し俗字なり。
           
           
580 71 マン           万に同し一の部を見よ
           
           
581 71 シユウ よそ         説文に脱せるも。殷周古文に在り。廿丗に依れば二廿の會意なり。其音はまたシフにて四十の合音なりと漢器銘にも重さ𠦜斤とあり。
           
           
582 71 𤰞󠄂 いやし ひくし       賤なり。事を執る者なり。屮(サ)(左(ヒダリ))甲の(會意)と。未だ詳かならず。古文に據れば字は_(シ)。(田器)攴の反形との合なり。_は説文に脱す。此も亦未だ詳かならず。疑を存するのみ。禮記に卑者。注に子弟の屬を謂ふ。轉義は易に天尊く地卑し。禮記に卑高巳に陳す。晉語に今周室少卑。注に微なり。又荀子に民を卑(シ)て迷はざらしむ俾の代用。
           
           
583 71 𡭫 シユク           叔に同し。六朝文字なり。
           
           
584 71 ソツ しもべ おわる       隷人の事に給する者なり。卒の題識(シルシ)あるなり。衣をもととし。_の一筆を以て其シルシの意を指し示す。(指事)印袢纏(シルシハンテン)の印の類なり。轉義ば左傳に乘卒を具す。注に步に卒と曰ひ。車に乘と曰ふ。兵卒は卒衣を著けるなり。又周禮に王の倅車。注に戎車の副車とは萃の代用。倅は俗字。又廣雅に卒は盡なり。終なり。巳なりとは㪤の代用。又禮記に大夫に卒と曰ふ。𣨛の代用。又論語に子路卒爾として而して對ふ。皇疏に禮儀なきを謂ふ。漢書に暴卒の作。又の注に倉卒とは猝の代用なり。
スイ          
           
585 72 タク けだかし おおいなり       高(尚。高邁)の義なり。早の(會意)と比は同意。早は先なり。比早とは之を比(クラ)ぶれば早先なるものは高し。後より比ぶるものより上に出づるなり。論語に立つ所あつて卓爾たるが如し。轉義は段氏云く凡そ卓犖と言ふは殊絶を謂ふなり。亦卓躒に作る。人部の倬は著大なり。一義の轉なりと。朱駿聲云く楚辭に世既に卓たり遠く眇々と。注に遠なり。逴の代用。莊子に吾一足を以て趻卓として而して行くと踔の代用と。亦廣雅に卓は明なり焯の代用。
           
           
586 72 キヨウ かなう ととのう あわす     同衆の和なり十の(會意形聲)は力を合はす。三力の會意。三は衆の意。十は大數なり。は音を兼ぬ。書經に萬國を協和す。禮記に此の四國を協す。古文は十と口又は_を以て會意。言の和同なり。疑らくは別に是れ一字なるべし大衆の言の一致なり。亦恊を同心の和となし。𢣢を同思の和とす。言。心。思。力の分別あるなり。
           
           
587 72 ナン みなみ たえる       艸木が南方(夏の意)に至て枝任有るなり。𣎵(ハイ)をもととし𢆉(シン)を音とす。(形聲)段氏云く漢書に南は任なり。陽氣物を任養す。枝任ありとは。夏時に艸木が畼(ノビ)(暢)楙(シゲリ)して枝𠲱(ツツパル)する所あるを謂ふ。任は載(ノセル)なりと。𣎵(ハイ)は艸木の盛にして木々然なりと。象形。八は亦分開の意とし音も兼ぬ。ハツ。ハイ轉音。又𢆉(シン)は上を犯すの義。上進の意を兼ぬ。シン。ナン轉音なり。又家語に鄭伯南は男の代用。左傳は男に作る。
           
           
588 72 𠦪 コツ にわかにおこる       疾なり。夲をもととし。卉を音とす。(形聲)キ。コツ古音轉通用なり。又拜の篆は𢳎に作り。𠦪を音とす。亦ハイの音とす。奏の篆文のと混ず可からず。
           
           
589 72 博󠄄 ハク ひろし ものしり       大通なりと。十尃の(會意)尃は敷(シク)の古字。亦音も兼ぬべし。博聞強記を本義とす。論語に我を博むるに文を以てす。孟子に博く學んで而して詳かに之を説く。荀子に多聞を博と曰ふ。後漢書の注に博士は秦の官なり。又論語に博奕なる者。簙の代用なり。又孟子に褐寛博とは夫の代用。フ。ホ。ハク轉音なり。又廣韻に博勞は馬を相す。伯の代用。
           
           
590 73 ボク うらなう         龜を灼いて卜するなり。甲の裏を灼き。表に見に見はれたる裂文なり。(象形)此裂文に依つて當時の吉凶を卜ひ知るなり。周禮に大卜あり。
           
           
591 73 セン うらなう しむ       兆を見て問ふなり。卜口の(會意)兆は卜兆。ウラカタ。其形により。吉凶を問ひ考ふ。口は問なり。易に數を極め來を知る。之を占と謂ふ。儀禮に占者三人。注に玉兆。原兆を掌る。禮記月令の注に占とは兆龜の䌛文なりと。轉義は後漢書に其妻子を占護す。注に猶ほ守護のごとしと。占領是れなり。又帖の代用は。史記に各其物を以て自ら占す。索隱に自ら隱度す。漢書の注に其財物を隱度して其名簿を作ると。
           
           
592 73 セイ にし         西に同じ。西部を見よ。
           
           
593 73 ユウ さかだる         𠧪の俗字。𠧪を見よ。
           
           
594 73 𠧞 チヨウ           兆に同じ。兆部を見よ。
           
           
595 73 ケイ うらかた         (ゼイ)(筮)する所以なり。(蓍を用ゆ)卜をもととし圭を音とす。(形聲)易の説卦に變を陰陽に觀て而して卦を立つ。注に象なり。易緯に物象を懸掛(縣挂を本字とす)して以て人に示すを言ふと。徐鉉云く。筮して而して之を畫し。三變して而して畫を成し六變して而して卦を成す。
         
           
596 73 𠧟 セン おどろくこえ ゆく すなわち     驚く聲なり。乃の省きをもととしを音とす。(卥皆西字なり)籀文は省かず。(形聲)或は曰く𠧟は往くなり。音は仍の若しと。然し乃に從ふの説は誤る。迪の𠧴と同例にて廴又は辵をもととし西を音となすべし。迪の下を見よ。但し驚く聲とは他字の代用なるべし。
ジヨウ          
           
597 73 𠧪 ユウ みのたるるかたち       艸木の實の垂れて𠧪々然たり。(象形)__より變じて由の字となる。ヨルと訓するは邎の代用なり。又卣に作り酒器の名とす。古別に正字あるべし。_がそれなるべし。拙著古籀篇に見ゆ。
           
           
598 73 𠧴 ユウ ゆくかたち         辵部迪の下を見よ
           
           
599 74 セツ しるし         瑞信なり。邦國を守るものは玉卩を用ひ。都鄙を守るものは角卩を用ひ。山邦に使ひするものは虎卩を用ひ。土邦のものは人卩を用ひ。澤邦のものは龍卩を用ひ。門關のものは符卩を用ひ。貨賄には璽卩を用ひ。道路に旌卩を用ふ。相合するの形に象る。(象形)なり。又別に_の字あり。事の制なりと。卽ち卩の合形。卩は合すべきの形のみ。卩は孟子に符節を合はすの節の本字なり。
           
           
600 74 𠨐 キヨウ あおぐ あげる       望欲して庶及する所有り。卩の(會意)詩經に高山は仰がんと。段氏云く。は比に同じ。庶及(コヒネガフ)の意。卩は庶及せんと欲するの所なり。字俗に昂に作る。卬仰音義近し。又首を擧げて望むなり。
           
           
601 74 ボウ すすみいず ひらく     冒(オカス)なり。門を開くの形に象る。(象形假借)陰氣の閉塞が解かれ。陽氣が初て冒突し出づ其形は象るべきなし。故に門の字の兩戸を外側に開きたる形を借りて。此義を義と爲すなり。又卯を用ひて十二支の名(兔)に當つ。午と同例にて漢字としての音義は關せず。説文の古文_は誤る
           
           
602 74 さかずき         圜器なり。一名は(小卮なり)飲食を節する所以なり。_(の誤り)をもととし卩(セツ)(節)は其下に在りと。(會意)は比々なり。チビチビと飲むの意なり。易に曰く君子は飲食を節すと。卮の卩に從ふ所以なり。禮記に敦。牟。卮。匜。四器の名。注に卮匜は酒漿の器なりと。吾𧳯口の類なるべし。
           
           
603 74 コウ           邛の俗字。邑部を見よ。
           
           
604 74 イン しるし おす       政を執る者の持つ信。(證據にして官印なり)秦以來。天子の印を璽といふ。爪(モツ)卩(セツ)(節)の(會意)冣古は卩(ツヱ)(符節)を以て信とせしゆゑ字は卩に從ふ。卩は_の右方の形なり。_は君主の手もとに在り。卩は臣下へ授けて信となすなり。周に至り印を以て卩に代へしも。字は古の制に依り卩に從ふ。轉じて印を押すも印といふ。今の印刷も是れなり。然も實は_(抑)の代用なり。
           
           
605 75 あやぶむ あやうし       高處に居て懼るるなり。冣厃(キ)と卩(セツ)の(會意)人が高フ上に在り。_の形の如くにアアアブナイと自ら心に卩止(節抑の意)するなりと。轉じて危懼の義となし。危險の義となす。莊子に危然として其所に處る。注に獨正の貌と。懼れ戒むれば自ら正くす。又轉じて淮南に舟㧪(ホバシラ)。釋名に其前に柱を立てて桅と曰ふ。㧪は俗字。危立の謂ひなり。字亦峗に作る。山の危立となす非なり。
           
           
606 75 キヤク しりぞく かえつて       欲(慾)を卩(セツ)(節)するなり。卩をもととし𧮫(キヤク)を音とす。(形聲)𧮫は去と別なり。通俗却に作る實は非なり。又六朝字に㕁に作るも亦非なり。心に卩する所あれば暴進せす自ら退屈す。莊子に今吾心正に卻す。釋文に息なり。秦策に怒て戰栗して而して卻く。儀禮に却下して而して之を載す。又除くなり。止まるなり。閉なりとなす。又莊子に白駒の卻を過ぐるが若しと。隙の代用。
           
           
607 75 ラン うおのたまご たまご     凡そ物の乳(チチ)無き者は卵を生むなりと。(象形)然も字形を見て知る魚卵なり。_の略なり。轉じて凡そ鳥蟲の卵となし。又人にも卵巢と曰ひ。又礦を卵と曰ふ。字は丱の二形を用ひ。又俗に𥐫に作る。説文はを磺の下に附し。曰く古文の磺。周禮に人ありと。通用のみ。又詩經に總角丱たり。傳に兩髦を聚むと。幼兒の頭髪。亦卵形にて名く。
           
           
608 75 シヨウ たけたかし あきらか       高なり。卩をもととし召を音とす。(形聲)詩經に孔(ハナハ)だ煌にして撃ニは昭和の代用。
           
           
609 75 コウ           䢽の俗字。今巳部にあり。
           
           
610 75 卷󠄃 カン まがる まく まきもの     (ヒザ)(膝の本字)の曲りなり。卩(セツ)(節)をもととし𢍏(ケン)を音とす。(形聲)膝頭(カシラ)の關節の屈折すべきを卷といふ。屈すべく伸ぶべきの所なり。莊子に卷婁なる者有り。釋文に猶ほ拘攣のごとし。又く卷曲して而しに規矩に中らずと。轉義は詩經に卷かれる者阿あり。傳に曲なり。又書卷の義は拳の代用と。手拳の開くべく握るべきが如しと。又淮南子に短袂攘卷とは(タスキ)の代用。又連言義をなすものは詩經に繾綣。傳に反復なり。又楚辭に踡跼。皆卷の俗字なり。
ケン          
           
611 75 卸󠄂 シヤ おろす うつす とき ほごす   車を舎(ス)て馬を解くなり。卩(セツ)(節)と止の(會意形聲)午を音となす。程好い所へ止まり。此事を行ふなり。ゴ。シヤ轉音。又ウツスと訓ずるは寫の代用なりと。
           
           
612 76 ジユツ うれう あわれむ すくなし     憂なり。血をもととし卩を音とす(形聲)ケツ。ジユツ古音通ず。一に曰く鮮少なり。此字は一大疑問なり。心部に恤は憂なり。心をもととし血を音とす。恤卹同じ。然も按ずるに卹は侐の字なるべし。古文に人卩並にに作り互に混す。_は靜なり。靜は審かにするなりと。字は卩に從ふべし。卩は敬愼の意なり。周器銘に用敬卹盟。又虔卹不易。又卹乃穡事。の語あり。皆卹靜審敬の義なり。字の血に從ふに依れば。卹盟を本義とすべし。而して憂愛の義は恤を正字とすべし。今本書經に惟刑之れ恤まん哉周禮に以て凶荒を恤すと。侐卽ち卹を以て恤の代用となすのみ。
           
           
613 76 つつしむ さかずき       身を謹んで承くる所有り。己丞の(會意)段氏云く丞は卽ち承なり。承は奉なり受なり。按ずるに禮記は借りて合𧯷(キン)の字となすと。
           
           
614 76 シヨク つく すなわち       食に卽(ツ)くなり。(御膳の前に坐するなり)皀をもととし卩を音とす。(形聲)セツ。ソク古音轉通す。皀(キヤウ)は熟穀なり。轉じてここでは炊(タ)きたての飯の意とす。今之を食はんとす。是れ卽の義なり。轉義は方言に卽は就なり。春秋に公位に卽く。書經に以て汝の封に卽く。爾雅に卽は尼(チカヅク)なり。注に猶ほ今のことし。史記に卽日と是れなり。又スナハチ發語の詞となすは字音を借るのみ。
ソク          
           
615 76 コツ           扤に同じ。手部を見よ
           
           
616 76 卿󠄆 キヨウ あきらか きみ       章(アキラ)かなり。卯(キヤウ)をもととし皀(キヤウ)を音とするも。卯も亦音を兼ぬ。(形聲)キヤウ。ケイ一轉のみ。卯は卩(セツ)(節)を合せたる形で。法度を以て制裁するの意とす。白虎通に卿󠄆の言ひは章(彰)なり。善を章かにし理を明かにするなりと。卽ち彰明の義なり。此字は大疑問なるも専門研究となるゆへ略す。(古籀篇に見ゆ)然れは卿󠄆大夫たるものは事理を明白にし職務に從ふものなり。
ケイ          
           
617 76 シツ ひざ         膝の本字なり。肉部を見よ。
           
           
618 77 ソク そばだつ         側傾なり。人の厂下に在るに従ふ。(象形會意)籀文は矢を音とす。形聲を兼ぬ。厂は山高フ中腹に在る穴屋。至つて淺隘にて。其内に居る人は。身體が傾側し轉落せんとす。丸を見よ。
           
           
619 77 ふしこぶ わざわい       木の卩(セツ)(節(フシ))とて木の瘤なり。卩(フシ)をもととし厂(カン)を音とす。(形聲)。ガン。クワ轉音なり。後人災厄といふは戹(ヤク)を本字となす。_は隘なり。戸部を見よ。
ヤク          
           
620 77 テイ といし         砥の本字なり。石部を見よ。
           
           
621 77 ロウ いしくずれるおと       石聲なり。厂をもととし立を音とす。(形聲)段氏云く石の崩るる聲なりと。
           
           
622 77 ガイ やまのほとり みずのほとり みぎわ 山の邊なり。厂をもととし圭を音とす。(形聲)ケイ。ガイ一轉音なり。濠R義近し。高フ轉義は爾雅に滸(モト)は水高ネり。字亦涯に作る。詩經の傳に濱は涯なりと。蓋し山の邊りの水に臨む所を高ニ曰ひ。單に山の高邊を崖と曰ふ。獄皮zじて莊子に吾生や涯(カギ)りありと。山邊水際は涯なり。又古詩に各天の一涯に在りと。
  かぎり        
           
623 77 ボウ おおいし おおいなり ぶち     石の大なるなり。厂をもととし尨を音とす。(形聲)字亦に作る。轉義は方言に厖は深く大なり。又豐大なる貌。詩經に駿厖。傳に厚なり。亦庬に作る。玉篇に雜亂の庬は牻の代用。
           
           
624 77 リン           釐の俗字なり。今義は氂の代用をなす。康煕字典に篇海を引く。音は纏。市鄽なり。此は別出の字なり。
           
           
625 77 𠩛 セキ           席の古文。巾部を見よ。
           
           
626 77 サク といし とぐ おく     諮ホなり。厂をもととし昔を音とす。(形聲)朱駿聲云く今の金剛鑽の如し。字亦碏に作る。詩經に佗山の石。以て厝と爲すべし。今本は錯を借る。孝經に安厝。漢書注に置くと。措の代用。
           
           
627 77 ゲン みなもと もと はら     説文は灥部に入れなるも。灥は泉の大篆なるべし。今古文に據る。原は水泉の本なり。泉の厂(ガケ)の下より出づるの(象形會意)と。然も古文は厂の下に泉の涌きて流れ出づるの象形なり。泉と自ら異る。轉義は根原となす。禮記に禮の原に達す。注に本なり。又多く𨙅(ハラ)の代用をなす。自我に廣平を原と曰ふと。此義にて專ら行はれしより。本義の方へは水を加へて源に作れり。
           
           
628 78 コウ つちあつし あつい       山陵の㫗(コウ)(アツシ)なり。厂(ガケ)㫗の(會意)㫗は音を兼ぬ(形聲)又𣆪は厚なり。亯(キヤウ)(享)の字の倒形なり。亯は神前へ供物を獻ずるなり。此を神の方から見れば㫗(アツヒ)となる。受ける物が多きなり。然れば凡そ物には㫗と曰ひ。地には厚と曰ふ。𣆪厚音義近く通用す。又考工記に其液を厚ふす。注に多なり。魯語に其棟を厚ふす。注に大なり。老子にコの厚き。禮記に深厚を測る。皆㫗の轉義なり。今は厚のみ專ら行はれて㫗はは隱れたり。
           
           
629 78 ケツ いしほる その       厂香iガンガイ)(ガケ)より石を發(ホリダス)するなり。厂をもととしを音とす。(形聲)此字經傳は專らソノの語詞となす。字音を借るのみ。爾雅に厥は其なり。詩經に厥(ソノ)初め生民と。
           
           
630 78 レキ おさむ         治むるなり。厂をもととし秝を音とす。(形聲)稀疏適秝として清調せらるるなるべし。
           
           
631 78           廈の誤字なり。广部を見よ。
           
           
632 78 ヨウ せまる おす あわす あく たる 笮(サク)(ハサミオス)なり。厂をもととし猒を音とす。(形聲)經傳に壓笮といふ。壓は代用字。又厭の字の代用假借義多し。周語に克く天心を厭はす。注に合なり。漢書の注に服なり。當なりは協の代用。又書經に乃(ナンジ)のコに厭く。注に飫(アク)なりとは猒の代用。又足(タル)と訓する同じ。又詩經に厭々たる夜飲。傳に安なりとは懕の代。又荀子に目を厭へて而して視る。注に指按なりとは擪の代用。又詩經に厭たる有り其れ傑。傳に特に美なりとは(ヨシ)の代用。又論語に天之を厭(タタ)んとは㦰の代用。又晉語に晉の軍を厭す。注に其備はらざるを掩ふを謂ふとは犯の代用。又漢書に諸侯の權を厭す。注に抑なりとは抑の代用。古音轉通。又荀子に其源を厭ぐ。注に塞なり。漢書に亶に厭勝を爲す。又國に大災あれば哭して以て之を厭す。注に當るなり。とは垔の代用。又西山經に。鵸䳜は之を服すれば人をして厭せざらしむと。注に厭夢なり。俗に魘に作るは亦偃の代用と。或いは云ふ眯の俗字なりと。
エン やすし おさえる よし たつ おそわる
           
633 78 󠄂 レイ あらと といし       𥖣の本字なり。石部を見よ。
           
           
634 78 𠪮 ヘキ そばだつ かたよる いなか     仄なり。厂をもととし辟を音とす。(形聲)段氏云く。今人偪仄と言ふ。乃ち當に𠪮仄に作るべし。廣雅に𠪮は幽なり。玉篇に𠪮は陋なりと。
           
           
635 79 キヨ さる たがう       人相違ふなり。大をもととす。大は人なり。_(キヨ)(𥬔の本字)を音とす。(形聲)齊策に相去る能はす。注に離なり。周古文はに作る。鬼哭子に去就倍反。轉義は論語に喪を去る。注に除くなり。
           
           
636 79 サン ほしのな みつ まじわる     商星なり。(星の名)_を形とし㐱(シン)を音とす。(形聲)㐱は鬒に同じ。又易に參天兩地とは注に三なりと。三の代用。又荀子に治亂を參稽(カンガフ)す。注に驗なりとは譣の代用。參考是れなり。又儀禮の注に參は讀て糝と爲すとは。雜なりとて糂の代用。又參與。參朝。參詣は審の代用と。又連言義をなすは詩經に參差たる荇菜。箋に齊しからざる貌。
シン          
           
637 79 ユウ           誘に同じ。言部を見よ。
           
           
638 79 ユウ みぎ また       手なりと。(ミギの手なり。)(象形)_(サ)の(ヒダリの手なる)と相對して形義相爲すなり。後世は右(佑の本字)を以て代用す。又マタの語詞となすは再の代用。復(フタタヒ)なり。イウ。サイ古音轉通
           
           
639 79 叉󠄂 てのゆびをくむ ふたまた     手指の相錯はるなり。叉の形に象るとあるが_に作るべきの略なり。(象形)_(キウ)の字を叉手なりと訓ず。亦_に作るべの變形なると一理にして。_の方は持つを主とし。叉は手容よりいふなり。叉の轉義は股枝(マタ)となす。實は杈の代用なり。又徐鉉新附字に釵は䈂の屬なり。本只だ叉に作ると。カンザシの_形をいふ。亦叉杈の轉義のみ。又釋名に歩叉は人の帯ぶる所。矢を以て其中に叉す。廣雅に歩靫は矢藏なり。靫は俗字。
           
           
640 79 ソウ つめ         手足の甲なり。又(テ)(手)をもととし。㕚の形に象る。(象形)_に作るべきの變なり。手の形を以て足を兼ぬるなり。又多く爪を借りて㕚となす。詩經に予は王の爪牙と。又禮記に蚤を代用とす。
           
           
641 79 ユウ とも ふたつ       双は友の古文なり。然るに韻會に雙の字となす。此隻雙の雙を二隻の合文と思ひ誤りて䨇に作り。又此を省いて双となし。双(イウ)(トモ)と混じたるは非なり。
ソウ          
           
642 80 ユウ とも したしむ たすく     志を同じふするを友と爲す。二又(テ)(手)相交し手相助くるなり。論語に朋友と交る。鄭朋と曰ひ。志を同じくするを友と曰ふ。一本説文に友は愛するなり。廣雅に友は親むなり。爾雅には兄弟に善きを友と曰ふ。書經に我友邦の冢君と。詩經に琴瑟之を友とす。又獸にも羣友といふ。
           
           
643 80 ハン てのうらかえす かえす そむく   覆(クツガ)へすなり。又をもととす。厂は反せる形と。然も諸家曰く。厂(ガン)を音とすと是に似たり。(形聲)孟子に手を反へす。字又(テ)(手)に従ふ之を本義とすべし。轉義は漢書に唇を反へす。呂覽に舌を反へす。易に妻子反目。荀子に願くは反辭を聞かん。注に反覆敘説の辭。書經に反無く側無し。注に道に反す。又晉語に使者を反へす。注に報なり。反還は返の代用。又齊策に是の若き者は信に反(ソム)けりとは叛の代用。又荀子に反貨を積んて而して賈商をなす。販の代用なり。
           
           
644 80 キユウ およぶ おいつく いたる     逮(オヨブ)なり。又(手)と人の(會意)後人の手が前人に及ぶなり。廣雅に及は至るなり。連るなり。儀禮に期に及ぶ。注に至るなり。晉語に往言及ぶ可らず。注に追なり。詩經に及(ト)爾偕に老ん。箋に與なり。
           
           
645 80 𠬝 ホク おさむ つかえる       治なり。又(テ)(手)卩(節)の(會意)卩は事の節なり。手に節度あり。以て事を治む。服事。服従。降服の服の本字なり。
フク          
           
646 80 𠬞 キヨウ てをそばだつ うやまう     手を竦つなり。__の(會意)兩手を擧げ敬恭するなり。奉(ササグ)る所あるなり。楊雄説に兩手の會意。
           
           
647 80 シユウ           收の俗字。攴部を見よ。
           
           
648 80 カイ ひきさく わかつ       分決なり。又をもととし_は決の形に象る。(象形)夬決音義近く通用。
ケツ          
           
649 80 ジヤク おおきいくわ       榑桑は叒木なり。日の初めて出で登る所なり。(象形)
           
           
650 80 シユク ひろう ちいさし わかし     拾ふなり。又(手)をもととし尗(シク)を音とす。(形聲)尗は菽の本字。又或は_に作る。故に𡭫となる。叔を少(ワカシ)の代用となす。シク。セウ一轉音なり。爾雅に父の晜(コン)弟。後生なるもの叔父と爲し。父母の弟の妻を叔母と爲す。儀禮に伯。仲。叔。季と
           
           
651 80 セツ のごう かざる はけ する   飾るなり。又に巾を持して尸(屋)の下に在り(會意)屋内の埽除。雜巾ガケなり。轉じて刷毛。印刷となる。刷は代用字。
           
           
652 81 テツ つづりあわせ つづる     なり。(象形)糸を以てするは綴。其文(アヤ)は叕なり。
           
           
653 81 𠬻 ホウ           奉の古文なり。大部を見よ。
           
           
654 81 シユ みみとる とる       捕取なり。戰に勝つて耳を獲す。と同じ。又(手)と耳の(會意)轉義は老子に天下を取る。易に災を取る。遠近相取る。漢書に取舎を審かにす。禮記に進んで位を取ると。
           
           
655 81 ジユ うけわたし うく       相付(アタ)ふるなり。_(ヘウ)(物落つ上下の手で相付ふと)をもととし舟の省き(_)を音とす。古文は省かず。(形聲)相付與するとは。授くる者ありて之を受くるなり。爪は甲の人の手にて又は乙の人の手なり廣雅に受は繼ぐなり。楚語に顓頊之を受く。注に承なりと。轉義は詩經に天の祜を受く。廣雅に得るなり。親なり。呂覽に受けざる無し。注に應なり。猶ほ成のごとしと。
           
           
656 81 ジヨ           敘の俗字。攴部を見よ。
           
           
657 81 叛󠄃 ハン そむく みだす       半(ワカツ)なり。半をもととし反を音とするも背反析分の意あり。(形聲會意)半(ワカ)ては背分するなり。左傳の釋例に叛とは反背の辭なり。公羊傳に國に潰と曰ひ。邑に叛と曰ふ。廣雅に叛は亂なりと。
           
           
658 81 かりる かり       借なり。闕(カク)と。譚長の説は_に作ると。稍や古文に近し。而して又をもととするも。他は未だ詳かならす。叚假は殆と同字なり。
           
           
659 81 叜󠄀 ソウ おきな さぐる       老なり。又(テ)(手)と灾(サイ)との合にて闕(カク)と。又(テ)と灾(ワサハイ)で老人とするは餘りに懸け離れてゐるから。闕とて分からぬといふなり。此説は誤る。按ずるに𢯱の原字なり。宀(ヘン)(屋)内で火燭を執る。𢯱索するなり。再び手を加へて𢯱に作ると。又(テ)と手と重複する。此例多し。は古文にて𢯱は篆文なり。而して老人とは𠊯を本字とす。人をもととしを音とす。(形聲)方言に𠊯は長老なり。本字本義なり。楊雄は誤らず。も亦𠊯の代用をなすべし。俗に叟に作る。左傳に傁あり。亦𠊯の誤寫なり。
           
           
660 81 㕡󠄀 ガク           壑に同し。土部を見よ。
           
           
661 81 エイ さとし かしこし あきらか とおる   深明なり通なり。𣦻(サン)(殘穿)と谷の省。(_なり深き意)目(明の意)とにて(會意)又谷部に䜭は深く川を通するなり。の會意。𣦵谷の會意。𣦵は殘なり。古文は䜭の省を以て深きの意とす。籀文は_の省きを以て會意す。亦大深の意。壑は㕡を正文とす。篆文も或は㕡の省にて會意せるか。楚語に之を叡聖武公と謂ふ。注に明なりと。玉篇に明なり智なり。
           
           
662 82 ソウ くさむら あつまる       聚るなり。艸木の叢生なり。丵(ガク)(叢生の艸)をもととし取を音とす。取は聚の省きなり。(形聲會意)俗に亦藂樷に作る。爾雅に灌木は叢木なり。孟子に叢の爲に爵(スズメ)を驅ると。淮南子に獸叢薄(密林)の中に走ると。漢書に事叢は注に衆を謂ふ。後漢書に叢巧の世を亂るを惡む。注に細なり。又廣雅に叢は遽なりとは悤の代用。又叢は收むるなりとは取の代用なりと。
           
           
663 82 コウ くち ことば       口は人の言(モノイ)ひ食ふ所以なり。(象形)言語飲食は口の大用なり。易に君子は以て言語を愼み。飲食を節すと。轉じて物の口端となす。又孟子に數口の家。戸口なり。
         
           
664 82 いにしえ ふるし       故(イニシヘ)なり。故は代用字。十口の(會意)十代の人の言ひ傳へなり。故に前言を識る者とあり。轉義は後世に至り太古。上古。中古。今古の別をなす。禮記に以て天地社稷山川先古を祀る。注に先古は先祖なりと。
           
           
665 82 チヨウ めす よぶ       𧦝(ヨブ)なり。口をもととし刀を音とす。(形聲)タウ。テウ轉音。口を用ふるを召といひ。手を用ふるを招といふ。書經に六卿を召す。曲禮に父召せば諾なし。又呂覽に陽を以て陰を召す。注に致すなり。又詔の代用をなす。
シヨウ          
           
666 82 ことばのきり かがまる       曲なり。口をもととし。丩を音とす。(形聲)然れば叫と分たず。句の丩は意を兼ぬべし。丩は糾なり。糾繚するものは屈曲するなり。章句は本義なるべし。語氣の屈曲なり。轉じて凡そ物の屈曲の義となし。又跼と訓ず。月令に句する者盡く出づと。大戴禮に其倨らんよりは寧ろ句せよ。注に句は以て敬に喩ふと。
コウ          
           
667 82 コウ たたく         𨙫の俗字。邑部を見よ
           
           
668 82 テイ           叮嚀は丁寧を本字とす。
           
           
669 83 叫󠄂 キヨウ さけぶ よばわる なく     嘑(ヨバハル)なり。口をもととし。丩を音とす。(形聲)言部には大呼なりと。呼は嘑の代用なるべし。而して叫は同字疑ひなし。詩經に叫號を知らず。傳に呼召なりと。呼は息なり。此義にあらず。亦嘑の代用。字亦嘄詨に作る。轉義は鳥の鳴くとなす。
           
           
670 83 ただ これ       語の巳む詞なり。口をもととし八は氣の下り引くの形に象ると(象形)詩經に母や天なり只と。又樂只の君子とは是の代用なり。
           
           
671 83 べし ゆるす よし     許可の詞なり。口と_(カ)にて(會意)_は丂の反形で反義となる。呵の古文なり。丂は聲氣が礙塞(ツカヘ)て伸びぬなり。此に反し_は聲氣が突發して伸び出づる。呵(ドナル)となるのである。可は此_を以て意となす。大聲に許可するなり。_は音も兼ぬ。禮記に士は竹本(を用ふる)可なりと。疏に可と言ふ者は通許の辭なり。又曰く不可と。疏に許さざるの辭なり。故に元と肎(ガヘン)ずと訓じ又宜となす。
           
           
672 83 トウ           饕に同じ。食部を見る。
           
           
673 83 かきやく ふみ       事を記するの吏。書記官なり。又(テ)(手)に中を持つ。中は正なり。(會意)良史は書法隱さずと。禮記に動けば則ち左史之を書し。言へば則ち右史之を書すと。周禮に史の屬は大史。小史。内史。外史。御史。女史。あり又史官の書する所の書をも史と曰ふ左氏春秋序に魯の史記の名なり。疏に書を掌るを史と曰ふと。亦史篇。歷史と稱す。
           
           
674 83 きかず         漢以後の字。説文の敘に見ふ。三蒼。廣韻に叵は不可なり。
           
           
675 83 𠮟 シツ しかる         訶なり。口をもととし七を音とす。(形聲)俗に誤つて叱に作る。大聲にて𠮟(シカ)るなり。蒼頡篇に大呵を𠮟と爲す。公羊傳に劔を手にして之を𠮟す。史記に喑噁𠮟咤。索隱に發怒の聲と。
           
           
676 83 ゴウ なく なげく       痛む聲なり。口の丂の上に在るの(會意)丂は氣が礙へて上に出づる能はず。然るに口を張つて其聲が外に出づる。卽ち痛聲が發出するなり。号泣と號呼と兩字分別すべし。唯だ音通を得。
           
           
677 83 よろこぶ         説(悦)なり。口をもととし㠯󠄂(イ)を音とす。(形聲)段氏云く台説は怡悦の本字なり。説文に怡は和と訓じ而して悦の字なし。班固の典引に尚書を引く。舜コに讓て台(ヨロコ)ばずと。按ずるに兌説は同字なり。又方言に台は養なり頤の代用。又失なり駘の代用。又詩經に黄耇台背。鮐の代用。
タイ          
           
678 83 エン みずたまり         山間の陷泥の地なり。口(谷口)と水の敗ぶるる(八)貌とにて(會意)。
           
           
679 84 ユウ たすく みぎ       助(タスク)なり。又(テ)(手)と口の(會意)手口相助くと。手工者の傍で助言するなり。左右の二字作法相似たり。古の_(サ)(ヒダリ)又(イウ)(ミギ)は中古より。左右を借りて代字となし。因て左右の本義の字を更に佐佑に作つて分別す。漢以後の俗字なり。周禮に以て刑罰を左右す。注に助なり。本義。又周禮に龜の上下左右陰陽を辨す。_又の代用此轉義は漢書の注に。古者右を以て尊と爲す。又詩經に一朝を右(スス)む。傳に勸なりと。姷卽ち侑の代用なり。
           
           
680 84 つかさ うかがう       臣の事を外に司どる者なり。字形は后の反形で(假借)なり。后(キミ)は内に在つて司を使ひ。司は外に在つて后の事に任ず。后司の二字は形義相承く。亦轉注なり。有司は司伏して𠊱察す。故に𠊱(ウカガフ)の義となす。俗に伺に作て分別す非なり。亦覗にも作る。周禮に有司。注に屬する所の吏なり。又荀子に日に間を司はんと欲す。字林に伺は𠊱なり。察なり。徐鉉新附に伺は𠊱望なり。
           
           
681 84 叭󠄂 ハツ らっぱ         正字通に喇叭は軍中の吹器なり。俗に之を號筒と謂ふ。近出俗字。
           
           
682 84 メイ なづく なげく       自(ミヅカラ)名するなり。口と夕との(會意)夕時は冥(クラ)し。冥ければ相見えぬ。故に口(言)を以て己れの名を曰ふて。他人に呼びかける。他人も亦然かすべし。轉じて物名となす。左傳に器と名とを愼む。莊子に名とは實の賓なり。中庸に必す其名を得。注に合間なり。周禮に號名。注に徽識なり。又古は字を名といふ。儀禮に百名以上は策に書す。公羊傳の注に一字を名と爲す。論語に名を正ふせん乎(カ)。鄭注に古は名と曰ひ。今は字と曰ふ。又字亦銘に作る。祭統に銘とは自ら名するなり。自ら名して以て其先祖の美を稱揚し。而して之を後世に明著にするなり。晉語の注に器に刻するを名と曰ふと。
ミヨウ          
           
683 84 ケン さけぶ かまびすし       驚き嘑(サケ)ぶなり。二口の(會意)讀む讙の若しと。は讙の古文なり。荀子に百姓讙敖。卽ち讙譁の義なり。
カン          
           
684 84 ああ おどろく うれう     驚くなり。口をもととしを音とす。(形聲)アツト驚くなり。は口氣の伸び出るなり。會意を兼ぬ。轉義は書經に𠮱(アア)嚚訟可ならんや。傳に疑ひ怪むの辭なり。禮記に曾子之を聞ひて曰く𠮱と。釋文に云く氣を吹くの聲なり。法言に𠮱(アア)是れ何をか言はん歟と。注に駭歎の聲なり。又詩經に云(ココ)に何をか吁ゑん。傳に憂なりとは𢗃の代用なり。
           
           
685 84 𠮱󠄀 ああ おどろく うれう     上に同じ。
           
           
686 84 しかる はく       噴くなり。𠮟惡(シカル)なり。口をもととし乇を音とす。(形聲)字亦咤に作る。禮記に咤食する毌(ナカ)れ。疏に口舌の中にて聲を作すを謂ふ。又漢書に口𠮟咤に倦むと。噴吐の如くにシカリツケルなり。
           
           
687 85 キツ どもる かむ くらう     言の蹇難(アシナエ)なり。口をもととし气を音とす。(形聲)キ。キツ一轉音なり。ビツコの行き難むと。ドモリの言に難むと相似たり。又食ふカムと訓ずるは。喫實は齧の代用なり。
           
           
688 85 カク あらそう おのおの いたる     異にする詞なり。口と夂(チ)の(會意)夂(チ)は人が行くのを之を止むる者有り。相聽かざるの義とす。語が一致せぬ。オノオノ別々なり。詩の疏に各は一ならざる辭と。至(イタル)と訓ず𢓜の代用。
           
           
689 85 ゴウ あう こたう あわす     亼(集合の集(アツマル)の本字)口なり。衆口の一致なり。亼と口の(會意)合は問荅の荅の本字なり。對なり。應なり。然りなり。俗に誤つて答に作る。轉義は荀子の注に羣衆を和合す。卽ち合同。協合となす。又儀禮に巹を合わす。注に破匏なりとは(アハス)の代用。又周禮の注に耦を得るを合となす。配合とは佮の代用。又太玄に一闢一合とは闔(トヅ)の代用。又王政に王子は合圍せずとは匌(アマネシ)の代用なりと。又字音を借りて義をなすは漢書に合龠の量。説苑に十龠を一合と爲すと。
           
           
690 85 キツ よきこと よし めでたし     善なり。士と口の(會意)善言を本義とす。武士の口から出た言は尊し。芽出度し邦諺に武士に二言なしとて。士言は善吉として重ぜられたり。但し此字士言の故事にて作らる。實は假借なり。轉義は吉凶となす。吉祥。吉利といふ。易に安貞吉。書經に彰かに厥(ソレ)常あり吉なる哉と。又令月吉日。
キチ          
           
691 85 トウ しかる         字彙徒口切𠮟なり。今義は洋寸の謂ひにてインチなり。
           
           
692 85 チヨウ           俗の弔の字。字語彙に見ふ。今支那で貫となす。
           
           
693 85 ドウ おなじ やわらぐ       合會なり。凡口の(會意)説文に_に作り。𠔼口となすは誤まる。今周古文に據る。合同を本義とす。凡は衆なり。衆人の言の一致なり。轉義は周書に龢(和)同觀る可し。注に一心二ならざるを同と曰ふ。又共同は字亦詷に作る。書經に律度量衡を同ふす。周禮に衣服を同ふす。詩經に會同繹たる有り。又書經に上宗同を奉ず。錘の代用。壺に似たるの酒器なり。或は銅を以て代用す。皆周器の銘に見ふ。元桮と訓ず誤る。
           
           
694 85 コウ よつぎ きみ のち     繼體の君なり。段氏云く后の言は後なり。開刱(創)の君は先に在り。繼體の君は後に在り。字形は人の形に象る。令を施して以て四方に誥く。故に之を厂(カン)し一口に從ふと。此説は誤る。按するに字は𠂋は匕なり。匕比同じ比次なり。比次して先より承くるなり。又曰く號を發する者は君后なりと。口は其意なり。此れ(會意)にして。司と轉注す。轉義は左傳に后帝は天なり。周禮の后土は土神。又曲禮に天子の妃を后と曰ふ。白虎通に商以前は皆妃と曰ひ。周は始めて后を立つ。正嫡を王后と曰ふ。秦漢に皇后と曰ひ。祖母を皇太皇后と曰ひ。母を皇太后と曰ふ。又釋名に后は後なりと。大學に止まるを知つて而して后に定まるあり。皆後の代用。又姤に作り遘の代用をなす。易姤の卦。釋文に古文は遘に作ると。姤を遇と訓ず是れなり。
           
           
695 86 つかさ おさむ つかえる     人を治る者なり。一と史の(會意形聲)史は音を兼ぬ。一は正道なり。史も亦吏なり。周語に百吏庶民。注に百官なり。管子に吏なる者は民の命を懸くる所なり。孟子に天吏。注に天の使ふ所と。
           
           
696 86 はく         寫(ソソグ)(瀉の本字にて卸の代用。)なり。吐瀉なり。口をもととし。土を音とす。(形聲)然も土は萬物を吐出すとある。會意も兼ぬべし。史記に周公は一飯に三たび哺を吐く。詩經に柔なれば之を茹(クラ)ひ。剛なれば之を吐く。皆本義なり。
           
           
697 86 キヨウ きたまど むjかう       北出の牖(マド)なり。宀をもととし口は象形。_(廩)の口と同例。詩經に向(キタマド)を塞ぐと。轉義は向背となす。南北の如し。又云く郷を以て向の代用となし。而して後に俗に嚮に作ると。然も周古文の饗はに作る。主賓相對す。向背は饗の轉義。向は代用なるべし。
           
           
698 86 カツ くちをふさぐ         口を塞ぐなり。口又は甘をもととし_の省きを音とす。(形聲)此字の楷體は(ゼツ)(シタ)の楷體の舌󠄃と混じ易し。
           
           
699 86 クン きみ         尊なり。尹と口の(會意)尹は天下を治むるの吏尹なり。天君は天吏なり。口は號令を發するなり。儀禮に君は至尊なり。轉義は易に嚴君は父母の謂ひなり。易に君子豹變す。干注に大賢の聖に次ぐの人なり。詩の關雎の序に。以て君子に配す。疏に婦人夫を謂ふて君子と爲す。上下の通名なり。
           
           
700 86 キン わらうかたち       笑ふ貌なり。口をもととし斤を音とす。(形聲)言部には喜ふなり。听。。欣音義皆近し。
           
           
701 86 吝󠄂 リン うらめし おしむ けちんぼ     恨惜なり口をもととし文を音とす。(形聲)ブン。リン一轉音なり。口は己の言なり。心に吝惜痛恨す。故にブンブンいふて邪慳に當り散らすなり。轉義は吝嗇となす。
           
           
702 86 ドン のど のむ       咽(ノド)なり。咽は嗌なり。口をもととし天を音とす。(形聲)テン。ドン轉音なり。咽は呑むの所なり。故に轉じて飲通(ノム)の義となす。西周策に兼ねて周を呑むの意あり。廣雅に呑は滅なり。増韻に呑は并包なりと。
           
           
703 86 ガン ふくむ         銜(フクム)なり。口をもととし今を音とす(形聲)轉義は易に含弘光大。廣雅に含は寛なり。老子にコを含むの厚。秦策に怒を含む日久し。左傳に君垢を含む。
           
           
704 87 ギン うごめく うたう       呻なり。呻吟して歎息するなり。口言音をもととし今を音とす。(形聲)蒼頡篇に吟は歎なり。轉義は秦策に將に呉吟せんとす。注に歌吟なり。一説に口をもととし今を音とす。含と異るなし。史記に吟(フクン)て言はず。疑らくは吟含同字。吟は訡䪩を正字とすと。
           
           
705 87 われ わが       我れ自ら稱するなり。口をもととし五を音とす。(形聲)吾は我よりも其義輕しと。
           
           
706 87 いな       不なり。口と不の(會意形聲)不に還らざるの意あり。不は音を兼ぬ。經傳の不可。不は否の代用なり。不專ら行はれて否の義は隱れたり。又藏否の義となす。
           
           
707 87 呈󠄄 テイ たいらか あらわす すすめる     平かなり。口をもととし壬を音とす。壬は直なり。(形聲會意)公平正直の言なり。其言は隱さず。故に轉じて見露の義となす。或は云く。廣雅に呈は解くなりと洛神賦に皓質呈露。注に見はる。裎の代用なりと。又今人進呈の字を用ゆ。平直上奉の謂ひか。或は廷の代用。
           
           
708 87 ベイ いぬほゆ ほえる       犬の鳴くなり。口犬の(會意)楚辭に邑犬羣吠す。怪む所を吠えるなり。詩經に尨やをして吠えしむる無れと。俗に𠲎㕹に作る。
           
           
709 87 スイ いきふく ふく       𭊌(イキフク)なり。口と欠(ケン)の(會意)口が欠(アクビ)をすれは息(イキ)をフキ出すなり。呼は自然にして。吹く發作なり。聲類に吹は氣を出す急なり。又笛を吹くは(スイ)の代用なり。
           
           
710 87 キユウ すう         息(イキ)を内(イ)れるなり。口をもととし及を音とす。(形聲)呼吸二字義相對す。
           
           
711 87 リヨ           膐の古文なり。肉部を見よ。或は旅(トモ)の代用をなし。俗に侶に作る。
           
           
712 87 コク つぐ もうす       漢人の此字を解く誤る。説文は牿の義となす非なり。按ずるに牛は牲なり供へて以て神を祭る。祭りには祝冊あり。口にて祝詞を讀むなり。(會意)明かなり。禮記に諸侯の天子に𨗁く。必す祖に告く。論語に告朔の餼羊。羊牛同意。説文には祭なり。告同字なるべし。轉義は爾雅に告は請なり。書經に太王。王季。文王に告く。詩經に必ず父母に告ぐと。又言部に誥あり告と訓ず。告誥は元と同字。口言重複す。列子の楊注に上に告ぐるを告と曰ふと。然も釋名に上の下に敕するを告と曰ふと。本字なり。下に告ぐるは轉義のみ。
           
           
713 87 うごく         動くなり。口をもととし化を音とす。(形聲)本義は口の動くなり。詩經に尚くは寐て吪く無けん。字亦訛に作り譌と通ず。
           
           
714 88 おおぼら ほらふく おおいなり     大言なり。_(ソク)(ソバダツ)口(コトバ)の(會意)徒らに大言して。正理なく實なし。謬言なり。轉義は詩經の傳に呉は譁なり。ガヤガヤするのみ。又方言に呉は大なり俁の代用。又國名となす。
           
           
715 88 ダイ どもり         言の訥なり。口と内との(會意)内の中に口が入つてある。味ふべし。亦吶に作る。口が傍にあり意義を失す。は訥と同字なり。
トツ          
           
716 88 イン すする すう       欶(スス)るなり。口をもととし。允を音とす。(形聲)釋名に吮は循なり。口を絶たず。稍く滋汋を引き咽に循つて下るなりと。
           
           
717 88 コウ           亢の俗字。亠部を見よ。
           
           
718 88 コウ ほえる どなる ののしる     厚怒の聲なり。口后の(會意形聲)后は亦た音なり。后は號令を發するなり。轉じて怒聲となる。吼は又叱咤の義となす。字は俗に吼呴吽に作る。又恥と訓ず詬の代用。
         
           
719 88 フン くちばた         口邊なり。口又は肉をもととし。勿昏を音とす。(形聲)コツ。フツ。フン。コン轉音なり。俗に脗に作る。埤蒼に脣の兩角頭の邊なり。
           
           
720 88 ケイ ひらく あきらか       開くなり。戸口の(會意)玉篇に堯典を引く启明。爾雅釋天に明星之を启明と謂ふ。而してヘ啓の字は启に從ふと。而して後人は啓を以て启の代用となす。又下の啓を見よ。
           
           
721 88 バイ ばか         某(ムメ)と同形なり。而して字典に曰く今俗に以て癡獃(ガイ)(コイヌ)の字と爲す。誤りなりと。
ホウ          
           
722 88 セキ ふうと         洋尺なり。近作字なり。
           
           
723 88 周󠄃 シユウ ととのう やわらぐ あまねし     密なり。口を用ふるの(會意)夫れ愼言は修コの要なり。言を用ふるの愼密を周と曰ふと。調を和なりと訓ず。賈子に合せて周密を得る之を調と謂ふ。周調は殆ど同字なり。魯語に忠信を周となす。左傳に盟は周信なる所以なり。注に固なり。管子に人主は周ならざる可からず。注に謹密を謂ふなり。又小爾雅に周は帀(サウ)(匝)なり。詩經の箋に周は徧(アマネシ)なり。禮記に周旋矩に中ると。此皆𠣘(シウ)(メグル)の代用。字俗に週に作る。又詩經に人の周(スク)はざる靡(ナ)しとは授の代用。字俗に賙に作る。禮記の注に足らざるを給すと同じ。又廣雅に周は輩なりとは儔の代用なりと。
           
           
724 88 ジユ のろう         皆祝の俗字。示部を見よ
           
           
725 88 サク かむ くらう       齰齚の俗字なり。齒部を見よ。
           
           
726 89 ユウ しかのこえ         鹿の鳴く聲なり。口又は欠をもととし幼を音とす(形聲)詩經にシカの鳴く呦々。傳に呦々然として鳴いて而して相呼ふなりと。
           
           
727 89           に同じ。吼を見よ。
           
           
728 89 エイ くだくだし おしやべり       多言なり口をもととし世を音とす。(形聲)セイ。エイ一轉音なり。詩經に然く呭々する無れ。又言部に詍は多言なり。是れ呭詍は同字なり。亦喋に作る。玉篇。集韻に喋々多言なり。
           
           
729 89 しかる そしる       苛(セム)(訶の代用)なり。口をもととし此を音とす。(形聲)或は訾を借りて之と爲すあり。又助語の詞となす。字音を借るのみ。俗に誤て些に作る。艸書に_に作るより訛せしなるべし。今本楚辭皆些に作る。俗人の改寫のみ。
           
           
730 89 あじわう かむ くらう     味を含むなり。口をもととし且を音とす。(形聲)通俗文に嚼なり。字林に齰(咋)なり。三蒼に噍なり。雁鴨が餌を食ふ貌を咀嚼と曰ふなり。
           
           
731 89 こどものなくこえ       小兒嗁(テイ)(啼)く聲なり。口をもととし瓜を音とす。(形聲)カ。クワ。コ一轉音なり。書經に啓呱々として泣く。ココと重言して義を得るものなり。
           
           
732 89 しかる         反_(丂)なりと。丂は氣(_)が升つて上の一に礙(ツカ)へて上に出られぬ。それと反對に_は語氣が上に突出して伸びるなり。讀む(音)呵の若しと。呵は後出字なり。俗を以て正を訓ずるの例なり。又言部の訶は大言して怒るなりと。何誰の本字なり。訶呵も同字で皆_の後出別體なること知るべし。
           
           
733 89 かまびすし         讙しき聲なり。口をもととし奴を音とす。(形聲)號呶は怒聲のみ。
           
           
734 89 あじわう あじ       滋味なり。口をもととし未を音とす。(形聲會意)未は果實の熟して味の甘(ウマ)きなり。然れば字形に依れば未は自然の滋味にて。人の之を味はふが味なり。二字音義相通ず轉じて諸の味となす。周禮に五味。五穀。五藥は其病を養ふ。注に醢。酒。飴。蜜。薑。鹽の類と。後世は甘。苦。酸。辛。鹽なり。
           
           
735 89 メイ さしずする いいつける みことのり なづける   使ふなり。口令の(會意)令は王者の發號なり。之を傳達し施行するは命なり。爾雅に命は告なり。易に大君命あり。詩經に維(コ)れ君子の命と。轉義は中庸に天命之を性と謂ふ。注に天の命する所。人を生する者を謂ふ。詩經天の命の箋に。猶ほ道のごとしと。論語に賜や命を受けずして貨殖す。王弼注に爵命なり。説文名の字の訓に自から命するなりと。
ミヨウ          
           
736 90 いきふく よぶ       外息なり。氣を吐き出すなり。口をもととし乎を音とす。(形聲)呼は呼吸の字なり。説文では召𧦝(ヨブ)。號嘑(ヨハハル)の三字を分別す。今は皆呼の字を以て代用す莊子に天を仰いで呼ばはるとは嘑の代用なり。又嗚呼とは烏乎を本字とす。又哮虖の字あり別なり。
           
           
737 90 トツ いいあう         相謂ふなり。口をもととし出を音とす。(形聲)蓋し咄詘音義近し轉じて急遽の言とし驚かす義とす。咄嗟。咄々怪事の如きなり。
           
           
738 90 うたいあわす やわらぐ     相應ずるなりと。詩經に予れ唱して汝和すと是れなり。口をもととし禾を音とす(形聲)經傳は龢(ヤハラグ)の代用とす。周語に樂は和に從ふ。注に八音克く諧く是れなり。轉じて陰陽和す。論語に禮の用は和を貴しと爲す。氣候の温和となす。又五味の調和。和羹とは盉の代用なり。
         
           
739 90 フツ たがう もとる       違ふなり。口をもととし弗を音とす。(形聲)書經に咈なる哉と。又曰く諫に從つて咈はず。又廣雅に咈はなりとは弗の代用と。
           
           
740 90 ホウ ほえる         なり。口をもととし包を音とす。(形聲)古詩に虎豹は鬥ひ。熊羆は咆ゆ。注に吼なりと。又連言して義をなすものは。巍都賦に呑滅咆烋(哮)注に自ら健の貌なりと。西征賦に何そ猛氣の咆勃なる。注に怒る貌なり。
           
           
741 90 キユウ とがめ とがむ あやまち     災なり。人各の(會意)各は違ふなり。人間萬事の各異。咋ひ違ひとなるは卽ち咎災なり。書經に天之に咎を降すと。易に咎なき者は善く過を補ふと。轉義は書の序に般始て周を咎む。鄭注に惡むなり。詩經に惨々として咎を畏る。箋に猶ほ罪過のごとしと。又毀敗の義となす。の代用なりと。然も咎も元同字なるべし。又荀子に晉の咎犯。舊の代用。後漢書に咎鼓を代つとは鼛の伐用なり。
           
           
742 90 シン うごめく よみこえ       吟なり。口をもととし申を音とす。(形聲)段氏云く。呻とは吟の舒(ユルヤカ)なるなり。吟とは呻の急なりしかも渾(スベテ)言すれば則ち別たずと。轉義は唸吚は呻なり。禮記に呻して其れ佔嗶す。又莊子に呻吟。注に誦みなり。
           
           
743 90 タイ わらう あざける       台の俗字。用ひて_(_)の代用をなす。_は戲笑なり。楚辭に又衆兆の咍する所と。注に楚人は相啁笑するを謂ふて咍と曰ふと是れなり。
         
           
744 90 エイ           詠に同し。言部を見よ。
           
           
745 90 ヒツ           苾の俗字。艸部を見よ。
フク          
           
746 90 𠰔 ボウ           謀の古文。言部を見よ。
           
           
747 91 ヒン しなさだめ しな       衆庶なり。衆人が論評するなり。三口の(會意)三は萬までの數を代表す。周禮に品して食を嘗む。鄭語に以て庶類を品處す。注に高下の品なりと。卽ち品位なり。書經に五品遜はず。鄭注に父母兄弟子なり。又惟(コ)れ全三品。漢書に品藻を稱述す。注に其差品を定む。轉々して義をなす。
           
           
748 91 シヨウ さく わらう       笑に同じく。芺の俗字なり。竹部の笑を見よ。
           
           
749 91 ガク           の俗。諤の本字。言部を見よ。
           
           
750 91 とう         諮の本字なり。言部を見よ。
           
           
751 91 シユ くちばし         鳥口なり。口をもととし朱を音とす。(形聲)詩經に其咮を濡さず。考工記に注を以て鳴く者。注は代用。
チユウ          
           
752 91 イン のど すう むせかえる     嗌(ノド)なり。口をもととし因を音とす。(形聲)漢書に其咽を搤す。注に頸なり。轉義は戰國策に韓は天下の咽喉。廣韻に嚥に作る俗字。孟子に三び咽ふ。又烏咽とはの代用。
           
           
753 91           吼の本字。上を見よ。
           
           
754 91 アイ あわれむ かなしむ       閔(ウレフ)なり。(閔は弔者が門に在るなり)口をもととし衣を音とす。(形聲)イ。アイ轉音なり。左傳に吾喪を哀まず。廣雅に哀は痛なり。周禮に凶禮を以て邦國の憂を哀む。注に患を救ひ烖(ワザハイ)を分つと。論語に哀みて傷らず。
           
           
755 91 ものさし         中婦人の手の長さは八寸。(支那古代尺にて)之を咫と謂ふ。尺をもととし只を音とす。(形聲)左傳に顏(マノアタリ)咫尺。魯語に其長さ咫尺の如し。注に近に喩ふ。
           
           
756 91 サイ かな       言の間なり。口をもととし𢦏を音とす。(形聲)東込Hく。哉に三法あり。間隔は句中にあるときには(書經に肆哉爾ガ庶邦ノ君)。賛嘆は賢ナル哉。君子ナル哉。のごとし。さても賢者ではあると。カナと賛美嘆息することなり。疑度は賜也賢ナル哉といふがごとき。賢者であるそふなと。不思議推量するときなり。乎より重く邪より婉曲なり。又爾雅に哉は始なりとは才の代用。又廣雅に哉は視なりとは司の代用なり。
           
           
757 91 シン わらう         笑て顏を壞(クヅ)さざるを弞と曰ふ。欠をもととし引の省きを音とす(形聲)字亦哂に作る。論語に夫子之を哂ふ。漢人の改寫せるなり。
           
           
758 91 おおわらい         大笑なり。口をもととし至を音とす。(形聲)詩經に咥として其れ咥ふ。又易に孚有り咥す。鄭注に覺悔の貌と別義。又人を咥らはずの注に齧なり。此義は𪗻に作る。齒堅なり。
テツ          
           
759 92 ガイ こどもわらう ちのみご せき     小兒の笑ふなり。口又は子をもととし亥を音とす。(形聲)式に曾ち以て咳嬰の兒に告ぐ。注に咳嬰とは嬰兒の初て笑ふを知る者と。孟子に孩提の童。注に小兒孩笑を知る。提抱すべき者と。又禮記に噦。噫。嚔。咳。莊子に咳唾の音とは欬(セキ)の代用なり。
           
           
760 92 トウ なきやまず さけぶ       楚に兒の泣いて止まざるを噭咷と曰ふ。口をもととし兆を音とす。(形聲)號咷とは叫の代用。
           
           
761 92 カン みな         皆なり。悉(コトゴト)なり。口と戌との(會意)戌は悉(ツクス)なり。又盡滅なり。轉義は書經に庶績咸(ミナ)煕(ヒロマ)る。傳に皆なり。又咸有一コ篇あり。詩經に克く厥(ソノ)功を咸ふす。箋に同なり。魯語に小賜は咸(アマネ)からず。注に徧なり。又易の彖󠄃傳に咸は感なりとは感の代用。又漢書に戸口半に咸すと減の代用。又含。緘の代用をなす。
           
           
762 92 くちゆがむ         口戻して正しからざるなり。口をもととし咼(クワ)を音とす。(形聲)字亦喎に作る。然もは譌なり。咼と通ず。
           
           
763 92 ケン なきやまず かまびすし       朝鮮に兒の泣いて止まざるを咺と曰ふ。口をもととし亘を音とす。(形聲)字亦喧諠に作る。多く嚾の代用にて行はる。聲類に諠は譁なり。嚾同じ。
カン          
           
764 92 くちをはる はりひらく       口を張るなり。口をもととし。多を音とす。(形聲)(奢)と同意。
シヤ          
           
765 92 よばわる         休の俗字。集に休咻呴同字。孟子に楚人之を咻す。注に嚾なりとは呴卽の代用なり。
           
           
766 92 キヨク まこと いましむ すみやか     自ら急(ハゲシク)敕するなり。羊と包の省(實は勹にて省に非ず)の(會意)口は言にて。勹(ツツム)は内に在り外に出さぬ。猶ほ言を愼むのごとしと。羊に従ふは義。善と同意と。住善。善祥の意なり。儀禮に賓敬を爲す。大學にに日に新たなりとは。當に此字に作るべし。艸に従ふ句の音の苟(イヤシクモ)と音義は迥かに別なりと朱駿聲の説。又爾雅に寁。駿。亟。遄は速(スミヤカ)なりと。釋文に亟或はに作る。
           
           
767 92 アイ あしきこえ あやまる       (淫の意)聲なり。口をもととし圭を音とす。(形聲)法言に或は雅或は鄭となは何ぞや。曰く中正なれば則ち雅。哇多ければ則ち鄭と。蒼頡篇に哇は謳なりと。
         
           
768 92 イン かず まろし       物(貨)の數なり。貝をもととし〇(ヱン)を音とす。(形聲)〇は古の圓の字なり。然れば通貨の數を員と曰ふ。今の兌換券の五圓。拾圓は員の代用なり。轉義は漢書に國人員に過ぐ。注に數なり。凡そ數義となす。又孟子に方員の至りなりとは圓卽ち〇の代用。圓員互に通用なり。又史記に願くは君卽ち遂を以て員に備へて行かれよと。員の轉義。又詩經に景員維れ何そ。傳に均なり。均の代用。又爾の幅に員す。隕の代用。又聊か吾員を樂む。䰟の代用なりと。
エン          
           
769 93 テツ しる あきらか さとし     知なり。(卽ち智なり)口をもととし折を音とす。(形聲)セツ。テツ一轉音なり。按ずるに心部に又セあり敬なりと訓ず。明哲の人は事に當つて愼敬するなり。周器の銘に據るにセ聖と曰ふもの多し。而して哲は誓の字として用ひらる。口と言とは固より通用す。但し哲セは同音。互に通ずべし。然れば此解の知るなりと大智なり。卽ち明智の人なり。書經に人を知るは則ち哲なり。又之を知るを明哲と爲すと。卽ち心に之を知る。口は知る能はず。
           
           
770 93 うた         聲なり。二可の(會意)古文は以て歌の字となすと。蓋し歌の本字なるべし。カァカァと聲を引き伸はすなり。
           
           
771 93 ユウ           悒の俗字。心部を見よ
           
           
772 93 ボウ みだるることば       異の言なり。口をもととし尨を音とす(形聲)一に曰く雜語なり。音は尨のごとし
           
           
773 93 うたう         誐(ヨキコトバ)の俗字なるべし。玉篇に吟哦なりと後出の別義なるべし。
           
           
774 93 シヨウ くちちいさし いたむ       口の容れざるなり。口をもととし肖を音とす。(形聲)禮記に枉矢哨壺。注に正しからざる貌なりと。口をツボメル貌なり。又漢碑に哨然愍悼。悄の代用。又正字通に凡そ屯戍盗を防くの處。哨と名く。別出今義
           
           
775 93 唆󠄂 こどものこたえ そそのかす     古此字なし。字形は吮の俗體なるべし。玉篇に唆は小兒相應ふるなり。連言して義をなす。義は音に在り。又正字通に云ふ使唆。古此字なし。通じて嗾を用ふと。皆近出義のみ。
           
           
776 93 シン おどろく くちびる       驚くなり。口をもととし辰を音とす。(形聲)驚いて大聲を發す。亦他人を震駭すべし。又口唇(クチビル)となすは脣の代用なり。肉部を見よ。
           
           
777 93 唐󠄃 トウ おおぼら くにのな つつみ どて   大言なりと。荒唐不稽の言なり。大にして空なり。言又は口をもととし庚昜を音とす。(形聲)又防の代用をなして。字俗に塘に作る。廣雅には隄なり塘は池なり。然も周語に陂唐汚庳。正字なり。又國名となす。字音を借るのみ。又宕の代用をなす。七發に浩唐の心と。又の代用。管子に黄唐宜き無し。注に虗脃なり。又連言して義をなす。詩經に唐棣の華。又夏小正に唐蜩鳴く。詩經に蜩の如く螗の如し。螗は俗字。字亦音を借るのみ。
           
           
778 94 かみくらう やしなう       哺咀なり口をもととし甫を音とす。(形聲)又は噍む貌なり。尃は甫を音とす。哺㗘は殆と同字。爾雅の釋文に哺咀は嚼み食ふなり。嚼噍同じ。轉義は小爾雅に純Kにして反哺するを鳥といふと。
           
           
779 94 哽󠄂 コウ むせぶ ことばつかえる     語が舌の介礙(ハサマリツカエル)する所となるなり。口をもととし更を音とす(形聲)骾の骨の咽に留ると義近し。骾塞の義なり。轉義は莊子に壅し而して哽す。釋文に塞くなりと。
           
           
780 94 コク なげきさけぶ       哀む聲なり。(クワン)をもととし獄の省を音とす。(形聲)は讙の本字なり。以て嘑(サケ)ぶの意となす。論語に顏淵死す。子之を哭して動す。俗に𡘜に作る。
           
           
781 94 コウ ぶたのこえ いかりさけぶ     豕の驚く聲なり。口をもととし孝を音とす。朱駿聲云く假借して虓と爲す。通俗文に虎聲を之を哮と謂ふ。埤蒼に哮赫は大怒の聲。詩經に中國に炰烋す。箋に云く自ら矜り氣の健なる貌なりと。按するに炰烋は咆なり。咆は通用字なり。
           
           
782 94   まいる         近出の文字なり。里の字の俗體のみ。支那人が欧文を譯する字は往々に口を加ふ。玉篇に哩の字あるも自ら別字なり。
           
           
783 94 バイ うたう         後世字なり。廣韻に薄邁切。玉篇に焚音の聲なり。集韻に西域に頌を謂ふて唄と曰ふと。六朝以後の字なり。
           
           
784 94 ガン           含の俗字。上を見よ。
           
           
785 94 はいはい ただ       諾なり。敬應の辭なりと。口をもととし隹を音とす(形聲)スイ。イ轉音。禮記に必ず唯諾を愼む。又父召せば諾なし。先生召せば諾なし。唯して起つ。注に唯は諾より恭しと。又發聲の辭。易に唯(タダ)君子云々。又字音を借るなり。殷周の文は多く隹を借り。經傳は惟。維を借る音々。
           
           
786 94 シユウ うれる うる       字形は唯と同じきわけなるも。義は讐の轉義にて行はる。段氏云く。讐は應なり。當るなり。物價を酬ゆるなりと。卽ち賣る賣れるなり。
           
           
787 94 シヨウ となう みちびく うたう     導くなり。唱導なり。口をもととし昌を音とするも(形聲會意)昌は善言なり。口に善言を唱ふ。以て善導すべし。轉義は周禮樂師の注に。樂師の主唱なり。字書に唱は歌句を發するなり。字亦誯に作る。但し昌の字。日と曰との會意。日は口言と同意。昌唱殆と同字。
           
           
788 94 チヨウ           謿の本字なり。言部を見よ
           
           
789 94 フン           吻に同じ。上を見よ。
           
           
790 95 啄󠄆 タク ついばむ         鳥の食するなり。口をもととしを音とす。(形聲)釋名に啄とは物を琢するが如く(コツコツタタク)上げて復た下すと。詩經に我粟を啄む無れと。燕策に蚌方に出でて曝す。鷸其肉を啄むと。
           
           
791 95 唳󠄅 レツ なく         戾の俗字なり。宋本玉篇に唳は鳥の鳴くなり。謝惠連の詩に。寥戾雲漢を度ると。寥戾と連言す。義は音に存す。舞鶴賦に清響丹墀に唳す。初て口に從ふと。
レイ          
           
792 95 商󠄃 シヨウ はかりしる はかる あきない あきらか   外より内を知るなり。(トツ)をもととし(訥と同し)章の省きを音とす。(形聲會意)黙して之を識るなり。章は明なり。易に商兌。注に商量裁制の謂ひなり。又周禮に商賈は貨賄を通ず。注に行くに商と曰ひ。處るに賈と曰ふとは𧶜の代用なり。貝部に_は行賈なり。貝をもととし商の省きを音とす。形聲會意。周古文は省かず_に作る。𧶜賈の事は固より商量すべきなり。又韻商國名となす。
           
           
793 95 トン ゆるきことば おしう       口氣なり。口をもととし享を音とす(形聲)荀子に口啍を取る無れ。注に口啍は誕なり。蓋し延の義。此義は實は諄の轉義か。又重言するものは詩經に大車啍々。傳に遲重の貌なりと。
           
           
794 95 さからう ふれる       逆なり。午(屰の意)をもととし吾を音とす。(形聲)字亦忤a捂牾に作り。又迕に作りに作る。或は云く辵に從ふものはの異體。𠵦音義に皆通ず。呂覽に長短頡𠵦。注に逆なり。
           
           
795 95 ブン とう たずぬ       訊(ト)ふなり。訊問なり。口をもととし門を音とす。(形聲)然も問ふの言は口門より出で。聞くの言は耳門より入る。會意あるべし。轉義は禮記に小聘に問と曰ふと。轉義は曲禮に弓劔苞且を以て人に問ふ者。注に遺(オクル)なり。
モン          
           
796 95 啓󠄃 ケイ おしう ひらく       ヘへるなり。啓發なり。攴をもととし。启を音とすと。然も説文は誤る。今般古文を見るに先づ_の字あり。𢼄の原形なり。戸を開くなり。象形。然れば啓は口をもととし𢼄を音とす。(形聲會意)孟子に我が後人を佑啓すと本義なり。轉義は通俗文に官信を啓と曰ふ。又启。實は𢼄の代用なるものは。開くの義となす。詩經に大に爾の宇宙を啓く。又東に啓明あり。又以て先づ啓行す。書經に籥を啓き書を見ると。
           
           
797 95 啇󠄂 テイ           啻に同じ。下を見よ。
テキ          
           
798 95 タン くらう         食ふなり。口をもととし臽を音とす。(形聲)字亦に作る。詩經の箋に栗は人の啗食する所と。孟子に我に啗はしむ。又淮南子に荊呉の芬馨以て其口にす。注に貪求なりとは欿(ムサボル)の代用。亦に作る。
           
           
799 96 いやし けち       嗇なり。(出し澀ぶるなり。囗(圍)ととの(會意)は受け入れるる所なり。此処を圍周固守して出さぬなり。小啚の字。經傳は鄙を以て代用し。亦或は啚を鄙とす。
           
           
800 96 セツ なむ くらう       嘗むるなり。口をもととし叕を音とす。(形聲)一に曰く啄むなり。一本喙に作る。爾雅に啜は茹(クラフ)なり。通俗文に食物を細かにするを𠽶といふ𠽶は俗字。禮記に菽を啜ひ水を飲む。
           
           
801 96 アク わらう おし       笑ふなり。口をもととし亞を音とす。(形聲)易に笑言啞々と。重言して義をなすなり。アッハハアなり。又史記に炭を呑んで啞となる瘖の代用。廣雅に瘂は瘖なり。啞瘖相渉り。俗に瘂に作る。
         
           
802 96 タン かむ くらう       噍啖(カム)なり。口をもととし炎を音とす。(形聲)エン。タン一音の轉なり。一に曰く噉(クラ)ふなり。又廣雅に啖は食ふなり。此等は啗の代用なりと。廣韻は噉啖を同字とす。然も噉はなり。啗と通用。
           
           
803 96 つばき         口液なり。口又は水をもととし垂を音とす。(形聲)スイ。タ轉音なり。禮記に食を讓つて唾せず。左傳に顧みずして唾す。字元_に作るべし。
           
           
804 96 ギヨウ うおうく         魚口の(水)上に見はるるなり。口をもととし禺を音とす。(形聲)淮南子に水濁れば則ち魚噞喁す。轉義は漢書に喁々然として皆爭ふて義に歸す。
           
           
805 96 テイ ただし ただ       語る時に啻(タダ)ならざるなり(此のみならす)口をもととし帝を音とす。(形聲)一に曰くィなり。ィは正なり理なり。審諦なり。啻諦は元同字なるべし。而してィなり本義となす。啻(タダ)ならざるを語詞となす。
テキ          
           
806 96 啼󠄂 テイ なく         啻に同じ。嗁の代用となす。
           
           
807 96 カン ときのこえ         咸の俗字。方言に喊聲なりと。衆皆聲を協合するなり。
           
           
808 96 ナン しやべる         の俗字。言部を見よ。
           
           
809 96 善󠄄 ゼン よし おさむ       吉なり。善言なり。君子の吉言なり。條理ある健全の言なり。誩(ケイ)を彊(ツヨキ)言とす。羊は吉祥の意。善には美の義もあるべし。(會意)轉義は書經に天道は善に福し淫に禍す。又凡そ善惡。善好。親善の義とす。又論語に善き賈(價)を求めて而して諸(コレ)を沽(ウ)らんと。皇疏に貴き賈(アタヒ)なり。又易略に邇(チカ)きを善(ヨク)して而して遠きを至るとは繕の代用。又廣雅に善は佳なりとの代用と。
           
           
810 97 ラツ           上の叭の字を見よ。
           
           
811 97 シユウ ちのみごのこえ こごえでうたう   小兒の聲なり。口をもととし秋を音とす。(形聲)荅賓戲に啾發投曲。耳に感するの聲。注に吟なり。楚辭に耳聊啾して而して黨慌。注に耳の鳴るなりと。
           
           
812 97 ガク いいあらそう         譁(カマビスシク)訟なり。(讙)屰(サカラフ)の(會意形聲)屰は音も兼ぬ。字亦諤に作る。漢書に咢々黃髪。注に直言なり。又豈に徒(タダ)に蹇諤のみならんや。注に引く史記の千人の諾々は一士の愕々に如かずと。愕はなり。代用なり。漢碑文に蹇鄂質直。鄂は代用なり。又字音を借るものは詩經に或は歌ひ或は咢ふ。毛傳に徒歌なりと。
           
           
813 97 たとう さとす       諭に同じ。言部を見よ。
           
           
814 97 カイ とりのなきあわせ こえととのう     鳥の鳴く聲なり。口をもととし皆を音とす。(形聲)詩經に其鳴く喈々なり。傳に和聲の遠く聞ゆるなり。又雞鳴喈々。又雝々喈々傳に鳳皇の鳴くなり。轉義は爾雅に諧は和なり。喈諧音義皆近く通用。亦或は元同字か。詩經に鼓鐘喈々。八鸞喈々。凡そ鳴聲の和をいふなり。
           
           
815 97 コウ のど         咽なり。口をもととし矦を音とす。(形聲)
           
           
816 97 チヨウ しやべる         呭の俗字。或は云く諜の俗字。漢書に喋。喋は利口とはの代用とす。
           
           
817 97 アク にわとりのこえ       雞聲なり。口をもととし屋を音とす。(形聲)喔々と曰ふて義をなすべきなり。
           
           
818 97 喑󠄂 イン こどものなきごえ       宋齊に小兒の泣て止まざるを謂ふて喑と曰ふ。口をもととし音を音とす。(形聲)又連言して義をなすものは史記に喑噁叱咤。聲類に喑唶は大叱なり。又説苑に言無き之を喑と曰ふと。瘄の代用なり。
アン          
           
819 97 セン いきせわし あえぐ       疾息なり。口をもととし耑を音とす。(形聲)タン。ゼン一轉音なり。素問の注に喘は肺藏(臟)の氣なり。荀子に喘して而して言ひ。臑して耑して動くと。又漢書に牛喘して舌を吐くと。義は人と物とを兼ぬ。
           
           
820 97 カン よぶ         呼ぶなり。(シフ)をもととし(クワン)を音とす。(形聲)㗊は驚き嘑(サケ)ぶなり。二(クワン)(讙)の會意。玉篇。廣韻に皆云く喚は𡅽に同じと。
           
           
821 98 よろこぶ たのしむ うれし     樂むなり。音樂を聞いて悦樂するなり。壴(ジユ)口の(會意)壴は樂器。口を開くは笑ふの意なり。詩經に中心に之を喜ふ。憙の代用か。晉語に妹喜(女の名)字亦嬉に作る僖の異文なり。或は以て娯(タハムル)の代用をなす。
           
           
822 98 アイ こえかる いかる       (水涸る)なり。段氏云く聲の歇なりと訓ずべし。口をもととし曷を音とす。(形聲)号哭して聲が涸するなり。轉義は素問に喘喝。注に大呵して聲を出すなり。廣雅に𠿒は怒るなりと。字亦𠿒に作る。
カツ          
           
823 98 リヨウ こえつきる ふえのこえ       古此字なし。集韻に喨同じ。玉篇に啼極つて聲無なきを嗟と謂ふと。六朝字なり。今樂聲を形容して嚠喨といふは字音を借るのみなり。
ロウ          
           
824 98 なげく ふといき       大息なり。口をもととし胃を音とす。(形聲)ヰ。キ一轉音なり。論語に顏淵喟然として歎じて曰く。漢書に喟然大息と。
           
           
825 98 ケン           咺に同じ。上を見よ。
           
           
826 98 コウ こどものなきごえ かねのこえ     小兒の聲なり。口をもととし皇を音とす。(形聲)詩經に其泣く喤々。ワンワンと鐘の音のごとき大きな泣き聲なり。又詩經に鐘鼓喤々とは鍠の代用。字亦に作る。
           
           
827 98 タン ほしのな おおいなり ひとえ     大なり。(クワン)_の合なり。は亦音とあるが。_の説明もなし。此説は誤る今般周古文に據るに_はの省き星なり。干を音とす。爾雅に大が卯に在るを單閼と曰ふと。或は是れか。大なりとは奲の代用。富みて奲々たるなり。奢をもととし。單を音とす。廣雅に奲は大なりと證すべし。奲單は音通を得るなり。又ヒトヘと訓ずるは襌の代用。襌は重ねざるなり。衣をもととし單を音とす。又盡すと訓ず殫の代用。殫は殛(コロス)盡なり。
           
           
828 98 喙󠄃 ガイ とがるくち くちばし       口なり。口をもととし𧰲を音とす。(形聲)シ。カイ古音轉通す。喙に作るは略體なり。通俗文に獸口を喙と曰ふ。又鳥口となす。戰國策に烏喙。注に烏頭なり。卽ち俗に鳥觜(クチバシ)と曰ふなり。
           
           
829 98 ソウ うしなう しぬ ほろぶ     亡なり。死といふに忍びす。喪といふ。見へぬなり。亡を哭するの(會意形聲)亡は音を兼ぬ。左傳に喪は親の終なり。轉義は易に東北に朋を喪ふ。詩經に禄を受けて喪ふ無れ。禮記に喪を夫子に聞くと。モ。サウ轉音。
           
           
830 98 喫󠄆 キツ くらう どもる       古此字なし。齧の俗字。齧は噬むなり。齒をもととしを音とす。(形聲)ケイ。キツ轉音なり。玉篇に喫は啖(クラフ)なりと。一義の轉のみ。又口喫(ドモル)とは吃の代用なり。
           
           
831 99 キヨウ たかくまがる たかし たかぶる あしをあげる 高くして而して曲るなり。夭と高の省きにて(會意)夭は曲の意とす。禹貢に其木は惟れ喬。木義なり。詩經に河喬嶽に及ぶ。字亦嶠に作る。轉義は禮記に傲僻喬志。又富んで斯れ喬る。此義は經傳驕を以て代用す。又漢書に嶠として高擧而して大に興る。注に步を擧ぐる貌とは蹻の代用なり。
           
           
832 99 ガン           諺の俗字。論語に由や喭とは駻の代用なりと。強剛なり。
           
           
833 99 テイ なく         号(サケブ)なり(泣号なり。)口をもととし虒を音とす。(形聲)チ。テイ轉音なり。又儀禮の注に啼は泣くなり。按ずるに啼は啻の異借りて嗁となす。嗁の本義は人を謂ふ。轉じて鳥獸を謂ふ。字亦に作る。
           
           
834 99 エキ のど         咽なり。咽喉なり。口をもととしuを音とす。(形聲)古文は(象形)_は筋又は血管に象るなるべし。
イツ          
           
835 99 シユウ かぐ         齅の俗字なり。鼻部を見よ。
           
           
836 99 シヨク おしむ         愛濇(オシミシブル)なり。來の(會意)來は獲收(トリイレ)(廩)に藏して容易には出さぬなり。古文は田に從ふ。田租の意か。轉義は易に吝嗇と。詩經に家嗇。箋に居家吝嗇なり。
           
           
837 99 テン さかんなるき いかる     盛なる氣なり。言をもととし眞を音とす。(形聲)廣雅に聲なり盛なり。嗔は同字なるべし。本義は恚怒の聲氣なり。故に盛なるの氣とす。
           
           
838 99 カン ふくむ ほおばる すくなし きらう たる 口に銜む所あるなり。口をもととし兼を音とす。(形聲)字亦噞に作る。字林に噞喁は魚の口より水の出づる貌なりと。轉義なりと。又荀子に滿れば則ち嗛を慮る。注に不足なりと。歉の代用なり。又晉語に嗛々の食。注に猶ほ小々のごとしとは䭑(ウユ)の代用。又荀子に啁然として嗛らず。注に足るなりとは猒(饜)の代用。又漢書に韓嫣を嗛ふとは嫌の代用。又𡿁都賦に威噞秋霜とは險の代用。又易謙。子夏本は嗛に作る嗛謙も亦通ず。但し噞は譣に同じ。嗛と通用のみ
ケン          
           
839 99 ソウ           噪の本字。下を見よ。
           
           
840 99 ああ         烏に同じ。俗字なり。火の部を見よ。
         
           
841 99 たしむ         嗜欲の之を喜ぶなり。口をもととし耆を音とす。(形聲)詩經に神飲食を嗜む。孟子に炙を嗜む。轉義は書經に酒を甘じ音を嗜む。禮記に學を嗜む。注に貪るなりと。
           
           
842 100 なげく ああ       嗟なり。(今字を以て古字を釋(ト)く)言をもととし差を音とす。(形聲)言口は通用なり。顧野王云く。憂歎の辭なり。又歎美するなり。又今本説文咨なりと訓ず。咨は嗞の代用。一に曰く痛惜なりと義皆通ず。
           
           
843 100 つぐ よつぎ つづく     諸矦が國を嗣ぐなり。冊口を合せ司を音とするも(會意形聲)國を承け嗣ぐの禮は廟中に於て史が其冊を讀む。故に冊口に從ふ。司は亦史の意なるべし。轉義は凡そ繼嗣の義となす。書の舜典の序に將に位を嗣が使(シメ)んとす。洪範に禹乃ち嗣で興る。左傳に其弟嗣で書す。注に續なり。
           
           
844 100 ゴウ さわぐ かまびすし       衆口の愁なり。口をもととし敖を音とす(形聲)詩經に哀鳴嗷々たり。
           
           
845 100 よし うつくし たのしむ     美なり。壴(ジユ)をもととし加を音とす(形聲)壴(ジユ)は樂器なり然(シカラ)ば嘉の本義は樂の美なり。轉義は爾雅に嘉は善なり。周禮に嘉(ヨキ)禮を以て萬民を親む。禮記に以て魂魄を嘉(タノシ)ましむ。注に樂むなりと。喜の字と義稍(ヤヤ)近し。
           
           
846 100 嗞󠄂 なげく         嗟なり。口をもととし茲を音とす。(形聲)秦策に曰く嗟呼(アア)乎(カ)司空と。乎は除字なり。又咨を借りて之と爲す。上の嗟の注を見よ
           
           
847 100 ソウ いぬをけしかける けしかける     犬を使ふの聲なり。口をもととし族を音とす。(形聲)左傳に公夫が獒を嗾すと。是れなり。
           
           
848 100 オウ はく         歐の俗字なり。欠部を見よ。
           
           
849 100 ソウ せき くちそそぐ       吮(ス)ふなり。欠をもととし束を音とす。(形聲)字亦嗽に作る。通俗文に含吸を嗽と曰ふ。周禮に冬時に嗽あり。上氣の疾なり。欬なりとは轉義なり。又釋名に嗽は促なり。口を用ゆる急促するなりと。水を含んグツグツするなりとは漱の代用。
スウ          
           
850 100 ガイ なげく         嘆くなり。口をもととし既を音とす。(形聲)慨は心に歎き。嘅は聲に發するなり。
           
           
851 100 タン なげきをこらえる おおいき     歎を呑むなり。口をもととし歎の省きを音とするも。歎は吟なり。嗟歎なり。歎嘆音義近し。(形聲會意)一に曰く大息なり。轉義なり。
           
           
852 100 キヨウ たかきこえ さけぶ       高聲なり。一に曰く大嘑なり。(シウ)をもととし。丩を音とす。公羊傳に魯の昭公然として哭す。顧野王云く叫噭に同じく又に同じと是なり。又上の叫を見よ。
           
           
853 101 𭊌 キヨ いきふく すすりなき       吹くなり。口をもととし虗を音とす。(形聲)聲類に氣を出すの急を吹くと曰ひ。緩なるを𭊌と曰ふと。又啼泣の貌を𭊌吸と曰ふ歔の代用。
           
           
854 101 サク よばわる ふかし せむ いさおし   大呼なり。口又は言をもととし責を音とす。(形聲)左傳に嘖として煩言あり。字亦賾に作る。易に以て天下の嘖を見る。又嘖を揬ると積の代用。小爾雅に賾は深なり。字亦に作る。漢碑に五業を意ふ。績の代用。又廣雅には讓なりと𧧒の代用。又曰く怒るなりと謫の代用。
         
           
855 101 コウ ほこる         誇語なり。口をもととし翏を音とす。(形聲)嘐謬音義近し。
           
           
856 101 よばう よぶ       號(ヨバハル)なり。口をもととし虖を音とす。(形聲)人には嘑と曰ひ。虎には哮虖と曰ふ。音義近し。周禮に夜は嘑し旦はす。號嘑するなり。
           
           
857 101 ケイ あいらしきこえ ちいさし     小聲なり。口をもととし彗慧を音とす。(形聲)詩經に鳴蜩嘒々。又鸞聲嘒々。傳に節に中る。又嘒たる彼の小星。傳に微なる貌と。轉義なり。
           
           
858 101 おおむかし おおいなり なんぞ     大遠なり。古をもととし叚を音とす。(形聲)爾雅に嘏は大なり。經傳は遐()を以て代用とす。詩經に爾に遐福を降す。是れなり。永久の福なり。又語詞となす。詩經に嘏(ナン)ぞ人を作さざると。
           
           
859 101 シヨウ なむ こころむ かつて     口に之を味ふなり。旨(ウマシ)をもととし尚を音とす(形聲)禮記に臣先づ之を嘗む。轉義は小爾雅に嘗は試(ココロム)なり。史記に余嘗(カツ)て西空峒に至る。正義に曾(スナハチ)なり。又嘗間(ココロミ)にと云ふ同じ。
           
           
860 101 コウ ほえる         咆(ホヘル)なり。口又は犬をもととし皋を音とす。(形聲)には熊虎の聲なり。左傳に狐貍の居る所。豺狼のえる所と。
           
           
861 101 トウ しやれ あざける       謿に作る。並に啁の俗字なり。今言部に辨ず。啁嘐は綢繆の如し言語の纒緜なり。聲類に謿話は訛言なり。戲謔なり。楊雄に解嘲あり。
チヨウ          
           
862 101 かなしきこえ いななく     悲む聲なり。言をもととし斯を音とす。(形聲)今は多く馬鳴の義として行はる。轉義のみ。
           
           
863 101 くちばし         觜の俗字なり。角部を見よ。
           
           
864 102 嘬󠄂 サイ くらう         古此字なし。疑らくは齧の俗字。孟子に蠅虻蛄之を嘬󠄂ふ。注に共に之を食む。卽ち齧噬の義。禮記に炙を嘬󠄂する毋れ。注に一擧して_を盡すなり。
シユ          
           
865 102 ソン あつまり かたる うわさ     聚り語るなり。口をもととし尊を音とす。(形聲)詩經に噂沓背憎。傳に猶ほ噂々のごとしと。寄り合ふて陰(カゲ)口をするなり。字亦に作る。
           
           
866 102           啞に同じ。上を見よ。
           
           
867 102 シヨウ かむ くらう       齧むなり。口をもととし焦又は爵を音とす。(形聲)蒼頡篇に噍は咀嚼なり。字林に嚼は咀齰なり。禮記に數ば噍んで口の容を爲す(モグモグ)毋れと。
           
           
868 102 ああ         哀痛なり。言をもととし喜を音とす。(形聲)但し悲喜通用なり。詩經に噫嘻(アア)成王。傳に噫は歎なり嘻は和なり。本義なるべし。字は嘻に作る。又禮記に。夫子曰く嘻其甚し。注に嘻は悲恨の聲なり。轉義なるべし。又易に婦子嘻々終に吝と。玉篇に嘻々とは和樂の聲なり。或は喜の代用。嘻は古文か。
           
           
869 102 嘾󠄁 タン ふくむ むせぶ       含む深きなり。口をもととし覃を音とす(形聲)
           
           
870 102 エツ めしつかえる むせぶ     飯の窒(フサ)がるなり。口をもととし壹を音とす。(形聲)通俗文に喉を塞ぐを噎と曰ふ。詩經に中心噎ぶ如し。傳に憂て息する能はざるなりと。
           
           
871 102 嘼󠄂 キユウ やしなうけもの たくわう     獸牲なり。耳頭と足にて地を𠘯(蹂)するの形に象る。(象形)古文の嘼の下は𠘯に從ふ。然れば説文に_を脱す。嘼は獸畜。六畜の畜の本字なり。
           
           
872 102 ソウ さわぐ         鳥の羣り鳴くなり。品の木上に在るの(假借會意)品は借りて集鳥の口卽ち聲となす。俗に又口を加へて噪に作る。口が重複す。又言部に譟は擾(ミダル)るなり。言をもととし喿を音とす。人に譟と曰ひ鳥に喿と曰ふ音義近し。
           
           
873 102 キン つぐむ くちをとず       口閉なり。口をもととし禁を音とするも(形聲會意)禁は止むるなり。楚辭に口噤閉して而して言はずと。
           
           
874 102 カン           朱駿聲云く噞は嗛に同じと。然も噞は譣の俗體にて嗛と通ずべし。但し噞喁は連言にて義は音に存すべし。
ケン          
           
875 102 カン くらう         に同じ。クラフの義は啗の代用なるべし。
           
           
876 103 エツ しやくり         氣の(ゴ)(サカラフ)なり。(迕逆なり)口をもととしを音とす。(形聲)禮記に噦。噫。嚔。咳。素問の注に胃の氣の生ずる所なりと。
カイ          
           
877 103 噫󠄂 おくび ああ げつぷ     食に飽くの息なり。口をもととし意を音とす。(形聲)又音を借りて發聲の辭となするのは論語に噫(アア)天予を喪せり。包注に痛傷の聲なり。又連語は史記に噫嘻亦甚し。索隱に平かならざる聲なり。素問に譩に作る。
           
           
878 103 ゼイ かむ くらう       啗(クラフ)なり。喙(アサククハエル)なり。口をもととし筮を音とす。(形聲)此筮古文に_に作る。隷に省てに作る。易に噬は食ふなり。
           
           
879 103 噴󠄃 フン しかる ふきだす       吒(シカル)なり。口をもととし。賁を音とす。(形聲)一に曰く鼻を鼓す。廣雅に噴は嚔(クサメ)なりとは(イキフク)の代用。噴沫といふも同し。又漢碑文に噴を發し事を授くとは憤の代用なり。
           
           
880 103 うつわ はたらき       皿(食器)なり。口に象(カタド)る犬は之を守るの(會意)とあるが誤りなるべし。犬が食器を守るはずなし。此古文に依れば皿をもととしは衆人の口で。犬は食肉なり。古の人は犬肉を常食とす。(猒(エン)を饜の本字とし甘犬肉の會意證すべし)説文に盛る所あるを器といふ。故に皿犬で會意す。古文も亦多くは省て器に作る。轉義は易に形ある乃ち之を器と謂ふ。周禮に其貢は器物。注に尊彝の屬。左傳に。器と名とは以て人に假すべからず。注に車服。周語に其器を利にす。注に兵甲。法言に自ら治めて而して後に人を治む大器なり。
           
           
881 103 トン           今出の字なり。字音を借るのみ。頓の俗字なり。
           
           
882 103   はなし         亦邦字なるべし新話の義か。
           
           
883 103 キヨウ さけぶ よばう こえすむ     吼なり。(なり)段氏は漢書の注に依り口なりに改む。口をもととし敫を音とす。(形聲)一に曰く噭呼なり。禮記に噭應する毋れと是れなり。又廣雅に噭は鳴なりとの代用。又連言して義をなす。楚辭に聲噭咷して清和。注に清暢の貌なりと。
           
           
884 103 噱󠄂 キヨ おおわらい         大笑なり。口をもととし豦を音とす(形聲)漢書に談笑大噱。注に噱々は笑聲なり。
           
           
885 103 ガク はなさく         説文此字を脱す。周禮に噩夢。杜子春云く驚愕の愕。集韻に噩の籀文は𡅡に作る。按ずるに花萼の字の古文なり。愕と通ず。愕はなり。周器文はの代用。
           
           
886 104 カク おどす         赫の俗字なり。詩經に反て予來り赫す。箋に口(言)で人を拒むを之を赫と謂ふ。釋文に亦嚇に作ると。此に出づべし。
           
           
887 104 ネイ           叮嚀は古は丁寧に作る
           
           
888 104 嚆󠄂 コウ いきあがる かぶらや       歊々として(口)氣の上り出るの貌なり。欠と高の(會意形聲)高は音を兼ぬ。欠口は同意。高蒿は同音。又嚆矢とは骹の代用。骹は脛骨なり。以て骨鏃と爲す。莊子に嚆矢。注に矢の鳴る者と。字亦骲に作る埤蒼に見ゆ。又髐に作る淮南の注に見ゆ。又𩨟胶に作る。集韻に見ゆ又に作る。玉篇に見ゆ。此等は嚆矢の字として用ふるは可なり。
           
           
889 104 ギヨク こどものちえつく       小兒の知あるなり。口をもととし疑を音とす。(形聲)ギ。ギヨク轉音なり。詩經に克く岐克く。毛詩は嶷を借りて之と爲す。
           
           
890 104 シヨウ うそぶく くちぶえ       吹く聲なり。口又は欠をもととし肅を音とす。(形聲)シク。セウ古音は轉通す。詩經に其嘯くや歌ふ。箋に口を蹙して聲を出すなり。説文又欠部に出づ重複なり。
           
           
891 104 テイ くさめ くしやみ       悟解(トケル)の氣なり。口をもととし𤴡を音とす。(形聲)或はいふ。悟は𠵦の代用。一旦𠵦逆して後に解けると。蒼頡篇に嚔は鼻より噴するなりと。禮記に噦。噫。嚔。咳。詩經に願くは言に則ち𤴡(ハナビ)ると。𤴡を借りて之を爲す。
           
           
892 104 イン のど         咽の俗字。上を見よ。
           
           
893 104 嚮󠄅 キヨウ むかう         向に同し。向ク通用字。誤つて合形をなすもの。
           
           
894 104 ヒン ひそむ         顰の俗字なり。頁部を見よ。
           
           
895 104 𡂒 かざりなきことば       野人の言なり。口をもととし質を音とす。(形聲會意)論語に質文に勝つ。質は代用なりと。
           
           
896 104 嚨󠄂 ロウ のど         喉なり。口をもととし龍を音とす。(形聲)轉義は爾雅に亢は鳥嚨なり。注に鳥の頸なりと。
           
           
897 104 シヨウ かむ         噍に同じ。上に見ふ
           
           
898 104 テン さえずる         古此字なし。玉篇に囀は鳥の鳴くなりと。六朝字なり。然も聲の轉々たるをいふべし。漢瓦文に嬰轉祚舎の文あり。此を正字となすべし。
           
           
899 105 エイ とりのなきごえ うぐいす みざくら   鳥鳴くなり。口をもととし嬰を音とす。(形聲)段氏云く詩に鳥の鳴く嚶々。幽谷より出つと。本の何の鳥と言はず。昔人は嚶々は離黄(ウグヒス)の聲に似て。谷を出て喬木に遷るの。亦離黄の蟄土より出て樹に登るに似たるに因て。嚶を改めて鸎に作り。倉庚の名と爲す。古は鸎の字無きなり。唯だ高誘の呂覽の注に含桃は鸎桃。鸎鳥の含む所なりと。鸎の字初て見ゆ。果名は高誘に依て鸎桃に作るを是と爲す。元明以後の淺人乃ち謂へらく。古に鸎の字無しと。盡く改めて鶯に作り。昔人嚶に因て鸎を制せしの理暗し。玉篇に鶯は鳥に文あり。鸎は黄鳥なりと。分別亦是なりと。此説は是なり。按ずるに南都賦に櫻梅山𣐈。注に櫻は含桃なりと。卽ち知る櫻の字も亦嚶より出でたるは明かなり。漢書に櫻桃蒲陶と注に朱櫻なりと。然らは今の實櫻を櫻桃とし。又一轉して花櫻の名とす至當なり。
           
           
900 105 ゲン きびし いかめし       ヘ命の急なり(緊急の示令)(クワン)(讙の古字)をもととし激勵の言の意とす𠪚を音とす。𠪚は岑(ミネ)なり峻險の意あり。(形聲會意)轉義は禮記に嚴威嚴恪。疏に嚴正なり。大學に其れ嚴なる乎。注に畏敬すべきを言ふ。又尊嚴といふ。儼の代用。莊の貌なり。
ゴン          
           
901 105 ソウ はやし         後世字。廣韻に見ふ。蓋し六朝に出づ。玉篇に舞を助ける聲と。
           
           
902 105 ゴウ かまびすし あらそうこえ       聲なり。氣が頭上に出づと(シフ)頁(クビ)の(會意形聲)頁は音を兼ぬ。今俗に論爭の甚しき人を指して。頭から煙を立てているといふは。此の義と似たり。周禮に其鬥する者を禁ずと。又詩經に讒口々。傳に衆多の貌なり。
           
           
903 105 囈󠄂 ゲイ うわごと ねごと       雷浚云く玉篇に囈は睡るの語なり。廣韻に囈は寱に同じと。説文に寱は暝(眠)言なり。((ユメ))の省きをもととし臬(ゲイ)を音とす。囈の正字と爲す。又心部に言にて不慧なりと。音義皆近しと。
           
           
904 105 サン           贊の俗字なり。貝部を見よ。
           
           
905 105 ノウ ふくろ         橐(タウ)(フクロ)なり。(コン)(フクロ)の省きをもととし。襄の省きを音とす。(形聲)易に囊を括(クク)る。疏に物を貯ふる所以なり。詩經に橐に囊に。傳に小に橐と曰ひ。大に囊と曰ふ。又漢書の注に底有るに囊と曰ひ。底無きに橐と曰ふと。管子の注に囊なる者は斂藏する所以なり。
           
           
906 106 ゾク たのむ         古此字なし。屬の俗字のみ。廣韻に囑は託なり。玉篇に付囑なりと。正に屬の字の轉義なり。但し六朝以後に出づ。囑に作る行書に依る。
シヨク          
           
907 106 𡅽 カン よぶ         喚の本字。上を見よ。
           
           
908 106 ケツ           齧の俗字なり。齒部を見よ。
キツ          
           
909 106 よつ         陰の數なり。偶數にて。二と六との間にあり。字形は囗(ホウ)(方圓の方の本字)をもととし。四方の意となす。八を以て之を別つ(會意)冣古文は二と二の會意なり。易に天三地四。又曰く兩儀は四象を生ず。
           
           
910 106 シユウ とらわる とらう       繋(ツナグ)なり。拘留するなり。人の囗(ヰ)(圍の古字。囗(ホウ)と別なり)の中に在るの(會意)人は罪人なり。囗は牢舎なり。象形の假借。詩經に泮に在つて囚を獻ず。
           
           
911 106 イン           因の俗字。下を見よ。
           
           
912 106 カイ めぐる かえる よこしま     回轉なり。囗(ヰ)をもととし。中は回轉の形に象る。(象形)古文に依れば全部が轉回の象形なり。囗(ヰ)には從ふものに非ず。轉義は詩經に昭かに天に回る。傳に轉なり。字亦俗に迴廻徊佪に作る。太玄に天日迴行。注に運なり。又詩經に厥(ソノ)コ回(タガ)はず。違の代用。又禮記に禮は回を釋く。注に邪辟(ヨコシマ)なりと。𩎮(ヨコシマ)の代用。又連言は後漢書の注に𧜏回は縈繞の貌と。
           
           
913 106 𡆧 ソウ まど         窗の古文。象形。穴部を見よ。
           
           
914 106 イン たよる よる       就(ツ)くなり。因就なり。囗(ヰ)大の(會意)囗は家と同意。大は完全なる人なり。囗の中に大(ヒト)がゐる。此れ則ち依頼する者なり。親むなり。或は謂ふ大夫の二字古通用す。夫の以て依る所を因といふ。故に姻は女の因る所。因と近し。論語に因る其親を失はず。孟子に高きを爲す必ず丘陵に因り。下きを爲す必ず川澤に因ると。呂覽に智に因て而して之を明かにす。注に依なり。後漢書の注に因縁とは依附して以て輕重を生ずるを謂ふなり。
           
           
915 106 ノウ           腦の本字なり。肉部を見よ。
           
           
916 106 カク おとり だます       譯なり。囗(ヰ)をもととし化を音とす。(形聲)鳥を率(アミ)する者は生鳥を繫けて以て之を來す。譯は鳥語を傳ふ。
           
           
917 107 ケイ まどあかり あきらか       窗牖の麗廔として闦(開と同じ)明なるなり。(象形)段氏云く麗廔とは離婁といふ如し。交𤕟(ソ)(マバラ)の玲瓏なるを謂ふなりと。
           
           
918 107 コン ふるすまい きわまる くるしむ     古廬なり。木の囗の中にある(會意)古から住せる邸宅なれば樹木が繁茂し過ぎて住む人は困(コマ)る。轉義は論語に四海困窮。及び困苦。困勉。となす。又酒の困を爲さず。注に亂なり。廣雅に悴なり。
           
           
919 107 ソウ まどあかり         窗に同じ。穴部を見よ。
           
           
920 107 エン           圓の俗字にて刓の代用をなす。
ガン          
           
921 107 コク くに         國に同じ。漢魏印文に見ふ。
           
           
922 107 レイ ひとや         獄なり。囗をもととし令を音とす。(形聲)釋名に囹は領なり。囚徒を領録して之を禁禦するなり。夏に均臺と曰ひ。殷に羑里と曰ひ。周に圜土と曰ひ。秦に囹圄と曰ふと。然らば字は先秦に出づるか。
           
           
923 107 コク くに         國の俗字。漢の玉剛卯に見ふ。
           
           
924 107 ジツ         日に同じ。唐に出づ
           
           
925 107 かため かたし まもる     四方の要塞なり。囗(ホウ)をもととし古を音とす。(形聲)守備牢固にして攻め難きなり。轉義は詩經に亦孔だ之れ固し。傳に堅なり。又小爾雅に固は久なり。周語に固(モト)より之れ有る乎(カ)。注に猶ほ嘗のごとし。秦策に王固より能はず。注に云く必なりと。此等は皆故の代用。又大戴禮に。知ら弗(ズ)して問はざるは固なり。廣雅に固は陋なりとは錮の代用なり。今堅固。頑固といふも此に同じ。
           
           
926 107   くに         國に同じ。玉篇に見ふ。
           
           
927 107 ユウ ひろにわ こうえん       苑に垣有るなり。囗をもととし有を音とす。(形聲)籀文は象形。一に曰く禽獸有るを囿と曰ふ。詩經に王靈囿に在り。傳に鳥獸を域養す所以と。周語に囿に林池ありと。
           
           
928 107 はたけ         菜を種(ウエ)るを圃と曰ふ。囗(ホウ)をもととし甫を音とす。(形聲)論語の疏に圃の言(イヒ)は布(シク)なり。布は尃(シク)の代用字。知る甫は尃の省きなり。蔬菜の尃陳する所なり。亦會意を兼ぬべし。蒼頡解詁に樹を種るを園と爲し。菜を種るを圃と爲す。周禮の注に果蓏を樹ふるを圃と曰ふと。
           
           
929 107 圂󠄂 コン ぶたこや かわや かうけもの     豕の廁なり。豕の囗中に在るに象る。(象形)轉義は人にも廁を圂といふ。廣雅に見ふ。又禮記に圂腴を食ふとは豢の代用なり。
           
           
930 108 コク くに さかい       邦なり。古は或國同字なり。冣初の古文は。囗(ホウ)は邦の四方の意にて弋は標識國境に立つの意。太古平和の狀。察知すべし。亦_に作る。_も亦境界の意とす。後世に至り侵略の事起る。是に於てか干戈を以て國境を守る。字亦變じて或(コク)に作り。戈に從つて(會意)後人借りて有(アルヒハ)の字となし。一字に二義あることとなり。クニの本義と混ずるゆゑに。クニの方へは匚囗を加へて分別す。然も國に作ると囗が重複になる。正形にあらず。又字を域に作る。土は境内の意とす。周禮太宰に王を佐け邦國を治む。注に大に邦と曰ひ。小に國と曰ふ。小に國と曰ふ。邦の居る所も亦國と曰ふと大國は轉義なり。孟子に國に在つて市井の臣と曰ふ。注に都邑を謂ふなり。周禮に三コを以て國子にヘふ。注に公卿大夫の子弟なり。
           
           
931 108 ギヨ ひとや まもる       囹圉は罪人を拘する所以なり。囗をもととし吾を音とす(形聲)一本は囗(シフ)(罪人)の(會意)になつている。圉は古文ならん。轉義は周禮の圉師の注に馬を養ふを圉と曰ふと又太玄に之を圉(フセ)ぐ莫し。とは御の代用なり。
           
           
932 108 圈󠄁 ケン けもののおり まげもの   畜を養ふの閑(カコヒ)なり。囗をもととし卷を音とす。(形聲)蒼頡篇に曰く圏は檻の類なり。轉義は淮南子に天下之れが圏を爲す。注に陬なり。又禮記に杯圏。注に木を屈して爲りし所にて。卮匜の屬なり。此義には字亦棬に作る。孟子に𣏌柳を以て杯棬を作ると。又文章の圏の如きを謂ふなりと。字亦𥁠に作る。方言に見ふ。
           
           
933 108 圍󠄄 まもる かこむ       守るなり。囗(ヰ)をもととし韋を音とす。(形聲)圍繞して守るをいふ。實は轉義なり圍は古は__に作る。唯だ象形。而して囗(方)〇(圓)と別なり。小篆に至り三字の分別を失す。易に天地の化を範圍す。注に周なり本義。公羊傳に圍んで戰を言はず。注に兵を以て城を守るを圍と曰ふと。又左傳の注に弈は囲棋。疏に執る所の子は子を圍み。而して相殺す。故に之を圍と謂ふと。
           
           
934 108 カン した はこ       𦥖函の本字なり。凵部を見よ。
           
           
935 108 エン その はた       果を樹うる所なり。囗(ホウ)をもととし袁を音とす。(形聲)周禮に園圃は艸木を育す。又場圃を以て園池に任す。注に圃に樊(カキ)するを園といふと。果は菜よりも重し。故に樊籬を圍らして盜に備ふるなるべし。又風俗通に園は援なり。爰(ヒク)引なり樊を引き圍らすなり。
オン          
           
936 108 エン まろし わがた       圜の全なりと。圓は輪(ワ)形。圜は球(マリ)形。囗(ヰ)をもととし員を音とす(形聲)古は囗〇を方圓の字となす。(象形)後に員の字あり。員數なり。貝をもととし〇を音とす。而して後に〇を變じて圓に作る。易の注に圓なる者は運つて而して窮まらず。墨子に吾規(ブンマハシ)に中る者之を圓と謂ふ。皆〇の義なり。
           
           
937 109 𡈋 コン みち         宮中の道なり。囗をもととし宮垣道上の形に象ると。_を謂ふなり。(コン)の省きを音とす。(象形會意)
           
           
938 109 はかる えがく かたち     畫計の難なり。囗(ホウ)と啚の(會意)啚は嗇なり。澀難の意とす。按ずるに囗は國境なり。國家を經營するは極めて困難の事業なり。此を圖の本義とす。轉義は測度(タク)となし。圖畫となす。詩經に是を究め是を圖る。儀禮に君卿と事を圖る。論語に圖らざりき樂を爲すの斯(コレ)に至らんとは。又廣雅に畫なり。太玄の注に圖とは象なり。周禮に閭里を聽くに版圖を以てす。注に地圖なり。
         
           
939 109 ダン まろし まろばる       圓なり。囗(ヱン)(〇)をもととし專を音とす。(形聲)セン。ダン轉音なり。轉義は團圓なる者は轉丸す。故に詩經に露團々(マロバル)なり。垂滴なり。字亦に作る。俗に𩅂に作る。
           
           
940 109 カン まんまろ まるし       天體なり。囗をもととし睘を音とす。(形聲)此囗は〇なり。朱駿聲云く渾圓を圜と爲し。平圓を圓と爲す。易に乾を圜と爲す。禮記に其器は圜と。圓の下を見よ。
           
           
941 109 つち         地の萬物を吐き生するなり。二は地の上と中に象る。h(シン)は物の出づる形。(會意)然も古文に依れば下の一は地に象り。_は艸木の出芽。借りて萬物の意とす。土は地の效用なり。易に百穀艸木に麗く。周禮に十有二土の名物を辨す。又司徒を官名とす。徒は土の代用。周器の銘は多く司土に作る。又周禮の土圭。土は度の代用なり。
         
           
942 109 𡈼 テイ ただしくたつ おおし       善なり。物の地を出て挺生するに象る。實は人が地上に直立するの(會意)正善の義なり。
           
           
943 109 ザイ あり みゆ       存在なり。見(現の本字)存なり。今此所に有るなり。土(地上)をもととし才を音とす。(形聲)易に見龍田に在り。書經に位に在り。蓋し才は艸木の始めて見はるるもの。亦會意あるべし。
           
           
944 109 つち         天地の地なり。萬物の陳列する所なり。土をもととし也を音とす。(形聲)也は它と同字なり。シ。イ。ヤ。タ轉音なり。亦坨に作るべし。釋名に地は底なり。萬物を載す。大戴に天圓に地は方と。
           
           
945 110 ケイ しやく         瑞玉(班の字を見よ。)なり。上は圜下は方。_。公は桓圭を執り。矦は信圭。伯は躳圭。子は穀璧。◎男は蒲璧。以て諸矦に封土を賜ふの證なり。故に重土にて字を造るといふも。圭は古別字にて(厚土)の義とし垚の字の類なるべし。今逸す。而して信瑞の義は瑞と同く珪を本字とす。玉をもととす。圭は音なり。又周禮に土圭(日時計なり)又漢書に圭撮。注に六十四黍と。指先き下附け程の小量なり。
           
           
946 110 ハン さか         阪の俗字なり。大篆は字形を美にせんが爲に。𨸏部の字を_に作り。阪を𡋴に。坊をに。隊を墜に作る。此例多し。而して俗字の𨸏を省き土を存したるものが坂となり坊となりしなり。
           
           
947 110 すわる すわりどころ       止まるなり。二人が相對して土(地)上に坐するなり。(象形)篆文は留の省きで亦會意なり。丣に作るは非なり。留を見よ。古は地に席して坐す。膝が席に著(ツ)いて而して臀を下すを坐といひ。其體を聳(ソビヤ)かすを跪といふ轉義は罪に坐す。又自然の詞。坐(ソゾロ)となす。張華の詩に蘭膏坐に自ら凝ると。
           
           
948 110 ボウ まち へや       防の俗字。坂の下を見よ。而して坊街(マチ)又は坊室。僧坊は房の代用なり。
           
           
949 110 キン くぼみ あな けつまずき     陷なり。土をもととし欠を音とす。(形聲)易に坎は水なり下なり。字亦に作る。莊子に井の鼃と。又連言して義をなす。漢書に坎坷。注に平かならず。後漢書に軻に作り。孟子に輡軻に作る。
           
           
950 110 キン ひとし ととのう       平かに徧し平均なり。土をもととし。奄音とす。(形聲)周禮乃ち土地を均ふす。夏小正に田を均す。字亦畇に作る。詩經に畇々たる原隰。傳に墾辟の貌。轉義は詩經の國の均。傳に平なり。六轡既に均(トトナ)ふ。傳に調なりの類となす。
           
           
951 110 コウ たかし あな       阬の俗字。坂坊と同例。其本義は衡門の_の上の横木なり。礦口の井と相似たり。故に阬穴の義となす。又陷なりとす。
           
           
952 110 テン たな         屏なり(屏は併に同じ併列なり。物を陳列すべきの所)土をもととし占を音とす。(形聲)朱駿聲云く坫に五あり。儀禮に執つて以て西坫の南に待つ。注に堂角(隅の義)に在り。轉義は内則に士は坫一に于(オイ)てす。此れ以て食を庋(サソ)ふる者。室の東北隅に在つて庖廚に近し。大夫以上は閣有り。又明堂位に坫を高ふし圭を康んず。此れ圭を奠く者。天子諸侯の朝饗を受くるに之れ有り。又明堂位に反坫尊を出す。此れ爵を反へす者なり。此れ天子が諸侯を饗し。或は諸侯の相饗燕するに乃ち之を用ふ。按するに坫は凡そ土をねて之を爲る。字亦㼭に作る。通俗文に㼭は支(ササヘル)なり。別義は崔豹の古今注に店は置くなり。貨鬻の物を置く所以なりと。字亦店に作る。按するに又轉じて凡そ物を段するの質となし。字亦砧碪に作る。集韻に砧は衣を擣つの石なり。庾信の詩に秋砧急節を調す。
           
           
953 111 リク つちくれあつまる       土塊の坴々たるなり。土をもととし𡴆を音とす。(形聲會意)𡴆は土上に叢生するの菌蕈なり。其状は自ら似たり。
           
           
954 111 ケイ とおきむら はるか       邑外之を郊と謂ひ。郊外之を野と謂ひ。野外之を林と謂ひ林外之を_と謂ふ。遠介に象るなり。(象形)古文の_は囗に從ふ。國邑に象る。冋或は土に從ふと。今坰行はれて冋_皆廢す。詩經に坰の野に在り。
           
           
955 111 坪󠄃 ヘイ たいらか つぼ       地の平なり。土をもととし平を音とす。(形聲)均と義近し。今土地の小區の名となす。未詳なり。
           
           
956 111 つつみ         阪なり(ツツミは阪の一義)土をもととし皮を音とす。(形聲)又陂を阪と訓ず。阜をもととし皮を音とす同字のみ。段氏云く坡は其陂陀を謂ふと。
           
           
957 111 コン つち         地なり。易の卦なり。土申の(會意)申は伸なり陳なり。萬物の陳列する所。坤は地のコなり。易の文言に坤は地道なり。妻道なり。臣道なり。廣雅に巛は柔なり。川を以て代用す。
           
           
958 111 タン たいらか やすし       安きなり。土をもととし旦を音とす。(形聲)易に道坦々たり論語に坦かにして蕩々たり。轉義は西京賦に斯の宇の既に坦なる。注に大なり。
           
           
959 111 タク つちさける ひび さける     裂なり。土をもととし斥を音とす。(形聲)蓋し家屋に斥と曰ひ土地に坼と曰ふ。淮南子に天旱し地坼くと。轉義は易に百果艸木皆甲坼すと。
セキ          
           
960 111 ます くわえる つける     uすなり。土をもととし付を音とす。(形聲)呂覽に墻垣に坿すと。經傳は附を以て之となす。横にuすを附と曰ひ。上にuすを附婁と曰ふと。
           
           
961 112 こじま つちもり       小渚なり。土をもととし氐を音とす。或は水をもととし夊耆を音とす。皆(形聲)チ。シ。キ轉音なり。詩經に水中の坻に在り。景福殿賦に坻鄂。注に殿の基なりと轉義なり。
           
           
962 112 バツ おこしたつち         坺土なり。一臿(スキ)の土之を坺と謂ふと。土をもととし犮を音とす。(形聲)字は亦墢に作る。又詩經に武王坺を載すとは旆の代用。一に曰く塵なりとはの代用。は塵なり。フン。ハツ轉音なり。
           
           
963 112 スイ はて たる       遠邊なり。土をもととし𠂹を音とす。(形聲)遠方の國の邊垠(ハテ)なり。經傳は多く𠂹の代用となす。𠂹は艸木の華葉の𠂹(タル)るなり。轉義は垂拱。垂髪。莊子に垂天の雲。荀子に事を垂れ民を養ふの類なり。
           
           
964 112 ケイ いがた のり       鑄器の法なり。イガタなり。刑と土の(會意形聲)刑は音を兼ぬ。刑は法なり。狂ひ無きなり。水に準。又灋と曰ひ。竹に笵と曰ひ。木に模と曰ふと。但し經傳は刑を以て型の代用をなす。
           
           
965 112 ガイ さかい かねる       八極を兼該するなり。土をもととし亥を音とす。(形聲)周語に天子は九垓の田に居る。字亦畡に作る。又風俗通に千は萬を生じ。萬は億を生じ。億は兆を生じ。兆は經を生じ。經は垓を生ずと。
           
           
966 112 コウ けがる あか はじ     濁なり。土をもととし后を音とす。(形聲)莊子に塵垢の外と。轉義は人體の垢となす。又左傳に國君垢を含むとは詬の代用。詬は訽にも作る。恥なりと訓ず。
           
           
967 112 テツ ありのつか         螘(オホアリ)の封(モリツチ)なり。土をもととし至を音とす。(形聲)シ。テツ古音轉通す。周禮の注に土を聚むるを封と曰ふ。詩經に雚は垤に鳴く。毛傳に螘の冢なり。
           
           
968 112 エン かき         牆なり。土を重ねて作る。土をもととし亘(クワン)を音とす。(形聲)クワン。エン轉音。但し亘は回ぐるの意あり。或はメグラスの會意もあるべし。段氏云く。垣は其犬なる自(ヨ)り之を言ひ。牆は其高き自(ヨ)り之を言ふと。籀文は𩫖(廓)に從ふ。蓋し城廓の牆垣とす。
           
           
969 112 チヨウ まつりどころ はかば       畔なり。四時の界を爲り。其中に祭る。土をもととし兆を音とす。(形聲)周禮に五帝を四郊に垗す。轉義は廣雅に垗は葬地なり。
           
           
970 112 ギン くがのはずれ はて     地の垠なり。(鍔の如く邊端限界の意)土をもととし。艮斤を音とす。(形聲)一に曰く岸なり。楚辭に山峻高にして以て垠無し。注に岸涯なりと。
           
           
971 113 アイ ちりほこり ごみ       塵なり。土をもととし矣を音とす。(形聲)イ。アイ一轉音なり。蒼頡篇に埃は風の塵を揚ぐるを謂ふと。莊子に野馬なり塵埃なり。生物の以て相吹くなりと。
           
           
972 113 ラツ ひくきかき しきり       卑き垣なり。土をもととし寽を音とす。(形聲)埒は人の爲(ツク)る者にして自然の地形に非ずと。字亦に作る。又列(ツラ)ぬと訓ずるは列(レツ)の代用なり。
           
           
973 113 マイ うずめる ふさぐ       埋は薶を本字とす。薶は瘞(ウツム)なり。土上に艸ありと。艸をもととし貍を音とす。(形聲)周禮の貍沈は貍を以て代用す。爾雅に薶は塞ぐなり。周禮に相與に薶葬すと。
           
           
974 113 ジヨウ しろ         以て民を盛るなり。土成の(會意形聲)成は音を兼ぬ。籀文は𩫖(廓)をもととす。左傳に聖王先づ民を成し。而して後に力を神に致すと。公羊傳に百雉にして而して城すと。
           
           
975 113             皆野の古文なり。里の部を見よ。
           
           
976 113 壄󠄂             上に同じ。
           
           
977 113 さき         に同し。阜部を見よ。
           
           
978 113 ソウ はらう         掃の本字なり。今手部に辨ず。
           
           
979 113           阜の俗字なり。通雅に埠は水瀕なり。貨物を籠にし商泊(舶)に積販するの處なりと。後世の轉出義なるも亦阜丘の義より出づるなるべし。
           
           
980 113 イキ さかい くぎり       説文に國と同字。區域とは國の字の轉義なり國を見よ。周禮に天下土地の圖を以て周(アマネ)く九州の地域と廣輪の數を知ると。詩經に肇(ハジ)めて彼の四海を域すと。
           
           
981 113 あつくかさぬ しろのめがき   揩ネり。土地をもととし卑を音とす。(形聲)詩經に政事一に我に埤uすと。但し本義は土の層uなるべし。衣に裨といふが如し。又會部に朇の字あり。uなりと訓ず。凡そ埤uの本字なるべし。
           
           
982 113 ゲイ うえる しごと わざ いきおい   穜(シユ)(ウエル)なり。丮(ゲキ)をもととす。丮は持つなり。持つて之を穜ゆるなり。坴は土塊なり。古文は象形。木を持つなり。又藝勢に作る。各字の下に辨ず。
セイ          
           
983 113 シユウ とらえる とる       罪人を捕へるなり。丮(ゲキ)(持つ)と(シフ)の(會意)は大𢆉(キン)の會意。𢆉は二犯の罪なり。而して執のは音も兼ぬべし。禮記に妻子執へらる。孟子に之を執ふるのみ。詩經の執競の箋に持つなり。韓詩に服なり。禮記に其執事。中庸に以て執る有るに足る。荀子に一を執る。注に專意なり。
シツ          
           
984 114 シヨク あかつち ねばつち はに     黏土なり。土をもととし直を音とす。(形聲)禹貢に厥(ソノ)土は赤埴墳。孔傳に黏土。鄭本は戠に作る熾に讀む。赤き貌あり。字亦𡑌に作る。
           
           
985 114 バイ つちをかさぬ つちかう あつし   培敦(堆の代用)は土田山川なり。土をもととし咅を音とす。(形聲)培堆とは連言して義をなす。故に左傳には倍敦に作る。杜注に倍は揩ネり。敦は厚なり。詩經に山土田を錫ふと。傳に諸侯に大功コあれば之に名山土田附庸を賜ふと。又阜部に陪は重土なり。陪培は元と同字なるべし。培敦は轉義のみ。且つ音に主とす。晉語の壘培。呂覽の高培。左傳の培塿。中庸に栽る者は之に培す。皆土を重ぬるの義なり。
           
           
986 114 かきのはじめ もとい     牆を作るの始なり。牆を築くの土臺なり。土をもととし其を音とす。(形聲)轉義は淮南子に高き者は下を以て基となす。詩經に邦家の基。易にコの基。卽ち本なり。又爾雅に基は謀なり。謀の代用。キ。ホウ轉通す。
           
           
987 114 クツ つきでる あな       突なり。地の屈曲突出なり。土をもととし𡲬(クツ)の省きを音とす。(形聲)又の字あり。兔窋(窟の本字)なり𡲬屈同じ。𡒈堀も同字のみ。兔穴は屈曲すべし。一義の轉なるべし。而して人口にて堀穴を作るを掘といふ。一説に兔𡒈の義は𡒈の轉義の代用と。
           
           
988 114 ケン かたつち かたし       剛なり。土質の剛堅なり。臤と土の(會意形聲)臤は音を兼ぬ。臤は堅持なり。緊結の意なり。轉義は爾雅に固なり。廣雅に強なり。長なり。呂覽の注に好なり。
           
           
989 114 ドウ との おくごてん おおひろま     殿なり。秦以前は堂と曰ひ。秦以後は殿と曰ふ。義は同じ。土をもととし尚を音とするも尚は加へる。高尚にするの意あり。故に籀文は高の省きに從ふ。(形聲會意)。古文は省形なり。禮記の注に堂の形は四方にして高し。月令章句に明堂は天子の大廟なり。論語に堂々乎。注にコ宇の廣きなり。
           
           
990 114 ジユク           塾の本字。下を見よ。
           
           
991 114 タイ せまきおか うずたかし       小阜なり。(象形)(阜)の省形なり。以て小阜の義となす。然らば亦自ら(假借)の一法なり。字亦堆に作る。土をもととし隹を音とす。
           
           
992 114 キン ねばつち         黏土なり。黃の省(古文は省かず。)と土とにて(會意)黏土は其色黃なり。天は玄地は黃と是れなり。
           
           
993 115 しろつち しろぬり しらかべ     白涂(塗)なり。土をもととし。亞を音とす。(形聲)山海經に堊は土に似て色白しと知る白色の塗料又シツクイをいふ。轉じて白き牆を白堊と謂ふ。爾雅に地に之を黝と謂ひ。牆に之を堊と謂ふ。
           
           
994 115 ホウ とりで         保なり。高土なり。(保守すべきの所)土をもととし𠷎を音とす。(形聲)又壽の字も𠷎を音とす。故に亦壔に作る。又禮記に四鄙保に入る。注に小城を保と曰ふと。保を以て壔となす。亦堡に作る廣雅に堡は隄なり。
           
           
995 115 堙󠄃 イン           垔に同じ。
           
           
996 115 カイ           階に同じ。阜部を見よ。
           
           
997 115 とどこおる つつみ       滞(トドコホル)なり。河中の洲渚の如き所なり。泥土の滞留なり。土をもととし是を音とす。(形聲)今は多く隄の代用にて行はる。隄は唐(塘)なり。隄(テイ)堤(シ)古音通ず。
テイ          
           
998 115 カン つきでる たえる       地突なり。土をもととし甚を音とす。(形聲)ジン。カン。轉音なり。本義は土の墳起なり。朱駿聲云く。爾雅に堪は勝(カツ)なりとは𢦟(コロス)の代用。又方言に堪は載(ノセル)なり。詩經に家の難多きに堪(タ)へず。魯語注に猶ほ勝(タコ)のごとしと。任の代用なりと。
           
           
999 115 かき かねかけ ならぶ やすし   垣なり。土をもととし者を音とす。(形聲)城の垣なり。故に字は亦𩫖(廓)に從ふ。公羊傳の注に。堵は凡そ四十尺。或は方丈の説あり。諸説マチマチなり。又轉義は周禮に鐘磐を縣るの一段を堵と曰ふ。横列の狀を謂ふなるべし。此義は周の鐘銘に作る。又安堵と爲す。堵垣の内に居れば安きなり。又堵列と曰ふは敷の代用。
           
           
1000 115 ホウ むくゆ かえす       罪人に相當の罰をあたへるなり。は執のと同く大罪人なり。𠬝(フク)は又(テ)(手)に卩(セツ)(節)を取る。卩は法なり。法により罪人を服せしむ(會意)轉義は報酬。報告となす。魯語の注にコに報ゆ。荀子に親あり。報ゆる能はず。注に孝養なりと。或云く此等は復の代用なりと。ホウ。フク古音は轉通す。
           
           
1001 115 ジヨウ まつりのばしよ     神を祭るの道なり。土をもととし昜を音とす。(形聲)漢書に犧牲壇場。注に地を平かにするを場と爲す。孟子に室を場に築くと。又一に曰く。山田の耕さざるもの。詩經に町鹿場と是れなり。又一に曰く穀を治むの田なり。詩經に九月場圃を築く。傳に春夏を圃と爲し。秋冬を場となす。今此義多く行はる。又俗に玉篇の疆埸(エキ)の埸と混ずるは非なり。
シヨウ          
           
1002 116 カイ たのさかい さかい       界の俗字なり。田部を見よ。
           
           
1003 116 ガク           𠟎の俗字なり。刀部を見よ。
           
           
1004 116 𡍮󠄀 スイ           垂の本字。上を見よ。
           
           
1005 116 チヨウ ひめがき         城上の女垣なり。土をもととし葉を音とす。(形聲)陴を城上の俾倪。女牆と訓ず。義同じ。左傳に其宮にして堞して而して之を守ると。
           
           
1006 116 カイ つちくれ ひとかたまり     なり。土をもととし。凵は屈せる形と。(象形會意)又鬼を音とす。(形聲)キ。クワイ古音轉通。儀禮に苫に寢ね塊に枕すと。轉義は荀子に傀然として獨天地の間に立つ。
           
           
1007 116 エイ はかば         墓地なり。土をもととし營の省きを音とす。(形聲)段氏云く塋の言(イヒ)たるや。其地を經營して。而して之を葬ると。會意を兼ぬ。
           
           
1008 116 塘󠄃 トウ つつみ         唐の俗字なり。但しツツミの義は防の代用なり。唐がとなり。又塘となる。防の坊となるごとし。
           
           
1009 116 カイ たかだい         高燥なり。土をもととし豈を音とす(形聲)
           
           
1010 116 つちにんぎよう       皆後世字なり。正字通に土を埏(ノバ)し物に象る。今俗に土を捏(コネ)て鬼神の貌に肖(ニ)するを塐と曰ふ。俗に塑に作る。通して素に作ると。知る素の俗字なり。
           
           
1011 116 塔󠄂 トウ           徐鉉云く塔は西域の浮屠なり。蓋し六朝字なり。又廣韻に塔は吐ノ切。集韻。韻會。託合ノ切。物の墮る聲なり。別に一字なり。
           
           
1012 116 とぐら         雞の垣に棲むを塒と爲す。土をもととし時を音とす(形聲)
           
           
1013 116 みち ぬる       涂の俗字なり。古より。涂を以て途(ト)(徐を本字とす。)の代用をなす。坦々なる道途は則ち徐行すべき處なり。途とは徐の轉義。又ヌルの義は杅の代用。並に俗に土を加えて分別す。
           
           
1014 116 カク かたし うごかず はなわ     堅くして拔く可からざるなり。土をもととし高を音とす。(形聲)カウ。カク。轉音なり。字亦碻確に作る。易に確乎として拔可からず。注に堅高の貌と。廣雅に礭は鞏なり。誤字となす。
           
           
1015 116 境󠄂 キヨウ さかい         竟の俗字なり。竟は樂曲の盡くるなり。音樂の一段落なり。人の技なれば人と音にて字義をなす。轉じて終極の義となし。又分界の義となし。俗に土を加えて境に作る堺と同例となす。
ケイ          
           
1016 117 サイ へだて まもり ふさぐ     隔(ヘダテ)なり。蔽塞なり。土をもととし𡨄(ソク)を音とす。(形聲會意)月令に要塞を完ふす。注に邊城要害の處。亦本義の一轉なり。又𡨄の代用は禮記に志氣天地に塞つ。注に滿なり。儀禮に耳を塞(フサ)く。注に充窒なりと。又の代用は方言に塞は安なり。詩經に心を秉る塞淵。箋に充滿なりと。㥶は内に滿つ。塞は外に滿たすなり。音義近し。後漢書の注に塞は祠に報ゆ。俗に賽に作る。又簺の代用をなす。莊子に博塞して以て游ぶと。簺は棊を行り相塞ぐと。
ソク          
           
1017 117 塚󠄆 チヨウ つか はか       高き墳(ハカ)なり。勹(ハウ)(ツツム)をもととし。(タク)を音とす。(形聲)タク古音轉通ず。後人は土を加へて塚に作る。周禮の冢人。公墓の地を掌とる。段氏云く。墳は墓なり。墓の高き者を冢と曰ふと。詩經に乃ち冢土を立つ。傳に大社なり。爾雅に山頂は冢。西山經に華山は冢なり。注に冢は神鬼の舎(ヤド)る所なりと。又白虎通に冢なる者は大なり。書經に我友邦の冢君。周禮に乃ち天官冢宰を立つと長の代理。古音轉通。
           
           
1018 117 テン ふさぐ うずむ       塞ぐなり。土をもととし眞を音とす。(形聲)𥧑と音義近し。塡は塵。鎭。奠の代用をなす。又孟子に塡然として之に鼓つ。字音を借るのみ。
           
           
1019 117 ジン ちり ひさし       鹿の行いて土を揚ぐるなり。麤(ソ)(マバラ)以て羣鹿の意となすと土の(會意)土は沙塵の意。故に或は二土に從ふ。莊子に塵埃なり。塵垢の外に游ぶと。又塵芥となす。轉義は爾雅に鹿は久なり。久ければ塵を積す。後人時の久しきを鎭日。鎭年と曰ふ。鎭は塵の代用なりと。
           
           
1020 117 ちをあかにぬる       地を涂(ヌ)るなり。土をもととし犀を音とす。(形聲)禮に天子は赤墀と。字亦𡎰に作る廣雅に見ふ。
           
           
1021 117 ザン ほり あな       坑なり。土をもととし斬を音とす。(形聲)史記に山に塹し谷を堙む。索隱に城を繞るの水なり。字亦壍に作る。一に曰く大なりとは別に一義なり。
ゼン          
           
1022 117 ロウ もりあげつち         土なり(は塵なり)土をもととし婁を音とす。(形聲)左傳に培塿には松柏無し。塵土の積もりしもの故に巨木なし。又後漢書に𤸃疏嶁領。注に山顚なり。樓の轉義の代用。字亦嶁に作る。
           
           
1023 117 ヨウ しろのかき たかきかき       城垣なり。土又は(カク)𩫖(廓)をもととし庸を音とす。(形聲)易に公用つて隼を高墉の上に射る。詩經に其崇き墉の如し。轉義は爾雅に牆之を墉と曰ふ。字亦に作る。
           
           
1024 118 墓󠄂 はかば         丘なり。形の丘の如きをいふなり。平地に在るは墓。高地に在るは墳なりと。土をもととし莫を音とす。(形聲)莫は暮の本字。或は𡧯㱳(セキバク)の意となすべし。禮記に古者墓して而して墳せず。注に墓は兆域を謂ふ。今の封塋なり。
           
           
1025 118 ヘイ           屏の俗字なり。屏は蔽ふなり。藩屏なり。尸(屋の省)をもととす屏の音なり。
           
           
1026 118 キヨ しろあと         虗の俗字。虍部を見よ。
           
           
1027 118 シヨ           野に同じ。里部を見よ。
           
           
1028 118 ジユン まと のり まなびどころ   射の臬(マト)なり。土をもととし𦎫(ジユン)を音とす(形聲)ジユン。ジク一轉音なり。朱駿聲云く門側の堂なり。孰の省きを音とす。儀禮に賓立て西塾に接す。又東を負ふと。又禮記に古のヘゆる者は黨に庠あり家に塾あり。徐鉉新附に塾は門側の堂なりと。蓋し射の禮を此處にて習孰(熟)す。故に射的の義となす。通俗文に射堋を埻と曰ひ。埻の中を的と曰ふと。廣雅に埻は灋(法)なり。今の準的の字は準を以て代用とす。𦎫準音通するが故なり。
ジユク          
           
1029 118 ゾウ ます かさぬ       uなり。土をもととし曾を音とす。(形聲)按ずるに言の加へ重なるは曾といひ。土の加へ重なるは揩ニいひ。人の加はり重なる層なり。音義皆通ず。廣雅に揩ヘ加なり累なり。詩經に丞徒掾X。爾雅に掾Xは衆なり。
           
           
1030 118 ボク つちくれ         塊なり。土をもととし。菐又は卜を音とす。(形聲)淮南子に土の水に勝つや一を以て江を塞くに非ず。
           
           
1031 118 ボク すみ すみなわ       書するの墨なり。土とKの(會意形聲)Kは音を兼ぬ。古初の墨の材料は石や土を用ふ。轉義は墨刑。黥(イレズミ)となし。又繩Kとは𦄿の代用。孟子の面深墨はKの代用。
           
           
1032 118 やぶる おとす       城阜を敗るを墮と曰ふ。丘をもととし𢀡(左に同じ)を音とす。(形聲)又或は隋を音とす。隋は裂肉なり。肉をもととしの省きを音とす。故にの後出字は隋を音とす。(亦廩に作るの例の如し。)又或は𨸏の大篆_に作るに依れば墮も亦隋に同じ。と通用すべし。字亦隳に作る誤り。方言に𡐦は脱なり。漢書の注には落なり。老子に或は隳す。注に危なり。淮南子に名立て而して墮せず。注に廢なり。轉々して義を生ず。又大戴禮に怠墮なる者。惰の代用。故に誤字はに作る。
           
           
1033 118 𡑏 ホウ とりで         堡の本字なり。上を見よ。
           
           
1034 118 墜󠄄 タイ おつ         隊に同じ。阜部を見よ。
ツイ          
           
1035 118 つち         地に同し。上を見よ。
           
           
1036 119 墳󠄂 フン はか たかし       墓なり土をもととし賁を音とす。(形聲)平地に在るを墓となし(然も其形は丘の如し)高地に在るを墳となす。山陵の墓なり。轉義は方言の注に土にして而して高且つ大なる之を墳といふと。字亦墦に作る孟子に見る。
ハン          
           
1037 119 _ コン ひらく         豤の俗字なり。但し_に作る稍や古なるも。説文に攴部のを治むる所有るなり。讀む豤の若しと。土に從はす。廣雅に_は耕なり。未だ誤らず。玉篇に至つて墾に作る。古に貇の字なきなり。
           
           
1038 119 コン ひらく         上に同じ。
           
           
1039 119 ヘキ かべ かき       垣なり。土をもととし辟を音とす(形聲)釋名に壁は辟(避)なり。風寒を辟(ヒ)禦する所以なりと。又は牆なり。广(イエ)をもととし辟を音とす。壁音義近し。漢書に壁を堅ふして而して守る。卽ち城壁なり。而して屋壁の方は𨗁當なるべし。
           
           
1040 119 ユウ くま         四方の土にして居る可きなり。土をもととし奧を音とす。(形聲)古文は詳かならず。或は隩と通ず。
イク          
           
1041 119 ダン まつりどころ ひらにわ       祭の壇場なり。土をもととし亶を音とす。(形聲)地を埽除し清めるを場と曰ひ。土を築くを壇と曰ふ公羊傳の注に土基三尺。土階三等を壇と曰ふと。字亦に作る。漢書に天文のを修すと。轉義は楚辭に堂壇。小壇あり。淮南子の注に。楚人は中庭を謂つて壇となすと。
           
           
1042 119 ヨウ ふさぐ         邕に同じ。邑部を見よ。
           
           
1043 119 シヨウ かき         牆の俗字なり。爿部を見よ
           
           
1044 119 クン つちぶえ         樂器なり。土を以て作る。六空(コウ)(アナ)あり。土をもととし熏員を音とす。周禮に塤簫は管。注に大さ鴈卵の如し。詩經に壎を吹き篪を吹く。
           
           
1045 119 ガク みぞ たにま むなし     溝なり。𣦻と谷の(會意)或は土を加ふ同じ。𣦻は殘穿なり。谷を掘り壞して溝と爲すなり。周禮の鄭注に溝は地を穿ちて阻固を爲す。凡そ地を穿つて水瀆と爲す。皆溝と稱し。壑と稱すと。詩經に實に墉實に壑。傳に城池を謂ふ。地を穿つて谷に通ずるなり。轉義は爾雅に壑は虗なり。
           
           
1046 119           璽に同じ。玉部を見よ。
           
           
1047 119 オウ やぶる おす ふさぐ かなう おさえる 壞るなり。土をもととし厭を音とす。(形聲)一に曰く𡫳(ソク)(塞)き補ふなりと。垔の代用なり。ケン。エン轉音。又多く厭の代用にて行はる。蒼頡篇に壓は(迫)笮なり。又漢碑の文に。克く帝の心に壓ふとは協の代用。又莊子に其顪(アゴヒゲ)を壓すとは擪(オサヘル)の代用。
エン          
アツ          
1048 120 ルイ とりで         軍壁なり。土をもととし畾(雷)を音とす。(形聲)ライ。ルイ一轉音なり。左傳に壘を深くし軍を固むと。(ルイ)墼(煉瓦塀)字と混ずべからず。
           
           
1049 120 コウ はかのあな         塹穴なり。土をもととし廣を音とす。(形聲)周禮に墓に及んて壙に入る。鄭云く壙は地中を穿つなり。又孟子に獸の壙に走るとは廣の代用。卽ち廣野なり。
           
           
1050 120 くろつち         K剛土なり。土をもととし盧を音とす。(形聲)禹貢に下土墳壚。周禮に埴壚。注に黏疏なる者。
           
           
1051 120 カン           坎に同じ。上を見よ。
           
           
1052 120 カイ やぶれる やぶる やすんず     敗なり。土をもととし褱眔を音とす。(形聲)籀文は𣀤を以て代用す。爾雅に壞は毀なり。史記に城廓を墮壞す。正義に斥なり。
           
           
1053 120 ダン かめ         近世字なり。康煕字典に廣韻を引て曰く。は地名なり。又曰く甒の屬なり。字亦壜に作ると。今のビン音は轉音なり。集韻に壜は或は罎。𤮦に作る。
ビン          
           
1054 120 壠󠄂 リヨウ たかきところ はかば       邱壠なり。土をもととし龍を音とす。(形聲)字亦壟に作る。漢書に輟耕の壟上。注に田中の高處なり。孟子に龍斷を私する有り。龍は代用。曲禮に墓に𨗁き壟に登らず。小爾雅に壟は塋なり。
ロウ          
           
1055 120 ジヨウ やわらかつち とち     柔土なり(肥土なり)土をもととし襄を音とす。(形聲)禹貢に厥(ソノ)土は白壤。注に天性の和美なり。傳に塊無きを壤と曰ふと。轉義は地と爲す。晉書に天壤の間と。周禮の注に壤は和緩の貌と。又莊子に畏壘大壤とはの代用なりと。は肥なり。列子に三年大壤なりと是れなり。又淮南子に黄雀は壤蟲とは蠰の代用なりと。
           
           
1056 120 さむらい つかえる       事(ツカ)へるなり。孔子曰く。十を推して一に合するものを士と爲すと。十と一の(會意假借)又一本説文には一を推して十に合すに作る。上は多く聞いて疑を缺くの謂ひに合し。下は一を聞いて十を知るの謂いに合す。士たる者は此才コあるべし。土に上士。中士。下士あり。漢書に學に志以て位に居るを士と曰ふと。又爾雅に士は察なりと同の代用。又書經に汝士と爲れ。馬注に獄官の長とは吏の代用。又詩經に行枚を士(コト)とする勿れ。傳に事なりと。事の代用。又仕。嗣の代用をなす。
           
           
1057 121 ジン はらむ みずのえ       北方に位するなり。陰極つて陽生ず。人の(クワイ)(懷)妊の形に象ると。(假借)蓋し壬は古の妊の字なり。工は天地人の意。借りて女の貴き意となす。巫の字の工と同意なり。妊身は女子の大任。冣も貴き者なり。・は妊めるの意を示す。月令の鄭注に壬の言ひは任なり。時に萬物下に懷任するなり。壬妊任の三字。音義皆通す。又五行の配當は水(北方)の兄とす。故にミヅノエと訓するなり。
           
           
1058 121 ソウ おとな さかり       大なり。士をもととし爿(サウ)(_)を音とするも。_はの古文。武器なり。(形聲會意)武備以て盛大の意とす。蓋し壯は壯士なり。禮記に三十を壯と曰ふ。易の大壯。注に盛なり。
           
           
1059 121 ケイ           磬に同じ。石部を見よ。
           
           
1060 121 イツ もつぱら ひとつ       嫥壹なり。(專一の本字)壺の中に吉を入れたる(會意形聲)吉は亦音となす。吉事を壺中に秘藏す。純粹無垢の意なり。大學に壹是に皆身を脩むるを以て本とす。注に壹是は專行なり。表記に民の壹あるを欲す。注に心を善に專らにするなりと。此を本義とす。然も壹部に_(ウン)の字あり。壹(イン)(ウン)なりと(氤氳の本字)凶壺中にあり不純の氣なり。是れ假借なり。
           
           
1061 121 セイ むこ         婿に同じ。女部を見よ。
           
           
1062 121 つぼ         小篆同じ。昆吾(國名)の圜(マロ)き器なり。(象形)大の字は往々其形を借りて器の蓋(フタ)の義となし。亦上を覆ふの義となす。周禮の注に酒器。又水を盛るの器なりと。
           
           
1063 121 ジユ いのちながし ことぶき ひさし   年の久しきなり。老をもととし。𠷎(タウ)𠼡(タウ)𠃬(チウ)を音とす。(形聲)タウ。チウ。ジユ轉音なり。篆文は老を省く。養生經に上壽は百二十。中壽は百。下壽は八十と。書經に壽耇を遺(ワス)る無れ。周器の銘に曰く。萬年眉壽無疆と漢書の注に凡そ壽を爲すと言ふは。爵を尊者に進めて。而して無疆の壽を獻ずるを謂ふ。後漢書に自ら壽藏を作る。注に塚壙なり。其久の意に取ると。
           
           
1064 121 ソン まうかたち         舞ふなり。(一本に士の舞なり)士をもととし尊を音とす。(形聲)詩經に々として我に舞ふ。爾雅に々は喜ぶなり。
           
           
1065 121 コン           𡈋に同じ。囗部を見よ。
           
           
1066 122 やつとあるく         後より至るなり。人の(兩)脛の後(ウシロ)に之を致すもの有るに象ると。古文に據れば後退の足の形なり。
           
           
1067 122 コウ くだる         服なり。夂(チ)㐄(クワ)相承け竝ばさるの(會意)㐄は跨步なり。跨は渡るなり。二形相合はず。竝び抗せざるの意。夅𠬝は降服の本字なり。
           
           
1068 122 夊󠄂 夊󠄂 すりあし やすし       行く遲く(足を)曳いて夊󠄂々たるなり。人の(兩)脛に躧する所あるに象ると。夊󠄂をもととし_旁の_は(指示)なり。躧は舞の履なり。其義に非ず。此躧は麗著(リチヤク)(ツク)の義とすべしとの説是(ゼ)なり。古文は正に脛後に麗著せるものがある。故に疾行がてきず。徐行夊󠄂々と然とスリ足で進むなり。説文に詩經の雄狐夊󠄂々を引く。玉篇は引いて綏々に作る。
スイ          
           
1069 122 夊󠄂 フク もときしみちをもどる       故道を行くなり。夊󠄂をもととし_の省きを音とす。(形聲)复は復と音義同じ。夊󠄂彳皆行步の意あり。
           
           
1070 122 夊󠄂 夏󠄂 みやこびと なつ       中国の人なり。夊󠄂(スヰ)頁(ケツ)𦥑(キヨ)の(會意象形)頁は頭首。𦥑は兩手。張り擘(ヒジ)なり。足の容は夊󠄂(スリアシ)なり。立派なる人との意とす。一種の作法なり。古文は詳かならず。轉じて美大の義とす。方言に凡そ物の壯大なる者にして。而して之を愛偉する。是を夏と謂ふと。又爾雅に夏(ナツ)を昦(コウ)天と爲す。注に夏は萬物盛壯。其氣昦大なり。上義の轉用。一説に此等は嘏(カ)の代用。嘏は大なり。又厦に作る。又周禮に夏采の巾車。孤乘夏篆。注に五采にて畫くは華の代用なり。
           
           
1071 122 夊󠄂 夒󠄂 ジユウ           猱の本字なり。犬部を見よ。
           
           
1072 123 セキ ゆうべ くれ       莫(ボ)(暮の本字)なり。月が出でんとするなり。未だ全く出でず。地平線上に半分見はるの意。月の一畫を減じて其未完の意とす。(象形假借)
           
           
1073 123 ガイ ほか そと       遠きなり。(ヨソゴト)卜夕の(會意)卜(ウラナヒ)は平旦(早朝)に施行するを尚(タツト)ぶ。それを夕方に行ふのは。事理に於て例外なり。此を本義とす。轉義は易に吉凶外に見はる。周禮に内外の通令を掌る。考工記に龜は外骨内肉なり。爾雅に母の考(チチ)を外王となす。卽ち外戚なり。又轉じて除外の義となす。荀子に五帝の外に傳人無し。注に以前を謂ふと。淮南子に此を外にして其餘は利するに足る無しと。
         
           
1074 123 おおし かさなる       (カサナル)なり。昨夕と今夕と重なるなり。二夕の(會意)今夕と明夕と又重なる。故に古文に或は_に作る。轉義は凡そ多衆となす。禮記に數を取る多し。呂覽に自ら多とす。注に自ら賢とす。周禮に戰功に多と曰ふ。勝なり。又朱駿聲云く。多は褆の代用をなす。實は啻(タダ)の代用なり。論語に多(タダ)見て其れ量を知らざるなり。左傳に衹(タダ)疏ぜらる。疏(ソ)に古人多衹同音なり。
           
           
1075 123 シユク あさはやし つと       早敬なり。丮(ゲキ)(持つ意)と夕の(會意)事を持して夕と雖も休まず。早き敬なる者なりと。明旦の仕事を今夕から用意す。此れ程早敬なるはなし。書經に夙夜を惟れ寅む。易に往く攸(トコロ)有り夙に吉と。詩經に星みて言(ココ)に夙に駕すと。皆一義なり。
           
           
1076 123 セイ はれる         晴の本字なり。日部を見よ。
           
           
1077 123 よる         舎(ヤド)るなり。日が暮れる。人は宿舎に入るなり。夕をもととし_は亦の省きで音となす。(形聲)エキ。ヤ古音轉通。左傳に辛卯の夜。疏に夜は昏より旦に至るの總名なり。周禮に夜旦を嘑ぶ。注に夜漏未だ盡きず。雞鳴の時。
エキ          
           
1078 123 イン つつしむ         敬タ(ツツシム)なり。夕をもととし寅を音とす。(形聲會意)寅は敬に居るなり。人が寅敬して立つに象ると。又夙は早敬なりと。合せ見よ。
           
           
1079 124 おびただし         齊(國)に多きを謂ふなり。多をもととし果を音とす。(形聲)卽ち夥多なり。
           
           
1080 124 夢󠄂 くらし ゆめ       明かならざるなり。視界がボンヤリするなり。夕をもととし。瞢を音とす。(形聲會意)瞢は目の明かならず。目を搖して視んと欲するの義。𥄕䀏(ヘツジユン)の會意とす。𥄕は目正しからず。は目を搖かす。而して夢をユメと訓ずの代用。_は寐(イネ)て覺むるなり。ミルは熟睡の時に非ず。字は宀(イヘ)𤕫(ヤマヒ)で夢を音とするも(形聲會意)夢音義近し。周禮に占夢の官あり。
ボウ          
           
1081 124 ダイ おおいなり おとな ふとし     天は大地は大。人も亦大なり。此道理にて大の字を作る。(象形假借)蓋し大(オホヒ)なるの義定形なし。亦天地は象るべからず。故に天地に次ぐ人の形を借り。之と爲す。卽ち人の正面より視たるの全形。人の字はに作り。側視の形なり。以て相避く。作法の用意察すべし。朱駿聲云く。凡そ大人。大夫。太子。太君。皆尊ふ詞なりと。
タイ          
           
1082 124 ダイ おおいなり おとな ふとし     亦大と同字。大をに作る。大篆。籀文。また古文同字重なるとき__に作る恆例。子々孫々の如き是れなり。故に㚐を夳に作り。省いて太に作る。フトシとは轉義。説文に夳を泰の古文となす。通用なり。
タイ          
           
1083 124 テン おおそら あめ いただき     顚(テン)(イタダキ)なり。至高にして此上なし。一大の(會意)然れども古文に據れは大の上の・。一は人の顚に象る。一二の一に非ず。人が地上に立つ。顚の上は天なり。天顚はもと同字。初め天に作る。形聲。以て天人を別つ。然れば天地とは義の轉なり。朱駿聲云く爾雅に天は君なり。凡そ至尊なる者皆是れなり。臣の君に於ける。子の父に於ける。妻の夫に於ける民の食に於ける皆天と曰ふ。春秋説題辭に天の言は鎭なり。高に居て下を理す。人の經緯を爲す云々と。
           
           
1084 124 おとな おつと かの     丈夫なり。冠して而して簪す。人は二十にして冠す。成人なり。是れ丈夫なり。大をもととし。一は簪の意なりと。(指事象形)元夫。丈夫。夫妻。夫子は易に見へ大夫。夫人は諸經に見ふ。又轉じて詩の疏に夫は男子の總稱と。又字音を借りて語詞となす。論語に夫(カ)の人言はず。是れなり。又連言して義をなすものは。南山經に砆石。注に武夫は石に似たり。砆は俗字。又爾雅に荷は夫渠なり。俗に芙蕖に作る。(芙蓉も同じ)詩の傳に鵻は夫不なり。俗にに作る。
           
           
1085 125 ヨウ かがまる まがる わかじに     屈(カガマル)なり。大をもととして(象形)大は人の正面より視たる形で完全の形なり。其首部又は手を屈して字義をなす。屈折は早世。若かくて死するなり𡴘(幸(サイハヒ))の字の夭屰にて會意する。屰(サカラフ)(逆)夭なり。夭死すべきが屰に夭死せぬ。是程の儌(僥)幸はない。夭死は夭屈なり。轉じて少(ワカ)しと爲す。或は云く夭少は𡝩(ワラフ)の代用。ニコニコ若々しきなりと。
           
           
1086 125 トウ すすむはやし       進む趣(ハヤ)きなり。大十の(會意)大十は猶ほ十人を兼ぬるがごとし。讀む(音)滔の若しと。後人は誤つて本末の字とす。本の隷體に__あり。此に因り。夲と混ぜしなるも甚た非なり。
           
           
1087 125 オウ なかば         中央なり。大(人)の_(ケイ)(坰の古文)に在る(會意)人が曠遠の坰野の境の中程に立ち位地を占む是れ中央なり。轉義は一に曰く久なり。廣雅に央は盡なり。又詩經に夜未だ央(ナカバ)ならず。前途多きの義
           
           
1088 125 シツ うしなう はなつ       縦(ハナツ)なり。手より縦てば亡失す。手をもととし乙(イツ)を音とす。(形聲)ヲツ。イツ。シツ。轉音なり。轉義は禮記に人情を失はず。穀梁傳に失言。注に放言なり。又荀子に馬を失す。逸の代用。又泆の代用をなす。
           
           
1089 125 ひがしのひと やさし     東方の人なり。大と弓の(會意)と。然も古文に據れば大と仁の會意。_はなり。は古文の仁。は人なり弓に非ず。人仁通ず。故に或は省いてに作る。又周器の銘文に尸を以て夷となす。省文なり。説文の羌の下に曰く。夷の字大に從ふ。夷の俗は仁なり。孔子曰く東夷に行かんと。字の仁に從ふ知るべし。又平と訓ず𢓡の代用。秉夷は彝の代用。夷悦は台の代用なり。
           
           
1090 125 おごる         奢なり。大をもととしを音とす。(形聲)自大なり。
           
           
1091 125 キヨウ さしはさむ はさまる       持つなり。大(大人)の二人を挾むにて(會意)書經に爾曷(ナン)ぞ夾介して我が周王を乂(オサ)めざると。本義なり。轉じて兩傍の間に介在す。挾入の義となす夾挾殆ど同字なり。夾は二人が兩腋の下に在り。腋に手の意あり。又手を加ふる待たずして。義をなす。又周禮に幷夾を以て之を取ると。鋏の代用。
           
           
1092 125 セン ふところへかくす       盜が竊んだ物を褱(フトコロ)(中)に入れるなり。(ワキ)の省にて持する所あり(會意)
           
           
1093 126 𡗦 カイ おおいなり         大なり。大をもととす介は音なり(形聲)經傳は皆介を以て代用字とす。
           
           
1094 126 𡗥 シユン おおいなり         大なり。大をもととし屯を音とす(形聲)經傳は皆屯を以て代用す。
チユン          
           
1095 126 エン おおう         覆ふなり。大にして餘り有るなり。大と(申)にて(會意)但し大の字形は借りて覆蓋の形となす。是れ上覆の大なる意とす。餘あるなり。是れ庵菴の本字なるべし。一に曰く久なり。
           
           
1096 126 あやしむ ことなる       異るなり。異なるがゆゑに偶合せず。大可の(會意)可は訶の省きなるべし。大に怪み訶(シカリ)咎するなり。周禮に奇服の怪民。注に非常なり。亦荀子に奇偉。注に誇大なり。老子に奇を以て兵を用ゆ。注に詐なり。皆非常なり。一説に不偶とは踦の代用。淮南子に奇股の民。注に隻なりと。又通ず。又漢書に數奇。朱駿聲云く觭の代用。觭とは角の一俛一仰。転じて齟齬不合となすと。
           
           
1097 126 ハン ともがら         竝び行くなり。二夫(人)の(會意)伴侶の伴の本字なり。
           
           
1098 126 なんぞ いかん       柰の俗字なり。柰は果樹(カラナシ)なり。木をもととし示を音とす。(形聲)シ。ダイ古音轉通す。又字音を借りて語詞となす。奈(ナンゾ)如奈(イカン)の類是れなり。
ダイ          
           
1099 126 ホウ ささぐ たてまつる       承(ウク)るなり。手と(キヨウ)(手に物をササゲル)を意とし𡴀(ホウ)を音とす。(會意形聲)然も古文はをもととし𡴀を音とす。形聲。_に作るは手が重複す。又手部には奉なり。手をもととし夆を音とす。俗に捧に作る。奉も同字。_とは先づ承くる所あり。之を進獻するなり。廣雅に奉は持なり。進なり。周禮に牛牲を奉(ササグ)ず。注に進めるなり。轉義は易に天を後にして而して天の時を奉ず。注に承(ウケ)行(オコナフ)なり。左傳に天我に奉ず。注に與みするなり。又之を奉ずるに仁を以てす。注に養ふなり。漢書に䬸錢奉邑。注に粟米に奉と曰ふ。廣雅に奉は禄なり。周禮の注に禄は月奉の若しと釋文に俸に作ると俗字なり。
           
           
1100 126 シユウ おおいなるつみ       人を驚かす所以なり。大𢆉の(會意)𢆉(ジン)は再犯罪なり。
           
           
1101 126 ソウ すすむる もうす       進めるなり。夲(タウ)(十人分の速行(ハヤアシ)なり)(キヨウ)(物を捧げ進める)屮(テツ)(進む)の(會意)然れば上奏を本義とす。書經に敷奏言を以てす。尚書大傳に御史奏す。轉義は禮記の注に樂を奏す。疏に動作を謂ふ。又詩經に奔奏とは走の代用。音通のみ。又周禮の注に津梁相奏まる湊の代用。古文攴に從ふと同意。尸に從ふ未だ詳かならず。
           
           
1102 126 シヤ           奢に同し。下を見よ。
           
           
1103 127 ケイ もものあいだ       兩髀(ヒ)(モモノソトガハ)の間なり。大をもととし(人の夸(マタヒラ)く形)圭を音とす。(形聲)西京賦に奎踽盤桓たり。注に足を開くなり。字俗に足を加えてに作る。段氏云く奎宿十六星は像似(人の股を開く形)を以て名を得たりと。漢書の天文志に兩に象る。故に亦奎と曰ふ。孝經援神契に奎は文昌を主どると。轉じて奎運といふ。星の動きなり。今は專ら此義にて行はる。
           
           
1104 127 カン とりかえる あきらか       取り奐えるなり。(兩手)をもととし夐の省きを音とす。(形聲)ケイ。セン。クワンと古音轉通す。又手部換は易(カ)えるなり。手をもととし奐を音とす。奐換は元と同字なるべし。と手と意複す。今俗に兌(クヅシ)奐(カエル)の字を用ゆ。取替なり。兩替其義なり。奐兌すれは。事物の理は分明となる。故に奐に明義あり。轉じて文章ある義とす。字亦煥に作る。詩經に伴奐として汝游ぶ傳に廣大にして文章あるなり。玉篇に煥は明なり。禮記に美なる哉奐馬と。注に衆多を言ふなり説文に一に曰く大なり。轉々として義を生ず。又蒼頡篇に奐は散ずる貌なり。詩經の箋に伴奐は自ら縦弛する貌とは渙の代用と。
           
           
1105 127 契󠄅 ケイ わりふ てがた ちぎる     大約なり。大手形なり。大の(會意形聲)は音を兼ぬ。とは。刀筆の吏の仕事なり。巧とて上手に文を刻するなり。彡は其意とす。其を眞二つに割つて符となり。hは割るの意なり。契音義相渉る。又部に栔の字あり。刻と訓じ木とにて會意す。を施したるもの。未だ契の用を爲さず。易に後世の聖人之に易ゆるに書契を以てす。之れとは結繩の制なり。周禮に書契版圖。注に書とは薄(篰の代用)書を謂ひ。契とは其冣凡なりと。記數の券符なり。
ケツ          
           
1106 127 エキ おおいなり うつくし       大なり。大をもととし亦を音とす。(形聲)重言して義をなすものは詩經に奕々たる寢廟。傳に大なる貌。又の箋に姣美なり。又憂心奕々。又盛なり。明なりと訓ず。但し博弈。弈棊の弈と別字なり。
           
           
1107 127 𡘍 カン おおいなり ひろげる       𡘍なり。大をもととし亘を音とす。(形聲)經傳は桓を以て之となす。詩經の傳に桓は大なり。撥治なり。箋に其政事を廣大にするなりと。
           
           
1108 127 奔󠄂 ホン わしる はす       走るなり。夭(ヨウ)(マガル)をもととし卉を音とす。(形聲)キ。ホン古音通ず。走れば足形は夭屈(マガル)す。左傳に奔走。注に赴趣。荀子に犇命。字亦犇に作る。
           
           
1109 128 トウ ながし かさなる       古此字なし。廣韻に𡘷は長なり。集韻に長大なり。音は韜と。正字通に凡そ物の重沓する者を𡘷となす。俗に套に作ると。常套。外套。皆重沓の轉義か。
           
           
1110 128 ホン あじか ふご もつこ     蒲にて(作りし)器なり。𢆟の屬(𢆟(ヘイ)畚皆似たり)𠙹(シ)をもととし弁を音とす。(形聲)左傳の注に畚は簀籠なり。又土を盛る器なり。又糧を盛るなり。
           
           
1111 128 シヤ おごる         張るなり。夸張(フミハル)するなり。自ら張大にするなり。一本に儉に反するを奢と曰ふ。大をもととし者を音とす。(形聲)者は古の諸の字。多き意とす。諸多亦會意を兼ぬるか。左傳に驕奢淫逸と。注に奢とは夸(ホコル)僭上を謂ふ論語。其奢んよりは。皇疏に侈なりと。説文に侈は一に曰く奢なりと。卽ちの義となすなり。
           
           
1112 128 テン おく         _の俗誤。酉の部を見よ。
           
           
1113 128 オウ ふかし         室の西南の隅(スミ)なり。奥深き所なり。宀をもととし𢍏(ケン)を音とす。(形聲)段氏云くは音書卷の如し。奧は讀む怨(エン)の若くなるべしと。古音を言ふなり。論語に奧に媚ぶ。注に内なり。轉義は廣雅に奧は藏なり。書の序に雅誥は奥義。釋文に深なり。太玄の注に奧は秘なり。
オク          
           
1114 128 レン かがみはこ けしようばこ       の俗字。竹部を見よ。
           
           
1115 128 シヨウ はげます         𤟒の俗字。犬部を見よ
           
           
1116 128 ダツ ぬけさる うばわる うばう     手に隹(トリ)を持してゐて之を失ふなり。又(テ)(手)と奞(スイ)(ハバタキ)の(會意)又寸は通用す。故に又奪に作る。手に止まつてゐた鳥が忽然と飛び去つてしまふを奪とす。一旦得た物を失ふなり。ウバハルルの義とす。轉義は孟子に其時を奪ふ勿れ。又大學に民を爭はしめて奪ふを施す。荀子の注に奪は不義の名とはの代用。書經の奪攘矯も是れなり。
           
           
1117 128 𡚁 ヘイ たおる         獘の俗字なり。犬部を見よ。
           
           
1118 128 フン はねをのす ふるう たつ     翬(キ)なり。翬は大飛なり。奞(スイ)(ハバタキ)の田の上に在るの(會意)爾雅に雉の絶へて力あり奮ふ。詩經に奮飛する能はずと。轉義は爾雅に羊絶へて力あり奮ふ。書經に能く奮つて庸(モ)つて帝の載(コト)を煕(ヒロ)む。傳に起なり。易に雷地を出るは奮。注に動なり。曲禮に衣を奮ふ。注に塵を振ひ去るなり。
           
           
1119 128 𡚇 ケン おおいなり         大なる貌なり。大をもととし𥆞を音とす(形聲)𥆞は目(メノ)圍はりなり。䀠_の象形。音は卷(ケン)なり。
エン          
           
1120 129 奰󠄀 さかんなり いかる ちからこぶ     壯大なり。三大三目にて(會意)二目を𡚇(ケン)とし(大なる貌と訓ず)三目を𡚤とす。uす大なるなり。一に曰く迫るなり。然らば大目玉を見張る貌なり。朱駿聲云く字を誤て贔に作る。西京賦に巨靈贔屭と。注に力を作すの貌と。屭は卽ちの誤り。_は臥息なり。尸自の會意。力を用ゆる者は其息を鼓張す。故にといふ。
         
           
1121 129 ジヨ おみな めあわす なんじ     婦人なり。(象形)従順の容(カタチ)なり。處女に女といひ。人に𨗁くに婦といふ。又女を以て人に妻すも女と曰ふと。又ナンヂと訓ず。字音を借りて義をなす。語詞なり。
ニヨ          
           
1122 129 やつこ いやし       奴婢は古は罪人を以て之に當てたり。女又は人と又(テ)手の(會意)手に雜事を執るなり。轉義は凡そ下賤の稱となす。又轉じて奴馬といふ。字俗に駑に作る。
         
           
1123 129 𡚧           妣に同じ。下を見よ。
           
           
1124 129 ジヨ したがう にたり ゆく ごとし   從隨なり。女の口(言)の(會意)女は柔順を常とす。其言は逆(サカラ)はず。轉義は凡そ相似たるを如と曰ひ。凡そ往く所ある有るを如と曰ふ。左傳に棠に(地名)如き漁者を觀ると。又比と訓ず。シクなり。又字音を借りて。發語。助語の辭となす。論語に如(モ)し之を用ひば。易に屯如たり亶如たり。論語に恂々如。踧踖如。猶ほ然のごとしと。又論語に方六七十如(モ)しくは五六十。如は與と音相近し。
ニヨ          
           
1125 129 サン うつたう かしまし       訟なり。二女の(會意)
           
           
1126 129 コウ うつくし このむ よし     美なり。女子の(會意)釋名に好は巧なり巧者の物を造るが如し。皆善ならざる無し。人は之を好むなりと。詩經に中心に之を好む。傳に説(ヨロコ)ぶなり。又詩に此好歌を作る。又緇衣の好し兮。易に我に好爵ありと。
           
           
1127 129 カン おかす         婬を犯す。奸婬の犯罪なり。女をもととし干を音とするも(形聲會意)干は犯なり。故に奸も亦干の代用をなす。左傳に臣敢て之を奸(オカ)す。小爾雅に奸は犯なりと是れなり。字亦姧に作り。姦の代用をなす。
           
           
1128 129 妁󠄂 シヤク なこうど なかだち       酌むなり。二姓を斟酌するなり。女をもととし勺を音とす。(形聲會意)蓋し勺は酌の省なり。孟子に曰く媒酌の言と是れなり。
           
           
1129 130 きさき あわす       匹なり。偶(アヒカタ)なり。女をもととし己を音とす。(形聲)キ。ヒ。ハイ轉音通ず。妃は配偶の配の本字ないr。禮記に天子の妃を后と曰ふ。左傳に嘉耦を妃と曰ふと。字亦俗に𡝞作る。爾雅に妃は合なり對なりと。
           
           
1130 130 妄󠄃 ボウ みだる みだりに       亂(ミダル)(𢿳)なり。女をもととし。亡を音とするも(形聲會意)亡亂は妄動なり。易の无妄。注に虗妄なり。賈子に人を以て自ら觀るを之を度と謂ひ。度に反するを妄と爲すと。又孟子に此れ亦妄人なりとは盲の代用なり。
           
           
1131 130 ヨウ わらう わざわい       巧なり。女をもととし芺を音とす。(形聲)一に曰く女子の笑ふ貌なり。(此笑は芺の變形にてワラフの義は𡝩の代用なり。竹部を見よ。詩に曰く桃の𡝩々と。亦省いて妖に作り怪のとなす。
           
           
1132 130 ジン はらむ         孕むなり。女をもととし。壬を音とす。(形聲)然も妊壬は同字なるべし。工は人の尊き者。故に借りて女の尊き意とす。・は妊身の意とす。巫の字の工に從ふ。亦尊意に取る。同意なり。後漢書に懷𡜟。字亦𡜟に作る。
ニン          
           
1133 130 ねたむ         婦の夫を妒むなり。女をもととし戸を音とす。(形聲)五經文字は妬を正文とす。段本は之に從ひ_に改む。楚辭に各心を興して而して嫉妬す。注に色を害するを妬と爲すと。
           
           
1134 130 こまもの げいしや うつくし     婦人の小物なり。女をもととし支を音とす。(形聲)又技伎の代用をなす。切韻に妓は女樂なりと。又轉じて埤蒼に妓は美女なりと。
           
           
1135 130 ミヨウ たえ こまか       又玅に作る。古此等の字なし。漢の人は眇を以て之となす。コマカ。ハルカ。見るに難し。故に眇者(スガメ)の物を見る狀の如くして之を見る。因て名とすと。然し一説に秒を原字とす。是(ゼ)に似たり。微妙とは微細の義なり。秒は稻穂の尖端なり。極めて繊細のものなり。轉じて微秒。卽ち神妙。巧妙。妙技の義となし。美妙とす。今時計の時間に分秒の名あり。本義に近し。韻會に秒の言ひは妙なりと。眞解を得たるものなり。
           
           
1136 130           娜の本字。下を見よ。
           
           
1137 130 ソウ よそおい かざる       飾るなり。女をもととし爿を音とす。(形聲)蓋し壯の省を音とし會意を兼ぬべし。女の容を盛壯にする所以の義なるべし。故に字亦娤に作る廣雅に娤は飾りなり。宋玉の賦に體美容冶にして飾裝を待たずと裝妝通ず。上林賦に莊を借りて妝と爲す。亦俗に糚に作る。米は粉の省きなるべし。又莊の俗字を㽵庄に作る。故に糚も亦_粧に作る。妄も亦甚し。用うべからず。
           
           
1138 131 なきはは はは       歿母なり。女をもととし比匕を音とす。(形聲會意)釋名に妣は比なり。之を父に比す。書經に考妣を喪する如し。周禮に以て先妣に享す。蒼頡篇に考妣延年。亦生を謂ふ。
           
           
1139 131 ボウ さまたげ そこなう       害(ソコナフ)なり。女をもととし方を音とす。(形聲)女子小人の害をなすなり。越語に將に國家に妨げせんとす。老子に人行をして妨げしむ。注に傷なり。楚辭に敬して而して妨け無しと。
           
           
1140 131 妥󠄃 やすし         説文妥を脱す。然も周器の銘に曰く。用て眉禄を妥んず。又曰く遠近を妥懷す。正に古字なり。朱駿聲云く妥は安なり。爪女の會意。飲食男女は人の大欲これに存す。故に安は女に從ふと。(爪は上より下を撫するの意あり。)詩經に以て妥んじ以て侑む。爾雅に妥は止なり。又安坐なり。孟康云く妥は古の綏の字と。經傳は皆綏を以て代用す。詩經に福履之を綏んず是れなり。
スイ          
           
1141 131 セイ つま めあわす       婦の己(夫)に齊(ヒト)しきものなり。女又(テ)(手)と屮(テツ)の(會意)女が手に屮(クサ)卽ち帚を執るは妻の職なり。禮記に庶人に妻と曰ふ。本義なり。轉義は左傳に請うて之に妻はすと。
サイ          
           
1142 131 𡛷 あね         女兄なり。女をもととし。𪩲を音とす。(形聲)詩經に我が諸姑に問ひ。遂に伯𡛷に及ぶと。爾雅に女子の先生を謂ふて姉と曰ふ。
           
           
1143 131 あね         上に同じ。
           
           
1144 131           娒に同じ。下を見よ。
           
           
1145 131 マイ いもと         女弟なり。女をもととし未を音とす。(形聲)ビ。ミ。マイ古音轉通す。易の歸妹の注に。妹とは少女の稱なり。詩經に東宮の妹。傳に女子の後生を妹と曰ふと。
           
           
1146 131 セイ かばね うじ       人の生まるる所なり。古の神聖なる人の母は。天に感じて而して子を生む。故に天子と稱す。生に因て以て姓と爲す。(會意形聲)女が生むなり。生は音を兼ぬ。所とは神農は姜水のほとりに生まる。故に姜を姓とし。黄帝は姫水に居る。故に姫を姓とす。此類なり。又轉義は書經に百姓を平章にす。傳に百官。周語に百姓兆民。注に官に世(ヨヨノ)功あり。姓氏を受くる者なりと。
           
           
1147 131 おんなのな         女の字なり。女をもととし可を音とす(形聲)婀と別なり。
           
           
1148 131 おんなのはじめ はじめ     女の初めなり。女をもととし台を音とす。(形聲)タイ。シ古音轉通す。蓋し胎内にて女子の形の始めて定まるなり。轉じて凡そ始めの義となす。廣雅に太始は形の始なり。
           
           
1149 131           妒に同じ。上を見よ。
           
           
1150 132 セツ つかいびと そばめ めかけ     辠(ザイ)(罪)有る女子にて。之に給事し君に接するを得るなり。(_ン)(ツミ)と女の(會意)も重き罪なり。春秋傳に曰く。女の人の妾となる。妾は聘せざるなり。禮記に聘すれば則ち妻と爲り。奔れば則ち妾と爲ると。
           
           
1151 132 しとやか やさし つもる ゆだぬ つかる 委隨なり。女をもととし禾を音とす(形聲)クワ。イ轉音禾は和なり。人部に倭は順なり。委倭音義同じ。委隨(イダ)。隨は隋(ダ)の音。委蛇(イタ)と同じ。連語なり。詩經に委蛇。毛傳に行て迹に從ふべし。箋に委曲して自得するの貌。韓詩には逶迤に作り。コの美なる貌とす。皆一義の轉なり。順調の義より出づ。轉じて長き貌となし。字亦蜲に作る。但し委曲の字は説文は_(イキヨク)に作る。又聚(アツマ)る義となす。周禮に委積。注に少きに委と曰ひ。多きに積と曰ふ。多ければ卽ち委附。委任すべし。左傳に王三吏に委せしむ。注に屬なり。又曰く之を常秩に委す。注に任なり。又楚辭に欿然として悴して而して委憜す。注に委惰は懈倦。痿の代用なり。又廣雅に委は棄なり。孟子に委して而して之を去る。遺の代用なり。
  おとろう すてる      
           
1152 132 しうとめ しばらく       夫の母なり。女をもととし古を音とするも。(形聲會意)釋名に姑は故(古)なり。己よりも久故(古)(トシウヘ)なるを言ふと。姑の轉義多し。シバラクとは字音を借りて語詞となす。
           
           
1153 132 カン わたくし みだす かしまし ぬすびと   厶(ワタクシ)(私)なり。三女の(會意)私の淫行。多くの女と通ずるなり。其罪を忓といふ。古文は𢙶(忓)を以て姦となす。音義近く通用。書經に宼賊姦宄。三蒼に内に在るを姦と曰ひ。外に在るを宄と曰ふ。
           
           
1154 132 姿󠄄 すがた         態(サマ)なり。女をもととし。次を音とす。(形聲)情意に態といひ。形貌に姿といふ。其理相同し。釋名に姿は資なり。形貌の稟。取つて資本と爲すと。
           
           
1155 132 ユウ すすむ         侑に同じ。人部を見よ。
           
           
1156 132 しうとめ おどす のり     姑なり。女をもととし戌を音とす。ジユツ。ヰ古音轉通す。且つ戌に溫氣の義あり恤(アハレ)むの意とす。(形聲會意)字亦に作る。經傳は多く畏の代用となす。呂覽に威なる者は力なり。廣雅に威は健なり。則なり。威コなり。又威儀なり。左傳に威有つて畏るべき之を威と謂ふ。威は皆畏なり。𠂽の轉義に威を用ふ。音通のみ。
           
           
1157 132 うば         古此字なし。康煕字典に母に同く又姆に同し。但し姥は謝靈運の詩に見ふと。六朝字なり。老女の會意。
           
           
1158 132 コウ あう         后の俗字。易の姤の釋文に𦵮云く古文は遘に作る。鄭も同じ。鈕樹玉云く。開成石經に止だ雜卦に遘に作る遇なり。餘は皆姤に作る。章懷太子後漢書の注に云く姤の卦は本多く后に作ると。后は遘の代用のみ。
           
           
1159 133 テツ めい おい       女子で兄弟の子を謂ふと女をもととし至を音とす。(形聲)轉義は男子で兄弟の子なるも姪と謂ふ。又人を姪と稱する必す婦人なり。男子は兄弟の子を稱して從子と曰ふと。
           
           
1160 133 イン よめいり         壻(ムコ)の家なり。女の因る所なり。故に姻と謂ふ。女因の(會意形聲)因は音を兼ぬ。籀文は𣶒(淵)を音とす。禮記の注に壻に昏(婚)と曰ひ。妻に姻と曰ふ。轉義は周禮の注に婣は外親に親むなり。
           
           
1161 133 ケン わざあり うつくし       技なり。女をもととし幵を音とす。(形聲)段氏云く技とは巧なり。釋名に妍は研なり。事宜に研精にして蚩繆なし。蚩は癡なり。轉じて慧なりとす。又侵し難しと訓ずるは(アラソフ)の代用。又好なりとは嫺の代用。又安間の義とす緩の代用。
           
           
1162 133 ケン わざあり うつくし       上に同じ。
           
           
1163 133 うつくし         𡛖なり。一に曰く弱なり。女をもととし厄を音とす。(形聲)又那。阿那。娿娜に作る同じ。
           
           
1164 133 姬󠄂 うじ うつくし ひめ     黄帝は姫水に居りしを以て。依て姫を姓と爲す。女をもととし𦣝(キ)を音とす。(形聲)𦣝は頤に同じ。蓋し生れし所の地名に取るなり。(姓の下を見よ)其大姓なるが故に尊美の稱と爲すと。朱駿聲云く。漢書の文帝紀の注に姫は内官なり。史記の索隱に姫は衆妾の總名と。此名の正しからざるものなりと。
           
           
1165 133 姣󠄂 コウ うつくし         好なり。女をもととし交を音とす。(形聲)楚辭に姣麗施只。或は云く此を嬌の本字となすと。參に存するなり。
           
           
1166 133 シン はらむ みごもる       女の妊身して動くなり。女をもととし。辰を音とす。(形聲會意)辰に動くの意あり。晉語に太妊文王を娠むと。注に身(ミコモ)る有るなり。此を本義とす。爾雅に娠は動なり。注に猶ほ震のごとしと轉義なり。或は云ふ此はの代用なりと。
           
           
1167 133 おんなのもり       女師なり。女をもととし毎を音とす。讀む(音)母の若く同じと。(形聲)毎は母を音とす。ボ。マイ。クワイ古音通す。字林に姆に作る。禮記の注に娒は婦人の年五十にして子無きは出でて復た嫁せず能く婦道を以て人にヘゆる者なりと。
           
           
1168 133 ロウ むすめ         古此字なし。唐書に娘子軍の名あり。集韻に云く娘は少女の號なりと。六朝以後の字なり。或は孃を以て之に當は非なり。
           
           
1169 133 たのしむ         樂むなり。蓋し女子と樂む。女をもととし。呉を音とす。(形聲)轉じて娯樂の義となす。詩經に聊か興に娯むべしと。又經傳に虞を以て娯の代用をなす。
           
           
1170 133 ケイ           下の嫦を見よ。
           
           
1171 134 ヘイ ゆいのう とう       問ふなり。(結納を持して問ふなり)女をもととし甹を音とす。(形聲)禮記に娉すれば則ち妻となり。奔れば則ち妾となる。荀子に婚姻娉内。注に問の名なりと。又朝娉とは聘の代用。聘は使者の禮問なり。音義近し。
           
           
1172 134 まう         舞ふなり。女をもととし沙を音とす。(形聲)實は元と媻娑と連言して義をなす。又婆娑にも作る。
           
           
1173 134 メン こうむ しとやか       娩は免と同じ免の下を見よ。又内則に姆は婉娩聽從をヘゆとは媚の代用なりと。免バン眉ヒ古音は通ず。又娩ととは別なり。
バン          
           
1174 134 たおやか あだつぽい       弱長なる貌なり。女をもととし冄を音とす。(形聲)ゼン。ナン。ダ古音轉通す。那も冄を音とす。故にも亦娜に作る。通俗文に肥骨にして柔弱なるを_娜と曰ふ阿那といふ如し。説文に婐𡛖(アダ)の字あり。亦た同じ。要するに連言して義をなすもの。アダの音に主とすべし。
ゼン          
           
1175 134 テイ いも         女弟なり。女をもととし弟を音とす。(形聲)詩經に諸娣之に從ふと。
           
           
1176 134 ケン みめよし         好なり。女をもととし𡚇(ケン)を音とす。(形聲)上林賦に柔嬈にして々たり。漢書の注に柔屈の貌なりと。字亦娟に作る。肙(ケン)𡚇音同じ。魯靈光殿賦に旋室㛹娟として以て窈窕たり。正韻に嬋娟は美好の貌なり。
           
           
1177 134 おんなのな うつくし       帝堯の女。舜の妻。娥皇は字なり。女をもととし我を音とす。(形聲)又曰く秦晉に好を謂うて娥と曰ふと。此義はの代用なるべし。
           
           
1178 134 たわむる         戲なり。女をもととし矣を音とす。(形聲)字亦嬉に作る。實は僖を以て娭の代用をなす。
           
           
1179 134 うさぎこをうむ       兔の子なり。は疾なり。スルスルと生むなり。女兔の(會意)
           
           
1180 134 シユ めとる         婦を取るなり。女取の(會意形聲)取は亦音とす。冣(モツト)も取を重しとす。段玉裁云く彼れの女を取り。我の婦と爲すなり。經傳は取を以て娶と爲すと。
           
           
1181 134 シヨウ やくしや うたひめ あそびめ     倡の俗字なり。倡は樂人なり。人をもととし昌を音とす。又女倡あり。故に別に娼に作る。固より近出なり。後人は娼妓。遊女の義となす。本義を去る遠し。
           
           
1182 134 𡝞           妃の俗字。上を見よ。
           
           
1183 135 婦󠄃 おんな つま よめ     家事に服するなり。女が帚を持つ。(會意)婦の仕事は灑埽するなり。 妻の字と作法似たり。婦の轉義は廣し。廣雅に女子之を婦人と謂ふ。儀禮に婦人牀を夾む。注に妻妾子姓を謂ふ。禮記に士に婦人と曰ひ。庶人に妻と曰ふ。爾雅に子の妻を婦と爲す。又周禮に世婦。注に后宮の官なり。
           
           
1184 135 姘󠄁 ヘイ しりぞく のぞく       除くなり。女をもととし幷を音とす。(形聲)論語に四惡を屏(シリゾ)く。屏は代用。字亦迸に作る。大學に見ふ。
           
           
1185 135 よわよわし うつくし       娿なり女をもととし阿を音とす(形聲)氣分の塞ぐなり。又婀娜といふ。連言して義をなす。阿那にて足る。又婐𡛖と曰ふ同じ。
           
           
1186 135 ロウ むなし おろか       空なり。毌と中女とにて婁空の意とす。一に曰く婁務は愚なり。此説は信じ難し。毌(ブ)は秦の字。古文に非ず。又籀文を説いて人中女にて會意と_を音とすと。是れも亦疑はし。秦の刻石に依るも空義を見出し難し。孟子に離婁の明。説文に麗廔囧明本義なるべし。管子に婁々然。注に疏なり又屢に作る。僂を以て代用するなり。又論語に屢しば人に憎まる。注に數なり。爾雅に屢は疾なり。婁は亟なり。一義の轉用なり。
         
           
1187 135 おごる いばる ばば     奢るなり。女をもととし般を音とす。(形聲)般(ハン)波(ハ)一轉音なり。別義は一に曰く小妻なり。一に曰く老女の稱と。又連語は詩經に媻娑。爾雅に舞なり。古賦に婆娑。般姍に同じと。
           
           
1188 135 エン しとやか すなお       順なり。女をもととし宛を音とす。(形聲)禮記に婉婉聽從。此を本義とす。轉じて詩經に清揚婉たり。傳に好眉目なりと。又_は婉なり。女をもととしを音とす。宛はを音とすれば婉は固より同字なり。
           
           
1189 135 コン よめいり むこどり       婦の家なり。禮に婦を娶るには昏時を以てす。婦人は陰なり。故に婚といふ。女昏の(會意形聲)昏は亦音なり。經傳は多く昏を以て婚となす。詩經に昏姻の故と。
           
           
1190 135 はしため こしもと       女の卑き者なり。女卑の(會意形聲)卑は亦音なり。禮記に世婦より以下。自ら稱して婢子と曰ふ。注に婢の言は卑なりと。内則に父母に婢子あり。
           
           
1191 135 シヤ おんなやむ うつくし       女病むなり。女をもととし卓を音とす。(形聲)此字はの代用にて行はる。廣雅に婥約は好なり。廣韻に婥約は美なる貌と皆の轉義なり。
           
           
1192 136 イン たわむる いたずらごと     厶(シ)(私)逸なり。女をもととしを音とす。(形聲會意)は近く求むるなり。便嬖(オキニイリ)の意なり。多くは淫を以て婬の代用となす。小爾雅に上に淫するを烝と曰ひ。下に淫するを報と曰ひ。旁らに淫するを通と曰ふ。
           
           
1193 136 うつくし こしもの       𡛖なり。一に曰く女侍なり。女をもととし果を音とす。(形聲)孟軻曰く舜天子と爲つて二女婐すと。按ずるに婐𡛖は連言なり。𡛖を見よ。
           
           
1194 136 ラン むさぼる         貪なり。女をもととし林を音とす。(形聲)離騒に衆皆競ひ進んて而して貪婪なり兮と。
           
           
1195 136 イン           姻に同じ。上を見よ。
           
           
1196 136 わるがしこい うすし     巧黠なり。女をもととし。兪を音とす(形聲)字亦偸に作る。論語に民偸からずと。巧黠なる者は輕薄なり。其心は愉と曰ふ。偸愉音義近し。或は元は同字か。轉義は左傳に齊君の語偸なり。注に苟且なり。又婾樂と曰ふは愉の轉義の代用なり。いはゆる愉快なり。輕薄人は愉悦し易きなり。
           
           
1197 136 ナン           嫰の本字。下を見よ
           
           
1198 136 タン ふける たのしむ       樂むなり。女をもととし甚を音とす。(形聲會意)樂の甚しきなり。甚は匹耦に甘んず。甚は同字なるべし。字亦愖に作る。酒に荒愖す。又色にると。又湛を借りて之と爲す。
           
           
1199 136 㛮󠄁 ソウ あによめ         兄の妻なり。女をもととしを音とす。(形聲)一旦嫂に作り。又訛してに作る。釋名になり。は老なり。
           
           
1200 136 セツ なれる あなどる       なり。女をもととし枼を音とす。(形聲)通俗文に相狎習(ナレナルル)を之を媟と謂ふ。猥褻(セツ)の本字。
           
           
1201 136 ノウ なやむ         惱の本字なり。心部を見よ。
           
           
1202 136 婿 シヨ むこ         夫(ヲツト)なり士又は女をもととし胥を音とす。(形聲)妻から見れば夫は男なり。故に士をもととす。女に配する故に或は女をもととす。字亦聟に作る俗字。
セイ          
           
1203 136 媛󠄃 エン うつくし ひめ       美女なり。人の援(ヒ)かんと欲する所なり。援爰は元と同字。(形聲會意)詩經に國の媛なり。傳に美女を媛と爲す。箋に邦人の依倚して援助と爲さんとする所と。才色兼備の女を謂ふなり。
           
           
1204 137 たのしむ         説(エツ)(悦)樂(ラク)なり。女をもととし巸を音とす。(形聲)經傳は煕を以て代用とす。
           
           
1205 137           𡡾に同じ。下を見よ。
           
           
1206 137 バイ なかだち         謀つて二姓を合はすなり。女をもととし某を音とすも。某は謀の省(形聲會意)ボウ。バイ一轉音なり。轉義は凡そ媒合となす。漢書に媒。注に麹餅を媒と曰ふ。
           
           
1207 137 ボウ ねたむ そつとみあう     婦が夫を妬むなり。女をもととし冒を音とす。(形聲)書經に冒疾して以て之を惡む。大學は媢に作る。注に妬なり。説文に一に曰く。梅目相視るなり。玉藻の視容梅々の如し。微を謂ふなりと。
           
           
1208 137 うつくし         色の好なり。女をもととし美を音とす。(形聲會意)此を美女。美人の本字とす。美惡も亦然り。周禮に媺に作る。𣁋秒の意か。
           
           
1209 137           媠に同じ。下を見よ。
           
           
1210 137 嫁󠄂 とつぐ よめいり       女の人に𨗁(ユ)くなり。夫と𨗁するなり。女と家の(會意形聲)段氏云く家よりして出づる之を嫁と謂ひ。夫の家に至るに歸と曰ふと。古書經傳多く家を以て嫁となす。
           
           
1211 137 嫌󠄃 ケン きらう こころよからず うたがう   心に平かならざるなり。女をもととし兼を音とす。(形聲)淮南子に而して意慊ならず。慊は代用字なり。又或は嫌を以て慊の代用とす。説文一に曰く疑ふなり。易に其陽无(ナ)きは慊ふが爲めなりと慊は疑なり。心をもととし兼を音とす。嫌慊殆と同し。不平なれば疑ひ無き能はざるなり。
           
           
1212 137 ジヨウ しとやか うつくし       (娜)なり。心をもととし弱を音とす。(形聲)ジヤク。デウ一轉音なり。上林賦に嫵𡡾㚩嫋なりと。
           
           
1213 137 オウ ばば         女の老稱なり。女をもととし𥁕を音とす。(形聲)は熅煖の本字。溫情の會意もあるべし。漢書の注に老嫗を媼と爲すと。廣雅は媼は母なり。
オン          
           
1214 137 シツ ねたむ         妎なり。(妎は妬なり)人又は女をもととし疾を音とするも(形聲會意)疾は惡むなり。離騒の注に賢を害するを嫉と曰ひ。色を害するを妬と曰ふ。字が人をもととするが故にしかいふなり。轉じて女の妬を謂ふ。故に字亦嫉に作る。古は多く疾を以て嫉の代用をなせり。
           
           
1215 137 媿 はず はじろう       愧と同し。心部を見よ。
           
           
1216 138 媾󠄄 コウ かさなるえんぐみ なかなおり     重(カサナル)婚なり。女をもととし冓を音とす。(形聲會意)冓は構と同じく重ね交ふるの意あり。易に𡨥に匪ず婚媾すと。或は后を借りて之となし。字亦姤にに作ると。今は以て媾和の字とす。講の代用なり。講は和解なり。其轉義を講説。講演となす。婚媾の義と遠し。唯音通のみ。又易の彖傳に姤は遇なりとは遘の代用。然も易の古本は唯だ后に作る。姤は實は后の異體のみ。又管子に其人夷姤。注に好と。の代用と。
           
           
1217 138 嫡󠄂 テキ つつしむ ぼんさい そうりよう     (ツツシム)なり。女をもととし啻を音とす。(形聲)此字は古來假借代用にて行はる段氏云く嫡庶子は古はただ𨗁に作る。𨗁とは之(ユク)なり。之く所は必ず定まる有るなり。詩經に天位殷𨗁。傳に紂天位に居て而して殷の正𨗁なり。經傳に今嫡に作る皆古ならずと。又一説に嫡子は敵の代用となす。詩經の釋文に嫡は正夫人なり。公羊傳に𨗁を立つるに長を以てす。釋名に𨗁は敵なり。匹(ツレアヒ)と相對するなりと後説是に似たり。敵の轉義のみ。
チヤク          
           
1218 138 嫚󠄂 マン あなどる みただす なれなれし     侮(ブ)易なり。女をもととし曼を音とす。(形聲)賈子に敬に反するを嫚と爲す。禮記の注に時人倨なりと。字亦に作る。轉義は漢書に嫚戲。注に褻行なりと。又輕嫚。懈嫚とは慢の代用なり。
           
           
1219 138 セン もつぱら         壹なり。女をもととし專を音とす。(形聲)嫥壹は專一の本字なり。説文に一に曰く女の嫥々なり。玉篇に愛す可きの貌なり。
           
           
1220 138 ゼン やさし やわらか       好き皃なり。女をもととし耎を音とす。(形聲會意。)廣雅には弱なり好なり。又耎(ヤハラカ)の代用をなし字亦變じて嫩に作る。又別義は字林には女の饋(オクリモノ)なりと。
ナン          
           
1221 138 やもめ         古此字なし。の俗字なり。は眞二ツに割るなり。而して其一片は離れ者なり。故に寡婦の義となす。古或は釐を借りて之が代用をなす
           
           
1222 138 コウ つきひめ うつくし       嫦亦姮に作る。皆古字にあらず。後漢書天文志に嫦娥は羿の不死の藥を竊んで月に走ると。嫦姮はの異體なるべし。常亙と巠と音近し。は長好(スラリトシタ姿)なり。女をもととし巠を音とす。漢書の注に娥は美なる貌と。亦娥の本義は堯の女。舜の妻なり。女をもととし我を音とす。娥は音借字。
ジヨウ          
           
1223 138 ゴウ あなどる         侮易(アナドル)なり。女をもととし敖を音とす。(形聲)
           
           
1224 139 はは あたたむ       母なり。女をもととし區を音とす。(形聲)史記に老嫗夜哭す。又禮記に煦嫗萬物を覆育す。注に氣に煦と曰ひ。體に嫗と曰ふとは傴の代用なり。
         
           
1225 139 ヒヨウ かろし はげし       輕なり。女をもととし票を音とす。(形聲會意)票に輕意あり。又人部に僄は輕なり。人をもととし票を音とす。嫖僄は同字のみ。
           
           
1226 139 キヨウ けだかし みめよし       古此字なし。玉篇に嬌は姿なりと。一切經音義に姣は古文の嬌と。姣は好なり。交喬音通す。然も按ずるに喬に高き義あり。人部に僑は高なり。人をもととし喬を音とす。疑くは嬌は僑の別體。僖嬉の例の如し。亦用ひて姣の代用をなすべし。又文選の注に嬌は恣まなり。驕の代用。
           
           
1227 139 なまめく うつくし       南楚の外に好を謂うてと曰ふ。女をもととし隋(ダ)を音とす。(形聲)又省いて媠に作り憜と通ず。
           
           
1228 139 セン ゆるやか あでやか       緩なり。女をもととし亶を音とす。(形聲)亦嬋に作る。亶單音通ず。緩とはユツタリシタ姿なり。又傳と訓ず憚の代用なりと。又連言して義をなすものは西京賦に嬋妍。注に姿態の妖蠱なるなりと。
           
           
1229 139 𡡾 にこにこがお こびる うつくし   説(エツ)(悦)なり。女をもととし睂を音とす。(形聲會意)喜色の眉宇の間に見はるるなり。詩經に媚なる周姜を思ふ。傳に愛なり。又天子に媚ぶ。小爾雅に媚は美なり。廣雅に好なり。轉々して義を生ず。
           
           
1230 139 カン みやびやか         嫺雅なり。女をもととし間を音とす。(形聲會意)史記に雝容嫺雅は嫺習なりと。
           
           
1231 139 たのしむ たわむる       樂むなり。人をもととし喜を音とす。(形聲會意)字亦嬉に作る人女の二部は往々にして通用す。蒼頡篇に嬉は戲笑なり。一説に嬉戲は娭の代用と。娭は戲と訓ず
           
           
1232 139 ふくぶくしきかお うつくし     媚なり。女をもととし無を音とす。無に豐義あり。(形聲會意)通俗文に頬輔(ホウ)妍美を媚嫵と曰ふと。字亦。姱。嫮に作る好と訓ず。
           
           
1233 139 ヘイ いつくしむ おきにいり めかけ     便嬖は愛なり。女をもととし辟を音とす。(形聲)左傳に嬖人の子なり。鄭語の注に邪僻を以て愛を取るを嬖と曰ふと。
           
           
1234 140 𡢗 ヨウ           要に同じ。西部を見よ。
           
           
1235 140 セン           嬋の本字。上を見よ。
           
           
1236 140 ジヨウ           嫋の俗字。上を見よ。
           
           
1237 140 ヒン したがう めあわす       服なり。(服事なり)女をもととし賓を音とす。(形聲)書經に二女を降して虞に嬪たらしむと本義なり。轉義は左傳に嬪婦。注に婦官なり。周禮に其貢は嬪物。注に絲枲なり。又禮記に生に妻と曰ひ死に嬪と曰ふとは賓の代用にて賓敬するの意なりと。
           
           
1238 140 エン やすらか         好なり。女をもととし厭を音とす。(形聲)爾雅に々は安なり。注に好人安詳の容なりと。
           
           
1239 140 ジユ よわし つま       弱なり。女をもととし需を音とす。(形聲會意)需濡と皆柔弱の意なり。一に曰く下妻なり。又轉義なり。易の歸妹以て須。陸績は嬬に作る。注に妾なりと。
           
           
1240 140 ラン あやまつ みだり       過ち差ふなり。女をもととし監を音とす。(形聲)論語に曰く。小人窮すれば斯れ㜮す。段氏云く凡そ當を得ざるを㜮と曰ふ。
           
           
1241 140 エイ くびかざり ちのみご       頸の飾りなり。女賏の(會意形聲)賏(エイ)は音を兼ぬ賏も頸飾りなり。二貝の會意。連貝以て之を爲(ツク)る而して荀子に處女をして寶珠を嬰せしむ。賏は體にて嬰は用なり。嬰の字は多くの代用にて行はる。禮記に路に中つて嬰兒母を失ふと。_は嫛婗なり。女をもととし殹を音とす。
           
           
1242 140 ケン           娟の本字。上を見よ
           
           
1243 140 トク なれる けがす       なり。女をもととし賣を音とす。(形聲)又䢱は媟䢱なり。辵をもととし賣を音とす。又黷は垢を握持するなり。Kをもととし賣を音とす。此三字は音義皆近し。
           
           
1244 140 ジヨウ みだる むすめ       𢹎(ゼウ)(擾の本字)なり。女をもととし襄を音とす。(形聲)蓋し女(ヲンナ)心の煩悶。胸擾(サハ)ぎ。古は攘を以て孃の代用とし。又讓を以て攘の代用となす。本字は煩孃。推攘。謙攘。責讓なり。説文に孃は一に曰く肥大なりとは䑋の代用。段氏云く廣韻に孃は母の稱なり。娘は少女の號なり。音同じ。唐人の分用は畫然たりと。然れば今人令孃の字を用ふ。正字に非ず。
           
           
1245 140 ラン ものうし         懶の本字なり。心部を見よ。
           
           
1246 141 セン こまかにゆきとどく うつくし     鋭細なり。女をもととし韱を音とす。(形聲)女子の穎才の繊微に行きとどくなり。漢書に至孅至悉なりと。又上林賦に嫵媚繊弱なり。注に弱顏なりと。轉義なり。
           
           
1247 141 レン したう こい       慕ふなり。女をもととし䜌を音とす。(形聲)後變して心に從ひ戀に作る。但し䜌は亂なり。女史思慕の情。本心を䜌(ミダ)すの意が。又詩經に婉たり孌たり。傳に少好の貌なりと𡡗の代用なり。𡡗は順なり。
           
           
1248 141 シヨク つつしむ みめよし       謹なり。女をもととし屬を音とす。(形聲)祭義に洞々乎屬々乎。勝へざるが如しと。廣雅に屬々は敬なりと。屬々は敬なりと。屬は代用字なり。
           
           
1249 141 ひとのこ こい       人の子なり(象形)胎内に在りては巳(シ)()と曰ひ。生れて襁褓の中に在るを子と曰ふと。字形はの系なり。禮記に子なる者は親の後なり。史記に子は滋(フヘル)なり。轉義は白虎通に子とは丈夫の通稱。書經に勉めよ哉(ヤ)夫子と。又禮記に君子なる者は人の成名なり。又白虎通に王者は天を父とし地を母とす。故に天子と稱す。廣雅に伯子男は君なり。(此義は字音を假りて名となすもの)論語に小子。注に門人なり。又周禮の注に小子は祭祀の小事を主どる(官名)廣雅に子は雛(トリノコ)なり。史記に子して金錢を貸す。索隱に利息を謂ふと滋するなり。
           
           
1250 141 コウ やすらかにうまる とおる あな   通るなり。人の子のヤスヤスと生まれるなり。𠃉(イツ)子の(會意)𠃉(ツバメ)は燕なり。𠃉の來る頃に女は子を得んと祈る。𠃉は之を嘉(ヨロコビ)美(ホメル)するなりと(古代の一種の習慣)轉義は爾雅に孔は間なり。注に穴なり。或は曰く空の代用と。又曰く孔は甚(ハナハダシ)なりとは甚の代用と。古音轉通なり。又昔を借るものは。聖人の姓に。孔子あり。又海内經に孔鳥。注に孔雀なりと。
           
           
1251 141 𡥀 ホウ           保に同じ。人部を見よ。
           
           
1252 141 ヨウ はらむ         子を裹(ハラム)(懷む)なり。子をもととし乃を音とす。(形聲)ダイ。ヨウ轉音通ず。易に孕婦育せず。注に娠なり。禮記の注に孕は妊なり。字亦𣎜𡢘𥀨に作ると。
           
           
1253 142 こをうむ もじ あざな     乳なり。(子を生み乳(チチ)のます)子の宀(イヘ)の下にある(會意形聲)子は亦音とす。轉義は文字となす。字とは乳して浸(ヤウヤ)く多きを言ふと。又撫(ヤシナフ)なり。又轉じて禮記に巳に冠して之に字(アザナ)す。名と字(アザナ)とは字義必す相應ず。孔子の名は丘で。字は仲尼(尼はの代用で丘は共にヲカの義となす。)の類なり。又左傳に我を字(イツクシ)むと慈の代用。人及ひ鳥は字。獸はといふ。
           
           
1254 142         子に同じ。上を見よ。
           
           
1255 142 コウ よくおやにつかう       善く父母に事ふる者なり。老と子の(會意)子は老に承くるなりと。老は考(チチ)なり。親の心事を承け繼いて愼み行ふなり。故に孝經に親に事ふるに始まり。君に事ふるに中し。身を立つるに終る。
           
           
1256 142 ソン います かえりみる たもつ     恤問なり。子と在の省にて(會意)省み視るなり。存在を恤問するなり。易に成性存々。疏に其終を保つを謂ふ。漢書に長老を存問す。注に省視なり。
           
           
1257 142 とりたまごをかえす まこと     卵の孚(カヘ)るなり。爪と子の(會意)通俗文に卵の化を孚と曰ふと。爪は人の手なり。足にて反覆(フク)して溫めるさまは。人の手を下に向けて扱ふがごとし。故に爪を借る。古文は呆に從ふ。呆は古文の保の字で抱覆(フ)して煦嫗(アタタメル)するの意とす。孚は一に曰く信なりとは轉義なり。徐鍇云く鳥の卵を孚するは皆其期の如し。信を失はざるなり。易に中孚は信なり。左傳に小信は未だ孚ならず。注に孚は大信なり。又詩經の箋に孚甲始て生ずとは。稃(モミ)の代用。又禮記に孚尹旁(カタハラ)達とは𦺉(フ)(ヒロガル)の代用。又易に羸豕孚とは鶩の代用。又書經に天卽ち命を孚(アタ)ふ。付の代用
           
           
1258 142 つとむ         汲々なり。攴をもととし子を音とす。(形聲)周書に曰く。孜々として怠る無かれと。孜々重言して義をなす。經傳は々を借る。音通なり。
           
           
1259 142 𡥈 コウ ならう         效(ナラ)ふなり。(一本は放なりに作る。放は仿(ナラフ)の代用)子をもととし爻を音とす。(形聲)𡥈ふヘゆる。相對して義をなす。一説に𡥈は古文の學の字なりと。或は是なり。
           
           
1260 142 しもべ         古此字なし。奴の俗字なり。女も子も義近し。孥に作る意が重複す。詩經に妻帑とあり。帑は奴の代用なり。孥は六朝以後に出づべし。
           
           
1261 143 ハイ むつとする けしきばむ       𢍚孛なり(𢍚は艸木の𢍚孛なり)𣎵子の(會意)人の色なり。故に子をもととす。𣎵は艸木の盛なり。論語に色孛如なりと今本は勃を代用となす。
           
           
1262 143 孤󠄃 みなしご         父無きなり。子をもととし瓜を音とす(形聲)孟子に幼にして父無きを孤と稱す。廣雅に孤は獨なり。本義なり。轉義は呂覽に君孤寡と名く。注に人君の謙稱なり。東京賦に西戎孤臣。注に孤陋の臣を謂ふなり。後漢書の注に孤は負なり。段氏云く恩に背く者を孤負と曰ふなりと。
           
           
1263 143           嗣に同じ。口部を見よ。
           
           
1264 143 ガイ           咳と同字なり。口部を見よ。
           
           
1265 143 ちいさし わかし すえ     少(ワカシ)の稱なり。子と稺(ワカシ)の省とて(形聲會意)稺は音を兼ぬ。禮記の注に伯仲叔季は長幼の稱なり。段氏云く叔季皆少なり而して季は叔よりも少と。轉義は月令に季春の月。晉語に三季の王。注に末なりと。
           
           
1266 143 ホウ はじめ つとむ おおいなり     長なり。子をもととし皿を音とす。(形聲)ベイ。ハウ轉音なり。書經に孟矦。大傳に天子の太子なり。詩經に美なる孟姜と。傳に長女なり。轉義は禮記に孟春。廣雅に孟は始なりと。又勉と訓ずるはサの代用。ブン。ハウ古音轉通。又管子に高言孟行。注に大なりとは猛の代用。又孟浪の言とは連言義をなす。精要ならざる貌なり。
モウ          
           
1267 143 ベン こうむ         子を生み身を免するなり。子免の(會意)然も説文に免を脱す。而して免を音とするの字多し。要するに免はの省文。免下を見よ。
           
           
1268 143 ソン まご したがう のがる     子の子を孫と曰ふ。系をもととし子と(會意)系は續ぐなり。禮記の注に孫は祖の後たる者を謂ふなり。爾雅に子々孫々。引いて極り無きなり。轉義は周禮の大司樂に孫竹の管。注に竹の枝根の末生なる者なりと。又詩經に厥(ソノ)孫謀を詒(ノコ)す。箋に順なり。儀禮に辭常無く孫にして説く。禮記に民に孫心有り。注に順なり。此等はの代用。は順なり。心をもととし孫を音とす。又春秋に夫人齊に孫(ノカ)るとは遜の代用なりと。
           
           
1269 143 ジユク よくにゆ くわし たれか いずれか   食の飪(ジン)(ヨクニユル)なり。丮(ゲキ)(待つ意)𦎫(ジン)(ニエタモノ)の(會意)手に丮持するは食ふ所以なりと孰は熟の本字。後世火を加ふるのみ。轉義は孟子に苟も不熟を爲さば。注に成なり。又凡そ事を慮(オモンパカ)るは孰を欲す。注に精審を謂ふ。又論語に孰か忍ぶ可ら不(ザ)らん注に誰かなり。舊説に𠼡實は𠷎の代用と。然も敦の代用のみ。又或は云く塾も亦孰に同じと非なり。熟の本字は𪤯なり。但し孰塾音通を得るなり。
           
           
1270 144 孳󠄃 こがふえる         々として(子を)生むなり。子をもととし茲を音とす。(形聲會意)茲に艸木の多くuすなり。茲音同く義近し。列子に其民は阜無數と本義なり。轉じて書經に鳥獸は尾。傳に乳化をと曰ふと。又經傳に孜の二字通用す。孟子に々として善を爲す者とは孜の代用。經傳に或は滋を以ての代用をなす。
           
           
1271 144 トウ こをそだてる         乳なり。子をもととし。殻を音とす。(形聲)段氏云く乳とは子を生むを謂ふ。此乳は既に生れて之を乳哺するを謂ふと。口から口へ含ませるをいふなり。爾雅に生れて哺するは鷇。生れて噣(ツイバム)するは雛と。疏に鷇は燕雀の屬。雛は雞雉の屬と。鷇は㝅の異體なり。俗に亦に作る。又連言して語義をなすものは説文一に曰く㝅瞀なり。朱駿聲云く卽ち荀子の溝瞀。愚にして知る無の貌と。
コク          
           
1272 144 たまごをかえす       古此字なし。集韻に音は孚。孵化なり。陸績云く自ら孵して鷇すと。蓋し孵は孚の俗字なり。又鷇も㝅の俗字のみ。
           
           
1273 144 ガク まなぶ         覺(サトリ)悟(サトル)なり。學べは悟るなり。ヘと_(_)_(キヨク)の(會意形聲)_は覆ふなり。其裏は暗し。矇の如しと。童冡(蒙)の意とす。ヘへて童冡を啓發す。童冡は受けたるヘを大切に_持して失はぬやうにする。學は省又なり。蓋しヘは上の施す所にして。下の效ふ所なり。のヘ部にあるの意を知るべし。中庸に學を好むは知に近しと。卽ち覺悟するなり。故に學の轉義はヘと同じ。書經庚般に民に(オシ)ふとあり。又僞説命に惟れ學半ばすと。は轉義のみ又轉じて學ふ所をも學と曰ふ。禮記に小學は公宮の左にあり。大學は郊にありと。璧雝。又頖宮是れなり。又莊子に蜩と學鳩と之を笑ふと。鷽の代用。鷽は山鵲なり。
           
           
1274 144 ジユ ちのみご         乳(子)なり。子をもととし需を音とす。(形聲)内則に孺子は蚤寢にして晏起す。轉義は孟子に孺子あり歌つて曰く。注に童子なり。又曲禮に大夫に孺人と曰ふ。嬬の轉義の代用なるべし。
           
           
1275 145 ゲツ わきばらのこ わざわい     庶子なり。子をもととし辥を音とす。(形聲)左傳に臣僕孼庶。注に衆賤子なり。又漢書に妖孼。注に災なりとはの代用なり。
           
           
1276 145 チヨ たくわう そなえる とどまる たたずむ   積物を辨ずるなり。(象形)_は貯ふべきの所。_丫は上より。下より入るるの意か。而して此内に貯積し在る者は需要に應して支辨し得るなり。宁貯音義近し。段氏云く。積とは聚なり。宁貯は古今字なり。周禮の注に𡪄に作る。史記は積著に作る。爾雅に門屛の間を宁と曰ふ。郭注に人君の朝を視るに宁立する所の處と。毛詩の傳に曰く。宁立は久立なり。然らば則ち凡そ宁立と云ふ者は正に積物の義の轉用。俗字は佇竚に作ると。
           
           
1277 145 ジヨウ むだ         𢽳(サン)(チラバル)なり。宀(ヘン)をもととす。人が徒(タダ)に空く屋下に在て田事(仕事)無しと。失職者で。無用の人なり。亦間散人なり。漢書に流散穴食とあり。
           
           
1278 145 みだす         姦なり。外よりするは盜と爲し。内よりするは宄と爲す。宀をもととし九を音とす。(形聲)古文は宀又心を以て會意し。九を音とす。書經に𡨥賊姦宄と。左傳に亂の外に在るを姦と爲し。内に在るを宄と爲すと。
           
           
1279 145 タン へび         蛇の本字なり。虫部を見よ
           
           
1280 145 キユウ やまし         疚の本字なり。疒部を見よ。
           
           
1281 145 アン やすし いずくんぞ       (セイ)(安靜の本字)なり。女の宀(イヘ)の中に在るの(會意)女は内を守る。安定の謂ひなり。易に用を利し身を安んず。轉義は晉語に君父の安んずる所なり。注に猶ほ善のごとし。淮南子。百姓之に安んず。注に樂むなり。亦語詞の(イヅクンゾ)とは曷の代用。古音轉通す。易に安くにか行かん。
           
           
1282 145 タク すまい やすし       人の託し居る所なり。宀(ヘン)(イヘ)をもととし乇を音とす。(形聲)然も乇を託の省きとすれば會意を兼ぬ。轉義は易に上以て厚く下安宅すと。書經に嵎夷に宅すと。轉義は儀禮に宅者。注に致仕する者の官を去り宅に居るを謂ふ。孝經に其宅兆を卜す。儀禮の注に葬居なり。又易に百果艸木甲宅すとは坼(サケル)の代用。又詩經に是の鎬京を宅す。度の代用。
           
           
1283 146 シユ まもる         守る官なり。宀をもととし寸にて(會意)宀をもととし寸にて(會意)宀は寺府(ヤクシヨ)の事なり。寸は法度なり。官庭を守護するなり。轉義は左傳に道を守るは官を守るに如かず。又書經に五載一び巡守す。孟子に守る所を巡るなりと。轉義は禮記に守戌。疏に舎宅を守禦する者なりと。廣雅に守は久なり。漢書に數ば大將軍に守す。後漢書の注に守は猶ほ求のごときなりと。或は求の代用か。
           
           
1284 146 いえのまわり はて おおいなり   屋邊なり。屋の四垂なり。宀をもととし。人は禹を音とす(形聲)凡そ于を音とする字は大なる義あり。楚辭に高堂䆳宇。轉義は左傳に其守を失す。注に國を於ては四垂(ダ)(ハテ)を宇と爲す。三蒼に四方上下を宇と曰ひ。往古来今を宙と曰ふ。又淮南子に燕雀は以爲らく鳳皇は與に宇宙の間に爭はず。高注に宇は檐なり。宙は棟梁なりと。諸説詳かならす。莊子に宇の泰定なる者は天光を發す。注に器宇なり。
           
           
1285 146 ソウ すまい くにのな       居なり。宀と木の(會意)字の作意は困と似たり。但し木は防風。防雪の樹林なれは。屋の周邊にあるべきも。字形の便宜上。宋に作る。又借りて古の國名となす。
           
           
1286 146 カン まつたし         全なり。宀をもととし元を音とす。(形聲)孟子に舜をして廩を完うせしむ。注に治るなりと。字の本義なり。轉じて凡そ完全。完好の義となす。朱駿聲云く荀子に完利。注に堅なり。院の代用。左傳に完(カキ)を繕し牆を葺す。_卽ち寏の代用。又後漢書に完然。注に自得の貌と寛の代用。
           
           
1287 146 ニク しし         肉の俗字なり。篆體の_を分解すると_に似たり。依つて此宍をなす。六朝出の奇體なり。宀部の字に非す。
           
           
1288 146 コウ ひびき おおいなり ひろし     屋の深(フカキ)響(ヒビキ)なり。宀をもととし厷を音とす(形聲)厷の字の音がコーンの響きなり。大屋の中にて大聲を發すれば響き渡るなり。此を本義となす。考工記に其聲は大にして而して宏なり。轉義は易に含宏光大。爾雅に宏は大なりと。書經の酒誥に宏父を保す。傳に大なり司空なり。
           
           
1289 146 ヨウ           容の別體たり。下を見よ。
           
           
1290 146 𡧋 ヒン           貧の古文。貝部を見よ。
           
           
1291 146 コウ ひびき         屋の響なり。宀をもととし。弘を音とす。(形聲)宏と同字異體なるべし。
           
           
1292 146 ヒツ やすし         安なり。宀をもととし必を音とす。(形聲)埤蒼に宓は祕安なり。
フク          
           
1293 147 トウ とおる ゆきぬけ ひろし     過ぎるなり。一に曰く洞屋なり。宀をもととし碭の省きを音とす。(形聲)朱駿聲云く四方ともに圍ひ無きなり。轉じて寛廣の義となす。又穀梁傳に中國に佚宕すとは盪の代用なり。經傳多く蕩を借用す。
           
           
1294 147 カン つかさ やくめ       吏の君に事ふるなり。宀と𠂤(タイ)(堆の本字)の(會意)𠂤は衆の意。師の𠂤と同意なり。禮記に官師一廟。注に中士下士と。轉義は孟子に耳目の官と。禮記注に事のごとし。
           
           
1295 147 ソウ みたまや むね あつまる     尊祖の廟なり。宀と示の(會意)宀は廟の形。示は祭神の意とす。轉義は宗族。五宗と爲し。儀禮に爾が父母の言を宗とす。注に尊ぶなり。禹貢に江漢海に朝宗す。子孫の祖廟に朝する如し。又易に同人宗に于てす。叢の代用と。楚辭に室家遂に宗(アツ)まると亦同じ。
シユウ          
           
1296 147 テイ さだまる さだむ ただし いただき なる 安なり。宀をもととし正を音とするも(形聲會意)正きが故に安定を得るなり。詩經に以て王國を定む。易に天地位を定む。一義の轉なり。又書經に閏月を以て四時を定(タダ)す。史記は正に作る本字なりと。又詩經に麟の定と。頂の代用。亦に作る又儀禮に羹定(ナツ)て賓を速(マネ)く。注に猶ほ熟のごとしと成の代用。又書の序に禮樂を定(トトナ)ふ。疏に修めて而して改めざるを定と曰ふと。
ジヨウ ととのう        
           
1297 147 チユウ あめつちのあいだ       舟輿(フネカゴ)の極はまりて覆(カヘ)る所なり。ハテからハテなり。宀をもととし由を音とす。(形聲)宀は覆(オホフ)なり。天の意か。宇宙と謂ふ。其説一ならず。蓋し太古以來不變の天體といふ義に歸する如し。
           
           
1298 147 よろし うべ       安んずる所なり。宀(イヘ)の下の一は地なり。安處すべきの所なり。多を音とす(形聲會意)タ。ギ轉音なり。宀下一上に多くの物備はる。安居皆宐きなり。蒼頡篇に宐は其所を得るなり。詩經に其室家に宐し。又の傳に其事に宐し。禮記に子甚た其妻を宐しとす。注に猶ほ善の如し。又晉語に宐に施さんとす。注に義なりと。𧧼の代用。太玄に是の宐コを好すと嘉の代用なり。
           
           
1299 147 エン かまぼこごや まがる うねる わだかまる 艸を屈して自ら覆ふなり。宀をもととしを音とするも。段氏云くは轉臥するなりと(形聲會意)轉義は宛曲。宛轉となし。屈となす。字は亦蜿に作る。而して史記に蜿蟺膠戾。索隱に展轉なり。又字音を借りて形容するもの。詩經に宛たる彼の鳴鳩。傳に小なる貌。又宛然として左に辟(サ)く。傳に辟ける貌。又宛として水の中央にあり。箋に坐して見る貌と。アダカモの訓も之に出づべし。
  あたかも        
           
1300 148 カク まろうど         寄(ヨ)るなり。宀をもととし各を音とす。(形聲)曲禮に主人客を敬すれば則ち先づ客を拜すと。宀は客の居る所の屋なり。朱駿聲説に客は賓よりも小なり。周禮の大行人に大賓及び大客の儀を掌る。又象胥に國客の禮儀。注に諸矦の使臣。若し散文すれば則ち賓客は通稱なり。禮記に濟々たる者は客なり。釋文に賓客なり。轉義は禮記月令の注に。客と爲り不利と。疏に兵を起し人を伐つ者之を客と謂ふ。
キヤク          
           
1301 148 シツ へや むろ おおいえ とりのす さや 實なり。(人物其中に充實す)宀をもととし至を音とするも。室屋は人の至り止まる所なり。(形聲會意)シ。シツ轉音なり。易の繫辭傳に上古は穴居にして而して野處す。後世聖人之に易ゆるに宮室を以てす。段氏云く古者宮室は貴賤同稱。秦漢以來惟だ王の居る所を宮と稱す。轉義は宗廟も亦宮室と稱す公羊傳に魯公は世室と稱し。羣公は宮と稱す。又詩經に其家室に宜し。左傳に男に室(ヘヤ)あり女に家あり。又孟子に罪を巨室に得。注に大家(タイケ)なり。又巨室を爲る。注に大宮なり。楚語に。二帥を施して而して其室を分つ。注に家資なり。又詩經鴟鴞の箋に室は巢なり。小爾雅に刀の削(サヤ)を之を室と謂ふと。又淮南子に虗室白を生ず。注に身なりと。
           
           
1302 148 ユウ ゆるやか ゆるす       寛なり。宀をもととし有を音とす。(形聲)大なる家屋の中は廣ろ廣ろしてゐる。多くの人を收容し得るなり。轉義は廣雅に赦すなり。又勸(ススメル)なりと姷卽ち侑の代用。
           
           
1303 148 セン ひろま のたまう あまねし まごころ   天子の宣室なり(月令の大室なりと)宀をもととし亘を音とす。(形聲)クワン。セン一轉音なり。又爾雅に宣は徧(アマネシ)なりとは旬の代用。周禮に乃ち四方に宣布すと亦然り。又小爾雅に宣は示すなり。周語に宣はヘを施す所以なりと𢓈(徇)の代用。又左傳に宣慈惠和とは恂(マコト)の代用。又其氣を節宣す。注に散なりとは𢽳の代用。又未だ其用を宣(アキラ)かにせず。注に明なり。韓詩に赫たり宣たりとは顯の代用。又爾雅に璧の大さ六寸。之を宣と謂ふ。cの代用なり。
           
           
1304 148 キユウ みや         宮室なり。宀をもととし躳(キユウ)の省きを音とす。(形聲)易に上古は穴居して野處す。後世聖人之に易へるに宮室を以てす。轉義は宗廟内寢を宮と稱す。又女子に宮罪(オシコメ)あり。又五聲を宮商角徴窒ニなす。又室を見よ。
グウ          
         
1305 148 サイ つかさ つかさどる       罪人が屋下に在り。事を執る者なり。罪人を制治するものなり。宀と辛の(會意)辛は罪人の苦辛する意なり。周禮に天官冢宰を立つ。注に主(ツカサド)るなり。周官の宰夫。左傳の宰旅。宰人。皆官名。儀禮に膳宰あり。又禮記に季氏の宰と爲る。注に邑を治むるの吏。皆轉義なり。
           
           
1306 149 シン           審に同じ。下を見よ。
           
           
1307 149 𡨆           宜に同じ。上を見よ。
           
           
1308 149 エン やすし さかもり たのしむ     安なり。宀と妟の(形聲會意)妟も安は易に君子以て飲食宴樂す。卽ち宴饗なり。古或は燕を以て之となし。俗に醼。讌に作る。又詩經に爾の新婚を宴(タノシ)むと。安又妟の代用なりと。
           
           
1309 149 害󠄆 ガイ そこなう なんぞ       傷(ソコナフ)なり。宀をもととす。口は中傷の讒言なり。家内より起る。丰(カイ)を音とす。(會意形聲)但し周古文に據れば然らず。專門の研究ゆゑ略す。古籀篇に詳かなり。韓非に害は利の反なり。又小爾雅に害は何なりと曷の代用。詩經に害(イツレヲ)か澣き害か否らざらんと是れなり。
カツ          
           
1310 149 𡨄 ソク ふさぐ         窒(フサグ)なり。(テン)と(キヨウ)で宀中を窒くの(會意)は猶ほ齊(ナラブ)のごとし。𡨄は蔽塞。充塞の本字なり。
           
           
1311 149 宵󠄃 シヨウ よる ちいさし にる     夜なり。宀をもととす。宀の下が冥きなり。肖を音とす。(形聲)周禮に宵に行く者を禁ず。又禮記の注に宵の言ひは小なりとは。小の代。又淮南子の注に宵は物の似るなりとは肖の代用となす。
           
           
1312 149 シン のき ごてん       屋宇なり。宀をもととし辰を音とす(形聲)越語に敝邑宸宇と。注に屋霤なり。又西京賦に霧埃を中宸に消す。注に天地の交宇なり。帝居を宸と曰ふ。此の轉義なるべし。
           
           
1313 149 家󠄂 いえ すまい おる     居なり。宀をもととし豭の省きを音とす。(形聲)轉義は詩經に室家。傳に室内を家と曰ふ。周禮の注に夫有り婦有つて而して後に家と爲す。朱駿聲云く。諸矦に國と曰ひ。家邑は大夫の采地なり。禮記に私家に藏すと。又周禮に家とは宗人なりと。
         
           
1314 149 ヨウ いる もる かたち うごき   盛(モル)なり。宀と谷の(會意)谷は内容の廣き意なり。家の内が廣いから多くの人を入れるなり。古文は公を音とす形聲。轉義は易に君子は以て民を容ると。又周禮に和容。婦容。又形容とは頌の代用と。又禮記に其容止を戒む。注に動靜とは動の代用。
           
           
1315 149 𡨦 シン           に同じ。下を見よ。
           
           
1316 149 ァ󠄂 サイ           采に同じ。木部を見よ。
           
           
1317 149 セキ さみし         人聲無きなり。宀又は言をもととし叔尗(菽)を音とす。一本は_に作る(形聲)シク。セキ轉音なり。俗に𡨜に作る。老子に寂たり寥たり。注に形體無きなり。寂廫。寂寞。義同じ。又𡧯𡖶に作る。
           
           
1318 150 宿 シユク とまる やど ふるし     止まるなり。宿舎なり。宀と𠈇の(形聲會意)𠈇は夙の古文。凡そ宿するの人は早夙に起き出づべし。周禮に三十里にして宿あり。注に今の亭に室あるが如しと。又の注に宿は宿衛を謂ふと。又宿陳の義となす。漢書に宿儒。注に久舊なり。孟子に弟子齊宿。注に素なり。禮記に宿艸。注に陳根なり。皆止留の義より轉出す。又儀禮に乃ち賓を宿す。注に進なり。肅の代用。又論語に宿諾とは夙の代用。又重言して宿にと言ふ。亦俗に蹜に作る。今本論語に見ゆ。
           
           
1319 150 よる やどる よす     託なり。身を託する處なり。宀をもととし奇を音とするも。奇は倚(ヨル)の省なるべし。(形聲會意)依倚するなり。寄は倚るなり。客となるなり。朱駿聲云く。經傳の寄廬の字は羈旅を以て代用とす。字亦羇に作る。轉義は論語に以て百里の命を寄すべし。
           
           
1320 150 𡨥 コウ あだ         暴なり。𣉱(ボウ)亂なり。攴完の(會意)攴(ボク)は擊なり。完全なるを攴(ウチ)敗(ヤブル)するなり。左傳に兵の内に在るを亂となし。外に在るを𡨥となす。
           
           
1321 150 ミツ やま こまか ひそか     山の堂の如き形の者なり。山をもととし宓を音とす。(形聲)又易の密雲。晉語の密石。注に密理と。比の代用。又孟子に八音を遏密す。注に聲無きなりとは謐の代用。又爾雅に密は靜なり禮記に其命宥密とは侐の代用。又易に君子は愼密にして出でずとはの代用。禮記の注に密の言ひは閉なりと閟の代用。又詩經に止旅乃ち密。傳に安なり。宓の代用と。又漢書に密勿事に從ふ。注に猶ほ黽勉のごとし。但しサ勉の代用。古音通ず今秘密と曰ふ。亦閟の轉義なるべし。
           
           
1322 150 イン つつしむ しごと とら     説文の解釋は五行説に泥して字形と合はず。(下に見ゆ)朱駿聲云く寅は敬に居るなり。宀をもととし。大は人體に象る。_(キク)は手に自ら約束するの貌。と同意。論語に居處は恭と宀に從ふの宜なり。書經に寅(ツツシン)で出日を賓す。又夙夜に惟れ寅むと。又夤の字を製す。爾雅に夤は敬なりと。此説是なり。又用ひて十二月中の名とす。元來十二支の名は皆借字である。漢人が附會して説きたるものゆゑに遽かに信ずべからず。又虎と呼ふ漢字の義と關せず又説文に正月は陽氣が動き。黄泉を去り。上出せんと欲するも。陰氣が尚ほ強く。下に演寅するなりと。疑らくは此は別字の義なるべし。或は𡓵の字の義なるべし。故に字は土をもととし。𦦚は寅の字に_に作りしものありて。此を省いて寅を音とせしなるべし。寅𦦚同音。故に通用す。
           
           
1323 151 とむ とみ       備はるなり。厚きなり。宀をもととし畐を音とするも。畐は滿なり。(形聲會意)畐は高の省きにて高厚の形となし。田を滿るの意とす。(田圃の田にあらず。)然も古文は_に作る。元と當に_に作るべし。畐富同字疑なし。若し_に作らば宀が重複す。古今の變此類少からず。書經洪範の疏に富は家に財貨の豐かなるなり。易に家を富ます。疏に禄位昌盛なり。皆本義に合す。
           
           
1324 151 とどまる おく       止るなり。宀をもととし。是を音とす。(形聲)易の坎の姚信本に叢朿に寔く。注に置くなり。又ゥ實と義似たり。
シヨク          
           
1325 151 ネイ やすんず         安なり宀をもととし。心が皿の上に在る(會意)人の飲食器は人を安する所以なりと。寍は安寧の本字なり。
           
           
1326 151 シン おくのみたまや ふしど     臥すなり。の省をもととし侵を音とす。此を廟の字とす。又寢下を見よ。
           
           
1327 151 グウ よる よせる       寄なり。宀又は广をもととし禺を音とす。(形聲)孟子に人を我室に寓すと本義。左傳に目を寓す。書を寓す。轉義なり。
           
           
1328 151 カン さむし ふるえる まずし     凍るなり。地が凍(ヒヨウ)(氷の本字)するなり。人が宀(イヘ)の下に在る。上下の(細かな艸)あつて人を覆ふ。それは地下が凍つてゐるからである。寒中住居の狀にて(會意象形)轉義は高唐賦に寒心酸鼻。注に寒心は戰栗を謂ふ。史記に范叔一寒此の如きかと。卽ち素寒貧なり。
           
           
1329 151 いぬ かりね       臥すなり。(ユメ)の省きをもととし未を音とす。(形聲)寐は瞑(眠の本字)なり。牀に在るにと曰ひ。病でるを寢と曰ひ。几に凴るを臥と曰ひ。目を合すを眠と曰ひ。眠つて知る無いを寐と曰ひ。坐して寐るを睡と曰ひ。冠帶して眠るを假寐と曰ふ。詩經に寤寐に之を求む傳に寢(の代用。)なり。晉語に寢ねて而して寐ねず。
           
           
1330 151 おく ふさがる       塞がるなり。穴をもととし眞を音とす(形聲)シン。シ轉音。穴宀通用。此字多くは置くと訓ず寔(シ)の代用。寔は止まるなり。或は云く塡の代用。埴は黏土なり。皆轉じて置くの義となすべし。今やゥ行はれて𥧑は廢せり。
           
           
1331 151 𡩡 サク もとむ         家に入つて𢯱るなり。宀をもととし索を音とす。(形聲)此を𢯱索の本字とす。又索を見よ。
           
           
1332 152 さむ さとる       寐覺めて而して言有るを寤と曰ふ。(ユメ)の省きをもととし吾を音とす。(形聲)又_の字あり。寤なりと訓じ宀をもととし吾を音とす。同字なる疑なし。又一に曰く。畫見て而して又夜夢むと反義なり。又寤(サトル)と讀む悟の代用なりと。
           
           
1333 152 𡪘 ヘイ おそわる うなされる       寐て而して厭するなり。の省をもととし米を音とす。(形聲)一本に_に作る。米は迷の省なるべし。
           
           
1334 152 寞󠄂 バク さみし         説文寂あり寞なし脱なるべし。夕部に𡖶あり𡧯と訓ず。夕をもととし莫を音とす。形聲。段氏云く𡧯𡖶は夕の靜。𠴫は口の靜。𡧯𡖶は死の靜なりと。是なり。
           
           
1335 152 サツ あきらか みる       反覆して審かにするなり。宀をもととす。屋下に於てするなり。祭を音とするも。祭は大事なり。愼重詳密を要す。(形聲會意)サイ。サツ轉音。轉じて省察。伺察となす。
           
           
1336 152 やもめ ごけ すくなし     少なり。宀頒の(會意)頒は分なり。宀にして分つ故に少となると。廣雅に寡は獨なり。小爾雅に凡そ妻無き夫無き通じて寡といふ。詩經に此鰥寡を哀む。轉義は論語に尤め寡し。皇疏に少なり。
           
           
1337 152 シン やみふす         病で臥すなり。(ユメ)の省きをもととし𡩠(シン)(の籀文)の省きを音とす。(形聲會意)は唯だ牀に臥す。病むに非ず。然も音義近し。又寢廟とはの代用。前を廟と曰ひ後をと曰ふなり。
           
           
1338 152 リヨウ むなし さみし       空虗なり。广をもととし(广宀同意)膠を音とす(形聲)膠は翏を音とす。故に亦廖寥に作る。老子の注に寥は空にして形無し。又蕭條の貌と。亦嵺に作る。
           
           
1339 152 寧󠄃 ネイ むしろ やすし       願ふ詞なり。丂をもととし寍(ネイ)を音とす。(形聲)蓋し心に欲する所あるはィとなし。詞に發して寧となす。詩經に寧ろ我を顧みざる。論語に無寧(ムシロ)二三子の手に死なんかと。又安と訓ずるは寍の代用なり。書經に康寧。詩經に父母に歸寧せんと。皆寍の代用なり。又連言して義をなすは。呉語に丁寧は淳于なり。注に鉦なりと。又集韻に叮嚀は屬する辭なり。又元丁寧に作る。
           
           
1340 152 サイ ふさぐ とりで       塞の俗字なり。廣韻に砦は山居に木柵を以ふ。集韻に寨砦皆柴に同じと。柴は代用。砦は其俗字。卽ち蔽塞の轉義なり。柵義に泥し上を改めて木となし寨に作る。
           
           
1341 153 シン つまびらか ただす       悉(ツクス)なり。知て審諦(アキラカ)するなり。宀(イヘ)と釆(ベン)の(會意)審諦の事は屋内にて行はる。故宀をもととし。(察と同意)釆(ワカツ)は辨別の辨と音義近し。番は獸足迹なり。田はその象形。釆(ベン)は其迹を判知するの意。審に作るも亦會意。論語に法度を審かにす。廣雅に審はィなり。𡩡(モトム)なり。竝なり。齊語に我が疆場を審かにす。注に正すなり。又莊子に鯢桓の審を淵と爲す。此審は瀋の代用。汁の義なりと。
           
           
1342 153 ジツ みつる そなわる くさきのみ みのる   富めるなり。宀(家)の中に_貝の貨財が充滿せるの(象形)貫の字に從ふの説は誤る。左傳に聚斂積實と本義なり。轉義は小爾雅に實は滿なり。塞(フサク)なり。廣雅に誠なり。易に自ら口實を求む。鄭注に頤中に物有るを口實と曰ふ。左傳服注に口實は譴讓(セム)なり。禮記に艸木の實。詩經の箋に實は種子なり。楚辭に虗を聽いて而して實を黜く。注に誠なり。又詩經に實に覃實に訏と。箋に𨗁なりと。寔の代用。又周語に故實。注に故事か是なる者と。是の代用。
           
           
1343 153 シヤ うつす おく のぞく そそぐ   物を置くなり。宀をもととす。屋内の仕事なり。舄(鵲の本字)セキ。ジヤク。シヤ轉音なり。(形聲)禮記に器の漑(アラフ)べきものは。其なかの食物を他器に寫すさず。其まま食してよきも。漑はざるものは。己れの器に寫して食ふ。此を本義となす。轉義は詩經に以て我が憂を寫く。傳に除くなり。釋名に寫到とは此文を寫すと。字を寫し畫を寫す。それからそれへと移り行くなり。土瓶から茶椀へ茶を次ぎ次ぎへと寫しゆくの如し。此義は俗に瀉に作る。然も周禮に澮を以て水を寫(ソソ)ぐと本字なり。
           
           
1344 153 ェ󠄂 カン ゆるやか ひろし       寛大なり。宀(大屋の意)をもととし(クワン)を音とす。(形聲)詩經に寛なり綽なり。傳に能く衆を容る。書經に寛にして而して栗。鄭注に度量の寛宏を謂ふと。
           
           
1345 153 リヨウ うがつ むなし やくしよ     穿なり。宀又は穴をもととしォを音とす。(形聲)但しォは燎と同じ。宀下に燎あり。古代穴居で人の夜業をする所なるべし。而して寮にて仕事をする人を僚となす。寮は會意も兼ぬ。穿なりと訓ずるは寮を作るの謂ひなり。
           
           
1346 153 カン みやこ         説文に㝨寰なし。穀梁傳に寰内の諸矦。范ィ云く寰は古の縣の字と。今此㝨の字に據つて按ずるに環の周古文は𪼄に作る。知る㝨は寰の古文。
           
           
1347 153 寵󠄃 チヨウ たかし したしむ       尊居なり。貴人の住家なり。宀をもととし龍を音とす。(形聲)リヨウ。チヨウ一轉音なり。易に天の寵を承く。注に光燿なり。老子に寵辱驚かずと。
           
           
1348 154 ホウ たから         珍なり。(珍重の家寶なり)宀下に玉貝あり缶を音とす。(會意形聲)フ。ハウ一轉音なり。古文にも或は__𡧰_に作る省文なり。漢人亦宝に作る。詩經に以て爾の寶を作す。傳に瑞なり。轉義は易に聖人の大寶を位と曰ふ。詩經に稼穡惟れ寶とす。呂覽に其大寶を嗇(オシ)む。注に身なり。廣雅に寶は道なり。又周器銘の永寶。或は保を以て之となす。
           
           
1349 154 𡫼 サイ           塞の本字。上を見よ。
ソク          
           
1350 154 ボウ ゆめ         寐て而して覺むる者なり。宀と疒(臥すの意とす。)夢を音とす。(會意形聲)夢に明らかならぬ意あり。經傳は夢を以て代用す。
         
           
1351 154 スン はかりめのな はかる     十分なり。人の手首より卻(シリゾ)くこと。一寸の所に動脈あり。之を寸口と謂ふ。又(テ)(手)をもととし一を以て其處を指し示す。(指事。)轉義は予之を寸(ソン)度す。俗に忖に作る。
           
           
1352 154 やくしよ つめしよ てら     廷なり。廷は朝なり。寸を法度の意となし。𡳿(シ)(之)音とす。(形聲)漢書の注に府庭の在る所を寺と謂ふと。然れば寺に出仕するの吏人を侍といふ。又今テラと訓ず後世の別義なり。漢の時に佛者を白馬寺に處らしめしにはじまる。
           
           
1353 154 トク うる         取るなり。又(テ)に貝(貨財)を取り持つの(象形會意)又寸は通用。説文見に從ふ誤る。又行いて㝵るは得なり。
           
           
1354 154 ホウ ちぎよう もちち さかい とず   諸矦に爵して其國に之(ユ)かしむるなり。之(ユク)(𡳿)土(クニ)寸(スン)の(會意)賜はりし所の國土に之(ユ)きて之(コレ)を領す。其土地は爵の高下に依り大小の制度がある。寸は法度なり。然も古文は又(テ)に土を持つ𡴀を音とするなり。周禮に畿を制し國を封ず。轉義は大神に封ず。注に壇を謂ふなり。後漢書に長檄を封す。注に之を印封するを謂ふ。封じ籠めるなり。又楚語に鄭は封ぜす。注に國なりとは邦の代用。又詩經に封(オホヒ)に厥(ソノ)福を建つ。傳に大なり。豐の代用。又古文に_に作る。𡉚封通用か。
           
           
1355 154 しく         布(シク)なり。寸をもととし甫を音とす。(形聲)古文は又(テ)(手)をもととし圑の古文を音とす。布はヌノなり。其シクと訓ずるは尃の代用なり。此を借字を以て正字を解くの例とす。要するに尃は_の古文なり。𢾭に作る攴をもととす。手の作用なり。尃の古文の又と同意にて意が複するなり。
           
           
1356 155 コク           勊の俗字。力部を見よ。
           
           
1357 155 ジヨク はじ はずかしむ はずかしめらる   恥なり。寸(法の意)の辰の下に在るの(會意)耕時を失すれば。封疆の上に於いて戮するなり。辰とは農の時なり。故に房星を辰と爲す。田候(タツクルノシラセ)(を知るべき)なり。然れば農人が職を怠つて。其時期を失すれば罰せられる。是れ辱の義なり。農の字と對して字義を詳かにすべし。轉義は。曲禮に君言の辱きを拜す。又辱とは黷の代用。今吾子辱めらる。注に白を以て緇を造(イタ)すを辱と曰ふ。
  かたじけなし      
           
1358 155 シヤ いる いとう       弓弩の身に發して遠きに中るなり。矢と身。又身と寸(法度)の(會意)但し冣古文に據れば手に弓矢を執る象形なり。疑らくは身はの誤り。射の禮多し。轉義は漢書に射策甲科。注に射の言ひは投射なり。列子に博なる者は射なり。注に凡そ戲爭能く中るに取る皆射と曰ふと。又爾雅に射は厭(イト)ふなり。易に水火相射(イト)はず。白虎通に射とは終りなり。とは。斁の代用なり。
           
           
1359 155 シヨウ いくさのおさ まさに       師(ヒキユ)るなり。寸は法度なり。𤖕の省きを音とす。(形聲)將軍は本義なり。轉義は方言に將は威なり。廣雅に君なりと。又爾雅に將は送るなり。廣雅に行(ヤル)なり。詩經に福禄之を將く。箋に扶助なりとは𢪇(シヤウ)の代用。𢪇は扶なり。手をもととし爿を音とす。又爾雅に將は大なり。奘の代用。又曰く將は齊(タチソロヘル)なりとは戕の代用。又詩經に渭の將(ホトリ)に在りと傍の代用。又廣雅に將は美なりと良の代用。又楚辭に余が壽の將(ナガ)からざる哀むとは長の代用。又周禮の注に蚌に合將とは𤖅の代用と又發聲の詞とて。字音を借りて語詞となすものは廣雅に欲(ホッス)なり請ふなり。且なり。或は云く當(マサニ)(ベシ)の代用と。
           
           
1360 155 セン ちようめん かわら もつぱら     六寸の簿(ボ)(篰の俗字)なり。一定の寸法あり。故に寸をもととし叀(セン)を音とす。(形聲)專とは古の手版。又は笏で。今の手帳なり。專一とは嫥壹の代用。又別義は説文一に曰く紡專なり。字亦塼甎に作る。詩經に之に瓦を弄ばしむ。是れなり。
           
           
1361 155 やすんず ひのし おさう じよう   上より下を按(オサ)へるなり。𡰥(仁の字)をもととし平安の意とす。更に又(テ)(手)に火を持つ鋤蛯申す所以なり(會意)柔かく煖か味あつて按撫するなり。又以て火斗(ヒノシ)の義となす。俗に熨に作る。火が重複す。又寸と又(テ)は通用す。又尉安の義とし俗に慰に作る。漢書に以て士大夫の心を慰す。注に古の尉安の字は此の如し。本心無きなりと。又武官の名に尉と曰ふ漢書に走卒を尉薦する所以なりと。亦上より下を按尉の意より出づ又廷尉は天下の平なりと。
           
           
1362 156 尊󠄄 ソン たる たつとし みこと     酒器なり。酋(イウ)(ナレ酒)を(キヨウ)(兩手)で捧げて神前に供へんとす。其容器(イレモノ)はタルである(會意)或は寸に從ふ法度ある意。周禮に六尊あり。犧尊。象尊。箸尊。壺尊。大尊。山尊の六種で。以て祭祀賓客の禮を待つ。其器の尊重すべき者なるより。轉じて尊貴の義となす。俗に崇Mに作る。又古文の_をもととし_に作れば古文の酒の字となるなり。
           
           
1363 156 尋󠄃 ジン おさむ ひとひろ たずぬ     理(スヂメ)を繹(エキ)(トキホゴス)するなり。工口と又寸の(會意形聲)彡を音とす。サン。シン轉音なり。工口は亂すなり。又寸は法度の意。之を分理するなり。亂を治むるは其緒を得て其然る所以を知り。而して後に法を設けて之を治む。故に尋ね求むの義を生ず。又丈六尺を常となし。半常を尋と曰ふ。繹義より転じて長し長さとなる。又廣さより。兩肘を舒べたるの廣さとなす。左傳に尋常を爭ふて以て民を盡す。又尋は物を度る所以なり。故に揣摩して以て物を求むる之を尋と謂ふと。左傳に日に干戈を尋ふ。廣雅に尋は用なり。又公羊傳に舊盟を尋(アタタ)むとはの代用。字亦撏燖𢸧に作ると。又俗に𡬰に作る。又淮南に其憂之を推す。注に憂の深なりとは深の代用。康煕字典に今俗に庸常を尋常と爲すと。
           
           
1364 156 タイ こたう ならぶ むかいあう     此字の篆體は説文は誤る。今周古文に據る。丵(サク)土又の合文なり。(イウ)は(キヨウ)の省き。又(マタ)(イウ)寸は通用。是れ明かに(_)の字なり。は塊なり。土をもととし菐を音とす。而して周器文。及び經傳の應(コタヘ)に方なし(汎き義なり)に訓ずるは合の代用。ガフ。ボク古音は轉通なり。拙著古籀篇に詳かなり。對卽ち合の轉義は廣雅に對は嚮なり。揚なり。詩經に王の休を對揚する。廣雅に對は當なり。詩經に帝邦を作し對を作す。傳に配なり。後漢書の注に對は偶なり。
ツイ          
           
1365 156 導󠄃 ドウ みちびく         導引なり。寸をもととし法度の意とす。導くに法度を以てするなり。道は音と意を兼ぬ。(形聲會意)古は道を以て導となす。論語に之を導くに政を以てす。
           
           
1366 157 シヨウ ちいさし すくなし わかし     物の微なり八をもととし。h(シン)(艸木の始め)が見はれて之を八分(__ワケル)するの(會意)元より微細なるhを分別するときは更に更に極めて微小となるなり。
           
           
1367 157 シヨウ すくなし わずか わかし     多からざるなり。小をもととし丿(エウ)を音とす。(形聲)丿は右に戻る。左へ行く義。エヲ。セウ皆轉音なり。少は多と對し。小は大と對す。而して二字互に通ず。論語に少きの時。小の代用なり。
           
           
1368 157 しかり のみ ちかし     詞の必然なり。(シカリの訓なり。)h八の(會意)(h(シン)は出づる意)八は(語)氣の分散に象る。入を音とす。ニフ。ジ古音は轉通す。段本に據る。經傳は爾を以て代用す。或は𨒛卽ち邇の代用をなす。
           
           
1369 157 セン とがる         古此字なし。兓の俗字なり。_。兓々は鋭の意なり。二兂(サン)の(會意)兂は簪の本字。簪の足は兓々として鋭し。或は云く鑯を以て兓となす。鑯尖同字なりと。
           
           
1370 157 尙󠄁 シヨウ すなわち こいねがう なお くわう ひさし 曾(スナハチ)なり。庶幾(コヒネガフ)なり。八をもととし向を音とす。(形聲)尚といへば口氣が分散するなり。向(キヤウ)尚(シヤウ)一轉音なり。蓋し尚の詞も亦舒びるなり。曾は重なるなり。尚は加なり上(クハヘル)なり。皆層累して高きの義なり。故に曾尚は通用す。儀禮に尚(コヒネガハ)くは饗(ウケ)よ詩經に尚ほ其雌を求む。箋に猶(ナホ)なり。漢書の注に願ふなり。一説にクワヘルの義は上の代用。論語に艸之に風を尚ふ。尚書の官名も同じと。
           
           
1371 157 㝸󠄁 ベン かんむり         弁の本字なり。廾部を見よ。
           
           
1372 157 セン すくなし         是少なり。是少の(會意)是は正なり。マコトに少ないなり。俗に尠に作るは非なり。爾雅に鮮は(マレ)なり。寡なり。鮮は尟の代用字。
           
           
1373 157 オウ ちんば すねまがる       (チンバ)にて曲脛なり。大をもととし。偏曲(カタ足が曲る)の形に象る。古文は尢をもととしを音とす。隷亦尣に作る。
           
           
1374 157 ユウ ことなる あやしむ もつとも とがむ   異るなり。乙をもととし又(イウ)を音とす。(形聲)小爾雅に尤は怪むなり。左傳に夫れ尤物あり。注に異るなり。又之を視て尤(モツト)も服す。注に甚なり。又トガムと訓ずるはの代用なり。言部に_は(ザイ)辠(罪)するなり。言をもととし尤を音とす。詩經に許人之を尤む。又其尤(アヤマチ)を知る莫し。傳に過(アヤマチ)なりと是れなり。
           
           
1375 158 オウ           尢尣に同じ。上を見よ。
           
           
1376 158 ボウ むくいぬ ぶち みだる     犬の毛多き者なり。尤をもととし。彡(サン)を加へて(會意)彡は長毛の意とす。詩經に尨やをして吠へ使むる無かれと。轉義は周禮の注に。牛の雜色にて純ならざるを尨と謂ふ。又左傳に狐裘尨茸。注に亂るる貌とモヂヤモヂヤしてハツキリせぬなり。
           
           
1377 158 𤿑           跛の本字。足部を見よ。
           
           
1378 158 シユウ なす なる とげる     高きを成すなり。京と尢の(會意)尤(モツトモ)は凡に異るなり。京は人造の大丘なり。之を造るの成功は非常の事なり。轉義は禮記に日に就り月に將(オコナ)ふ。爾雅に就は終りなり。廣雅に就は久なり。周禮の注に一帀(匝)を一就と爲す。一帀は猶ほ一終のごとしと。又廣雅に就は歸なり。小爾雅に就は因るなり。孟子に水の下きに就く。鬼谷子に去就と。此等は造の代用なり。
           
           
1379 158 かみつかさ つらぬ かばね     陳(ツラナル)なり。臥すの形に象る。(象形)人をもととするなり。尸陳(シチン)とて其位に列するなり。卽ち或る人が祭神の代りをするなり。其體を牀几に凭らしめ。首を後ろに又前に。力無く虗心なる狀なり。轉じて主位の義となす。左傳に尸盟とあり。又死尸(シカバネ)とは屍の代用。屍は終りの主なり。尸死の會意。尸はまた音を兼ぬ。禮記に牀に在るに屍と曰ふ。易に尸を輿すと是れなり。
           
           
1380 158 セキ ものさし         十寸なり。尸(シ)(人)をもととし乙(オツ)を以て(指事)す。乙は其所を識(シルシ)するなり。寸は(手)の内側に一の識を附し。尺は尸の背の外側に乙の識を附す。造字の意相同じ。故に説文に周の制は寸。尺。咫。尋。常。仞の度量は皆人の體を以て法と爲すと。漢書に尺は蒦(ハカ)るなり。
シヤク          
           
1381 158 コウ しり         𦞠(臋と同字)なり。人をもととし九を音とす。(形聲)字亦𦙷に作る。呂覽の注に𦙷は覈(アナ)なりと。
           
           
1382 158 キヨ おる         几部を見よ。
           
           
1383 159 ひとのしりにつく ちかづく やすし やわらぐ 後へより之に近づくなり。尸(シ)(人)をもととし。匕を音とするも。匕は比と同じく親むの意あり。(形聲會意)尼は昵近の義と同じ。轉義は爾雅に尼は止なり。定なり。廣雅に尼は安なり和なり。又孔子の名の仲尼はの代用。又女僧を尼と曰ふ。後出の別義なり。
あま        
           
1384 159 𡰥 ジン           仁に同じ。人部を見よ。
           
           
1385 159 ジン つくす         盡の俗出字。艸書のまゝにて作るもの。
           
           
1386 159 しりのかざり しりお すえ   微なり。小き形なり。到(サカサ)毛()の尸(シ)(人)の後(シリヘ)に在るの(象形會意)古の人は飾りを尾に系(カ)くと。(今の洋装婦人の服の後尾に飾りあるが如きなるべし)轉義は鳥獸の尾となす。易に虎尾。又堯典に鳥獸孳尾。傳に交接を尾と曰ふ。又方言に尾は梢なり盡なり。
           
           
1387 159 尿 ジヨウ ゆばり         人の小便なり。尾水の(會意)尾は下部の意なり。省いて尿に作る。通俗文に脬より出るをと曰ふと。廣雅に𣸈なり。古來多く溺を以て代用す。デキ。デウ。ニヨウ轉音通ず。
ニヨウ          
           
1388 159         古此字なし。廣韻。集韻に見ゆ。氣の下に泄(モル)るなり。字林に䊧(ヒ)は下出の氣なり。山海經に茈魚を食へば䊧せずと。字稍や古なるに似たる説文に無き所。未だ遽かに定め難し。蓋し米をもととし費を音とす。屁は尸をもととし。比(ヒイ)を音とすべし。
           
           
1389 159 キヨク くちをつぼめる つぼね ごばんめ かがまる 促するなり。口の尺下に在りて復た之を局すと。(會意)尺は規矩法あるの意。口が尺の下に在るは言語を愼むの意とす。轉義は詩經に敢て局せずんばあらず。傳に曲なり。曲禮に左右に局有り。注に部分なり。一説に局の字の形は棊盤の局面の形と。然し前説是なるべし。又連言して義をなすものは詩經に予か髪曲局。傳局卷なり。字俗に跼に作る。東京賦に。高天に跼し厚地に蹐す。注に傴僂(セムシ)なりと。
           
           
1390 159 キヨ うずくまる おる すまい     蹲(ウヅクマル)なり尸をもととし古を音とす。(形聲)俗字は踞に作る。又居處の義は凥の代用なり。_は處なり。尸は人なり。几は腰掛なり。几を得て止まる禮記に居れ吾女(ナンヂ)に語らん。注に坐するなり。轉義は禮記に居士錦帶。注に道藝の處士なり。字亦𡨢䝻に作る。廣雅には賣なり。漢書に物を居き富を致す。猶ほ儲蓄のごとしと。皆凥の轉々義なり。
           
           
1391 159 屆󠄂 カイ ゆきしぶる いたる とどく     行いて便ならざるなり。停滯し易し。尸(シ)(人)をもととし凷を音とす。(形聲)凷は塊の本字なり。又一に曰く極なり。詩經にる所を知らず箋に至るなりと至の代用なり。
           
           
1392 160 クツ しりおなし みじかし かがむ まがる   尾無きなり。尾をもととし出を音とす。(形聲)シユツ。クツ轉音なり。隷書省て屈に作る。蓋し凡そ鳥獸無尾。又尾毛短詘の義となす。或は云く人の尾飾無きなりと。轉義は呂覽に智巧窮屈。注に盡なり。又老子に大直は屈の若(ゴト)し。後漢書に節を屈すとは。曲の代用なり。
           
           
1393 160 𡱂 デン しり         臋の本字なり。肉部を見よ。
           
           
1394 160 キヨ           玉篇に居の古文。實は凥の古文。周古文は__に作る。
           
           
1395 160 カイ はないき ちからこぶ       臥息なり。尸(ヒト)と自(ハナ)の(會意)。鼻氣。卽ち鼾の荒きなり。轉じて力を用ゆるの義となす。西京賦に (ヒイキ)の字あり。是れなり。俗に誤つて贔屓に作る。
         
           
1396 160 やすんず くそ       撫なり。(安なり)攴(ボク)又(マタ)は人尸をもととし。米を音とす。(形聲)ベイ。ヒ。シ轉音なり。屎は𦳊(シ)(クソ)の代用をなす。莊子に屎溺(デウ)(尿)と是れなり。𦳊の字或は矢を借りて之と爲す。皆音通字。
           
           
1397 160 オク すまい いえ     居(凥の代用)なり。尸をもととす。尸は主(ヌシ)たるなり。一に曰く尸は(屋の)象形なりと。至と(會意)至は止まる所なりと。至り止まるなり。古文の形は詳かならず。易に其屋を豐にす。注に乾を屋宇とす。廣雅に屋は舎なり。又詩經に屋漏。傳に小帳と。(幄)の代用。
           
           
1398 160           の誤字。上を見よ。
           
           
1399 160 しかばね         終主なり。尸死(會意)段氏云く終主とは死に方(アタ)つては主とする所なし。是を以て主とす。曲禮に牀に在るに屍と曰ふと本義なり。經傳は尸を以て屍の代用とす。蓋し尸は音を兼ぬ。
           
           
1400 160 ゲキ もくり ささえる たな     屩なり。(屩は履なり)履の省きをもととし支を音とす。(形聲)シ。ゲキ古音轉通す。莊子に屐屩を以て服と爲す。注に木に屐と曰ふ。今人は足駄(アシダ)の義とし用ゆ。古義にあらず。又釋名に屐は榰(ツツカイ)なり。兩足の榰となす。以て泥を踐む。稍や上義に近し。字は誤つて_に作り又俗に庋攱に作る。此は以て榰の代用をなす。禮記に食物を庪するなり。卽ち支柱の轉義なり。
           
           
1401 160 セツ こせつく くず いさぎよし     動作の切々なり。尸(人)をもととしを音とす。(形聲)ハツ。セツ一轉音なり。字亦佾に作る。方言には勞なり。々は安からざるなり。動作のコセコセするなり。轉義は思元賦にたる瑤蘂以て𩝍と爲す兮。注に碎なり。又方言に屑は獪なり。又小爾雅には潔なり。孟子に就くを㞕しとせずとは汲フ代用。又小爾雅に過なりと泆の代用。
           
           
1402 161 テン まろぶ のびる つらぬ まこと   轉(マロブ)なり。尸(人)をもととし𧝑(テン)の省きを音とす。(形聲)段氏云く展とは未だ轉ぜす而して將に轉ぜんとするなりと。丸の字と對して其義知るべし。朱駿聲云く爾雅に展は𨗁なり。晉語に侈なれば必す展す。注に伸なり。詩經に輾(俗字)轉反側。展轉とは。忽ち屈し忽ち伸び。𨗁せずして而して𨗁を求むるの意態なり。又周禮に器を稽(カン)がへ事を展す。注に猶ほ整具のごとしと。又樂器を展す。注に之を陳數するを謂ふと。禮記に其墓に展す。皆(テン)の代用。今の展覽。展觀も亦是れなり。は巧を極めて之を視るなり。四工の會意。但し周古文に_の字あり。説文に之を脱す。音義は知るべからず。然もは二_の合なること知るべし。又爾雅に展は誠なりと嫥の代用なりと。
           
           
1403 161 ヘイ おおう さえぎる かき びようぶ しりぞく 蔽(オホフ)なり。尸(屋)をもととし幷を音とす。(形聲)爾雅に屛之を樹と謂ふ。注に小牆にて中門に當る。詩經に萬邦の屛。晉語の注に屛は藩(カキ)なり。又釋名に屛風。以て風を屛障すべきを言ふと。又論語に四惡を屛(シリゾ)く。注に除くなりとの代用。又禮記注に退なり隱なり。𠌸の代用なり。
           
           
1404 161 ロウ あまもり         屋穿ち水の下るなり。雨の尸(屋)の下にあるの(會意)經傳は漏を以て屚の代用をなす。
           
           
1405 161 屠󠄃 ころす ほふる やむ     刳(サク)なり。(刳は判なり)尸(シ)(人)をもととし者を音とす。(形聲)楚辭に子に勤め母を屠ると。卽ち人を殺すなり。轉じて六畜を剥裂するの義となす。又詩經に屠を瘏の代用とす。
           
           
1406 161 しばしば         僂の異體なるべし。人尸の兩部は互に通ず。僂はなり。屢をジハジハの義となすものと別なり。又婁は空なり。借りて數の字となして。シバシバの義となす。論語に屢々人に憎まる。注に數なり。漢書は婁に作る。皆音通字なり。
ロウ          
           
1407 161 ソウ かさなる         重屋なり。(二重屋根_)尸(イヘ)(宀の意)をもととし曾を音とするも(形聲會意)段氏云く曾の言ひは重なり。曾祖曾孫皆是れなりと。轉じて高層。層累となす。
           
           
1408 161 履󠄂 くつ ふむ さいわい     足の依る所なり。尸(人)をもととし彳(テキ)夊(スイ)(皆行歩の意)舟にて(會意)舟と履と形似たり。古文に頁に從ふ。人と同意。轉義は易に虎尾を履む。左傳に端を始めに履むと又服履とは釐の代用なり。
           
           
1409 162 くつ         履なり。履の省をもととし婁を音とす。(形聲)朱駿聲云く漢以前は複底を舄と曰ひ。禪底を屨と曰ふ。漢以後は履と曰ひ。今は鞵と曰ふ。一に曰く鞮なり。周禮の鞮氏。字亦に作る。
           
           
1410 162 ゾク つづく つく たぐい たのむ つける 連るなり。尾をもととし蜀を音とす。(形聲)後(ウシロ)より引き續くの義なり。轉義は漢書に道に相屬すと。又詩書を誦し文を屬(ツヅル)と又予に屬するに天下の兆民を以てす。付託委致の意。俗字は囑に作る。周禮に六龜の屬を掌どる。醜類一に非らざるなり。卽ち眷屬の義と同じ。此義多くは族を以て代用とす。又晉語に國人耳目を我に屬す。漢書に意を屬す。皆注の代用なり。
シヨク          
           
1411 162 テツ くさきのはじめ       艸木の初て生ずるなり。h(シン)(進)出するの(象形)hの莖に枝あるの形なり。古は借りて艸の字となす。
           
           
1412 162 ひだり         左右の左の本字なり。左右の下を見よ。
           
           
1413 162 すすむ ゆく       之の本字なり。丿の部を見よ。
           
           
1414 162 チン でにくし なやむ かがまる くら むら 難(ナヤム)なり。艸木の初て生じて屯然として(出)難きに象る。屮(テツ)の一を貫くにて(象形指事)之を(屮)屈曲する(_)なり。一は地なりと。易に曰く。屯は剛柔の始て交つて。而して生じ難きなりと。字形は艸にて造るも轉じて凡そ物を謂ひ又氣象を謂ふ。又屯倉と曰ひ。米倉又は邨邑(ムラ)の義となすは𥫱の代用なり。村の字の下に辨ぜり。又屯は大なりとは𡗥の代用。又厚しとは惇の代用なり。
チユン          
トン          
1415 162 𡴂 ハン よず         攀の本字なり。手部を見よ。
           
           
1416 162 フン           芬に同じ。艸部
           
           
1417 162 ギヤク さかう さからう       順ならざるなり。干をもととし。下の凵は之に屰するの意とす干は犯すなり。此屰を順逆の本字とす。又辵部を見よ。
           
           
1418 163 𡴆 リク つちたけ         𡴆(キンリク)は地蕈なり。田の中に叢生するものと。屮をもととし六を音とす。(形聲)此屮は假借なり。
           
           
1419 163 㞷󠄁 コウ はびこる         艸木の妄りに生ずるなり𡳿(之(ユク))の土の上に在るの(會意)古文は往と通ず。
オウ          
           
1420 163 𡴘 コウ さち         幸福の幸の本字。干の部を見よ。
           
           
1421 163 サン やま         宣ぶるなり。(象形)能く散氣を宣べ。萬物を生ずる所なるを謂ふ。宣山音義皆通ず。宣は山の稱なり。轉義は禮記に山立時行。注に動搖せずと。
セン          
           
1422 163 カツ きし たかし       岸の高きなり。山厂の(會意形聲)厂(カン)は音を兼ぬ。厂は山石の惚ワの人の居るべきの處。岸は水高フ洒(アラハ)れて而して高き者と。山厂をもととし干を音とす。
           
           
1423 163 キツ かきたかし そばだつ       牆の高き貌なり。土をもととし气を音とす。(形聲)キ。キツ轉音なり。俗に屹に作る。轉義は。魯靈光殿賦に。屹として山峙つ。注に高大の貌なりと。
           
           
1424 163 やまのな くにのな また     文王の封ずる所のク名なり。邑をもととし支を音とす。(形聲)魯頌の箋に大王豳より徙つて岐山の陽に居ると。故に字亦山に從ひ支枝を音とす。誤つて歧に作り。歧路。分歧といふも。其字は跂の省。其義も跂の轉義のみ。
           
           
1425 163 キン みね こみね       山の小にして而して高きなり。山をもととし今を音とす。(形聲)孟子の岑の注に。山の鋭(トガル)嶺なりと。字亦に作る。朁を音とす。
           
           
1426 163 ガク やまのな たけ たつとし     支那の名山。五嶽の總名なり。山をもととし獄を音とす。(形聲)古文は丘山の合形なるべし。五嶽とは東岱。南。西𡼙。北恆。中(央)は大室とす。王者の巡狩して至る所なり。轉義は詩經にッ高維(コ)れ嶽と。山の高くして尊き義とす。今は比義にて行はる。又四嶽は古の官名。
           
           
1427 163 ガン いわ         巖の俗字。下を見よ。
           
           
1428 164 シユウ やまにあるあな       山穴なり。山又は穴をもととし由を音とす。(形聲)東京賦に王鮪岫居。段氏云く穴有るの山に居ると。
           
           
1429 164 コウ やまわき みさき       古此字なし。淮南子に山岬の旁(カタハラ)に徘徊すと。注に岬は山脅なり。蓋し漢以後の俗字なり。按ずるに甲脅音通ず。初め甲を借りて脅となし。後俗に山を加へて岬に作る。甲胛の如し。
           
           
1430 164 コウ おか         山の脊なり。山をもととし网を音とす。(形聲)山の脊にて高平の處なり。詩經に彼の高岡に陟る。楚辭に高岡を覽る兮嶢々たり。注に山嶺を岡と曰ふ。俗に崗罡に作る。
           
           
1431 164 ガン きし たかし       水香iほとり)なり。高き者なり。屵をもととし干を音とす(形聲會意)屵(カツ)は高なり。山厂の會意厂(カン)は音も兼ぬ。カツ。カン轉音。然れば屵岸は音義近し。
           
           
1432 164   とうげ         日本字ゆゑ音なし。蓋し山の上り下りする處なり。
           
           
1433 164           の誤字。止部を見よ。
           
           
1434 164 やまたかし けわし       嵯峨なり。山をもととし我を音とす。(形聲)亦峩に作る。嵯峨連言して義をなす。と同し。𠪉𠩙にも作る。又重言して形容するものは。詩經に璋を奉ぐる峨々たり。傳に盛壯なり。又爾雅に峨々は祭りなり。蓋し崇高の義より転じて意義をなすべし。
           
           
1435 164 キヨウ           陜の俗字なり。阜部を見よ。
           
           
1436 164 峻󠄂 シユン たかし けわし       高なり。山をもととし陖又は氓音とす。(形聲)然も阜部に_は峭高なり。阜をもととし氓音とす。陖峻は同字疑なし。二形合して𡺲となるなる。晉語に高山峻原。注に峻は峭なり。禮記に峻天に極(イタ)ると。注に高大なり。轉義は大學に克く峻コを明かにす。離騷に枝葉の峻茂と。
           
           
1437 164 ホウ みね         古此字なし。玉篇に峯は高尖の山なり。徐鉉云く山の耑(ハシ)なり。而して經傳漢碑に峯の字なし。六朝以後の字なり。漢書に封巒に作る。音通字。元と夆の字の音を借りて名となし。後人山を加へて其專字となせしなるべし。昆崑の例なり。
           
           
1438 164 シヨウ           陗の俗字。阜部を見よ。
           
           
1439 165 トウ しま         海中に往々山あり。依り止まる可きを㠀と曰ふ。山をもととし鳥を音とす。(形聲)テウ。タウ轉音なり。字亦に作る。呉都賦に島嶼緜邈と。
           
           
1440 165 スウ やまたかし たつとぶ あつまる     嵬高なり。崔嵬たる石を頂く山にして高きなり。宗とし仰くべきもの。山をもととし宗を音とするも。(形聲會意)亦嵩ッに作る。嵩は會意。ッは形聲。轉義は爾雅に山の大にして高はッ。又嵩高を中嶽と爲す。漢書に帝堯の嵩高。注に高なり。峻大を言ふ。論語にコを崇(タカ)うす。禮記に四術を崇(タツト)ぶ。又詩經に福禄來り崇(アツマ)るは重又は叢の代用。又崇朝其れ雨ふる。終の代用。
ソウ          
           
1441 165 やまのな         崋山なり。弘農の華陰に在り。山をもととし𦾓の省きを音とす。(形聲)經傳は華を以て代用し。崋は廢せられたり。
           
           
1442 165 やまのでばな さき     阪の名なり。阪にて名けたる地名とす。𨸏をもととし奇を音とす。(形聲)𨸏山の兩部通用。故に亦崎に作る。峻陖の例の如し。俗字埼に作る。轉義は危險の貌となし。又と曰ふ。連言して形容するもの。義は音にあり。又嶇崎に作る。然も其正字は㩻䧢に作るなり。
           
           
1443 165 コン やまのな         亦崐崘に作る。山海經に崑崙の丘と。然も説文に昆侖に作る古字なり。
           
           
1444 165 ロン やまのな         上に同じ。
           
           
1445 165 ホウ やまくずし くずれる       山の壞(クヅレ)るなり。山又は阜をもととし朋(鳳の古文)を音とす。(形聲)詩經に山冢崒崩。轉義は又鶱けず崩れず。論語に樂必ず𡹔る。皇疏に失墜の稱と。禮記に天子の死を𡹔と曰ふ。注に上より顚壞す。
           
           
1446 165 ラン あらし         艸か風を得る貌なり。艸風の(會意)青アラシなり。轉じて山より吹き下す風となし嵐に作る。埤蒼に見ゆ。六朝字なり。今は暴風雨の義となす。
           
           
1447 165 シツ やまけわし         危高なり。山をもととし卒を音とす。(形聲)爾雅に崒なる者は𠪪㕒。注に山峰の頭の巉巖を謂ふ。詩經に詩經に維れ其卒なり。卒は代用。漢書にに作る。
スイ          
           
1448 165 サイ おおきくたかし いしやま     山の大高なり。山をもととし隹を音とす。(形聲)嵟も同字のみ。又連言して義をなすものは詩經に彼の崔嵬に陟る。傳に石(山)の土を戴くを崔嵬と曰ふと。義は下の嵬の字に重し。又陮隗に作る。陮隗は高きなり。
           
           
1449 166 コウ           殽の俗字。殳部を見よ。
           
           
1450 166           岐に同じ。上を見よ。
           
           
1451 166 ガイ きし たかいがけ       高邊なり。屵(カツ)をもととし圭を音とす。(形聲)ケイ。ガイ一轉音なり。段氏云く邊とは垂(ダ)崖を行くなり。垂(ダ)とは遠い邊なり。(大平洋に臨みし端の高ネり)字は屵に從ふ。故に高邊と爲すと。朱駿聲云く。崖と高ニ微しく別なり。荀子に淵珠を生じて而して崖枯れず注に岸なりと。高フ峻にして高きものは崖なりと。此説は明かなり。
           
           
1452 166 ソウ やまけわし ふかくくらし       崝エなり。山をもととし青を音とす。(形聲)セイ。ソウ轉音なり。方言に崝は險高なり。郭璞曰く崝エは高峻の貌なり。廣雅に崝エは深冥なり。字書には崢に作ると。蓋し崝エは連言して義をなすものなり。
           
           
1453 166 カン あな はめこむ       下の嵌を見よ。
           
           
1454 166 コウ           岡の俗字。上を見よ。
           
           
1455 166 クツ つつたつやま でしやばる     山の短(長く續かぬ)にして而して高きなり。山をもととし𡲬を音とす。(形聲會意)屈は無尾なり。ブツキラボウなり。埤蒼に崫は特立なり。史記に嶊委崛崎。注に斗絶(キツタテ)なりと。字亦倔に作る。後漢書の注に倔強は強梁を謂ふ。強いて出シヤ張るなり。短屈にして高き貌の轉義なり。
           
           
1456 166 崡󠄁 カン           函の俗字。凵部を見よ。
           
           
1457 166 カン あな はめこむ       古此字なし。玉篇に坎旁の孔なり。又山巖なり。廣韻に山を開帳するの貌なり。又或はに作る漢書に嵌として巖々其れ龍鱗なりと。何れが本義が判然せず。從て字形も詳かならず。今人は象眼の義とし用ゆ。又或は箝の異文なるべし。竹部を見よ。或は此義はに出づべしに空義あり。以て塡むべし。
           
           
1458 166 スウ たかし         ッ並に崇に同じ。
           
           
1459 166 スウ たかし         上に同じ。
           
           
1460 166 さがし けわし       山の貌なり。山をもととし差を音とす(形聲)又に同じ。峨下を見よ。楚辭に山氣巃として嵯峨たり。王注に𡾦。峻にして日を蔽ふなりと。
           
           
1461 167 カイ いわやまのでこぼこ たかし     山石の崔嵬。高くして平かならざるなり。山をもととし鬼を音とす。(形聲)ヰ。カイ。クワイ一轉音なり。廣雅に嵬々は高き貌なり。
           
           
1462 167 嵿 テイ やまのいただき       頂に同じ頁部を見よ。
           
           
1463 167           の俗字。阜部を見よ。
           
           
1464 167 シヨウ           障の俗字。阜部を見よ。
           
           
1465 167 やまのな たかし こどものちえ     九嶷山なり。舜を葬りし所なり。山をもととし疑を音とす。(形聲)此字多くの代用にて行はる。_は小兒の知有るなり。口をもととし疑を音とす。詩經に克く岐く嶷と。後漢書の注に嶷然として知る所有るなりと。皆是れなり。㘈嶷皆疑を音とす。古はギ。ギヨク一轉の音なり。
ギヨク          
           
1466 167 ガク たけ         岳に同じ。上を見よ。
           
           
1467 167 コウ けわし おくぶかし       崝エなり。山をもととし榮を音とす。(形聲)エイ。カウ一轉音なり。字亦嵤に作る。方言に崝嵤。注に高峻の貌なり。又別に連言して義をなすものは。甘泉賦に岭嶙峋と。注に深く獄ウきの貌なり。又崢下を見よ。
           
           
1468 167 ケン けわし         險に同じ。阜部を見よ。
           
           
1469 167 巃󠄃 ロウ           隴の俗字。阜部を見よ。
           
           
1470 167 レイ みね         右は領を以て之を爲す。人の領と山の嶺と一理なり。嵿巓と皆一例のみ。鈕樹玉云く。廣韻に嶺は阪なり。爾雅に善く領に乗る。注に好んて山峯に登ると。漢書に轎に輿して而して領を隃(コ)ゆと。皆通して領を用ゆと。然も顧野王は漢書を引く。梓嶺を絶す。字書にに作ると。嶺は漢末に出づべし。
           
           
1471 167 ザン           磛の俗字なり。石部を見よ。
           
           
1472 167 シヨ こじま         古此字なし。顧野王云く呉都賦に㠀嶼緜邈。注に海中の洲なり。一に曰く海中の山なり。蓋し六朝字なり。一説に淤と同じと蓋し然らず。
           
           
1473 167 巍󠄁 たかし おおいなり       高なり。嵬をもととし委を音とす。(形聲)論語に巍々乎たり。舜禹の天下を保つ。何注に高大なり。字亦巋に爾雅に山の小にして衆きは巋と。釋文に高峻の貌なり。又借りて國の名となす。其字は𡿁に作り又省いて魏に作る。
           
           
1474 168 ケン           獻に同じ。又𡿕に作るは甗に同じ。皆字音を借りて山危の義となす。
           
           
1475 168 ラン こみね         山の小にして而して鋭なる者なり。山をもととし䜌を音とす。(形聲)楚辭に巒山に登つて而して遠望す。又玉巒に陟つて逍遙す。注に山脊を巒と曰ふと。_形をなす者を謂ふなり。
           
           
1476 168 テン やまのいただき       顚の俗字なり。頂嵿。領嶺と一例なり。詩經に首陽の巓とあるは。後人の改寫のみ。但し謝惠連の詩に轡を縦つ萬尋の巓と。又廣韻に巓の字を戴す。知る六朝以後の字なり。
           
           
1477 168 ガン がけ やまぎわ いわお     岸なり。又山高ネり。山をもととし嚴を音とす(形聲)巖は經傳多くの代用にて行はる。_は石山の貌なり。石をもととし嚴を音とす。詩經に維(コ)れ石巖々と是れなり。
           
           
1478 168 セン かわ         貫穿して流水を通す。運河なり。(象形)轉義は凡そ河川の名となす。書經に𡿨(ケン)(畎)(クワイ)(澮)を濬(フカク)し川に歫(イタ)ると本義なり。易に大川を渉ると。又字形を借りての𩠐巤の巛(ケ)となす
           
           
1479 168 𡿧󠄀 サイ わざわい         害なり。一の川を雝(フサグ)する(會意象形)春秋傳に川雝がつて澤を爲すは凶なり。川(水)の害を𡿧と曰ひ。火の害を災と曰ふ。又甾を借りてとなし。又災と相渉つて𤉣に作る。秦に出づ。
           
           
1480 168 巟󠄀 コウ みずひろし とおし       水廣なり。巛をもととし亡を音とす。(形聲)經傳は荒を以て代用し。變して茫に作る。川水意同じ。淮南子に茫々たる終古。注に遠き貌。又茫然として覺る無し。忘の代用と。
           
           
1481 168 シユウ くに       水中の居る可き者を州と曰ふ。水が其旁(カタハラ)を𠣘(シウ)(メグル)繞するなり。篆は重川の(會意)古文は(象形)説文に昔堯洪水に遭ふ。民水中の高土に居る。故に九州に居ると。詩經に河の州に在り。字俗に洲に作る。轉義は廣雅に州は國なり。論語に州里と雖も行はれん乎哉。鄭注に萬二千五百家を州となす。廣雅に州は國なり。周禮に州長あり。説文一に曰く。州は疇なり。各々其土に疇して而して之に生ると。齊語に羣居して州處す。注に州は聚なり。
           
           
1482 169 ケイ みずのみち たてすじ       水脈なり。川の一の下に在るなり。一は地なり。𡈼の省きを音とす。(形聲)古文は省かず。水脈の地中を行く々然たるなり。又連言して義をなすものは説文に一に曰く水の冥巠なり。字亦Aに作る。莊子に大同乎たりA溟なり。司馬注に自然の氣なりと。義は意に存す。
           
           
1483 169         子の古文。子を見よ
           
           
1484 169 巡󠄃 ジユン           辵の部を見よ。
           
           
1485 169 𡿮󠄁 トツ           𠫓に同じ。𠫓の字を見よ。
           
           
1486 169 𡿺 ノウ           腦の古文本字。肉部を見よ。
           
           
1487 169 ソウ とりのす すまい       鳥の木上に宿(ヤド)るの處を巢と曰ひ。人の穴に在るには窠と曰ふ。巢は木をもととし_は巢の形。_を鳥の雛に象る。三つ_のなり。_は_に作るべし。詩經に維れ鵲巢有り。轉義は禮記に先王未だ宮室有らず。冬は則ち営窟に居り夏は則ち橧巢に居る。鳥巢に似たり。故に名く。左傳に巢車に登つて以て晉の軍を望む。注に巢車は車上に櫓を爲ると。轉々して義を生ず。
           
           
1488 169 𡿿 コク ながれ         水の流るる貌。川をもととし或を音とす(形聲)亦_に作る。
イク          
           
1489 169 リヨウ たてがみ         毛巤なり。髪の𡿺(腦)の上に在り及び毛髪の巤々たるに象ると。(會意象形)又鬣の下に訓じて曰く。髪の鬣々たるなり。髟をもととし巤を音とす。或は㲱䝓に作る段氏以下皆云く巤鬣は同字と是なり。但し𣎆の周古文は_に作る。𣎆は多肉獸なり。然らば巤は元𣎆をもととし巛をタテガミの形とす。𡿺に從ふもに非ず。本義は獸の巤を謂ふ。
           
           
1490 169 コウ たくみ         考工記に。工は人の材コあるなり。民器を辨ず。天子に六工あり。字形は二又は_を天覆ひ地載するの象とす。hは人の意。(假借)説文巧飾と訓ずる非なり。唯だ人に規矩有るに象るといふは稍や可なり。規矩法則の極致を窮むる者は。天地人の三コを兼ぬるなり。轉じて凡そ工人の名となし。又巧善をも工と謂ふ。詩經に工祝致し告ぐ傳に其事を善くするを工と曰ふ。又史記に工女機を下ると。蓋し工の義は重し。故に王巫壬の字は工をもととす。
         
           
1491 170 たすく ひだり       𠂇(サ)(ヒタリ)手にて相助くるなり。𠂇(サ)工にて(會意)工は仕事を善(ヨク)するなり。𠂇も手なり。手助けなり。これを左といふ。左を(ヒダリ)と訓ずるは𠂇の代用。𠂇又(ヒダリミギ)の代りに左右を用ひ。後に左右を亦佐佑に作る。
           
           
1492 170 コウ たくみ         技なり。手藝なり。工をもととし丂を音とす。(形聲)然も丂を行き詰りの義とす。技巧の至極の會意を兼ぬるか。轉義は詩經の巧言。月令の淫巧。離騷佻巧。卽ち巧利となす。
           
           
1493 170 巨󠄃 キヨ さしがね のり おおいなり     規矩の矩なり。工をもととし_は之を持つ所の形とす。_は(人)が矩を持つてゐるに象る。皆(象形)。矩は_の誤形なるべし。但し説文には矢は直正の意といふてある。篆文は木に從ふ。矩は木工の執る所との意なり。孟子に規矩は方圓の至りなりと。轉義は論語に矩(ノリ)を踰へず。法なり。又大と訓ずるは鉅の代用。孟子に巨室。巨屨。巨擘と是れなり。又ナンゾと訓ず字音を借りて語詞となすもの。字亦詎に作る。
         
         
1494 170 みこ         祝(ハフリ)なり。女の能く無形(神)に事へる者なり。人の兩褎(シウ)(袖)の舞ふ形に象ると。(假借象形)工は用ひて尊き女人の意とし。_を両袖に象る古文は_にて舞ふ。は祝の言なり。
           
           
1495 170 たがう よこしま しくじり     左(ヒダリ)して相値(アタ)らざるなり。左(𠂇の代字)と𠂹(スイ)(タル)の(會意)𠂹は垂の本字。また夕の音あり。形聲なりとの説あり。但し𠂹は揚がらぬ。足らぬ。當らぬ。且つ凡そ右(ミギ)(又の代字)は便にして左は不便なり。故に差違して値らざるの義となす。轉義は廣雅に差は(ヨコシマ)なり。僭なり。次なり。月令に差貸。注に失誤。漢書に差錯。注に六人互。左傳に差池。注に齊一ならずと。亦蹉跎に作る。失足と訓ず。
           
           
1496 170 つちのと おのれ       十干の甲乙以下を五方に配當し。之を五行に譬へ。東は木。南は火。西は金。北は水。中央は土となす。又此五つを二つに分ちて兄弟(エト)となす。而して己は其中央に位し。而して其弟となる。ツチノトなり。此土中に萬物が藏せられている。其屈曲せる意を己に書き見はしたものといふ。(指事)又一説には_は紀の本字で。三を綱とし_を紀とす。綱紀の象形と。此の如く此字の形は古來の傳記が甚だ詳かならず。然も未だ他に據るべきものなし。姑く古説を存するのみ。又(オノレ)自己の義となす。紀識の轉義なりといふも。判然せず。疑らくは字音を借りて義をなすものなるべし。
         
           
1497 171 もつて         㠯󠄂の變體なり。以の下を見よ。以上を或は已上に作る。是れなり。己巳(キシ)と混ずべからず。
           
           
1498 171 すでに つきる       巳(ヤム)なり。(象形)段氏云く律書に曰く。巳とは萬物の巳(スデ)に盡きるを言ふなり。辰巳の巳は既に久しく用ひて巳に然り。巳に止むの巳と爲す。故に卽ち巳に然りの巳を以て之を釋くなりと。按ずるに巳は盡きて又始まるの義なり。故に祀の字は巳に従つて盡る無きの祭となす。而して此字形を考ふるに。包の古文はに作る。人の子の未だ形を爲さざる形とある。此に兩手を附れば(子)となるなり。人は死ぬ。又生まれる。盡きて盡きぬものなり。巳の字の義を知るべし。説文に四月に陽氣が巳に出でて。陰氣が巳に臧(カク)る。萬物が見はれて文章を爲すとあるは。例の漢人の陰陽説にて取るに足らず。巳を十二支に配當せるは。字の假借で餘り深く穿鑿すべからず。又後人が巳を蛇に當てたるは。字の音義と關せず。
           
           
1499 171 へびのな ともえ       蟲なり。或は曰く象を食ふの它(ダ)(蛇)なり(象形)又假借して連言し義をなすものは。漢書に巴且。注に一名は巴蕉と。俗に芭に作る。我邦で此字をトモエと讀むは_の_が巴の字の形に似たるに依るなるべし。而して_は支那では水の形で周の模様に見ゆ。巴は卩(セツ)を𭅲に作ると別あり。
           
           
1500 171 さかずき         卮の俗字なり。卩(セツ)部を見よ。
           
           
1501 171 うける さかずき       身を謹み承くる所あるなり。己と丞との(會意)丞は承なり奉なり受なり。段氏云く。按ずるに禮記に借りて合𧯷(キン)の字と爲す。キ。キン音通ず。_は蠡(サカヅキ)(𠞲の代用)なり。豆をもととし蒸(省)を音とす。ジヨウ。キン古音は轉通す。三禮圖に瓠を中破し夫婦各々一瓢を持つと。故に婚禮の式を合巹と謂ふなり。
キン          
           
1502 171 危󠄃           危の俗字。卩部を見よ。
           
           
1503 171 コウ ちまた ろじ       里中の道なり。𨛜(キヤウ)共の(會意)邑中に在つて共にする所なり。𨛜クは殆ど同義なり。易に主に巷に遇ふ。注に大道にして徑路ありと。詩經に巷に居人無し。傳に里塗なり。轉義は爾雅に宮中の衖は之を壼(コン)と謂ふ。衖は𨜕なり。又詩經に我を巷に俟つ。傳に門外なり。又水經注に晉の惠帝が石梁を造るの文に石巷水門を改治すと。此義は字を俗に港に作る徐鉉の新附に見る。水脈なりと訓ず。又連言して義をなすは。長笛賦に港洞坑谷注に相連るなり。朱駿聲云く猶ほ澒洞。鴻絧のごとしと。義は音に存す。
           
           
1504 172 巽󠄃 ソン そなえる えらむ       具へるなり。丌をもととし_(セン)を音とするも(形聲會意)_は二卩(セツ)(節)相並ぶ具備の義なり。品節の備完なり。而して_は必ず寫誤あり。字亦撰に作る。僎も音義近し。詩經の箋に。之を尊び豫め几を撰す。疏に撰は爲めに之を供置するなりと。本義なり。御膳立てを調へて用を待つなり。故にの異體を饌に作る。廣雅に饌は撰具なり。又轉義は禮記に杖屨を撰すと。論語に三子者の撰に異る。孔注に具なりと。又(セン)の代用なるものは。易に_はコの制なり。廣雅に巽は順なり。論語に巽與の言。注に恭なりと。是れなりと。_は巽なり。丌(キ)と𩔊(セン)の會意と。𩔊は選具なり。二頁の會意なりと。又撰擇といふは柬(エラブ)の代用。或は選を以て之と爲す。
           
           
1505 172 キン ぬぐうきれ てぬぐい       佩巾なり。冂(ベキ)をもととしhは系に象ると_に作るべきの(象形)段氏云く帶の(字の)下に云く。佩には必ず巾ありと。佩巾は禮の紛帨なり按ずるに巾を物を拭ふを巾と曰ひ。帨を以て手を拭ふを帨と曰ふ。又巾は物を覆ふべし。故に冂(ベキ)に從ふ。周禮の注に巾を以て物を覆ふを冪と曰ふ。冪は幎の字なり。
           
           
1506 172 ソウ あまねし めぐる       周なり。反𡳿にて而して_するなりと。(假借)周は𠣘(アマネシ)の代用字。之(シ)(𡳿)は往くなり。一旦行く所まで往き。もとの所へ戾つて來るが一帀なり。卽ち周回帀徧なり。𠣘を帀徧と訓ず。此義なり。俗に迊に作る。集韻に見ゆ。又匝に作る。正韻に見ゆ。又初め挾を借りて帀となす。詩經に四方に挾(アマネ)からず。此より譌して浹となる。漢書に房皇周浹と是れなり。
           
           
1507 173 巿 フツ まえだれ おおう       韠なり。上古は衣は前を蔽ふのみ。巿は以て之に象る。巾をもととし(假借象形)天子は朱巿。諸矦は赤巿。卿大夫は蔥衡。帶に連ぬるの形に象ると。篆文は韋をもととし犮を音とす(形聲)俗に紱に作ると。段氏云く。韋部に韠は韍なり。鄭云く韠の言ひは蔽なり。韍の言ひも亦蔽なり。祭服に韍と稱し。玄端(朝服)に韠と稱すと。然らば物同じく用は異るなり。故に名異る。
           
           
1508 173 いち あきない うりかい     買賣する者の之(ユ)く所なり。市には垣あり_(ケイ)(坰の本字境なり)を垣となす。_及(チフ)は(及の古文)買賣物品の相及ぶ。續々と入り來る意なり。屮は(シ)(之)の省きで意となすも之は往くの義なれば(形聲會意)説文の此解説も疑なきにはあらぬも。未だ傍證を得ざれば姑く之に從ふ。周禮に大市。朝市。夕市あり。公羊傳の注に井田に因て以て市を爲す。市井と曰ふ。〇_(フツ)(巿)_(ハイ)(𣎵)_(シ)(𪩲)と市(シ)と混ずべからず。
           
           
1509 173           紙の俗字。糸部を見よ。
           
           
1510 173 ぬの ぬさ しく ぜに   枲(アサ)織なり。巾をもととし父()を音とす。(形聲)麻布なり。古は木綿なし。總て枲麻を用ふ。又布を以て幣となし。後世因て又貨泉。泉布の名あり。又布施。布陳。布列は敷實は尃の代用なり。
           
           
1511 173 ハン ふねのほ       古此字なし。颿は馬の疾步するなり。馬をもととし風を音とす。又風は凡を音とす。故に亦𩖛に作る。徐鉉云く舟船の颿は本と此字を用ふ。今別に帆に作るは是に非ずと
           
           
1512 173 𢁫 くずぬの まれ こいねがう     説文此字を脱す。絺の古文なり。葛布なり。巾をもととし爻は_にも作る。布目の疏なる象形なり。顧野王云く説文は疏の希(マレ)を稀の字となし希望(コヒネガフ)は睎の字となす。
         
         
1513 173 きんこ かねぐら       金幣を藏する所なり。巾を幣帛の意となし。奴を音となす。(形聲)或は怒張盈滿の意を兼ぬるか。今御内帑の字を用ふ本義なり。又妻帑といふは奴の代字なり。
           
           
1514 173 ハク きぬ         盾ネり厚き絹なり。巾をもととし白を音とするも。鋤蛯ヘ素白なり。(形聲會意)轉義は幣帛となす。周禮に皮帛を執る。注に今の璧色盾フ如しと。又帕に作りの代用をなす。釋名帕腹は是れなりと。
           
           
1515 174 チツ ふみつつみ ふまき       書衣なり。巾又は衣をもととし失を音とす。(形聲)書衣とは書を裹むなり。
           
           
1516 174 タイ ふくろ         幐の俗字。袋を見よ。
           
           
1517 174 シユ ははき         糞(フン)(ハラヒノゾク)なり。巾を持つて_(ケイ)(坰)内を埽ふなり。(會意)此説は小篆にていふなり。古文に據れは_は帚に作るべきの艸なり。_は坰の字で界境の意なり。又(テ)(手)に從ふに非ず。然れば埽除すべきの具を帚と曰ひ。帚を持ちて糞除するを埽と曰ふ。俗字は箒に作る。
           
           
1518 174 チヨウ うわがき つく やすし     帛の書署(カキシルス)なり。帛とは竹帛なり。其題署なり。巾をもととし占を音とす(形聲)セン。テウ古音は通ず。段氏云く木を用ふるを檢といひ。帛を用ふるを帖といふ。皆標題なり。今人の所謂る籤なり。轉義は帖服。(安服)妥帖(平尉合著)となし。字俗に怗貼に作る。或は云く此等の義は黏の代用と。ネン。テウの音通なりと。廣雅に帖は靜なり。又は安なりと。も俗字。
ジヨウ          
           
1519 174 ハク           の俗字と。糸部の字なり。
ボク          
           
1520 174 帝󠄃 テイ みかど きみ       天下に王たるの號なり。皇帝なり。二(上の古文)をもととし朿を音とす。(形聲)シ。テイ轉音なり。轉義は君なり。又上帝となす。天部の神なり。或は云く此を本義となす。故に字は上をもととす。帝王は轉義なりと。周書にコの天地に象るを帝と曰ふと。又帝は諦なり。諦は審かにするなり。審は悉くすなり。知つて審するなり。帝の義知るべきなり。
           
           
1521 174 スイ           佩巾。(手拭)なり。巾をもととし。𠂤(タイ)(堆)兌(ゼイ)を音とす。(形聲)タイ。ゼイ。スヰ轉音なり。儀禮に母衿を施し帨を結ぶと本字なり。又曰く坐して手を帨(ノゴ)ふとは㕞の代用。又禮記に軍帥武人。注に諸將なりとは𧗿の代用。𧗿は將衛なりと訓ず行をもととし率を音とす。又儀禮に大夫を帥(ヒキ)ひて以て入る。注に道(ミチビ)くなりとの代用。は先導なり。辵をもととし率を音とす。
           
           
1522 174 いくさ もろもろ       二千五百人を師となす。今の師團なり。帀(サフ)(匝(メグル)の本字)と𠂤の(會意)帀は𡳿(シ)(之)の字の倒形なり。之は往くなり。往きて戾るは周帀の義となる。以てメグルの意となす。𠂤(タイ)(堆の本字)は衆庶の意となす。卽ち將帥士兵の大團なり。轉義は京師とす。大衆の團居する所なり。蔡邕の獨斷に天子の都する所を京師と曰ふ。又帥實はの代用なるものは周禮の師氏。注に人にヘるに道を以てす。子弟を先導しヘふる者なり。
           
           
1523 175 セキ しきもの むしろ       藉(シキモノ)なり貴人の筵席なり巾をもととし庶の省きを音とす。(形聲)シヨ。セキ轉音なり。古文は象形なりと。轉義は禮記に席上と。坐席なり。漢書に枕席すと。
           
           
1524 175 クン もすそ         と同し。衣部を見よ。
           
           
1525 175 𢂲 ゲキ           裕に同し。衣部を見よ。
           
           
1526 175 ゼイ           帥に同じ。上を見よ。
           
           
1527 175 チヨウ とばり ちようめん       布を張るなり。巾をもととし長を音とするも長く引くの意。(形聲會意)帳は牀上に張るなり。上に在るに帳と曰ひ旁(カタハラ)に在るに帷と曰ひ。襌(ヒトヘ)の帳を幬と曰ふと。又漢書に郡國の計を受く。注に計は今の諸州の計帳の若しと。帳簿の義此に出つ。別に一義なり。
           
           
1528 175 たれぎぬ         旁(カタハラ)に在るを帷と曰ふ。巾をもととし隹を音とす。(形聲)スイ。イは一轉音なり。上に在るを幕と曰ふ。轉義は禮記に之に帷す。疏に障なり。又詩經に漸車帷裳。傳に婦の車なり。又後漢書の注に帷幄は謀謨の臣を謂ふと。帷幄の内に在るなり。又論語に帷裳に非ず。鄭注に朝服。其制は帷の如しと。
           
           
1529 175 タイ おび おぶ       紳(オビ)なり。男子は鞶帶。(皮を帶ぶ)婦人は絲帶。_は雜佩を繫るに象る。_は重巾なりと。古の制度は。身邊の用具は皆帶に結び附けて置く。之を雜佩と曰ふ。_は其形の意なり。佩には必ず巾を附す。故に帶その物の巾と重なる意なり。_は形にあらざるなり。轉じて附帶と義とす。
           
           
1530 175 ジヨウ つね       (クン)(と同じ)。は下裳なり。二字義同じ。常裳同じ。巾又は衣をもととし尚を音とするも先づ衣を著けて後に裳を尚(クワ)ふ。(形聲會意)段氏は云くは下にありて。裳は上(表)にあり。又身に對していへば上部に衣あり下を裳といふと。經傳は本義に裳を用ひ。代用字には常を用ふ。長の代用は。小爾雅に尋は兩肱を舒ふるなり。(ヒトヒロ)尋に倍するを常と謂ふ。度數は常より長きはなし。故に常と曰ふと。廣雅に長は常なり。常は質なりと。又恆(ツネ)の代用は。易に未だ常を變せず。虞注に典法なり。論衡に五常の道は仁義禮智信なり。是れなり。
           
           
1531 176 帽󠄃 ボウ ずきん         小兒及び蠻夷の頭衣なり。_(ベキ)(覆(オホ)ふ)をもととし二は其飾文とす。(象形)後人變じて帽に作る巾をもととし冒を音とす。の廩に作るが如し。大字は言語の手形。形聲を便とする故なり。
           
           
1532 176 ふくろ たれぎぬ       囊なり。巾をもととし韋を音とす。(形聲)離騷の佩幃。注に香を盛るの囊なり。又七發に幃蓋の帳。注に帳なりと。帷の代用なり。
         
           
1533 176 テイ えいちまい         後世の俗字。康煕字典に類篇を引く。音は倀。張れる畫盾ネり。一にに作ると。宋に出づ。
           
           
1534 176 ベキ おおいきぬ おおう       幔なり。巾をもととし冥を音とす。(形聲)メイ。ベキ古音轉通す。朱駿聲云く字亦冪に作り。誤て冪に作る。又別に𧜀に作りに作る。周禮の幎人の注に巾を以て物を覆ふの名なり。小爾雅に大巾之を幎と謂ふ。按ずるに尊。鼎。_を覆ふの幎あり。覆帽の幎あり。覆面覆目の幎ありと。
メイ          
           
1535 176 アク とばり ひきまく       木帳なり。木をもととし屋を音とす。(形聲)朱駿聲云く帛を以て版に衣す。周禮に帷幕幄帟。注に四合宮室に象ると。字亦幄に作る。
オク          
           
1536 176 コン はかまのしたばき ゆもじ     なり。(なり)巾又は衣をもととし軍を音とす。(形聲)段氏云く褌絝は別なり。釋名に褌は貫なり。兩脚を貫き上は腰中に懸るなり。其渾合して身に近くより言へはと曰ひ。其兩(絝の兩股)の孔穴より言えはと曰ふ。方言に𧙥)無きの絝は之を襣と謂ふ。郭云く卽ち犢鼻褌なりと。
           
           
1537 176 フク ぬのはば はばひろさ       布帛の廣さなり。其廣さの邊幅。織幅。織り耳なり。巾をもととし畐を音とするも。畐は滿なり。畐(ミツ)れば邊に至る。(形聲會意)轉義は詩經に幅員既に長し。傳に廣さなり。
           
           
1538 176 トウ ふくろ         囊なり。巾をもととし_を音とす。(形聲)チン。トウ。タイ轉音なり。字亦帒袋に作る。猶ほ黱の黛に作り。螣のに作る如し。_代通用の例多し。
タイ          
           
1539 177 コウ とばり ほろ       古此字なし。玉篇に幌は帷幔なりと。六朝以後の字なり。古はと名く。木部には帷なり。屏風の屬なり。木をもととし廣を音とす。木巾通用。橦幢の例の如し。幌はの俗字なり。
           
           
1540 177 はたじるし しるし       幟(借字を以て本字を解く)の絳(アカ)帛を以て背(ウラ)に箸(ツク)(著)くるものなり。巾をもととし微の省きを音とす(形聲)春秋傳に幑を揚ぐる者は公の徒と。幟は織の俗字。用ひて幑の代用とするもの多し。
         
           
1541 177 幔󠄃 マン ひらとばり         幕なり。巾をもととし曼を音とするも。曼は引き連ぬるなり。(形聲會意)朱駿聲云く巾を以て弇(オホヒ)蔽(オホフ)し上に在るに幔と曰ひ。旁(カタハ)らに在るに帷と曰ふ。釋名に幔は漫なり。漫々として相連綴すと。
           
           
1542 177 幕󠄂 バク ひらとばり てんと       帷の上に在るを幕と曰ふ。巾をもととし莫を音とす。(形聲)ボ。バク一轉音なり。亦に作る。帷は傍らに在り二物の相違なり。轉義は帷幕を謀謨の臣の居る所となす。
マク          
           
1543 177 ヒヨウ しるし うわがき       幖識なり。巾をもととし票を音とす。(形聲)段氏云く通俗文に幑號に幖と曰ひ。私記に幟と曰ふ。凡そ物の幖識を幑識と曰ふ。今字は多く標牓に作ると。標は代用字なり。
           
           
1544 177 カイ かみつつみ         槶の俗字。鈕樹玉云く釋名に簂は恢なり。髪を恢覆するなり。玉篇に幗(カイ)は髪の上を覆ふ。或は簂に作る。按ずるに玉篇。廣韻並に云く簂亦槶に同し。説文に槶は筐當なり。義稍や遠し。覆髪は或は恢の代用。空廓の意か。
カク          
           
1545 177 サク かしらつつみ ずきん     髪に巾あるを幘と曰ふ。巾をもととし責を音とす。(形聲)方言に髻を覆ふ之を幘巾と謂ふ。蔡邕云く幘とは古の卑賤の事を執り冠せざる者の服する所なりと。漢以後は上下の羣臣皆之を服すと。
           
           
1546 177 ボク ずきん         の俗字。玉篇に幞は巾幞なり。廣韻に幞はなり。周の武帝の制する所。幅巾を裁し。四脚を出し。以て頭を幞す。乃ちこれに名くと。亦頭巾と曰ふ。亦襆に作る。集韻に幞は帕なり。一に曰く常(モ)の削幅。或は襆𦄾に作ると。
           
           
1547 177 幟󠄂 めじるし のぼり       織の俗字。糸巾往々に通用す。詩織文鳥章。鄭云く徽織なり。徽は幑の代用なり。幑は上に見ゆ。蓋し織識通用字。皆用ひて幑となして旗旂の義を得。然も記識の意あり。
           
           
1548 177 ハン のごいきれ はた       書兒の觚(習字用の板)を拭ふ布なり。字消し用の布切れなり。巾をもととし番を音とす。(形聲)又幢幡とてハタと訓ずるは旛の代用。旛も番を音とす。故に通用す。
           
           
1549 178 幢󠄂 トウ はたざお         帳橦なり。木をもととし童を音とす。(形聲)方言に翿幢は𦒇なり。玉篇に幢或は橦に作る。周禮の注に翿は剃ワ幢なり。釋文に幢は橦に作ると。木を巾に作る。幄の本字をとなすと一例なり。
           
           
1550 178 ヘイ にぎて ぬさ       帛なり。巾をもととし敝を音とす。(形聲)周禮に幣帛の式。注に賓客に贈り勞はる所以の者と。月令に圭璧を以て皮幣に更(カ)ふ。注に玄(クロ)𦄿(アカ)束帛を謂ふ。轉義は儀禮に凡そ幣を執る者。疏に玉馬皮圭璧帛。皆幣と稱す。漢書に資幣を量る。注に凡そ幣と言ふ者は皆貨物を通じ有無を易へる所以なり。故に金と錢と皆名けて幣と爲す。字亦𧸁に作る。
           
           
1551 178 𢄻 サン かさ         傘と皆𢽳の俗字。亦傘を見よ。
           
           
1552 178 チユウ ひとえのとばり おおう     襌帳なり。巾をもととし𠷎を音とす(形聲)壽も亦𠷎を音とす。故に或は幬に作り。又𢅱に作る。轉義は中庸に覆(フ)幬せざる無し。或は裯を借り𢃖に作る。
           
           
1553 178 幭󠄃 ベツ おおい よぎ かしらつつみ   蓋幭なり。巾をもととし蔑を音とす。(形聲)詩經に鞹淺幭。傳に式を覆ふなり。曲禮に素𢅓。(誤つてに作る)方言に幭。注に幞なり。韤(タビ)と混すべからず。
           
           
1554 178 カン おかす たて まもる もとむ みき 上を干すなり。一を上下の隔てとなす。_は(入)の字の倒さなり。入は上より下へ順なり。_は下より上へ逆なり。界を犯して上に逆入す。反罪なり。左傳に國の紀を干すと。又詩經に干戈戚揚とは𢧀の代用。又公矦の干城とは扞の代用。又論語に子張禄を干(モトメ)んを學ぶ。爾雅に干は求なりとは迀の代用。又所謂る十干。十二支は幹實は榦の代用。支干は枝榦なり。又釋名に干飯(ホシイヒ)は乾の代用なり。
  かわかす        
           
1555 178 平󠄃 ヘイ たいらか         語の平かに舒(ノビ)るなり。(古文は于に作る)と八の(會意)于は氣の舒なり。八は氣の分散なり。滯りなきなり。然らば平とは語氣の平調なり。轉じて平和。正平となす。詩經に既に和して且つ平かなり。大學に天下平か。爾雅に平は易なり。方言に凡そ相賦斂するを平均と謂ふ。爾雅に大野を平(原)と曰ふ。淮南子に物平。注に評議の平に讀むと。然も評は平の俗字なり。説文に訂は平議なり。又詞訟を平す。注に治なり。又後漢書に關市の征を平(ノゾ)く。淮南の注に除くとの代用なり。
           
           
1556 179 年󠄂 ネン とし         五穀の熟するなり。一年の收穫を終るなり。禾をもととし千を音とす。(形聲)セン。ネン一轉音なり。但し千は收穫の多き意を兼ぬべし。周禮に太史歳年を正し以て事を序すと。爾雅に夏に歳と曰ひ。商に祀と曰ひ。周に年と曰ひ。唐虞に載と曰ふ。
           
           
1557 179 ヘイ あう あわす ならぶ     相從ふなり。从(從)をもととし幵を音とす。并併は同字なるべし廣雅に併は同なり列なり。爾雅に兩船を併ぶ。釋文に本は竝に作ると義皆同じ。又廣雅に幷は兼なり。蒼頡篇の注に合なり。一義の轉なり。并竝義同く音も通ず。又荀子に己の私欲を倂く。注に讀んで屏と曰ふと。莊子に爵并す焉。注に除棄なりと。皆の代用。又上林賦に仁頻并閭。栟の代用なりと。
           
           
1558 179 シユウ おもきつみ おどろかす       人を驚かす所以なり。大と𢆉(シン)の(會意)_(干)は一犯にして𢆉は二犯なり。干を合せ見よ。故に(執)の字。(報)の字はにて會意。隷は幸に作り。下文の𡴘と別なし。
           
           
1559 179 コウ さいわい しあわせよしさち     吉にして凶を免かるるなり。屰(ギヤク)(逆)と夭の(會意)夭(エウ)は早死(ワカシニ)なり。夭は大(人)の頭を曲げた形である。は完全な形。其上部を屈して不足の意となす。或は_に作り手を屈する亦同意のみ。然れば夭屈(早死)すべきものが逆に夭せぬ。此程仕合せの好いことはない。是れサイハイなり。論語に不幸短命にして死す。荀子の注に活あり。轉義は小爾雅に分に非すして而して得るを之を幸と謂ふ。漢書に壇場を設けて幸を望む。注に臨幸なり。蔡邕の獨𣃔に天子の至る所を幸と曰ふ。車駕の至る所は臣民其コ澤を被る以て幸となすと俗字は倖に作る。僥倖の正字は儌𡴘なり。夭は_にも作る。故に漢人の古隷に__に作り。艸書に_に作る。其後幸に作つて。上文のと分別なし。實は非なり。
           
           
1560 179 カン みき もと       榦の俗字なり。榦は牆を作るに初めて建てる柱なり。木をもととし倝を音とす。轉じて木の榦枝の義となす。榦枝の代用字は干支に作る。亦變じて幹に作る。身の幹。事の幹となす。
           
           
1561 180 ヨウ ちいさし かすか       小なり。子の初て生るるの形に象ると。(象形)按ずるに是れ人の子の形と形と自ら別なり。蓋し人以外の動物の子なるべし。卽ち幼蟲の幼なるべし。借りて人の子又凡そ細小の義となす。
           
           
1562 180 ゲン いつわる まぼろし       相詐はり惑はすなり。反(ソムク)予(アタフ)の(假借)予の字の倒形なり。予()は推し予ふるの形。其が反對になる。予へるまねをして予へぬなり。惑はすなり。轉じてマボロシとなす。
           
           
1563 180 ヨウ おさなし あいらし       少(チヒサキ)なり。幺と力の(會意)幺は人の子の未だ形を成さぬ形。以て人の生れて未だ發育せぬ意とす。此幺は假借なり。而して其力は極めて微弱なり。禮記に人生れて十年を幼と曰ふ。孟子に其幼を幼とす。注に愛(イツクシム)なり。
           
           
1564 180 ユウ かくる ひそむ ふかし くらし   隱なり。(蔽なり見へぬなり)山𢆶(イウ)の(會意形聲)𢆶は音を兼ぬ。蓋しは二幺にて意をなす。小は益す小。微はuす微の意なり。爾雅に幽は微なり。易に幽谷に入る。注に不明の辭なり。詩經に幽幽たる南山。傳に深遠なり。字の山に從ふの意知るべし。楚辭に此幽都に下る。注に幽都は地下の后土の治むる所。幽冥なり。又輿覆以て幽辟。注に暗昧なり。皆本義なり。
           
           
1565 180 きざし あやうし ちかし こいねがう ほとんど 微なり。(幾微なり)殆なり。(危殆)なり。𢆶(イウ)(微)戍(ジユ)(殆)の(會意)小數(𢆶)の兵にて戍(マモリ)守する。危殆のことなり。𢆶は幺(エウ)よりも小なる意なり。此事は極めて幾微の發動あり。易に幾とは動の微。吉凶の先見なりと。禮記に御瞽は𥊧の上下を幾(ミ)る。注に猶ほ察のごとしと。皆幾微のことなり。此字代用多し。詩經に幾の如く式の如し。傳に期なり。小爾雅に幾は法なりとは機の代用。又爾雅に幾は近なり。易に月朢に幾(チカ)し。卽ち庶幾なりは近の代用。キ。キン一轉音なり。又禮記に其れ庶幾からん乎。注に冀(コイネガフ)なりと覬の代用。又禮記に丹漆雕幾の美。注に沂鄂なりとは圻の代用。又莊子に三子の志幾ん乎。注に盡なり。汽又訖の代用。又周語に其れ與に能く幾何(イクバク)そ。注に久しからずとは助詞の詞なりと。
  いく いくばく      
           
1566 180 㡭󠄀 ケイ つぐ         繼の古文なり。糸部を見よ。
           
           
1567 180 𢇍 ゼツ たつ         絶の古文なり。糸部を見よ。
           
           
1568 181 广 广 ケン がけのいえ         厂(カン)(ガケ)に因つて屋を作るなり。厂をもととし對刺せる高屋の形に象ると。此説は誤る。古文に據ればの後方のh(柱なき者にて_の意なり。
           
           
1569 181 广 ソウ           莊の俗字なり。康煕字典に通鑑の注を引く莊田及び外舎の事。蓋し艸の盛なる所をいふべし。今の別莊なり。其轉義は庄屋なり。干禄字書。庄は莊の俗字と。卽ち荘㽵庄と轉譌す。
シヨウ          
           
1570 181 广 タク           宅に同じ。宀部
           
           
1571 181 广 ジヨ そでかき まなびのいえ ついで   堂の東西の牆なり。广をもととし予を音とす。(形聲)轉義は庠(シヤウ)序。州黨(サト)の學となす。孟子に殷に序と曰ふ。又易に四時と其(順)序を合すと敘の代用。敘は次弟なり。
           
           
1572 181 广 おおう かばう かげ     蔭ふなり。广をもととし比を音とす。(形聲會意)比次して重覆し。蔭を爲すなり。禮記に民を庇するの大コあり。注に覆ふなり。轉義は方言に庇は寄なり。又廣雅に庀は具へるなり。庀庇は同字なり。又左傳の注に庇は治なり。魯語に夜其家事を庇す。注に理なり。此は皆比の代用なり。比庇音義近きなり。
           
           
1573 181 广 たな         屐の俗字。楮の代用をなす。尸部を見よ。
           
           
1574 181 广           廈の本字。下を見よ。
           
           
1575 181 广 シヨウ とこ         牀に同じ爿部を見よ。
           
           
1576 181 广 コウ みのる かのえ       西方に位す。秋時に萬物の庚々として實のるに象る(象形假借)西方の位とは五行の配當にて字の形義には相關せず。要するに秋時に木の實が熟するの理を借りて。之に象りて萬物の意となす。造字の常法なり。月令の注に庚の言ひは更なり。萬物の皆肅然として更に改まり。秀實新に成ると。又借りて十干の名の金(カ)の兄(エ)となすなり。
           
           
1577 181 广 テイ とどまる ひくし       止り居るなり。一に曰く下(ヒク)きなり。广をもととし氐を音とするも平氐(低の本字)の處にて居るべきなり。(形聲會意)轉義は楚語に民氣縦(ユル)めは則ち底す。注に著(オチツケル)なり。詩經に底止する所靡(ナ)し。傳に至なり。又列子に底(ソコ)無きの谷とは氐の代用。孟子に周道底の如しとは厎(トイシ)の代用。又阺(サカ)の代用をなす。
           
           
1578 181 广 テン たな みせ       坫の俗字なり。は屏(シキリ)なり。堂の隅に在り。庖廚に近し。食物を庋(サ_)ふる者なりと。後世の膳棚なり。轉じて凡そ物を陳列する所を坫といふ。借りて市坫の義となし。字改め店に作り。亦物の質の義とし砧に作る。
           
           
1579 182 广 ふみくら くら やくしよ ぞうふ   書藏なり。广をもととし付を音とす。(形聲)轉義は周禮に天府。玉府。大府。内府。外府あり。然れば大金庫。寶物藏を府といふ。又周禮に官府。注に百官の居る所。又叢なり。聚なりと訓ず。秦策に天府。左傳に怨府。素問に神明の府と是れなり。又白虎通に六府は大腸。小腸。胃。膀胱。三焦。膽を謂ふ。府とは五藏の官府と爲す。俗に腑に作る。腐爛の字を混ず。
           
           
1580 182 广 庖󠄃 ホウ くりや         庖廚なり。广をもととし包を音とす。然も包は勹(ハウ)(ツツム)の代用にて食物を包藏するの(形聲會意)周禮の庖氏。鄭注に庖の言ひは苞(實は勹)なり。肉を裹(ツツ)むを庖と曰ふ。廚は庖屋。庖廚というて義全し。
           
           
1581 182 广 シヨウ まなびのいえ がつこう     禮官老を養ふところ。夏に校と曰ひ。殷に庠と曰ひ。周に序と曰ふ。广をもととし羊を音とす。(形聲)孟子に庠は養なり。校はヘなり。序とは射なりと。時代によりて其意義を異にす。
           
           
1582 182 广 セキ こはれたるいえ のぞく ひろげる さわ 郤(ゲキ)(退くなり廢退なり)屋なり。广をもととし屰を音とす。(形聲會意)屰(サカフ)は不順卽ち用ふべからず。除郤すべきの屋舎なり。轉義は漢書に乗輿。車馬帳帷を斥く。注に用ひず。史記に小を斥け弱を疏んず。集解に遠くるなり。又㢉(タク)(ヒラク)の代用をなすものは小爾雅に斥は開なり。史記に邊關を除してuす斥す。索隱に廣げるなり。蒼頡篇に斥は大なりと。又澤の代用をなすものは。廣雅に斥は池なり。禹貢に海濱廣斥。鄭注に地の鹹鹵を謂ふと。此義或は舄を以て代用し。俗に亦潟に作る。又史記に地潟鹵と後人の改寫のみ。又逆の代用なるものは左傳に山澤の險を斥ふ。注に𠊱ふなり。書の禹貢の傳に斥𠊱して事に服す。釋名に船の小屋有り。斥𠊱と曰ふ。以て敵の進退を視ると。或は覰の代用。
           
           
1583 182 广 チツ とどまる         礙止なり。广をもととし至を音とす。(形聲)シ。チツ轉音なり。
           
           
1584 182 广 キユウ           休に同じ。人部を見よ。
           
           
1585 182 广           屋下に儲置するなり。广をもととし寺を音とす。(形聲)段氏云く。庤と音義同じ。屋下に置くと云ふものは其字の广に從ふを以てなりと。
           
           
1586 182 广 タク のり ものさし はかる わたる   法度なり。又(テ)をもととし庶の省きを音とす。(形聲)シヨ。ド一轉音なり。元と手指で測つて法度をなす。又は寸と同意。書經に律度量衡を同ふす。孟子に度にして而して長短を知る。本義なり。轉じて凡そ測度の義となす。禮記に地を度り民を居す。爾雅に度は謀るなり。又方言に度は居なり。宅の代用。又楚辭に度は謀るなり。又方言に度は居なり。宅の代用。又楚辭に年怱々として日に度(サ)る。漢書に百里の限を度(ワタ)る。注に踰越と渡の代用。
           
           
1587 183 广           屐の俗字。尸部を見よ。
           
           
1588 183 广 ぶきぐら くら       兵車の藏なり。車の广の下に在るの(會意)轉義は廣雅に庫は舎なり。管子に衛庫は天子の禮なり。注に庫は寶物を藏する所以なり。又禮記に命を庫門の内に獻す。注に或は廏(ムマヤ)と爲すと。
           
           
1589 183 广 とこ         坐の俗字なり。後漢書に先帝の坐。注に神坐なり。正に坐に作る。座は玉篇。廣韻より見る。知る六朝以後の俗出なり。今人坐座を別字となす非なり。
           
           
1590 183 广 テイ なかにわ にわ やくしよ     宮中なり。广をもととし廷を音とす。廷は朝廷といふが如しと。(形聲會意)周禮に門庭を埽ふ。易に戸庭を出でずと。或は聽を借りて庭となし。廳屋となす。俗に广を加ふるなりと。但し庭の轉義なり。又廷の代用をなす。周書に大庭に朝すと。朝廷なり。又周語に不庭不虞の患。注に直なりと梃の代用。左傳に皋陶庭堅と又是れなり。漢碑文に威神庭電とは霆の代用。
           
           
1591 183 广 ボウ ゆたか おおいなり まざる     厖の俗字なり。顧野王云く。毛詩に下國の駿庬と爲る。傳に厚なり。韓詩に寵なり。爾雅に庬は大なり。又有なり。方言に凡そ物の大なる貌を豐庬と曰ふ。説文は厖に作る厂部に在り。亂雜の庬は牻の字と爲すと。
           
           
1592 183 广 タク ひらく ひろげる       屋を開帳するなり。广をもととしを音とす。(形聲)拓を見よ。
           
           
1593 183 广 グウ           寓に同し。宀部を見よ。
           
           
1594 183 广 アン いおり         奄の俗字なり。古人は庵を諒闇の闇の俗字となすも。字形に於て遠し。奄に葢覆(オホフ)の意あり廬の義となすべし。或は闇奄通用。後に广を加ふ。字亦菴に作る。後漢書に見ふ。亦俗字。
           
           
1595 183 广 シヨ もろもろ こいねがう ちかし     屋下の衆なり。广炗の(會意)炗は古文の光の字。大盛の意。衆多の意あり。一説に炗は庭燎の意。屋前庭燎の下に衆人が集るなりと。又庶幾といふ。連言義をなす。
           
           
1596 183 广 なかびくのいえ あつまる     中伏舎なり。广をもととし卑を音とす。段氏云く其兩旁を高くし。中は低伏の舎を謂ふ。又周禮に豐肉にして而して庳。注に短なり。䇑の代用。又太玄に杳V其容を庳はす。注に衆水の湊る所と。朇の代用と。
           
           
1597 184 广 コウ もみがら ぬか やすし     穀の皮なり。𥞫又は米をもととし庚を音とす。(會意形聲)俗に糠に作る。古は多く禾に從はす。米にて意は足れり。又多くの代用にて行はる。は屋の㝩なりと。安靜無事の貌なり。詩經に小康。大康是れなり。又トの代用をなすものは爾雅に康は樂なり。康トは古音轉通すと。又禮記に康なる周公。注に猶ほ襃大のことしと廣の代用。又詩經に彼の康爵に酌む。箋に虗なりとの代用なり。
           
           
1598 184 广 ヨウ もちう つね やとう     用ふるなり。用庚の(會意)庚は充實の義あり。用ふべし常あるなり。中庸といふ。諸(コレ)を心に存して中と爲し。諸を事に發して庸と爲す。用ふるなり。詩經に尚(コヒネガハ)くは庸ふる無かれ。傳に用なり。轉義は凡庸となす。齊語に君の庸臣。(或は云く。淮南子に世俗庸民。注に衆なりと。此義は衆の代用と。)爾雅に庸は常なり。方言に庸は代なり。或は曰く是(コレ)庚續の義。恆の代用と。又廣雅に庸は使ふなり。漢書に庸保と雜作す。注に賃作する者を謂ふとは傭の代用なりと。又何(ナンソ)と訓ずるは發聲の詞なり。
           
           
1599 184 广 庾󠄂 かわぎしのこめぐら はかりめ     水槽の倉なり。广をもととし臾を音とす。(形聲)水穀を轉運し至つて。而して之を倉に入ると。一に曰く倉に屋(ヤネ)無き者と。詩經の箋に穀を露積する者と。又論語の注に庾は十六斗と匬の代用なりと。
           
           
1600 184 广 かわや まじわる ぶたごや     清める所なり。广をもととし則を音とす。(形聲)ソク。シ古音通す。俗に厠に作るは非なり。又圚。。溷と曰ふ。轉義は雜なり。又漢書の注に廁は豕を養ふの圂なりと。
           
           
1601 184 广 シヨウ ひさし         箱の俗字なり。顧野王曰く。爾雅に室に東西廂あるを庿と曰ひ。東西廂なきを寢と曰ふ。埤蒼に廂は序なり。然れば六朝の時に爾雅も巳に廂に作る。漢書は箱に作る。古字の存するものなり。
           
           
1602 184 广 ロウ ほそどの わたりどの ひさし     古は郎を以て之と爲す。徐鉉新附に廊は東西の序なり。然も漢書には郎に作る。古字は广に從はず。唯字音を借りて名となすのみ。但し漢碑に廊あり。漢末の俗字なり。
           
           
1603 184 广 ひろきいえ おおきないえ     廡(大屋)なり。广をもととし牙を音とす。(形聲)字亦廈に作る。淮南子に大廈成つて而して燕雀相賀すと。葢し夏に大義あり。故に初め夏を借りての代用をなし。後夏屋渠々たり。楚辭に穾夏。注に大屋なり。皆夏に作る。
           
           
1604 184 广 庿 ビヨウ           廟に同じ。下を見よ。
           
           
1605 185 广 ソウ かくす もとむ       𢯱に同じ。𢯱の古文はなり。然れば𢯱に作るは。又手が重複し。に作れば宀广が重複す。俗字たる所以を知るべし。論語に人焉ぞさんや。玉篇には隱匿なり。求むるなり。亦𢯱に作ると。葢し隱れて見へぬ。故に求索するなり。一義の轉用のみ。
           
           
1606 185 广 廉󠄃 レン そばだつ かど きよし     堂の側邊を廉と曰ふ。仄なりと訓ず。广をもととし兼を音とす。(形聲)轉義は禮記に廉にして而して劌せず。(劌は利傷なり)注に稜なり。晉語に君を殺して以て廉と爲す。注に直なりと。或は云く此等は𥖝の代用。𥖝は獅ネり。孟子に取れは廉を傷つく。楚辭に清くして以て廉潔なり。廣雅に廉は清なり。或は云く此等は儉又は溓の代用と。儉は約なり。溓は薄なり。
           
           
1607 185 广 𢋁 キユウ むまや         馬舎なり。广をもととし(キウ)を音とす。(形聲)㲃に聚むるの義あり。或は會意を兼ぬ。周禮に馬二百十四匹有るを𢋁と爲す。古文は九を音とす。音あり形なし。俗に廐厩に作る非なり。
           
           
1608 185 广 カク くるわ         度(ハカル)なり。民の度(測量)居する所なり。回は城𩫖の重に象り。_は兩亭の相對するなり。(象形)と。然らば殷古文は本形なり。四方_卽ち亭の省にて卽ち城廓の四門から。四方の國道を行くと。一定の里程に於て必ず亭舎あり。行旅者の宿泊する所とす。又一説に_は高の省きにて。高は四門の上に在る高臺觀(物見臺)なりと。亦通ずべし。又郭は齊の郭氏の墟なり。邑をもととし𩫖を音とす。形聲字。而して𩫖の後出字を廓に作り。广をもととし郭を音とす。を廩に作り。广をもととし。㐭の部の稟を音とする。正に同一例なり。
           
           
1609 185 广 ロク           簏の俗字。廣蒼に見ふ。六朝字なり。
           
           
1610 185 广 オウ あかるし たねまきどうぐ     屋の麗廔なり。广をもととし婁を音とす。(形聲)孟子に離婁の明と義同じ。唯だ屋の明をいふ。广に從ふ故なり。一に曰く穜(タネマク)する所以なり。俗に耬に作る。
           
           
1611 185 广 イン かげ         蔭に同じ。顧野王曰く埤蒼に廕は庇なり。字書に廕は蔭の字。艸部に在り。或は𥚱の字と爲すと。𥚱は闇なり。
           
           
1612 185 广 リヨウ           廫の省きなり。宀部の寥を見よ。
           
           
1613 185 广 チユウ くりや とばり       庖屋なり。广をもととし尌を音とす(形聲)禮記に君子庖廚を遠ざくと。蒼頡篇に廚は食を主る者なりと。又庖を見よ。轉義は漢書に廚とは能く財を以て人を救ふ者を言ふと。
           
           
1614 186 广 テン すみか やしき       二畝半なり。(宅地の廣さ)一家の居なり。广里八(分つ)土の(會意)里の土地を分ちて广(屋の意)を作るなり。周禮の廛人の注に民居區域の稱なり。又云く市中の地の未だ肆(店)有らず。貨物を藏すべきを謂ふ。鄽は俗字。
           
           
1615 186 广 ビヨウ みたまや やしろ       先祖を尊ぶの貌なり。广をもととし朝又は苗を音とす(形聲)段氏云く广朝の會意なり。之に居る朝廷と尊を同ふする者なり。其祖先を尊んて而して是を以て之を儀貌す。故に宗廟と曰ふ。古者廟には先祖を祀る。凡そ神は廟を爲(ツク)らず。神の爲めに廟を立つる者は三代以後に始まるなりと。又爾雅に東西廂あるを廟と曰ひ。無きを寢と爲すと。
           
           
1616 186 广 廠󠄃 シヨウ ばらつく むまや       古は敞を用ふべし。字音を以て名となすなり。玉篇に馬屋なり。集韻に廠は屋に壁なし。六朝以後の字。今工廠といふ未詳なり。
           
           
1617 186 广 シヨウ           牆の俗字。爿部を見よ。
           
           
1618 186 广 めしつかい         斯の俗字。顧野王云く。公羊傳に廝役扈養。何休注に艸を刈り防を爲る者と。雷浚云く。斯は薪を析くなり。轉じて薪を析くの人も亦た斯と曰ふなり。左傳の注に廝役。釋文に斯役に作ると證すべきなり。
           
           
1619 186 广 ひさし おおいえ くさしげる     堂下の周(マハリノ)屋なり。广をもととし無を音とす。(形聲)漢書に廊廡の下。注に門屋なり。轉義は釋名に大屋を廡と曰ふ。廡はなり。覆なり。管子の注に大なるを廡と曰ふ。又艸木蕃廡。無の代用。
           
           
1620 186 广 ハイ すたる         屋の頓(カタムク)なり。傾圯(ヤブレ)して用に立たぬなり。广をもととし發を音とす。(形聲)ハツ。ハイ一轉音なり。轉義は禮記にヘの由て廢する所。注に弛(ユルム)なり。中庸に半塗にして廢す。注に罷止なり。又爾雅に舎(ステ)るなりとは癈の代用。癈疾なり。
           
           
1621 186 广 コウ ひろし ひろま       殿の大屋なり。广をもととし黄を音とす。(形聲)廣とは屋の四壁無くして上に大覆葢あるなりと。其通する所は宏遠なり。孟子に天下の廣居に居る。廣雅に廣は大なり。博なり。中庸に廣大を致して而して精微を極む。注に猶ほ博厚のごとし。左傳に狄の廣漠。注に曠絶なり。又史記に自ら廣むは懬の代用。又周禮に地域廣(東西)輪(南北)とは横の代用。西京賦に廣袤を考と同じ。又家語に自ら其廣を望むと。壙の代用。又周語に煕は廣なりと。光の代用なり。
           
           
1622 186 广 カイ やくしよ         解の俗字なり。玉篇に廨は公廨なり。説文に此字なし。商子に其解舎を高くす。呉都賦に解署基布と。皆古正字なり。
           
           
1623 186 广 リヨウ さみし         寥の本字なり。宀部を見よ。
           
           
1624 187 广 リン もみぐら         穀の振(オサメ)入する所なり。宗廟に供へる粢盛(餅又は饌米)は蒼黄色の時に取り入れして大切に貯藏する所を廩と曰ふ。入をもととし回は象形とあるは誤る。周古文に據れば倉の字は全然象形字。は屋根なり。且つは二重屋根なり。後亦广をもととし稟を音として廩の字を作る。此例甚だ多し。詩經に高廩。傳に盛の穂を藏する所以なり。孟子に舜をして廩を完せしむ。注に倉なり。皆字の本義なり。後人は凡そクラの義となす。
           
           
1625 187 广 かりずまい いおり いえ     寄なり。秋冬に去り。春夏に居る。广をもととし盧を音とす。(形聲)漢書に二十畝を餘し。以て廬舎と爲す。注に田中の屋なり。又廬旅あり。直宿の止まる所なり。講讀する所なり。皆漢書の注に見ふ。又儀禮に倚廬に居る。注に木に倚つて廬を爲る。中門の外東方北戸に在り。又轉じて西京賦に阿房の廬す可からざるを恨む。注に居なり。又盧山。盧水の名とす。
           
           
1626 187 广 ヨウ まなどどころ やわらぐ ほり     天子辟廱に饗飲す。广をもととし雝を音とす。(形聲)白虎通に廱なる者は之を𢹬するに水を以てし。ヘ化の流行に象るなり。王制に天子は璧廱と曰ひ。諸矦に頖宮と曰ふ。又璜と名く。◎(璧)_(璜)の形に象つて沼地を回(メグ)らすなり。又和なりと訓ず雝の代用。塞くと訓ずるは邕の代用なり。
           
           
1627 187 广 チヨウ やくしよ まんどころ       此字漢魏の碑文には聽を以て之となす。其義は庭の轉義。若しくは廷の代用と爲す。廷庭聽三字皆𡈼(テイ)を音とす。故に通用。後庭聽混して廳となるのみ。
           
           
1628 187 エン ながびく のびる のぶ     長く行くなり。(テン)(安行)をもととし。_(エイ)((ヒキ)引(ヒク))を音とす。(形聲會意)延の字の古音はイなり。エ。イ轉通。後に又エンとなれりと。轉義は凡そ延長。延引となす。方言に延は年長なり。洛神賦に延頸秀項。淮南子に延樓棧道。又方言に延は徧なり。書經に延ひて平民に及ぶ。齊策に楚の割に倍して而して齊に延す。猶ほ饒なり及なりのごとし。楚辭に蝮蛇蜒只と蛇行も長行なり蜒は俗字。又爾雅に延は進むなり。曲禮に主人客を延く。注に道(ミチビク)なり。皆廴(イン)の代用と。_は長行なり。_(彳)の末の一筆を引き伸ばして其意となすなり。
           
           
1629 188 𢌛󠄀 セイ ゆく         行くなり。廴をもととし正を音とす。(形聲)征と音義同じ。行くこと征よりも緩なるべし。延と混ずべからず。
           
           
1630 188 テイ まんどころ         朝中なり。朝廷なり。廴をもととし。(廴も長行と訓ず)𡈼を音とす。(形聲會意)廴は延引の引の本字なれは徐行なり。𡈼は人が土(地)上に立つ。朝廷に立つの意となす。凡そ朝廷に在るものは禮容を重んず。故に其歩は廴々と徐行するなり。轉義は漢書に廷尉は平なり。後漢書の注に。廷尉は秦の官なり。獄を聽く必ず朝廷に質す。衆と之を共にす。尉は平なりと。
           
           
1631 188 チユウ           廸の俗字。辵部を見よ。
テキ          
           
1632 188 ケン たつ たてる       朝律を立つるなり。聿(古の筆字)と廴(廷の省)にて(會意)朝廷で法を制定するなり。直に筆にて記録し法律が成立するのである。其法律は天下に行はる。故に律の字は彳をもととす。彳は行なり。律建の二字は互に意義が通ずるのである。轉義は易に矦を建つるに利あり。周禮に惟れ王國を建つ。秦策に大功を建つ。老子に善く建つ者は抜けずと。又建築の義となす。
           
           
1633 188 カイ めぐる         迴徊佪と同じく。皆回の俗字なり。宜しく廢すべし。
           
           
1634 188 キヨウ てをそばだつ うやうやし     手を竦(ソバタ)つなり。_(サ)(屮)(イウ)(又)の(會意)左右の手をそろえて向ひ合はす。恭しき手容なり。神へ供物を捧げる手の狀なり。楊雄の説は二手の會意とす。卽ち奇字なり。
           
           
1635 188 ベン かんむり わきまう       冕(の屬(タグヒ))なり。周に㝸󠄁と曰ひ。殷に吁と曰ひ。夏に收と曰ふ。皃(貌)をもととし八は(象形)と。垂れる意か。今弁に作る𢌮の俗變なるべし。又誤つて卞に作る。而して_は拚の古文なるべく。㝸󠄁とは音通なるべきも。専門研究ゆへ今は略す。又弁を法なりと訓ず。憲の代用。又樂むと訓ず。𣅹の代用。又急と訓ず褊の代用なり。又今は弁を借りて辨辯となす。音通のみ。古此例なし。
           
           
1636 188 异󠄂 あげる ことなる       擧げるなり。廾をもととし㠯(イ)を音とす。(形聲)書經に嶽曰く异なる哉と。段氏云く異の代用なりと。
           
           
1637 188 すてる         棄の古文。木部を見よ。
           
           
1638 189 ロウ もてあそぶ         玩ぶなり。(キヨウ)と玉にて(會意)兩手で大切に寶玉を愛持するなり。詩經に_(スナハ)ち之に璋を弄ばしむと本義近し。轉じて左傳に弱にして弄を好まず。注に戲なりと。
           
           
1639 189 エキ ばくち       圍棊なり。をもととし亦を音とす。(形聲)小爾雅に棊局を之を弈と謂ふ。左傳に君を視ること弈棋に如かず。論語に博弈なるもの有らずやと是れなり。大なりと訓ずるの奕とは別なり。
           
           
1640 189 キヨ おさむ         朱駿聲云く_(キヨ)の異體なり。_は𥬔(ヒツ)に同し。藏なりと。通ずへし。然も按ずるに弆は胠の俗字なるべし。胠は腋(亦)の下なり。腋意近し。而して𥬔と音通字なり。
           
           
1641 189 エン おおう おおいなる       葢なり。をもととし合を音とす。(形聲)古文は廾と日の穴の中に在るの會意。葢し弇は揜の古文なるべし。取るを揜と謂ふ。一に曰く覆なり。正に義同じ。字俗に葊に作る。
           
           
1642 189 𢍅 カン かえる         奐の本字なり。大部を見よ。
           
           
1643 189 𢍜 ソン たる         尊の本字なり。寸部を見よ。𢍜とオクと訓ずる_(テン)と混ずべからず。
           
           
1644 189 ヘイ やぶる         獘の俗字なり。獘が𡚁となり。また弊となる。誤字なり。元來楷書の前に艸書があり。艸書で廾を大に作る。此より楷書の廾大の字が互に混亂す。此類少なからず。注意すべし。
           
           
1645 189 シヨウ すすめる         獎の誤字なり。犬部を見よ。
           
           
1646 189 ヨク しるしのくい         (クヒ)なり。_は折りたる木の(ジヤ)(邪)鋭(トガル)なる形に象る。_(エイ)は之を挂ける(ヒカヘクヰに繫ぎ止む。)に象ると。(象形)俗に杙に作る代用字。(杙は果の名)又弋射(イグルミ)とはの代用なり。
           
           
1647 189 シヨク のり         法つとるなり。法を取るなり。工をもととし弋を音とす。(形聲)詩經に古訓是れ式(ノリ)有り。轉じて樣式の義となす。又周禮の注に式は財用の節度を謂ふ。又用(モチユ)と訓ず。
シキ          
           
1648 190 ころす しいす       臣の君を殺すなり。殺の省きをもととし式を音とす。(形聲)シキ。シ一轉音なり。釋名に下の上を殺すを弑と曰ふなり。弑は伺なり。間を伺ふて而して後に施すを得るなりと。伺弑音同じ。
           
           
1649 190 キユウ ゆみ         近きを以て遠きを窮むる者なり(象形)弓は身近かにあるも矢は遠きに達す。周禮に六弓あり。又公羊傳の注に雕弓。彤弓。嬰弓。盧弓あり。古は弓を六尺とす。
           
           
1650 190 イン ゆみひく ひく       弓を開くなり。弓とh(シン)の會意hは進む意。卽ち開くなり。轉義は引滿。牽引。引伸。引陳となす。詩經の箋に前に在るに引と曰ふ。導引なり。又延引は廴の代用。
           
           
1651 190 チヨウ とむらう いたむ あわれむ いたる   人の終りを問ふなり。人の弓の(會意)古の葬る者は。厚く衣するに薪を以てす。鳥獸の害あり。孝子は彈弓を作り。以て親の死體を守る。故に之を弔ふ人は必ず弓を以て會し。禽を𢿛(ウチ)て孝子を慰すと。轉義は詩經に中心に弔(イタ)む兮と。傳に傷なり。左傳に君有り弔(アハレ)まれず。注に恤なり。又詩經に神の弔(イタル)矣とは𨑩の代用。書經に敢て弔せられざる無し。注に善なり。俶の代用と。字亦__に作る。
           
           
1652 190 フツ もとる ためる     撟(タメ)るなり。丿(ヒツ)(右と戾る)乀(ホツ)(左と戾る)をもととし韋の省き(_)を以て(會意)然れば凡そ弗戾(サカラフ)する物を擊ちて撟揉するは拂なり。弗拂音義相近し。弗を治むと訓ずるは拂の轉義なり。又語詞のズと讀むは不の字と似たり。公羊傳に弗とは不の深きなり。非勿を用ゆると略ほ同じと。フ。フツ音にて知るべし。禮記に食は弗(ザ)れば其旨きを知ら不(ズ)と。其分別なり。
           
           
1653 190 コウ ゆみのこえ おおいなり       弓の聲(ツルオト)なり。弓をもととし𠃋を音とす。(形聲)𠃋は古文の厷。厷は肱に同じ。(𠃋(コウ)と厶(シ)と同じからず)又爾雅に弘は大なり。書經に璧。詩經の箋には廣なり。宏の代用。
           
           
1654 190   ゆみつよし         彊なり重なり。二弓の(會意)音は詳かならずと。弻の字は弜に從ふなり。
           
           
1655 190 𢎫 タン           彈に同じ。下を見よ。
           
           
1656 191 ゆみつるをはずす ゆるむ とく すつ 弓の解(トケル)なり。弓をもととし也虒を音とす(形聲)古也它同字。故に古文は_(𢏋)に作る。禮記に一張一弛。疏に弦を落(ハヅ)すを謂ふ。轉義は廣雅に弛は緩なり。置くなり。舎(ス)つるなり。爾雅に弛は易(カエ)るなり。又經の注に息(ヤム)なり。去るなり。解くなり。廢なり。毀つなりと。
  やむ        
           
1657 191 テイ つぎつぎ おとと       韋束(ナメシカハデマク)の次弟(第の本字)なり(象形)_上より下へ。次ぎ次ぎへ卷き降すなり。轉じて凡そ次弟順序ある義となす。兄弟も兄が先で次は弟である。後人弟を兄弟の専字となし。本義の次弟の字を第に作つて分別す。然れども漢人は𦯔を借りて次弟の字となし或は苐に作る。此より誤つて第となる。芺笑と同例。又兄弟の轉義は兄に事ふるを弟といふ。字亦悌に作る。又字音を借りて發聲の詞となす。史記に弟(タダ)深く考へず。徐廣云く但なりと。又索隱に但なり。
ダイ          
           
1658 191 ゲン ゆみつる こといと なりもの ふなばた   弓弦なり。弓をもととし絲軫(シン)の形に象る。(象形)段氏云く弓弦は絲を以て之を爲り弓に張る。之に因て琴瑟に張る者も亦た弦と曰ふ。俗に絃に作るは非なり。絲軫の形とはを謂ふなり。古文の絲()のに系るに象る。軫とは弦を系くる處なり。正字は紾に作ると又云く釋名に弦は月の半ばの名なり。其形は一旁は曲。一旁は直。弓を張り弦を施すが若(ゴト)しと。漢碑に絶弦の字を𥾏に作る。古文に合す。又楚辭に竄鼓す。注に船舷を叩くなり。廣雅に𦨲之を舷と謂ふ。船の兩邊の木の弦の如き者を謂ふなりと。段説は詳かなり。絃舷は漢末より出でし俗字なり。
           
           
1659 191 きのゆみ はりたけ まがり     木弓なり。弓をもととし瓜を音とす。(形聲)易に木に弦して弧と爲す。又禮記に弧。疏に竹を以て之を爲り。其形は弓と爲す。以て縿(キギヌ)の幅を張ると。又周禮に弧張を掌る。注に罿罦の屬にて禽戰を罥扃する所以なり。ハネカエスの義に出つべし。故に楚辭に正法弧にして而して公ならず。注に戾なりと。
           
           
1660 191           彌に同じ。下を見よ。
         
           
1661 191 からくりゆみ いしゆみ       弓に臂(ヒジ)有る者なり。弓をもととし奴を音とす。(形聲會意)奴は怒の省きのみ。釋名に勢怒有るなり。其柄を臂と曰ふ。人の臂に似たるなり。弦を鉤するを牙と曰ひ。牙の外を廓と曰ひ。下を懸刃と曰ふ。合せて之を名けて機と曰ふ。機の巧の如きなり。
           
           
1662 192 弢󠄂 トウ ゆみぶくろ         弓衣なり。弓をもととす。𠬢は垂るる貌と。然も𠬢を音とするの説是なるべし(形聲)
           
           
1663 192 もつれとき やむ       弓に縁無く。以て轡紛を解く可き者なり。弓をもととし耳を音とす。(形聲)爾雅の注に角弓なりと。詩經に象弭魚服。又左傳に兵其れ少く弭む矣とは止の代用と
         
           
1664 192 弱󠄃 ジヤク よわし わかし       橈(タワ)むなり。_は橈曲の意に象る。弓に非ず。二彡は毛氂(ケ)の橈弱(ヨワヨワシ)なるに象る。弱き者は并せねば力なし。故に同形を合せて字形をなすと。(假借象形)轉義は柔弱。老弱となす。老子に弱は道の用なり。
ニヤク          
           
1665 192 チヨウ ゆみはり はる       弓に弦(ユミツル)を施すなり。弓をもととし長を音とするも。弓を張れば其力を長ず(形聲會意)詩經既に我弓を張る。廣雅に張は開くなり。轉義は禮記に琴瑟張つて和せず。楚辭に羅幬張る。秦策に樂(ガク)を張る。左傳に三軍を張る。注に自ら侈大なり。又張して廁に如く。注に腹の滿なり。字俗に脹痮に作る。
           
           
1666 192 キヨウ むしのな つよし つとむ     蚚(キン)(蟲の名)なり。虫をもととし弘を音とす。(形聲)コウ。キヤウ轉音なり。又蒼頡篇に強は健なり。中庸に子路強を問ふ。注に勇者の好む所と勍の代用。又強弱とは彊の代用。彊は弓に力あり。剛弓なり。又勉強とは勥の代用。勥は亦𠣃に作る。力迫なり。爾雅に強は勤なり。又勉と訓ず。
           
           
1667 192 トン ゆみのな         畫弓なり。弓をもととし𦎫を音とす。(形聲)詩經は敦を代用とす。
           
           
1668 192 チヨウ           韘に同し。韋部を見よ。
           
           
1669 192 ヒツ ゆみため たすく       輔(俌(タスク)の代用)なり。弜(キヤウ)をもととし(セツ)(舌の形)を音とす。(形聲)弓を俌正するの具なり。又檠。榜。柲の三名あり。弜は二弓の合なり。其間に夾みこみて弼正すべし。轉義は爾雅弼は俌なり。書經に五服を弼け成す。又予に良弻を賚ふと。越語に輔を憎み弼を遠ざく。古文攴に從ふ。更改の字の攴の如し。又二は變形。又弓をもととし弗を音とす。又拂の代用をなす。
           
           
1670 192 タン ゆみはじき はじく はずみ ただす   行丸(ユミバシキ)なり。弓をもととし單を音とす。(形聲)古文は象形。・は石丸なり。説文に_篆あり。弓丸の會意。𢎫は古文と同意。丸は・なり。轉義は楚辭に新に沐する者は必其冠を彈く。史記に舜五弦の琴を彈ず。又劔を彈じて歌ふ。又此彈丸の地小なるに譬ふ。又周禮の注に街彈の室。疏に室を置き一里の民を檢彈すと。彈劾。彈糾。譏彈。此義に出づ。
           
           
1671 192 カク           亦彍に作る。擴の本字なり。今手部に詳かにす。
           
           
1672 193 キヨウ つよゆみ つよし かぎり     弓に力あるなり。弓をもととし畺を音とす。(形聲)畺は疆の古文故に周古文は彊を以て疆の代用をなす。又多く強を以て彊となす。子路強を問ふの類なり。又上を見よ。
           
           
1673 193 ゆみをゆるぶ ひさし     弓を弛ぶなり。弓をもととし璽を音とす。(形聲)璽は爾を音とす。故に亦彌に作る。又邇の古文は_に作り。璽の古文を鉨に作るに依れば。彌も亦𢏏に作る可きなり。又周器銘文に永命_生。周書の謚法に彌は久なりとは镾(久なりと訓ず)の代用なり。又易に天地の道を彌綸す。注に廣なり。論語に之を仰げば彌(イヨイヨ)高しと。此等は廣遠の義より出づ。濔の代用なり。又左傳に敝邑を彌縫すとは。注に猶ほ補合のごとしとは𦊮(ヒ)(アマネシ)の代用なり。
           
           
1674 193 シヨウ ゆはず         此三字皆簫の俗字なり。
           
           
1675 193 ワン ゆみをひきはる       弓を持ち矢を關するなり。弓をもととし䜌を音とす(形聲)段氏云く凡そ兩相交はるを關と曰ふ。木を以て兩扉を横持するが如し。矢が弦に括櫽して。鏑が弓の背外に出づ。是れ兩端相交はるなり。孟子に越人弓を關して之を射ると。又今人海岸の地形の彎曲を灣と曰ふ。灣は俗字なり。
           
           
1676 193 㣇󠄀 ぶたのたぐい けながぶた     脩(ナガ)く豪(ツヨキケ)の獸なり。一に曰く河内にては。豕に名づくるなり。彑(ケイ)をもととし(頭の形)下は毛や足に象る。彙の字。𩫕の字は之をもととし。古文の彝の字は㣇󠄀を音とす。㣇󠄀此(イ)と彖(タン)のじと混ずべかす。故に存して參に備ふ。又豕部も見よ。
         
           
1677 193 セイ たかははき ははき       埽竹なり。又(テ)(手)に甡を持つの(象形)或は竹習の(會意)之を用ひて習熟するなり。但し甡(シン)は二生の合形にて。此甡は別の象形。_の省略なり。婦の古文を_に作る_は_の省き彗帚に作るの艸なり。又或は篲に作る。轉義は爾雅に彗は勤なり。彗を用ひて塵芥を埽除するは卑者の勤勞なり。又釋名に彗星は光りが稍や彗に似たるなりと。左傳に彗は舊を除き新を布く所以なり。
スイ          
           
1678 194 はりねずみ たぐい       彙蟲なり。豪豬に似て而して小なり。(豪は鬣が筆管の如しと)知る彙は針鼠なり。字形は㣇󠄀の籀文の省形をもととし胃の省きを音とし。又或は虫をもととし胃を音とす。皆(形聲)なり。又彙の字をタグヒと訓ずるは類の代用なり。古音彙類轉通なり。易の秦に否定は其彙を以ふ。荀注に類なり。今は此義にて行はる。
           
           
1679 194 うつわのな つね のり     宗廟の常器なり。糸(絲)は綦(ヒモ)なり。(キヨウ)(兩手)に之を持つ。米は器中の實(充てる)なり。彑は象形とあるも。周代古文に依れば㣇󠄀(イ)を音とし。形聲を兼ぬ。(形聲會意)説文は誤る。_はの誤り糸と同意のみ。米は鬱鬯。酒の意なりと。字形は此の如し。周禮に司尊彝の官あり。彝も尊の類なり。其宗廟常置の尊き器なるにより。轉義は爾雅に彝は常なり。書經に彝倫の敘(ツイツ)る攸(トコロ)なり。又茲に彝ヘを迪びく。疏に法なり。詩經に民の彝を秉ると。
           
           
1680 194 ブン あや         (イク)(郁)なり。彡と文の(會意)彡は飾る意となす。は郁々乎として文なる哉の郁の本字なり。而して文は(形聲)を兼ぬ。故に經傳は多く文を借りて彣となす。文章は彣彰を本字となす。又文采。文華。亦皆彣の代用なり。
モン          
           
1681 194 タン あかぬり あかし       丹飾なり。丹彡(カザリ)の(會意)彡は其畫彤文なり。丹は音も兼ぬべし。書經に彤弓あり。彤裳あり。詩經に彤管あり。皆赤色なり。
トウ          
           
1682 194 形󠄃 ケイ かたち         象形なり。彡(サン)をもととし幵を音とす。(形聲)ケン。ケイ一轉音なり。但し彡は毛なり筆毫の意以て書き形(アラ)はすなり。轉義は形容。形體となし。又外に形はるとなす。
           
           
1683 195 ゲン ひこ よきおとこ       美士なり。彣彰あり。彣(アヤ)をもととし厂(ガン)を音とす。(形聲)ガン。ゲン一轉音なり。邦言でヒコは美の稱なり。他より賛美するなり。故に彣ありといふ。大學に人の彦聖なる亦本義なり。
           
           
1684 195 彫󠄃 チヨウ きざむ える ほる     彫刻なり。字の本義は玉(ギヨク)の細工を謂ふ。琢はアラケヅリ。其仕上を琱となす。而して更にを刻するを彫となす。故に彡をもととし周(琱の省)を音とす。(形聲會意)廣雅に彫は鏤なり畫なり。左傳に牆に彫す。荀子に天子は彫弓。又孟子に玉人をして之を彫琢せしむ。琱の代用。論語松柏の後彫。凋の代用なり。
           
           
1685 195 彩󠄃 サイ いろどり         采の俗字。禮記に文采。玉篇に彩は文章なり。亦綵に作る。皆六朝字。
           
           
1686 195 イク           𡿿の俗字。川部を見よ。
           
           
1687 195 ヒユウ とらのかわのあや とらふ     虎文なり。虎彡の(會意)彡は其彣なり。虍(ケ)は虎の首丈けの彣にして彪は全身の文なり。虎斑なり。
           
           
1688 195 ヒン ととのう りつぱ       文質の備はるなり。人をもととし文を音とす。又古文は彡林の合形。林は焚の省きにて亦音となすと。皆(形聲)なり古本論語に文質份々とあり。一本には彬に作る。字亦斌に作る。耤田賦に見へ。又玉篇に斌亦份彬に作ると。葢し斌は六朝以後の俗字なり。
           
           
1689 195 ホウ たいこのこえ さかんなり     鼓の聲なり。壴をもととし彡を音とす。(形聲)サン。ハウ古音轉通。廣雅に彭々とは盛なり。
           
           
1690 195 彰󠄂 シヨウ あや あきらか       彣彰なり。彡章の(會意形聲)章は音を兼ぬ。章は樂章(ガクノヲハリ)なり。聲の彣にて彰字と意近し。然れば彣彰は文章の本字なり。轉義は書經に厥れ常有れ。廣雅に彰は明なり。
           
           
1691 195 エイ かげ         古此字なし。書の大禹謨に影響とあるも僞篇ゆゑ證とするに足らず。又周禮。莊子。孟子に影の字あるも皆後人が篆を隷に釋せし時の俗改のみ。集韻に物の陰影なり。葢し景光の裏には必ず陰景あり。影は景の俗字なりと。顏氏家訓先つ曰く。凡そ陰景なる者は光に因つて而して生す。卽ち謂ふて景気と爲す。淮南子に景柱(周禮に土圭影を測る)是なり。葛洪字苑に始めて彡を加ふと。
           
           
1692 195 𢒰 イク           の俗字。月部を見よ。
           
           
1693 196 テキ すこしあゆむ       小步なり。人の脛の三屬して相連るに象る。(會意)_は_の省。人が三足步むなり。_は省形。又_(チク)は歩止なり。反彳にて形をなす。彳亍は蹢躅の古文なり。
           
           
1694 196 エキ まもる つかえる       邊境を戌(マモ)るなり。殳彳(テキ)の(會意)彳(テキ)亍(チョク)を蹢躅の古字となす。彳は步くなり。視回はるなり。殳は警戒の衛士が持つ杖の類なり。役の轉義は使役なり。廣雅に役は助なり。公羊傳に厮役扈養。注に水漿を汲む者と。左傳に此役たるや。注に事なり。鄭語に心を役す。注に營なり。
ヤク          
           
1695 196 𢓈 ジユン           徇の本字。下を見よ。
           
           
1696 196 𢓇 タイ しりぞく         退に同じ。辵部を見よ。
           
           
1697 196 𢓴 タイ しりぞく         上に同じ。
           
           
1698 196 往󠄃 オウ ゆく のち       之(ユク)なり彳または辵をもととしを音とするも。は艸木の妄生。進出の意あり(形聲會意)易に憧々として往來す。注に外に之(ユク)を往と爲す。轉義は荀子に往を慕はず。注に古音なり。論語に禘は既に灌して而して往(ノチ)は。疏に猶ほ後のごとし。廣雅に往は去るなり。
           
           
1699 196 𢓉 ハン かえる         返に同じ。辵部を見よ。
           
           
1700 196 ホウ にる         仿の俗字。人部を見よ。或は云く徬の俗字と通ず。
           
           
1701 196 𢓊           徙の古文。下を見よ。
         
           
1702 196 彿 ホウ           佛。髴の俗字なり。人部。髟部を見よ。
           
           
1703 196 こうむらす かれ       往きて加ふる所あるなり。彳をもととし皮を音とす。(形聲)經傳は被を以て代用とす。又彼我の義は字音を借りて義をなす。呂覽に彼を止むるは己にあり。周器の文は皮を以てカレの字となす。
           
           
1704 196 セイ ゆく うつ       正しく行くなり。辵又は彳をもととし正を音とするも(形聲會意)轉義は孟子に征とは上の下を伐つなり書經允征の傳に罪を伐つを征と曰ふ。廣雅に征は税なりと。徴の代用。
セイ          
           
1705 196 ゆく         往くなり。辵又は彳をもととし。且又は虘(ソ)を音とす。(形聲)詩經に徂來の松と。轉義は文選に歳月其れ徂くと。此類多し。又孟子に放動徂落すとは殂(死義)の代用。又莊子に巳に𣦸す徂むべからずとは阻の代用。
           
           
1706 196 カイ めぐる         回の俗字なり。囗部を見よ。
           
           
1707 197 タイ まつ         竢(マツ)なり。彳をもととし寺を音とす(形聲)ジ。タイ古音通ず。易に待つ有つて行く。時を待つて動くと。轉義は史記に告を待たず。注に須(マツ)なり。又周禮に邦の用を待す。注に猶ほ給のごとしとは庤(タクハフ)の代用なりと。
           
           
1708 197 ジユン となう ふれまわる       行く行く示すなり。彳をもととし奄音とす。(形聲)旬の古文は𠣚𠣙に作り奄音とす。故に𢓈も亦徇に作る。司馬法に斬つて以て𢓈ふと。朱駿聲云く。字亦迿に作り。誤つてに狥殉に作ると。殉下を見よ。
           
           
1709 197 ヨウ さまよう         羊の俗字。楚辭に彷徉して倚る所無し。或は尚羊に作る。廣雅に仿佯は徙倚なり。徜徉は戲蕩なり。
           
           
1710 197 コン もとる きかぬ さからう     聽從せざるなり。彳をもととし艮を音とす。(形聲)一に曰く行く難きなり。一に曰く𥃎るなり。皆轉義なり。廣雅に很は恨むなり。禮記に很して勝を求むる毋れ。注に鬩(セメグ)なりと。轉々して義を生ず。
           
           
1711 197 リツ のり さだめ       均(ヒトシク)布(シク)なり。彳をもととし聿を音とするも(形聲會意)朝廷にて法律を制定し。此を聿(フデ)(古の筆の字)にて記録す。これを建といふ。而して其記録を發布して滿天下に施行するを律となす。建は體にて律は用なり。爾雅に律は法なり。常なり。述(ミチ)なり。銓(ハカリ)なり。管子に律なる者は分を定め爭を止むる所以なり。轉義は音律とす。孟子の注に六律は黄鐘。大蔟。姑洗。蕤賓。夷則。無射なり。
           
           
1712 197 後󠄂 コウ おくる のち おそし     遲(オクルル)なり。彳又は辵をもととし幺と夊にて(會意)彳は行くなり。幺は幼なり。幼者の如くに緩々夊(スイ)々とユツタリと步めば遲れるなり。轉義は先後となす。公羊傳に人の後たる者は之が子たるなり。呂覽に古を知れば則ち後を知る。注に來なり。左傳に命を聞く後し。注に晩なり。
         
           
1713 197 𢓜 カク いたる         説文に𢓜_を脱す。周器文に王某に𢓜る。或は各を以て代用す。經傳は格を以て代用す。方言に𢓜は至るなり。來るなりと。
           
           
1714 197 ジヨ おもむろ しずか みち     安行なり。彳をもととし余を音とす。(形聲)爾雅に其れ虗其れ徐。威儀ある容止なりと。所謂る餘裕綽々なり。又安行すべきの道路も徐と曰ふ。字亦途に作る。爾雅に路は旅途なり。彳辵通用恆例なり。又涂を以て代用す。周禮の注に涂道は路なり。俗に土を加へて塗に作る。論語に塗に遇ふ。後人の改寫なり。
         
           
1715 197 すあし かち ともがら ただ   步行なり。辵をもととし土を音とす。然も土を踏むなり。(形聲會意)轉義は左傳に徒兵(徒士(カチ))孟子に聖人の徒。黨なり。聲類に徒は空なり。論語に豈(アニ)徒(タダ)ならん哉
           
           
1716 198 ケイ こみち よこみち       步道なり。車道よりも小なり。彳をもととし巠を音とす。(形聲)亦逕に作る。廣雅に徑は(ヨコ)(邪)なり。迹なり。論語に行くに徑に由らす。離騷に捷徑以て窘步。注に邪道なり。
           
           
1717 198 トク うる         行いて㝵(ウル)所あるなり。彳をもととし㝵を音とするも(形聲會意)㝵は古文に__に作る。手に貝を持つ。貝は貨なり。説文に見と寸に從ふと誤る。然れば往き尋ねて貝貨を見出すは得で。其得たる貝貨を所有するは㝵なり。論語に三人行へは必ず其師を得。又易に得るを知て而して喪ふを知らず。大學に慮つて而して後に能く得。注に事の宜きを得と㝵の代用なり。
           
           
1718 198 ハイ めぐる         俳の俗字。徘徊とは「回を本字となす。
           
           
1719 198 うつる         迻(イ)(遷移の移)なり。辵又は彳をもととし止を音とす(形聲)シ。イ一音の轉なり。古文は詳かならず。廣雅に移るなり。避くるなり。周禮に若し他に徙らば。注に出てて異クに居るを謂ふなりと。
           
           
1720 198 ライ きたる         來に同し。人部を見よ。
           
           
1721 198 シヨウ           徜徉は尚羊の俗字。上の徉を見よ。
           
           
1722 198 ジユウ したがう より       隨行なり。从(ジユウ)辵の(會意)从は相聽すなり。二人の會意。心の服从なり。行步には從といふ。二字の分別なり。詩經に從ふに孫子を以てす。箋に隨なり。曲禮に几杖を操つて以て之に從ふ。轉義は爾雅に從は自(ヨル)なり。廣雅に行なり就くなり。秦策に從つて而して齊を伐つ。呂覽に從はざる者なし。廣雅に從は使ふなり。左傳に敢て從者を犒ふ。老子に道に從事する者。注に爲すなり。爾雅に從祖。從父。從母。又从の代用をなす。書經に言に從と曰ふ。又龜從ひ筮從ふ。又爾面從する無れ。禮記に婦人は人に從ふ者なり。注に其ヘ令に順ふを謂ふなり。史記に諸矦と從を約す。荀子に以て能く合從す。注に竪(タテ)なり。詩經に其畝を横從にす。皆是れなり。又論語に之を從(ハナ)つと。縦の代用なり。
シヨウ          
           
1723 198 ギヨ むまをつかう おさむ すすめる   馬を使ふなり。彳をもととし卸を音とするも(形聲會意)卸は車を舎てて馬を解く(オロス)なり。御の終りなり。馭は手にて馬を使ふの會意なり。又更に從ふ。更は鞭の省。亦會意。詩經に徒馭驚かず。轉義は爾雅に御は使ふなり。詩經に以て家邦を御す。箋に治むるなり。廣雅に御は進なり。周禮に女御。獨斷に天子に進むる所を御と曰ふと。
           
           
1724 198 はるか いたる       遐の本字なり。辵部を見よ。
           
           
1725 199 ヘン あまねし         帀(サフ)(匝)なり。(周きなり)彳をもととし扁を音とす。(形聲)朱駿聲云く字亦遍に作り。誤つてに作る。易に徧辭。注に周帀なり。書經に羣神に徧し。公羊傳に兩天下に徧しと。
           
           
1726 199 フク また ふたたび       往來するなり。彳をもととし复を音とするも(形聲會意)复は故道を行くなり。夊(スヰ)(ユツクリ步む)をもととし畗の省きを音とす。故道を屢は往來す。其行くや夊々として安し。复復は殆ど同字なり。易に其道を反復す。又往て復らざる無し。公羊傳に死者復た生く可からず。書の大傳に旦復た旦なり。爾雅に復は返なり。小爾雅に復は還なり。論語に言復(フタタビ)す可きなり。素問に病極れば則ち復す。字亦癁に作る。方言に見ふ。又孟子に王に復ふす者有り曰く。告の代用なりと。
           
           
1727 199 ジユン ゆきしたがう よりつく ためらう     行の順なり。彳をもととし盾を音とす。(形聲)禮記に循往。注に猶ほ追述(シタガフ)のごとしと。廣雅に從なり。又述なり。又逡循とは遁の代用。又循行といふは巡の代用。又循々として善く人を誘ふとは重言して義をなすのみ。
           
           
1728 199 ホウ つきしたがう さまよう       附行なり。彳をもととし旁を音とす。(形聲)周禮の注に前に在るに牽と曰ひ旁に在るに徬と曰ふ。又莊子に塵垢の外に彷徨す。釋文に房徨に作る。
           
           
1729 199 ヨウ つかわる         の俗字。玉篇に徭は役なり。又人部に役なりと。然れども。は喜ふなり。其儀に非ず。雷俊云く古は多く繇役に作ると。又或は傜に作る。傜はの別體なりと。其説是なり。
           
           
1730 199 しのびゆく かくる たえ こまか   隱れ行くなり。彳をもととし𣁋を音とす。(形聲)此字は多く𣁋の代用にて行はる。_は秒(コマカ)(妙の本字)なり。人と攴(ボク)で會意し豈の省きを音とす。ガイ。ビ轉音。而して豈は音樂なり。𣁋の省きを音とす。𣁋豈の二字は義相渉る。𣁋は豈樂の微妙をいふ。攴は技巧の注意なり。然れば微細。微妙。至微の字は皆𣁋の代用なり。又論語に管仲微(ナカ)りせばとは非の代用。小爾雅に微は無なりと。
           
           
1731 199 コウ さまよう         皇の俗字。上の彷下を見よ。
           
           
1732 199 ケイ まつ よこしま ちかみち     待つなり。彳又は足をもととし奚を音とす。(形聲)孟子に書經を引く。我が后を徯つと。轉義は通俗文に邪道を徯と曰ふ。左傳に牛を牽ひて人の田に蹊す。注に徑なりと。或云く徑の代用。
           
           
1733 199 徲󠄀 まちこがれる ひさし     久なり。彳をもととし犀を音とす。(形聲)サイ。チ轉音なり。遲或は同字が。亦𢕌に作る。朱駿聲云く。欽遲希待の意は當に此字を用ふべし。漢碑文に衡門に𢕌𢓡す。連言なりと。
           
           
1734 200 チヨウ めす しるし あきらか     召すなり𡈼(テイ)(直なり見はるるなり)と微の省きにて(會意)其身は微賤にして隱れてゐても。而も聞達すれば徴召さるるなり。轉義は周禮に官府の徴令。書經に念ふて庶徴を用ふ。注に驗なり。中庸に杞は徴するに足らず注に明なりと。又荀子に且つ其未を徴(イマシ)むと懲の代用。
           
           
1735 200 テツ とおる あと すてる     通るなり。彳攴育の(會意)攴はヘの攴の如し。指導し養ふ。育し行ふ。則ち通徹せざる無し。轉義は小爾雅に徹は達なり。詩經に天命徹せず。方言に列なり。又漢書の注に車迹を轍と曰ふ。字亦轍に作る。列子の注に𨅊は迹なり。𨅊に作る。又論語に(ナン)ぞ徹せざるや。除去の義は勶の代用なり。
           
           
1736 200 キヨウ みまわる とりで さえぎる むかえる   循なり。彳をもととし敫を音とす。(形聲)字亦邀に作る。漢書に邯鄲中を徼行す。注に巡察なり。轉義は史記に徼を守り塞に乗す。注に邊境なり。又論語に徼えて以て知と爲す者を惡む。孔注に抄なり。西京の賦に邀へず自ら遇ふ。又老子に以て其徼を觀る。釋文に微妙なり。小道なり。竅の代用。又史記に麋鹿の怪獸を徼つとは𢶡の代用。又云く龜の徼なり。索隱に徼繞して明かならざるを謂ふとは繳の代用。又左傳に願くは福を周公魯公に徼む。注に要なり。の代用なり。
           
           
1737 200 𢕾           避の俗字。辵部を見よ
           
           
1738 200 トク のぼる みさおただし のり   升(ノボル)なり。彳をもととし𢛳を音とす(形聲)此字經傳は皆悳(𢛳)の代用にて行はる。_は外は人に得て内は己に得るなり。直心の會意。直は音を兼ぬ。正直な心の持主ゆゑ己を信する。人も亦信ずる此を悳の本義とす。管子に天下之に親むをコと曰ふ。又民を愛し私無きをコと曰ふ。外人に得るのコなり。大學にコは本なり。易に君子は以て自ら明コを昭かにす。内己に得るのコなり。
           
           
1739 200 𢕼 カン           還の俗字。辵部を見よ。
           
           
1740 200 むかばき つな しるし     (ジヤ)(邪)幅なり。一に曰く三糾繩なり。糸をもととし微の省きを音とす。(形聲)段氏云く幅とは其脛を偪束し。足より(ヒサ)(膝)に至る。今の行縢の如し。一に曰く三糾の繩とは易に係るに徽纆を用ふと。是れ別に一義なり。轉じて束なり。琴徽(イト)なり。止めるなり。又禮記に徽號を殊にす。注に徽號は旌旗の名なりとは幑の代用。又書經に愼んて五典を徽くす。詩經に君子に徽猷あり。又大姒は徽音。皆媄の代用。故に媄字は周禮に媺に作ると。此を朱駿聲説となす。
           
           
1741 200 𢖊 ヘイ つかう         使ふなり。彳をもととしを音とす。(形聲)又_使ふなり。彳をもととし夆を音とす。元甹夆といふ。後𢖊𢓱となるなり。
           
           
1742 201 シン しんぞう こころ むね     心の臧(ザウ)(臟)なり。身の中に在り。(象形)管子に實なり。厚なり。施しなり。度るなり。恕なり。之を心術と謂ふ。皆心臟の動(ハタラキ)なり。思の字と合せ見よ。淮南子に心は形の主なり。又中心の義となす。
           
           
1743 201 ヒツ かならず         分の極なり。(ハツキリ分けるなり)八(ワカツ)と弋(シルシ)の境界の標識。八は口氣の分散なり。必は詞の必然なり(カナラズなり)八は亦音となる。ハツ。ヒツ一音の轉なり。(形聲)を兼ぬ。
           
           
1744 201 カイ こらす         懲なり。心をもととし乂を音とす。(形聲)段氏云く古は乂艾を用ひて之と爲し。而しては廢せりと。
           
           
1745 201 いむ いみ いましむ     憎惡(ヲ)なり心をもととし己を音とす。(形聲)轉義は周禮に王の忌諱を詔ぐ。注に先王の死日を忌となし。名を諱となす。又易の注に忌は禁なり。家語の注に憚なり。誋又戒の代用と。
           
           
1746 201 忍󠄄 ジン しのぶ たえる しんねりつよし   能(ヨクス)するなり。(コラヘルなり。)心を堅固にしてジツと耐へるなり。心をもととし刃を音とす。(形聲)論語に是を忍ぶ可くんば。皇疏に猶ほ容耐のごとし。荀子に私を忍んで然して後に能く公なり。轉義は賈子に慈に反するを忍となす。又詩經の箋に柔忍の木。柔にして能く耐へるなり。字亦韌に作りに作る。柔堅なり。
ニン          
           
1747 201 ソン はかる         寸の俗字。詩經に予(ワレ)之を寸度すと。寸は法度なり。量るなり。今孟子に忖に作るは。後人の改寫せるものなり。
           
           
1748 201 トク あらたまる たがう       更まるなり。心をもととし弋を音とす。(形聲)易に四時忒はず。注に差なり。老子に常コは忒はず。注に爽(タガフ)なり。忒𢘋音義近し。
           
           
1749 201 𢗃 うれう         𢝊(イウ)(憂)なり。心をもととしを音とす。(形聲)經傳は𠮱を以て代用す。故に周末古文に_に作る。
           
           
1750 201 𢖳 うれう         上に同じ。
           
           
1751 201 ジン           仁の古文。人部を見よ。
           
           
1752 202 こころざし しるす       説文に志を脱す。心の之(ユク)(𡳿)所なり。之(シ)は音を兼ぬ。(會意形聲)孟子に志は氣の帥なり。詩經の序に心に在て志と爲す。本義なり。又シルスの義となすは識の代用なり。易の劉本に。以て多く前言往行を志す。諸本は識に作る。周禮に邦國の志。注に記なりと。六朝以後は誌に作る。
           
           
1753 202 忘󠄃 ボウ わする         識せざるなり。心をもととし亡を音とす。(形聲會意)識(覺へたること)を亡(ナク)するなり。(亡は無の本字)段氏云く識とは意なり。知識なり記識なり。詩經に愆らず忘れずと。
           
           
1754 202 忙󠄃 ボウ いそがわし         説文に忙なし。字は忘の異體なるべし。イソガハシとは一説にの代用と。は翌日なり。翌日の事を今日より考へると。心に間なかるべしと。然も或は悤の代用。悤忙といふは悤悤に同じ。セカセカするの謂ひなり。
           
           
1755 202 テン はずかしむ かたじけなし     辱なり。心をもととし天を音とす。(形聲)書經に否コ帝の位を忝かしむと是れなり。
           
           
1756 202 ジヨ           恕に同じ。下を見よ。
           
           
1757 202 サ󠄂 ビン つとむ         自ら勉彊(キヤウ)するなり。心をもととし文を音とす。(形聲)ブン。ビン一轉音なり。サは黽(ビン)勉の黽の本字なり。サ。敃。音義近し。
           
           
1758 202 チユウ こころただし まめやか       敬なり。心を盡すを忠と曰ふ。心をもととし中を音とするも(形聲會意)周禮に忠和。注に中心を以てするを言ふと。論語に忠恕。疏に中心を盡すを謂ふ。左傳に忠はコの正なり。又曰く患に臨み國を忘れざるは忠なりと。
           
           
1759 202 チユウ うれう         (イウ)(憂)なり。心をもととし中を音とす。(形聲)詩經に憂心忡たる有り。字亦𢥞に作る。楚辭に心を勞す𢥞々たり。俗に亦𢞏㤝に作る。
           
           
1760 202 さかう         古此字なし。雷浚云く大戴禮に其衆に忤ふて有道を伐つと。禮記は午に作る。忤は午の俗字なり。説文に𠵦(サカ)ふなりと。正に本字なり。此説是なり。
           
           
1761 202 ガン むさぼる         貪なり。心をもととし元を音とす。(形聲)心に愛玩し貪欲するなり。孟子に頑夫も廉と。頑は忨の代用。又晉語に今日を忨(モテアソ)ぶとは翫の代用。
           
           
1762 202 カイ よろこばし こころよし       喜ぶなり。快樂なり。心をもととし夬を音とす。(形聲)ケツ。クワイ古音は轉通す。夬は分つなり。心が夬然として分開解決すれば心神は爽快なり。俗に快に作るは誤りなり。秦策に文信矦去て而して快らす。
           
           
1763 203 さからう そこなう       很(コン)なり(聽從せざるなり。)心をもととし支を音とす。(形聲)心に枝挌する所ありて從はざるなり。莊子に衆に忮はず。注に逆なり。又曰く大勇は忮はず。詩經に忮忒。傳に害なり。
           
           
1764 203 ジン まこと         誠なり。心をもととし冘を音とす。(形聲)誠の心に存するは沈となし。沈の言に見はるるを訦となすべし訦はェと殆んど同じ。
           
           
1765 203 㤅󠄀 アイ いつくしむ         惠なり。心をもととし旡又は既を音とす。(形聲)後人は𢜤(愛)を以て之と爲す。𢜤を見よ。
           
           
1766 203 ベン           昪の俗字。日部を見よ
           
           
1767 203 ネン おもう         常思なり。長久に之を思ふて忘れざるなり。心をもととし今を音とす。(形聲)キン。ネン古音通す。前より思ひしことを今も忘れぬ會意なるべし。爾雅に念ふ勿れとは忘る勿れなり。
           
           
1768 203 コウ なげく たかし       慨くなり。心をもととし亢を音とす。(形聲)心氣の亢憤せるをいふか。字亦慷に作る。燕策に偵゚慷慨。後漢書に乃ち慷慨して其諸子門人に謂つて曰く。注に悲歎なり。又易に忼龍悔有りとは亢の代用なり。一本は此の如きも他本は正に亢龍に作る。
           
           
1769 203 ジク はずかし はにかむ       古此字なし。葢し狃の異體なり。雷浚云く集韻の一屋に恧忸同字。注に云く説文に恧は慙なり。或は忸に作ると。玉篇に忸は女六切。忸怩なり。但し説文に恧は心をもととし而を音とす。女六切と。此説は未だし。忸は狃の異體にて恧と通用のみ。字亦_に作る廣雅に見ゆ。又誤つて𦓖𦗂に作るは非なり。  
           
           
1770 203 コツ ゆるがせ はやし ぼんやり     忘(却)するなり。輕忽なり。心をもととし勿を音とするも勿々を遽かの義とす。(形聲會意)又爾雅に忽に盡なり。歾(歿)の代用。詩經に是れ絶是れ忽。傳に滅なりと同じ。又左傳に其亡(ニグ)るや忽馬。注に速き貌との代用。尚書大傳に忽似に見ふ。佛の代用。仿佛。禮記に夫れ何の恍惚の之れ有んやと。亦怳忽に作る。惚は俗字なり。高唐賦に悠々忽々。注に迷ふ貌と亦上義の轉用なり。
           
           
1771 203 𢗊 カイ           シの本字。下を見よ。
           
           
1772 203 忿 フン いかる         悁なり。(悁は忿なり)心をもととし分を音とす。(形聲)大學に身忿懥する所あり。易に君子は以て忿を懲らし欲を窒ぐと。字亦に作る。
           
           
1773 204 サク はず         慙(ハヅ)るなり。心をもととし乍を音とす。(形聲)禮記に容は怍る無かれ。公羊傳に心に怍づと。字亦怎に作る。管子。顏色の變ずるこれを怍と謂ふ。作の代用。
           
           
1774 204 オウ うらむ おもしろからぬ     服せず懟むなり。心をもととし央を音とす。(形聲)懟は怨むなり。心をもととし對を音とす。漢書に其怏々の心を塞ぐ。蒼頡篇に怏は懟むなり。
           
           
1775 204 いかる つとむ うまふとる     恚(ウラム)なり恚み怒るなり。氣を作(オコ)すなり。心をもととし奴を音とす。(形聲)轉義は鬼谷子に怒は動なり。淮南子に怒はコに逆ふなり。廣雅に怒は健なり勉なりと努力なり。段氏云く古努なし。祗(タダ)怒を用ふべしと。又後漢書に曰く駑馬。注に馬の肥壯にして其氣は憤怒と。駑は俗字。
           
           
1776 204 おそる         惶なり。心をもととし甫又は布を音とす。(形聲)甫布の二字は皆父を音とす。神女賦に神心怖覆す。注に恐怖して反覆するなり。
         
           
1777 204 ハク やすし         無爲なり。心をもととし白を音とす。(形聲)子虗賦に怕乎(タリ)無爲と。廣雅に怕は靜なり。今の澹泊の字は。洦を以て怕となす。漢書に泊如。注に安靜なり。
           
           
1778 204 たのむ         恃(タノ)むなり。心をもととし古を音とす。(形聲)詩經に父無んば何をか怙まん。母なくんば何をか恃まん。韓詩章句に怙は頼むなりと。
           
           
1779 204 やわらぐ よろこぶ       和なり。心をもととし台を音とす。(形聲會意)台は説(エツ)(ヨロコブ)なり。口をもととし㠯(イ)(厶)を音とす。台説は怡悦の古字なり。或は云ふ。怡は怠の異體にて台の代用にて和と訓ずと。爾雅に怡は樂むなり廣雅に怡は喜ふなり。論語に怡々如たり。
           
           
1780 204 タン いたむ うれう       なり。心をもととし旦を音とす(形聲)は痛なり。怛は亦𢛁に作る。但し驕ると訓ずる怚(ソ)の字と混ずべからず。
           
           
1781 204 タイ おこたる ゆるむ       慢なり。心をもととし台を音とす。(形聲會意)台怡同字。心に台悦すれば自ら怠慢を生じ易し。爾雅に懈は怠なり。廣雅に怠は懶なり。周語に先んず可くして而して備へざる之を怠と謂ふ。注に緩なり。曲禮に怠荒する毋れ。注に身體を放散するなりと。
           
           
1782 204 𢘋 トク たがう         常を失ふなり。心をもととし代を音とす。(形聲)代は弋を音とす。故に𢘋にトク音あり。忒は更(カハリ)差(タガ)ふ。卽ち失常なり。忒𢘋は元と同字なるべし。
           
           
1783 205 ねがう おもう       容(カヌル)なり。一本に(フカシ)なり。心囟(腦の本字)の(會意)思ふとは心氣の囟に通ずるなり。書經に思に容と曰ふ。言ふは心の慮る所は包(カネ)ざる無きなり。又の鄭注に慮深く通敏なる之を思と謂ふ。思は慮よりも深きなり詩經に皇々たる多士を思ふ。箋に願ふなり。意冣も深し。
           
           
1784 205 ジユツ おそる         恐るるなり。心をもととし朮(秫)を音とす。(形聲)禮記に心怵して而して之を奉ずるに禮を以てす。孟子に皆怵愓惻隱の心有りと。
           
           
1785 205 セイ うまれつき         性相近し習相遠し(論語に據る)心をもととし。生を音とするも(形聲會意)董仲舒云く性とは生の質なり。質樸なる之を性と謂ふ。中庸に天命之を性と謂ふ。告子曰く生之を性と謂ふ。葢し艸には生といひ人には性といふ。未た善惡の分なし。荀孟皆非なり。王政に以て民性を節す。疏に稟性自然と。善惡は情なり。
           
           
1786 205 レン           の俗字。憐の代用をなす。
           
           
1787 205 ジヨウ           帖の俗字。巾部を見よ。
           
           
1788 205 急󠄃 キユウ はげし ひきしまる       褊(ヒキツル)なり。心をもととし及を音とす。(形聲)心の急促なり。轉義は洪範に曰く急と。鄭注に急促して自ら用ふるなり。王政に六年の蓄へ無きを急と曰ふと。字亦に作る。
           
           
1789 205 はじらう はにかむ       古此字なし。晉語に君忸怩す。孟子にも忸怩の字あり。後人の改寫のみ。方言に忸怩は慙(ハヂ)歰(シブル)なりと。漢人に出づべし。鈕樹玉云く爾雅に尼は止なり。(ナヅム。シタシム)歰(シブ)るに止まる義あり。尼は本字なりと。
           
           
1790 205 フツ ふさぐ もとる おこる     鬱なり。心をもととし弗を音とす。(形聲會意)心に弗背するあるなり。字林に怫は心に鬱(勃)し安からざるなり。又史記の序に五家の文は怫異とは弗の代用。又艴の代用をなす。
           
           
1791 205 キヨウ おびえる ひるむ よわし     𠂽れ多きなり。犬又は心をもととし去を音とす。(形聲)キヨ。ケフ轉音なり。葢し本義は大をいふ。轉じてひとをいふ。故に亦心に從ふ。賈子に節を持して恐れざるを。之を勇と謂ふ。勇に反するを怯と謂ふ。史記に士或は怯懦。字亦㰦に作る。詩の終風の釋文に崔を引いて云く。毛は疌を訓じて㰦と爲す。今の俗人云く欠々㰦々と是れなり。朱駿聲云く。人の體は倦めは則ち㰦す。又廣雅に怯は去るなりとは去の代用なり。
           
           
1792 205 カイ あやし いぶかし ばけもの     異(アヤシム)なり。心をもととし圣(クワイ)を音とす(形聲)心に異むなり。轉じて異むべきものを謂ふ。禮記に怪物。周禮に奇服怪民。論語に怪力亂神。南山經に怪獸怪魚。爾雅に怪鴟の類なり。
           
           
1793 206 エン うらみ うらむ       恚なり心をもととしを音とす。(形聲)古文は詳かならず。字亦惋に作る。或は云く宛曲に恚むなりと。論語に怨を曰んや。皇疏に恨なり。集韻には讎(アタ)なり。恚なり。荀子に怨財とは薀の代用と。
           
           
1794 206 キヨウ こころくるう ぼんやりする     狂の貌なり。心をもととし兄を音とす。(形聲)俗に亦慌に作る。神女賦に精神怳惚。注に自ら覺知せざるの意なり。老子に是を慌惚と謂ふ。注に存するが若く亡するが若しと。今本は皆恍惚の字を用ゆ。
           
           
1795 206 キヨウ おそる いかる       なり。心をもととし匡を音とす。(形聲)説文狂の古文を_に作るは恇なり。以て狂の代用をなす。後漢書の注に。恇々は怒るなり狂の轉義のみ。
           
           
1796 206 ジユン まこと         信心なり。心をもととし旬を音とす。(形聲)方言に恂は信なり。經傳は詢洵を借りて之と爲す。轉義は論語に恂々如なり。注に恭愼の貌なり。又大學に恂栗なり。莊子に惴慄恂懼。注に戰なりとは𢞛の代用なり。𠣬(ジユン)は驚く詞なり。兮をもととし旬を音とす。或は𢞛に作り心に從ふと。恂𢞛形音近くして通用なり。
           
           
1797 206 ジク はず         慙なり。心をもととし而を音とす。(形聲)
           
           
1798 206 たのむ         ョむなり。心をもととし寺を音とす。(形聲)詩經に母無んば何をか恃まん。怙を見よ。ョは物に依負し怙恃は人に依負す。心に待つなり。老子に萬物恃んて而して生ず。注に待つなりと。一轉義なり。
           
           
1799 206 コウ つね ひさし       常なり。(常裳は同字。ツネの訓は恆の代用なり)心の舟の二の間に在つて上下(又左右)するの(會意)心が舟を以て旋(メグ)らす恆なりと。舟の兩岸を往復するごとく。運轉常を爲すなり。孟子に恆の産無くして恆の心あるもの。詩經に恆に安處する無し。易に恆は久なり。コの固なり。又説文_の下に詩經の月の恆(ユミハリ)の如しを引く。因て按ずるに。舟に從ふの字と月に從ふの字と元とは二ツなるべし。此は月に從ひ恆の省きを音とする字なるべし。或は云く月恆の字は緪の代用と。糸部緪は索なり。糸をもととし恆を音とす。轉義は淮南子に大弦緪すれば則ち小弦絶すと。緪も亦張弦の意となすべし。
           
           
1800 206 むね         意(ココロモチ)なり。心をもととし旨を音とす。(形聲)經傳は旨又は指を借りて之を代用せしより。恉は忘れられたり。廣雅に恉は志なりと。
           
           
1801 207 キヨウ こころをあわす       同心の龢(和)なり。心の(會意)元部にあり。は力を同ふするなり。三力の會意。又協は衆の同和なり。十の會意。亦叶に作る。又𢣢は同思の和なり。思の會意。皆分別なり。
           
           
1802 207 恐󠄃 キヨウ おそる         懼なり。心をもととし巩又工を音とす。(形聲)但し工を音とする字には大義あり。古文に據れは。恐は大懼の義か。徐鉉云く恐は猶ほ兇のごとしと。
           
           
1803 207 いつわる うつくし もとる     變なり。心をもととし危を音とす。(形聲會意)朱駿聲云く譎詐怪異の意なり。一切經音義に變は詐なり。字亦佹に作る。又廣雅に恑は美なり。の代用。莊子に恢恑譎快。李注に戾なり。乖の代用。
           
           
1804 207 ジヨ おもいやり なさけぶかし     仁なり。心をもととし如又は女を音とするも(形聲會意)蒼頡篇に恕は如なり。論語に夫子の道は忠恕のみ。賈子に己を以て人を人を量るを之を忠恕と謂ふ。
           
           
1805 207 ヨウ つつがのむし うれう     (イウ)(憂)なり。心をもととし羊を音とす。(形聲)葢し病に痒と曰ひ。痒に罹り之を憂ふるを恙と謂ふか。朱駿聲は云く。此義はの代用と爲す。説文には搔(カキコハシ)なり。虫をもととし羊を音とす。轉義は疥癬のは内擾(ミダス)にて蚊蚋のは外侵なりと。又轉義は恙蟲の義となす。風俗通に恙は人を噬む蟲なり。善く人の心を食む。人毎に之を患苦す。故に相問ふて恙なきやといふ。猶ほ古の穴居時代に蛇を患ふ故に相問ふ蛇なきやといひしがごとしと。(蛇の本字は它に作る。又他に作る借り字)
           
           
1806 207 恔󠄂 コウ さとし         憭なり。心をもととし交を音とす。(形聲)孟子に人心に於て獨り恔無らん乎と。注に恔は快なり。心に恔憭す明快なり。
           
           
1807 207 うらむ いかる       怨むなり。又恨みなり。心をもととし圭を音とす。(形聲)ケイ。イ古は一轉音なり。廣雅に恚は怒るなり。史記の索隱に恚は嗔(イカル)なり。
           
           
1808 207 カイ わする         忽(ユルガセ)にするなり。心をもととし介を音とす。(形聲)説文に孟子を引く。孝子の心は是の若く𢗊ならす。段氏云く今本はシに作る。注にシは愁無きの貌と。但し憂ふと訓すると別字なり。
           
           
1809 207 カイ おおいなり         大なり。心をもととし灰を音とす。(形聲)公羊傳に恢は廓なり。葢し心の空廓は廓大なり。楚辭に稷契に配す恢たる唐(オホヒナル)功ありと。字亦に𨒭詼作る。
           
           
1810 208 ほしいまま         縦(ホシイママ)なり。心をもととし次を音とす。(形聲)外は姿態を修めて内に放心する義か。然れば姿の省きにて會意を兼ぬべし。淮南子に民を禁し自ら恣まにするを得ざらしむ。莊子に遙蕩恣睢。李注に自得の貌なりと。
           
           
1811 208 ジユツ うれう あわれむ       憂なり。心をもととし血を音とす。(形聲)然も憂心あり慈愛あるものは必ず血あり涕あり。易に其孚を恤ふる勿し。轉義は收むるなり。猶ほ救ふのこときなりと。
           
           
1812 208 はず         辱なり。心をもととし耳を音とす。(形聲)外より辱められ。心に自ら愧づるなり。鬼谷子に耳目は心思の助なり。耳は意も兼ぬべし。論語に己を行ふ恥有り。説苑に恥辱すは勇の決なりと。
           
           
1813 208 コン うらむ         怨なり。心をもととし艮を音とす。(形聲)但し𥃩を很なりと訓ず。很は聽從せざるなり。怨んて心に很戾するの會意ならんか。荀子に戒を知らざれば後に必す恨ありと。
           
           
1814 208 オン めぐむ         惠なり。心因の(會意形聲)因は音を兼ぬ。徐鉉云く因とは因る所あるなり。心を因るを恩となす。禮記に恩は仁なり。詩經の傳に恩は愛なり。因る所に隨つて慈愛を加ふるなり。
           
           
1815 208 カク つつしむ         敬なり。心をもととし客を音とす。(形聲會意)曲禮に主人客を敬すれば則ち先づ拜す。亦恪に作る。省文なり。字林に恪は恭なり。轉義は詩經に事を執る恪たり。禮記に嚴威儼恪と。
           
           
1816 208 トウ いたむ うごめく       痛なり。心をもととし同を音とす。朱駿聲云く。字亦痌𤹯に作る。詩經に中國を哀恫す。史記に民姓怨恫す。一に曰く呻吟なり。廣雅には歌ふなり。亦に作る。
           
           
1817 208 テン やすし         安なり。心をもととし甜の省きを音とす。(形聲)呉語に自ら安んして恬逸せり。注に猶ほ靜のごとし。老子に恬澹を上と爲す。莊子に恬を以て和を養ふ。
           
           
1818 208 キヨウ うやうやし つつしむ       肅(ツツシム)なり。心をもととし共を音とす。(形聲)内に恭と曰ひ。外に敬と曰ふ。敬と肅と義近し。肅は事を持して振(フルヒ)敬(ウヤマフ)なり。其心に恭といふ。書經に恭敬を作す。又允(マコト)に恭く克く讓る。鄭注に位に懈たらざるを恭と曰ふ。周書に事を敬し上に供するを恭と曰ふと。釋名に恭は拱なり。自ら拱持するなりと。拱とは手の容なり。
           
           
1819 208 キヨウ つつしみおそる       戰栗なり。心をもととし共を音とす。(形聲)按ずるには恭の異文なるべし戰栗は肅敬極なり。
           
           
1820 209 ソク いき やすむ いこう ふえる   喘(アヘ)ぐなり。心と自(__)の(會意)心氣は必ず鼻より出づ。人の口氣の急なるを喘といひ。舒なるを息といふと。齊策に閔王太息す。又廣雅に息は安なり。休なり。禮記に姑息。詩經に安息。皆の代用。又漢書の注に蕃息。又利息とはの代用。又易に水火相息む。馬注に滅なりとは熄の代用なり。
           
           
1821 209 チヨウ うすし         佻の俗字。人部を見よ。
           
           
1822 209 カイ           怪の俗字。上を見よ。
           
           
1823 209 コウ あう あたかも       古此字なし。或は云く佮の異體なり。心を用ふとは伋の代用。或は云く洽の異體。亦𢙅に作る。唐人の詩に野航恰も受く兩三人と用ひて詞の𨗁なり。却つてとなすは。字音を借りて義をなすものなり。
           
           
1824 209 エツ よろこぶ         説に同じ。言部を見よ。
           
           
1825 209 ヨウ           亦恿に作る。皆勇に同じ。心部を見よ。
           
           
1826 209 エン いかる うらむ うれう     忿るなり。心をもととし肙又はを音とす。(形聲)字林に悁は怒を含むなり。聲類に悁は憂る貌なり。詩經に中心悁々たり。傳に猶悒々のごとしと。
           
           
1827 209 コン まごころ まじめ       愊なり。(愊は誠志なり)心をもととし困を音とす。(形聲)玉篇に𢛕に作る。廣雅に悃は至なり。楚辭に忠正の悃誠に親む。又悃々款々。注に志の純一なりと。
           
           
1828 209 シヨウ うれう         㥑(イウ)(憂)なり。心をもととし肖を音とす。(形聲)詩經に憂心悄々傳に憂ふる貌なり。卽ち意氣消沈するなり。轉義は爾雅に悄々は慍なりと。
           
           
1829 209 わする きぬけ よろこぶ     忘るなり。(フク)むなり。心をもととし余を音とす。(形聲)亦作る。廣雅に。覃は憂を懐くなり。説文に又曰く悆は喜ぶなり。徐又は𧾚(ヤスクユク)の代用。書經を引く疾有り悆はず。或は不豫に作る。
           
           
1830 209 カイ いましむ すみやか       飭(イマシム)なり。心をもととし戒を音とするも。(形聲會意)心に警戒するは悈なり。言に發して誡となる。司馬法に中國に悈す。誡の代用。誡令なり。又爾雅に悈は急なり。の代用と。古音轉通す。
           
           
1831 209 シツ ことごとく つくす       詳かに盡すなり。心と釆(ベン)の(會意)釆は辨別の義なり。釆辨は音義皆近し。葢し心に條理を釆別するなり。轉じて凡そ詳盡の義となす。説文の古文は未だ詳かならず。
           
           
1832 210 テイ いつくしむ たのしむ       古は弟を以て之となす。玉篇に悌は孝悌。又ト悌。廣韻に悌はト悌なり。其下に詩經の豈弟を引く。毛萇云く豈は樂なりと。漢碑に悌あり漢の俗字。
           
           
1833 210 カン たけし         勇なり。心をもととし旱を音とす。(形聲)蒼頡篇に悍は桀(傑)なり。漢書に其人剽悍。又其人精悍と。但し玕𤥚。稈の同字なるに例すれ悍忓も同字なるべし。忓は極なりとは轉義なるべし。
           
           
1834 210 キヨウ よくかんがえる       思ふ貌なり。心をもととし夾を音とす。(形聲)亦に作る。按ずるに㤲㥦は同字なるべし。靜審に思ふの貌なり。
           
           
1835 210 リン おしむ         吝の俗字なり。口部を見よ。
           
           
1836 210 ユウ うれう むせぶ       安からざるなり。心をもととし邑を音とす。(形聲)大戴禮に君子は身を終はるまで此を守つて悒々たり。盧注に憂念なり。字俗に唈に作る。爾雅に優は唈なり。憂いて息を得ず。
           
           
1837 210 カイ うらむ くゆ       恨なり。心をもととし毎を音とす。(形聲)洪範の注に悔の言ひは晦なり。心の晦冥なり。恨の極心の亂るるなり。論語に行ひ悔寡し。詩經に我が心をして痗ひしむ。釋文に本は悔に作ると。又詩經に庶幾くは大に悔る無れと。侮の代用。
           
           
1838 210 ハイ もとる         誖に同し。言部を見よ。
ボツ          
           
1839 210 トク           仁コのコの本字。彳部のコを見よ。
           
           
1840 210           怖に同じ。上を見よ。
           
           
1841 210 シヨウ おそる         懼なり。心をもととし雙の省を音とす。(形聲)亦𢥠悚に作る。左傳に駟氏る。本字本義なり。家語に戁(オソル)せす悚せずと。字林には惶遽なりと。後出字なり。疑らくは悚は元と竦の異體にての代用なり。
           
           
1842 210 シユン やむ あらたむ       止まるなり。心をもととし氓音とす。(形聲)心に逡循するなり。方言に悛は改なり。左傳に是が爲めに悛して止まる。又敬なりはの代用。
           
           
1843 210 さとる         覺(サトル)なり。心をもととし吾又五を音とす。(形聲)聲類に悟は心解なり。晤の字の如く。心に明悟するなり。素問に慧然として獨悟す。注に猶ほ了達のごとしと。又寤(イヌ)の字。(オドロク)の字の代用をなすものあり。
           
           
1844 210 ユウ うれう おもう ながし     憂なり。心をもととし攸を音とするも。(形聲會意)憂心攸々として。長く盡きざるなり。攸は水の長く流るるなり。詩經に於乎(アア)悠なる哉。傳に遠なり。又馬を驅る悠々。呉語に道路悠々。注に長なり。皆攸の轉義なり。或は脩(ナガシ)を代用す。
           
           
1845 211 カン うれう なやみ       㥑(ウレフ)(憂の本字)なり。心をもととし。上は(クワン)を貫く。は亦音とすと。此解は誤る。串は古文_に作る毌(___)(貫の本字)の字なり。患は串を音となす。又一は𨶚を音とす。𨳡は古文なり。轉義は齊吾に國家の患。注に難なり。周禮に天患民病。注に烖害を謂ふと。
           
           
1846 211 テキ           タに同じ。下を見よ。
           
           
1847 211           誤の俗字。言部を見よ。
           
           
1848 211 テツ つつしむ あきらか       敬なり。心をもととし㪿(折)を音とす。(形聲)周器の銘文に依ればセは哲聖。明哲の哲の本字にて。哲は誓の古文。セの代用を爲すなり。書經に人を知る則ち哲なり。又人を知るを明哲と曰ふ是れなり。又日部に晢は昭明と訓ず。セと義近し。而して敬なりとは哲聖の轉義なるべし。哲人君子は愼敬ならざるはなし。書經洪範の疏哲の字は。王肅本はセに作り。鄭本は晢に作る。古人三字皆通用す。又白(ハク)部に皙(セキ)あり人色の白なり。白をもととし析(セキ)を音とす。混ずべからず。
           
           
1849 211 悤󠄄 ソウ いそがわし あきらか       多遽悤々なり。(窗)心の(會意)は通明の意なるべし。呂覽に怱々乎として其心の堅固。注に明なり。
           
           
1850 211 かなしむ         痛むなり。心をもととし非を音とす。(形聲)段氏云くとは痛の深きなり。恫とは痛の專なり。悲とは痛の上騰するなりと。廣雅に悲は傷なり悵なり。悱は誦(痛の代)なり
           
           
1851 211 スイ うれう いたむ つかる     㥑(イウ)(憂)なり。心をもととし卒を音とす。(形聲)字亦瘁に作る。左傳に憔悴。蒼頡篇に瘁は憂なり。葢し心に憔悴と曰ひ。又顦顇は面色より謂ふなり。
           
           
1852 211 チヨウ うらむ いたむ       望恨なり。心をもととし。長を音とす(形聲)漢書の注に惆恨なり。長く忘ぬの恨みか。
           
           
1853 211 𢛁 タン           怛に同じ。上を見よ。
           
           
1854 211 モン うれいむすぼる       懣なり心をもととし門を音とするも(形聲會意)白虎通に門以て閉藏し自(オノヅカ)ら固きなりと。苦悶して懷の開かぬなり。
           
           
1855 211 むなさわぎ         心動なり。心をもととし季を音とす。(形聲)楚辭に惶悸たり兮氣を失す。注に懼るなり。又は氣の定まらさるなり。疒をもととし季を音となす。二字音同く義近し。
           
           
1856 212 トウ おそる いたむ       懼るるなり。心をもととし卓を音とす。(形聲)哀愁の極。恐懼するなり。今人貴人を弔ふ言ばに恐入るといふ是れなり。詩經に中心に是れ悼む。傳に動(慟)なり。周書に恐懼處に隨ふを悼と曰ふ。方言に。憮。。悼。憐は哀なり。
           
           
1857 212 セイ いたむ さみし       痛なり。心をもととし妻を音とす。(形聲)淮南子に悽愴の志と。廣雅に悽は悲なり。又漢書に至寒悽愴。注に寒冷とは淒の代用。淒は俗に凄に作る。
           
           
1858 212 コウ まこと         空の俗字なり。論語に悾々として而して信ならず。包注に悾々はなりと。然も大戴禮に。大夫忠にして士は信。民敦。工樸。商。女憧婦空々。呂覽に空々乎。高注になり。皆古字。論語は後人の改寫のみ。
           
           
1859 212 情󠄃 ジヨウ こころもち         人の氣欲(慾)ある者なり。心をもととし青を音とす。(形聲)但し青に信の意あり。或は會意を兼ぬ。禮記に何をか人情と謂ふ。喜。怒。哀。懼。愛。惡。欲。七つの者は學ばずして而して能くすと。情は性より生するなり。大學の注に情は實のごとしと。
           
           
1860 212 チユウ きぬけ うらめし       失意なり。心をもととし周を音とす。(形聲)亦怊に作る。楚辭に怊悵して自ら悲むと。
           
           
1861 212 ケン           倦の俗字。人部を見よ。
           
           
1862 212 テキ ひもじ うれう       飢餓なり。心をもととし叔を音とす。(形聲)詩經に惄として朝飢のごとし。傳に飢の意なり。一に曰く憂なり。方言に悵なり。皆轉義なり。
           
           
1863 212 トン あつし         厚なり。心をもととし𦎫を音とす。(形聲)書經惇大成裕。經傳中に唯此一字を存するのみと。他は皆敦を以て代用す。左傳に禮樂を説いて而して詩書に敦しと。凡そ敦厚といふ是れなり。
           
           
1864 212 ラン むさぼる         河内の北に貪を謂つて惏と曰ふ。心をもととし林を音とす。(形聲)左傳に貪惏飽く無し。注に耆(タシム)(嗜)なりと。
           
           
1865 212 モウ           罔の俗字。網を見よ。
           
           
1866 212 タン うれう もゆるおもい       㥑(イウ)(憂)なり。心をもととし炎を音とす。(形聲會意)詩經に憂心惔の如し。傳に燔(ヤク)なり。又惔の如く焚の如し。傳に之を燎くなり。又憺の代用をなす。
           
           
1867 212 テキ つつしむ うれう おそる     敬なり。心をもととし。易又は狄を音とす。(形聲)易に孚(マコト)有りタ若。注に疾(イタム)なり。楚語に心タ々たり。注に懼なりと。恐れ入るなり。
           
           
1868 213 コツ うつとりする ぼんやり       古は忽を以て之となす。禮記に何そ恍惚の之れ有らん。又其慌惚と神明を以て交はると。釋文に惚は本忽に作ると。史記は怳忽に作り。漢書は荒忽に作る。
           
           
1869 213 コン おろか こころくらし みだる     憭(アキラカ)ならざるなり。心をもととし昏を音とす。(形聲會意)心の昏冥なり。荀子に往來惛憊。注に猶ほ晦暝のごとし。又詩經に以て惛怓を謹む。傳に大亂なりとはの代用。は怓なり。怓は亂なり。
           
           
1870 213 セキ いたむ おしむ       痛なり。痛惜するなり。心をもととし昔を音とす。(形聲)楚辭の序に惜とは哀なり。轉義は呂覽に天下の爲めに死を惜むと。
           
           
1871 213 エン           亦惋に作る。怨の俗字。上を見よ。
           
           
1872 213 おもう これ ただ     凡(スベテノ)思なり。心をもととし隹を音とす。(形聲)爾雅に惟は思ふなり謀るなり。又字音を借りて語詞となす。是れなり獨(タダ)なり。孟子に惟(タダ)土田無しと是れなり。維。唯を用ふも皆同じ。
           
           
1873 213 ケイ めぐむ         仁なり。心と叀(セン)の(會意)叀は小心謹愼なり。仁者の心は此の如し。爾雅に惠は愛なり順なり。廣雅に惠は賜なり。周書に民を愛し與(アタヘル)を好むを惠と曰ふ。字亦憓ォに作る。又字音にて艸の名となし亦宸ノ作る。
           
           
1874 213 アク あやまち にくむ あしし いずくんぞ   過ちなり。心をもととし亞を音とす。(形聲)ア。ヲ。アク一轉音なり。段氏云く人に過ち有るを惡と曰ふ。過有て而して人之を憎むも亦惡と曰ふと。周禮に萬民の(邪)惡過失。本義なり。卽ち善惡なり。易に君子は以て惡を遏(トド)め善を揚ぐ。又論語に君子と亦惡む有るか皇疏に憎(ニクム)疾なり。又美惡といひ。醜惡といふは亞(曲背(セムシ))の代用。又毀惡(ソシル)といふはの代用。䛩は相毀るなり。言をもととし亞を音とす。又論語に惡乎(イヅクンカ)名を成さんとは曷(アツ)の代用。古音通す。
         
           
1875 213 スイ うたがう はなのしべ       心疑なり。三心の(會意)多心は定まらさるなり。借りて花惢(ズイ)の字となす。象形の假借なり。花噩(萼)の字亦_に作り口止の象形假借なるが如し。俗に蕊に作る。
         
           
1876 213 ワク まどう         亂るなり。心をもととし或を音とするも(形聲會意)古は或を以て惑とす。論語に四十にして惑はず。疏に疑惑なり。又門人惑ふ。皇疏に嫌怪のごとしと。心の亂るるなり。字亦に作る。荀子に己の々を以て人の々を受くと。
           
           
1877 213 ノウ なやむ         恨痛する所あるなり。女をもととし𡿺(腦の本字)を音とす。(形聲)然も女の腦はみあり。クヨクヨするなり。會意あるべし。𡿺に感すれば心に感ずるなり。字亦惱に作る。
トウ          
           
1878 214 おこたる         敬せざるなり。心の怠りなり。心をもととし𡐦の省きを音とするも。𡐦に同じ)に敗荒の意あり(形聲會意)廣雅には惰は嬾なり。禮記に游惰の士と。古文はを以て代用とす。は女の好色なり。
           
           
1879 214 ウン あつし         重厚なり。心をもととし軍を音とす。(形聲)段氏云く。ツ厚の字は當に此の如くなるべし。今は皆渾に作る非なり。渾とは混流の聲なり。
           
           
1880 214 ソウ おもう のぞむ       冀思(コヒネガヒ)なり。心をもととし相を音とす(形聲)然も相は省み視るなり。企踵(ノビアガル)して望む意もあるべし。又周禮の注に似て形想す可き有りとは像の代用。今想像といふ像々なり。
           
           
1881 214 ズイ うれう おそる       㥑(イウ)(憂)懼するなり。心をもととし耑を音とす。(形聲)タン。ズイ古音轉通なり。詩經に惴々として其れ栗と。莊子に小恐惴々。李注に小心の貌と。又孟子に吾惴せず焉とは遄の代用なりと。
           
           
1882 214 キヨク きみじか せわし いましむ いつくしむ   疾なり。心をもととし亟を音とす。(形聲)性急なり。列子に𧮈㥛夌誶。釋文に急なり。一に曰く謹重の貌とは悈の代用。又廣雅には愛なりと暱の代用と。
           
           
1883 214 コウ おそる         恐なり。心をもととし皇を音とす。(形聲)皇音の字は大なる義あり。惶_は今人の大恐惶といふ是れなり。廣雅に惶は懼なり。惶々は劇なりと。
           
           
1884 214 ユウ うれう         愁なり。心頁(カホ)の(會意)𢝊は心の顏面に形はるるなり。故に頁に從ふと。經傳は憂を以て代用す。
           
           
1885 214 シヨウ           懾の俗字。下を見よ。
           
           
1886 214 シユン こころみだる あつし にぶし     亂なり。心をもととし春を音とす。(形聲)左傳に今王室實に惷々焉。注に動擾の貌なり。又一に曰く厚なりとは惇の代用。又淮南子に愚夫惷婦。注に無知の貌とは鈍の代用。
           
           
1887 214           韙に同し。韋部を見よ。
           
           
1888 214 愕󠄂 ガク おどろく         の異體なり。辵部と又諤の下を見よ。
           
           
1889 214 ケイ           𢞛の誤字。下を見よ。
           
           
1890 214 惹󠄂 ジヤク みだる はず ひきつける     古此字なし。鈕樹玉云く疑らくは諾の異體。方言に。謰は挐なり。或は此を惹と謂ふと。廣雅に若は挐なりと。按ずるに説文に挐は羞(ハジ)の窮はまるなりと。正に惹と合す。廣韻に惹は亂と訓ず。五經文字に諾誖は皆亂と訓ず。故に又疑くは惹を諾の別體と爲すと。此説は是なるべし。諾惹の同字は誖悖同字の例に合す。然れば心の亂れてワケモなき言をなすを惹又といふ。古は諾若同字。卽ち若を以てとなすなり。
           
           
1891 215 ソク いたむ         痛なり。心をもととし則を音とす。(形聲)孟子に惻隱の心。漢書に惻隱を細民に加ふ。然らば心に測度して痛傷す。思ひやりなり。易の井に我か心の惻を爲す。注に傷悼なり。又詩の箋に𢡆惻款誠。切の代用と。
           
           
1892 215 セイ さとる         古此字なし。廣韻に字林を引く惺は悟るなり。聲類に惺𢤄は了慧の貌なり。漢末以後に出づべし。
           
           
1893 215 𢜬 タク はかる         度の俗字。廣韻に忖𢜬。詩經には寸度に作る。
           
           
1894 215 シユウ うれう         憂(ウレフ)なり。心をもととし秋を音とするも。秋は憂愁を感ずるの時なり。愁れば心が秋收して伸ひぬ。(形聲會意)易に晉如愁如。鄭注に色を變する貌なりと。字亦愀に作る。又尚書大傳に秋は愁なりと。或は云く此義は揫の代用と
           
           
1895 215 エン すごす あやまる       過なり心をもととし。衍又は寒の省きを音とす。(形聲)詩經に式禮愆つ無し。左傳に所を失するを愆と爲す。周書の謚法には過まるなり。心の度を失ふを愆となし。行步の度を失ふを𨔃となす。𩱡_の同字なるに依れは。衍侃の二音は義の同じきこと知るべし。又_をに作る。𢥛(サイ)をに作る混ず。
           
           
1896 215 コン           惛の俗字。上を見よ。
           
           
1897 215 愉󠄃 うすし よろこぶ いゆ     薄きなり。心をもととし兪を音とするも。(形聲會意)兪は空なり輕なり。心が輕薄にして浮き浮きしてゐると喜び易し。故に轉義は愉悦。愉快となる。爾雅に愉は服なり。注に喜樂して而して服從するを謂ふと。廣雅に喜なり説(悦)なり。又禮記に痛の甚しき者は其愈(イユ)る遲とは瘉の代用。又小爾雅に瘉はuなり(イヨイヨ)は逾の代用。又論語に汝と回と孰(イヅレ)か愈(マサ)れるとは踰の代用なりと。
           
           
1898 215 ヘン           褊の俗字。衣部を見よ。
           
           
1899 215 ケン こころひろし こころよし       寛間なる心腹の貌なり。心をもととし宣を音とす。(形聲)三家の詩に赫たり愃たり。毛詩は咺を代用とす。傳に威儀容止の宣著なりと。
           
           
1900 215 フク まごころ むすぼる せまる     誠志なり。心をもととし畐を音とす。(形聲)漢書に憤を發し悃愊。注に緻密なり。又後漢書に心愊憶として而して紛紜たり。注に猶ほ鬱結のごとしとは畐の代用。
           
           
1901 216 ビン いたむ あわれむ       痛なり。心をもととし敃を音とす。(形聲)廣雅に愍は憂なり。慯なり。愛なりと。
           
           
1902 216 愔󠄂 アン           の俗字。水部を見よ。
           
           
1903 216 シヨ しる         知なり。心をもととし。胥を音とす。(形聲)段氏云く諝と音義同じと。葢し同字。
セイ          
           
1904 216 カク           革の俗字。革は部首なり。
           
           
1905 216 フク もとる         古は復を以て之と爲す。左傳に知伯貪にして而して愎と。雷浚云く趙策に利を好んで而して鷙復と。愎は卽ち復なりと。廣韻に愎は戾なり。剛愎にして自ら用ゆと六朝字なり。
           
           
1906 216 意󠄃 こころもち おもう       志なり。心音の(會意)音は言なり。言を察して意を知るなり。又意は言に見はるるなり。意は内にして言は外なり。孟子に意を以て志を逆(ムカ)ふと。轉じて思念の義と字俗に憶に作る。
           
           
1907 216 メン つとむ         勉なり。心をもととし面を音とす(形聲)愐サ音義皆近し。段氏云く。毛詩は黽(愐の代用)勉。亦僶勉に作り。韓詩は密勿に作り。爾雅は𣳚に作る。は本或は𧖅に作る。𧖅は蜜の字。然らは韓詩は正に蜜勿に作る。轉寫誤つて密に作るのみ。爾雅の釋文に。は本僶に作る。是れ則ち説文の愐を正字と爲すと。論語は文莫に作る。文はサの代用。ブン。ビン。ミツ。古音轉通す。
ビン          
           
1908 216 ケイ           憩の本字。下を見よ。
           
           
1909 216 𢝆 チヨウ おもおもし おくれる おそし     遲なり。心をもととし重を音とす。(形聲會意)段氏云く遲重の字は當に此に作るべし。今重を代用す。易の咸の京房本に𢝆々として往來すと。の代用なり。
           
           
1910 216 おろか         戇(クウ)(オロカ)なり。心禺の(會意形聲)禺は亦音とす。禺は母猴(サル)(木猴)の屬なり。獸の愚なる者なり。賈子に知に反するを愚と爲す。論語に違はざる愚の如し。又_は懽(歡の代用と)なり。心をもととし禺を音とす。_と異るなし。疑らくは歡と訓ず娯の代用なるべし。
           
           
1911 216 愕󠄂 ガク           に同じ。辵部を見よ。
           
           
1912 216 タン           の俗字。(マコト)の代用をなす。女部を見よ。
           
           
1913 216 トウ ほしいまま たいらか       放なり。心をもととし昜を音とす。(形聲)字亦偒に作る。愓は放蕩の蕩の本字なり。方言に愓は遊なり。婬なり。廣雅に戲なり。荀子に愓悍驕暴。又一に曰く平なり。廣雅に愓は直なりと。場の代用なり。
           
           
1914 217 キヨウ こころよし         快なり。心をもととし匧を音とす。(形聲)と同字か。又𡡌下に云く志を得て𡡌々なり愜𡡌も同字なるべしと。
           
           
1915 217 カク           恪に同じ。上を見よ。
           
           
1916 217 カン こころをうごかす こたえる うらみ ふれる 人の心を動かすなり。心をもととし咸を音とす。(形聲會意)咸は皆なり。易に感じて而して遂に天下の故に通ずと。臨に咸(感の代用)は臨。注に感應なり。荀子の注に深く其妙を得て心に應ずと。朱駿聲云く廣雅に感は傷なり。左傳に美なる哉猶ほ感あり。釋文に憾に作る。按ずるに感ずるに喜心を以すれば則ち慕となり。感するに哀心を以てすれば則ち傷となり。感するに怒心を以てすれば則ち怨となる。此義には俗に立心を加へて之を別つ。小爾雅に憾は恨なり。字林に憾は安からざるなり。中庸に人猶憾むる所ありと。此憾は後人の改寫のみ。葢し初め變じて𢜩に作り。後誤つて憾となる。又感槩とは連言して義をなす。
  なげく        
           
1917 217 ソウ           總の譌字なり。總の隷體を揔に作り。此を艸書に_に作り。又誤て_に作る。此等の艸體を楷書にせしより。_となり惣となる。妄も甚だしきものなり。
           
           
1918 217 ウン いかる いきどおる うらむ     怒るなり。心をもととし𥁕を音とす。(形聲)一に曰く怨むなり。論語に人知らず而るを慍らす。注に怨なり。詩の疏に説文を引く怨むなり。蒼頡篇に慍は恨なり。又積むと訓ずるは薀の代用。
           
           
1919 217 ソウ いたむ         傷むなり。心をもととし倉を音とす。(形聲)禮記に必ず悽愴の心あり。本義なり。又列子に愴々涼々とはの代用なり。
           
           
1920 217 シツ ねたむ         嫉に同じ。女部を見よ。
           
           
1921 217 カク まこと つつしむ       謹なり。心をもととし㱿を音とす。(形聲)周書に行の中外に見はるるを愨と曰ふ。廣雅に愨は謹なり。善なり。愿なり。誠なり。
           
           
1922 217 はず はじろう       慙なり。女をもととし鬼を音とす。(形聲)或は恥の省き(心)にて(會意)詩經に尚(コヒネガハ)くは屋漏に愧ぢずと。又禮記に人の能はざる所の者を以て人を媿かしめずと。一義の轉のみ。
           
           
1923 217 イン つつしむ         謹むなり。心をもととし𤔌(イン)を音とす。(形聲)心に謹愼なれば卽ち安𤔌(穩)なり。
           
           
1924 217 うつたう         訴に同じ。言部を見よ。
           
           
1925 218 デキ うれう しおれる       㥑(イウ)(憂)の貌なり。心をもととし弱を音とす。(形聲)讀む(音)惄の若し。段氏云く惄として輈飢の如し。韓詩に愵に作る。古愵惄通用す。集韻に愵或は𩈢に作る。𩈢𦓖の譌なり。卽ち恧字。亦𢟄𦗂に作る。
           
           
1926 218 ガイ かちどき のがく       樂(ガク)なり。心をもととし豈を音とす。(形聲會意)朱駿聲云く。此字は説文の豈部に重ね出す。康(ヤスシ)と訓じ。亦に豈心の會意。按ずるに豈トは同字なり。後人が心を加ふるのみ。字亦凱に作る。豈に從ふ几の聲(音)又左傳に八ト。注に和なり。莊子に中心にト(タノシム)なしと。又假借連語にて義をなすものは詩經に齊子豈弟(古正字)爾雅にト悌は發なり。又詩經にト悌の君子。皆樂易(ラクイ)の意なりと。
           
           
1927 218 ソン したがう へりくだる       順なりと。心をもととし孫を音とす。(形聲)葢し心の遜退なり。遜通用す。書經に五品はず。今本は遜に作る。字林には謙なり。恭なり。
           
           
1928 218 シン つつしむ まこと       謹なり(謹は愼なり義同じ)心をもととし眞を音とす。(形聲)古文は詳かならず。眞を仙人の類とす疑はし。或は云く眞は鎭の古文。經子は眞を以て愼の代用とす。爾雅に愼は誠なり。靜なり。方言に愼は思なり。廣雅に愼は敕なり。恐るなり。莊子に眞なる者は精誠の至りなり。亦愼の義にて解す。周語に愼はコの守なり。詩經に爾の言を愼む。傳に誠なり。
           
           
1929 218 シヨウ おそる         悚の本字なり。上を見よ。
           
           
1930 218 𢞛 シン おどろくことば うれう ひとりもの   驚く詞なり。兮(コトバ)をもととし旬を音とす。或は心を加ふ。心に驚き言に發するなり。(形聲會意)莊子に恂然として棄て而して走ると。恂は代用字。字亦誤つて惸に作る。今詩經に憂心惸々たり。傳に憂ふる意なりと。後人の改寫なり。又周禮に惸獨老幼。注に兄弟無きを惸と曰ふと。の代用。亦誤字。
           
           
1931 218 ユウ           勇に同じ。力部を見よ。
           
           
1932 218 ためいき なげく       大息なり。心をもととし氣を音とす。(形聲)詩經に愾として我寤めて歎く。箋に歎息の聲なり。又左傳に敵王の愾する所なり。注に恨怒なりとは慨の代用。又禮記に天下に愾(イタ)るとは訖の代用と。
           
           
1933 218 ゲン つつしむ         謹なり。心をもととし原を音とす(形聲)書經に愿にして而して恭。鄭注に容貌の恭正を謂ふ。左傳に愿(マコト)吾之を愛す。注に謹厚なり。論語に侗にして愿ならす。但しク愿は愿に非ず。
           
           
1934 219 サイ みつ         實るなり。心をもととし𡫳を音とす。るも(形聲會意)𡫳は窒くなり。書經に剛にして而してと。今本は塞に作る代用字なり。○此字の楷書を㥶に作るは。愆の異文の_も㥶に作ると混ず。
           
           
1935 219 リツ ふるえる         古は栗を以て之と爲す。鈕樹玉云く大禹謨に夔(キ)々として齊慄すと。孟子は栗に作ると。今本は僞作なり。故に俗字を用ゆ。孟子を正となす。
           
           
1936 219 慌󠄄 コウ           怳の俗字。恍を見よ。
           
           
1937 219 コン うれう みだす       㥑(イウ)(憂)なり。心をもととし圂を音とす。(形聲)左傳に賓を慁へず。注に患なり。又説文に一に曰く擾(ミダス)なり。禮記に君王を慁しめず。注に辱なり。廣雅に慁は亂なりとは溷の代用。
           
           
1938 219 ソウ うごく むなさわぎ はやおき うれう   動くなり。心をもととし蚤を音とす。(形聲)詩經に勞心慅たり。心の騷然たるなり。一に曰く起きるなりとは早の代用。又廣雅に慅は愁なりとは懆の代用。又荀子に纓を慅(アラ)ふとは澡の代用なりと。
           
           
1939 219 トウ よろこぶ         説(悦)なり。心をもととし舀を音とす。(形聲)字亦謟に作る。尚書大傳に師乃ち慆ぶ注に喜なり。又詩經に天慆コを降す。傳に慢なり。又過なり。滔の代用。又左傳に天命慆(タガハ)はずは忒の代用。又憂を慆むは韜の代用と。
           
           
1940 219 イン いたむ ねんごろ       痛むなり。心をもととし殷を音とす(形聲)詩經に憂心殷々たり。葢し古は唯だ殷に作るべし。慇懃も亦殷勤に作る勤は謹の代用なりと。
           
           
1941 219 ケン うたがう やすからぬ すくなし うすし   疑ふなり。心をもととし兼を音とす。(形聲)説文に慊惑連出す。知る慊は疑惑の義なり。段氏云く今字多く嫌に作る。按ずるに心に平かならざるを嫌の正義となすと。然れども惱。懶嬾。戀孌等の例に依れば慊嫌は元同字にはあらざるか。心に平かならざれは。固より疑惑するなり。一義の轉のみ。漢書に避慊の便。注に慊も亦嫌字なりと。又孟子に吾何ぞ慊(スクナシ)とせんや。注に少なりとは歉の代用。(歉は飽き足らぬなり。)又廣雅に慊は貧なり。淮南子の注に慊は約なりとは溓(ウスシ)又は儉の代用と。又孟子に心に慊からず。注に快なり。莊子に盡く去つて而して後に慊る。李注に足るなりとは猒の代用と。
コウ          
           
1942 219 タイ こころざま すがた       意なり心又は人と能にて(會意)姿の餘りなりと。葢し心に其事を能くし。然して後に態度あるなりと。轉義は楚辭に滂心綽態。注に姿なり。心の姿なり。
           
           
1943 220 慈󠄄 いつくしむ         愛なり。心をもととし茲を音とするも。(形聲會意)茲は養殖の意なり。愛育して蕃茲せしむ。愛のことなり。管子に慈なる者は父母の高行なり。周禮に幼を慈むと。
           
           
1944 220 愛󠄂 アイ ゆくかたち いつくしむ おしむ     行く貌なり。夊(スヰ)(徐行)をもととし(アイ)を音とす。(形聲)此字はの代用にて行はる。_は惠なり。仁なり。心をもととし旡(キ)を音とす。キ。アイ轉音。(旡は_に作る欠の反形)は親みなり。親みの至り心に結ばるなり。轉義は孟子に百姓は皆王を以て愛(ヲシ)むと爲す。注に嗇なり。
           
           
1945 220 ヒヨウ はやし         疾なり。心をもととし。票を音とす。(形聲)僄嫖と音義近し。廣雅に慓は急なり。素問に慓悍なる者と是れなり。
           
           
1946 220 慕󠄂 ならう したう       習ふなり。心をもととし莫(暮の本字)を音とす。(形聲)又は勉なり。は慕と同字なるべし。習と勉と義近し。轉じて思慕となす。段氏云く其事を習ふ者は。必す中心に之好す。淮南子に名位に誘慕す。孟子に少なれば則ち父母を慕ふ。
           
           
1947 220 つとむ         勉なり。心をもととし莫を音とす。(形聲)慕と異るなし。上注を見よ。論語に文莫といふ。卽ちサなり。然れとも莫に作るは古字。の勉と訓するは懋の代用ならんか。
           
           
1948 220 サン そこなう         毒なり。害毒なり。心をもととし參を音とす。(形聲)方言に慘は殺なり。心の作用に出づ。漢書に慘毒民に行はる。又虐と訓ず。殘忍なり。又若くは懆の代用は。爾雅に慘は憂なり。詩經に憂心慘々。史記に疾痛慘怛と皆是れなり。又爾雅に慘々は慍なりとは(イカル)の代用。又廣雅に慘は貪なり愒なりとは(ムサボル)の代用。又通俗文に色の暗きを慘と曰ふとは黲(クラシ)の代用なりと。
           
           
1949 220 ゴウ           亦に作る。傲の俗字。人部を見よ。
           
           
1950 220 ザン はず         媿づるなり。心をもととし斬を音とす。(形聲)小爾雅に直ならす節を失ふを慙と謂ふ。慙は媿なり。書經に惟れコに慙づる有りと。亦慚に作る。
           
           
1951 220 慝󠄃 トク よこみち かくす       匿の俗字。亦に作る。鈕樹玉云く。古通じて匿を用ふ。管子に百匿上威を傷く。匿は卽ち慝なり。故に下に云く姦吏官法に傷くと。漢書の五行志に朔にして月東方に見はる。之を仄慝と謂ふ。孔光傳には側匿に作る。
           
           
1952 220 ドウ いたむ         動の俗字なり。又𢝆に作る。代用字なり。玉篇に慟は哀なり。論語の子哭して慟すを引くも。古本は動に作るなり。釋文に馬注を引く。哀の過ぐるなり。鄭注に容貌の變動すと。古正字なり。後人心を加ふるのみ。
           
           
1953 221 カン ならう なれる       習ふなり。手をもととし貫を音とす(形聲)又辵部に_の字あり。音義同じ。葢し手の習熟を摜となし。行ひの習熟を遦となす。後人慣の字を作つて摜遦を兼ぬ。然れども元是れ習熟貫通の意なり。古は貫を以て之と爲すと。孟子に小人乘るを貫(ナラ)はず。詩經の串夷の傳に。串は習ふなりと。串は貫の古文なり。皆古正字。
           
           
1954 221 コウ なげく         忼に同じ。上を見よ。
           
           
1955 221 慢󠄃 マン おこたる あなどる       惰なり。心をもととし曼を音とす。(形聲)易に上慢なれば下暴なり。又左傳に我遠しとして而して之を慢る。注に易(アナド)るなり禮記に敬す可く慢る可らず説文に一に曰く畏れざるなり。とは。嫚の代用なり。又詩經に叔馬慢忌。傳に遲なり。廣雅に慢は緩なりとはの代用。又莊子に其鼻端を堊慢す。注に塗なりと槾鏝の代用なり。
           
           
1956 221 ゾウ いたむ にわか       鈕樹玉云く古は慥に作る。韓非子に景公造然として色を變ず。此造字はの代用てあると。又中庸に君子胡(ナン)ぞ慥々爾ならざらんと。注に實を守つて言行相應するの貌と。此は重言して義をなすものなれは固より造々にて足る。今本は後の俗人か改寫して心を附せしのみ。
           
           
1957 221 ケイ さとし         儇なり。(儇は慧なり同義)心をもととし彗を音とす。(形聲)齊語に聰慧質仁。注に解瞭なり。顧野王云く慧は才智なり。察なり。亦ャに作ると。
           
           
1958 221 慨󠄊 ガイ なげく         忼慨は壯士の志を得ざるなり。心をもととし既を音とす(形聲)キ。ガイ轉音なり。又慨歎。歎息の義は愾の代用と。説文に(親愛の本字)の古文となす。按ずるに此字は卽ち慨に同し。キ。ガイ。アイ古音は通すべし。古慨を借りてとなすのみ。
           
           
1959 221 レン なきかなしむ       泣(ナミダ)下るなり。心をもととし連を音とす(形聲會意)連泣して止まざるなり。易に泣血漣如たり。漣は代用。古本はに作る。
           
           
1960 221 シヨウ おどろく すすむる       驚くなり。心をもととし從を音とす。(形聲)又連言して義をなすものは方言に慫慂は勸むるなり。南楚に凡そ己の喜ぶを欲せざるに旁人が之を説(ヨロコ)ばし。怒るを欲せざるに。旁人が之を怒らす。或は之を慫慂と謂ふと。漢書には慫臾に作る。二字の音にて義をなす。慂は勇の異文皆本義と關せず。
           
           
1961 221 キン つつしむ         謹に同じ言部を見よ。廣韻に慬は愨なり。正に謹の義なり。
           
           
1962 222 リヨ おもんぱかる       謀り思ふなり。思をもととし虍を音とす。(形聲)念は常思なり。惟は凡思なり。懷は念思なり。想は覬思(コヒネガヒ)なり。難を慮るを謀と曰ふと。分別此の如し。詩經に慮らず圖らず。又漢書の注に慮囚とは録(シルス)の代用。又廣雅に無慮は凡なり。此は重言して義をなすものなり。
           
           
1963 222 シヨウ いたむ うれう       㥑(イウ)(憂)なり。心をもととし傷の省きを音とす。(形聲會意)心に深憂あり。之を傷むるなり。廣雅に慯は痛なり。
           
           
1964 222 こころやすし なぐさむ いかる     安なり。心をもととし尉を音とするも(形聲會意)尉は上より下を按(オサ)へるなり。尉撫なり。慰は尉撫せられ安心するなり。轉義は詩經に母の心を尉(ヤスン)ずる莫(ナ)しと。又説文に一に曰く恚怒なりと。詩經に以て我が心を慰(イカ)らす。釋文に怨なり。韓詩は慍に作るは𩰪(カモス)の代用と。
           
           
1965 222 ハン わする         忘るなり。慲兜(古語)なり。心をもととし㒼を音とす。(形聲)段氏云く慲兜は今人の糊塗と曰ふかごとし。事を省みざるなりと。又懣を見よ。
           
           
1966 222 ヨク           欲の俗字なり。貪慾の義は欲の一轉義なり。但し慾は廣韻に見ふ。六朝字なり。
           
           
1967 222 ケン おしむ         古此字なし。廣韻に慳は悋なり。悋は亦吝の字。慳は緊の俗字なるべし。吝嗇は緊縮なり。今邪慳の字を用ゆ其轉義なるべし。
           
           
1968 222 セキ うれう いたむ       㥑(イウ)(憂)なり。心をもととし戚を音とす。(形聲)經傳は多く戚を以て之と爲す。易に戚んで嗟若と。
           
           
1969 222 シヨウ つかる ものうし       古此字なし。庸を以て之と爲す。鈕樹玉云く玉篇に慵は嬾なり。按するに爾雅に愉と庸とを並に勞と訓ず。郭注に勞苦する者は多く惰愉すと。然れば傭と同じく庸の俗字なり。
           
           
1970 222 テイ けだかし つかる ととのわず     高なり。一に曰く極なり。一に曰く困劣なり。心をもととし帶を音とす。(形聲)字亦懘嵽に作る。樂記に怗の音。注に怗は獘敗和せざる貌と。俗に殢を代用す。廣韻に殢は極困なり。亦㦅に作る。集韻には心の安からざるなり。
           
           
1971 222 シヨウ おそる         懼なり。心をもととし習を音とす。(形聲)莊子に是故に物にふて而して慴れず。釋文に懼なりと是れなり。
           
           
1972 222 リユウ こころさわやか たよる こえきよし   憀然なり。心をもととし翏を音とす(形聲)心の翏々然として高虗なる義なるべし。又朱駿聲云く淮南子に吏民相憀(ヨ)らず。聊の代用。國策民聊る所無し。漢書の無俚の至りと同じと。
リヨウ          
           
1973 223 慶󠄂 ケイ いわう よろこぶ よきこと     行いて人を賀するなり。心と夊(スヰ)は敬意と徐行の禮容。又鹿の省きとにて(會意)鹿皮は禮の進物なり。儀禮に儷皮。鄭注に兩鹿皮なりと是れなり。周語に。慶有り未た嘗て怡ばずんはあらず。注に福なり。詩經に則ち其慶を厚うす。傳に善なりと。善は吉なり。魯語に固に其喜を慶す。
           
           
1974 223 憂󠄂 ユウ しとやか うれう       和(トトノフ)せる行きかたなり。夊(スヰ)(ユルヤカに步す)をもととし㥑(イウ)を音とす。(形聲)此字經傳は㥑の代用にて行はる。_は愁なり。心頁の會意。頁は首なり。顏色の意となす。心に愁あれば顏色に形(アラ)はるるなり。爾雅に憂は思ふなり。詩經に我が心憂傷す。論語に仁者は憂へず。皇疏に患なりと。皆㥑の義。又優は饒なりとは瀀の代用。一に曰く倡なり。徘倡の行く貌は和なり。憂優同字なるべし。
           
           
1975 223 𢞎 ハイ つかれる         𢢞(ケイ)なり。(𢢞(ツカル)は𢞎なり同義)心又は疒をもととし𤰈(ヒ)を音とす。(形聲)亦憊に作る。備も𤰈を音とす。通俗文に疲の極を𢞎と爲す。易の憊。鄭注に劣弱。陸は困劣とす。
           
           
1976 223 シヨウ おろか         愚なり。心をもととし舂を音とす。(形聲)周禮に憃愚。注に生れて而して癡騃僮昏なる者なりと。
           
           
1977 223 ヒヨウ よる         馮の俗字。凭の代用。冫部を見よ。
           
           
1978 223 憎 ソウ にくむ はばかる       惡むなり。心をもととし曾を音とす。(形聲)禮記に憎んで其善を知ると。曾は層なり。重さなるの意あり。憎の義は深く重し。轉義は方言憚なり。
           
           
1979 223 レン あわれむ         哀なり。心をもととし粦を音とす。(形聲)轉義は爾雅に憐は之を掩撫するなり。朱駿聲云く憐は連語なり。又爾雅憐は愛なり。又爾雅に怜は綴るなりの代用。亦怜に作る。又荀子に邑憐の心。吝の代用。又史記に駢憐。鄰の代用。
リン          
           
1980 223 カイ みだる         亂なり。心をもととし貴を音とす。(形聲)キ。クワイ轉音。漢書に憒眊爲す所を知らす。注に心の亂なり。楚辭に心煩憒す兮意聊(ヨ)る無し。廣雅に憒々は亂なりと。
           
           
1981 223 キン とう つつしむ つとむ しいぬ あえて 問なり。謹敬なり。心をもととしを音とす。(形聲)左傳に昊天弔(アハレ)まれず。憖で一老を遺さす。注に其辭を𨽌𢬸す。謹嚴に問ふなり。卽ち詩經に同じ。箋に憖とは心に自ら彊ふるを欲せざるの詞なりと。疏に説文を引く憖は肎(アヘ)て心に從ふなり。楚語に吾憖くは之を耳にかん。注にゥかん。注に願なり。又方言に憖は傷むなり左傳に兩軍の士皆未だ憖せす。注に缺なり。又一に曰く説(ヨロコ)ぶなり。一に曰く甘なりとは弞(ワラフ)の代用。思玄賦に憖は笑ふ貌と。
  ねがわくは いたむ よろこぶ    
           
1982 224 よろこぶ うれし ああ     説(悦)なり。心喜の(會意形聲)喜は意を兼ぬ。朱駿聲云く字亦に作る。尚書大傳に師乃ち慆ぶ注に喜なり。又詩經に天慆コを降す。傳に慢なり。又過なり。滔の代用。又左傳に天命慆(タガハ)はずは忒の代用。又憂を慆むは韜の代用と。
           
           
1983 224 タン はばかる         忌み難するなり。心をもととし單を音とす。(形聲)中庸に小人にして而して忌憚無し。方言に憚は惡むなり。詩經に我が心暑を憚る。箋に猶ほ畏のごとしと。又驚くとは顫の代用と。
           
           
1984 224 シヨウ やつれる         に同じ。面部を見よ。
           
           
1985 224 キヨウ           驕の俗字。馬部を見よ。
           
           
1986 224           隋に同じ。上を見よ。
           
           
1987 224 ケイ いこう やすむ       息ふなり。心をもととし曷を音とす。朱駿聲云く字亦𦧯偈に作る詩經に愒ふを尚(コヒネカ)はすと。又召伯の𦧯ひし所と。息をもととし舌(カツ)を音とするか。爾雅に𦧯は息なり。舊注に止るの息なり。又貪(ムサボル)と訓ず(ノドカハク)の代用なり。
           
           
1988 224 憧󠄂 シヨウ まよう         意の定まらざるなり。心をもととし童を音とす。(形聲)易に憧々として往來すと。フラフラサマヨフなり。後人憧憬をアコガレとす。又本義の轉のみ。
ドウ          
           
1989 224 リヨウ あきらか         瞭の本字なり。目部を見よ
           
           
1990 224 𢡆 コン           豤の俗字。豕の部を見よ。
           
           
1991 224 ビン           閔の俗字。門部を見よ
           
           
1992 224 キヨウ さいわい         𡴘(サイハイ)(幸)なり。心をもととし敫を音とす。(形聲)ゲキ。ケウ轉音なり。字亦儌に作り。俗に僥に作る。𡴘は僥倖の本字なり。
           
           
1993 224 カン たのし しずか       愉なり。心をもととし間を音とす。(形聲)段氏云く廣韻には憪は心の靜なり。然ば則ち今人の用ふる所の間靜の字は當に此字に作るべし。許云ふ愉とは愉々如たりの愉にて淡泊の樂みを謂ふなり。
           
           
1994 224 ケイ さとる         覺寤(サトル)なり。心をもととし景を音とす。(形聲)又詩經に憬たる彼の淮夷とは。毛傳に遠行の貌と。_(ハナル)の代用。韓詩は_に作ると。
           
           
1995 224 𢡃󠄀 オク ここちよし かずのな       滿なり。心をもととしを音とす。(形聲會意)𠶷は快なり。𢡃󠄀は心の滿足なり。又字音を借りて數の名となす。説文に曰く十萬を𢡃󠄀と曰ふ。
           
           
1996 225 憯󠄁 サン いたむ うれう とし すなわち   痛なり。心をもととし朁を音とす。(形聲)字亦䁮㿊に作る。淮南子に之を怨んで骨髄にすと。注に痛なり。方言には憂なり。漢書に榜箠炮烙よりなり。注に痛なり。又利と訓ず。兓の代用。又曾と訓ず朁の代用。
           
           
1997 225 ケツ いつわる         權詐なり。心をもととし矞を音とす。(形聲)心に在つてとなし。言に發して譎となす。二字音同じく義近し。莊子に恢恑譎怪。李注には乖なりと。譎を以てとなす。又を以て譎となすあり。
キツ          
           
1998 225 ケン とし のり       敏なり。心目は心悟目明なるべし。害の省きを音とすと。(會意形聲)然も害の音は疑はし。悟心明目を以て害を除くの會意には非ざるか。周書に博聞多能を憲と曰ふと敏義に合す。轉義は爾雅に憲は法なり。書經に乃の憲を愼む。詩經に萬邦憲と爲す。又周禮の布憲。注に表はすなり。宣又は𢓈の代用と。又重言して義をなすものは。中庸に憲々たる令コ。注に興盛の貌なり。詩經に然く憲々する無れ。傳に欣々のごとし。
           
           
1999 225 ノウ           の俗字。懊の注を見よ。
           
           
2000 225 いつくしむ やすんず あやしむ     (アイ)(愛)なり。韓鄭(二國)に憮と曰ふ。心をもととし無を音とす。(形聲)一に曰く動かざるなりと。又三蒼に憮は怪み愕くの詞なりと。論語に夫子憮然と是れなり。是れ固より字音を以て義をなすのみ。
           
           
2001 225 セン こざかし かたよる       憸詖なり。(段氏云く險頗なり)上に憸利なり。佞人なり。心をもととし僉を音とす。(形聲)或は險省か。書經に立政有る罔(ナ)し憸人を用ふ。馬注に憸利は佞人なりと。
           
           
2002 225 オウ なやむ         古此字なし。雷浚云く爾雅に懊は忨(ムサボル)なり。一切經音義に懊は卽ち惱の字。單呼して惱と曰ひ呼して懊悩と曰ふ。轉して懊憹と曰ふ。諸字皆後出なり。説文にはに作る恨む所あるなり。忨義と相引伸す。忨は貪なり。憹はの俗字。此は代用なり。
           
           
2003 225 憶󠄂 おもう         意の俗字。上を見よ。
オク          
           
2004 225 カン うらむ         感の俗字。上を見よ。
           
           
2005 225 リン さみし         凜に同し。冫部を見よ
           
           
2006 225 憼󠄂 ケイ いましむ         敬なり。心敬の(會意形聲)敬は音を兼ぬ。事を行ふに敬愼敬戒と謂ひ。之を心に戒むるに憼と曰ひ。之を言に發して警と曰ふ。三字轉注なり。
           
           
2007 225 ケン はげし きびし       急なり。心をもととし睘を音とす。(形聲)莊子に順懁して而して達する有り。釋文に三蒼を引く急腹なり。孟子に必すや狂獧か。獧は代用字なりと。漢碑に字亦_に作る。
           
           
2008 226 タン やすし しずか たる     安なり。心をもととし・を音とす。(形聲)子虗賦注に憺怕は靜かなり。或は淡泊に作る。或は澹を借る。字亦贍に作る。孟子に力の贍らざるなり。注に足るなり。
           
           
2009 226 ソウ うれう         愁て安からざるなり。心をもととし喿を音とす。(形聲)詩經に子を念ふて懆々なり。字亦_に作り亦誤つてに作る。慘毒の字と混ずるは非なり。
           
           
2010 226 コン ねんごろ         古此字なし。廣雅に懇々は誠なり。然も漢書に豤々。師古云く欲誠の意なりと。是れ重言して以て義をなす。字音を借るのみ。後に一字で用をなし。心を加えて_に作り。誤て懇となるなり。
           
           
2011 226 憤󠄃 フン いきどおる         滿なり。憤滿なり。心をもととし賁を音とす。(形聲)蓋し怒氣の墳然として發するなり。論語に憤を發し食を忘る。周語の注に憤盈は鬱積して而して怒滿なり。
           
           
2012 226 カイ おこたる なまける       怠るなり。心をもととし解を音とするも(形聲會意)心氣の解緩するなり釋名に懈は解なり。骨節の解緩なりと一轉義なり。孝經に夙夜懈るに匪す。鄭氏云く惰るなり。詩經に解るに匪ずに作る。
           
           
2013 226 ヨウ こたう あたる       當るなり。相對するなり。凡そ言語を以て對ふるは。心に知る所あるを以てなり。字は心をもととし𨿳(鷹の正字)を音とす。(形聲)別にに作るは非なり。齊策に齊王應へず。注に荅なり。淮南子に嚮應せざる莫し。注に和なり。易に二氣感して相與にす。爾雅に鼓の小なるを之を應と謂ふ。注に大鼓に應和するなり。廣雅に應は受なり。淮南子に敵に應ぜしめず。注に擊つなり。詩經に我應に之を受くべし。傳に當るなり。又廣雅に應は受なり卽ち當るなり。轉々して義を生ず。唐人の詩に祇(タダ)應(マサニ)(ベシ)の字を用ふ。音を借り語詞となすのみ。
オウ          
           
2014 226 ボウ つとむ         勉なり。心をもととし楙矛を音とす。(形聲)書經に時惟れ懋めん哉。又有無を懋遷すとは貿の代用。又美と訓ず。楙(シゲル)の代用なり。
           
           
2015 226 エキ よろこぶ         釋の後出字。周末の器文に_篆あり。説文は此を脱す。但し説釋を悦懌の古文となすなり。
           
           
2016 226 ボウ くらむ         明かならざるなり。心をもととし夢を音とす(形聲)爾雅はに作る。
           
           
2017 226 カイ おろか おそる       騃なり。心をもととし疑を音とす。(形聲)キ。カイ轉音。段氏云く騃は馬の行々なり。轉じて疑立の狀となす。又轉じて方言の癡騃となす。癡は不慧なりと。一に曰く惶るると。亦轉義なるべし。
           
           
2018 227 タイ うらむ         怨なり。心をもととし對を音とす。(形聲)廣雅に懟は恨なり。左傳に以て死するも誰か懟まん。孟子に以て父母を懟むと。
           
           
2019 227 テイ           慸の俗字。上を見よ。
           
           
2020 227 モン もだえる         煩なり。心滿の(會意形聲)滿は音を兼ぬ。又慲は忘るなり。慲兜なり。心をもととし㒼を音とす。慲懣は疑らくは同字なるべし。煩は頭痛なり。煩すれば忘るべきなり。又轉じて凡そ心に悶へるを懣と曰ふ。
           
           
2021 227 エン やすし         安なり。心をもととし厭を音とす。(形聲)詩經に懕々たる夜飲と。説文引く此の如し。今毛本は厭々に作る。代用字。傳に厭々は安靜なりと。義は正に合す。
           
           
2022 227 いきどおる         𤴡の俗字なり。大學に身忿懥する所あり。鈕樹玉云く。説文に𦥊は忿戾なり。讀む(音)摯の若しと。忿懥の本字と爲す。亦尚書の叨の本字と爲す。鄭の大学の注に懥は怒る貌なり。或はに作り。或は𤴡に作ると。大戴禮に忿𤴡に危しと。後人懥に作ると。然れば𤴡を以て𦥊の代用をなり。
           
           
2023 227           質の俗字。貝部を見よ。
         
           
2024 227 ユウ           の俗字。上を見よ。
           
           
2025 227 ジユ よわし おくびよう       駑弱なる者なり。心をもととし需を音とす。(形聲)嬬媆偄と音義皆近し。經傳は曠を以て代用す。懦も亦愞に作る。隷書で_と(大)とは而と形相混す。故に需を耎に作る。
           
           
2026 227 コウ こころひろし たけし       闊なり。廣大なり。心をもととし廣を音とす。(形聲會意)心境闊大なり。一に曰く寛なり。經傳は曠を以て代用す。又詩經の釋文に説文を引く懬たる彼の淮夷とは_の代用なり。
           
           
2027 227 ベツ かろんず あなどる       輕易するなり。心をもととし蔑を音とす。(形聲)蔑は目を勞して精なし。苜戍の合形。苜は目正しからずとす。凡そ心に輕すれば目も亦輕視す。
           
           
2028 227 ライ ものうし なまける       懈なり女をもととしョを音とす(形聲)葢し依ョするがゆえに能く爲さざるか。字亦懶に作る廣雅に見ゆ。孟子に富歳にョ多し。ョを代用となすなり。
ラン          
           
2029 227 懲󠄆 チヨウ こらす こりる       (コラス)なり。らされて懲りるなり。心をもととし徵を音とす。(形聲)艾も亦懲と訓ず。詩經に予れ其れ懲りて而して後の患をす。箋になり。韓詩に苦むなりと。
           
           
2030 228 カイ おもう         念思なり。忘れぬなり。心をもととし褱を音とす。(形聲)詩經に我人を懷ふ。傳に思ふなり。又論語に父母の懷を免す。又少者は之を懷(ナツ)けん。蒼頡篇に。懷は抱くなり。書經に蕩とし山を懷み陵に襄る。傳に包なり。周禮に以て賓客を懷んずと。皆褱の代用なり。
           
           
2031 228 ケン かける         縣の俗字糸部を見よ。
           
           
2032 228 ザン くゆ         廣韻。集韻に見ゆ。悔なり。佛家多く懺悔の字を用ゆ。六朝以後の字なり。
           
           
2033 228 懽󠄂 カン うれう まこと       款なり。(款は意に欲する所あるなり)心をもととし雚を音とす。(形聲)爾雅に懽々々とは憂て告くる無きなりと。後人は用ひて歡喜の字となす。音通を得るなり。
           
           
2034 228 おそる         恐なり。心をもととし瞿を音とす。(形聲)は警戒の眼なり。音は瞿と同し古文は(會意形聲)字亦懼に作る。禮記に喜怒哀懼愛惡欲と。又驚と訓ず𥉁の代用。
           
           
2035 228 𢥘 ケイ ふたごころ         二心有るなり。心をもととしを音とす。(形聲)梵語に民の精爽に𢥘して貳ならざる者と是れなり
           
           
2036 228 𢥠 シヨウ           に同じ。上の悚を見よ。
           
           
2037 228 シヨウ きおち おそる       氣を失ふなり。心をもととし聶を音とす。(形聲)義慴と近し。字亦惵に作る。曲禮に志懾せず。注に猶ほ怯惑のごとし。一に曰く心服なりとはの代用。然も疑らくは懾は元同字。心服は轉義なるべし。
           
           
2038 228 よし うるわし やすし ああ   嫥(モツパラ)に久くして而して美なり。(變はらぬ美しさ)壹(モツパラ)をもととし。恣の省きを音とす。(形聲)今は恣を省かず。詩經に是懿コを好む。傳に美なり。左傳に忠肅恭懿。朱駿聲云く字亦褘に作ると。爾雅に褘は美なり。以て抑の代用をなす。楚語に是に於て乎懿戒を作る。卽ち抑々威儀の詩なり。又詩經に懿(アア)厥の哲婦と。歎する聲なりと。
           
           
2039 228 レン こい         孌に同じ。女部を見よ。
           
           
2040 228 ザン つつしむ はずる       敬なり。心をもととし難を音とす。(形聲)爾雅に戁は懼なり。動なり。詩經に戁れず。竦れず。傳に恐なり。又小爾雅に面慙を戁と曰ふとは赧の代用なりと。
ダン          
           
2041 228 トウ おろか         愚なり。心をもととし_を音とす。(形聲)荀子に狂惑戇陋の人と。或は云ふ字を亦憨に作ると。
           
           
2042 228           懼に同じ。上を見よ。
           
           
2043 229 ほこ         平頭の𢧢なり。(象形)古文にて其形を知るべし。詩經に干戈威揚。曲禮に戈を進むる者は其鐏(イシヅキ)を前にし。其刃を後にす。説文に弋の系となす誤る。
           
           
2044 229 しげる つちのえ       月令の鄭注に戊の言(イヒ)は茂なり。萬物皆枝葉茂盛なり。然り戊は實は茂の原字なり。(象形)木をもととす。後に又艸を加へて茂に作るなり説文の解釋は五行説に泥して牽強傳會す。今取らず。又後人は戊を五行の中宮(央)に配當して。土の兄(ツチノエ)と呼びなす。〇説文に中宮なり。六甲五龍の相拘絞するに象る。六甲とは漢書に日に六甲あり。五龍は五行と。字形と合はず。
           
           
2045 229 エツ まさかり         大斧なり。戈をもととし𠄌(ケツ)を音とすとは誤り。是れ(象形)なり。司馬法に夏は玄戉(クロカネ)。殷は白戚(シロカネ)。周は黄戉(コガネ)を執ると。
           
           
2046 229 ジユツ なる つきる いぬ     烕(メツ)(火の減)なり。(功の終りなり)九月に陽氣が微となり。萬物(艸木)畢く成る。陽は下つて地に入るなり。(故に烕の字は戌火で會意)五行は土は戊に生じ戌に盛なり。戌は戊一の(會意形聲)一は亦音とすと。此も五行説にて深く信ぜられぬ。疑を存す。段氏云く。史記律書に戌とは萬物盡く滅す。九月は卦に於て剥と爲す。五陰方に盛なり。一陽將に盡んとす。陽下つて地に入る。故に其字は土中に一を含むに從ふと。然れども字は戊卽ち茂をもととす。又後人犬に配當するは字の音義と關せず。
           
           
2047 229 𢦏 サイ きずつく         傷なり。戈をもととし才を音とす。(形聲)𢦏を音とする字は多し。
           
           
2048 229 ジユ まもる         邊を守るなり。人の戈を持つにて(會意)按ずるに伐は人が戈を荷ひ持つ。故に_に作る。戍は戈を立てて下に人が居る。故にに作る。
           
           
2049 229 ジユウ つわもの えびす       兵なり。戈甲(ヨロヒ)にて(會意)禮記に以て五戎を習ふ。注に五兵を謂ふ。弓矢殳矛戈𢧢なり。轉義は詩經に元戎十乘と。兵車なり。兵車には五戎を載す。禮記に西方に戎と曰ふ。白虎通に戎とは強惡なり。卽ち能く戎兵を用ふるの夷なり。又詩經に茲(コノ)戎功を念ふ。爾雅に戎は大なりとは崇の代用なりと。又爾雅に戎叔之を荏叔と謂ふ。詩の箋に大豆なり。字亦に作る。字音を借るのみ。
           
           
2050 230 成󠄃 セイ なる さかん       就(ナル)なり成就するなり。戉(古の茂の字)をもととし。丁を音とするも。丁は壮丁充實の義なり。(形聲會意)呂覽に松柏成る。注に茂なりと。本義なり。轉義は周語に成はコの終りなり。周禮に事の成るに及ぶ。注に畢るなり。又の注に平なり。定なり。詩經に儀既に成る。箋に猶ほ備のごとしと。字亦晠に作る。又左傳に成を陳に請ふ。注に平なりと。平の代用なり。或云ふ訂。定の代用と。又マコトと訓ず。誠の代用。
           
           
2051 230 われ         身に施して自ら謂ふなり。(ワレなり)戈をもととし_を音とす。(形聲)_は古文に依れは古文の𠂹(スヰ)の字。スイ。ダ。ガと轉ず。戈は兵なり。兵を以て己の身を護る。自ら威儀を爲すなり。故に義の字は我を美にするなり。爾雅に𠨐。吾。台。予。朕。身。甫。余。言は我なり。我以外の八字は代用字。言に出づる時に多少の音の輕重あり。故に代用字を必要とす。段氏云く一の我の義にして語音の輕重緩急。同じからず。之を文に施せば。其口より出るが若しと。
           
           
2052 230 カイ いましむ         警なり。警戒なり。(キヨウ)(廾)卽ち兩手を揚げて戈を持つ。以て不虞を戒むるなり。(會意)詩經に豈に日に戒めざらんや。箋に軍事を警敕するなりと。轉義は易に齊戒(モノイミ)或は云く此義は悈の代用。心に警敕するなり。又儀禮に主人賓に戒す。誡の代用と。
           
           
2053 230 ワク あるいは         古の國の字なり。囗の部の國を見よ。但しアルヒハの義は有の字の代用と。古音は轉通するなり。
           
           
2054 230 シヨウ そこなう ころす       槍(ヤリ)なり。戈をもととし爿を音とす。(形聲)轉義は小爾雅に戕は殘(ソコナフ)なり。孟子に𣏌柳を戕賊すと。又説文に他國の臣が來つて君を殺すを戕と曰ふ。轉々義をなす。
ソウ          
           
2055 230 セキ まさかり みより ちかし したしむ ちぢむ 戉(エツ)(マサカリ。鉞の本字)なり。專ら樂舞に用ふる者なり。戉をもととし。尗(シク)(菽の本字)を音とす。(形聲)シユク。セキ一音の轉なり。又詩經に戚々たる兄弟。傳に内相親むなり。卽ち親戚とは族實は屬の代用。又論語に小人は戚々たり。後漢書の注は憂なりと訓ず。の代用なり。又書經に以て我が先王に戚すべからず。傳に近なりとは字亦に作る。廣雅には近なり。促の代用なりと。又詩經に戚施。傳に仰く能はざる者と。韓詩章句に・蜍なり𪓰の代用なり。
  うれう        
           
2056 231 𢧀 カン たて         盾なり。戈をもととし旱を音とす。(形聲)經傳の干戈の干の本字。干は代字なり。朱駿聲云く。司禮五盾。注に干櫓の屬。按ずるに小なる者を𢧀と曰ひ。中なる者を𢧕と曰ひ。大なる者を櫓と曰ふ。總て名けて盾と曰ふと。
           
           
2057 231 カツ ほこ         𢧢なり。戈𦣻の(會意)按ずるに𦣻は首なり。𢧢の頭を戛といひ。柄を施して𢧢といふべし。又書經に戛擊鳴球。馬鄭注に櫟(コスル)なり。の代用と。又楷稭と通ず。
キヨク          
           
2058 231 しるす しるし あかつち     説文に闕なり。戈と音に從ふ。闕とは分からぬとなり。按ずるに戠は_を本字とす。識樴の古文なり。弋は地界の標識なり。言を弋(印(シル)し)するは職を微を記するなりと訓ず是れなり。言音同意。弋戈通用。𠯅或の如し。然らば言を記する戠と曰ふ。後人又言を加へて識に作る。言音意複す。又樴に作る弋木意複す。禹貢に厥(ソノ)土は赤戠墳とは埴又は熾の代用。又易に豫の虞本に朋ひ戠る。注に聚會なりは値の代用なり。
シヨク          
           
2059 231 シユウ おさむ あつむ       兵を藏するなり。戈をもととし咠を音とす。(形聲)詩經に干戈を戢む。小爾雅に戢は斂なり。又詩經に戢(アツ)めず。の代用なり。
           
           
2060 231 カン           勘の本字なり。力部を見よ。
           
           
2061 231 𢧢 ゲキ みつまたほこ       枝有るの兵なり。戈をもととし榦の省きとにて(會意)_周禮に𢧢の長さ丈六尺と。考工記に𢧢の廣さは寸有半。注に三鋒の𢧢なり。
           
           
2062 231 𢧵 セツ たちきる おさむ       斷なり。戈をもととし雀を音とす。(形聲)ジヤク。セツ古音は轉通す。詩經に海外𢧵たる有り。箋に整費齊なり。又𢧵たる彼の淮浦。傳に治なり。俗に截に作る非なり。
           
           
2063 231 リク つみす ころす あわす     殺すなり。戈又は攴をもととし翏を音とす。(形聲)リヤウ。リク轉音なり。攴は殺の意とす。或は又𪯖勠を同字とす。而して勠𪯖通す。晉語に其死者を戮す。注に尸を陳するを戮となす。廣雅に戮は辱なりと。又晉語に力を戮せ心を一にすとは勠の代用なり。勠𪯖は互に通ずべし。
           
           
2064 231 𢨋 ホツ           誖悖に同じ。言部を見よ。
           
           
2065 231 𢒰 イク あやまり         文章有るなり。有をもととし𡿿を音とす。(形聲)經傳は郁を以て代用す。論語に郁々乎として文なる哉。皇疏に文章明著と是れなり。
           
           
2066 232 セン たたかう いくさ おののく     鬥(タタカフ)なり。戈をもととし。單を音とす。(形聲)タン。セン一音の轉なり。公羊傳に。春秋に敵する者を戰と言ふ。轉義は爾雅に戰慄は懼なり。詩經に戰々兢々。傳に恐るるなりと。或は云く此の義は顫の代用。頭のフルヘルなり通俗文に寒動なり。
           
           
2067 232 はたもと たわむる       三軍の偏なり。一に曰く兵なり。戈をもととしを音とす。(形聲)此字の本義は未だ詳かならず。漢書に兵戲下に罷(トドマ)る正義に大旗なり。又一本説文に一に曰く相弄ぶなり。書經に惟れ王淫戲用て自ら絶す。謔の代用なりと。ギ。キヤク音通す。又今游戲。喜戲の字を用ふ。娭を本字とす。又晉語に力あり請ふ之と戲せん。注に角力なりとは豦の代用。又風俗通に戲は獻なり法なりとは義の代用と。
           
           
2068 232 戴󠄂 タイ いただく         物を分ちて暾uするを戴と曰ふ。異なれば別になる。分かるるなり。而して又此を暾uす。故に戴くの義となる。轉義は漢書に髪を垂れ白を戴く。注に父老なり。爾雅に土(山)の石を戴くと。
           
           
2069 232         半門を戸と爲す。門の字の省きで(象形)戸ありて門(カド)口を守護するなり。故に戸を護と訓ず。易に其戸を窺ふ。轉義は又易に其邑三百戸と。戸口なり。
           
           
2070 232 ヤク せまくるし こまる       隘なり。戸をもととし乙を音とす。(形聲)イツ。ヤク古音轉通なり。戹は困厄の厄の本字なり。厄戹音通ぜす。傳寫の誤りなり。
           
           
2071 232 レイ もとる         曲るなり。犬の戸下より出るの(會意)犬の牀下より無理に出るの狀なり。其體は戾曲するなり轉義は字林に戾は乖背なり。廣雅に戾は很なり。怒なり。荀子に勇膽猛戾。注に忿惡なり。爾雅に戾は罪なりと轉々して義を生ず。又爾雅に戾は至るなり。待つなり止まるなりとはの代用。詩經に翰飛して天に戾ると。又大學に一人暴戾。注に利なり。利の代用。又廣雅に戾は善なりとはョの代用。又禮記の風戾はの代用。又淮南子に擊戾。注に破なりとは裂の代用。晉語に果戾。注に帥なりは獅フ代用なり。
           
           
2072 232 房󠄃 ボウ へや ふさ       室の旁(カタハラ)に在るなり。戸をもととし方を音とす。(形聲)凡そ堂の内。中を室となし。左右を東房西房となす。轉義は女房となり。又花果の多く連なるを房といひ。又蜂巢を房といふ。
           
           
2073 233 所󠄃 きをきるこえ ところ       伐木の聲なり。斤をもととし戸を音とす(形聲)詩經に木を伐(キ)る所々(ココ)。連言して其聲を出すなり。又論語に其所(トコロ)に居るとは處の伐用。行在所も同じ。又事を指すの詞となす。論語に予か否(スマ)じき所の如き是れなりと。
シヨ          
           
2074 233 扁󠄃 ヘン こせきぼ かけふだ       署なり。戸冊の(會意)戸冊とは門戸に署するなり。鶡冠子に五家を伍と爲し。十五を扁となす。然れば戸籍簿なり。亦以て門札の義となす。今人の扁題。扁額。亦此轉義なり。又書の大傳に湯扁々たる者枯なり。の代用。又荀子に扁善の度と辨の代用。又莊子に虎須を扁す。編の代用。又漢書に迺ち扁舟に乘ず。注に特舟とは偏の代用。又字音を借りて義をなす。詩經に扁たる斯石あり。
           
           
2075 233 ケイ とざし         外閉の關なり。戸をもととし冋を音とす。(形聲)曲禮に門に入つて扃を奉ず。莊子に扃鐍を固む。左傳に扃を脱す。注に車前の横木。又左傳に我心扃々。注に明察なりとは炯の代用。
           
           
2076 233 扇󠄃 セン とびら おうぎ あおぐ     扉なり。戸窒フ(會意)戸の窒フ如くに動くなり。轉義は方言に箑は關西に之を扇と謂ふ。卽ち翣なり。又蜀都賦に高爓天垂に飛煽(アフル)すと。字亦煽に作る。煽動の字となす。
           
           
2077 233 扈󠄃 ちのな したがう       扈谷は古の地名なり。邑をもととし戸を音とす。(形聲)又封氏聞見記に百官駕に從ふ。之を扈從と謂ふとは護の代用なり。此義多く行はる。又公羊傳に厮役扈養。廣雅に扈は使なり。價の代用と。
           
           
2078 233 扉󠄆 とびら         戸扇なり戸をもととし非を音とす。(形聲)戸扇を開けば左右に非違す。會意あるべし。
           
           
2079 233 シユ         拳なり。(象形)左手の形なり。或右手にて作る指を卷けば拳。舒ぶれば手なり。統言すれば分たず。又手の裏は掌なり。手の字は指手腕擘の形にて作る。説文は古文寫誤なり。
           
           
2080 233 サイ はじめ もと しばし わずか   艸木の初なり。h(シン)(進)の上つて一(地)を貫き。將に枝葉を生ぜんとするなりと。卽ち・を以て意となす(象形)亦指事に近し。中庸に天の物を生ずる其材(才の代用)に因て而して篤し。注に其性質を謂ふ。論語に吾が才を竭す。注に才力なり。後漢書に三才理通す。注に天地人なり。朱駿聲云く。凡そ才能の字は材に作るべく。才質の字は才に作るべし。又轉じて僅暫(シバシ)の義となす。
           
           
2081 234 ボク うつ         攴の俗字。攴は部首なり。
           
           
2082 234 うつ         撞(ツク)なり。木をもととし丁を音とす。(形聲)丁の音はチヨンなり。後打に作る。手の仕事なればなり。廣雅に打は擊なり。掊なり。今ダアスの語は字音に出づべし。字亦に作る。
テイ          
           
2083 234 コウ さしにない あげる       關を横たへて對擧するなり。(形聲)項窒ヘ力能く鼎を扛く。轉義なり。
           
           
2084 234           拕に同じ。下を見よ。
           
           
2085 234 カン さかう まもる とどむ     忮(サカフ)なり。(一説に枝なり。枝は榰(ササエル)の代用と)手をもととし干を音とす。(形聲)字亦捍に作る。左傳に親ら帥ひて之を扞る。注に衛るなり。干城とは扞の代用。又禮記に扞格は止なり。𢽎の代用。又家語に扞馬。注に突馬なり駻の代用。又大荒南經に人有り方に弓を扞き黄蛇を射ると。援の代用なり。
           
           
2086 234 扚󠄂 チヨウ つよくうつ くむ       疾擊なり。手をもととし勺を音とす。(形聲)今人は勺取の義となす。勺の代用のみ。
           
           
2087 234 扝󠄀 さしず         𪎮(麾の本字)なり。手をもととしを音とす。(形聲)の古文は于に作る。方言に扞は揚なり。手を揚けて大マカに指圖するなり。に大義あり。
           
           
2088 234 さしず         上に同じ。
           
           
2089 234 タク ひらく         古此字なし。集韻は托を拓の異體となすも。其義は開㢉の㢉となす。然れば托は寧ろ㢉の俗字と見るべし。今人は用ひて委託の字となす。
           
           
2090 234 コウ ひかえる たたく       馬を牽するなり。手をもととし口を音とす。(形聲)史記の伯夷傳に馬を扣へて而して諫むと。又荀子に之を扣(タタ)くとはの代用。後人控引(ヒキヒク)の義の控と混ずるは非なり。
           
           
2091 234 コツ うごく         動くなり。手をもととし兀を音とす。(形聲)詩經に天の我を扤かす。葢しゴツゴツ搖動せしむるなり。又連言して義をなすものは字亦に作る。易に𡰈に困す。亦倪に作り。書經秦誓に杌隉に作ると。
           
           
2092 234 扠󠄂 さして さて       叉の俗字なり。又(テ)(手)に従つて又(マタ)も手に從ふは又手重複となる。サテはサシ入る手の略言なり。
           
           
2093 235 ソウ おさむ あつかう すくう     收むるなり。手をもととし及を音とす。(形聲)禮記に箕を以て自らク(ムカ)へて之を扱(スク)ふと。又儀禮に拜して地に扱(イタ)る。注に手の地に至るなり。及の代用。又柶を醴中に扱す。插の代用なりと。
キユウ          
           
2094 235 カイ がらがらこする からからなる   𠜜(カツ)(ケヅル)なり。手をもととし介を音とす。(形聲)易に石に介す。馬注には小石に觸るる聲。鄭本は砎に作り。注に磨砎を謂ふなり。字林に砎は堅なり。
カツ          
           
2095 235 たすく くわ       左(タスク)(佐)なり。手又は攴をもととし夫を音とす。(形聲)宋策に梁を扶く。注に助なりと。又山海經に扶桑とは枎の代用。又禮記に扶服は匍匐の代用。又莊子の扶搖は飆の字の音を二字にて呼ひなすものなり。
           
           
2096 235 うつ         手を反へして擊つなり。手をもととし𣬉を音とす(形聲)𣬉は比を音とす故に亦批に作る。左傳に批して之を殺す。今批準の字となす。唐書に給事中(官名)遷して制敕す。不便なるものあれば黄書(キガキ)にして後に之を批す。示すなりと。此の轉義にして卽ち比の代用なり。批評。亦比較も是れなり。又琵琶の字。古は𢱧𢃳に作る。向ふへ𢱧と。手前へ𢃳と彈くなりと。又推すと訓ず排の代用。
           
           
2097 235 ヤク           の俗字。下を見よ。
           
           
2098 235 シヨウ うける たすく       奉(ササ)げるなり。受くるなり。彼方より奉げ此方より受るの義。授受なり。手卩(セツ)(節)(キヨウ)の(會意)然もは兩手なり。古文は手に從はず。篆文は手重複す。要するに或(アル)符節を承ける義なり。詩經に筐を承(ササ)げて之(コレ)將(オコナ)ふ。箋に奉なり。禮記に駕を承けず。注に受なり。承の字の義を味ふべし。轉義は詩の傳に繼なり。儀禮の注に傳なり。又儀禮に承擯(カイゾヘ)とは丞(タスク)の代用なり。
           
           
2099 235           於の俗字。烏なり。火部を見よ。
           
           
2100 235 てわざ         巧(タクミ)なり。手巧なり。手をもととし支を音とす。(形聲)支は支干の支。卽ち枝字なるべし。人のコ行は大榦なり。技藝は枝葉なり。老子に人に技巧多し。注に工匠の巧なり。
           
           
2101 235 抃󠄂 ベン てをうつ はやし       手を拊つなり。(今の拍手)手をもととし弁を音とす。(形聲)弁はに同し。俗に抃に作る。呂覽に乃ち人をして抃せしむ。注に兩手相擊つを抃と曰ふ。又荀子に抃急に悍を禁す。𨠢の代用。𨠢は疾熟。
           
           
2102 235 ケツ くじく わかつ うがつ くじる   挑なり。段氏云く。入る所有つて以て之を出すと。手をもととし夬を音とするも。夬は分決なり。(形聲會意)荀子に人の口を抉す。史記に伍子胥曰く。吾眼を抉る。又周禮に抉拾は弦を縦つ。夬の代用なり。
           
           
2103 236 ひとにぎり とる       握なり。手をもととし巴を音とす。(形聲)孟子に拱把の桐梓。注に拱は兩手を合はす。把で一手を以て之を把ぎるなりと。
           
           
2104 236 シヨウ           鈔の俗字。金部を見よ。
           
           
2105 236 シヨウ のぼす ひきあぐ たすく     上擧なり。手をもととし升又登を音とす。(形聲)一本に溺を出すを抍と爲すと。字亦拯に作る。方言に抍は拔なり。淮南子に子路溺をす。廣雅に抍は收なり。轉義なり。
           
           
2106 236 ガン           刓の俗字。刀部を見よ。
           
           
2107 236 コウ           拘の俗字。下を見よ。
           
           
2108 236 抆󠄁 ビン           の俗字。下を見よ。
           
           
2109 236 ソウ           爪に同じ。爪は部首字。
           
           
2110 236 ヨク いんをおす おさえる そもそも     按(オサヘル)なり。反印を以て字形をなす。(假借)印は押すべきの物なり。之を用ひて印を押すを抑となす。故に印の字を反(ウラカヘ)して字の義をなす。後に手を加へたり。内則に敬んて之を抑搔(モミカク)す。本義に近し。轉義は廣雅に抑は治なり。孟子に禹洪水を抑へて天下平かなり。魯語に叔魚邢矦を抑す。注に枉なり。又重言して義をなす。詩經に威儀抑々たり。傳に美なり。又詩經に抑も此皇父。中庸に抑も而(ナンジ)の強かとは字音を借りて語詞となすなり。
           
           
2111 236 トウ なげる すてる       擿(ナゲウツ)なり。手をもととし殳を音とす。(形聲)詩經に我に投ずるに木瓜を以てす。禮記に犬に骨を投け與ふる無れ。轉義は呂覽に足を投じて以て八闋を歌ふ。
           
           
2112 236 セツ おる わかつ さだむ     斷なり。斤(テヲノ)にて艸を斷つなり。_の形は其意なり。(會意)手に從ふは其事を行ふの意か。或は_が_と誤りには非ざるか。籀文は(冰)の中に在るに從ふと。寒氣で艸が冰つて折れるの意なり。詩經に我樹𣏌を折る無れと。本義に近し。轉義は西周策に周は必ず折れて韓に入ん。注に屈なり。禮記に折還矩に中る注に曲行方に宜し。又禮記に萬物の死を折と曰ふ。易に獄を折(サダ)む。漢書に折中と。又家語に忠士口を折(フサ)ぐとは窒の代用なり。
           
           
2113 236 コウ ふせぐ あたる たかし     扞(フセグ)なり。手又は木をもととし亢を音とす。(形聲)小爾雅に抗は禦ぐなり。轉義は荀子に君の命に抗す。注に拒(コバム)なり。晉語に未だ楚の惠に報ぜずして而して宋に抗す。注に救ふなり。方言に抗は懸なり。廣雅に抗は擧なり。張なり。又淮南の注に抗は高なり。長笛賦の注に抗は極なり。亢の代用。後漢書の注に抗は敵なり。伉の代用。又詩經に一葦之を杭すと。𣃚の代用。
           
           
2114 237 ホウ なげうつ         古此字なし。廣雅に抛は擊なり。玉篇に抛は擲なり。鈕樹玉云く。抛は枹の俗字。葢し勹と力と。巳と九と。形似て譌するなりと。ウツとは摽(ウツ)の代用なり。
           
           
2115 237 ジヨ くみとる のぞく       挹むなり。手をもととし予を音とす。(形聲)通俗文に汲み出すを之を抒と謂ふ。蒼頡篇に抒は取るなり除くなり。楚辭に憤を發し以て情を抒む。漢書に一に愚意を抒す。又の注に抒は舒なり。
           
           
2116 237 ひねりもつ おおう しく     捫持なり手をもととし布を音とす。(形聲)漢書に塵埃覆。注に布散なり。溥の代用。廣雅には布なり。敷の代用。之を𢾭舒するを謂ふと。又廣雅には擊なり。搏の代用。
           
           
2117 237 わきからもつ ひらく     旁(ハタハラ)より持つを披と曰ふ。手をもととし皮を音とす。(形聲)此字專ら艪フ代用にて行はる。左傳に又其邑を披(ワカ)つ。注に析くなり。廣雅に披は張なり。方言に披は散なり。又連語にて義をなすものは。史記に漢の軍皆披靡すと又重言なるものは楚辭に披々。解亂の貌。
           
           
2118 237 テイ こばむ おす あてる     擠(オシノケル)なり。排して相歫(コバ)むなり。手をもととし氐を音とす。(形聲)又廣雅に抵は觸なり。漢書に角抵の戲とは牴の代用。又周禮の注に抵は本なり柢の代用。又小爾雅に抵は當なり榰(サザヘル)の代用なりと。
           
           
2119 237 エイ ひく かじ       なり。(は臥し引くなり。)手をもととし世を音とす。(形聲)は曳と音義近し。故にの俗字を拽に作る。朱駿聲云く字亦竄ノ作る楚辭に桂の櫂蘭兮の竅B注に船旁の板なり。史記の集解に竄ヘ楫なり。按ずるに舟之をいて而して後に行くと。此説或は可に似たり。掉棹同字の例の如し。然も按ずるに枼竄同字とす。竄熬ハ用すべし。
           
           
2120 237 チユウ つつかい         柱の俗字なり。木部を見よ。
           
           
2121 237 マツ ぬりけす         古は末を以て之と爲す。漢書に災異を末殺せんと欲す。師古注に末殺は埽滅なり。玉篇に抹殺に作る。其實説文に泧は拭滅の貌と。此を末殺の本字となす。
           
           
2122 237 コウ おさえる         柙の俗字なり。木部を見よ。
           
           
2123 237 タク         柝卽ち𣔳の俗字なり木部を見よ。
セキ          
           
2124 237 拒󠄃 キヨ こばむ         歫の俗字。止部を見よ。
           
           
2125 237 チユウ ひきぬく くりだす       引くなり。手をもととし。留由秀を音とす。(形聲)_は元と畱に作る今改む。轉義は太玄に抽けざるの緒を抽く。又詩經に其棘を抽く。傳に除くなり。廣雅に抽は拔なり。𢭆は縮なり。縮は(ツヨビキ)なるべしと。
           
           
2126 238 タン ほしいまま はらう うつ になう   擅の俗字なり。楚時に意恣雎以て担撟と。説文に撟の下に一に曰く擅なりと相合す。又廣雅に担は擊なり。玉篇に担は拂なりとは笪の代用。又集韻に担掲通す。擧なりと。又今人は負擔の擔となす。
           
           
2127 238 アク ひつつかむ とりひしぐ       把なり。手をもととし鬲又は戹を音とす。(形聲)ゲキ。ヤク古音通す。又扼に作るは五經文字に見ゆるも。戹を厄に作ると々誤形なり。廣雅には持なり。は取るなり。儀禮の大。注に手に盈るをと曰ふと。漢書に力虎を扼すと。固より後人の寫誤なり。扼は楷書より出づ原本は扼なり。
ヤク          
           
2128 238 ハク           𢫦に同じ。下を見よ。
           
           
2129 238 ボウ おやゆび         將(オヤ)指なり手をもととし母を音とす。(形聲)字亦𧿹に作り。易の子夏傳に見ゆ。亦に作る。楚辭に穆王巧と。注に貪なり。謀の代用。
           
           
2130 238 ネン ひねる         𢬴なり。(𢬴(テフ)は拈なり指を以て物を取る)手をもととし占を音とす。(形聲)釋名に拈は黏なり。兩指に之を翕(アハ)せ。黏著して放れざるなりと。列子に女何そ蚩て而して予を拈す。注に指にて物を取るなり。
           
           
2131 238 ロウ くじく いざなう       推(クダ)くなり(摧くなり)手をもととし立を音とす。(形聲)リフ。ラフ一轉音なり。公羊傳に幹を拉して而して之を殺す。注に折る聲なりと。ボツキと音して折るなり。又正韻に拉は招くなり。諺に言ふ人を邀へて同く行くを拉と曰ふと。後出の別義なり。〇は摺なり一に曰く拉なり亦に作る。摺は敗るなり。此字皆拉と義は同じと。
           
           
2132 238 ハン           判の俗字。刀部を見よ。
           
           
2133 238 なでる さする うつ はやし もとむ なり(は摩なり)手をもととし付を音とす。(形聲)荀子に之を拊す。注に撫と同じと。漢書に主其背を拊して曰く往けと。轉義は左傳に公楹を拊つて而して歌ふ。書經に石を擊ち石を拊つと。又史記に捶拊を執て以て天下を鞭笞す。又釋名に弓の中央を弣と曰ふ。弣は撫なり。人の撫持する所と字亦弣に作る。又方言に拊は疾なりと。の代用。又求むと付の代用。
           
           
2134 238 キヨ           去の俗字。厶部を見よ。
           
           
2135 238 ひきよせる ひつつかむ       牽引なり。手をもととし奴を音とす。(形聲)蒼頡篇に拏は捽なり引なり。西京賦に熊虎升つて而して拏攫す。注に相搏するなりと。一義の轉なり。又後世拿捕の字を用ゆ。拏の俗字なりと。
         
           
2136 239 カン はさむ しめる       脅持(ワキハサミモツ)なり。手をもととし甘を音とす。(形聲)手を以てするは拑。竹(ハサミ)を以てするは拑。鐵鉆を以てするは鉗なり。漢書に口を拑す。注に猶ほ緘のごとしと。
           
           
2137 239 タク ひろう ひらく       拾ふなり手をもととし。石庶を音とす。(形聲)セキ。タク。シヤク轉音通ず。漢書に離騷の文を拾ふて而して之に反す。又列子に國門の關を拓す。注に擧なり。又小爾雅に拓は開なりはの代用。は屋を開張するなり。轉じて土地開拓の義となす。又廣雅に大なり。碩の代用。
シヤク          
           
2138 239 バツ ぬく         擢なり。手をもととし犮を音とす。(形聲)易に確乎として拔く可からず。注に移すなり。轉義は蒼頡篇に拔は引なり。爾雅に盡なり。廣雅に出なり除なり。漢書の注に拔とは城邑を破つて而して之を取る。樹木を拔いて并せて其根を得るが如きなり。
           
           
2139 239 ひく かじ       曳くなり。手をもととし它を音とす。(形聲)它也は同字。故に亦扡に作る。論語に朝服を加へ紳を扡く。皇疏に猶ほ牽のごとしと。今本は拖に作る俗字なり。轉義は釋名の釋船に其尾を柁と曰ふ。柁は拕の異體にて。後ろに在り拕曳するなり。木に從ふは掉を棹に作ると同例なり。或は云ふ。柁は杝の本字にて拕と通用なりと。
           
           
2140 239 とどめる とらえる かがまる     止むるなり。手をもととし句を音とす。(形聲會意)手にて句止するなり。轉義は書經に執拘は捕縛なり。後漢書の注に拘攣る猶ほ拘束のごとし。又淮南子に不肖なる者は拘す。注に猶ほ撿のごとし。後漢書の注に拘は猶ほ限のごとし。廣雅に拘は隔なり。轉々義を生ず。
コウ          
           
2141 239 セツ つたなし         巧ならざるなり。手をもととし出を音とするも。出は或はの省きで詘曲の意とす。(形聲會意)詰詘曲折すれば巧美なり能はざるなり。
           
           
2142 239 シヨウ まねく きたす       手呼(マネク)なり。手をもととし召を音とするも(形聲會意)口には召といひ。手には招くといふ。轉義は廣雅に來すなり。楚辭に招指。注に指麾なり。又呂覽に招の機。注に至るなりと。到の代用。又周語に好んて言を盡して以て人の過を招く。注に擧くるなりとは昭の代用なりと。
           
           
2143 239 抱󠄃 ホウ ひきとる いだく つつむ     引き取るなり。手をもととし孚又は包を音とす。(形聲)易に君子は以て多きを捊きて寡をuす。注に取るなり。禮記の疏に手を以て捊聚す。書經に厥(ソノ)婦女を保抱攜持。又老子に一を抱いて天子の式と爲す。注に守るなり。呂覽に周公旦少王を抱して之を成す。注に奉なり。或は云く此等は皆(イダク)の代用と。又方言に伏雞を抱と曰ふ孚の代用。
           
           
2144 240 ハイ おがむ         首を下げて手に至るなり。手𠦪(コツ)の(會意)𠦪は進むなり。人に遲れぬやう急ぎ出でて禮拜す敬意を至すなり。楊雄説は兩手と丁(古文の下)にて會意す。拜に作る是れなり。周禮に九拜あり。手の容は一ならず。然も手を用ひざるなし。故に字は手をもととす。書經に拜手。稽首。傳に拜手は首手に至ると。荀子に平衡を拜と曰ふ。又詩經に剪る勿れ拜る勿れとは拔の代用。二字の音古は通ずるなり。
           
           
2145 240 フツ はらう のごう もとる     過き擊つなり。手をもととし弗を音とす。(形聲)轉義は廣雅に拂は去るなり。除なり。儀禮に弓を拂ふ。注に塵を去ると。楚辭に長袂面拂ふ。注に拭なり。又大學に人の性に拂(モト)るとは弗の代用。又廣雅に拂は輔なりとは弼の代用。又離騷に若木を折つて以て日を拂(オホ)ふ茀の代用。
           
           
2146 240           拕に同じ。上を見よ。
           
           
2147 240 ベン           抃の本字。上を見よ。
           
           
2148 240           拏の俗字。上を見よ。
           
           
2149 240 𢫦 ハク うつ         拊(ウツ)なり。(拊はなり。は摩なり。拊を拍と訓ず轉義なり)手をもととし百を音とす。(形聲)字亦拍に作る。廣雅に拍は擊なり。又今人柏車を拍車に作る。形近して誤るなり。
           
           
2150 240 カツ くくる つかす かみゆう いたる のり 求iククリ)なり。手をもととし𠯑を音とす。(形聲)字亦𢶒に作る。廣雅に𢶒は收なり。易に嚢を括る。注に結なり。韓詩章句に括は約束なり。又禮記に髪を括す。髺の代用。又方言に括は閉なり。廣雅に塞くなり。𠯑の代用。又至るなり。詩經にコ音來り括す。傳に會なりとは皆佸の代用。又廣雅に括は灋(法)なり。所謂る𨽌括は栝の代用。又易に動いて括せす。注に作なり。の代用。
           
           
2151 240 セン うつる         遷に同じ。辵部を見よ。
           
           
2152 240 ケツ はたらく         手と口と共に作(ウゴ)く所あるなり。手をもととし吉を音とす。(形聲)左右の義の如し。又詩經に予が手拮据。傳に挶なり。挶は卽ち丮 の代用と。_(丮(ゲキ))は持つなり。象形。_((キヨク))も亦た持つなり。丮の反形。
           
           
2153 240 シヨウ           抍の異體と。然も按ずるに丞の俗字。丞はに作る。拯に作れば手重複す。_(承)_(奉)の例なり。丞抍は通ず。
           
           
2154 240 シヨク のごう         飾に同じ巾部を見よ。
           
           
2155 240 ソン ふさぐ こしらえる       柴木を以て壅ぐなり。木をもととし存を音とす。(形聲)今本左傳に之を拵するに棘を以てす。誤て手に作るなり。後人構成の義とす未だ詳かならず。
           
           
2156 241 キヨウ こまねく うやうやし       斂(オサメル)手なり手をもととし共を音とす。(形聲會意)論語に子路拱して而して立つ。皇疏に手を沓(カサ)ぬるなり。兩手を共に重ぬるなり。又左傳に爾が墓の木拱なり。注に手を合はすを拱と曰ふと。又爾雅に拱は執るなりと。兩手にて執るなり。轉々義を生ず。又固しと訓ず。鞏の代用。法なりと。鎔の代用。
           
           
2157 241 コウ かんがう         校に同じ。木部を見よ。
           
           
2158 241 ケン こぶし         手なり。之を張るを掌となし。之を卷くを拳となす。均しく是れ手なり。手をもととし𢍏(ケン)を音とす。(形聲)轉義は中庸に拳々服膺す。注に奉持の貌なり。
           
           
2159 241 サツ せまる         古此字なし。廣韻に逼拶。又埤蒼を引く搩なりと。韻會に相排迫なり。此等は皆後出字なり。今人挨拶の字となす。挨は擊つなり。挨拶はウチカヘスの義か。
           
           
2160 241 シユウ とる ひろう       掇(テツ)なり。(掇は拾ひ取るなり)手をもととし合を音とす。(形聲)カフ。シフ轉音なり。史記に俯して拾ふ。廣韻に收なり斂なり。又禮記の投壺に拾(カハリ)投を請ふ。注に更(カハ)るなりとはの代用。又曲禮に級を拾するに足を聚む。陟の代用。(轉音通す)又周禮の注に抉拾は弦を引く所以とはの代用。
           
           
2161 241 にぎりもつ もつ たすく     握なり。手をもととし寺を音とす(形聲)越語に盈を持す。詩の疏に執つて釋かざるを持と曰ふ。漢書に相丞の持する所。注に扶持佐助を謂ふ。荀子に以て相持養す。注に保養なり。
           
           
2162 241 かける かく       畫なり(一本は縣(カケル)なり)手をもととし圭を音とす。(形聲)字亦掛に作る。易に一を掛(カケ)て以て三に象る。畫き出すの意なり。亦懸け見はすなり。人に示す所以なり。儀禮の注に卦する所の者は地を畫する所以なり。故に卦にて會意す。儀禮に季指に挂(カ)く。莊子に變更し常を易へて功名を掛く。釋文に別つなり。楚辭に曲瓊を挂く。注に懸なり。又轉義は廣雅に挂は止なり。字亦罣罫に作る。今人は界畫の義となす。射雉の賦に剛罫を屬して以て潜擬す。阮孝緒字略に罣は納礙なり。
カイ          
           
2163 241 チツ いねかるこえ       禾を穫るの聲なり。手をもととし至を音とす。(形聲)詩經に之を穫る々。或は云く々重言して義をなす。義は音に存す。挃はと同字。廣雅に挃は刺すなり。_は刺すなり。手をもととし致を音とすると同じ。證すべしと。
           
           
2164 241 カク うつ たたかう       擊つなり。手をもととし各を音とす。(形聲)朱駿聲云く。字亦𢼛に作る。爾雅に𢼛は擊なり。凡そ格殺。格鬥の字。史書の格は代用字なりと。
           
           
2165 242 ゆび むね       手の指なり。手をもととし旨を音とす(形聲)大指を巨指。巨擘。次を食指。中指を將指。次を無名指。次を小指となす。食指は食味を嘗(ココロ)む。所謂る染指なり。轉義は離騷に九天指(サ)して正と爲す。爾雅に指は示すなり。指は斥なり。又孟子に願くは其指(ムネ)を聞んと恉の代用なり。又淮南子に趨舎指湊。注に之(ユ)く所なりとは底の代用と。
           
           
2166 242 ゴウ せむ         攷の俗字。攴部を見よ。
           
           
2167 242 ケイ ひつさぐ         縣(懸)持するなり手をもととしを音とす。(形聲)廣雅に挈は提なり。禮記に斑白は提挈せず。漢書に左提右挈に相扶持するなり。又漢書に挈令。注に獄訟の要とは契の代用。又龜を挈(キザ)むとは栔の代用なり。
           
           
2168 242 チヨウ いどむ ためる       撓なり。手をもととし兆を音とす。(形聲)段氏云く撓とは擾(ミダル)なり。擾とは煩なり。挑とは之を撥動するを謂ふ。左傳に戰を挑むと是れなり。又秦策に楚人に兩妻あり。人其長を挑(サソ)ふ。蒼頡篇に挑は招き呼ふなりとは誂の代用。
           
           
2169 242 アン おさえる さする かんがえる     手を下すなり。手をもととし安を音とす。(形聲會意)手にて物を抑へて安止するなり。管子に強を按へ弱を助く。文賦に之を思按して而して愈(イヨイヨ)深し。注に抑按なり。思按なり。考按なり。篤と抑へて考ふるなり。此義多く案(ツクエ)を借りて代用とす。又按摩といふ。本義に近しとす。
           
           
2170 242 キヨウ           の本字。下を見よ
           
           
2171 242 アイ せをうつ         背を擊つなり。手をもととし矣を音とす。(形聲)アイ。イ一轉音なり。方言に強進なりと別義なり。今人は挨拶の字となす。拶を見よ。
           
           
2172 242 ダツ とく はなる       解挩なり。手をもととし兌を音とす。(形聲會意)兌に解義あり。是れ離脱の本字なり。今脱行はれ挩は廢せり。
           
           
2173 242 𢭆 チユウ ぬく         抽に同じ。上を見よ。
           
           
2174 242 くじく         摧(クダク)なり。手をもととし坐を音とす(形聲)廣雅に挫は折なり。或は云く此義は剉の代用と。皆損傷するの謂ひなり。二字音同く義近し。轉義は漢書に久しく刀筆の前に挫す。注に屈折なり。
           
           
2175 242 テイ ぬきんず         拔なり。手をもととし廷を音とす。(形聲)又左傳に我心挺々たり。注に正直なりとは梃の代用。又禮記に重囚を挺す。注に寛なりと_の代用なり。_は緩なり。
           
           
2176 243 シン にぎわす ふるう       擧げて救ふなり。手をもととし辰を音とす。(形聲)禮記に乏絶を振(ニギ)はす。後人は賑を以て代用とす。賑は富なり義異る。而して振給。振貸は本義。又説文に曰く奮ふなり。周禮に振動とはの代用。又左傳に振旅とは整の代用。又爾雅に振古は塵(ヒサシ)の代用。セイ。シン古音轉通。
           
           
2177 243 ホウ ひきとる         抱に同じ。上を見よ
           
           
2178 243 ベツ さばく         別の俗字なり。サバクとは分別するの轉義なり。或は云くの俗字。八の代用と。は棓なり(カラサホ)
ハツ          
           
2179 243 ユウ くむ おさえる       抒むなり。手をもととし邑を音とす。(形聲)珠叢に凡そ器を以て水を斟酌するを之を挹と謂ふと。詩經に以て酒漿を挹む可らずと。又荀子に挹して而して之を損するの道なり。注に退なり。抑の代用。
           
           
2180 243 セン ながくひく おしのべる やわらか     長なり。手延の(會意形聲)延は亦音とす。轉義は字林に挻は柔なり。老子に埴を挻(コネ)て以て器を作る。又方言に埏は竟なり。字亦に埏作る。漢書音義に八埏は地の八際なりと。皆延長の謂ひなり。
           
           
2181 243 キヨウ わきばさむ         俾(タスケ)持なり手をもととし夾を音とす。(形聲)齊語に其槍刈耨鎛を挾す。注に掖に在るを挾と曰ふと。挾夾音同く義近し。莊子に奚そ日月に旁ふて宇宙を挾す。崔本は扶に作る葢し扶掖するなり。又詩經に四方に挾(アマネ)からず。傳に達なりとは帀(匝)の代用。爾雅に挾は藏なりとは夾の代用なり。
           
           
2182 243 バン ひく         輓の俗字。車部を見よ。
           
           
2183 243 サク にぎる ひつつめる       搤なり。(搤は捉なり持なり)手をもととし足を音とす。(形聲)ソク。サク一轉音なり。漢書に周公吐捉の勞。注に一飯に三び食を吐き一沐に三ひ髮を捉ると。
           
           
2184 243 ラツ とりかえる もつ       取り易へるなり。手をもととし寽を音とす。(形聲)詩經に薄(シバラ)言(ココ)に之を捋す。傳に取るなり。
           
           
2185 243           𠵦の俗字。口部を見よ。
           
           
2186 243 ソウ           插の俗字。下を見よ。
           
           
2187 243 キン           攈に同じ。下を見よ。
           
           
2188 243 カン           扞に同じ。上を見よ。
           
           
2189 243 カン           刓の俗字。刀部を見よ。
           
           
2190 243 とらえる         取るなり。手をもととし甫を音とす。(形聲)罪人を執へるなり。逋亡者を捕へるなり。轉義は莊子に鼠を捕へるは貍狌に如かず。周髀の算經に影を捕へて之を視る。注に猶ほ索のごとしと。
           
           
2191 244 エン すてる       棄なり。手をもととし肙を音とす。(形聲)轉義は漢書に國に捐瘠無し。注に骨の埋めざる者。孟康云く。民に飢へて相棄する者有るを謂ふと。又或は圓の代用をなす。爾雅に環之を捐と謂ふ。注に車に著くる衆環と是れなり。
ケン          
           
2192 244 はかどる         古此字なし。集韻に蒲故切。捗は收斂なり。今人は進行の義となす陟の字となすなるべし。上る進の一義の轉なるべし。
           
           
2193 244 キン ひつとらえる とりこ       急に衣衿を持するなり。手をもととし金禁を音とす。(形聲)轉義は三蒼に手に物を捉するなり。又轉して捦獲の義となし。禽を以て代用し。依て亦擒に作る。俗字なり。
           
           
2194 244 ワン           𢯲の俗字。下を見よ。
           
           
2195 244           撫の俗字。下を見よ。
           
           
2196 244 エン           剡の俗字。刀部を見よ。
           
           
2197 244 ホウ ささげる         奉なり。手をもととし夆を音とす。(形聲)但し捧は皆奉の別體。奉は篆に。古文に_に作る。手は同意。𡴀夆は同音。曲禮に凡そ奉く者は心(ムネ)に當つ。釋文に本捧に作ると證すべきなり。
           
           
2198 244 捨󠄃 シヤ とく すてる       釋放(トキハナツ)なり。手をもととし舎を音とす。(形聲)古或は舎を代用とす。論語に瑟を舎(ステ)て作(タ)つ。疏に投なり。轉義は廣雅に捨は置くなり。書經の釋文に捨は廢なり。捨も亦舎の代用をなす。左傳の注に捨はなりと。是れなり。但し舎とは旅舎に著き旅裝を解くなり。而して捨とは手に持つものを釋き置くなり。
           
           
2199 244 ビン なでる         撫なり。一に曰く摹なり。手をもととし。昏を音とす。(形聲)廣雅に順なり。又に作り拭と訓す。亦𢵢に作る。
           
           
2200 244 モン てでもつ         撫持なり。手をもととし門を音とす。(形聲)詩經に朕(ワ)が舌を捫する莫れと。素問の注に手摹なり。轉義は今人捫著(モメル)となす。
           
           
2201 244 ヘイ もろてうち つんざく       兩手の擊なり。手をもととし卑を音とす。(形聲)經傳は擗を以て代用す。字亦擺に作る。呉都賦に鋭を衂き鋩を挫ひて拉捭摧藏と。又廣雅に捭は開なり。西京賦注に牲を擺くは破磔をいふ。擘(ヒラク)の代用。
         
           
2202 244 ケン いきおい まきおさむ       气(氣)埶(勢)なり。手をもととし卷を音とす。(形聲)齊語に捲男股肱の力あり。今本は拳に作る。又説文一に曰く捲收とは拳の代用。兩字通用。
           
           
2203 245 シヨウ かり かつ はやし     獵なり。軍の獵得なり。手をもととし疌を音とす(形聲)左傳に齊人來て戎捷を獻ず。此字多く疌の代用にて行はる。止部に_は疾(ハヤシ)なり。止(アシ)と又(テ)にて會意し(テツ)を音とす。テツ。セフ古音轉通す。詩經に征夫捷々。疏に擧動の敏疾なる貌と。疌の義なり。○又_の字は機下の足の履む所の者。止入の會意。入を音とす。疌と混ずべからず。
           
           
2204 245 かける         挂に同し。上を見よ。
           
           
2205 245 ネン ふさぐ ひねる       塞ぐなり。攴をもととし念を音とす。(形聲)攴手は通用す。故に亦捻に作る。今人捻をヒネルと訓ず拈の代用なるべし。
           
           
2206 245 ソツ えりがみをつかむ ひつつかむ     頭髮を持するなり。手をもととし卒を音とす。(形聲)荀子に詈侮捽搏。漢書に胡(クビモト)を捽して殿下に投す。淮南子に溺るれは其髮を捽して拯ふと。轉義は晉語に戎夏交(コモコ)も捽す。注に交對なりと。
           
           
2207 245 ワツ ほじりだす ひく       搯なり。手をもととし官を音とす。(形聲)段氏云く抉と略ほ同じ。今人は剜の字を用ふ。當に此に作るべし。説文一に曰く援なりとは援の代用なり。
           
           
2208 245 ケン もたげる あぐ ちかづく ひのけ   擧出なり。手をもととし欣を音とす。(形聲)左傳に公を掀げて淖より出す。又曰く行火の掀く所と。近の代用。誤つて焮に作り炘に作る。字林に掀は擧なり。火氣なり。漢書の注に光盛なり。
           
           
2209 245 タツ ひろいとる さす       拾ひ取るなり。手をもととし叕を音とす。(形聲)易に患掇に至る。疏に手に物を拾掇する若く然りと。詩經に薄(シバラ)く言(ココ)に之を掇す。又史記に身を刺掇す。索隱に掇も亦刺すなり。剟の代用。剟は刊なり。
テツ          
           
2210 245 ホウ かきよす ひとすくい たがやす     杷なり(段氏本。五指にて杷す。杷(ムギカキ)の物を杷する如し)手をもととし咅を音とす。(形聲)漢書に一抔の土。手に之を掬するを謂ふ。字亦抔。。刨に作る。方言に掊は深なり。廣雅には耕なり。皆轉義なり。又詩經に曾ち是れ掊克。傳に自ら伐(オコ)るとは嚭(大なりと訓ず)の代用。孟子の釋文に聚斂なりとは捊の代用となす。又廣雅に掊は減なり。剖の代用。莊子の注に掊は擊破なりと同じと。
           
           
2211 245 ジヨウ ふるいはる おきて       古此字なし。玉篇に見ゆるも顧氏の原文にはあらざるべし。集韻には掟は揮ひ張るなりと。今人は規定(オキテ)の義となす。定の轉義なるべし
           
           
2212 246 ジユ さずく         予(アタ)ふるなり。手受の(會意形聲)受は亦音とす。甲の人の手から乙の人の手へ付(ワタ)して之を受けしむるなり。曲禮に男女相授けず。周禮に再拜して幣を授く。魯語の注に與へるなり。
           
           
2213 246 掃󠄃 ソウ ちりをすつ はらう       棄なり。土と帚(ハハキ)の(會意)帚を用つて土(地上)を拂ひ。塵芥を除き去るなり。漢以後。手に從て掃に作る。手の仕事なるがゆゑなり。轉義は軍事の掃討。掃滅となす。東京賦に項の軍を垓下に埽ふ。是れなり。
           
           
2214 246 チヨウ ふるう ふねのさお       搖かすなり。手をもととし卓を音とす。(形聲)史記に臂を掉つて而して顧みず。轉義は左傳に末大なれば必ず折る。尾大にして掉はずと。又船を進むる具を掉といひ。字俗に棹に作る。又濯を以て之に當て。俗に櫂に作る。楚辭に桂の櫂兮蘭の竄ニ。方言に楫之を櫂と謂ふと。
トウ          
           
2215 246 シヨウ てのうち         手中なり。手をもととし尚を音とす。(形聲)中庸に國を治むる其れ諸(コレ)を掌(上)に示(ミル)(視)る如しと。又小爾雅に掌は主どるなり。周禮の注に凡そ掌と言ふものは其事を主るなり。或は云く此義は當の代用。禮記の注に云く當は猶ほ主の如しと是れなり。
           
           
2216 246 かたほうをひく       偏引なり。手をもととし奇を音とす。(形聲)カタカタ一方より引く。
           
           
2217 246 ハイ おしのける ひらく       擠(オシノケル)なり。(排擠同義)手をもととし非を音とす。(形聲)莊子に笑て排に及はず。注に排とは推移の謂ひなり。又淮南子に閶闔を排す。注に猶ほ(サク)のごとしと。捭實は擘の代用なり。
           
           
2218 246 エキ わき         臂なり。(漢書の掖門。注に兩旁に在り人の臂掖の如しと)手をもととし夜を音とす(形聲)なるも。掖は亦(エキ)(ワキ)の異體なるべし。亦俗に腋に作る。詩經に其君を誘掖す。箋に扶持なり。又説文に又(ミギ)手を以て人の臂を持し地に投ずるなりとは轉義一に曰く臂下なりとあるは却て本義なり。
           
           
2219 246 シユク ひろう         叔に同じ。又の部を見よ。又は手なり。又手重複す。
           
           
2220 246 クツ ほる いわむろ       搰(ホ)るなり。屈を音とす。(形聲)又堀は兔穴なり。然れば人が兔堀の如く穴を穿つを掘といひ。轉じて其穴を掘と曰ふ。堀掘意相渉る。淮南子。に土中に水あるも掘らざれば泉無しと。
           
           
2221 246 リヤク かすめる         掠は勍の異體なるべし。勍は彊(ツヨシ)なり。力をもととし京を音とす。ケイ。リヤウ。リヤク轉音なり。左傳に侵掠を禁ずと。經傳或は略を借りて之と爲す。
           
           
2222 247 採󠄃 サイ とる         采の俗字なり。爪部を見よ。採に作れは爪(モツ)手意が重複す。轉義は文采となり。俗又彩綵に作る。
           
           
2223 247 セイ           𤸪に同じ。下を見よ。
           
           
2224 247 タン さぐる もとむ       遠(方)より之を取るなり。手をもととし𥥍(深の本字)を音とす。(形聲會意)深く索るの義なり。爾雅注に探は摸取なり。漢書に深く其獄を探る。注に其根原を窮むるなり。
           
           
2225 247 スイ おす さる はかる     排なり。手をもととし隹を音とす。(形聲)詩經に則ち推(サ)る可らず。傳に去るなり。推し除けるなり。轉義は禮記の注に進めるなり擧くるなり(推擧なり)又管子の注に推は猶ほ度(ハカル)のごとし。太玄に幽に馴れ厤(曆)を推す。注に謀るなり。後漢書の注に推步とは日月五星の度を推究するを謂ふ。
           
           
2226 247 エン おさめる しめあげる くくる とる おちつく 斂なり。小上を掩と曰ふ。手をもととし奄を音とす。(形聲)奄は大上なり。掩と相反す。掩は上方に括りあるなり。儀禮の士喪禮に練帛を掩し終幅を廣くす。注に首を裹むなり。字亦㤿に作る。釋名に綃頭は齊人之をと謂ふ。髮を斂し上從せしむるを言ふと。又方言に掩は取るなり。揜の代用。又曰く掩は止むるなりと。洞簫賦注に掩して以て絶滅すと皆倓の代用。又左傳に賦を掩(カクマフ)するを臧と爲す。注に匿なり。夾の代用。又淮南子に戸を掩して而して入つて之を覘(ウカガ)ふと。閃の代用。又禮記の注に三盆手なる者は三たび掩するなり。淹實はの代用。又漢碑文に掩忽摧臧とはの代用。又方言に掩は同なり。家語に四方を掩有す。注に同なり。方言に掩は𥴨なり。月令に處れば必す身を掩ふ。皆奄又弇の代用と。
  かくす のぞく ひたす ちらりとみゆ おおう
           
2227 247 ソウ よまわり         夜の戒守の擊つ所あり。手をもととし取を音とす。(形聲)柝を擊つなり。
           
           
2228 247 さしおく         置くなり。手をもととし昔を音とす。(形聲)論語に手足を措く所なし。中庸に之を宜しきに措く。又論語に直を擧げて諸の枉れるを措くと。轉々して義を生す。
サク          
シヤク          
2229 247 キク すくう         匊の俗字なり。手に在るに匊と曰ふ。勹(ホウ)(ツツム)米の(會意)元と米の手に在るなり。轉じて凡そ扱ひ持つの義となす。禮記に珠玉を受くるものは掬を以てすと。
           
           
2230 247 𢯲 ワン かいな うで       𢯲(ワン)なり。(段氏本)手をもととし𥄗(ワン)を音とす。(形聲)段氏云く𢯲とは手の上臂の下なり。臂は手の上なり。捥俗亦腕に作る。又腕臂を見よ。
           
           
2231 248 シヨウ まじわる あう つぐ     交るなり。手をもととし妾を音とす。(形聲會意)妾に交接の意あり會意を兼ぬ。足の交はるは交。手の交はるは接なり。轉義は呂覽に刃與に接す。注に交戰なり。淮南子に知物と接す。又廣雅に接は續(ツ)ぐなりと。椄(ツギキ)の代用。爾雅に椄は捷(ハヤシ)なり。疌の代用。廣雅に接は徧(アマネシ)なり。帀(メグル)の代用。
セツ          
           
2232 248 ダツ つよくおさえる       古此字なし。六朝以後に出づ。集韻に捺は手にて重く按へるなり。葢し奈の音を義となす。奈は柰の俗字なり。今人は印を抑押するを捺となす。
ナツ          
           
2233 248 コウ ひく ひかえる       引き(止める)なり。手をもととし空を音とす。(形聲)詩經の傳に馬を止むるを控と曰ふ。字亦鞚に作る字林に鞚は馬勒なり。西京賦に弦再び控かず。又莊子に地に控す。崔注に𨙫(タタク)なり。𢼒の代用。司馬注に投なりと轉義のみ。
           
           
2234 248 キヨ よる おごる すえる     拮据は𢧢挶(ゲキキヨク)なり(持つ義)手をもととし居を音とす。(形聲)又因ると訓ずるは據の代用なり。又直項(タカブル)と訓ず倨の代用。又今人は安置の義となす。居卽ち凥の轉義の代用なるべし。手に居するなり。
           
           
2235 248 スイ むちうつ つく ふいご     杖を以て擊つなり。手をもととし垂を音とす。(形聲)箠(ムチ)を以て擊つの義なるべし。内則に捶して之を反側す。注に擣なり。荀子に臏脚を捶笞す。轉義は廣雅に捶は舂なり。呂覽に之を硾するに石を以てす。字亦硾に作る。又莊子に馬捶とは箠の代用。又曰く鑪捶の間とは錘の代用なりと。
           
           
2236 248 掾󠄂 エン よる こやくにん       緣なり(因緣して事を執る)手をもととし彖を音とす。(形聲)漢書の注に正を掾。副を屬といふと。
           
           
2237 248 セン さする たちそろえる     按摩するなり。又と曰ふ。手をもととし前(剪の本字)を音とす。(形聲)又斷なり。前卽ち剪刀の轉義。三蒼に揃は猶ほ翦のごとしと。此翦も亦前の代用字なり。
           
           
2238 248 てびき からかう       引くなり。手をもととし。兪を音とす。(形聲)字亦𢶖に作る。又漢書に市人皆大に笑ふ。手を擧げて之を邪揄す。今俗に揶揄に作る。説文は瘉に作る。人相笑ひ相するなりと。要するに虒兪。邪兪連言して其義をなすものなり。揄瘉皆字音に取る。字義は關せざるなり。
           
           
2239 248 レン える         柬の俗字なり。木部を見よ。
           
           
2240 248 はかる         度るなり。手をもととし癸を音とす。(形聲)今本説文に癸は葵なりと誤る。詩經に之を揆るに日を以てす。舜典に百揆に納ると。癸揆音通字。
           
           
2241 249 テイ ひつさぐ         挈(ヒツサグ)なり。手をもととし是を音とす。(形聲)禮記に奉とは心(ムネ)に當て。提とは帶に當つ。淮南子に天地を提攜(ケイ)す。注に一手を提と爲す。孟子に孩提の童と。又禮記に牛羊の肺は離る。而して心を提(タ)たず。注に絶つとは斯の代用。又荀子に禮に由らざれば則ち勃亂提。注に舒緩なり。堤の代用。又太玄の注に提は正なりと是の代用。
           
           
2242 249 描󠄂 ビヨウ えがく         此字は初て廣韻に見ふ。音は苗。畫くなり。知る六朝以後の俗字。義は字音にあるべし。
           
           
2243 249 ソウ さしいる さしこむ さしはさむ     肉を刺(サ)すなり。手をもととし臿を音とす(形聲)臿は麥の皮を去る。杵が臼に入るなり。故に插を刺し入る挾むの義となす。會意も兼ぬるか。字亦に作る廣雅には入るなり。亦誤つて掐に作る。徐鉉新附字に掐は爪刺と。
           
           
2244 249 シユウ えしやく じぎ ゆずる     攘(ユヅル)(讓の本字)なり。手をもととし咠を音とす。(形聲)段氏云く手を推すを揖と曰ふ。凡そ手を推し小しく之を下すを土揖と爲し。手を推し小しく之を擧ぐるを天揖と爲し。手を推し之を平かにするを時揖と爲すと。朱駿聲云く。説文に一に曰く手をに著けるをと揖と曰ふとは擪の代用なり。論語に巫馬期を揖して而して之を進むと是れなり。又斂と訓ずるは戢の代用なり。
           
           
2245 249 ジユン なでる さする       摩なり。手をもととし盾を音とす。(形聲)朱駿聲云く。今撫の字を循を以て之と爲すも代用なり。廣雅には順なり。循の義に近し。
           
           
2246 249 ヨウ あげる あがる       擧ぐるなり。手をもととし昜を音とす。(形聲會意)昜は陰陽の本字。昜なれば上がる。侌なれば下るなり又書經に武王の大烈を揚(アラハ)すとは昜の代用。又詩經に火烈として具に揚とは煬の代用又考工記に中強なれば則ち揚。注に飛なりとは颺の代用。又玉藻に盛氣顚實揚休は暘の代用。淮南子に其聲舒揚。注に和なりと同じ。又廣雅に揚は説なり詳の代用。又詩經の傳に激揚とは盪の代用。又儀禮の注に過去と宕の代用。又漢書の驕揚は愓の代用。
           
           
2247 249 カン かえる         易(エキ)なり。手をもととし奐を音とするも(形聲會意)奐は取り易へるなり。キヨウ(兩手)をもととし夐(ケイ)の省を音とす。ケイ。ケン。クワン轉音なり。要するに奐換は同字。兌奐其義なり。又奐を見よ。穀梁傳の注に擅に相換易す。
           
           
2248 249 エン とる うばう おおう     關より以東。取るを謂ふて揜と曰ふ。手をもととし弇を音とす。(形聲)淮南子に其氣を揜ふ。注に奪なり。一に曰く覆ふなり。弇の代用なり。
           
           
2249 249 カン           撼の本字。下を見よ。
           
           
2250 250 𢯱󠄁 シユウ もとむ さぐる かくす     求むるなり。手をもととしを音とす。(形聲)然も𢯱は同字なり。通俗文に室に入りて求めるを𢯱といふと。宀は室なり。火は燭なり。又(テ)は手なり。手燭を用ひて室内を𢯱索するなり。𢯱(サウ)𢲘(タン)義近し。𢯱は又手重複す。は古文。𢯱は小篆なり。又に作る。宀广重複す。叟に作り老なりと訓ず。𠋢を本字とす。人をもととしを音とす。故に𠋢通用す。又轉義は凡そ匿れたるを索むる義となす。莊子に國中を𢯱る。釋文に索むるなり。又轉じて隱れたる義とす。論語に人焉ぞさん哉と是れなり。又衆多の義となす。字意と關せず。其音を借り義をなす。詩經に矢を束ぬる其れ𢯱たりと是れなり。又公羊傳に秋にと曰ふと𤟫の代用。又禮記の注に滌は牢中の𢯱除と埽の代用なりと。
ソウ          
           
2251 250 アク にぎる         搤持(トラヘモツ)なり。手をもととし屋を音とす。(形聲)シ。アク轉音なり。古文_は同意。丯は握る所の物。至は音なり。莊子に終日握つて手(ヒキツル)せす。注に手を卷くを握と曰ふ。又廣雅に握は具なりと。(幄)の代用と。又連言して義をなすものは。史記に其將皆握齪。注に小節なりと。
           
           
2252 250 はかる         量るなり。手をもととし耑を音とす。(形聲)古音はセンなり。高きを度るを揣と曰ふと。一轉義なり。鬼谷子の注に其情慕を揣る。秦策に簡練以て揣摩をなす。注に定なり。又一に曰く捶なり。字亦に作る。孟子に其本を揣らすして而して其末を齊しうするなりと。捶或棰の代用なるべし。
セン          
           
2253 250 ジユウ ためる         に同じ。火部を見よ。
           
           
2254 250 援󠄃 エン ひく たすく       引くなり。手をもととし爰を音とす。(形聲會意)爰も引なり。_(ヘウ)と于(ウ)との會意。_は兩手で上下より持つ。于は伸びるなり。爰援は同字か。韓詩に邦の援なり。傳に助なり。
           
           
2255 250 セツ かぞえもつ         閲し持つなり。手をもととし枼を音とす。(形聲)エフ。セツ轉音なり。易に之を揲するに四を以てす。鄭注に取るなり。釋文に數なり。廣雅に積なり。又淮南子に其土を揲挻すとは鍱の代用と。實は枼(ウスシ)の代用のみ。
           
           
2256 250 ケイ かかげる たてふだ       高く擧ぐるなり。手をもととし曷を音とす。(形聲)詩經に淺ければ則ち揭す。傳に衣を褰(カカゲル)なり。過秦論に竿を揭げて旗と爲す。又三蒼に揭は擧なり。儋(ニナフ)なり。負なりとは竭の代用。竭は負擧なり。又江賦の注に揭摽は皆表なり。楬の代用。
ケツ          
           
2257 250 揥󠄂 テイ           擿の俗字。下を見よ
           
           
2258 250 トツ           突の俗字。穴部を見よ。
           
           
2259 250 ケツ           汲フ俗字。糸部を見よ。
           
           
2260 251 ふるう         奮ふなり。手をもととし軍を音とす。(形聲)グン。キ轉音なり。廣雅に揮は掲なり。卽ち高く振り擧る大きく振舞はすなり。轉義は齊策に汗を揮ひ雨を成す。易に發揮。注に散なり。莊子に八極に揮斥す。注に猶ほ放縦のごとしと。
           
           
2261 251 ケン           楗の俗字。木部を見よ
           
           
2262 251 ソウ すぶ         總の俗字なり。糸部を見よ。
           
           
2263 251 さす いたる       刺なり。手をもととし致を音とす。(形聲)一に曰く刺の財(ワヅカ)に至るなり。又方言には到るなり。廣雅には至なり。甘泉賦に北極の嶟々をす。皆至の代用。
           
           
2264 251 ヨウ うごく はたらく うごかす     動なり。手のハタラキなり。手をもととし䍃(エウ)を音とす。(形聲)字亦に作る管子に搖く者は定らず。轉義は方言に搖扇は疾なり。爾雅に扶搖之を猋と謂ふ。フエウ。ヘウ。飇の字の音を二字にて呼びなすものなりと。又詩經に河上に消搖す。趙邎の代用。
           
           
2265 251 ソン へる へらす       減なり。手をもととし員を音とす。(形聲)手の仕事にて物資の數を損滅するなり。員は隕(オツル)の省きにて會意するか。易に損uは盛衰の始め。墨子に損は偏去なり。
           
           
2266 251 ハク とらえる うつ いたる     𡩡(サグリ)(索)持なり手をもととし尃を音とす。(形聲)ホ。フ。ハク轉音なり。捕と音義近し。又擊なりと訓ず。𢫦の代用。又至るなりと迫の代用。
           
           
2267 251 ソウ かく かゆし       刮(クワツ)(ヒキカク)なり。手をもととし蚤を音とす。(形聲)蚤の人を齧むや人必ず刮搔す。或は會意あり。禮記に敬んで之を抑搔す。注に摩なり字亦瘙に作る。廣雅に瘙は疥なり。轉義なり。
           
           
2268 251 キヨウ くじく あばらをおる     摺なり(摺は敗るなり)手をもととしを音とす(形聲)公羊傳に榦をして而して之を殺す。何注にとは折る聲。段氏云く幹とは脅骨なり。
           
           
2269 251 トウ てうつ つく       手推(ウツ)なり。一に曰く築(ツク)なり。手をもととし𠷎を音とす。(形聲)一本には_に作り壽を音とす。壽も𠷎を音とするなり。チウ。ジユ。トウ轉音通ず。亦搗𦦰に作る。禮記に鬱を搗く。廣雅に𦦰は舂(ウスツク)なりと。
           
           
2270 251 チユウ ぬく         抽に同じ。上を見よ。
           
           
2271 251 チユウ ぬく         上に同じ。
           
           
2272 251           楮の俗字。木部を見よ。
           
           
2273 252 シン さしはさむ         古は晉を以て之と爲す。鈕樹玉云く。玉篇に搢は插むなり。廣雅同じ周禮に王は大圭を晉(サシハサ)む。鄭司農云く晉は讀んで搢紳の搢と爲すと。搢は漢の俗字なり。又漢碑は縉に作る借字なり。朱駿聲は云く晉縉は鐏の代用なりと。鐏は戈柲(エ)の地に入る者。イシヅキなり。地に插し入るるものなり。ソン。シン古音轉通す
           
           
2274 252 𢱧           批に同じ。上を見よ。
           
           
2275 252 カク うちたたく あきらか       敲(タタク)擊なり。手をもととしを音とす。(形聲)又多く覈(アキラカ)の代用にて行はる。呉都賦に萬俗を商搉すと是れなり。字亦俗に攉に作る非なり。
           
           
2276 252 搨󠄄 トウ ゆびわ つつむ すりとる     縫指のなり。手をもととし沓を音とす。(形聲)一に曰く韜なりと。は裁縫者の指輪なり。集韻に字亦搭に作る。廣韻に亦に作る。又韜を包藏の義と爲す。別義なり。此より轉じて冒ふの義となす。又或は云くは拉。。摺と通ずと。又集韻にを打つ摹すと訓ず。正字通に今紙を用ひ碑帖を摩摹するを搨と曰ふと。
           
           
2277 252 搆󠄃 コウ かまえる         構に同し。木部を見よ
           
           
2278 252 ハン はだける はこぶ       (ハン)擭(カク)は正しからざるなり。(擭も擭と訓ず。)手をもととし般を音とす(形聲)葢し二字連言して義を爲す。義は音にあり。手容の正しからぬなり。又衣を解くを薄といふ。亦搬に作り遷運と訓ず般の代用なり。
           
           
2279 252 搜󠄃 シユウ           𢯱の俗字。上を見よ。
           
           
2280 252 コウ           敲に同じ。攴部を見よ。
           
           
2281 252 アイ とらえもつ ひつつかむ       捉なり。手をもととしuを音とす。(形聲)朱駿聲云く。と略ほ同じ。廣雅には持なり。漢書に其亢を搤す。又熊羆を搤す。管子の注に搤は塞なり。阸の代用。史記集解に手に滿るを搤となす溢の代用。
ヤク          
           
2282 252 ニヤク おさえる とらえる からめる     按なり。手をもととし弱を音とす。(形聲)廣韻に捉は搦なり。考工記に之を撓む。注に其榦を撓搦す。江賦に舟子是に於て棹を搦す。注に促なり。文賦に其管を搦に方つて。注に氣倍し辭前むと。
           
           
2283 252 ケン           の俗字。下を見よ。
           
           
2284 252 ソウ           槍の俗字。木部を見よ。
           
           
2285 252 トウ           唐の俗字。口部を見よ。
           
           
2286 253 トウ すくいだす くむ さす よろこぶ   なり。手をもととし舀を音とす。(形聲會意)舀は臼に抒(ク)むなり。と義近し。書經を引く師乃搯す。段氏云く搯とは兵刃を抽いて。以て擊刺を習ふなり。朱駿聲云く。今俗字は掐に作る。讀む(音)恰の若し音形倶に誤る。又書經の師乃ち搯るは慆の代用。大傳は正に慆に作る。(二家説異る)鄭注に喜なり。又三家の詩に左旋右搯。抽の代用。毛本は抽に作る。又廣雅に搯は抒むなりと。舀の代用なりと。
           
           
2287 253 コツ ほる みだる つとむ     掘るなり。手をもととし骨を音とす。(形聲)呉語に狐之を埋めて而して狐之を搰る。注に發なり。字亦に作る。荀子に深く之をつて而して甘泉を得たり。呂覽に物を生する者之をす。注に亂なりと。淈の代用。又莊子に搰々然として力を用ふる甚た多くして功を見る。
           
           
2288 253 オン しずめる おさえる       沒なり。手をもととし𥁕を音とす。(形聲)字林に搵抐は沒なり。廣韻に搵抐は物を水中に按へるなりと。
           
           
2289 253 アク           と同じ。上を見よ。
           
           
2290 253 𢳎 ハイ           拜に同じ。上を見よ。
           
           
2291 253 サツ そこなう ぬりけす       公羊傳に仇牧を摋し其首を碎く。雷浚云く疑らくは是れ鍛の字。鎩はハに鐔有るなり。淮南子に飛鳥窒鎩す。許注には殘(ソコナ)ふなり。按ずるに摋亦殺の俗字。又玉篇に抹摋。説文は末殺に作る。抹を見よ。
           
           
2292 253 キユウ たたりころす つかねとる こだらかる     縛殺なり。手をもととし翏を音とす。(形聲)廣雅に摎は束なり捋なり。又管子に朋友得ざれは相合摎す。注交入なり。太玄に死生相摎すと。糾の代用。又後漢書に天道を摎(モト)む。求の代用と。
           
           
2293 253 揅󠄃 ケン みがく とぐ       摩なり。手をもととし硏を音とす。(形聲會意)硏下に曰く(磨の本字)なり。然れば石にて硏ぐ。其手工が揅なり。揅究亦然り。經傳は硏を以て揅を兼ぬ易の蜀才本に深を極めて幾を揅すと。
           
           
2294 253 摕󠄁 テイ つまみとる さる       撮(ツマミ)取なり。手をもととし帶を音とす。(形聲)或は折示にて形をなす。兩手にて急に人を持するなりと。或は揥に作る。摘又は擿を以て代用し。又或は摭。揲を以て代用とす。音通なり。
           
           
2295 253 摘󠄂 テキ つむ あばく すたる     果樹の實を摭ふなり。手をもととし啇を音とす。(形聲)好き果をスグルなり。轉義は字亦揥に作る。詩經の傳に揥は髮を摘する所以なり。取り上げて調整するなり。又一に曰く指之に近づくなりとは擿の代用。或は云く揥は_の省と。
           
           
2296 254 のべる しく はる     舒なり。手をもととし离を音とす。(形聲)荅賓戲に摛藻春華の如し。韋注に布くなり。字亦に作る。注に張なり。離は离を音となす。故に同音を得。
         
           
2297 254 ロウ ひきあつめる ひく     曳き聚めるなり。手をもととし婁を音とす(形聲)孟子に五伯は諸矦を摟めて以て諸矦を伐つと。注に牽くなり。爾雅に摟は聚なり。
           
           
2298 254 カン           慣の本字。心部を見よ。
           
           
2299 254 トウ           の俗字。木部を見よ。
           
           
2300 254 𢲸           虜に同じ。虍部を見よ。
リヨ          
           
2301 254 摡󠄁 ガイ あらう のごう とる     滌なり。手をもととし既を音とす。(形聲)周禮に灌漑。注に拭ふなり。詩經に之が釜鬵を摡ぐ。毛本は漑に作る。水よりいゑば漑。手よりいゑは摡。二字音義同じ。又廣雅に摡は取るなり。別義。
           
           
2302 254 サイ おしのける はばむ くだく     擠なり手をもととし崔を音とす(形聲)摧推は殆ど同字なり。摧は排擠を本義とす。詩經に室人交(コモコモ)も我を摧(ハバ)む。箋に刺譏(ソシル)の詞なりと。又挫折と訓ずるは催の轉義の代用。詩經一本は催に作る。
           
           
2303 254 摩󠄃 みがく さする なでる     硏(揅の代用)なり。手をもととし麻を音とす(形聲)硏は摩すべき石。硏にて摩するは揅なり。考工記に刮摩(キリミガク)の工。本義なり。琢するが如く磨するが如し。磨は摩の代用字。磨はなり。易に剛柔相摩す。注に磑切なり。秦策に簡練以て揣摩を爲す。注に合なり。轉義なり。又方言に摩は滅なりとはの代用と互に通ず。又漢書に民を摩(ミチビク)に誼を以てす。縻の代用。又孟子に頂を摩(タダラ)かし踵を放すとはの代用なりと
           
           
2304 254 にえ とる       握り持つなり。手に執るの(會意)字亦贄に作る。周禮に禽を以て六摯と爲す。儀禮に摯を奠し君に見ゆ。禮記に摯を執つて相見ゆと。左傳に贄を交へて往來す。又臻(イタル)と訓ずるは𡠗の代爾雅に見ふ。又考工記に。凡そ甲の鍛摯ならず。(堅)致の代用。又曰く大車の轅は摯とは𨎌の代用。𨎌は輊と同じ。又廣雅に摯は解なり引なりとは𤸪(掣の本字)の代用。又月令に雪霜大に摯す。折の代用。又廣雅に摯は狠なりと。鷙の代用と。
           
           
2305 254 ザン きりとる かりとる       斬り取るなり。(段本)手をもととし斬を音とす。(形聲會意)諸本暫なりに作る。或は元暫取に作りしか。疑を存す。蒼頡篇には拍ち取るなり。長楊賦に城を麾け邑をる。又禮記の注にの言ひは芟と。芟の代用。
           
           
2306 255 コウ あう ひきかける ぼたんどめ かかげる   なり。(紐なり)手をもととし區を音とす(形聲)ク。コウ轉音なり。朱駿聲云く。扣結の紐する所を謂ふなり今の俗の釦の字は扣を以て之と爲す。別義は一に曰く衣を摳げて堂に升ると。曲禮に兩手に衣を摳ぐ。疏に提挈なり。又列子に瓦を以て摳(ナゲ)るとは投の代用なりと。
           
           
2307 255 シヤ           拓に同じ。上を見よ。
           
           
2308 255 ケイ           攜の俗字。下を見よ
           
           
2309 255 ダン まろめる まとめる もつぱら     圜なり。手をもととし專を音とす。(形聲)通俗文に手團を摶と曰ふと。手にて團子餠を製するの義なり。其出來上りたる形は團なり。曲禮に飯を摶する勿れ廣雅に摶は箸(チヤク)(著)なり。轉義は管子に國を摶(マトメ)るはと。注に聚なり。又曰く氣を摶るは神の如し。又考工記に生れて而して摶なるを欲すと團の代用。又史記に心を摶にし志を壹たすとは嫥の代用なり。
           
           
2310 255 ホウ           の俗字。捧を見よ
           
           
2311 255 㨾󠄀 ヨウ さま         樣の俗字。段氏云く今樣を以て樣式の字と爲す。(象又像の代用)唐人はに作る。唐の開成中に唐元度九經字を撰すと。是れ殊に手に從つて意となすなり。
           
           
2312 255 摹󠄂 のつとる かたどる ならう     規なり。手をもととし莫(ボ)を音とす。(形聲)段氏云く規とは法度あるなり。法度を以て之を度るも亦規と曰ふと。廣韻に摹とは手を以て摹するなり。字亦摸に作る。模は法なり。模に依て摹仿するなり漢書に規摹宏遠なり。注に畫工の未だ采事を施さず之を摹するが如しと。又廣雅に摹は刑なり。東京賦に萬世を規して而して大摹とは模の代用。又方言に小を張り大を使ふ之を廓と謂ふ。陳楚に之を摸と謂ふ幕の代用なりと。
         
           
2313 255 シヨウ やぶる おりたたむ とりひしぐ     敗るなり。手をもととし習を音とす。(形聲)廣雅に摺は折なり。廣韻に疉なり。史記に脅を折り齒を摺く。注に其脅を打折し又其齒を拉折すと。
           
           
2314 255 サン とる おさむ ほそし ながし   今本説文に此字なり。朱駿聲云く。詩の正義に説文を引く摻は手をもととし參を音とす。詩經に子の祛を摻り執る。傳に摻は擥(トル)なり。疏に斂なり。又隷辨は摻を操の字となす。或は是なり。凡そ喿を音とするの字は先づに作り後に參に譌す。而してサウ。サン音通す。又方言に摻は細なり。纖の代用。又詩經に摻々たる女手とはの代用。又朱氏云く。淮南子に萬物の摻落。讀て槮格となす。長大衆多なりと。
           
           
2315 256 コウ うつ たたく       頭を擣(ウ)つなり。手をもととし堅いを音とす。(形聲)朱駿聲云く字亦に作る廣雅には擊つなり。楚辭につて鼓を鳴らす。注に擊つなり。又羽獵賦に象犀をす。注に扼なり牽の代用と。
           
           
2316 256 ヒヨウ うつ さる       擊つなり。手をもととし票を音とす。(形聲)字亦抛に作る。廣雅に抛は擊なり。詩經に寤めて辟つ摽たる有り。傳に心(ムネ)を拊つ貌と。別義は公羊傳に劔を摽(ステ)て而して之を去ると。注に辟(ノゾ)くなり。孟子に使者を摽く。注に麾くなり。又淮南子に攫援摽拂。注に摽拂は敷なり。字亦𪮿に作る。又説文に一に曰く。摽は𨷲牡を挈げるなり。又摽落とは_(ヘウ)の代用。(_は落つる物を上下から受け止めるなり)詩經に摽ちて梅有り同じ。又摽(スエ)末とは標の代用。又摽輕(カロシ)とは票の代用。又刀削(サヤ)の末の銅と訓ずるは鏢(コジリ)の代用。
           
           
2317 256 ソウ           總の俗字。糸部を見よ。
           
           
2318 256 キヨ           據の俗字。下を見よ。
           
           
2319 256 𤸪 セイ かけひき ひく かかげる あがりさがり 引縦を𤸪と曰ふ。手をもととし瘛の省きを音とす。(形聲)段氏云く引縦とは宜く遠かるべくして而も引ひて近らしめ。宜く近かるべきを而も之を縦つて遠からしむるを謂ふと。字は俗に𤸪掣に作る。釋名に掣は開くなり。爾雅に俜夆は掣曳なり(氣を使ふなり)又詩經の箋に女民を攜掣す。挈の代用なり。又易の暌に其牛は掣とはの代用なり。_の形をいふ。一角は仰き。一角は俛す。
           
           
2320 256 ケツ かきこむ かかげる       手を以て杷する所有るなり。手をもととし厥を音とす(形聲)又内則に涉せざれは撅げす。注に衣を揭げるなりと揭の代用。
           
           
2321 256 撐󠄂 トウ           の俗字。木部を見よ。
           
           
2322 256 ベツ わかつ うつ さだむ     別なり。一に曰く擊なり。手をもととし敝を音とす。(形聲)字亦撇に作る。左傳に罪を蔽(サダ)むと蔽は代用。撇斷なり。又史記に側行席。注に拂なり。丿(ベツ)(モトル)の代用。
           
           
2323 256 テツ いはなつ すてる       勶の俗字なり。勶は(射)の發なり。力をもととし徹を音とす。段氏云く引伸して凡そ發去の稱となす。徹は通なり。勶は除去なり。禮の有司徹に客は重席を徹す。左傳に軍衛徹せず。皆徹を以て代用す。
           
           
2324 256 ケン ぬきとる まきとる ちぢめる     拔き取るなり。手をもととし寒を音とす。(形聲)字亦搴。攓。𢷘𢶊に作る。方言に攓は取るなり。廣雅に搴は擧なり。拔なり。史記に將を斬り旗を搴く。淮南子に巨旗を𢷘す。卷き取るなり。又曰くコを擢て性を𢶊す。注に縮なり。漢書に城を麾き邑をす。注に并なり。疑くはの誤り。
           
           
2325 257 テツ ちらす         古此字なし。集韻に撒は音薩。之を散するなり一に曰く放つなり。或はに作る。葢し𢽳の字の轉義の俗字なり。
           
           
2326 257 ネン とらえる ひねる よる     執へるなり。手をもととし然を音とす。(形聲)轉義は揉なり。通俗文に通俗文に手捏を撚と曰ふ。又方言に續なり。聲類に緊なり。撚絲も此轉義なり。
           
           
2327 257 ハツ おさむ はらう       治むるなり。手をもととし發を音とす。(形聲)開發して整理するなり。公羊傳に亂世を撥す。又曲禮に衣を撥する毋れ。注に撥揚の貌とは拂の代用。又廣雅に棄るなりとは廢の代用。又の除くなりとはの代用又絶なりとは拔の代用なり。
           
           
2328 257 さく さしまねく あげる     裂くなり。手をもととし爲を音とす。(形聲)。易のヒ謙。馬注に離なり。説文一に曰く手指(サス)なり。麾の代用。易の釋文にヒは指ヒなり。
           
           
2329 257 撞󠄂 トウ はやくつく うつ たたく     卂(ジユン)(疾なり)擣なり手をもととし童を音とす。(形聲)禮記に鐘を撞く。字亦摏に作る子虗賦に金鼓をく。秦策に杖𢧢相撞つ。楚策に其胸を撞く。左傳に其喉を摏く。字亦𠝤に作る。
           
           
2330 257 キヨウ てをあげる みをのばす える とる ほしいまま 手を擧ぐるなり。手をもととし喬を音とす。(形聲會意)喬は高なり。轉義は史記に撟引。索隱に按摩の法なり。夭撟して身を引く熊顧鳥伸の如しと。廣雅に撟は擇なり取るなり。方言に撟捎は選なり。凡そ物の上を取る。之を撟捎と謂ふ。又説文に一に曰く擅なり。荀子に(ボウ)君は補削あつて撟拂なし。矯の代用。又甘泉賦に仰いて首を撟(アゲ)て以て高視す。喬の代用。又橋の代用をなす。
           
           
2331 257 リヨウ おさむ とる       理なり。手をもととしォを音とす。(形聲)通俗文に亂を理むる之を撩理と謂ふと。今料理に作る代用字。廣雅に撩は取るなり。字亦撈に作る。方言に撈は取るなり。
           
           
2332 257 しく たねまく       穜(タネマク)なり。手をもととし番を音とす。(形聲)書經に百穀を播蒔す。本義なり。古文は攴に從ふ。攴手同意。又説文に一に曰く布くなり。禮記に五行を四時に播す。釋文に舒なり。或は云く此を譒の代用とすと。又左傳に諸矦に播す。注に揚なり。簸の代用。又聲類に播は散なり。禹貢に北に潘して九河と爲るは判の代用。又呉語に黎老を播棄すとは𡊅の代用。又史記の滎播既に都すとは潘の代用。又洪範五行傳に播國率ひて相行祀すと。藩の代用と。
           
           
2333 258 なでる やすんず       安なり。手をもととし無を音とす(形聲)爾雅に憐は之を撫掩するなり。注に猶ほ拍撫は慰卹と謂ふがごとし。周禮に邦國の諸矦を撫す。魯語に敝邑を鎭撫す。注に安なり。轉義は説文一に曰く掇(ヒロフ)なり。廣雅に有(タモツ)なり。禮記に其終に諸(コレ)を撫(ナデコム)すと。或は云ふ字亦捬に作ると。捬は拊なり。撫と通用。
           
           
2334 258 セン えらぶ         古此字なし。論語に三子の撰と。後人の改寫のみ。元は僎に作る。人部に_は具(ソナ)はるなり。人をもととし巽を音とす。又は具なり丌(キ)(ツクヱ)の上に二卩(セツ)(符節)が並ひ載せてある。卩は亦法の意なり。法典が丌上に揃へて在る。僎巽音義略ぼ同じ。具備して在るから擇び取ることができるのである。又辵部に選の字あり遣るなり送るなりを本訓とし。一に曰く柬(エル)なりとあり。選も僎巽の代用をなす。
           
           
2335 258 サツ つまむ はかりめ       四圭なり。手をもととし最を音とす。(形聲)亦指の撮なりと。孟康云く六十四黍(粒の重さをいふ)を圭と爲すと。然れは撮とは四圭の重さなり。本艸の序例説に散藥に刀圭の名あり。刀とは梧桐の子(ミ)(_の形)の大さなり。一撮とは四刀圭なりと。亦字林に撮は手の小取なり。莊子に鴟鵂は夜は蚤を撮す。然れは撮は指先きへ附けて取るの小量なり。今の撮影も此義に出づべし
           
           
2336 258 ハク うつ         挨(世を擊つ)なり。手をもととし菐を音とす。(形聲)字林には手の相搏つを撲と曰ふ。手の甲を相拊つなり。轉義は凡そ拊つなり。
ボク          
           
2337 258 タツ うちうつ はやし       ク飲酒に不敬を罰し其背を撻つ。手をもととし達を音とす。(形聲)古文は虍に從ふ。詳かならず。禮記に之を撻つて血を流す。注に擊つなり。又疾と訓ずるは駾の代用なりと。
           
           
2338 258 𢶡 キヨウ うつ よこなぐり       旁(カタハラ)より擊つなり。手をもととし敫を音とす。(形聲)敫或は激の省か。莊子に撽つに馬捶(ムチ)を以てす。公羊傳につて之を殺す。𢶡に同しと。
           
           
2339 258 カン うごかす         搖かすなり。手をもととし咸を音とす。(形聲)字亦撼に作る。廣雅に撼は動なりと
           
           
2340 258           檛の俗字。𥬸の代用をなす。
           
           
2341 258 ケン こまぬく しるし       拱くなり。手をもととし僉を音とす。(形聲)亦廣雅に撿は譣(シルシ)なりとは譣の代用。又漢書に撿式せ令(シ)むは檢の代用。爾雅に_は同なり僉の代用。
レン          
           
2342 259 ライ がらがらおとす       推(クダク)するなり。力をもととし畾(雷)を音とす。字亦礧礌擂に作る。段氏云くとは物を以て磊々(ガラガラ)として高きより推し落すなり。古の兵を用ゆるに礧石を下だすあり。漢書に石に作る。如湻は雷(畾)石に作る。周禮も雷に作る。唐書に擂石車ありと。然れば元と雷鳴霹靂に取る。今の擂鉢。擂木もガラガラの音に取るのみ。
           
           
2343 259 ヨウ           𢹬の俗字。下を見よ。
           
           
2344 259 キン ひきとらう とりこ       捦の俗字。捦は上に見ふ。初め禽を借りて捦となし。亦擒に作る。左傳に禽を收め囚を挾む。注に獲なり。一轉義なり。又方言はに作る。金は今を音とす。
           
           
2345 259 セン まこと もつぱら ほしいまま     專(嫥の代用)なり。手をもととし亶を音とす。(形聲)爾雅に擅は誠なり信なり。嫥一のいひなり。經傳は亶を以て代用す。轉義は詩經の序に權臣命を擅まにすと。又荀子に擅讓。傳の代用。
           
           
2346 259 トウ みだす         擾(ミダス)なり。手をもととし堯を音とす。(形聲)一に曰く捄(アツム)なり。又捄下に曰く一に曰く擾なりと此二字別義は相同し。但し撓。嬈は音義相同じ。
           
           
2347 259 タク えらぶ         柬選(スグリエラブ)なり。手をもととし睪を音とす。(形聲)中庸に善を擇んで而して固く執る者なり。淮南子に名刺を錯擇する。又孝經に身に擇行なしと斁(ヤブレル)の代用なりと。
           
           
2348 259 ゲキ うつ         攴(ウツ)(扑)なり。手をもととし。を音とす。但し𣪠に擊義あり(形聲會意)書經に戛擊鳴球。孟子に抱關擊柝。注に之を椎(ツチウツ)するなり。又莊子に目擊して而して道存す。司馬注に動くなりとは系の代用。古音轉通ず。又秦策に車轂擊す。の代用。は車相擊つなり。
           
           
2349 259 カン つらぬく きる とおす ひきしぼる   貫なり。手をもととし睘を音とす。(形聲)呉語に兵を服し甲を擐す。賈注に擐は著なり。又王制に衣を擐くは援の代用と。
           
           
2350 259 ソウ にぎる とる みさお     把持(ニギリモツ)なり。手をもととし喿を音とす。(形聲)曲禮に几杖を操る。左傳に刀を操る。轉義は漢書に賈人と雖も賢操あり。注に執り持つ所の志行を謂ふなり。
           
           
2351 259 フ󠄂 ケイ あげる ゆみため       に作る敬の俗字なるべし攴手意同じ。集韻にフ同じ廾も手なり。廣雅にフは擧なり。手を擧げ事を執る。敬の意なり。又荀子に良弓も排を得ざれば自ら正す能はずとは檠の代用なり。
           
           
2352 260 タン になう         何(ニナフ)なり。儋何は擔荷の本字なり。人をもととし・を音とす。(形聲)人手通用。僎撰の例の如し。國語に負任儋何と古正字。字林に擔は負ふなり。後出なり。轉義は漢書に儋石(コク)の禄と。注に一人の負儋する所なり。史記の索隱に儋は罌なり。罌は一石を受く。故に儋石と云ふ。方言の注にに作る。
セン          
           
2353 260 𢶉 ホウ やのおと         西京賦に流鏑𢶉㩧と。注に中る聲なり。プツツと當る矢の音なり卽ち音が主なれは雹暴にて足るのみ。
ヒヨウ          
           
2354 260 據󠄂 キヨ よる たのむ       杖持なり。手をもととし豦を音とす。(形聲)杖をョ(タヨリ)として持つなり。轉義は詩經に以て據る可らず。傳に依るなり。左傳に神必ず我に據る。注に猶ほ安のごとし。論語にコに據る。方言に據は定なり。廣雅に按なり。或は据を以て代用す。
           
           
2355 260 ハク ひらく おやゆび       ヒなり。(ヒは裂(サク)なり)手をもととし辟を音とす。(形聲)禮記に黍を燔し豕を捭(サ)く。注に擗くなり。捭の代用字なり。段氏説に孟子の巨擘は大指なり。大指は開を主とす。他の四指は合を主とすと。朱駿聲は云く。大指とは字の本義にしてヒくなりとは劈の代用と。並に通すべし。又孝經に擗踊(ムネウツ)哭泣とは捭の代用なりと。
ヘキ          
           
2356 260 𢶊󠄀 ケン           の俗字。上を見よ。
           
           
2357 260 タイ もたぐ         古此字なし。廣雅に擡は動なり。通俗文に擧振之を擡と謂ふ。唐韻に徒哀切。六朝の俗字なること知るべし。但し義は音にあるべし。
           
           
2358 260 𢷏 ボク           撲の俗字。上を見よ。
           
           
2359 260 セイ おしのける くだく       排なり。手をもととし齊を音とす。(形聲)荀子に有罪を擠す。注に排なり。左傳に壑に擠す。注に隊(オトス)(墜)なり。楚辭に魁纍擠摧。注に擠摧は折屈なり。
           
           
2360 260 擢󠄂 タク ぬきいづ         引くなり。手をもととし翟を音とす。(形聲)方言に擢は拔なり。蒼頡篇に抽なり。莊子にコを擢き性を塞ぐと。又呉都賦注に擢は高く聳ふる貌なり。西京賦に獨り出づる貌なり。轉々して義を生す。字亦櫂に作る。玉篇に櫂は擑なり。班馬字類に史記を引く鷁首を濯す。(借字)則ち船を擢するなりと。此物刺して引拔くものなり。擢櫂は掉棹と一例のみ。
テキ          
           
2361 260 ラン           攬の本字。下を見よ。
           
           
2362 260 キヨ           亦舉に作る。臼部を見よ。
           
           
2363 260 トウ           𢶈と同じ。上の搗を見よ。
           
           
2364 261 ヨウ ゆびでおさえる えくぼ     一指の按なり。手をもととし厭を音とす。(形聲)字亦に作る。南都賦に琴を彈し籥をへる。(フエの穴を按える)轉義は淮南子に_頰に在れば則ち好し。注に_は頰上に著はるるの窐(クホミ)なり。又の注に頰邊の文。婦人の媚なり。亦靨に作る皆俗字なり。
           
           
2365 261 サツ さする こする       古此字なし。字彙に擦は音察。摩の急なりと明以後の字なり。或は察の俗字での代用とす。
           
           
2366 261 ジユ そむ とどむ もみやわらぐ   染なり。(指を染むるなるべし)手をもととし需を音とす。(形聲)朱駿聲云く。字亦に作る。儀禮に醢に擩す。又云く醢にす。廣雅には拄なり。考工記注に親手之を煩す。
セン          
           
2367 261 はかる なぞらう       度(ハカ)るなり。手をもととし疑を音とす。(形聲)周禮の注に行けば則ち止つて擬度す。易に之を擬して而して後に言ふ。手に定木を持ち測量をなしつつ行ふが如し。
           
           
2368 261 擭󠄂 カク ひろげる あまねし にぎる     擭なり。手をもととし蒦を音とす。(形聲)然も擭とは連言なり。義に音に存す。擭の本義にあらざる(タダシカラス)べし。疑らくは擭は元蒦の異文。又は手なり。又手重複す。又一に曰く布擭なり。段氏云く此れ卽今の布濩(代用)の字なり。劉逵注呉都賦に布濩は遍く滿る貌と。又一に曰く握なり。又一に曰く搤なり。獲の代用か。書經に乃擭を杜す。中庸に驅つて諸を罟擭陷阱の中に納ると。
           
           
2369 261 ヒン みちびく たすく しりぞく     導くなり。人又は手をもととし賓を音とす。(形聲會意)賓の按内役なり。接待者なり。周禮に賓客擯相の禮。注に出て賓に接するを擯と曰ひ。入つて禮を詔(ツグ)るを相と曰ふと。儀禮の注には。主人に在ては擯と曰ひ客に在ては介と曰ふと。轉義は陳列の義となす。又莊子以て寡人を擯(シリゾ)くる久しと。注に棄るなりと。卽ち擯斥の義なり此義は屏又はの代用なり。ヘイ。ベン。ヒン古音轉通なり。
           
           
2370 261 𢷘 ケン           の俗字。上を見よ。
           
           
2371 261 ヒヨウ           標に同じ。上を見よ。
           
           
2372 261 ベツ           の俗字。水部を見よ。
           
           
2373 261 コウ ゆみをはりきる おしひろむ     弓を滿るなり。弓をもととし黄を音とす。(形聲)漢書に十賊弩を彍す。百吏前ます。轉義は擴充の義となす。字亦彍に作り又俗に擴に作る。孟子に皆擴めて之を充つ。後人の俗改亦俗に㨯に作る。
カク          
           
2374 262 テキ かく なげる あばく     搔なり。手をもととし𨗁を音とす。(形聲)列子に擿して痟癢无(ナ)しと。轉義は詩經に象の揥なり。傳に髮を摘む所以の者と。摘擿通用と。漢書に姦を發(アバ)き伏を擿す。注に之を動發するを謂ふなり。又廣雅に揥は語るなり嬈るなり戲るなりと轉義の轉なり。又文賦に徘徊して揥する能ず。逖(トホザカル)の代用と。又一に曰く投なりとは棄の代用。字亦擲に作る。史記に以て秦王に擿げうつ。索隱に擿は擲に同しと。
           
           
2375 262 ケツ           襭に同し。衣部を見よ。
           
           
2376 262 ジヨウ           𢹎の俗字。下を見よ
           
           
2377 262 ハク           撲の俗字。上を見よ。
           
           
2378 262 ハン よず         引くなり。(上林賦に仰で橑を_(ヨ)じて天を捫すと。)反_にて形を爲す。手を外に向けてヨジ登るの意。_の字を借りて(象形)となす。_敬と相反し。背手して專ら力を用ゆるなり。或は手をもととし樊(ハン)(カキ)を音とす。(形聲)
           
           
2379 262 ふるう         揮に同じ。上を見よ。
           
           
2380 262 𢸧 ジン           尋の異體。寸部を見よ。
           
           
2381 262 カク さしおく         近出の俗字なり。疑らくは挌の俗字。其義は閣實は𠲱の代用か。枝𠲱はとて遮り禦ぐの義なり。轉じて閣載の義となす。又轉じて措置の義となす。今人の用ふる擱筆の義も庋(タナ)に置くの義なり。
           
           
2382 262 キン ひろう         拾なり。手をもととし麇を音とす。(形聲)字亦攟に作り捃𢹲に作る。方言に攈は取るなり。管子に攟載して而して歸る。注に收拾なり。漢書刑法志に秦法を攈摭す。藝文志に遺逸を捃摭すと。
クン          
           
2383 262 ケン かかげる         衣を摳(カカ)げるなり。手をもととし褰を音とす。(形聲)經傳は褰を以て代用とす。此字攓と混ずべからず。攓はを本字とす。拔き取るなり。亦搴𢷘𢶊に作る。 
           
           
2384 262 サン おなごのて ほそいて       好手なり。手をもととし韱を音とす。(形聲)詩經に々たる女子と。韓詩は繊々に作る。代用字なり
           
           
2385 262 ケン           の俗字。上を見よ。
           
           
2386 262 エイ かかる まつわる       纓の俗字。莊子に人の心を攖す。司馬注に引くなり。崔注に羈落なり。孟子に之を敢て攖する莫し。注に迫なり。淮南子に撓する勿れ攖する勿れ。注に纓なり。或は云く攖は嬰を正字とす。荀子に敵國敢て嬰らす。是れなりと。
           
           
2387 263 𢹎 ジヨウ みだる わずらわし       煩なり。手をもととし_(ジユウ)を音とす。(形聲)ジユウ。ジヨウ。トウ古音轉通す。漢人の隷書は形の相近似するもの通用す。故に_を音とするのは皆憂に作る。故に𢹎も亦擾に作るなり。本義は手に事を執つて煩雜なるなり。轉義は左傳にコ用つて擾れす。書の僞胤征に天紀を擾す。呂覽に水擾るれは則ち魚鼈大ならす。注に渾なり。又管子に乃ち龍を擾(ナラ)し畜ふとはの代用。も亦隷に𤛾に作る。其誤り一なり。
           
           
2388 263 ジヨウ おす ゆずる えしやく しりぞく ぬすむ 推すなり。手をもととし襄を音とす。(形聲)段氏云く手を推し前(スス)ましむるなり。古は推攘の字此の如し。曲禮の注に攘は古の讓の字と(讓の本義は責(セム)なり。)漢書に揖讓の容を盛にす。古は凡そ退讓は攘の字を用ゆ。轉じて人をして退讓せしむるも亦攘といふ。冦を攘し。夷狄を攘す。是れなり。又攘(スス)むとは纕の代用なり。
           
           
2389 263 ケイ たずさう ひつさげる       提なり。手をもととし雟を音とす。(形聲)字亦攜携に作る。左傳に其妻子を攜ふ。淮南子に道に相攜ふ。注に引くなり。又周語に百姓攜貳とは𢥘の代用。𢥘は二心有るなり。二字同音通用す。
           
           
2390 263 シヨウ ひきもつ たすく かかげる     引き持つなり。援助するなり。手をもととし聶を音とす。(形聲)詩經に朋友の攝する所。攝するに威儀を以てす。傳に相攝補する者と。左傳に飲を攝す。注に持(タスク)なり。轉義は論語に齊(衣)を攝(カカ)げて堂に升ると。又禮記の注に王位を攝す。注に代なりとは代の代用。古音通用。又論語に官の事は攝ねず。注に猶ほ兼のごとし。又大國の間に攝す。注に迫なりとは夾の代用なり。
セツ          
           
2391 263 𪎮 さしまねく         麾の本字。毛部を見よ。
         
           
2392 263 𢹬 ヨウ だきかかえ ふさぐ       (イダク)(抱)なり。手をもととし雝を音とす。(形聲)隷俗に擁に作る。廣雅に擁は持つなり。轉義は漢書に天下の區を擁す。又禮記に面を抱蔽す。注に障なりとは邕の代用字なり。
           
           
2393 263 サン うがつ あつむ       鑽の俗字。又或は欑の俗字。内則に柤棃に之を攢すと曰ふ。釋文に本又鑽に作ると。説文に鑽は穿つなり。又説文に欑は一に曰く穿つなり。又上林賦に攢立叢倚。注に蒼頡篇に攢は聚なり。説文に欑は一に曰く叢木なりと。
           
           
2394 263 コウ かきみだす         亂すなり手をもととし覺を音とす。(形聲)詩經に斯に我が心を攪すと。廣韻に攪は動なり。
カク          
           
2395 264 レン かかる ひきつる       係るなり。手をもととし䜌を音とするも(形聲會意)䜌は亂なり拘攣は煩擾の牽引なり。素問に寒多ければ則ち筋攣し骨痛むと。又漢書に攣々として我を顧念とは戀の代用なりと。
           
           
2396 264 ラン つまみもつ とりくくる       撮(ツマミ)持なり手をもととし監を音とす。(形聲)廣雅には取るなり。攬は持つなり。轉義は漢書に城廓の兵をす。注に總持なり。
           
           
2397 264 カク ひつつかむ         なり。(は上より挹むなり)手をもととし矍を音とす。(形聲)周禮の獸人の注に獸の觸攫に備ふと是れなり。
           
           
2398 264 トウ とも         儻の本字。人部を見よ
           
           
2399 264 たけのえだ わかる ささえる     竹の枝を去るなり。手に半竹を持するに從ふと。(會意)然し本義は竹には支といひ。木には枝といふなり。又艸にも支といふ。詩經に芄蘭の支(エダ)とあり。轉じて又本支百世。卽ち連枝なり。又支干は枝榦なり。又轉じて莊子に支離して疏なる者。注に形體支離して完からざる者と。又榰(柱底)の代用は越語に皆其資財の以て長久に支(ササ)ふるに足らさるを知ると是れなり。爾雅に支は載なりと。
           
           
2400 264 ささえる         榰の俗字なり。木部を見よ。
           
           
2401 264 かたむく         㩻䧢(キク)なり。危をもととし支を音とす。(形聲)一切經音義に引く。㩻䧢は傾側なり。安からざるなりと。字亦。嶇崎に作る。連言なり。
           
           
2402 264 もちさる かたむく       持ち去るなり。支をもととし奇を音とす。(形聲)通俗文に箸を以て物を取るを攲といふ。又荀子に宥坐に欹器あり。傾攲して覈り易しとは𢺵の字の代用なり。_は頃(カタムク)なり。匕をもととし。支を音とす。匕は頭の頃なりと。攲を混ずべからず。
           
           
2403 265 ボク かろくうつ         小擊なり。又(テ)(手)をもととし卜を音とす。故に亦扑に作る。攴はチヨツト輕く肩を𨙫(タタ)いて注意する如きの義なり。轉義は凡そ擊つとなす。又鞭笞となす。
           
           
2404 265 コウ たたく かんがう       (タタク)なり。攴をもととし丂を音とす。(形聲)詩經に子に鐘鼓有り鼓せず考せず。傳に擊なり。考も丂を音とす。故に考を以て攷の代用をなす。周禮に攷を待つて而して賞誅す。注に其功を考校するを謂ふ。考校は攷覈なり。字亦拷に作る。集韻に拷は打なり掠なりと。
           
           
2405 265 シユウ おさむ とらう       捕へるなり。攴をもととし丩を音とす。丩糾同意。(形聲會意)糾繩を以て執へ縛するなり。詩經に此れ宜く罪無かるべし。女(ナンヂ)反つて之を收す。傳に拘收なり。又爾雅に收は聚むるなり捄の代用。禮記の注に收は收斂積聚を謂ふ。また漢書に收事。注に租賦を謂ふ。また漢書に收事。注に租賦を謂ふ。儀禮の注に髮を收斂すと。皆是れなり。
           
           
2406 265 コウ うつ せむ おさむ     擊つなり。攴をもととし工を音とす。(形聲)秦策に兩軍相攻む。轉義は考工記に木を攻む。詩經に玉を攻む。傳に錯(トグ)なり。又庶民之を攻(オサ)む傳に作なり。易に愛惡相攻むと。注に摩なり。論語に鼓を鳴して而して之を攻む。又其惡を攻む。轉々義を生ず。又詩經に我が車既に攻。傳に堅なり。荀子に械は兵革を用ふ。攻完便利なる者は強しと。此等は鞏の代用と。
           
           
2407 265 𢻫 しく ほどこす       敷くなり。攴をもととし也を音とす。(形聲)施布。施陳の本字。
           
           
2408 265 カイ あらたむ         更(アラタメル)なり。(カヘルなり)攴をもととし己を音とす。(形聲)葢し己に克つて禮に復へる。會意も兼ぬべし。易に過ちあれば則ち改む。改善更正の謂ひなり。轉義は詩經に敝るれば予又改め爲らん。魯語に政を執つて未だ改めず。注に易なり。儀禮に居を改むれば則ち退を請ふて可なり。注に自ら變動するを謂ふなりと。
           
           
2409 265 シユク みずゆく ながし やすし ところ ながし 行水なり。攴と人と水の省とにて(會意)六書故に唐本を引く行水攸々なりに作る。然れども會意に依れば本義は人をして水中を行せしむるなり。轉じて行水攸々となす。字亦浟に作る。又の轉義は安行して所を得るの意となすと。爾雅に攸は所なり。易に君子往く攸(トコロ)有り。或は云く是れ字音を借りて助語となすものと。又漢書の注に攸は笑ふ貌とは𠧴の代用と。又書經に(馬本)帝の攸に勸むとは迪の代用と。(此迪は邎の代用)又左傳の注に攸は懸危の貌とは悠(ウレフ)の代用。漢碑には以て修の代用となす。
ユウ おさむ        
           
2410 266 ホウ おいはなつ よる はなつ ならう いたる 逐なり。攴をもととし方を音とす。(形聲)左傳に其大夫を放つ注に之を宥して以て遠ざく。轉義は書經に牛を桃林の野に放つ論語に隱居方言。注に置くなり。又廣雅に放は效(ナラ)ふなり。漢書の注に放は象(カタド)るなりと。仿の代用。又論語に利に放つて而して行ふ。廣雅に放は依るなり徬の代用。徬は附行とて依りそうなり。又左傳に獄の放紛。注に縦(ヤリハナシ)なりと。孟子に放飯流歠とは皆妄の代用。又書經に放勳。孟子に四海に放る。丁音に至るなりと旁(ハテ)の代用。又漢書の注に放蕩とは愓の代用。實は敖の代用のみ。
  はて        
           
2411 266 𢻳           扶に同じ。手部を見よ。
           
           
2412 266 𢻶 ベン           鞭の古文。革部を見よ。
           
           
2413 266 セイ ただす まつりごと       正なり。攴をもととし正を音とす(形聲會意)周禮に邦政。注に政は正しからざる者を正す所なり。論語に政有り。馬注に政とは改更匡正する所あるなり。卽ち攵卽ち注意使命して正に就かしむるなり。轉義は政を執る者も政といふ。而して訓と訓ず。此義は或は正を以て本字となすと。
           
           
2414 266 ハン わかつ         分つなり。攴文の(會意形聲)分は又音とす。但し分布なり。攴は爲さしむるの意。經傳は頒。班を以て代用となす。
           
           
2415 266 つよし         彊(ツヨシ)なり。攴をもととし矛を音とす。(形聲)廣雅に劺に作る。
ボウ          
           
2416 266 ビン つよし         彊なり。攴をもととし民を音とす。(形聲)玉篇に敃は勉なり。
           
           
2417 266 おこなう ゆえに ふるし     之を爲さしむるなり。攴をもととし古を音とす。(形聲)段氏云く凡そ之を爲す。必ず之を使(セシム)る者有り。之を使(セシ)めて而して之を爲す。則ち故事を成す。攴(ウツ)は之を使るの意に取ると廣雅に故は事なり。其事體も故なり。楚語に夫れ其故有り。注に猶ほ意のごとし。周禮に國に故あり。鄭語に王室故多し。又周語に故實に咨ふと。古の代用。又發語の辭となす。曲禮に故(ユヘ)に君子は戒愼す。是れなり。
           
           
2418 266 コウ           更の本字。日部を見よ。
           
           
2419 266 コウ うつ たたく       擊つなり。攴をもととし句を音とす。(形聲)經傳は扣。邛を借りて之となす。俗に叩に作る。も亦𧥣の代用とするは周禮に關にす。謁のごとし。
           
           
2420 266           屎に同じ。尸部を見よ。
           
           
2421 266 ダツ かすむ         彊(ミセ)て取るなり。攴(ウツ)をもととし兌を音とす。(形聲)段氏云くは是れ爭の正字。後人は奪を以て代用す。書經に攘矯。又或は脱を以て代用とす。
           
           
2422 267 コウ ならう         象(カタド)るなり。(似せるなり)攴をもととし交を音とす(形聲)上之を行ひ下之に效ふと。攴はせしむる者あるの意。字亦に作る。儀禮の注に則りふ可しと。俗に亦効傚俲に作る。詩經に是れ則り是れ傚ふ。後人の改寫のみ。元は效に作る。又荀子に此に由て之を效(アキラ)かにす。方言に效は明なり。覺の代用。廣雅に驗なりと同じ。又效は考なりとは榷又は覈の代用。校を用ふるものあり。音通のみ。
           
           
2423 267 𢼜 セキ           赦に同じ。下を見よ。
シヤ          
           
2424 267 カン とどむ         止なり。攴をもととし旱干を音とす。(形聲)書經に我を艱に𢽎む。今本は扞に作る。攴手は通用多し。𢽎扞は元同字なるべし。
           
           
2425 267 ジヨ ついづ ついで       次弟(シダイ)(第の本字)なり。攴をもととし余を音とす。(形聲)攴(ウツ)は次弟あらしむるなり。經傳多く序を以て代用す。音通字なり。轉義は次弟あるをいふ。秩敘なり。書經に百揆時に敘づ。周禮に次敘を以て地を分つ。而して市を經す。注に肆(ミセ)の行列なり。又緒の代用をなす。
           
           
2426 267 𣁋 ちいさし こまか かすか     妙なり(秒なりの誤り)人と攴の(會意形聲)豈を音とす。豈は樂(ガク)なり。人をして豈樂を爲さしむ。其音は𣁋秒なるなり。秒は禾の芒の細纖なるもの。以て𣁋細の意となす。漢人は眇を以て代用。又經傳は微を以て代用す。爾雅に式微。微より微なる者なりと。法言に君子は微に厥(ソ)のコを愼む。注に纖なり。禮記に微にして而して臧(カク)る。疏に幽隱を謂ふ。皆𣁋の代用。
           
           
2427 267 キヨウ おしえ おしう       上の施す所にして(攴の意)下の效(ナラ)ふ所なり(𡥉の意)攴𡥉の(會意)_は效ふなり。子をもととし爻を音とす。禮記にヘなるものは。善を長して。其失を救ふ者なりと。荀子に善を以て人に先んづる者を之をヘと謂ふ。虞書に敬んて五ヘを敷く仁義禮智信なり。
           
           
2428 267 ビン とし はやし さとる     疾なり。攴をもととし毎を音とす。(形聲)毎は母を音とす。ボ。カイ。ビン古音は轉通す。論語に言に訥にして行に敏ならんを欲す。疏に疾速なり。又敏にして學を好む。注に識るの疾なり。回や一を聞いて十を知ると是れなり。
           
           
2429 267 キユウ とどむ すくう       止むるなり。攴をもととし求を音とす(形聲)攴は止むるの意とす。周禮の注に救とは禮を以て人の過ちを防禁するなり。轉義は禮記に扶服して之を救(スクフ)と。注に猶ほ助のごとし。論語に女救ふ能はざるか。馬注に止なり。
           
           
2430 267 ギヨ とどむ がつきのな       禁なり。攴をもととし吾を音とす。(形聲)字亦捂に作る。𠵦と音義近し。禁は止なり。一に曰く樂器。控掲なり。形は木虎の如し。書經に柷敔是れなり。樂を止むるもの。
           
           
2431 268 チヨク いましむ みことのり       誡むるなり。攴と束の(會意)攴(ウツ)て之を收束せしむるの意なり。漢書に敕身齊戒。注に謹敬の貌なり。亦勅に作る。攴力往々通用す。俗に勑(ライ)(勞の義)を以て勅に當つるは非なり。書經に天の命を勅す。傳に正なり。又獨斷に天子の命令。一に曰く策書。二に曰く制書。三に曰く詔書。四に曰く戒書。卽ち所謂る敕なり。又説文に地に臿(サス)するを敕と曰ふとはの代用なり。○又敇(サク)と混ずべからず。敇は馬を擊つなり。攴をもととし朿を音とす。音義迥かに異る。
           
           
2432 268 ハイ やぶる こぼつ       毀るなり。攴貝の(會意)貝は則の省なるべし。則も亦𠟻に作る。法則を攴(ウチ)壞るは毀敗のことなり。轉義は爾雅に敗は覆(クツカヘス)なり。釋名に敗は潰(ツヒユル)なり。詩經に正に敗れ俾(シム)る無れ。箋に壞なり。書經の序に夏の師敗績す。傳に大に奔るに敗績と曰ふ。禮記に四方に敗あり。注に過災を謂ふと。
           
           
2433 268 ゴウ いであそぶ おごる みだり     出游なり。出と放の(會意)俗に遨に作る。詩經に以て遨し以て遊ぶと後人の改寫のみ。毛は元敖に作る。爾雅に敖は戲なり。𢠽なり。又爾雅に敖は戲謔なりとはの代用。又管子の注に慢にして而して恭ならざるを敖と曰ふとは傲の代用。又荀子に敖然として燒くが若しとは熬の代用。又廣雅に敖は妄なりとは謷の代用なり。
           
           
2434 268 シヤ ゆるす おく       置くなり。攴をもととし赤又は亦を音とす。(形聲)。セキ。エキ。シヤ古音は轉通す。周禮に三刺。三宥。三赦の法と。葢し放置の如きなり。
           
           
2435 268 サン まざりにく ちらす ちらばる     雜肉(マゼニク)なり。(コマ切り)肉をもととし𢽳を音とす。(形聲會意)此字は𢽳の代用にて行はる。は分離なり。攴と𣏟(ヘイ)の會意𣏟(アサ)は𢽳の意。葢し凡そ分散の義は皆𢽳の代用なり。
           
           
2436 268 ヘイ ひとはばきれ やぶれころも   なり。一に曰く敗衣なり。㡀(ヘイ)と衣の(會意形聲)㡀は音を兼ぬ。巾部に㡀は巾布の敗れたるなり。巾をもととし。_は指事象形。然れば敗れたるは㡀で敗るは敝なり。攴が意を見はしている。然も兩義通ず。轉義は詩經に敝笱梁に在り。左傳に韓に敝る。又國家靡敝の類とす。然らばなりとはの代用か。古音ヘイ。ハツ通ず。
           
           
2437 268 ネン ふさぐ ひねる       捻の本字なり。手部を見よ。
           
           
2438 268 敞󠄃 シヨウ たかくひらたきところ ものみどころ   高土を平治し。以て遠望す可し。攴をもととし尚を音とす。(形聲)段氏云く。惟れ平治す。故に字は攴に從ふ。後人は乃ち高土の以て遠望す可きを謂ふて敞と爲す。而して其本始に昧し。
           
           
2439 269 テン つかさどる つね       主(ツカサド)るなり。攴をもととし典を音とす。(形聲)但し典に從つて行ふ。會意も兼ぬべし。經傳は典を以て代用す。廣韻に典は主なり。常なり。法なり。經なりと。是れなり。
           
           
2440 269 𫾻 あなどる         侮るなり。攴をもととし易を音とす。(形聲)凡そ慢易。輕易。難易。難易の易はの代用なり。經傳は皆易を用ひては廢せられたり。又易を見よ。
           
           
2441 269 はたす しあげする       研治するなり。攵をもととし果を音とす。(形聲)廣雅には椎なり。擊なり。此を果敢。果斷の果の本字となす。
           
           
2442 269 サン ちる         散開。散亂の本字。散の下を見よ。
           
           
2443 269 カン すすみとる あえて       進み取るなり。𠬪(ヘウ)をもととし古を音とす。(形聲)説文の字形説は誤る今周古文に據るに又(テ)をもととし。𣝓を音とす。_は象形。又甘を音とす。形聲字の音の重なるの例なり。故に敢甘音近し。又三蒼に敢は必ず行ふなり。轉義は大戴禮に潔廉にして果敢なる者。注に憂へず懼れず。廣雅に敢は勇なり。犯なり。又儀禮に臣敢て辭す。注に勢を用(モツ)て決するの辭なりと。亦果敢の轉義のみ。
           
           
2444 269 トン いかる そしる しかる たそ あつし 怒るなり。詆(ソシ)るなり。一に曰く誰訶(タレゾ)やと。攴をもととし𦎫(ジユン)を音とす。(形聲)ジユン。トン。タイ古音轉通す。葢し本義は責訶なり。卽ち敦何(タレダア)とドナルなるなり。又曲禮に善行を敦くして而して怠らず。老子に敦たり兮其れ朴の若し。注に質厚なり。皆惇の代用。又爾雅に敦は勉なり。漢書の注に勸なりは諄の代用。又詩經の敦弓はクの代用。又淮南子に敦は盛なりは焞の代用。又方言に敦は大なりは𡗥の代用。又詩經に敦たる彼の行葦は傳に聚なりとの代用。左傳に敦陳整旅も同じ。又周書に一卒の後に居るを敦と曰ふは。殿實は臋の代用。又詩經に敦琢たる其章は琱の代用。又周禮に度量敦制は準の代用と。又代用多し。
タイ つとむ        
           
2445 269 ヤク ひざし ひあし ひかり     光景の流るるなり。白と放の(會意)白は日光で放は流るるの意。放流なり。
           
           
2446 269 𢽮 サツ           殺の俗字。殳部を見よ。
           
           
2447 269 𢽯 サツ           上に同じ。
           
           
2448 269 ソク つづみうつ         鼓を擊つなり。支をもととし壴と(會意)す。壴は_卽ち鼓の象形。經傳は鼓を以て鼔の代用をなす。
           
           
2449 270 敬󠄂 ケイ うやまう つつしむ       肅(ツツシム)なり。攴苟(キヨク)の(會意)攴は愼重ならしむるの意。苟は自ら急敕にするなり。詩經に既に敬し既に戒す。箋に警(イマシム)なり。儀禮に門に入て敬を主とし。堂に升ては愼を主とす。周禮に廉敬。主として位に解(オコタ)らざるなり。論語に己を修むるに敬を以てす。左傳に敬はコの聚。又曰く敬はコの基なり。曲禮の注に貌に在て恭と爲し。心に在て敬となすと。此敬は憼の代用なり。心部に_は敬なり。心をもととし敬は音を兼ぬと形聲會意。言には警といふ。
           
           
2450 270 敷󠄃 しく         𢻫(ホドコス)(施の本字)なり。攴をもととし尃を音とするも(形聲會意)尃は布(シク)なり。寸(テ)をもととし甫を音とす。尃𢾭は殆と同字なり。經傳は布又は傅を以て𢾭を代用す。書經に敷奏言を以てす。傳に陳(ツラヌ)るなり。俗に舗に作る肆舗は肆陳の所なり。
           
           
2451 270 コウ よこなぐり うつ       横撾なり。(撾は𥬸(ダ)と同じムチウツ)攴をもととし高を音とす。(形聲)又毃を頭を擊つと訓ず。攴殳は同意通用す敲毃は同字にて一義は轉用なるべし。左傳に杖を奪つて以て之をつと。漢書の注に敲を短杖となす轉義なり。
           
           
2452 270 㪤󠄀 ヒツ おわる         盡すなり。攴をもととし畢を音とす。(形聲)攴は手なり。事の終りなり。經傳は畢を以て代用す。
           
           
2453 270 敵󠄂 テキ あだ あたる       仇なり。攴をもととし啇を音とす。(形聲)テイ。テキ一轉音なり。書經に敵讎を相爲す。秦策に四國の兵敵す。轉義は爾雅に敵は當なり。廣雅に匹(アイカタ)なり。輩なり。正なり。主なり。釋名に嫡は敵なり。匹と相敵すと。實は嫡を敵の代用となす。嫡は義少く別なり。又經傳には𨗁を以て敵の代用をなす。
           
           
2454 270 チン つらぬ ならべる       列なり。攴をもととし陳を音とす。(形聲)經傳は陳を以て代用す。轉義は戰陳となす。兵をぬるなり。俗に亦陣に作る。
           
           
2455 270 數󠄄 スウ かぞえる かず せむ こまか   計へるなり攴をもととし婁を音とす。(形聲會意)婁に空明疏通の意あり。計數して通明なり。老子に善く數ふれば籌策を用ひずと。周禮に歳の上下を以て邦用を數ふ。轉義は廣雅に數は術なり。史記に之を卜數に試むと卜術なり。廣雅に數は貴なり。秦策に韓倉をして之を數(セメ)しむ。爾雅に數は疾なり。論語に君に事へて數(シバシバ)す。孟子に數(コマカイ)罟洿池に入らず是なり。又禮記に己の遲數を知らずは速の代用と。
サク          
           
2456 270 𢿢 ラン みだる         煩なり。攴(ウツ)をもととし。𤔔と(會意形聲)𤔔は音を兼ぬ。經傳は亂を以て代用す。亂の本義は理なり。義は𢿢と相反す。今𢿢は廢せり。
           
           
2457 271 セイ ととのう         齊ふるなり。攴(ウツ)と柬(タバネル)と正すの(會意形聲)正は亦音とす。物品の荷造りをするに。括りてトントン叩(タタキ)ながら仕上げる卽ち整なり。左傳に禮は民を整ふる所以なり。疏に整理なり。月令に整設。注に正列なり。呂覽に行陳整齊なり。
           
           
2458 271 レン おさむ         收(オサム)るなり。攴をもととし僉を音とす(形聲)書經に用て讎斂を乂む。鄭注に賦斂を謂ふと。葢し多數を收束するなり。皆は同なり。又藏なり。或は會意もあるべし。攴は急收の意となす。
           
           
2459 271 𣀤 カイ           壞に同じ。土部を見よ。
           
           
2460 271 ガク           學に同じ。子部を見よ。
           
           
2461 271 𣀮 ジヨウ           攘に同じ。手部を見よ。集韻は攘の古文とす。
           
           
2462 271 ヘン かわる         更(カハ)るなり。攴をもととし䜌を音とす(形聲會意)䜌は亂るなり。䜌を攴(ウチ)正して更改せしむるなり。ラン。ヘン轉音なり。中庸に動けば(攴の意)則ち變ずと。注に惡を改めて善と爲すと是れなり。小爾雅に變は易なり。廣雅に變は𠤎(クワ)(化)なり。易に變通なる者は時に趣く者なり。書經に黎民於(アア)變り時(コレ)雍(ヤハラ)ぐと。
           
           
2463 271 ブン ふみ あや       錯(マジハル)畫(フデアト)なり。交文(交互の線)に象る。(象形)文字の文なり。轉義は易に天文。人。文。及び鳥獸の文となし。物相雜るも文といふ。又文章とは彣彰の代用。文飾。文華。文藻。文繡と又論語に文莫は吾れ猶ほ人のごとしと。サ(ツトム)の代用。
           
           
2464 271 ハン まだら ぶち       駁(ブチ)文なり。文をもととし辡を音とす。(形聲)字亦斑斒に作る。禮記に斑白の者。注に髮の雜色なり。蒼頡篇には文の貌なり。通俗文に文章之を斒斕と謂ふ。或は以て班の代用をなす。廣雅に班は分つなりと。是れなり。然れば班通用して而して後にが斑となるなり。
           
           
2465 271 ヒン           份卽ち彬の俗字。彡部を見よ。
           
           
2466 271 あやまり うるわし       分別の文なり。文をもととし非を音とす。(形聲)但し非に分るるの義あり或は會意あるべし。大學に斐たる君子あり。注に文章あるの貌なりと。彣彰分明なり。
           
           
2467 272 ヘン           の俗字。上の斑を見よ。
           
           
2468 272 ラン           爛の俗字。火部を見よ。
           
           
2469 272 モン           釁に同じ。酉部を見よ。
         
           
2470 272 はかり ます       十升なり。(象形)柄ありと。_を謂ふ。_は十升を容るる所の形。・は十升の意なり。月令に角斗甬と。又轉義は酌むとなす。詩經に酌むに大斗を以てす。又斗陗は峻絶。字音を借る。發聲の辭となすなりと。
           
           
2471 272 リヨウ はかる おさむ       量るなり。米の斗の中にあるなり。(會意)輕重に量と曰ひ。多少に料と曰ふ。轉義は晉語に民を太原に料る。注に數(カゾヘル)なり。又晉書に料理すとは撩の代用。撩は理なり。撩料音通ず。
           
           
2472 272 コク ますめ         十斗なり。斗をもととし角を音とす。(形聲)漢書律歷志に量は龠に躍し。合に合し。升に登り。斗に聚り。斛に角す。角は覈の代用。覈實なり。又斛は多少の量を斗平す。斠の代用なり。
           
           
2473 272 シヤ はかりこむ ななめ       抒(ク)むなり。斗をもととし余を音とす。(形聲)ヨ。シヤ一轉音なり。抒は挹(ク)むなり。段氏云く俗人は乃ち人物の(ヨコシマ)正を以て邪(ヨコシマ)に作り。物の(ナナメ)正は斜(ナナメ)に作る。𣢑(ワラフ)へしと。邪斜は俗字の代用なり。
           
           
2474 272 シン ちりれんげ くむ とる     勺なり。斗をもととし甚を音とす。(形聲)葢し勺は酌むべきの器なり。轉じて酌むの義となす。周語に王斟酌す。注に取るなり。後漢書の注に斟酌は其意を取るを謂ふと。又轉じて方言に斟は汁なり。史記に廚人斟を進む。索隱に斟は羹勺を謂ふと。
           
           
2475 272 カク ますめをただす       斗斛の量を平かにするなり。斗をもととし冓を音とす。(形聲)凡そ較量。校讎。皆斠の代用なりと。
           
           
2476 272 アツ しやくしのえ めぐらす       蠡(レイ)(シヤクシ)の柄なり。斗をもととし倝を音とす(形聲)カン。アツ古音は轉通す。柄軸は以て運用すべし。故に斡旋の義となす。漢書に斡流すと。又幹の代用とす。
           
           
2477 273 キン きこりのおの はかり あきらか   木を斫るの斧なり。(象形)又字音を借りて量目の名となす。漢書に十六兩を一斤となす。斤は明なりと。此はマの義なり。詩經にマ々として其れ明かなり。
           
           
2478 273 セキ すたれいえ         の俗字。广部を見よ
           
           
2479 273 ソウ おののたぐい       方銎(キヤウ)(柄を通す穴)の斧なり。斤をもととし爿を音とす。(形聲)然も周文の偏旁は____に作る。象形。篆文は古文を音とするのみ。
シヨウ          
           
2480 273 斧󠄂 おの         斫(キ)るの用を爲すなり。斤をもととし父を音とす。(形聲)古文は(象形)易の旅に其資斧を得たり。注に荊棘を除いて以て其舎を安んずる所以なり。轉義は禮記に天子は斧依を負ふ。注に斧文の屏風なりと。
           
           
2481 273 ザン きる         𢧵(セツ)(截の本字)なり。車斤の(會意)車は車裂きの刑。斤は斧鉞又刀斬の刑なり。斬罪を本義とす。周禮に賊諜を斬殺す。轉義は釋名に三年の縗(喪服)を斬と曰ふ。其末を緝(ヌヒ)せす。直(タダ)翦斬(キリハナシ)のみと。廣雅に斬は裂なり。斷なり。裁なり。
           
           
2482 273 この         析(サク)なり。斤をもととし其を音とす。(形聲)又字音を借りて語詞となす。爾雅に斯は此なり。詩經に何ぞ斯れ斯に違ふ。論語に斯れ焉ぞ斯を取らんと。或は云く此の代用なりと。又連言して義をなすものは禮記に禮樂は斯須(シバラク)も身を去る可からす。注に猶ほ須臾のごとしと。
サク          
           
2483 273 シン たきぎとる あらた あたらし     木を取るなり。斤をもととし𣓀(シン)を音とす。(形聲)を省いて𣓀に作る。木を斫(キリ)て取り入れたるままの生(ナマ)木が新で。此を收積したるを薪となす。新の轉義は新鮮なり。廣雅に新は初めなり。詩經に彼の新田に於てす。太玄に新鮮自ら珍を求む。注に新鮮は清潔の貌なり。穀梁傳に新宮は禰宮なり。詩經に新廟奕々なり。箋に舊を修するを新と曰ふ。又禮記に棗に之を新すと曰ふ。𤴡の代用。爾雅は正に𤴡に作る。柢(ネ)を去るなり。𤴡の轉義なり。又書經に惟れ朕が小子其れ新(ミヅカ)ら迎ふとは親の代用なり。
           
           
2484 273 𣃔󠄁 ダン たつ わかつ       𢧵(セツ)(截の本字)なり。斤と𢇍の(會意)𢇍は絶の古文。此反形の㡭は繼の古文なり。今の通用字を斷に作るは書寫に便にするなり。易に木を𣃔つて杵となす。轉義は又曰く其利は金を𣃔つ。淮南子に是として而して之を行ふ。故に之を𣃔と謂ふと。大學に𣃔々兮。注に誠一の貌と。釋名に𣃔は段なり。分つて異段と爲すなり。又公羊傳に𣃔脩(ウチカハカス)とは段(ウツ)の代用なり。
           
           
2485 274 ホウ ならぶ くらぶ しかく かた まさに 併(アハセ)船なり。が兩船の省きで_が船首を合せ總ぶるの形とす。(省文象形。)或は水を以て會意す。詩經に之に方し之に舟す。轉義は廣雅に方は類なり。楚語に方物。注に別つなり。論語に子貢人を方す。集解に人を比方するなり。孟子に欺くに其方を以てすと是れなり。或は云く此等は仿(象(カタ)どる)の代用と又方圓は古は□○に作る。方は代用。方版。方策。囗の轉義なり。又廣雅に方は大なりとは旁(ハテ)の代用。又書の朔方は傍(カタハラ)の代用。孟子に命に方(タガ)ふ妨の代用。又論語に仁の方角と謂ふべきのみ。孔注に道なり。素問に余方士に聞く。注に方術に明悟なるの士と通ず。皆法の代用と。轉音通用なり。又字音を借り發聲の詞(マサニ)となす。
           
           
2486 274 おいて         烏に同じ。火部を見よ。
           
           
2487 274 𣃚 コウ ふなわたし ふね       舟を方(ナラベ)るなり。方をもととし亢を音とす。(形聲)禮に天子は造舟。諸侯は維舟。大夫は方舟。士は特舟。爾雅亦同し。孫注に舟を比して梁と爲す。淮南子に舟航。注に舟の相連るを航となす。亦航に作る。
           
           
2488 274 旁󠄂 ホウ おおいなり ひろし みつる     旁溥(磅礴の本字)なり。二は上の字(天の意)_は囗に同じ。(方円の方)説文に_は闕と。(ワカラヌ)といふてゐるは疎漏なり。方を音となす。(會意形聲)葢し上天四囗(ホウ)(地は略す)の間に溥大し充實するなり。禮記に旁達とあり。疏に四面の謂ひと是れなり。中より充實すれば四旁に迫達するなり。故に亦旁側の義となす。旁傍音義同じ。又轉じて周書に天子に旁ふて而して堂上に立つ。注に差ふて後に在るなり。傍の代用と。又考工記に旁を以て鳴く(蟬の類)とは膀の代用。又荀子に旁辟曲私の屬注偏頗なりとはの代用。又儀禮に旁狎せずとは妄の代用。又漢書の注に旁は依るなり。附なりとは徬の代用。又楚辭に志極有て而して旁無し。注に輔なりとは榜の代用なり。又連言して義をなすものは玉旁唐。索隱に盤薄を言ふと。盤旁音通。又史記の注に旁皇は猶ほ徘徊の如し。又詩經に雪ふる雱たり。傳に盛なる貌と。亦形況字のみ。
           
           
2489 274 ユウ はたのながれ       顧野王の引く説文に旌旗の流れなり。(をもととしの省きを音とす)知る古本は_に作る。今本_に作るは誤りなり。顧氏字書を引く。水部に游は亦のの字なりと。今本説文の誤り明かなり。は卽ち遊の字なり。古流を以て斿となす。依て字亦旈に作る。又或は游を以て斿となす。音通なり。
           
           
2490 274 ハイ           旆の俗誤。下を見よ。
           
           
2491 275 はたなびく ほどこす       旗の旖施(イイ)(ナビク)なり(エン)(旂の流れ)をもととし也を音とす。(形聲)也它同字。タ。ヤ。イ。シ轉音なり。施は多く𢻱の代用にて行はる。易にコの施し普きなり。論語に有政に施す。又凡そ陳施(ツラヌル)の諸義是れなり。又孟子に施(マガリクネル)して良人の之く所に從ふ。迆の代用。周禮に其施舎を辨ず。注に廢なり。弛(ユルム)の代用。又詩經に孫子に施(ノ)ぶ。箋に易(カハル)なり延(ノビル)なりと迻(ウツル)の代用。又論語に勞に施(ホコ)る無し。侈の代用。又廣雅に雅に施は_(イ)なりとは(アナドル)の代用なりと。
         
         
2492 275 はた         旗に衆鈴あり。以て衆に令するなり。(エン)をもととし斤を音とす。(形聲)キン。キは一轉音なり。考工記に龍旂九斿と古文に_に作るは其象形なり。又禮記に旂は十有二旒とは旗の代用なりと。又周器の銘に多く曰く。以て萬年睂壽無疆を旂るとは。祈の代用をなす。又説文の古文は近の代用をなす。
           
           
2493 275 𣃦 コツ           勿に同じ。勹部を見よ。
           
           
2494 275 ボウ はたざののうえのかざり はたのな     幢なり。と毛と(會意形聲)毛は音を兼ぬ。幢は橦の俗字。旗頭の毛飾なり後或窒用ふ。字亦毣に作る。書經に白旄を秉る。孟子に喋ヤの美を見ると。字亦に作る。詩經の箋に主君の車。又晉語に喋ヤ齒革。注に旄牛尾なりとは氂の代用と。又禮記に旄期にして道に稱ひ亂れずとは𧂎(耄)の代用なりと。
           
           
2495 275 セン はたのな しきもの ことば これ   旗の曲柄なる者なり。士衆を旃表する所以なり。をもととし丹又は亶を音とす。(形聲)朱駿聲云く絳帛にて畫かず。其柄の上は曲る。周禮に通絹と爲す。注に大赤を謂ふと。又漢書に細旃の上とは氈の代用。又字音を借りて。助詞となすものは。小爾雅に旃は焉なり。詩經に旃(コレ)を愼まん哉と。
           
           
2496 275 リユウ           旒と皆斿の俗字。但し流を借りて斿となし。後に旒に作る。
           
           
2497 275 ハイ はたのあし たる ながし     旐に繼くの帛なり。沛然として垂る。をももととし巿を音とす。(形聲)朱駿聲云く旐の末に繼く燕尾の如し。旆は仍ほ絳帛を用ゆ緇布を用ふ。旐の長さ八尺旆も亦長さ八尺なりと。
           
           
2498 275 リヨ いくさびと もろもろ たびびと     軍の五百人なり。古の旅團なり。(ハタ)と从(二人)の(會意)古文に依れば車の上に軍旗が立てられ其下に三人居る。三は衆の意なり。字義は字形にて知るべし。轉義は爾雅に旅は衆なり。禮記に進旅退旅。注倶(トモニス)なり。詩經に_核維れ旅らぬ儀禮に賓以て西階の上に旅酬す。注に序なり。或は呂を以て代用し俗に侶に作る。聲類に伴は侶なりと。爾雅に旅は陳なり。又廣雅に旅は客なり。羈旅。旅館同じ。皆廬の代用。盧は寄なり。又書經に旅力。膂卽ち呂の代用。説文者の字の解に_は古文の旅と。然も此は黍の字。旅の代用をなす。
           
           
2499 276 セン くるり めぐる       周旋は旌旗の指麾なり。と疋(グワ)の(會意)疋は足の意なり。旗竿の下部の_是れなり。旋の設けありて竿がクルクルと回はるなり。轉義は禮記に周旋規に中り。折旋矩に中る。周語の注に周旋は容止なり。左傳に君と周旋す。注に相追逐するなりと。又漢書に旋璣とは琁の代用なり。
           
           
2500 276 しく         尃の俗字。攴部の敷下を見よ。
           
           
2501 276 セイ はた しるす あらわす     游車には旌を載す。窒析(サ)いて旄首に注す(竿の首に附ける)士卒を精進する所以なり。をもととし生を音とす。(形聲)又按ずるに生に精進の意あり。或は會意を兼ぬべし。轉義は廣雅に旌は表なり。周語に車服旗章を爲つて以て之を旌す。思玄賦に性行を旌して以て佩に製すと。
           
           
2502 276           施の俗字。上を見よ。
           
           
2503 276 ゾク やじり やから       矢の鋒なり。矢の根なり。之を束ぬる族々なり。(ハタ)の下に矢が聚る(會意)旗の下矢が澤山に有るとの意にて其義を見はす。一種の作字法なり。此字は經傳に屬の代用にて行はる。詩經に公の族に異る。傳に公の屬なり。書經に九族既に睦じ。又轉じて周禮に百族を主と爲す。注に百姓(官)なり。楚語に中軍王族に在るのみ。注に部屬なり。皆正字を以て借字を釋(トク)す。又左傳の疏に別つて而して之を稱す。之を氏と謂ひ。合せて而して之を言ふ。則ち族と曰ふと。又爾雅に族生を灌(木)と爲すと。
           
           
2504 276 はたなびく なびく しなやか     旖施は旗の貌なり。をもととし奇を音とす。(形聲)段氏云く旗に旖施と曰ひ。木に施と曰ひ。禾に倚移と曰ふ。皆讀む阿那の如しと。詩經に猗儺に作り。楚辭に旖旎に作る。皆音に主とす。
           
           
2505 276 はた         熊旗とて六斿(ナガレ)あり。をもととし其を音とす。(形聲)士卒は以て期をなす。(約束合圖をするなり)非常徴収に用ふべし。轉義は凡そ諸旂の總名となし。又旗章旗識となす。又月令に旗章。注に旌旗及び章識なり。又西京賦に。旗亭。注に酒樓なりと。旗を立つるなり。
           
           
2506 276 ハン はたのはば         幅胡なり。旗幅の下垂する者を謂ふ。をもととし番を音とす。(形聲)_は旛にて_は斿なり。釋名に旛は幡と然なり。借字を以て本字を解く。又後人は多く幡を以て代用とす。八幡神是れなり。然も幡と旛と音同じく義は迥かに異るなり。
           
           
2507 277 なし         説文に_(ナシ)の古文奇字としてあるも。_は漢以後の字にして。周秦までは唯だ(無)あるのみ。ナシと訓ずは亡の代用なり。然れば无は亡の奇字別體となす。今は易經にのみ見ゆ。或は道家の字ならんか。字形は下人にて上の二未だ詳かならず。二は陰の數。无或は人の死亡となすか。
         
           
2508 277 旡󠄅 むせる         飲食の屰(キヤク)(逆)氣にて息するを得ざるを旡と曰ふ。反欠にて義をなす。(假借)なり。(欠)は口を張つて氣の悟(トケル)するなり。_は_と同じく。_も_と同意なり。其欠の氣息が出づる能はず卽ち旡と欠は亦轉注の例にも似たり。
           
           
2509 277 サン かんざし         簪の本字なり。竹部を見よ。
           
           
2510 277 旣󠄁 すこしくらう すでに       小食なり。皀(キヤウ)(粒食)をもととし(キ)を音とす。(形聲)旡とは欠(アクビ)の反形で飲食の氣が逆し息するを得ず故に大食はできぬなり。會意を兼ぬるか。既の字の音を借りて語詞となす。巳(スデニ)と訓ず書經に九族既に睦し。廣雅に既は巳なりと。或は巳の字の轉義か。
           
           
2511 277 ジツ         實なり。太陽の精は虧(カ)けず。(象形)○中の・が其意なり。然れば本來○(圓の本字)を借りて輪廓となし。・を以て充實の意を指し示す。指事に近し。易に日月と其明を合す。書經に時月を協し日を正す。洪範の疏に夜半より明日の夜半に至る。十二辰を周るを一日と爲すと。
           
           
2512 277 タン あした あきらか       明なり日の一の上に見はるるなり。一は地なり(象形)古文は日が地を未だ離れきらぬ下部は暗き意なり。易に明地上に出づ。儀禮に明旦にして事を行ふと。又重言して義をなすものは。詩經に信誓旦々たり。説文は引く𢘇々に作る。又莊子に旦宅有つて而して情死なし。李注に怛に作る。怛の代用。月令に鶡旦はの代用。
           
           
2513 278 うまし よし むね     美(ウマシ)なり。甘をもととし匕(ヒ)を音とす(形聲)ヒ。シ一轉音なり。古文は千甘の(會意)禮記に嘉肴ありと雖も食は弗(ザ)れば其旨きを知らずと。論語に旨(ウマキ)を食うて甘からず又王制に旨(ムネ)有り。注に意となすの代用なり。
           
           
2514 278 ソウ はやし わせ どんぐり     (アシタ)(晨夕の本字)なり。日の甲上に在るの(會意)甲は孟(ハジメ)陽の氣の萌(キザシ)動なりと。早春に艸木の種が甲(カイワレ)を頂いて出づるなり。轉義は齊策に早く之を救ふ。注に疾なり。或は蚤を以て代用とす。詩經に既に方し既に皁す。傳に實の未だ堅からざる者を皁と曰ふ。皁は誤字なり。又草の代用をなす。周禮に其植物は早物に宜し。注に柞櫟の屬(の實なり)此義の字は誤つてpにも作る。又史記に牛馬皁を同うすとは槽の代用なり。亦早の誤り。
           
           
2515 278 ジユン ひとまわり あまねし       徧なり。十日を旬と爲す。勹(ホウ)日の(會意)勹は包圍なり。一から十まで一と回はりの意なり。徧帀(匝)するなり。古文は奄ノ從ふ亦徧の義とす。書經に朞三百有六旬有六日。又三旬と一ヶ月なり。又焔マ敒の代用をなす。
           
           
2516 278 キヨク あさひ あきらか       日の旦(アシタ)に出づる貌なり。日をもととし九を音とす。(形聲)キウ。キヨク一轉音なり。詩經に旭日始めて旦なり。傳に日の始めて出づ。大マ(アサヒ)の時なり。轉義は一に曰く明なり。キラキラと光るなり。
           
           
2517 278 カン ひでり         雨ふらぬなり。日をもととし干を音とす。(形聲)干は借りて乾(カハク)の意とすべし。乾燥の會意あるべし洪範五行傳に旱の言ひたる乾(カハク)なり。墨子に二穀の收まらざるを旱と謂ふ。又_は晩なり日をもととし干を音とす。此は疑らくは旱に同じ。晩なりとは晩の代用なるべし。左傳に日旰れて召さず。注に日の晏なり。又或は晏の代用。干。免。安。音通す。
           
           
2518 278 旳󠄀 テキ あきらか         的の本字なり。白部を見よ。
シヨウ          
           
2519 278 コウ われ きみ あぐ     古此字なし。玉篇に昂は我なり。君子のコなりと。卽ち卬の俗字。君のコは日の卬(アウグ)べきが如し。卬の轉義なり。升の俗字を昇に作ると同例なり。卬は望欲して庶及する所あるなり。匕(ヒ)(比)は望欲庶及。親昵なり。卩(節)は其所なり。故に仰くとなす。詩經に高山は卬かんと。卬仰音義略ほ同じ。
           
           
2520 278 とき         時に同じ。下を見よ。
           
           
2521 279 オウ ひかりうつくし さかんなり     光の美なり。日をもととし往を音とす。(形聲)日光の盛にして美なるなり。周器の文は以て皇祖皇宗の皇となす。
           
           
2522 279 𣅳 シヨク かたむく         日の西方に在つて時に側するなり。日をもととし。_又は仄を音となすも(形聲會意)_仄皆傾側の義あるなり。
           
           
2523 279 コン おなじ あに むし     美言なり。日比の(會意)日々相比次す。同じことなり。又經傳の昆(アニ)弟(ヲトト)は𥊽(コン)の代用。爾雅に昆は後なり。上の轉義。又夏小正に昆は小蟲。衆なりと(コン)の代用。又昆侖は連語。字音に取る俗に崑崙に作る。
           
           
2524 279 シヨウ よきことば さかん       美言なり。日と曰(イハク)の(會意)日は美明。曰は言なり。書經に禹は昌言を拜す。昌言は善言なり。孟子は讜言に作る。又日光と訓ず晃の代用。廣雅に昌は光なり盛なりと。詩經に爾をして昌にして熾ならしむ。楚語に天明昌作と是れなり。又白虎通に。八風昌とは閶𨵵の代用。
           
           
2525 279 シヨウ のぼる         升の俗字。詩經に日の升るが如しと本字。但し升は量目。マスなり。ノボルとは登の代用。漢以後の人は日を加へて昇に作る。
           
           
2526 279 メイ あきらか         昭(アキラ)かなり。月をもととし囧は音を兼ぬ。囧(ケイ)は窗明(アカ)りなり。(形聲會意)ケイ。メイ一轉音なり。古文は日月の(會意)又俗に囧が目に譌し眀の俗字出づ。轉義は大學に明コを明かにす。注に其至コを顯明にす。爾雅に明星之を啓明と謂ふ。齊策に。寡人の明に叛わず。注に審なり。禮記に其明器と曰ふ。之を神明にするなり。爾雅に明々は察なり。重言義をなす。
ミヨウ          
           
2527 279 キン あした あさひ あきらか     旦なり。明なり。日の將に出でんとするなり。日をもととし斤を音とす。(形聲)
           
           
2528 279 コン たそがれ くらし       日の冥(クラクナル)するなり。日と氐(低の本字)の省の(會意)氐とは下(サガル)なり。漢人昬に作る非なり。又儀禮に昬禮とは婚の代用。又淮南子に黄昏とは曛にも作る。纁の代用。又老子の注に昏は闇昧。また亂と訓ず惛の代用と。
           
           
2529 279 セキ ほじし むかし       乾(ホシ)肉なり。日を以て之を晞(カハカ)す_は乾肉の縮文(シワ)なり。籀文は腊に作り。肉を加ふ皆(會意)然も_と肉意複す。易に腊肉を噬む。字亦に作る。廣雅には乾なり。又今昔。舊音とは昨の代用。易に昔者聖王の易を作るやと。又廣雅に昔は夜なり夕の代用。
サク          
ジヤク          
2530 279 コウ あけがた         尚ほ冥きなり。日をもととし勿を音とす。(形聲)史記に爽闇昧なり。索隱に早朝なり。又忽_の代用をなす。
           
           
2531 280 エキ とかげのたぐい かわる やすし あなどる 蜥易(トカゲ)なり。守宮(ヤモリ)の種類。(象形)眞易(ホントノエキ)は蜥易と同類異種なり。易蟲には變化多し。依つて變易の義となす。卜易も此轉義なり。又易に交易して退くとの代用。貿易同じ。又禮記に易慢(アナドル)の心とは(イ)の代用。轉じて中庸に易に居て以て命を俟つ。注に平安なりと爲すと。或は云く此義は𢓡の代用。𢓡は平易を行くなり。又治むと訓ず𩮜(カミソル)の代用なりと。
         
           
2532 280 シユン           春の古文。下を見よ。
           
           
2533 280 コウ はるのそら さかんなり       春を昦天と爲す。元氣昦々たり。日夰の(會意形聲)夰は音を兼ぬ。夰は放なり。氣の盛なり。俗に昊に作る。
           
           
2534 280 旻󠄂 ビン あきのそら         秋天なり。日をもととし文を音とす。(形聲)虞書に曰く。仁閔下を覆へは則ち閔天と稱す。詩經に閔天疾威と。字亦旼に作り史記に旼々穆々と。
           
           
2535 280 ヨウ ひらく あがる ながし つよし   開なり。旦勿の(會意)一に曰く飛揚なり。一に曰く長なり。一に曰く彊者の衆き貌と。按するに陰陽の陽の本字。字形は實は旦と勿の會意。旦は日の出なり。勿の旗のヒラヒラと動く意。朝Wのキラキラするに象る。倝の字の旦に會意すると同意なり。又_は日出なり。日をもととし昜を音とす。虞書に曰く暘谷と昜暘は同字。暘は日が重複す。段氏云く。(侌)は雲を見て日を見ず。昜とは雲開き日を見るなりと。
           
           
2536 280 エイ かげ うつる       古此字なし。六朝以後の字なり。徐鉉曰く映は明なり隱なり。暗明相對す景(カゲ)あり。ウツルなり。智永千文は暎に作る英央同音。葢し字は央英の俗體。義は景の代用。
           
           
2537 280 セイ ほし ちらばる       萬物の精は上つて列星と爲ると。上は象形にて下は生を音とす。(形聲)書經に日月星辰と。鄭注に五緯を星と謂ひ。二十八宿を辰と謂ふ。管子に星の言ひは散(チラバル)なり。
           
           
2538 280 シユン はるのそら         推し出すなり。日艸屯の(會意形聲)屯は亦音とす。日は春日煖かなり。屯は艸の寒氣の爲めに。地上に出られぬもの。其屯が春煖の爲めに推されて艸となる。是れ春の字の義なり。公羊傳に春とは何ぞや歳の始めなり。琴賦の注に一時三月。之を三春と謂ひ。九十日。之を九春と謂ふ。轉義は晉語に春秋に習ふ。注に春秋は人事の善惡を紀して。而して目するに天時を以てす。又考工記に則ち春(ウゴ)いて以て功あり。注に作なり出なりと蠢の代用。字亦芚に作る。鈍の代用とす。
           
           
2539 281 マイ あけがた くらし       昧爽とて旦明なり。昧と明との界なり。日をもととし未を音とす。(形聲)ミ。マイ轉音なり。爾雅に昧は冥なり。易に天造草昧。又楚辭に日昧々として其れ將に暮れんとす。重言なり。又左傳の注に昧は貪冒のことし冒の代用。
           
           
2540 281 サク きのう         累(カサナル)日なり。今日の前は昨なり。此を累日となす。日をもととし乍を音とす。(形聲)蒼頡篇に昨は隔日なりと。同義なり。又周禮に諸臣の胙(ムクユ)する所なりと。醋の代用なりと。
           
           
2541 281 ベン たのしむ よろこぶ       喜樂なり。日をもととし弁を音とす。(形聲)日は詩の春日熙々の意なりと。卞は弁の俗字。故に昪の俗忭に作る
           
           
2542 281 ただし ただす これ     直なり。正しく見るなり。日正の(會意)日は日景(カゲ)。日時計なり。以て正すべきの意とす。禮記に是非を明かにす。爾雅に是は則なり。又西周策に是(マコト)に攻むるに兵を用ふ。注に實なりと寔の代用。又詩經に維(コレ)是(コノ)褊心とは此の代用なり。
         
           
2543 281 あたたか ぬくめる       日の出てて熅かなるなり。日をもととし句を音とす。(形聲)日出つ𥁕氣熅蒸す。艸木の句する者伸ふ。昫煦は同字のみ。樂記に煦嫗に作る。
           
           
2544 281 シヨウ あきらか         日の明かなり。日をもととし召を音とす。(形聲)書經に百姓昭明と。明と昭と義同じ。轉義は禮記に昭穆(廟名)。父子遠近長幼親疎の序を別つ。注に昭は陽明に取り。穆は幽隱に取ると。此義は字或は佋に作る。俗人説文に補入するは誤りなり。
           
           
2545 281 ボウ ほしのな         白虎の宿の星なり。日をもととし卯を音とす。(形聲)日は晶(星)の省なり。詩經に維れ參と昴と。
           
           
2546 281 ヘイ あきらか         炳の俗字。火部を見よ。
           
           
2547 281 c イク ます あきらか       明日なり。日をもととし立を音とす。(形聲)リツ。ヨク古音轉通す。爾雅に翌は明なり。翌は代用字。書經に翼日。翼は代用字。cは昨夜來日を言ふ辭と。
           
           
2548 281 キヨク なれる したしむ       日に近づくなり。日をもととし匿又は尼を音とす。(形聲)匿(キヨク)尼(ジ)(ジツ)古音轉通す。説文に左傳の私に降つて暱燕を引く。今本は昵に作る。但し尼は會意を兼ぬべし。
ジツ          
           
2549 281 チヨウ あさ         廣韻に見ゆ。六朝字なり。葢し初め鼂を借りて朝となし。後に兩字を變じて此字形をなす。
           
           
2550 281 晈󠄃 コウ あきらか         皎の異體なり。白部を見よ。
           
           
2551 282 とき よし これ うかがう まつ 四時なり。日をもととし寺を音とす。(形聲)寺も𡳿を音とするなり。書經に敬んて人時を授く。馬注に四時。轉義は韻會に時は辰なり。十二時なり。儀禮に時を俟つ。注に朝夕なり。孟子に彼も一時此も一時。詩經に爾の殽既に時と傳に善なり。又書經に黎民於變り時れ雍く。傳に是れなり是の代用。又廣雅に時は伺ふなりと司の代用。又易に遲く歸る時(マツ)有り。象傳に待つ有に作る。待の代用。又書經に百穀と播時す。蒔の代用と。
  うえる        
           
2552 282 ガイ           日を兼ぬるなり。日をもととし亥を音とす。(形聲)經傳は多く該を以て代用す。廣雅には咸なり。包なり。字誤つて賅に作る。
           
           
2553 282 アン ほがらか うるわし やすし くれ   天清なり。日をもととし安を音とす。(形聲)亭リ賦に天清く日晏る。注に雲無きの處。又漢書に海内晏如。注に安然なりと。安の代用。又小爾雅に晏は晩なり。旰の代用。亦晩の代用。
           
           
2554 282 コウ あきらか         明なり。日光の(會意形聲)光は音を兼ぬ。晄に作る同じ。晃曠は同字なるべし。亦熿黋に作る。秋興賦に天晃朗以て彌よ高しと。高明なり。
           
           
2555 282 シン すすむ         進むなり。日出てて萬物進む。日と臸の(會意)臸(シフ)は到るなり。二至の會意。到は亦進出の意とす。易に明の地上に出づるは晉なり。又矛の鐏(イシヅキ)を晉と爲すは鐏の代用なりと。其ツキサスの意から。亦轉じて周禮に王は大圭を晉(サシハサ)むと。又禮記に冕を服し笏を搢むと。俗に手を加へて搢に作る。廣雅に搢は插なり。
           
           
2556 282 さらす         曬の俗字。下を見よ。
           
           
2557 282 𠣤 ケイ           𢞛と同じ。心部を見よ。
           
           
2558 282 バン くれ おそし       莫(クレ)(暮の本字。)日をもととし免を音とす。(形聲)メン。バン一轉音なり。廣雅に晩は後なり負なり。轉義は漢書に晩周。注に末時となす。
           
           
2559 282 ホウ           後漢書の章懐注に餔は今晡に作る。
           
           
2560 282 チユウ ひる         明(ア)けるなり。日の出入は夜と介(サカヒ)を爲す。日と畫の省にて(會意)字は元と畫の部にあり。日中と夜分との境界を分劃するなり。易に晝夜の象なりと。説文籀文は省く。
           
           
2561 282 かわかす ほす       日乾(カン)なり。日をもととし希を音とす。(形聲)詩經に陽に匪れば晞かず。字亦に作る。小爾雅には乾なり。又詩經に東方未た晞(アケ)ず。闓の代用なり。
           
           
2562 283 あきらか さめる       明なり。日をもととし吾を音とす。(形聲)詩經に晤(サメ)て辟(ムネウ)つ摽たるあり。とは寤の代用。又與に晤歌すべし。傳に遇なりとはの代用なり。
           
           
2563 283 セツ あきらか         昭明なり。日をもととし折を音とす。(形聲)儀禮に晣明にして事を行ふ。詩經に明星晢々と。此字哲セと義近し。而して白皙の字と混すべからず。
セキ          
           
2564 283 カイ みそか くらし       月の盡きるなり。日をもととし毎を音とす。(形聲)論衡に三十日にして日月合宿す。之を晦と曰ふ。晦は月遂に見へず。字は日に從ふ。朔は月の始め。字は月に從ふなりと。
           
           
2565 283 コウ           皓の本字なり。白部を見よ。
           
           
2566 283 コン           𥊽の俗字。目部を見よ。
           
           
2567 283 セイ           亦晠に作る。成の俗字。戈部を見よ。
           
           
2568 283 シン ほしのな あした       房星なり。晶(ホシ)(アキラカの晶(シヤウ)と別なり)をもととす(_なり)辰を音とす。辰も星なり(會意形聲)古の農民が晨を尊信するは辱の字にて知るべし。又經傳は晨を以てを代用す。爾雅に晨は早なり。_は昧爽なり。曉前のまだ暗い時をいふ。𦥑辰の(形聲會意)𦥑(キヨク)は手に仕事を始める意とす。辰は時なりとあり。詩經に夜晨にクふ。明(アケ)方に近づくなり。
           
           
2569 283 くらし あまねし       日に色なし。日並の(會意)並を旁の義とす。雲が旁(ハウ)溥(ハク)(磅礴の本字)として廣がり日光を遮るなり。又普天の下といふは。傅の代用。孟子の注に徧なりと。フ。ハクは轉音なり。
           
           
2570 283 エン おおう くらし くもたれあめふる むれる 明かならざるなり。日をもととし奄を音とす。(形聲)廣雅に晻は障なり。冥なり。漢書に。光耀晻はれて而して彰かならず。注に晻は雲氣の貌なり。又呂覽に晻たる有り淒々と。注に陰雨なりとはの代用。又重言形況の字は。裏騷の晻藹。注に蓊鬱なり。史記の晻曖苾勃。正義に芳香の盛。字亦馣に作る。
  におい        
           
2571 283 オウ           旺の本字。上を見よ。
           
           
2572 283 キユウ ひろげる         日景(カゲ)(影)なり。日をもととし咎を音とす。(形聲)西京賦に白日未だ其晷を移すに及ばす。注に景なり。轉義は玉篇に表を以て日を度るなり。
           
           
2573 284 ケイ ひなた ひかげ かげ うつる   日光なり。日をもととし京を音とす。(形聲)光りの在る所には物皆陰光(カゲ)あり鏡の如し。之を景と謂ふと景色なり。後人は陽を名けて光と曰ひ。光中の陰を影と曰うて。別に影の一字を製す。義を異にし音を異にす過(アヤマ)てりと段氏説釋名に景は境なり。明の照す所は境限あるなりと。通俗文に日陰を映と曰ふ。映は俗字。又爾雅に景は大なり。詩經に以て景福を介にすと。皆京の代用なり。又周書に景は武の方なりとは勍の代用なり。又文選の注に映は猶ほ蔽のごとしとは障の代用なり。
           
           
2574 284 晴󠄃 セイ あめやむ はれ       雨ふつて夜に雲が除かれ。星が見はるるなり。夕をもととし生を音とす。(形聲)字俗に晴に作る。轉じて晝間のハレも晴といふ。漢書に天暒れて景星を見る。字亦暒に作る。
           
           
2575 284 シヨウ つよきひかり あきらか     精(スルドイ)光なり。三日の(會意)三ツ以上の日を以て意とす。光りの上々なり。卽ち日光の廣大。精明の極なり。又水晶とは水精を本字とす。晶精音義近し。星の古文_と別なり。
           
           
2576 284 𣇲 コン           昏の俗字。上を見よ。
           
           
2577 284 ものしり         識るの詞なり_(ジ)((ハナ))(ノビル)知の(會意)然も知は音を兼ぬ。又知を詞なりとす。矢口の(會意)矢は直疾の意とす。智は知よりも義深しと。然も周代古文に𥏼あり知なし。或省いて_に作る。知𥏼は同字なるべし。智は省文なり。
           
           
2578 284 いとま ひま       間なり。間暇なり。日をもととし叚を音とす。(形聲)書經に敢て自ら暇し自ら逸せすと。本義なり。
           
           
2579 284 暖󠄃 ダン あたたか         煖の俗字。火部を見よ。
           
           
2580 284 カン           渙の俗字。水部を見よ。
           
           
2581 284 シヨ あつし         熱なり。日をもととし者を音とす。(形聲)暑は(シメリ)に近く蒸すが如し。又熱は燥に近く烘(アブ)るが如し。二字の義の分別は此の如し。通して暑熱といふなり。
           
           
2582 284 ケン           爟烜の俗字。火部を見よ。
           
           
2583 284 ウン ひのかがやき ひがさ つきがさ   光なり。日をもととし軍を音とす。(形聲)ウン。キ古音は轉通す。但し古人此字には種々の説あり。孟康説に暈は日旁の氣なりと。轉じて月旁の氣をいふ。氣の軍圍なり。音はウン。又光りカガヤクの義はWの代用なりと。周禮に十Wの法。注に四面の反ク軍狀の如しと。此はWを以て暉となす暉は_にてWは_なり。其意似たり故に互に通用す。
         
           
2584 284 アン くらし         日に光り無きなり。日をもととし音を音とす。(形聲)イン。アン一轉音なり。周禮の注に暗は日月の食なり。禮記に孝子闇に服せず。注に冥なり。經傳は闇を以て代用とす。字亦に作る。爾雅にに闇なり。
           
           
2585 285 アツ あつさあたり なつまけ     暑に傷(ヤブ)るなり。日をもととし曷を音とす。(形聲)
           
           
2586 285 チヨウ のぶ         畼の俗字なり。田部を見よ。
           
           
2587 285 メイ くらし         冥の俗字なり。冖部を見よ。
           
           
2588 285 𣉘 タイ くらし たなびく       𣉘(アイタイ)り。日に光無きなり。日をもととし能を音とす。(形聲)ノウ。タイ轉音。埃𣉘は是れ連言して義をなす。義は音に在り。俗に靉靆に作る。通俗文に雲日を覆ふを靉靆と謂ふ。
           
           
2589 285 コウ あきらか         衆の微妙(秒)なり。日中に絲を見るの(會意)古文は以て顯の字と爲す。或は曰く衆口の貌と。或は以て繭と爲す。𣊡は明顯の本字。以て音義轉通なり。
ケン          
           
2590 285 ザン しばらく にわか       久しからざるなり。日をもととし斬を音とす。(形聲)廣雅に暫は猝なりと。書經に暫に姦宄に遇ふと是れなり。
           
           
2591 285 ジユツ           昵に同じ。上を見よ。
           
           
2592 285 暮󠄂 ボウ ひぐれ おそし       日が冥(クラシ)せんとするなり。日が艸の中に入る。(象形會意)艸(モウ)は艸莽の本字。は艸原なり。後世莫をナカレと訓ず亡の代用。而して莫の本義は又日を加へて暮に作る。日が重複す。又論語に𨗁無く無莫無し。慕の代用。又禮記に莫(バク)たる其コ音とは(ムナシ)の代用。又詩經に聖人之を莫(サダ)むと謨の代用。又史記に莫府とは幕の代用。又淮南子に之を莫(ツト)むとはの代用なりと。離騷に遲暮。史記に日暮。皆後人の改寫。本は莫に作りしなり。
           
           
2593 285 ボウ さらす あらし       晞(カハカス)なり。日が出る。(キヨウ)(兩手)で米をサラスなり。(會意)古文は_を音とす。形聲なり。字亦曝に作る。皆俗作なり。考工記に晝諸を日に暴す。孟子に一日之を暴らす。轉義は漢書に數(シバシ)ば奏して其過惡を暴(アラハ)す。注に之を披布するを謂ふ。又多くの代用をなす。_は疾く趣かす所有り。之を廾すと。此(コレ)誤るべし。夲をもととしの省きを音とす。廣雅に暴は猝(ニハカ)なり。楚辭に紂辭に紂暴虐。孟子に其氣を暴らす。皆の代用なり。此義司禮に亦虣に作る。古文に此體ありしなり。
バク          
           
2594 285 ひぐらし およぶ ともに     日の頗見なり。旦をもととし既を音とす。段氏云く日の地平に出づる之を旦と謂ふ。とは乍ち出でて微に見ふるなり。又小爾雅廣言には及ふなり。史記に東海に至り朝鮮にぶと。訖(イタル)の代用。又爾雅には與(ト)なり。書經に羲と和曁(ト)と春秋に齊曁(ト)平す。の代用。は衆と與にする詞。自をもととし(キン)を音とす。キン。キ轉音なり。又禮記に塗つて棺に曁(ヌ)らず。の代用。又重言形況の字は禮記に戎容曁々注に果毅の貌なりと。
           
           
2595 286 タン くもる         古此字なし。の俗字なりと。玉篇に曇々はK雲の貌。廣韻に曇は雲の布くなり。然も籍田賦に翠幕黕として以て雲布す。注に黕はKき貌と正字なり。但し曇は漢碑より見ふ。
ドン          
           
2596 286 曄󠄂 ヨウ かがやく さかんなり       光なり。日と𠌶(クワ)(花)の(會意)隷變して_曄に作る。𠌶𦾓通す。廣雅に曄は盛なり。明なり。神女賦に曄たり華の如しと。明正字通に皣に作る。俗字なり。然も晧の皓に作り皎の晈に作るの例の如し。葢し隷俗に日白の二部往々に通用す。
           
           
2597 286 レキ こよみ         古は歷を以て曆となす。今の書經に曆象。曆數とあるも後人の改寫のみ。古文原書は固より歷に作る。日月の經歷せし迹を視て以て歷象を知るなり。俗に日月に泥して曆の字を作るのみ。
           
           
2598 286 ギヨウ あかつき さとる さとす     明(アケ)るなり。日をもととし堯を音とす。(形聲)段氏云く明なりとは此亦旦を謂ふなり。俗に云ふ曉天は是れなりと。玉篇に曉は曙なり。淮南子に冥々の中に獨り曉を見ると。轉義は廣雅に慧(サトル)なり。智なり。快なり。漢書に左右に曉す。注に告喩と。
キヨウ          
           
2599 286 曈󠄂 ドウ あけがた         古此字なし。徐鉉新附に曈曨は日の明かならんと欲するなり。鄭珍云く。文賦に情曈曨として而して彌よ鮮かなり。秋興賦に月朧として以て光を含む。此は漢以來の詞賦家の形容疉字。日を主として言ふ者は日に從ひ。月に主として言ふ者は月に從ふ。古より有る所に非す。或は言く古は宜く童龍に作るべしと。先秦は本此語無し。必しも強て古字を求めざれと。此論は可なり。然れども此は連言して義をなすもの。固より童龍の字音にて足るのみ。
           
           
2600 286 キヨウ さきのひ きのう       久からざるなり。日をもととしクを音とす。(形聲)桂苑珠叢に曏は往時なり。儀禮に曏者吾子云々。注に曩なり。經傳は向。クを以て代用とす。
           
           
2601 286 セイ           星の本字。上を見よ。
           
           
2602 286 ホウ あらし         上の暴の注を見よ。
           
           
2603 286 サン           參の本字。彡部を見よ。
           
           
2604 286 曖󠄂 アイ おおう くらし       𥴨の俗字。玉篇に晻曖は暗き貌。雷浚云く。漢書に曖々として將に混濁せんとする若し。史記は正に𥴨に作る。説文に_は蔽ふて見へざるなり。竹をもととし愛を音とす。
           
           
2605 286 曙󠄃 シヨ あけぼの         旦明なり。日をもととし者を音とす。(形聲)然も暑と別なし。説文以外は曙に作る。曙は署の省きを音とすべし。楚辭に思ふて眠らず曙に至る。文選李注に説文を引いて曙に作る。
           
           
2606 287 クン ゆうやけ         纁の俗字。糸部を見よ。
           
           
2607 287 曜󠄃 ヨウ かがやく         燿の俗字。火部を見よ。
           
           
2608 287 ボウ           暴の本字。上を見よ。
           
           
2609 287 コウ あきらか         明なり。日をもととし。廣を音とす。(形聲)廣は黄を音とし。黄は炗(光の古文)を以て意又は音とす。故に曠晃は音義同じ元は同字なるべし。晃を見よ。莊子に天地此之を昭曠と謂ふ。又空なり。詩經に彼の曠野に率ふ。孟子に安宅を曠すとは壙(アナ)の代用。又家語に曠として望羊の如し。注に志を用ゆる廣遠とは懬(ヒロシ)の代用。又老子に曠たり其れ谷の若し。注に寛大なりとは廣(オホイエ)の代用。
           
           
2610 287 ジヨウ たたむ         疊の本字。田部を見よ。
           
           
2611 287 バク さらす         の俗字。上を見よ。
           
           
2612 287 あさひ         羲の俗字。漢代に出づ
           
           
2613 287 曨󠄂 ロウ あけがた         埤蒼に曈曨は明けん欲するなり。漢以後の俗の字なり。曈下を見よ。
           
           
2614 287 トウ さきのひ         曏なり。日をもととし襄を音とす。(形聲)爾雅に曩は久なり。禮記に曩者爾の心云々と。
           
           
2615 287 さらす         暴(サラス)なり。日をもととし麗を音とす。(形聲)レイ。リ。シと轉通す。亦麗を或はに作る。此を誤つて覀に作り晒の字を出す。𣢑(ワラ)ふべし。方言に五穀の類を暴すを秦晉の間に之を曬と謂ふ。又曰く曬は物を乾かすなり。又漢書に白日天に曬す。幽暗皆照す。注に舒なりとは擒の代用と。
           
           
2616 287 エツ いわく もうす       詞なり(イハク)なり。口をもととし。は詞言の氣の發出するの意と(指事)或は云く乙を音とすと。段氏云く。詞とは意内にして而して言は外なり。是意有て而して是言有り。亦之を曰と謂ふと
           
           
2617 287 エイ ひく こえる       臾曳なり。申()をもととし𠂆(エイ)を音とす。(形聲會意)𠂆(エイ)は(ヒク)なり。臾曳は轉注字なり。易に輿の曳かるるを見る。禮記に車輪踵を曳くと。
           
           
2618 288 ひきつめらる しばらく     束縛して捽(モチ)(ヒク)するを臾曳と爲す申(シメル)()と_(イ)(ヒカルル)の(會意)申は束の申にて引_の申にあらず。又連言にて義をなすものは。漢書に願くは須臾(シユユ)(シバラク)くも死無けんと。又縦臾とは讀で勇と曰ふ。猶ほ勉強のごとしと。此等は皆字音を以て義をなすものにて。字義は相關せざるなり。
           
           
2619 288 キヨク うつわ まがる       器の曲りて物を受くるの形なり。匚(ハウ)_の例によれば字は元と_に作るべし。又樂曲とは音の宛曲にして章を成すを謂ふ。本義の轉なり。一に曰く。曲は蠶の薄(イレモノ)(簿)なりと。別に一義なり。又委曲といふ。骪_の代用。所謂る關節の義なり。
           
           
2620 288 コウ あらたむ かわる さらに すぎる   改なり。攴をもととし丙を音とす。(形聲會意)攴は行はしむるの意。丙は炳に同じ。明に向つて改めしむ。改善更生するなり。論語に改むるや人皆之を仰ぐ。更の義なり。考工記に材更まる。注に善なり。小爾雅に更は易なり。方言に更は代なり。晉語に姓利相更ぐ。注に續くなり。穀梁傳に宋の喪ふ所の財を更ふ。廣雅に更は償ふなり。又曰く更は過ぐるなりとは經又は徑の代用なり。又樂記に三老五更を大學に食ふ。蔡邕云く當に叟に作るべし。是れ相似て誤るなり。
           
           
2621 288 カツ なんぞ         何なりと訓ず(何は借り字を以て本字を解くなり)曰をもととし匃(カツ)を音とす。(形聲)經傳或は害(ナンゾ)を借りて之となす。カツ。カイ。カ一轉音なり。
           
           
2622 288 シヨ しるす ふみ かく     竹帛に箸(アラハ)(著の本字)すなり。聿(イツ)(古の筆の字)にて記識するなり。者を音とするも。者は古の諸の字。諸(モロモロ)の萬事。萬象を記し見はすの(形聲會意)説文の敘に。六書とは指事。象形。形聲。會意。轉注。假借と。此法方にて文字を造り。以て書き著すなり。轉じて事を書したる竹帛も書と曰ふ。書冊。書卷も是れなり。史記の索隱に書とは五經六籍の總名なり。漢書に六體は古文。奇字。篆書。隷書。繆篆。蟲書と。周禮の注に會計の簿書を主どると。
           
           
2623 288 ソウ つかさ ともがら       獄の兩曹(判檢事の如し)は廷(裁判所の法庭)東にあり。をもととし曰にて(會意)二東は東に並ぶなり。曰は辯論の意。轉義は小爾雅に曹は遇なり。楚辭に分曹並び進む。詩經に乃ち其曹に造る。傳に曹は羣なり。
           
           
2624 288 曼󠄃 マン めくらびき ながびく ひろし     引くなり。又(手)をもととし冒を音とす。(形聲)ボウ。マン古音は轉通す。葢し冒(メクラ)滅法に引くなり。際限なし。故に詩經に孔(ハナハ)だ曼(ナガク)且つ碩なり。傳に長なり。箋に修(ナガシ)なり。廣なり。又轉じて善なり。細なり。澤なり。遠なり。廷なり。美なり等の訓をなす。字或は漫に作る。莊子に曼衍極り無し。漢書に曼漶して知る可らず。注に分別せざるなりと。楚辭に長夜の曼々を終ると。此等亦後人は漫に作る。
           
           
2625 289 最󠄃 サイ           最󠄃の誤字。勖を勗に作ると同例なり。冖部を見よ。
           
           
2626 289 勗󠄃 ボウ           勖の誤字なり。力部を見よ
           
           
2627 289 テイ ちんば すたる かえる かわる   一を廢して偏下せるなりと。元來竝んで完全なりしものが其一方無くなれば一方に偏傾して廢頓するなり。チンバなり。竝をもととし。_(ジ)を音とす。ジ。テイ古音轉通す。曰の意は詳かならず。兟は形に於て竝と近し。替に作るはの變形なるべし。轉義は書經に敢て上帝の命を替へず。晉語に可を薦めて不を替る。注に去るなり。楚語に獨居して前世の崇替を思念す。或は髑ヨの字を用ふ羲同じ。爾雅に替は廢なり滅なり止(ヤ)むなり。待つなり。又日部の暜(フ)と混ずべからず。
タイ          
           
2628 289 朁󠄂 サン すなわち         曾ちなり。曰をもととし兓を音とす。(形聲)詩經に朁ち明を畏れず。毛詩はを以て代用す。
           
           
2629 289 ソウ すなわち         詞の舒びるなり。(スナハチの詞(コトバ)なり)乃と近しと。八と曰にて會意し𡆧(窗の古文)を音とす(形聲)曰は詞なり。八は口氣の分散舒出の意とす。論語に曾(スナハ)ち是を以て孝と爲すかと。疏に嘗(カツテ)と訓ずるは非なり。諸家に定論あり。孟子に爾何そ曾ち予を管仲に比すると。乃と訓ず。曾孫曾祖の如きは曾u層(ルイ)の意に取ると。又楚辭に曾臺曾榭。層の代用。又孟子に其能はざる所を曾uすとは揩フ代用。又左傳に昆吾曾て許の地に居ると。嘗の代用。
           
           
2630 289 カイ あわす あつまる であう     會合なり。亼(シフ)(集合の集の本字)と曾(卽ち層)の省きにて(會意)曾はuなり。來り集まる多きなり。古文は_に作るを以て會の代用とす。爾雅に會は合なり。對なり。廣雅に會は聚なり。至なり。詩經に會同繹たるあり。周禮に時見を會と曰ふ。轉じて禹貢に渭汭に會す。漢書の注に會は際なり。史記に會稽とは會計なり。周禮に五彩玉を會す。又莊子に會撮天を指す。注に撮髮なりと。の代用。は骨にて(作り)髮を會すべきものなり。
           
           
2631 289 ます         uなり。會をもととし卑を音とす。(形聲)段氏云く。此を暾u(羲)の正字となす。經傳は俾を以ひ。裨を用ひ埤を以て代用となす。
           
           
2632 290 ゲツ つき         缺(ケツ)(カケル)なり。(象形)缺けるの義にて名となす。白虎通に月の言ひたる闕(缺の代用)なり。滿あり厥ありと。轉義は詩經に月居日諸と。周髀の算經に月は日と合し一月と爲す。卽ち十二月なす。
ガツ          
           
2633 290 ユウ あり たもつ       有無の有なり。月をもととし又(イウ)を音とすと。春秋傳に日月之を食する有り。故に月をもととすとて。宜く有るべからざるに有ると解いてあるが此字はナカナカ面倒なるも專門的の研究になるから今は略す。古籀篇に詳かに述べてある。易に大有は衆なり。詩經に年其れ有り傳に豐年なり。又薄(シバラ)く言(ココ)に之を有す。傳に之を藏するなり。卽ち所有なり。經傳に有(イウ)又(イウ)の二字通用す。左傳に十有一年。周器銘文は多く十又一年に作る。其義は再の代用と。
           
           
2634 290 ホウ とも         鳳の古文。鳳が飛べば羣鳥が從ふ。故に朋黨の字となすと。然も朋友の本字は倗なり。
           
           
2635 290 みかずき         月未だ盛ならざるの明なり。月をもととし出音とす。(形聲)書經の傳に月の三日と。
           
           
2636 290 服󠄃 フク もちう きもの したがう     用なり。舟をもととし𠬝(フク)(降服の服の本字)を音とす。(形聲)古文は舟人の(會意)説文舟部に般と𦨕と連出す。𦨕は運用なり。説文に一に曰く車右の騎。周施する所以なり。舟車皆然り。又人の用ひて事を治むべきの具も服といふ。因て転じて衣服の義となす。荀子に服笏。注に御服。皆器用の名。書經に五服五章。周禮に司服の職あり。又周禮の注に天子に服事すとは𠬝の代用なり。禮記に君子の之に服するや。注に習ふなりと亦然り。又詩經に象弭魚服。箋に矢服と箙の代用。又禮記の扶服は匐の代用なり。
           
           
2637 290 ジク ついたてつき       朔にして而して月の東方に見はるる。之を縮朒と謂ふ。月をもととし肉を音とす(形聲)
           
           
2638 290 チヨウ つごもりづき         晦にして月の西方に見はるる之を朓と謂ふ。月をもととし兆を音とす(形聲)
           
           
2639 290 サク ついたち         月の一日にて始て蘇(ヨミカ)えるなり。月をもととし屰を音とす。(形聲)ギヤク。サク一轉音なり。段氏云く晦とは月の盡るなり。盡きて而して蘇へるなりと。轉義は詩經に彼の朔方に城くと。爾雅に朔は北なり。朔の時刻は必ず北方に在り。故に北方に于(オイ)て之を命ずと。阮元云く合朔の時刻は定まらずと雖も而して一月に天を一周し。朔と望弦と四位に分る。則ち朔は必ず正北に在つて定と爲すと。
           
           
2640 291 朕󠄄 チン あわせめ われ       𦨶の本義は舟板の合せ目なり。舟をもととし关を音とす。(形聲)轉義は盲人の眼なく唯だ縫合のみなるを朕といふ。又説文に我れなりとは余の代用なりと。ヨ。トウ。チン古音轉通す。古は何人も朕と曰ふ。秦以來天子のみ朕と曰ふと。
トウ          
           
2641 291 ロウ ほがらか         明かなり。月をもととし良を音とす。(形聲)月の中天に在つて高明なるなり。楚辭に昊天兮清涼なり。玄氣兮高朗なりと是れなり。轉義は詩經に高朗令終なり。楚語に其聖能く光遠宣朖なりと。是れなり。
           
           
2642 291 朚󠄀 ボウ あす にわか いそがわし     cなり。明をもととし亡を音とす(形聲)廣雅には遽なり。五經文字に人は晝夜作す。日無れば月を用ひ。月無れば火を用ふ。常に明を思ふと。或は曰く人は曉天を思ふと。
           
           
2643 291 望󠄇 ボウ のぞむ もち       人が出で亡(逃亡)す。他人が外にありて其還るを待ち望むなり。亡をもととし朢の省き音とす。(形聲)轉義は廣雅に望は覗ふなり。視るなり。至るなり。祭りなり。詩經に萬民の望む所と。コ望なり。家語に望羊。注に遠視なり。又望(モチ)月とは朢の代用なり。月の滿るなり。日が君で月は臣。日月相對す。𡈼は朝廷。朝廷にて君臣相對するが如しとの會意。又方。防。𧭅の代用をなす。又呂覽に神宇宙を覆ふて而して望無し。注に界畔無きなり。防の代用。又史記に帝故を以て望す。索隱に猶ほ責望のごとしとは𧭅の代用。又禮記に人を以て人に望す。疏に比なりと方の代用。
           
           
2644 291 朝󠄃 チヨウ あさ         旦(アシタ)なり。倝(カン)(旦日の光のキラキラするなり)をもととし舟を音とす。(形聲)シウ。テウ一轉音なり。轉義は左傳に朝して夕せず。疏に旦に君に見(マミ)ゆるに之を朝と謂ひ。夕に君に見ゆるを夕と謂ふ。又爾雅に山東を朝陽と曰ふ。注に旦に卽ち日を見るなり。爾雅に曰く。朝は早なりと。早は(晨)なり。廷と曰ふ。曲禮に朝に在つて朝を言ふ。注に君臣政事を謀るの處を謂ふなり。又朝覲。朝聘の禮あり。また周禮に追享朝享。注に朝享は朝政を廟に受くるを謂ふなりと。或は_を以て朝の代用とし俗に晁に作る。
           
           
2645 291 つきひのであい ひとまわり きめる   會なり。日と月と會するなり。月をもととし其を音とす。(形聲)月の一回はりを期となし。年歳の一回りを稘となす。經傳に稘も亦期に作る代用なり。中庸に期月。疏に一月を期帀(メグル)(匝)す。轉義は左傳に旦にして而して期を立つ。注に旦より暮に至ると。周語に司理に期す。注に會なり。廣雅に期は卒るなり。時なり。左傳に死を期す。注に必するなり。呂覽に無期。注に度なり。又書經に朞三百有六旬有六日。傳に四時を帀(メグ)るを朞とす稘の代用。又禮記に旄期にして道に偁(カナ)ひ。亂れざる者。注に或は勤と爲すと。期(キ)勤(キン)古音轉通す。
         
           
2646 292 ボウ もちづき         月の滿なり。日と相望むこと。君に朝するに似たり。月と臣と𡈼にて(會意)𡈼は朝廷なり。𡈼は廷の省きなり。又望下を合せ見よ。
           
           
2647 292 朣󠄁 ドウ つきのでしお       古は童を用ゆ。集韻には月の初て出つるなり。秋興賦に月朧として以て光を含む葢し月の始て出づ。童蒙の如きなり。或は云く。童龍は連語。義は音にあり。日部曈を見よ。
           
           
2648 292 朦󠄃 モウ おぼろづき         古は蒙を用ゆ。廣韻に釋名を引く蒙籠の内に在て察す可からざるが如しと。今本釋名は朦朧に作る。但し連言し羲をなす。蒙龍にて足る。
           
           
2649 292 朧󠄂 ロウ おぼろづき         古或は籠を用ふと。朦下を見よ。抑も童蒙。童龍。蒙龍。義は自ら其音にあるもの。字義は關せざるなり。又日部の曈下を見よ。
           
           
2650 292 ボク         艸木の木なり。屮(テツ)(艸木の初め)をもととし。下は根に象る。(象形)春秋繁露に木なる者は春生の性。農の本なり。轉義は周禮に金。石。土。革。絲。木。匏。竹と。木製の樂器なり。又論語に剛毅木訥とは樸の代用。音通のみ。
           
           
2651 292 𣎳 ヒン あさのかわ         枲(アサ)の莖と皮とを分つなり。屮(テツ)をもととし_は枲の皮に象る(象形)_は八分の八にあらず。𣑼(ヘイ)麻の二字は𣎵の系にて三字は轉注なり。
           
           
2652 292 ハツ さかんなり         艸木の盛にして𣎵々然なり。(象形)然も屮は借形。末の古文は明かに木をもととしてゐる。八は音を兼ぬべし。八は開散の意あり。𪩲(シ)は𣎵の系なり。
ハイ          
           
2653 292 ジユツ           秫に同じ。禾部を見よ。
           
           
2654 292 𥝌 ケイ きのかしらまがる       木の曲頭。止つて上(ノボ)る能はざるなり。木をもととし上は(象形)稽の字は此𥝌に從ふ。禾(クワ)と別なり。
           
           
2655 292 ホン もと         木の下を本と曰ふ。木をもととし。・一は其處を指し示す(指事)漢隷に本に作る。此を誤つて夲(タウ)(ハシル)の字と混ず非なり。轉義は左傳に水火の本原ある。詩經に本支(枝)百世。傳に本宗なり。廣雅に本は始めなり。論語に君子は本を務む。注に基なり。荀子に本を彊くして而して用を節す。注に農桑を謂ふなり。皆一義の轉なり。
           
           
2656 293 マツ すえ         木の上を末と曰ふ。木をもととし・一は其處を指し示す。(指事)然も本末轉注字なり。孟子に其本を揣(ハカラ)ずして而して其末を齊ふす。轉義は小爾雅に末は終なり。中庸に武王の末。注に老なり。又米麪勃(コナ)を末といふ。の代用。又小爾雅に末は無(ナシ)なり。弗の代用。又漢書に末殺と。又抹摋。(ヌリ)泧(ケス)の代用。
           
           
2657 293 サツ ふだ さね むしのな     牒(フダ)なり。木をもととし乙(イツ)を音とす。(形聲)イツ。サツ轉音なり。漢隷に札に作る。轉義は漢書に札書。又筆札を給す。注に簡の小なる者。又吾邦で甲(ヨロヒ)の小札(サネ)。又楮幣を金札銀札といふ。又字音を借りて名となすものは夏小正に鳴札。俗にに作る。
           
           
2658 293 シユ あか         赤心(アカシン)の木なり。松柏の類なり。木をもととし・一を以て意を識(シル)す。(指事)木心の朱なる意を識るすのみ。轉義は論語に紫の朱を奪ふを惡む。朱は纁の深(コ)きなり。又朱兩を量目となすは銖の代用なり。
           
           
2659 293 あじつく いまだ     味(アヂツク)なり。木の枝葉を重ぬるなり。(象形)古文によれば果實の熟なり。木果の味を未と曰ひ。其未を味ふを味と曰ふ。但し二字音義近く通用。又字音を借りて語詞の未(イマダ―ズ)となす。不のごとく無のごとしと。
         
           
2660 293 きのな つくえ       木の名なり。木をもととし几を音とす。(形聲)文字以前の此木の名を。机の字の音で呼び見はすなり。北山經の注に机は楡に似なりと又ツクヱの義は几の代用。几は牀几。又几案なり。几机音通字。左傳に圍布几筵。釋文に本亦机に作ると。
           
           
2661 293 キユウ くちる くさる       腐(クサル)なり。歹(カツ)(殘骨)又は木をもととし丂を音とするも。丂は往き詰(ツマ)り。此より伸びぬなり。(形聲會意)朽同字といふも人には㱙といひ。木艸に朽といふべし。詩經に荼蓼朽止。字林に㱙は腐なり。
           
           
2662 293 ボク きのかわ はなる       木皮なり。木をもととし卜を音とす。(形聲)轉義は厚朴となし。剥離となす。又荀子に生れて而して其朴を離る。注に質なり。廣雅に大なりとは樸の代用。
           
           
2663 293 テイ うつ         打の本字なり。手部を見よ。
           
           
2664 293 さじ         枇に同じ。用いて匕となし。實は柶の代用なり。
           
           
2665 293 ハツ           の俗字。下を見よ。
           
           
2666 293 きのとげ         木の芒なり。(象形)_を謂ふなり。_は_の省きなるべし。轉義は鑯鋭の義となし。經傳は刺を以て代用するなり。
           
           
2667 294   きのしだれ たる えだ     樹木の垂れて々たるなり。木をもととし_は(象形)段氏云く凡そ枝葉と華實の垂るるもの皆朶々と曰ふ。今人は但だ一華を謂ふて一朶と爲す。轉義は易の枝頤。李鼎祚曰く。朶は頤の下垂して動くの貌なりと。本義の一轉なり。俗に朶に作り又桗に作る。廣雅に桗は下部なり。一枝の轉義なり。
           
           
2668 294 カン           榦の俗字。下を見よ。
           
           
2669 294 こて ぬる       涂る所以なり。木をもととしを音とす。(形聲)涂とは俗に塗に作る。ヌルと訓ずるは杇の代用。借字で本字を説くの例のみ。秦に之を杇と謂ひ。關東に槾と謂ふと。字亦俗に圬に朱駿聲云く。其器鐵有り木有り。經傳は涂を以て代用す。轉義は杇を以て之を涂るも亦と曰ふ。論語に圬る可らざるなり。又儀禮に兩敦兩杇とは。注に湯𤖅を盛と。盂の代用なり。
           
           
2670 294 杈󠄂 またのえだ さすまた       杈枝(_)なり。木をもととし叉音なり(形聲會意)形狀叉手の如きなり。魯靈光殿の賦に枝牚杈枒にして而して斜據。注に參差の貌。又周禮に泥中を杈刺し之を搏取すと。叉の代用なり。
           
           
2671 294 すもも たび       李果なり。木をもととし子を音とす(形聲)シ。リ一轉音なり。又左傳に行李の往來。廣雅に關驛なりと。此は使の字の代用なりと。
           
           
2672 294 サン すぎ         古此字なし。唐韻より見ゆ。木をもととし彡(サン)を音とす。然も杉はの俗字なるべし。爾雅にを借りてとなす。其俗字を檆に作る。而しては占を音とす。占彡古音も近し。故にも杉に作るべし。
           
           
2673 294 やまかいどう ふさぐ もり   甘棠なり。(今の檎の類)木をもととし土を音とす。(形聲)又小爾雅に杜は塞ぐなり。書經に乃の擭を杜ぐ。注に閑なりとは𢾖の代用。又邦人森の義となす。社の古文の_の代用なるべし。
           
           
2674 294 シヨウ こずえたかし すえ     相高きなり。木をもととし小を音とす。(形聲)樹々の杪の相高きなり。杪は元同字。一羲の轉用なり。
           
           
2675 294 コツ           扤に同じ。手部を見よ。
           
           
2676 294 キヨウ あんず         杏果なり。木をもととし向の省きを音とす。(形聲)禮記に桃李梅杏と。六書故に唐本説文を引き木と口との會意とす。食ふべきの果とす。
           
           
2677 295 バイ あほう あきれる       古此字なし。某の古文の槑の省きなるべし。正字通に俗に以て癡獃の獃と爲す。誤りなりと。然も廣韻に獃は五來切。獃癡は犬の小なる時。未だ分別あらなりと。ガイ。バイ音は近し。
           
           
2678 295 サイ ざいもく きじ       木梃とて直木(大丸太)なり。用ひて板にも柱にも作るべし。木をもととし才を音とす。(形聲)轉じて凡そ用ふべき物を材と曰ふ。周禮に飭化八材。注に珠象玉石木金革窒ネり。人の材藝も其轉義なり。荀子に材技の士。注に武藝の人に過ぐる者と。材藝は學て爲す材料なり。才能の自然なると別なり。材亦才の代用をなす。中庸に其材に因て篤し。注に其質性を謂ふと。卽ち才なり。易に象は材なり。注に才コなりと。又晉書に官師の材する所とは裁の代用。又漢碑文に民より斂むる所の錢材とは財の代用。
           
           
2679 295 ソン むら         杶の譌字。屯の古文を_に作る。由て誤つて寸となり村に作る。ムラの義は𥫱を本字となす。組合で使用し穀物を貯藏する所ろ(屯倉なり。)_此の如きもの。此の設けある部落を𥫱(ムラ)といふ。屯𥫱杶皆音通字。又邨を以て之れが代用をなす。邨も屯を音とする字なり。
           
           
2680 295 杓󠄀 シヤク ひしやく         枓なり。(枓杓義同し)挹取(クミトル)する所以の者をいふ。木をもととし勺を音とす。卽ち勺の柄なり。(形聲會意)
           
           
2681 295   そま         邦字なり。然らば山中に柴木を取采するの會意なるべし。
           
           
2682 295 杖󠄅 ジヨウ つえ         持つてョ(タヨ)るなり。木をもととし丈を音とす。(形聲)曲禮に几杖を操(トツ)て從ふと是れなり。轉義は漢書に近臣巳に杖(マモ)るに足らずと。字亦仗に作る。風俗通に仗は刀𢧢の屬と轉の轉なり。
           
           
2683 295 ソク つかぬ たばねる       木を縛するなり。囗(ヰ)(圍)木の(會意)詩經に束薪又束楚とは本義なり。轉じて凡そ束縛。束聚。約束となす。易に束帛。詩經に矢を束ぬ。儀禮に束脯(ホジシ)。論語に束脩。注に或は束帶修飾と訓ず。又釋名釋言語に束は促なり相促近す。或は云く促の代用なりと。
           
           
2684 295 くこ         枸杞なり。(枸は木なり)樹をもととし己を音とす。(形聲)借りて國の名となす。亦杞人の憂の故事により。杞憂といふ。又孟子の杞柳は柳の屬で別義なり。
           
           
2685 295 まがき かき ころもかけ たな   落なり。木をもととし也を音とす。(形聲)古它也同字。古文は柁に作るべし。落とは籬落なり。字亦柂椸籬欏に作る。廣雅に欏は施なり。豎竹を編みて之を爲る。竹に杝と曰ひ。木に柵と曰ふ。通俗文に柴垣を杝と曰ふ。釋名に籬は離なり。柴竹を以て之を作る。疏にして離々然なり。轉義は曲禮に椸枷を同ふせす。注に以て衣を加ふ可き者。蒼頡篇に椸は格なり架なり。方言に榻前之を椸といふ。
         
         
2686 296 シヨウ こずえ ちいさし       木の標末なり。木をもととし少を音とす。(形聲)通俗文に樹鋒を杪と曰ふ。亦と同字なるべし。轉義は王制に必す歳の杪に於てす。注に末なりと。
           
           
2687 296 トウ ひがし         動なり。木をもととす。官溥の説に日に木中(ナカホド)に在るなりと。(會意象形)白虎通に東方とは動方なり。萬物始て動生するなりと。木とは叒(ジヤク)木。榑桑なり。榑桑は神木。日の出づる所と。
           
           
2688 296 コウ あきらか まこと       明なり。日の木上に在るの(會意)詩經に杲々たる出日。廣雅に杲は信なり。信は亦明なり。
           
           
2689 296 ハン いた         版に同じ。片部を見よ。
           
           
2690 296 ハイ           桮の俗字。下を見よ。
           
           
2691 296 ヨウ くらし         冥(クラシ)なり。日の木下に在るの(會意)亦杳渺といふ連語。カスカの義なり。
           
           
2692 296 𣏔 コン           困に同じ。囗部を見よ。
           
           
2693 296           上の俗字。止を見よ。
           
           
2694 296 キヨ きね         舂(ウスツク)杵なり。木をもととし午を音とす。(形聲)ゴ。キヨ轉音なり。古文は(象形)易に木を斷つて杵と爲し。地を掘つて臼と爲す。世本に雍父舂杵を作ると。
           
           
2695 296 チユン きのな         杶木なり。木をもととし屯又は熏を音とす。(形聲)禹貢に杶榦栝柏と。字亦椿に作る。春はに作り屯を音とするがゆゑなり。
           
           
2696 296 チヨ         機の緯を持する者なり。木をもととし予を音とす。(形聲)正韻に梭を以て此杼の字に當ててゐるが梭は推すと訓じ氈iシユン)を音とす。音義皆遠し後世俗人の誤りなり。轉義は考工記に上を杼す終葵首。注に(__ク)なり。杼の形に似たり。
           
           
2697 296 むぎかき びわ       麥を收むるの器なり。木をもととし巴を音とす。(形聲)_の如きものなり。_は𦓯と曰ふ。相似たるもの。又漢書に土を杷すとは掊(カキアツメル)の代用。又枇杷となす。字音を以て義をなす。枇巴にて足る。
           
           
2698 296 シヨウ まつ         松木なり。木をもととし。公容を音とす(形聲)松柏の松なり。
           
           
2699 296 𣏕 ハイ こつぱ きくず       木を削るの札朴なり。木をもととし𣎳を音とす。(形聲)三蒼に柿は札なりと。
           
           
2700 296 すき         兩刃の臿(スキ)(鍤)なり。木をもととし_は(象形)或は金をもととしを音とす。(形聲)字或は鏵。鋘に作る。呉越春秋に兩鋘吾牆に殖(ウ)つ。釋名に鏵は地を刳す。
           
           
2701 297 リン はやし         平土に叢木有るを林と曰ふ。二木の(會意)詩經に彼の平林に依ると。轉義は爾雅に野外を林と謂ふ。白虎通に林とは衆なり。萬物成熟し種類衆多なり。又爾雅に林は君なりとは臨の代用。又連言にて義をなすものは。漢書に麗以て林離。注に摻摝なり。亦淋漓に作る。
           
           
2702 297 チン きまくら まくら のぞむ     臥すに首を薦(シタ__キ)する所の者なり。木をもととし冘を音とす。(形聲)轉義は論語に肱を曲げて之を枕にす。又漢書に北大江に枕す。注に臨なり。此類多し。
           
           
2703 297 びわのき         枇杷木なり。木をもととし比を音とす。(形聲)又に作り匕(サジ)箸(ハシ)の匕となす。實は柶の代用。柶は匕(ヒ)なりと訓ず。借字を以て本字を解くの例なり。又廣雅に枇(クシ)は櫛なり。此は比(ナラビコマカ)の代用。俗に篦に作る。又釋名に枇杷は馬上に鼓する所と。元と𢱧𢃳に作り。俗字は琵琶に作るなり。
         
           
2704 297 コウ ふせぐ ふね       説文に抗の字或は木に從ひ杭に作る。又詩經に一葦之を杭すとは。𣃚の代用なり。手部を見よ。
           
           
2705 297             (ジヤ)曲なり。木をもととしを音とす。(形聲)段氏云く。元木の邪曲を謂ふ。因て以て凡そ邪曲の稱となす。禮記に或は枉橈する無れ。論語に直を擧げ諸の枉れるを錯くと。
           
           
2706 297 よもにちらばる       扶疏として四布す。木をもととし夫を音とす。(形聲)漢書に垂條扶疏。扶を代用とす。又枎桑というは榑の代用なり。夫尃多く音通す。
           
           
2707 297 きのみ くだもの はたす さだむ   木實なり。木をもととしは(象形)木の上に在りと。轉義は艸の實も果と曰ふ。字俗に艸に從ひ菓に作る非なり。漢書の注に核(サネ)あるに果と曰ひ。核なきに蓏(クワ)と曰ふと。一説に地に在るに曰ひ。樹に在るに果と曰ふと。正名なり。素問に五果。注に桃李杏栗棘と。轉義は廣雅に果は信なり。論語に行必す果(マコト)なり。又曰く勇や果。注に果敢決斷なり孟子に行必果とは敢實はの代用。而して字亦惈に作る。爾雅に惈は勝つなりと。又又孟子に二女果なり。婐(ウツクシ)の代用。又鄭語に味一果無し。甘の代用。又連言して義をなす。爾雅の釋艸に果臝の實は栝樓。注に天瓜(カラスウリ)なり。又釋蟲に果蠃は蒲慮なり。注に細𦝫蜂なりと。(ヂハチ)なり。
           
           
2708 297           斗の俗字。斗は部首字。
           
           
2709 297 バイ もとえだ ふくみぎ       枝の榦なり_(コノトコロ)木をもととし攴(ボク)を音とす(形聲)ボク。バイ古音轉通。竹に个と曰ひ木に枚と曰ふ。二枚三枚と轉義なり。左傳に之を枚筮すと。又別義は又周禮に銜枚。注に狀は箸の如し。横銜して言語を止むと。
マイ          
           
2710 298 セキ わかつ         木を破るなり。一に曰く折るなり。木と斤の(會意)斤は斧なり。_は(象形)。破木に象どる。詩經に薪を析くと本義なり。
サク          
           
2711 298 えだ         木の別に條(エダ)を生ずるなり。木をもととし。支を音とするも。竹に支といひ。木に枝といふ。(形聲會意)竹枝とは支の代用。轉義は凡そ岐出の稱となす。又史記に枝梧。注に小柱(ツツパリ)と。榰の代用。又孟子に長者の爲めに枝を折る。注に按摩し骨節を折り罷(ツカレタ)枝を解くとは肢卽ちの代用と。
           
           
2712 298 ゼイ ほぞ         古此字なし。雷浚云く。考工記の注に枘を鑿つて之を合はすと。楚辭に鑿を量らずして枘を正すと。六書正譌に曰く内(ゼイ)は借りて儒税切とす。木耑(ハシ)を刻し鑿を入ると。
           
           
2713 298 采󠄃 サイ とる         捋取なり。木と爪(モツ)の(會意)良材を采擇し用ゆるなり。巳に釆の下に辨ぜり。詩經に薄(シバラ)く言に(ココニ)之を采る。傳に取るなり。轉義は禮記の注に昏禮に始て采を納る。其可なる者を采擇するを謂ふ。荀子に採清を脩す。注に其穢を採去するを謂ふ。公羊傳の注に采は其土地人民あるを得ず。其租税を采取するのみ。字亦埰ァに作る。又月令に婦官染采に五色なり。字亦彩に作る。卽ち采用の轉義。字亦綵に作る。思玄賦に昭なり綵藻と琱瑑と。注に文綵なり。又爾雅采は事なりと。事の代用。又周禮の注に舎采は釋菜なり。菜の代用。
           
           
2714 298 𣏟 ベイ あさ         (ヒ)(又(アサノミ)に作る)の總名なり。二𣎵の(會意)𣏟の言ひは微なり。微纖にて功を爲すと。
           
           
2715 298 ソツ のこりぎ はめる わく     古此字なし。卒の行書は_に作る。枠は椊なるがごとし。康煕字典に廣韻に引く椊は椊杌。柄を以て穴に内るなり。正字通に不に同じと。然らは椊は_の誤字なり。説文に𣡌は伐木の餘りなり。或は櫱__に作る。卽ち_なり。_は隷楷にて卒を混ぜしなるべし。然らは今人ワクの義(欄實は闌)となす。_杌を轉じ物を内れるの義となすか。
           
           
2716 298 枒󠄂           の本字。下を見よ。
           
           
2717 298 ナン           楠の本字。下を見よ。
           
           
2718 298           厄の本字。厂部を見よ。
           
           
2719 298 きかる かれる       槁れるなり。木をもととし古を音とするも。古木は枯る。(形聲會意)人にはといふ如し。轉義は乾なり燥なり。字亦𦙶に作る。荀子に淵に珠を生じて而して崖枯れず。注に燥なり。呂覽に澤枯骨に及ぶ。莊子に枯魚。注に乾魚と。
           
           
2720 299 ヘイ ゆかいた ごばん       平なり。木と平の(會意形聲)平は音を兼ぬ。釋名に枰は平なり。板を以て其體を作す。平正なり。方言に簙(サイコロ)を投ずる所以のもの之を枰と謂ふと。卽ち盤面の正平なり。
           
           
2721 299 おあさ あさ       麻なり。𣎵(ヒン)をもととし台を音とす。籀文は𣏟(ヘイ)をもととし辝(ジ)を音とす。皆(形聲)朱駿聲云く枲は牡(ヲトコ)麻なりなり。實無き者。亦夏麻と曰ふ。其實有る者は。苴と曰ひ或は蕡(ヒ)()と曰ふ。艸をもととし肥を音とす。亦𪎰に作る。蕡は俗字。考工記の注に蕡は枲の實なりと。凡そ麻の大名と爲す。周禮に典枲(官名)あり。
           
           
2722 299 すき         の本字なり。耒部を見よ。
           
           
2723 299 𨐠 すき         上に同じ。
           
           
2724 299 からたち         枳木は橘に似たり。木をもととし只を音とす。(形聲)徐鉉曰く。藥家に枳殻ありと。朱駿聲云く。莿(シ)(トゲ)多し。以て籬と爲すべし。
           
           
2725 299 いねうち くるり たな     禾を擊つ連枷(クルリボウ)なり。又と名く。木をもととし加を音とす。(形聲)又曲禮に男女椸枷を同じうせず。タナなり。字亦架に作るは加。又は冓の代用なり。
           
           
2726 299 㭒󠄀 すき         の本字なり。耒部を見よ
           
           
2727 299 すき         上に同じ。
           
           
2728 299 ヨウ きのは うすし よよ     なり(牒の義)枼薄なり。木をもととし世を音とすと(形聲)しかるに周器の銘文に用ひて萬世の世となす。然れば此枼は木葉を本義とす。枼々相代はるは人の世々相代はると同じ。艸に葉といひ。竹に笹(䈎)といふ。而して牒札の牒も枼の別體。なり薄なり。皆木葉の轉義のみ。又楚辭に漁夫莞爾として笑ふ。竄鼓して去ると。玉篇に竄ヘ楫なりとは。の轉義なり。然れども同音の字。亦通用すべきのみ。
           
           
2729 299 まがき かじ       也の古文は它なり。此拕は杝の古文なり。又玉篇に柁は船を正すの木なり。船尾に設くと。此義は拕の轉義なり。字亦柂。舵に作る。但し柁拕音通字。
         
         
2730 299 すぎのき ひらく       檆(の俗)なり。木をもととし皮を音とす。(形聲)朱駿聲云く。爾雅に艪ヘなり。注に松に似たり。江南に生ず。葢し卽ち杉木。肌理細膩なる者古之を文木と謂ふと。一に曰く析なり。葢し經傳は此義皆披を代用す。音通字なり。按ずるに杉木の皮は離れ易し。披剥して用をなす。故に艪フ皮を剥がすを艪ニいふ轉義となす。
           
           
2731 299 ハン           盤の俗字。皿部を見よ。
           
           
2732 300 たいこのばち       鼓の擊つの杖なり。木をもととし包を音とす。(形聲)管子に介冑し。枹を執つて軍門に立つと。又爾雅に樸枹。注に叢生する者を枹となす。詩經に棫樸枹櫟と。勹(ハウ)(ツツム)の代用。
           
           
2733 300 かき         赤實の果なり。木をもととし𪩲を音とす。(形聲)内則に棗栗榛𣐈瓜桃李梅と是れなり。
           
           
2734 300 ヘイ とつて       柯(エ)なり。斧の柄なり。木をもととし丙秉を音とす。(形聲)轉義は易にコの柄。注に本なり。周語に辰(ホシ)に斗柄あり。莊子に棅を奮ふ。注權なりと。凡そ事物の柄を謂ふなり。周禮に八柄を以て王に詔げ羣臣を馭す。注に秉執以て事を起す所の者なり。
           
           
2735 300 栃󠄂 レイ とち         集韻に櫔は木の名なり。實は栗の如しと。正に是れトチなり。説文に櫔なし。古は獅以て之と爲すべし。萬俗に万に作る。故に櫔も亦た栃に作るなり。
           
           
2736 300 きのな いとわく とどむ     柅木なり。木をもととし尼を音とす。(形聲)朱駿聲云く柅はの代用をなす。通俗文に絲を張るを柅と曰ふ。易に金柅に繋く。子夏傳に轤ノ作る。又馬注に車の下に在り輪を止むる所以と疑の代用なりと。
           
           
2737 300 シユウ きのな ひいらぎ さいずち     古此字なし。集韻に柊は音終。木の名なり。卽ち冬を音とするなり。ヒイラキと讀む。未た詳かならず。今本廣雅に柊葵は椎(ツチ)なり。爾雅は終葵に作る本字なり。字音に取る。
           
           
2738 300 うつわのあし だいあし つかむ つける 闌足なり。木をもととし付を音とす。(形聲)闌は架なり。闌足とは机俎の足の如きものなり。凡そ器物の足は柎と曰ふと得と。俗字は跗跌に作る。補亡詩に白家跗。注に跌と同じ。詩經に鄂不韡々。不を以て代用す。字亦蚹に作る。莊子に蛇蚹。注に蛇の腹の下なり。又考工記の疏に柎は把なりとは拊の代用。又儀禮に魁を以て之に柎す。注に注なり坿の代用。
           
           
2739 300 ハク かしわ このてがしわ     松柏の柏なり。一名は鞠なり。木をもととし白を音とす。(形聲)鞠は爾雅に椈に作る。俗字なり。後人の改寫のみ。柏の俗字は栢に作る。又周禮に其栢席は雚を用ふ。注に地に迫するの席とは迫の代用。又考工記に栢車とは伯の代用。伯は大なる義なり。又漢書に栢は鬼の延なりとは魄の代用なりと。
           
           
2740 300 カン みかん はみ       古は甘を以て之と爲す。漢書に黄甘橙榛と本字なり廣韻に柑は木名。橘に似たりと。六朝以後の俗字なり。又公羊傳に馬に柑し之に秣す。注に木を以て口に銜すと。鉗の俗體のみ。
           
           
2741 301 バイ うめ それがし        
ボウ          
           
2742 301 セン そめる やわらか        
ゼン          
           
2743 301 ジユウ やわらか よわし        
ニユウ          
           
2744 301 シヤ くわのたぐい        
           
           
2745 301 コウ おり はこ おさえる      
オウ          
           
2746 301            
           
           
2747 301 ユウ ゆず          
           
           
2748 301 タク きをわる さく ひようしぎ ひらく    
           
           
2749 301 サク くぬぎ ななめにきる せまる    
           
           
2750 302 テイ きのね ねもと もと      
           
           
2751 302 シヤ かこい あきらかにす      
         
         
2752 302 柧󠄃 かど かどばる        
           
           
2753 302 キユウ ひつぎ          
           
           
2754 302 レン えらぶ える        
           
           
2755 302 おののえ えだ        
           
           
2756 302 ダイ からなし いかん なんぞ      
         
           
2757 302 チユウ はしら こばむ ささう      
           
           
2758 302 サク やらい          
           
           
2759 303 リユウ やなぎ          
           
           
2760 303   つが とが        
           
           
2761 303 サイ しば          
           
           
2762 303 チヨ            
           
           
2763 303 リツ くりのき くりのみ ふるえる      
           
           
2764 303 セイ            
           
           
2765 303 ハク            
           
           
2766 303 カツ ためぎ ただす やはず      
           
           
2767 303 カン しおり みちしるべ        
           
           
2768 303 ジン よわし やわらか        
           
           
2769 304 コウ かせ まなびのいえ      
           
           
2770 304 ケン            
           
           
2771 304 チユ ねかぶ          
シユ          
           
2772 304 ソン            
           
           
2773 304 セン            
           
           
2774 304 コウ みつる よこぎ        
           
           
2775 304 コン きのね        
           
           
2776 304 コウ よこぎ          
           
           
2777 304 セン きくぎ はち        
           
           
2778 304 シツ あしかせ          
           
           
2779 304 ほばしら          
           
           
2780 305 サイ たていた うえる        
           
           
2781 305 ケイ かつら          
           
           
2782 305 トウ もも          
           
           
2783 305 アン つくえ          
           
           
2784 305 枅󠄂 ケイ けた ひじき うでぎ      
           
           
2785 305 トウ きり          
           
           
2786 305 ソウ くわ          
           
           
2787 305 󠄄 ソウ くわ          
           
           
2788 305 カン もんばしら きど とりい めぐる たけし  
  おおいなり        
           
2789 305 核󠄂 カク はこ ほね さね たね    
           
           
2790 306 キツ ききよう くすり はねつるべ      
           
           
2791 306            
           
           
2792 306 カク きながし さしあう ただし はかる たたかう  
           
           
2793 306 𣐽 シン はしばみのき        
           
           
2794 306 ハイ さかずき          
           
           
2795 306 コク てかせ          
コウ          
           
2796 306 むなぎ たいこのばち      
           
           
2797 306 カツ            
           
           
2798 306 こずえ          
           
           
2799 307 トウ ます おけ        
           
           
2800 307 ロウ            
           
           
2801 307 カク たるき かんがう        
           
           
2802 307 リヨウ はし やな        
           
           
2803 307 カン            
           
           
2804 307 シツ うるし          
           
           
2805 307 やしのき          
           
           
2806 307 リヨ ひさし          
           
           
2807 307 バイ ゆずりは むめ        
           
           
2808 307 あずさ あかめがしわ      
           
           
2809 307 くちなし          
           
           
2810 308 コウ やまにれ ききよう        
           
           
2811 308 ジヨウ えだ かきわけ ゆず      
           
           
2812 308 梟󠄂 キヨウ ふくろ たけし みだる ごくもん    
           
           
2813 308 ケン            
           
           
2814 308 梢󠄃 シヨウ こずえ          
           
           
2815 308            
           
           
2816 308 あおぎり さからう おおいなり むささび    
           
           
2817 309 梭󠄂 シユン きのな おさ      
           
           
2818 309 テイ はしご きだはし        
           
           
2819 309 𣒈 オウ            
           
           
2820 309 カイ かせ うつわ からくり      
           
           
2821 309 なしのみ          
           
           
2822 309 テイ つえのいつぽん ひらたきほしにく    
           
           
2823 309 テン きながし          
エン          
           
2824 309 コン もんしきり うちそとのさかい      
           
           
2825 309 あらぐし くしけずる        
           
           
2826 309 セツ つえのいつぽん        
           
           
2827 309 ヘン きよし          
ボン          
ホウ          
2828 310 すてる          
           
           
2829 310 すごろく しようぎ      
           
           
2830 310 ヘイ            
           
           
2831 310 ホウ たな さじき        
           
           
2832 310 トウ むなぎ          
           
           
2833 310 カン ひつぎ          
           
           
2834 310 ホウ つえ          
ボウ          
           
2835 310 あつさのたぐい        
           
           
2836 310 シヨク たてかんぬき たてる たつ うえる  
           
           
2837 311 ソウ なつめ          
           
           
2838 311 タク さお          
           
           
2839 311 キヨク いばら          
           
           
2840 311 リヨウ かど いきおい はげし たけし    
           
           
2841 311 セイ すむ          
           
           
2842 311 シン もり          
           
           
2843 311 メン もめん ひさし        
           
           
2844 311 トウ やまなし かいどう        
           
           
2845 312 サン たな かけはし        
           
           
2846 312 ゲイ            
           
           
2847 312 ケイ わりふ          
           
           
2848 312 ケン うしのはなわ わん まげもの    
           
           
2849 312 ヨク たらのたぐい        
イキ          
           
2850 312 シヨウ つぎき          
セツ          
           
2851 312 キヨク おおかたのぜん かんじき      
         
           
2852 312 栟󠄃 ヘイ しゆろのき          
           
           
2853 312 ソウ            
           
           
2854 312 ホウ            
           
           
2855 312            
           
           
2856 313 ツイ つち うつ しいのき      
           
           
2857 313 ジヨウ            
           
           
2858 313 ワン ゆのみ こばち        
           
           
2859 313 シヨウ さんしよう          
           
           
2860 313 セツ            
ゼイ          
           
2861 313 カク うわひつぎ          
           
           
2862 313 リヨウ むく          
           
           
2863 313 タク うつ くいうつ うつたう      
           
           
2864 313 ソウ しゆろのけ しゆろのき        
           
           
2865 313 ゆみため たすく はこ あらず    
           
           
2866 314 椽󠄄 エン たるき          
           
           
2867 314 椿 チン つばき          
           
           
2868 314 𣔱󠄁 ソウ            
           
           
2869 314 コウ            
           
           
2870 314 ロウ びんろうじゆ          
           
           
2871 314 ホク つのよけ やずつ        
フク          
           
2872 314 ジユ きのこ          
           
           
2873 314 ヨウ やなぎ かわやなぎ        
           
           
2874 314 フウ かえで          
           
           
2875 314 ケツ くさび          
           
           
2876 315 ケン かんぬき ちんば たてる      
           
           
2877 315 いばら むち        
           
           
2878 315 ナン ゆずりは くすのき        
           
           
2879 315 ボウ しげる          
           
           
2880 315 ユウ やわらかなき なら      
           
           
2881 315 カン くつのかた          
           
           
2882 315 アク とばり          
           
           
2883 315 ジン くわのみ          
           
           
2884 315 ソウ さわぐ          
           
           
2885 315 シユウ かい さおさす        
           
           
2886 315 チヨ かみのき こうぞ        
           
           
2887 316 キヨク やのむね たかし きわまる      
ゴク          
           
2888 316 カイ びやくだん のり        
           
           
2889 316 バイ            
           
           
2890 316            
           
           
2891 316 ジユウ            
           
           
2892 316 ギヨウ かざりいた かきつけるいた しわざ    
           
           
2893 316 ソウ            
           
           
2894 316 レン きのな てすり        
ラン          
           
2895 316 ケツ かけふだ          
           
           
2896 316 ジユン てすり          
           
           
2897 316 エイ はしら          
           
           
2898 317 ちやのき えのき        
           
           
2899 317 くわ          
           
           
2900 317 𣖫 コク かみのき          
           
           
2901 317 榜󠄂 ホウ ゆみため むちうつ        
           
           
2902 317 シン はしばみ いばら        
           
           
2903 317 ツイ すばしら つち        
           
           
2904 317 エイ きりのき さかえる やねかざり      
           
           
2905 317 カン みき          
           
           
2906 317 かやのき          
           
           
2907 318 榻󠄃 トウ こしかけ ねだい        
           
           
2908 318 コウ かれる          
           
           
2909 318 サク ほこ          
           
           
2910 318 カイ えんじゆ          
           
           
2911 318 トウ すき          
           
           
2912 318            
           
           
2913 318 シヤ            
           
           
2914 318 シヨウ つつかい やり        
ソウ          
           
2915 318   さかき          
           
           
2916 318 シヨウ            
           
           
2917 318 構󠄃 コウ かまう          
           
           
2918 318 㮮󠄁 ケツ            
           
           
2919 318 コウ            
           
           
2920 318 コウ            
           
           
2921 319 オツ まるめろ          
           
           
2922 319 どだい はしらのね ささう      
           
           
2923 319 スイ たるき          
           
           
2924 319 リユウ ざくろ          
           
           
2925 319 シヨウ たていとまき        
           
           
2926 319 はすにきる いかだ        
           
           
2927 319 ハン            
           
           
2928 319            
           
           
2929 319 バイ            
           
           
2930 319 ゼン もじかくふだ          
ザン          
           
2931 319 槩󠄂 ガイ ますかき あらまし        
           
           
2932 319 カク うわひつぎ          
           
           
2933 319 𣘻            
           
           
2934 320 シユク きのな          
           
           
2935 320 コク かしわ          
           
           
2936 320 シヨウ わりたけ ろべそ かい さお    
           
           
2937 320 チヨウ            
           
           
2938 320 ゲイ きすれあう くさび まと もんしきり    
ゲツ          
           
2939 320 𩵦 きこり          
           
           
2940 320 テキ のき のきした        
           
           
2941 320 ロウ にかい          
           
           
2942 320 ハン つなぐ まがき        
           
           
2943 321 ソウ やぐら すくいあみ        
           
           
2944 321 チヨ きのな あしきき たわむれごと    
           
           
2945 321 かば          
           
           
2946 321 トウ きのな        
ツウ          
           
2947 321 ヒヨウ こずえ しるし        
           
           
2948 321 こぼけ          
         
           
2949 321 スウ とぼそ くるり        
           
           
2950 321 模󠄂 かた のり        
         
           
2951 321 ヨウ くぬぎのみ かた さま      
           
           
2952 321 樟󠄂 シヨウ くす          
           
           
2953 321 かし            
           
           
2954 322 シヨウ もみ          
           
           
2955 322 ソウ かいおけ またらい        
           
           
2956 322 ジヨウ            
           
           
2957 322 つきのき          
           
           
2958 322 シツ うるし          
           
           
2959 322 ロウ            
           
           
2960 322 槾󠄂 マン こて ぬる        
           
           
2961 322 槿 キン むくげ はちす        
           
           
2962 322 ガク おんがく たのしむ        
ラク          
ゴウ          
2963 322 トウ ふせぐ つつかい        
           
           
2964 322 ボク きじ          
           
           
2965 322 ジユ たちき うう        
           
           
2966 323 樴󠄂 シヨク しるし          
           
           
2967 323 シヨウ たきぎ きこり        
           
           
2968 323 バツ いかだ          
           
           
2969 323            
         
           
2970 323            
           
           
2971 323 カン きおおいなり        
           
           
2972 323 キヨウ そり          
           
           
2973 323 シン きのな がつきのたな      
           
           
2974 323 𣚃 ケツ            
           
           
2975 323 キヨウ はし          
           
           
2976 324 タク ふくろ          
           
           
2977 324 トウ だいだい          
           
           
2978 324 ソウ            
           
           
2979 324 キツ たちばな          
           
           
2980 324 ソン たる          
           
           
2981 324 どう はたばしら          
           
           
2982 324 コウ よこぎ よこ        
オウ          
           
2983 324 ケツ くい としきみ ねかぶ      
           
           
2984 324 トウ            
           
           
2985 324 はた かなめ はたらき からくり    
           
           
2986 324 ロク            
           
           
2987 324 橡󠄂 シヨウ とち くぬぎのみ        
           
           
2988 325 よこながはこ        
           
           
2989 325 カン            
           
           
2990 325 樺󠄂 かば          
           
           
2991 325 _ のき          
           
           
2992 325 スイ            
           
           
2993 325 ゲキ しめふだ ふれぶみ        
           
           
2994 325 橿 キヨウ かし          
           
           
2995 325            
           
           
2996 325 イン            
           
           
2997 325            
           
           
2998 325 キヨク            
           
           
2999 325 バク きわだ          
           
           
3000 326 テイ かわやなぎ          
           
           
3001 326 キン りんご          
           
           
3002 326 エン のき          
           
           
3003 326 カイ ひのき          
           
           
3004 326 サン            
           
           
3005 326 ヒヨウ ふくろふくれる        
           
           
3006 326            
           
           
3007 326 ひさぎ ちやのき        
           
           
3008 326 ダン きのな においのき        
           
           
3009 326 シユウ            
           
           
3010 326 檴󠄂            
           
           
3011 326 檠󠄂 ケイ ゆみため ためぎ ともしび      
           
           
3012 327 ケン てがみのうわがき けみす かんがう    
           
           
3013 327 シヨウ ほばしら          
           
           
3014 327 ヒン びんろう          
           
           
3015 327 チユン            
           
           
3016 327 𣛵 セキ            
           
           
3017 327 ボク なつめのたぐい        
           
           
3018 327 トウ ほりかぶ かたくな        
           
           
3019 327 いとまき          
         
         
3020 327 カン おり いくさぶね        
           
           
3021 327 𣟄 タク            
           
           
3022 327 ケイ いちび          
           
           
3023 328 檿 エン やまぐわ          
           
           
3024 328 櫂󠄂 タク かい さお        
           
           
3025 328 コン ふくろ          
           
           
3026 328 ユウ つちくだき          
           
           
3027 328 シツ したじ うつだい        
           
           
3028 328 ライ            
           
           
3029 328 しゆろ          
           
           
3030 328 おおたて やぐら        
           
           
3031 328 トク ひつぎ ひつ        
           
           
3032 328 櫜󠄂 コウ おおぶくろ つつむ ゆみぶくろ      
           
           
3033 328 櫛󠄅 シツ くし          
           
           
3034 329 レキ ははそ くぬぎ        
           
           
3035 329 櫔󠄂 レイ とち          
           
           
3036 329 とがたます ひじき くだもののな きのな  
           
           
3037 329 シン ははそ はだつきひつぎ きりのき    
           
           
3038 329 レキ ゆびひしぎ かいおけ むまたらい      
           
           
3039 329 櫳󠄂 ロウ おり あらこうし        
           
           
3040 329 イン ためぎ くくる        
           
           
3041 329 キヨ くぬぎ けやき        
           
           
3042 329 欄󠄃 ラン            
           
           
3043 329 くす          
           
           
3044 330 オウ さくら          
           
           
3045 330 權󠄂 ケン きのな はかり ふんどう はじめ    
           
           
3046 330 ソウ            
           
           
3047 330 ラン きのな ひじき        
           
           
3048 330 サン            
           
           
3049 330 𣡌 カツ ひこばえ きりかぶ        
           
           
3050 330 ルイ かんじき          
           
           
3051 330 ラン            
           
           
3052 330 ウツ しげる いきれ        
           
           
3053 331 ケン あくび かく        
           
           
3054 331 _            
           
           
3055 331 次󠄄 つぎ          
           
           
3056 331 キン よろこぶ にこにこ        
           
           
3057 331 𣢑 あざわらう せせらわらい      
           
           
3058 331 いきふく わらう よろこぶ      
           
           
3059 332 欬󠄂 ガイ せき せきばらい        
           
           
3060 332 ソク すう せきばらい くちそそぐ      
           
           
3061 332 ヨク もとむ ほつす        
           
           
3062 332 カン            
           
           
3063 332 なげく なく        
           
           
3064 332 アイ なげく          
           
           
3065 332 いつわり あざむく        
           
           
3066 332 キン あくびのかたち うやまう      
           
           
3067 332 イン のむ          
           
           
3068 332 欿 タン むさぼる うれう あきたらぬ      
カン          
           
3069 333 カン まこと むなし しるす たたく    
           
           
3070 333 ソウ すする          
           
           
3071 333 ケツ いきとまる つきる        
カツ          
           
3072 333 ケン あきたらず ひかえめ        
           
           
3073 333 うたう うた        
           
           
3074 333 タン ほめる なげく        
           
           
3075 333 キヨ むせぶ なげく        
           
           
3076 333 コウ            
           
           
3077 333 オウ はく          
           
           
3078 333 キユウ はなをちぢめる すいこむ      
           
           
3079 333 イン のむ          
           
           
3080 334 やすし ことば      
           
           
3081 334 セツ すする          
           
           
3082 334 シヨウ うそぶく          
           
           
3083 334 歡󠄂 カン よろこぶ          
           
           
3084 334 あしくび とどまる        
           
           
3085 334 セイ ただし まさに        
シヨウ          
           
3086 334 とどまる これ この      
           
           
3087 334 あゆむ ふむ        
         
           
3088 335 ゼン すすむ まえ        
           
           
3089 335 たけし ふむ        
         
           
3090 335            
           
           
3091 335 キヨ とどむ こばむ いたる さる    
           
           
3092 335 ゆがむ          
         
           
3093 335 たちもどる ためらう そなえる たくわう    
         
           
3094 335 𣥦 コン            
           
           
3095 335 𣥺 トウ ふみこたえる ただす つきはる    
           
           
3096 335 シユウ しぶる          
           
           
3097 335 𣥹 シユク いたる          
           
           
3098 335 シヨウ かかと          
           
           
3099 336 歲󠄄 セイ ほしのな とし        
サイ          
           
3100 336 レキ ふる すぎる こよみ      
           
           
3101 336 とつぐ さとがえり かえる      
           
           
3102 336 いのちおわる つきる      
           
           
3103 336 キユウ            
           
           
3104 336 ヨウ            
           
           
3105 336 𣧑 キヨウ            
           
           
3106 336 _ キヨウ            
           
           
3107 336 タイ あやうし ちかし        
           
           
3108 336 しぬ          
           
           
3109 336 ジユン しぬ          
           
           
3110 337 テン つくす たつ        
           
           
3111 337 おいくちる          
           
           
3112 337 歿 ボツ しぬ          
           
           
3113 337 オウ わざわい とがむ        
           
           
3114 337 𣧻 そこなう          
           
           
3115 337 シユ ころす ことなる        
           
           
3116 337 ヒヨウ ゆきだおれ          
           
           
3117 337 𣨛 シユツ しぬ おわる        
           
           
3118 337 シヨク くさる ふえる うえつけ たつ    
           
           
3119 337 𣨙 やむ すたる        
           
           
3120 338 ザン そこなう のこす のこり      
           
           
3121 338 イン おつ          
           
           
3122 338 キヨク ころす つみす        
           
           
3123 338 ヘイ            
           
           
3124 338 シユウ くされるにおい くさし      
           
           
3125 338 カイ くさる ついゆ        
           
           
3126 338 エイ ころす たおす        
           
           
3127 338 やぶれる やぶる        
           
           
3128 338 ヒン かりもがり          
           
           
3129 338 トク はらこもりやぶる        
           
           
3130 338 セン つくす ころす        
           
           
3131 339 ダン うつ きたえる わかつ      
           
           
3132 339 カク うつ ころす から      
           
           
3133 339 イン さかんなり          
           
           
3134 339 サツ ころす そぐ        
サイ          
           
3135 339 コウ みだす みだる にごる さかな    
           
           
3136 339 殿 デン うつこえ との しんがり      
           
           
3137 339 ケイ            
           
           
3138 340 かく こぼつ        
           
           
3139 340 オウ うつ たたく        
           
           
3140 340 ダン たまごかえらず        
           
           
3141 340 いかる つよし さだむ      
           
           
3142 340            
           
           
3143 340 なかれ ふせぐ        
           
           
3144 340 カン つらぬく          
           
           
3145 340 はは なし        
           
           
3146 341 𣫭 マイ くさしげる つねに ことに      
         
           
3147 341 ドク あしし そこなう        
           
           
3148 341 イク やしなう          
           
           
3149 341 したしむ ならぶ おもねる      
           
           
3150 341 つつしむ ねんいり        
           
           
3151 341 へそ たすく あわす あきらか    
           
           
3152 341 ザン はしこいうさぎ        
           
           
3153 342 ホウ          
           
           
3154 342 セン けはえそろう        
           
           
3155 342 ゴウ          
           
           
3156 342 キユウ まり          
           
           
3157 342 ゼイ ほそきけ          
           
           
3158 342 カン ながきけ ふで        
           
           
3159 342 𣯍 ジン けさかん けあたらし        
ジヨウ          
           
3160 342 さしまねく          
           
           
3161 343 ボウ おながうし けもののお はかりめのな    
         
           
3162 343 シヨウ とりのけ けごろも        
           
           
3163 343 セン けむしろ けいと        
           
           
3164 343 やまのな おおくずれ うじ      
           
           
3165 343 テイ            
           
           
3166 343 ミン たみ          
           
           
3167 343 ボウ たみ          
           
           
3168 343 そらのき こう        
キツ          
           
3169 344 フン あしきき めでたいき        
           
           
3170 344 イン きのかたち いきれ        
           
           
3171 344 ウン            
           
           
3172 344 おくりよね          
           
           
3173 344 スイ みず          
           
           
3174 345 ヒヨウ こおり          
           
           
3175 345 エイ みずながし ながし        
           
           
3176 345 シヨウ            
           
           
3177 345 キユウ もとむ          
           
           
3178 345 デキ おぼる          
           
           
3179 345 ハン ひたす ひろし うかぶ      
           
           
3180 345 テイ みずぎわ たいらか        
           
           
3181 345 ジユウ しる          
シユウ          
           
3182 345 カン あせ          
           
           
3183 345 けがる たまりみず        
         
           
3184 345 けがる たまりみず        
         
           
3185 346   みずかね          
           
           
3186 346 タイ こめをとぐ よなぐ なめらか      
           
           
3187 346 コウ かわのな        
           
           
3188 346 ジヨ みずのな なんじ        
           
           
3189 346 セキ ゆうしお          
           
           
3190 346 いけ          
         
           
3191 346 ユウ およぐ あそぶ        
           
           
3192 346 ハン うかぶ ひろし        
           
           
3193 346 シン そそぐ          
           
           
3194 347 キツ みずかれる ゆげ        
         
           
3195 347 オウ ふかし ひろし おおいなり      
           
           
3196 347 こめとぎしる なめらか        
タイ          
           
3197 347 キユウ くむ ひく        
           
           
3198 347 ケツ わかつ わかる さだむ きまる    
           
           
3199 347 モク かみあらい          
           
           
3200 347 ヨク そそぐ こえる ひたす      
           
           
3201 347 コウ みずおおいなり みずひろし      
           
           
3202 347 ホウ ならぶ          
           
           
3203 348 チン たまりみず しずむ        
           
           
3204 348 トン あめつちのはじめ まぜこぜ      
           
           
3205 348            
           
           
3206 348 セン            
           
           
3207 348 𣲎 イン            
           
           
3208 348 ボツ            
           
           
3209 348 トウ ことばおおし          
           
           
3210 348 シン みずのな しみる ひたす      
           
           
3211 348 チユウ みずうごく むなし おき      
           
           
3212 348 すな ちりめん        
シヤ          
           
3213 348 ハイ みずのな さかんなり いかる つまずく    
  あめふるかたち      
           
3214 349 ちいさきなぎさ        
           
           
3215 349 𣳚 ボツ しずむ つくす しぬ      
           
           
3216 349            
           
           
3217 349            
           
           
3218 349 ハイ かねあらう          
マイ          
         
3219 349 バツ みずのな しぶき あわす つばき    
           
           
3220 349 みずのな かわのな        
           
           
3221 349 フツ みずわく ゆわく        
           
           
3222 349 ユウ みずのな ながる あぶら      
           
           
3223 349 沿 エン そう よる        
           
           
3224 349 みずのな おさむ        
         
           
3225 350 シヨウ ぬま          
           
           
3226 350 ユウ およぐ あそぶ        
           
           
3227 350 みずのな うりかい あたい      
           
           
3228 350 テン みずのな そえる うるおす      
           
           
3229 350 キヨウ つめたいみず いわんや      
           
           
3230 350 エイ みずのな もらす なれる      
           
           
3231 350 セン いずみ ぜに        
           
           
3232 350 イツ みずはびこる すみやか ほしいまま    
           
           
3233 350 ハク あさし あつさり とまり      
           
           
3234 351 ホウ のり おきて しかく ならう てほん  
  のつとる        
           
3235 351 オウ みずふかし          
           
           
3236 351 はやきながれ うちあう      
           
           
3237 351 カン こめどきみず        
           
           
3238 351 ホン うかぶ          
ホウ          
           
3239 351 ルイ なみだ          
           
           
3240 351 𣳙 さかのぼる むかう        
           
           
3241 351 さかのぼる むかう        
           
           
3242 351 泡󠄃 ホウ みずのな あわさかん        
           
           
3243 351 ながる なみ        
           
           
3244 352 キユウ すすりなき なく        
           
           
3245 352 ケン ながる          
           
           
3246 352 チユウ そそぐ しるす        
シユ          
           
3247 352 デイ みずのな どろ みずのにごり    
           
           
3248 352 オウ みずふかくひろし        
           
           
3249 352 いかだ          
           
           
3250 352 ワツ けす          
エツ          
           
3251 352 エイ みずくぐる およぐ        
           
           
3252 352 タイ なめらか やすし        
           
           
3253 352 イツ            
           
           
3254 353 ハン ごてんのな まなびどころ      
           
           
3255 353 カイ さかのぼる          
           
           
3256 353 セン            
           
           
3257 353 洿 にごるながれ        
           
           
3258 353 レツ みずきよし          
           
           
3259 353 ヨウ みずのな ひろし なぐ      
           
           
3260 353 かまにそそぐ        
           
           
3261 353 サイ あらう そそぐ みずまき      
           
           
3262 353 セン あしあらう あらう あらいきよむ たらい  
           
           
3263 353 コウ おおみず          
           
           
3264 353 ラク みずのな          
           
           
3265 353 はなしる          
           
           
3266 353 エイ            
           
           
3267 354 トウ ながれ うつろ        
           
           
3268 354 シン わたし          
           
           
3269 354 コウ おおみず          
           
           
3270 354 キヨク みぞ          
イキ          
           
3271 354 トウ みずのな あらう そそぐ こす    
           
           
3272 354 シユウ くに        
           
           
3273 354 ハク            
           
           
3274 354 カツ みずのこえ いきる        
           
           
3275 354 コウ うるおす あまねし あわす      
           
           
3276 354 キヨウ みずわく おどる        
           
           
3277 354 𣳫 オウ            
           
           
3278 354 ジユン みずのな まこと ひとし      
           
           
3279 355 みずわかる わかる        
           
           
3280 355 リユウ ながれ ながる すえ      
           
           
3281 355 シユン くむ さらう おおいなり      
           
           
3282 355 サク うるおう たらす たる      
           
           
3283 355 ボツ さかん おきる        
           
           
3284 355 カン すすぐ あらう        
           
           
3285 355 ホウ おおみず きりたつ        
           
           
3286 355 ゼイ ぬるまゆ あく        
           
           
3287 355 ユウ うるおう          
           
           
3288 355 うら          
           
           
3289 355 浩󠄃 コウ ひろし おおし おごる      
           
           
3290 356 ロウ みずのな たわむる みずいろ なみ    
           
           
3291 356 浮󠄃 うかぶ          
           
           
3292 356 ヨク ゆあみ          
           
           
3293 356 浸󠄃 シン みずのな ひたす        
           
           
3294 356 ソウ            
           
           
3295 356 カイ うみ          
           
           
3296 356 バイ けがる          
           
           
3297 356 みずのな みち ぬる けがる    
           
           
3298 356 チユウ            
           
           
3299 356 消󠄃 シヨウ きゆ とける        
           
           
3300 357 デツ かわぞこのどろ くりす      
           
           
3301 357 ソウ すすぐ          
ソク          
           
3302 357 シヨウ わたる          
           
           
3303 357 ケン ちよろちよろみず きよし すてる    
           
           
3304 357 キン ひたす ながあめ かいいけ      
           
           
3305 357 テイ なみだ はなしる        
ルイ          
           
3306 357 ホウ みぞ          
           
           
3307 357 涎󠄁 セン よだれ          
           
           
3308 357 ヨウ わく みず        
           
           
3309 357 @ のぞむ          
           
           
3310 358 カン わく にえたつ てあらう      
           
           
3311 358 エキ しる          
           
           
3312 358 カン ひたる うるおう        
           
           
3313 358 ガイ みぎわ          
           
           
3314 358 みずかる つくす こる ひかたまる    
           
           
3315 358 デン よど          
           
           
3316 358 リヨウ すずし うすし さみし      
           
           
3317 358 コウ みだる          
           
           
3318 358 みずのな おどみ くろし      
           
           
3319 358 みずのな おどみ くろし      
           
           
3320 358 𣵽󠄀 ヨク            
           
           
3321 358 セキ こめをとぐ          
           
           
3322 358 𤖅 シヨウ            
           
           
3323 359 涿󠄂 タク したたる あまだり        
           
           
3324 359 リン そそぐ ひたす        
           
           
3325 359 ヘイ わたをさらす          
           
           
3326 359 コツ にごる どろ        
           
           
3327 359 カン どろみずながる いとをにるゆ      
           
           
3328 359 シユク すむ よし        
           
           
3329 359 セイ くもあめおこる すさまじ さむし    
           
           
3330 359 ルイ            
           
           
3331 359 タク どろ にごる        
           
           
3332 359 トウ ながれ えらぶ        
           
           
3333 360 ヒヨウ かちわたり          
           
           
3334 360 タン あわし やすし        
           
           
3335 360 おり どろ      
           
           
3336 360 ロク            
           
           
3337 360 リン さざなみ しずむ ほろぶ      
           
           
3338 360 𣶢 ホウ            
           
           
3339 360 シン みずのな ふかし        
           
           
3340 360 リヨウ みずのな しのぐ        
           
           
3341 360 𣶃 チヨウ            
           
           
3342 360 ジヨウ いけみず きよし        
           
           
3343 360 サイ ひけしつぼ ひやす        
シユツ          
           
3344 361 イン ひたす みだる        
           
           
3345 361 テン そう          
           
           
3346 361 ジユン したむ あつし        
           
           
3347 361 𣵿 セン            
           
           
3348 361 コン みずおおし にごる まざる      
           
           
3349 361 C セイ すむ きよし つまびらか すずし    
           
           
3350 361 エン みずのな ひたす くさる ひさし    
           
           
3351 361 セン あさし          
           
           
3352 361 E ヒヨウ みずおおいなり みずとおし      
           
           
3353 362 エン ふち          
           
           
3354 362 カン ながれわかる あきらか      
           
           
3355 362 テイ            
           
           
3356 362 ゲン みずへる へる        
           
           
3357 362 シヨ みずのな なぎさ        
           
           
3358 362 みずのな かす おどみ      
           
           
3359 362 わたる わたす        
           
           
3360 362 ナン やわらか        
           
           
3361 362 かわる はこぶ        
           
           
3362 362 セツ さらう きよむ        
シヨウ          
           
3363 363 渠󠄂 キヨ なかず みぞ かしら くるまのわ せきれい  
  はす なんぞ あに    
           
3364 363            
           
           
3365 363 アク うるおす あつし        
           
           
3366 363 港󠄃 コウ みなと          
           
           
3367 363 オン            
           
           
3368 363 ソク ふかし はかる        
           
           
3369 363 カツ つきる かわく        
           
           
3370 363 エン くもいであめふる        
           
           
3371 363 ユウ あそぶ          
           
           
3372 363 コン おおみずのおと ながる      
           
           
3373 363 ビヨウ            
           
           
3374 363 レン あらう おさむ ねる      
           
           
3375 364 みずうみ          
           
           
3376 364 タン しずむ ひたす たたえる      
           
           
3377 364 ソウ みなと あつまる        
           
           
3378 364 シヨ したむ          
           
           
3379 364 ハイ            
         
           
3380 364            
           
           
3381 364 メン さけにふける おぼれる      
           
           
3382 364 𣸈 シユウ ひたしそそぐ ゆばり      
           
           
3383 364            
           
           
3384 364 セイ            
           
           
3385 364 𣸁 シン            
           
           
3386 365 タン はやせ          
           
           
3387 365 カツ            
           
           
3388 365 ハイ みずさかんなり        
           
           
3389 365 シユウ あめふる わくかたち        
           
           
3390 365 湮󠄃 イン しずむ ほろぶ ふさがる      
           
           
3391 365 シヨウ みずのな にる        
           
           
3392 365 トウ          
           
           
3393 365 つば          
           
           
3394 365 エン みずのながれ        
カン          
           
3395 365 ゲン みなもと          
           
           
3396 366 ジユン みずもり たいらか        
           
           
3397 366 コウ おおう おわる        
           
           
3398 366 リユウ みずのな あまだり        
           
           
3399 366 溝󠄃 コウ みぞ          
           
           
3400 366 メイ こさめ うみくらし        
           
           
3401 366 イツ あふる          
           
           
3402 366 シユウ            
           
           
3403 366 みずのはて おおいなり        
ハク          
           
3404 366 オン みずのな あたたか ぬるむ たずぬ    
           
           
3405 367 コン みだる にごる かわや      
           
           
3406 367 ジヤク ちのな いばり おぼる      
ジヨウ          
デキ          
3407 367 シユウ しめる うるおう        
           
           
3408 367 滂󠄂 ホウ みずさかん ひろし おおいなり      
           
           
3409 367 ソウ さむし みずのな        
           
           
3410 367 メツ つきる ほろぶ        
           
           
3411 367 𣹢 カン            
           
           
3412 367 滋󠄆 ます そだつ ふえる      
           
           
3413 367 ジヨク むしあつし          
           
           
3414 367 シユウ            
           
           
3415 368 カツ なめらか すべる        
           
           
3416 368 滕󠄃 トウ みずわく          
           
           
3417 368 ケイ たに          
           
           
3418 368            
           
           
3419 368            
           
           
3420 368 おどみ どろ くろし      
サイ          
           
3421 368 カン            
           
           
3422 368 㴱󠄂 シン            
           
           
3423 368 ヨウ みずおおし ゆるやか とかす      
           
           
3424 368 𣹦 シン            
           
           
3425 368 トウ はびこる おおみず        
           
           
3426 368 レン あわきみず うすし        
           
           
3427 369 テキ あらう のぞく ゆすぶる      
ジヨウ          
           
3428 369 シユウ こめとぎしる ゆばり        
           
           
3429 369 タイ とどこおる          
           
           
3430 369 シン こす したむ つきる      
           
           
3431 369 滴󠄂 テキ そそぐ したたる        
           
           
3432 369 滿 マン みつる あふる        
           
           
3433 369 ヒヨウ うかぶ ただよう さらす      
           
           
3434 369 ユウ            
           
           
3435 369 ギヨ すなどり          
           
           
3436 370 シツ みずのな うるし        
           
           
3437 370 ロク さらう こす したむ      
           
           
3438 370 ロウ とけい あまもり        
           
           
3439 370 漑󠄇 ガイ みずのな そそぐ        
           
           
3440 370            
           
           
3441 370 イン ながくながる ひく のぶ    
エン          
           
3442 370 しみず くぼたまり くぼみ      
           
           
3443 370 ソウ ふねこぐ はこぶ        
           
           
3444 370 オウ ながくひたす        
           
           
3445 370 シン みぎわ          
           
           
3446 371 タン つゆたる          
           
           
3447 371 漠󠄂 バク さばく ひろし        
           
           
3448 371 カン みずのな あまのがわ おとこ      
           
           
3449 371 ラン            
レン          
           
3450 371 漫󠄂 マン みずひろし ながし はびこる ほしいまま みだり  
  そぞろ        
           
3451 371 ひたす つける そまる みずびたし    
セキ          
           
3452 371 シユウ くちそそぐ あらう        
ソウ          
           
3453 371 ホウ みずひろし          
           
           
3454 371 カン わかちなし          
           
           
3455 371 ゼン みずのな ようやく ひたす      
           
           
3456 372 リヨウ ふかし すむ        
           
           
3457 372 ヨウ みずのな みずながし        
           
           
3458 372 チヨウ みなぎる          
           
           
3459 372 ソウ            
           
           
3460 372 トウ            
           
           
3461 372            
           
           
3462 372 チヨウ うしお おおなみ        
           
           
3463 372 𣻲            
           
           
3464 372 漿 シヨウ すしる のみもの        
           
           
3465 372 ケツ いさぎよし きよし        
           
           
3466 372 𣽉 ジユ            
           
           
3467 372 𣾨 みぎわ きし        
           
           
3468 372 ヘイ わたうち さらす        
           
           
3469 372 シユウ            
           
           
3470 373 ハン こめとぎしる なみ        
           
           
3471 373 ハツ みずもる みずまく        
           
           
3472 373 セン みずくぐる ひそむ かくる      
           
           
3473 373 キユウ はやきながれのおと なおざり      
           
           
3474 373 セキ ひがた          
           
           
3475 373 フツ            
           
           
3476 373 コウ たまりいけ ひようぐし        
           
           
3477 373 セン            
           
           
3478 373 カン たにま          
           
           
3479 374 ビン みずながれおだやか        
           
           
3480 374 ロウ あまみず          
           
           
3481 374 ジユン うるおす かざる        
           
           
3482 374 ソウ みずあつまる        
           
           
3483 374 タン みずのな ふかし みぎわ      
           
           
3484 374 シン きしふかし ゆくかたち        
           
           
3485 374 カイ ついゆ みだる        
           
           
3486 374 リユウ            
           
           
3487 374 サン なみだをながす        
           
           
3488 375 シユウ しぶる しぶ        
           
           
3489 375 チヨウ きよし すむ        
           
           
3490 375 ギヨウ そそぐ うすし        
           
           
3491 375 みずかる つきる        
           
           
3492 375 ジユ みずかる つきる        
           
           
3493 375 ホウ みずさかんなり        
           
           
3494 375 K テツ すむ          
           
           
3495 375 コウ            
           
           
3496 375 𣽊 シユン            
           
           
3497 375 コウ            
           
           
3498 375 𣽬 カン            
           
           
3499 375 ソウ てあらう あらう        
           
           
3500 375 タク うるおう つや さわ      
           
           
3501 376 カイ うみのな          
           
           
3502 376 カツ のどかわく          
           
           
3503 376 𣿊 レン てつをよなげる        
           
           
3504 376 カイ みずのな そそぐ みぞ      
           
           
3505 376 デン よどむ よど        
           
           
3506 376 イク くま みぎわ        
           
           
3507 376 ヘキ さらす          
           
           
3508 376 タン みずうごく やすらか ゆたか      
           
           
3509 376 ケン            
レン          
           
3510 377 ゲキ みずなみうつ はげし      
           
           
3511 377 ダク みずのな にごる        
           
           
3512 377 ノウ こまやか こし まゆおおし      
           
           
3513 377 濄󠄁 みずのな うずまき        
           
           
3514 377 カン あらう          
           
           
3515 377 フン たかききし みずわく        
           
           
3516 377 澾󠄁 タイ            
           
           
3517 377 シユウ しぶる          
シヨク          
           
3518 377 トウ なみ          
           
           
3519 377 カイ みずおおし          
           
           
3520 377 シユウ みずのな うるおう しめる      
シツ          
           
3521 377 ネイ みずすくなし どろ きよし      
           
           
3522 377 濛󠄃 モウ こさめ          
           
           
3523 378 濠󠄂 ゴウ みずのな ほり        
           
           
3524 378            
           
           
3525 378 セイ みずのな なす すくう      
サイ          
           
3526 378 ジユ みずのな うるおう        
           
           
3527 378 濩󠄂 カク あまだり にごる にる      
           
           
3528 378 瀞󠄃 セイ いさぎよし きよし        
ジヨウ          
           
3529 378 ラン みずひろがる みだる      
           
           
3530 378 シユン ふかくさらう          
           
           
3531 378 イン みずのみち          
           
           
3532 378 シヨウ            
           
           
3533 379 タク あらう すすぐ つやあり      
           
           
3534 379 ヒン            
           
           
3535 379 セン そそぐ          
           
           
3536 379 リヨ みずこす          
         
           
3537 379 ヨウ            
           
           
3538 379 㶀󠄀 リヨウ            
           
           
3539 379 濿 レイ かちわたり はげむ        
           
           
3540 379 瀀 ユウ うるおす おおし あつし たのしむ    
           
           
3541 379 トク みぞ けがす けがる やぶる    
           
           
3542 379 シン しる          
           
           
3543 379 O コウ            
           
           
3544 380 シヤ うつす かたす そそぐ      
           
           
3545 380 𤁵 リヨ            
           
           
3546 380 ヒヨウ ゆきふる ゆきこんこん        
           
           
3547 380 瀎󠄁 バツ のごいけす          
           
           
3548 380 リユウ ながれすむ めもとすずし かぜすずし      
           
           
3549 380 瀓󠄁 チヨウ            
           
           
3550 380 ボウ おおあめ たき        
バク          
           
3551 380 ユウ みずひろし          
           
           
3552 380 カン みずひろし          
           
           
3553 381 ヒン はま みぎわ しきりに      
           
           
3554 381 エイ しまぐに          
           
           
3555 381 瀡󠄀 ズイ なめらか          
           
           
3556 381 瀟󠄂 シヨウ みずすみふかし みずのな      
           
           
3557 381 レキ したむ したたり        
           
           
3558 381 カイ ひろきみず ゆるきながれ ゆうがすみ    
           
           
3559 381 瀦󠄃 チヨ みずたまり          
           
           
3560 381 瀧󠄆 ロウ おおあめ たき        
リヨウ          
           
3561 382 P ライ あさせ        
           
           
3562 382 みつるなり          
           
           
3563 382 セン みずみなぎる        
           
           
3564 382 レン            
           
           
3565 382 𤃬 カン そそぐ あらう とおか      
           
           
3566 382 セン ひたす つける        
           
           
3567 382 ヤク ひたす にる ゆく      
           
           
3568 382 𤄫 ハン おおなみうつ        
           
           
3569 382 レン みずあふる          
           
           
3570 382 ラン おおなみ          
           
           
3571 382 灌󠄂 カン みずのな あつまる そそぐ      
           
           
3572 383 サイ そそぐ みずまた ちらす      
           
           
3573 383 ホウ            
           
           
3574 383 サン そそぐ よごす        
           
           
3575 383 あきさめ したたる したむ      
           
           
3576 383 ダン ぬれてまたかわく なだ      
         
           
3577 383 𤅊 ケツ つみをただす          
           
           
3578 383 コウ まめのにじる みずひろし      
           
           
3579 383 ラン こめとぎしる なみ        
           
           
3580 383 ワン いりえ          
           
           
3581 383 𤅿 エン みずさかん          
           
           
3582 384          
           
           
3583 384 灰󠄃 カイ はい あく        
           
           
3584 384 テイ つよきひ あかり        
           
           
3585 384 コウ            
           
           
3586 384 キユウ じつとやく やいと じつとおさえる    
           
           
3587 384 シヤク あぶりやく あきらか うつくし      
           
           
3588 384 災󠄂 サイ わざわい          
           
           
3589 384 サイ わざわい          
           
           
3590 384 シヨウ いる はぜる        
サイ          
           
3591 384 エン ほのお          
           
           
3592 385 スイ かしぐ          
           
           
3593 385 炉󠄂            
           
           
3594 385 セキ あぶりにく びふてき        
シヤ          
           
3595 385 コウ            
           
           
3596 385            
           
           
3597 385 炬󠄂 キヨ たいまつ          
           
           
3598 385 はぜる          
サク          
           
3599 385 タイ すす くろし        
           
           
3600 385 シヨウ            
           
           
3601 385 ケイ ひかる あきらか        
           
           
3602 385 炷󠄂 シユ            
           
           
3603 385 ヘイ あきらか          
           
           
3604 385 タン すみ          
           
           
3605 385 ホウ つつみやき むしやき ほえる      
           
           
3606 386 からす ああ      
         
           
3607 386 メツ ほろぶ ほろぼす        
           
           
3608 386 コウ かがりたく あぶる        
           
           
3609 386 ジヨウ むす すすむ おく おおし    
           
           
3610 386 サイ            
           
           
3611 386 カン            
           
           
3612 386 ラク やく          
           
           
3613 386 レツ はげし やきつける        
           
           
3614 386 エン            
           
           
3615 386 コウ さけぶ うつくし        
           
           
3616 387 ホウ にる          
           
           
3617 387 ホウ ひあげ のろし        
           
           
3618 387 𤈫            
           
           
3619 387 ヒヨウ            
           
           
3620 387 T クン            
           
           
3621 387 セキ            
           
           
3622 387 エン とりのな いずくんぞ ここに      
           
           
3623 387 シヨウ            
           
           
3624 387 セキ かささぎ くつ        
サク          
           
3625 387 エン ひばな          
           
           
3626 387 トン あきらか さかんなり あさひ      
           
           
3627 387 コン かがやく          
           
           
3628 387 エン            
           
           
3629 387 サイ やきをいれる やいば      
           
           
3630 388 フン やく          
           
           
3631 388 ゼン やく もやす しかり      
ネン          
           
3632 388 しげる ゆたか なし      
         
           
3633 388 焫󠄂 セツ            
           
           
3634 388 𤉢 ゾウ            
           
           
3635 388 シヨウ こげる こがす くろこげ こげくさし    
           
           
3636 388 𤉡 ジヨウ            
           
           
3637 388 ヒヨク ほうじる          
           
           
3638 388 シヤク あきらか          
           
           
3639 388 セン につめる いる        
           
           
3640 388 𤉣󠄁            
           
           
3641 389 ジン おきかまど          
           
           
3642 389 W ひかり かがやく ひがさ      
           
           
3643 389 コウ かがやく あきらか        
           
           
3644 389 テン ひもえゆく          
           
           
3645 389 サツ            
           
           
3646 389 シヨ にる          
シヤ          
           
3647 389 ケン あたたか          
ダン          
           
3648 389 ナン あたたか          
           
           
3649 389 ひかりかがやく はなやか      
           
           
3650 389 エン けむり          
イン          
           
3651 389 ジユウ たむ          
           
           
3652 390 ケイ とびまわる はねひかる ひとり      
           
           
3653 390 𤊽 リヨウ まつりのな あかり        
           
           
3654 390 バイ すす せきたんすみ      
           
           
3655 390 ヨウ あぶりかわかす        
           
           
3656 390 カン あきらか うるわし        
           
           
3657 390 むす あたたか やしなう      
           
           
3658 390 シヨウ あきらか てらす        
           
           
3659 390 ワイ うずみび やく        
           
           
3660 390 ハン ずつう わずらわし        
           
           
3661 390 レン かねをねる ねる        
           
           
3662 390 U イク かがやく さかんなり        
           
           
3663 391 ウン けむりこもる あたたか        
           
           
3664 391 かわく おこる たのしむ      
           
           
3665 391 クン けむりたつ ふすぶ やく      
           
           
3666 391 セン きらめく          
           
           
3667 391 リン おにび ほたる        
           
           
3668 391 ユウ くま          
           
           
3669 391 ケイ ともしびのひかり おにび ほたる    
           
           
3670 391 ヨウ るつぼ とろけいし        
           
           
3671 392 煽󠄄 セン あおる さかんなり        
           
           
3672 392 コウ ひあつし あつさつよし        
           
           
3673 392 ひのし          
           
           
3674 392 ソク ひをうずむ ふさぐ やすむ      
           
           
3675 392 ヒヨウ ひとぶ          
           
           
3676 392 ユウ さかんにひかる ひかりとびかう    
シユウ          
           
3677 392 㷭󠄀 ホウ            
           
           
3678 392 シヨウ やく          
           
           
3679 392 ジユク よくにゆ          
           
           
3680 392 セツ あつし あたたむ        
ネツ          
           
3681 392 ゴウ につめる いる じれる      
           
           
3682 392 ガン いもののひいろ にせる      
           
           
3683 392 あぶる うつくし あきらか たわむる    
           
           
3684 393 ハン やく やきにく        
           
           
3685 393 ひさかん あかし        
シヨク          
           
3686 393 ジユン            
           
           
3687 393 ゼン ゆづけ あたたむ        
           
           
3688 393 シヨウ かがり もやす てしよく      
           
           
3689 393 ゼン もえる          
ネン          
           
3690 393 リン            
           
           
3691 393 ラン            
           
           
3692 393 エン つばめ やすんず たのしむ      
           
           
3693 393 トウ ともしび あかり        
           
           
3694 393 リヨウ のび にわかがり        
           
           
3695 393 Y󠄂 ヨウ さかんなり かがやく        
           
           
3696 394 エン ひのもえはじめ とろとろび      
           
           
3697 394 ソウ かわく ざわざわ        
           
           
3698 394 イク むしあつし あたたか        
           
           
3699 394 エイ いとなむ          
           
           
3700 394 𤏶 オウ            
           
           
3701 394 サン あざやか うつくし        
           
           
3702 394 𤎩 スイ あげひ のろし ひとりかがみ きりび  
           
           
3703 394 シヨク おおかがりび あかり てらす    
           
           
3704 394 シヨウ やわらぐ ととのう        
           
           
3705 395 𤏻 シヨウ よくにる          
           
           
3706 395 カク            
           
           
3707 395 セン のび むかえやく        
           
           
3708 395 燿󠄃 ヨウ かがやく あきらか        
           
           
3709 395 クン            
           
           
3710 395 𤐫 ヒヨウ            
           
           
3711 395 ジン もえささり あまり のこる      
           
           
3712 395 Z トウ てらす          
           
           
3713 395 ボク やく ふくれる まばら      
バク          
           
3714 395 爇󠄂 セツ やく          
           
           
3715 395 シヤク とらかす かがやく        
           
           
3716 395 エン ひさかんなり        
           
           
3717 395 いろり          
           
           
3718 396 ヤク ひとぶ やく なつまつり      
           
           
3719 396 シヤク かがりのはらい        
           
           
3720 396 ラン ただらかす にくただらす        
           
           
3721 396 チユウ あつし ふすべる        
           
           
3722 396 爟󠄁 ケン あきらか あたたか        
           
           
3723 396 シヨク            
           
           
3724 396 㸏󠄀 にくただらす ただらかす こまかにす      
           
           
3725 396 サン かしぐ          
           
           
3726 396 𨽵 スイ            
           
           
3727 397 ソウ うえからもつ つめ        
           
           
3728 397 𠬪 ヒヨウ とりとめる おつる ゆきだおれ      
           
           
3729 397 ソウ あらそう          
           
           
3730 397 とる かく はうかたち      
           
           
3731 397 采󠄃 サイ とる いろ        
           
           
3732 397 イン ちかづきもとむ        
           
           
3733 397 シヨウ もちあげる ならべあぐ        
           
           
3734 397 𤔔󠄁 ラン おさむ          
           
           
3735 397 まねる なす ため      
           
           
3736 398 爵󠄄 シヤク さかずき くらい        
           
           
3737 398 ちち          
         
           
3738 398 爺󠄃 ちち          
           
           
3739 398 爻󠄃 コウ まじわる かわす        
           
           
3740 398 𤕟 とおる まばら        
           
           
3741 398 ソウ あきらか さわやか たがう      
           
           
3742 399 まどあかり うつくし しかり のみ なんじ  
           
           
3743 399 シヨウ とこ ゆか        
           
           
3744 399 シヨウ かき          
           
           
3745 399 ヘン かたかた ひとへら        
           
           
3746 399 ハン いた ふだ        
           
           
3747 399 𤕰 セキ わる          
サク          
           
3748 399 ハイ ふだ かるた        
           
           
3749 400 セン ふだ          
           
           
3750 400 ユウ まど          
           
           
3751 400 牕󠄂 ソウ まど          
           
           
3752 400 チヨウ もじかくふだ てがみ        
           
           
3753 400 トク もじかくいた いたぶみ        
           
           
3754 400 きば          
           
           
3755 400 𤘐 むしば やえば        
           
           
3756 400 ギユウ うし          
         
           
3757 400 ヒン めうし めす        
           
           
3758 400 ボウ うしのこえ ねきりむし むぎ ひとみ    
モウ          
           
3759 401 おうし おす ひとり      
           
           
3760 401 ロウ うしかいば おり かこい ひとや    
ラク          
           
3761 401 ジン みつる ふさぐ        
           
           
3762 401 ボク うしかい まき つかさ      
           
           
3763 401 ブツ もの          
モツ          
           
3764 401 テイ ふる あたる        
           
           
3765 401 セイ いけにえ          
           
           
3766 401 セン いけにえ ひといろ        
           
           
3767 402 トク おうし ひとり ことに      
           
           
3768 402 サイ とし          
           
           
3769 402 ケン ひく ほしのな        
           
           
3770 402 ホン            
           
           
3771 402 𤙰 トク            
           
           
3772 402 コウ ねぎらう          
           
           
3773 402 ラク ぶちのうし あきらか        
           
           
3774 402 ソウ            
           
           
3775 402 トク            
           
           
3776 402 𤛿 レイ うしたがやす        
         
           
3777 402 いけにえ          
           
           
3778 402 トク こうし          
           
           
3779 403 𤛾 ジヨウ うしなれる ならす すなお      
           
           
3780 403 ジヨウ うしなれる ならす すなお      
           
           
3781 403 ケン いぬ          
           
           
3782 403 ハン おかす          
           
           
3783 403 ジヨウ いぬのさま かたち        
           
           
3784 403 キヨウ きちがいいぬ きちがい くるう    
           
           
3785 403 イン えびすのな          
           
           
3786 403 テキ えびすのな          
           
           
3787 403 ジユウ ならう なれる        
           
           
3788 403 コウ ならす なれる あなどる      
           
           
3789 404 狐󠄂 きつね          
           
           
3790 404 こいぬ          
           
           
3791 404 さる ねらう        
           
           
3792 404 キヨ            
           
           
3793 404 シヨウ            
           
           
3794 404 ハク けもののな          
           
           
3795 404 ひひ          
           
           
3796 404 コン いぬかみあうこえ        
           
           
3797 404 カク     たけし      
           
           
3798 404 狡󠄃 コウ こいぬ わるがしこい      
           
           
3799 404 ジユン            
           
           
3800 404 シユウ かり          
シユ          
           
3801 404 たぬき          
           
           
3802 404 キヨウ せまし          
           
           
3803 405 ケン はねまわる はげし せわしい      
           
           
3804 405 ロウ おおかみ もとる うろたえる      
           
           
3805 405 バイ            
           
           
3806 405 シユン しし らいおん        
           
           
3807 405 シヨウ くるう          
           
           
3808 405 𤟌 シヨウ はげます          
           
           
3809 405 エン あく うむ やすし      
           
           
3810 405 ゲイ しし          
           
           
3811 405 モウ つよし たけし        
           
           
3812 405 𤟍 タク いぬみみをはる        
           
           
3813 405 ヒヨウ いぬはしる はやかぜ        
           
           
3814 405 いぬのきんをぬきとる よる ああ たる  
  すむ        
           
3815 405 ソウ            
           
           
3816 406 サイ うらむ そこなう うたがう      
           
           
3817 406 ワイ いぬほゆ みだり けがる      
           
           
3818 406 ソツ いぬとびだす だしぬけ にわか    
           
           
3819 406 シヨウ いぬほゆ しようじよう        
           
           
3820 406 ^ キヨ            
           
           
3821 406 ケン            
           
           
3822 406 エン            
           
           
3823 406 猫󠄂 ミヨウ ねこ          
ビヨウ          
           
3824 406 トウ けもののな さる        
           
           
3825 406 コウ さる          
           
           
3826 406 𤟫 シユウ かりいぬ かりのな        
           
           
3827 406 ヘン おおかわうそ        
           
           
3828 407 猶󠄅 ユウ さるのたぐい うたがう なお ごとし  
  はかりごと        
           
3829 407 カツ みだる          
           
           
3830 407 𤠞            
           
           
3831 407 エン さる          
           
           
3832 407 しし          
           
           
3833 407 ゴク うつたえ ひとや        
           
           
3834 407 コウ            
           
           
3835 407 シヨウ けしかける はげます        
           
           
3836 407 ゴウ さときいぬ たけきいぬ        
           
           
3837 408 ヘイ たおる しぬ        
           
           
3838 408 獦󠄂 カツ            
           
           
3839 408 シヨウ            
           
           
3840 408 ドク いぬのかみあい ひとり      
           
           
3841 408 カイ こいぬくるう わるがしこい    
           
           
3842 408 ケン くちのとがるいぬ えびすのな      
           
           
3843 408 ケン            
           
           
3844 408 ネイ あしし          
           
           
3845 408 クン えびすのな          
           
           
3846 408 カク えもの いけどり        
           
           
3847 409 ヘン            
           
           
3848 409 リヨウ かり          
           
           
3849 409 𤢹 とびねずみ          
           
           
3850 409 タツ かわおそ          
           
           
3851 409 ジユウ けもの よつあし        
           
           
3852 409 _ コウ なつかぬ          
           
           
3853 409 ケン あつもの たてまつる        
           
           
3854 409 トウ            
           
           
3855 409 𤣔 セン かりのな          
           
           
3856 409 さる          
           
           
3857 409 カク おおさる          
           
           
3858 410 ゲン くろし ふかし        
           
           
3859 410 シヨウ はげし たえ        
ミヨウ          
           
3860 410 ゲン くろし          
           
           
3861 410 ソツ とりあみ ひきいる かしら      
スイ          
リツ          
3862 410 ギヨク たま          
           
           
3863 411 オウ きみ          
           
           
3864 411 テイ たまのおと          
チン          
           
3865 411 玓󠄂 テキ たまのひかり うつくし      
シヤク          
           
3866 411 カン あおさんご          
           
           
3867 411 ケツ おびわ          
           
           
3868 411 玟󠄂 バイ あかきたま うつくしきいし      
マイ          
           
3869 411 ガン もてあそぶ          
           
           
3870 411 ヒン            
           
           
3871 411 チユウ            
           
           
3872 411 ヒン            
           
           
3873 411 サン さんご          
           
           
3874 412 チン めずらし たから        
           
           
3875 412 テン たまのかけ きず        
           
           
3876 412 タイ            
           
           
3877 412 レイ たまのこえ          
リン          
           
3878 412 ハク こはく          
           
           
3879 412 リユウ            
           
           
3880 412 セイ たまあざやか          
           
           
3881 412 a ビン よきいし          
           
           
3882 412 かみかざり          
           
           
3883 412 ヒツ かたちのこじり          
           
           
3884 412 がらす          
           
           
3885 412 シユ しんじゆ          
           
           
3886 413 ハン わかつ          
           
           
3887 413 ケイ しやく          
           
           
3888 413 ラク たまかざり          
           
           
3889 413 c ジユン たまのな たまのうつわ      
           
           
3890 413 ハイ            
           
           
3891 413 ヨウ ちようがい さいくがい        
チヨウ          
           
3892 413 ゲン あらわす          
           
           
3893 413 キユウ なりだま よきたま まろきたま      
           
           
3894 413 ロウ たまのな くだたま くさり      
           
           
3895 413 おさむ          
           
           
3896 413            
           
           
3897 414 リユウ たれたま かざりたま        
           
           
3898 414 𤥚 カン            
           
           
3899 414 琢󠄃 タク うつ おさむ        
           
           
3900 414 サン たまのこえ          
ソウ          
           
3901 414 ビン            
           
           
3902 414 わりふ こはく        
           
           
3903 414 コン よきいし          
           
           
3904 414 ホウ かたなのさやのうわかざり      
           
           
3905 414 チヨウ たまをきざむ よきいし      
           
           
3906 414 リン うつくしきたま よきたま      
           
           
3907 414 キン こと          
           
           
3908 414 ヘイ            
           
           
3909 415 サン さかずき          
           
           
3910 415 びわ          
           
           
3911 415 びわ          
           
           
3912 415 ヒツ おおごと おごそか おおし      
           
           
3913 415 カン            
           
           
3914 415 ボウ あわせたま べつこう        
           
           
3915 415 タイ べつこう          
           
           
3916 415 よきたま          
           
           
3917 415 セン            
           
           
3918 415 うすあかのたま かすみ きず    
           
           
3919 416 ビン            
           
           
3920 416 瑋󠄃            
           
           
3921 416 トウ めのう          
ノウ          
           
3922 416 ズイ しるし わりふ しらせ      
           
           
3923 416 さんご          
           
           
3924 416 コウ たまのこえ          
コン          
           
3925 416 瑯󠄂 ロウ            
           
           
3926 416 瑴󠄁 コク たまふたつ          
           
           
3927 416 リユウ るりのいし          
         
           
3928 416            
           
           
3929 416 るりのいし          
           
           
3930 416 ヨウ            
           
           
3931 417 エイ たまのひかり        
           
           
3932 417 キン よきたま          
           
           
3933 417 ソウ たまのこえ          
サン          
           
3934 417 じゆずのこえ くさり くだける    
           
           
3935 417 ましろ みがく        
           
           
3936 417 璋󠄂 シヨウ しやくのたぐい        
           
           
3937 417 ホク たまのきじ          
           
           
3938 417 よきいし うつくし        
           
           
3939 417 コン            
           
           
3940 417 ヒツ            
           
           
3941 417 セン            
           
           
3942 417 キユウ            
           
           
3943 417 l レン            
           
           
3944 417 ケイ            
           
           
3945 417 𤩅 セン            
           
           
3946 418 コウ はんたま まなびどころ      
           
           
3947 418 サン            
           
           
3948 418 ハン よきたま          
           
           
3949 418 いびつたま からくりたま        
           
           
3950 418 ヘキ しるしのたま めでたいたま      
           
           
3951 418 カン たまき          
           
           
3952 418 よきたま          
           
           
3953 419 いん          
           
           
3954 419 ヒン            
           
           
3955 419 セン うつくしきたま よきたま      
           
           
3956 419 レキ たまのひかり うつくし      
ヤク          
           
3957 419 璩󠄂 キヨ            
           
           
3958 419 セン うつくしきたま よきたま      
ケイ          
           
3959 419            
           
           
3960 419 ロウ あまごいたま たまのこえ うつくし    
           
           
3961 419 エイ くびかざり          
ヨウ          
           
3962 419 𩆜 レイ            
           
           
3963 420 瓜󠄄 うり くさのみ        
           
           
3964 420            
           
           
3965 420 テツ こうり          
           
           
3966 420 瓠󠄃 ひさご ゆうがお        
           
           
3967 420 ヒヨウ ひさごのかたわれ ひさご      
           
           
3968 420 レイ            
           
           
3969 420 瓣󠄂 ベン うりざね はなびら        
           
           
3970 421 かわら          
           
           
3971 421 オウ おおかめ          
           
           
3972 421 n ヘイ こかめ つるべ        
           
           
3973 421 シユウ いどがわ いしだたみ        
           
           
3974 421 ケン すえもの つくる わかつ あきらか みる  
  ふるう        
           
3975 421 オウ こはち せまし あなぐら      
           
           
3976 421 甍󠄃 ホウ やのむね かわら いらか      
           
           
3977 421 かめ          
           
           
3978 421 エイ かめ          
           
           
3979 421 セン            
タン          
           
3980 421 オウ かめ          
           
           
3981 422 ケン こしき やまのかたち      
           
           
3982 422 カン うまし あまし        
           
           
3983 422 ジン はなはだし みだる たのしむ      
           
           
3984 422 テン うまし あまんず        
           
           
3985 422 シヨウ            
           
           
3986 422 セイ すすむ うまる いきる      
シヨウ          
           
3987 422 シン ならびはえる        
           
           
3988 422 サン うまれいず なりわい        
           
           
3989 423 セイ おい          
           
           
3990 423 スイ くさきのみたる        
           
           
3991 423 甦󠄃 よみがえる          
         
           
3992 423 𤰃 ヨウ もちう          
           
           
3993 423 よきおとこ はじめ        
           
           
3994 423 𤰈 そなわる          
           
           
3995 423 ネイ むしろ ねがわくは        
           
           
3996 424 デン かり たつくる      
           
           
3997 424 コウ はじめ かいわれ よろい      
           
           
3998 424 ユウ みたる よる        
         
           
3999 424 シン でんき のびる かみ もうす さる  
           
           
4000 424 シン つかねる          
           
           
4001 424 カイ たのさかい さかい        
           
           
4002 424 ダン おとこ          
ナン          
           
4003 424 テイ あぜ まち        
チヨウ          
           
4004 424 デン てんりよう きないのた        
           
           
4005 425 あたう          
           
           
4006 425 𢍉 あげる          
           
           
4007 425 デン たつくる かりす        
           
           
4008 425 にくむ おそる        
           
           
4009 425 フク みつる あつし        
           
           
4010 425 コウ            
           
           
4011 425 𤰫 ホウ            
           
           
4012 425 畇󠄂 イン            
           
           
4013 425            
           
           
4014 425 ケン こみぞ こながれ        
           
           
4015 425 甾󠄂 サイ            
         
           
4016 425   はた          
           
           
4017 426 𤰱            
           
           
4018 426 ホン もつこ かます        
           
           
4019 426 シン あぜみち          
           
           
4020 426 チク たくわう やしなう        
           
           
4021 426 リユウ とどまる          
         
           
4022 426 うね あぜ      
           
           
4023 426 畔󠄃 ハン たのくろ あぜ ほとり そむく    
           
           
4024 427   はた          
           
           
4025 427 ケイ たのひろさ うね        
           
           
4026 427 ヒツ かりのあみ おわる        
           
           
4027 427 リヤク いとなむ くぎる はかりごと てがる    
           
           
4028 427 𧆨            
           
           
4029 427 ハン あと かわる かずとり      
バン          
           
4030 427 異󠄂 わかる ことなる あやしむ      
           
           
4031 427 異󠄃 わかる ことなる あやしむ      
           
           
4032 427 𢍚 くささかん          
           
           
4033 427 あらた さんねんめのた      
           
           
4034 427 o シユン たのつかさ          
           
           
4035 428 トウ あたる さだむ まさに べし    
           
           
4036 428 テツ なわて          
           
           
4037 428 エン たのひろさ          
           
           
4038 428 のこりた めずらし        
           
           
4039 428 カク くぎり えがく はかる      
         
           
4040 428 カク くぎり えがく はかる      
         
           
4041 428 キヨウ さかい かぎり きわまる      
           
           
4042 428 チヨウ くさはえぬ あれち のぶ      
           
           
4043 429 ジユウ つちなれたるた        
           
           
4044 429 ライ            
           
           
4045 429 てんりよう          
           
           
4046 429 チユウ おさまりたるた たぐい      
           
           
4047 429 リユウ            
           
           
4048 429 ジヨウ かさなる たたむ たたみ      
           
           
4049 429 キヨウ            
           
           
4050 429 あし ただし        
         
           
4051 429 とおる まばら うとむ おろそか やさい  
  あらし        
           
4052 430 𤴡󠄀 ひきとめる たおる        
テイ          
           
4053 430 まどう うたがう        
           
           
4054 430 サク やまいあり よりかかる        
           
           
4055 430 テイ きずつく はれもの        
チヨウ          
           
4056 430 𤴨 ユウ            
           
           
4057 430 キユウ まずしくやむ やまし        
           
           
4058 430 セン はらのいたみ        
           
           
4059 430 ソウ            
シヨウ          
           
4060 431 チン ねつのやまい        
           
           
4061 431 ユウ あたまふるえる        
           
           
4062 431 カイ ひぜん かゆし        
           
           
4063 431            
           
           
4064 431 エキ はやりやまい えやみ      
           
           
4065 431 ホウ はれもの かおへでる        
           
           
4066 431 つかる          
           
           
4067 431 カン こどものやまい        
           
           
4068 431 タン きいろくなるやまい        
           
           
4069 431 チユウ            
           
           
4070 432 シン くちひび          
           
           
4071 432 トウ いたむ うずく        
           
           
4072 432 はれもの あしきできもの      
           
           
4073 432 ゲン ひきつるやまい        
           
           
4074 432 ヘイ やまいおもる やむ      
ビヨウ          
           
4075 432 シツ やまいおもる にわかにやむ はやし  
           
           
4076 432 シヨウ やまい          
           
           
4077 432 くぐせ なやむ つとむ      
           
           
4078 432 やまい きずつく        
           
           
4079 433 痎󠄂 ガイ おこりのやまい        
           
           
4080 433 うちきず          
           
           
4081 433 しもがさ しりのやまい      
           
           
4082 433 ゼン いゆ          
           
           
4083 433 コン ひび きず あと      
           
           
4084 433 きずつく いたで かる      
           
           
4085 433 ヨウ            
           
           
4086 433 セキ            
           
           
4087 433 レイ            
           
           
4088 433 ツウ やまい いたむ にくむ      
           
           
4089 433 トウ ほうそう もがさ        
           
           
4090 433 ケイ ひきつる          
           
           
4091 433 ほくろ          
           
           
4092 433 はらくだし          
           
           
4093 434 ちいさきはれもの にきび      
           
           
4094 434 タン            
           
           
4095 434            
           
           
4096 434 むなさわぎ          
           
           
4097 434 ふうしつ しびれ        
           
           
4098 434 スイ しびれる おとろう        
           
           
4099 434 やまいかたまる ながきやまい    
           
           
4100 434 ふかきやまい        
           
           
4101 434 リン せんきのやまい しょうべんのやまい    
           
           
4102 434 スイ やむ          
           
           
4103 434 フウ ずつう きちがい        
           
           
4104 434 やまいいゆ          
           
           
4105 435 ヘン かたみきかぬ        
           
           
4106 435 ラツ どくにあたる はげしくしみる      
           
           
4107 435 𤸁 ガイ            
           
           
4108 435 ヨウ あたまのできもの ずそう      
           
           
4109 435 瘖󠄂 アン おし          
           
           
4110 435 シヨウ はれもの          
           
           
4111 435 おんなのやまい たまきず きず    
           
           
4112 435 𤸃 シユウ やせる          
ソウ          
           
4113 435 𤸙 アツ あしなえ おおわる かくれる      
コウ          
           
4114 435 おし          
           
           
4115 435 タン            
           
           
4116 435 𤸬 スイ おとろう          
           
           
4117 436 ケツ きこみあげるやまい        
           
           
4118 436 ケイ きようふう ひきつける        
           
           
4119 436 ソク やどりにく はなたけ        
           
           
4120 436 やまいいゆ          
           
           
4121 436 ハン きずあと          
           
           
4122 436 瘧󠄂 ギヤク おこり          
           
           
4123 436 リユウ こぶ はれもの        
           
           
4124 436 エイ うずめる          
           
           
4125 436 ソウ きず          
           
           
4126 436 セキ やせる          
           
           
4127 436 ソウ かゆし          
           
           
4128 436 𤸰 ヨウ たか          
           
           
4129 436 𤸪 セイ            
           
           
4130 437 ゾク ひぜん          
           
           
4131 437 シヨウ あやしきやまい あしきやまい    
           
           
4132 437 テン            
           
           
4133 437 チユウ やまいいゆ          
リユウ          
           
4134 437 𤸶 ハイ つかる          
           
           
4135 437 ソウ            
セキ          
           
4136 437 ルイ            
           
           
4137 437 _ ルイ はだのやまい ひぜん      
           
           
4138 437 リヨウ やまいをなおす いやす      
           
           
4139 437 リユウ つかる          
           
           
4140 437 ハイ すたれびと やまいかたまる      
           
           
4141 437 𤺊 セイ しやがれごえ        
         
           
4142 437 カン きようふう          
           
           
4143 438 ガン            
           
           
4144 438 シヨウ            
           
           
4145 438 癒󠄄            
           
           
4146 438 癘󠄂 レイ            
           
           
4147 438 ヘキ こなれわるし くせ      
           
           
4148 438 おろか ばか        
           
           
4149 438 リン            
           
           
4150 438 ヨウ あたまのできもの かゆし      
           
           
4151 438 レキ ぐりぐりやまい        
           
           
4152 438            
           
           
4153 438 ライ あしきやまい らいびよう      
           
           
4154 438 𤼘 ルイ            
           
           
4155 438 セン かわのやまい ひぜん しつ たむし  
           
           
4156 438 ヨウ あしきできもの ふさぐ      
           
           
4157 439 テン きちがい くるしむ        
           
           
4158 439 レン ひきつる          
           
           
4159 439 はかる みずのと        
           
           
4160 439 ハツ くさをふみからす        
           
           
4161 439 トウ のぼる          
           
           
4162 439 ハツ はなつ ひらく あばく      
           
           
4163 440 白󠄂 ハク いろなし しろ        
ビヤク          
           
4164 440 もうす          
           
           
4165 440 ヒヤク もも          
           
           
4166 440 ボウ かたち          
           
           
4167 440 キヨウ こうばし          
           
           
4168 440 ソウ くろし          
           
           
4169 440 的󠄃 テキ あきらか まと めあて      
           
           
4170 440 カイ みな          
           
           
4171 441 コウ おおぎみ さかんなり かがやく      
           
           
4172 441 コウ しろききのぼる すすむ さわ しろし  
           
           
4173 441 皎󠄂 キヨウ つきのさえ あきらか しろし      
           
           
4174 441 皓󠄃 コウ ひのでのひかり あきらか しろし    
           
           
4175 441 𤽽 テイ            
           
           
4176 441 セキ いろじろ          
           
           
4177 441 s キヨウ ましろ きらきらひかる      
           
           
4178 441 q コウ            
           
           
4179 442 コウ かがやく          
           
           
4180 442 𥏼            
           
           
4181 442 ガイ ゆきしろし しもしろし        
           
           
4182 442 カク とりしろし          
           
           
4183 442 𤾛 ヒヨウ            
           
           
4184 442 しらが しろし        
           
           
4185 442 ヨウ しろし ひかり        
           
           
4186 442 かわ けがわ        
           
           
4187 442 カン かおくろし          
           
           
4188 442 ホウ かおのほてり にきび      
           
           
4189 442 ちんば          
           
           
4190 443 シユン しわ しじまる        
           
           
4191 443 サク しわ          
           
           
4192 443 シユウ しわ ちぢむ        
           
           
4193 443            
           
           
4194 443 クン            
           
           
4195 443 𥀍 ひぐま          
           
           
4196 443 ベイ さら うつわ        
           
           
4197 443 𥁄󠄁 おおわん          
           
           
4198 443 おおわん          
           
           
4199 443 ボン はち          
           
           
4200 443 𥁋 コウ おおう いれもの ふたもの あう とざす  
  なんぞ        
           
4201 443 ハイ さかずき          
           
           
4202 444 チユウ むなし          
           
           
4203 444 テイ みつ          
           
           
4204 444 u エキ ます ふえる        
ヤク          
           
4205 444 𥁕 オン あたたかきこころ あたたむ      
           
           
4206 444 エン            
ワン          
           
4207 444 _ エン            
ワン          
           
4208 444 盛󠄃 セイ もりもの なる さかん      
           
           
4209 444 トウ ぬすむ とる        
           
           
4210 444 サン さかずき          
           
           
4211 444 ロク            
           
           
4212 444 ジン むなし つきる ことごとく      
           
           
4213 445 ベイ ちかう ちかい        
メイ          
           
4214 445 𥂈            
           
           
4215 445 カン みおろす かんがみる        
           
           
4216 445 めしびつ        
           
           
4217 445 ハン たらい おおぼん さまよう ばんじやく    
バン          
           
4218 445 カン てあらう たらい        
           
           
4219 445 アン うつわのふた        
           
           
4220 445 めしびつ くろ いえ あし あたま  
  ろくろ はち      
           
4221 446 トウ ふりてあらう うごかす ほしいまま おおいなり    
           
           
4222 446 しおはま もろし        
           
           
4223 446 はらのなかのむし むしばむ ばちるす    
           
           
4224 446 チユウ            
           
           
4225 446 レイ            
           
           
4226 446 モク          
           
           
4227 446 𥃩 シン            
           
           
4228 446 キン めづかい          
           
           
4229 446 𥃩 ゴン            
           
           
4230 447 チヨク ただしくみる なおし        
ジキ          
           
4231 447 𥃳󠄁 めをみはる うれう おおいなり くろめ    
           
           
4232 447 めをみはる うれう おおいなり くろめ    
           
           
4233 447 盲󠄃 モウ めくら          
           
           
4234 447 シヨウ くわしくみる みさだむ あい      
ソウ          
           
4235 447 メイ あきらか          
           
           
4236 447 𥄉 キヨウ さかさにかけたくび ごくもん      
           
           
4237 447 ケイ うらみみる うらめし        
           
           
4238 448 ハン めのしろくろはつきり めもとすずし    
ヘン          
           
4239 448 メン かためふさがる かためでみる    
  よこめつかう      
           
4240 448 セイ かえりみる くわしくみる はぶく      
シヨウ          
           
4241 448            
           
           
4242 448 ビヨウ かためちいさし すがめ      
           
           
4243 448 タン めのちからつよし とらにらむ      
           
           
4244 448 ジユン たて          
           
           
4245 449 カン みる とおくをみる みとる      
           
           
4246 449 ボウ くらし よし        
           
           
4247 449 キン            
           
           
4248 449 ゲン めまい ちらつく        
           
           
4249 449 セイ めくもる わざわい        
           
           
4250 449 ミン ねむる          
メイ          
           
4251 449 シン せんにん まこと        
           
           
4252 449 シン うらみみる おもおもし        
           
           
4253 449 タイ およぶ          
           
           
4254 449 チツ めならびあしし でめ      
           
           
4255 449 まなじり          
           
           
4256 449            
           
           
4257 449            
           
           
4258 449 シン            
           
           
4259 450 ボウ ひとみ          
           
           
4260 450 眷󠄃 ケン かえりみる いえつきびと      
           
           
4261 450 キヨウ まぶた          
           
           
4262 450 チヨウ よこめにみる ながしめ ながめる    
           
           
4263 450 ガン まなこ        
           
           
4264 450 チヤク つく きる        
           
           
4265 450 𥅜 シン            
           
           
4266 450 シユウ            
           
           
4267 450 キン            
           
           
4268 450 ベイ ごみめにいる おそわる      
           
           
4269 450 チン            
           
           
4270 450 まゆ          
           
           
4271 450 テイ そつとみる ながしめ        
           
           
4272 451 めちいさし こまかし        
           
           
4273 451 のぞむ こいねがう        
           
           
4274 451 セイ くろめ ひとみ        
           
           
4275 451 ガイ めぎわ まなじり        
           
           
4276 451 シヨウ まつげ          
           
           
4277 451 トク かんがみる つかさ ただす      
           
           
4278 451 ボク したしむめつき やわらぐ まこと むつまじ  
           
           
4279 451 ゲイ ながしめ よこめ        
           
           
4280 451 ヘイ よこにらみ          
           
           
4281 452 エキ ねらう          
           
           
4282 452 スイ いねむり          
           
           
4283 452 エイ            
           
           
4284 452 みる あらわる しめす      
           
           
4285 452 𥈟 ソウ あき めくら        
           
           
4286 452 ケイ あいみぬ めをそむける      
         
           
4287 452 バツ たて          
           
           
4288 452 シン みひらく いかりみる        
           
           
4289 452 ソウ            
           
           
4290 452 ケイ おどろきみる        
セン          
カン          
4291 452 メイ みし めまい ねむる      
           
           
4292 453 𥊽 コン あに          
           
           
4293 453 イン            
シユン          
           
4294 453 ハン ならぶめ あざむく        
マン          
           
4295 453 瞢󠄂 ボウ めかすむ          
           
           
4296 453 ベツ ちらとみる          
           
           
4297 453 トウ むなしくみる みつむ        
           
           
4298 453 カン のぞむ ふしてみる        
           
           
4299 453 リヨウ あきらか          
           
           
4300 453 瞳󠄂 ドウ ひとみ          
           
           
4301 453 シユン まばたき          
           
           
4302 453 セン みおろす ながめる やすんず にぎわす    
           
           
4303 454 めくら          
           
           
4304 454 ケン まぶた          
           
           
4305 454 カン            
           
           
4306 454 矇󠄃 ホウ めくら くらし        
モウ          
           
4307 454 くろめ          
           
           
4308 454 チク ながくますぐ ひとし さかん      
           
           
4309 454 トウ            
           
           
4310 454 シヨク みつづける          
           
           
4311 454 ボウ ほこ          
           
           
4312 454 キン ほこのえ あわれむ ほこる      
キヨウ          
           
4313 455 サク ほこのたぐい さす      
           
           
4314 455 ただし ちかう      
           
           
4315 455 𥎦 コウ まと          
           
           
4316 455 おわんぬ なり のみ    
           
           
4317 455 𥎨            
           
           
4318 455 イン            
           
           
4319 455 𡱁            
           
           
4320 455 しることば しる        
           
           
4321 455 コウ まと うかがう        
           
           
4322 455 イン いわんや まして はぐき      
           
           
4323 456 矩󠄃            
           
           
4324 456 タン みじかし          
           
           
4325 456 シヤ            
           
           
4326 456 アイ せひくし          
ワイ          
           
4327 456 𥏫 シヨウ やきず きずつく        
           
           
4328 456 キヨウ やをためる ただす いましむ たけし あげる  
           
           
4329 456 𥏴 シツ            
           
           
4330 456 ソウ いぐるみ          
           
           
4331 456 矱󠄂 カク ゆびではかる しやくをとる きよろきよろまなこ  
  のり        
           
4332 457 セキ いし はかり        
コク          
シヤク          
4333 457 コウ ゆかまえのよこぎ はし      
           
           
4334 457 すな          
           
           
4335 457 レイ            
           
           
4336 457 カイ            
           
           
4337 457 ビン            
           
           
4338 457 𥐫 カン            
           
           
4339 457 ゼイ かぎり みぎわ        
           
           
4340 457 砲󠄃 ホウ            
           
           
4341 457 ビン            
           
           
4342 457 やぶる わる くだく さける    
           
           
4343 457 こまかきといし とぐ みがく たいらか  
テイ いたる さだむ      
           
4344 457 𥑐 コウ            
           
           
4345 457 いしかさなる たすけあう      
           
           
4346 458 ヘン いしばり          
           
           
4347 458 サイ かき とりで        
           
           
4348 458 シユ            
           
           
4349 458 チン だいいし きぬた        
テン          
           
4350 458 セン            
           
           
4351 458 ケン とぐ みがく        
           
           
4352 458 リユウ ゆおう          
           
           
4353 458 カク やせち いしおおきち あらそう くらぶ  
  あきらかにす かたし ただし  
           
4354 458 ケン いしなめらか すずり      
           
           
4355 458 硝󠄃 シヨウ どくいし          
           
           
4356 459 ボウ どくいし          
           
           
4357 459 ケイ            
           
           
4358 459 コウ つよし かたし        
           
           
4359 459 𥓓 たていし          
           
           
4360 459 たていし          
           
           
4361 459          
           
           
4362 459 サイ こまかにくだく くだく      
           
           
4363 459 テイ いかり          
           
           
4364 459 スイ いしうす ふみいし からうす      
           
           
4365 459 ホウ            
           
           
4366 459 カイ            
           
           
4367 459            
           
           
4368 459 ビン            
           
           
4369 459 サク            
           
           
4370 459            
           
           
4371 460 碌󠄂 ロク ろくしよう いしころ ごろごろ      
           
           
4372 460 タン うつだ          
           
           
4373 460 ケツ たていし いしぶみ        
カツ          
           
4374 460 セキ おおあたま おおいなり        
           
           
4375 460 ヘキ あおきいし あおし        
           
           
4376 460 カク かたし たしか        
           
           
4377 460 トウ めのう          
ノウ          
           
4378 460 磅󠄂 ホウ            
           
           
4379 460 ライ あつまる みつる からからおつ    
           
           
4380 460 めのう          
         
           
4381 461 𥔵 じしやく          
           
           
4382 461 みがく とぐ        
           
           
4383 461 イン いしおつ          
           
           
4384 461 ケイ            
           
           
4385 461 ガイ ひきうす いしうす みがく      
           
           
4386 461 イン らいのおと おおきいおと      
           
           
4387 461 テン さかんなるこえ        
           
           
4388 461 ハン めぐる いわお        
           
           
4389 461 カイ            
           
           
4390 461 タク つみす ひきわる ひらく      
           
           
4391 461 セキ かわら あわせ        
           
           
4392 461 ホウ            
           
           
4393 462 ザン いしかたし けわし        
           
           
4394 462 コウ かたし          
           
           
4395 462 ライ            
           
           
4396 462 磨󠄃 いしうす ひく みがく とぐ    
           
           
4397 462 ケイ なるいし まがるいし むなし      
           
           
4398 462 いそ          
           
           
4399 462 いしをやにつける        
           
           
4400 462 コウ あらがね つよし        
           
           
4401 462 カン たに          
           
           
4402 462 トウ いしだん          
           
           
4403 462 ライ            
           
           
4404 463 いしずえ          
           
           
4405 463 どくいし          
           
           
4406 463 カイ さざえる くいとめる さえぎる      
           
           
4407 463 ハン いしのな どうさ        
           
           
4408 463 ライ            
           
           
4409 463 礪󠄃 レイ といし あらと        
           
           
4410 463 レキ こいし こじやり        
           
           
4411 463 礮󠄂 ホウ てつぽう          
           
           
4412 463 礱󠄂 ロウ あらみがき うすひく すりうす      
           
           
4413 463 ハク ひろし          
           
           
4414 464 ガン いわやま いわ        
           
           
4415 464            
           
           
4416 464 しめす しらせる みせる      
           
           
4417 464 } レイ            
           
           
4418 464 たえぬまつり まつり      
           
           
4419 464 シヤ くにつかみ やしろ        
           
           
4420 464 くにつかみ つちのかみ        
         
           
4421 464 さいわい          
           
           
4422 464 ヨウ わざわい          
           
           
4423 465 ユウ たすく          
           
           
4424 465 さいわい          
           
           
4425 465 バツ はらいのまつり きよむ      
フツ          
           
4426 465 ひめごと かくす        
           
           
4427 465 とおつおや はじめ もと      
           
           
4428 465 つつしむ たいらか        
テイ          
           
4429 465 シユク いわう いのる まじない      
シユウ          
           
4430 465 スイ たたり          
           
           
4431 465 さいわい たまもの        
           
           
4432 466 ~ シン あまつかみ かみ        
           
           
4433 466 はるのまつり まつる いのる ほこら  
           
           
4434 466 サイ まつり まつる        
           
           
4435 466 ヒヨウ ひのことぶ かろし かきつけ      
           
           
4436 466 シヨウ めでたし しらせ        
           
           
4437 466 さいわい よし めでたし      
           
           
4438 466 カン そそぐまつり        
           
           
4439 466 リン            
           
           
4440 467 キン いみ とどむ ふせぐ おおうち    
           
           
4441 467 䄏󠄀 ヨウ            
           
           
4442 467 禄󠄂 ロク さいわい めでたし ふちまい      
           
           
4443 467 テイ さいわい          
           
           
4444 467 ケイ            
           
           
4445 467 わざわい そこなう        
           
           
4446 467 フク さいわい そなわる        
           
           
4447 467 バイ こをいのる          
           
           
4448 467 ギヨ いみまつり とどむ ふせぐ      
           
           
4449 467 いわいごと さいわい        
           
           
4450 467 禨󠄃            
           
           
4451 467 禩󠄃            
           
           
4452 467            
           
           
4453 467 䄠󠄀 ダン            
           
           
4454 467 𥛜󠄀            
           
           
4455 468 ゼン まつる ゆずる ほとけのな      
           
           
4456 468 禬󠄁 カイ よきことおおきまつり        
           
           
4457 468 レイ まつり たちいふるまい ほどきまり    
ライ          
           
4458 468 トウ いのる こう        
           
           
4459 468 デイ ちちのみたまや          
           
           
4460 468 ヤク なつまつり はるまつり にものをそなえる    
           
           
4461 468 ジユウ ふみにじる あしあと        
           
           
4462 468 むしのな きみのな        
           
           
4463 469 キン けもの とり いけどり      
           
           
4464 469 𥝋 ひひ          
           
           
4465 469 よきいね ととのう        
           
           
4466 469 禿 トク はげあたま          
           
           
4467 469 いねのな わたくし        
           
           
4468 469 ネン            
           
           
4469 469 シユウ ひいず ひで みのる      
           
           
4470 469 ヘイ ひとつかみ とる        
           
           
4471 469            
           
           
4472 469 カン            
           
           
4473 470 シユウ あき とき        
           
           
4474 470 𥝤            
           
           
4475 470 しいな          
           
           
4476 470 ビヨウ いねのほのさき ほそし こまか    
           
           
4477 470 しなさだめ しな ほど とが    
           
           
4478 470 コウ うるしね          
           
           
4479 470 𥝩 スイ            
           
           
4480 470 マツ まぐさ          
           
           
4481 470 シン いねのな くにのな        
           
           
4482 470 シヨウ はかり          
           
           
4483 470 キヨ くろきび さけのきび        
           
           
4484 470 みつぎ ねんぐ かかりもの      
           
           
4485 471 チツ つむ ふちまい ついで      
           
           
4486 471 ジユツ もろこし          
           
           
4487 471 レキ いねならぶ          
           
           
4488 471 セキ ますめのな          
コク          
           
4489 471            
           
           
4490 471 いね なびく うつる      
           
           
4491 471 あらし まばら まれ      
           
           
4492 471 稅󠄁 ゼイ みつぎ ねんぐ とりたて      
           
           
4493 471 稉󠄂 コウ うるしね          
           
           
4494 471 もみがら          
           
           
4495 471 𥞹 リヨウ            
           
           
4496 472 カン いねくき わらしん        
           
           
4497 472 テイ りんめ しなさだめ はかる のり ほど  
           
           
4498 472 シヨウ ようやく やや        
           
           
4499 472 ネン みのる とし        
           
           
4500 472 稗󠄃 ハイ ひゆ          
           
           
4501 472 チヨク はやまきいね        
           
           
4502 472 としのひとまわり        
           
           
4503 472 稜󠄂 リヨウ いきおい はげし        
           
           
4504 472            
           
           
4505 472 リン ふちまい てあて        
           
           
4506 472 チユウ いねしげる おおし ととのう      
           
           
4507 473 リク            
           
           
4508 473 𥟖 レイ            
           
           
4509 473 ケイ            
           
           
4510 473 ナン こめ もちいい        
ダン          
           
4511 473 シヨウ おくて たね        
シユ          
           
4512 473 稱󠄄 シヨウ はかる はかり かなう ほめる    
           
           
4513 473 シヨク きび たのつかさ        
           
           
4514 473 𥠸 コウ ききん          
           
           
4515 474 ちいさし おそし わかし      
           
           
4516 474 トウ いね          
           
           
4517 474 稼󠄂 みのる うう        
           
           
4518 474 ケイ とどまる かんがう        
           
           
4519 474 コク たなつもの よし        
           
           
4520 474 稿 コウ わら やのくき        
           
           
4521 474 コウ わら やのくき        
           
           
4522 474 コウ            
           
           
4523 474 トウ            
           
           
4524 475 穋󠄀 リク わせ          
           
           
4525 475 ボク いねのな みたまや やわらぐ      
           
           
4526 475 エイ            
           
           
4527 475 セキ つむ つもる        
           
           
4528 475            
           
           
4529 475 スイ いなほ        
           
           
4530 475 穜󠄂 シヨウ たねまく うう たぐい      
           
           
4531 475 𥢕 ゾク            
           
           
4532 475 ジヨウ            
           
           
4533 475 シヨク とりいれ おさむ みつぎ おしむ    
           
           
4534 475 シヨウ            
           
           
4535 476 𪗉 きび          
           
           
4536 476 セイ かりいね いねたば        
           
           
4537 476 カイ あれる けがる        
           
           
4538 476 タイ はげ くずれる        
           
           
4539 476 穫󠄂 カク いねかる とりいれ        
           
           
4540 476 オン たよる やすし おだやか      
           
           
4541 476 ヒヨウ くさぎる          
           
           
4542 476 𥣯 ユウ            
           
           
4543 476 𪛁 シユウ            
           
           
4544 477 ケツ あなずまい あな        
           
           
4545 477 キユウ きわまる きわむ はかる      
           
           
4546 477 コウ あなほる うろ むなし そら    
クウ          
           
4547 477 セキ つかあな          
           
           
4548 477 キユウ きわまる おおいなり        
           
           
4549 477 穿 セン うがつ あな        
           
           
4550 477 トツ とびだす つきあたる        
           
           
4551 477 セイ おとしあな          
           
           
4552 477 𥥉 シユウ            
           
           
4553 477 オウ            
           
           
4554 477 ユウ おくぶかし おくゆかし うつくし      
ヨウ          
           
4555 478 くぼたまり          
           
           
4556 478 チツ あなのなかにかがまる あなずまい いわむろ    
           
           
4557 478 𥥍 シン ふかし          
           
           
4558 478 チヨウ ふかくひろし ゆるやか しとやか かろし いどむ  
           
           
4559 478 𫁍 シユ            
           
           
4560 478 チツ ふさぐ          
           
           
4561 478 ソウ            
           
           
4562 478 くぼみ むなし        
           
           
4563 478 窗󠄃 ソウ まど          
           
           
4564 478 コウ あなぐら          
           
           
4565 478 キン せまる くるし たしなめる      
           
           
4566 478 チツ            
           
           
4567 479 あきあな すみか      
           
           
4568 479 うがつ          
           
           
4569 479 窨󠄁 イン あなぐら          
アン          
           
4570 479 くぼ          
           
           
4571 479 くぼたまり ひくし ゆがむ      
           
           
4572 479 ヨウ かわらやくかまど かま      
           
           
4573 479 キユウ きわむ やむ まずし      
           
           
4574 479 窴󠄀 おく          
           
           
4575 479 うかがう のぞく        
           
           
4576 479 窻󠄃 ソウ まどあな まど        
           
           
4577 479 窿 リユウ かたし          
           
           
4578 479 リヨウ            
           
           
4579 479 ソウ            
           
           
4580 480 ザン のがれかくる        
           
           
4581 480 キヨウ あな むなし        
           
           
4582 480 邃󠄄 スイ ふかし とおし        
           
           
4583 480 トウ あなぐらほる あな      
           
           
4584 480 ソウ かまど          
           
           
4585 480 セツ ぬすむ ひそか        
           
           
4586 480 リツ たつ くらい        
リユウ          
           
4587 480 チヨ たたずむ          
           
           
4588 480 シヨウ            
リヨウ          
           
4589 481 ヘイ ならぶ          
           
           
4590 481 竟󠄂 ケイ おわる ついに さかい かがみ    
キヨウ          
           
4591 481 章󠄂 シヨウ おわり ほどきまり あき      
           
           
4592 481 竣󠄂 シユン うずくまる しりごみ とどまる おわる    
           
           
4593 481 まつ          
           
           
4594 481 童󠄂 ドウ つかいびと しもべ        
           
           
4595 481 シヨウ つつしむ そばだつ おそる      
           
           
4596 481 ジユ たて          
           
           
4597 482 セイ やすし しずか        
           
           
4598 482 セイ やすし しずか        
           
           
4599 482 のぞむ          
           
           
4600 482 カツ せおいたつ つくす        
ケツ          
           
4601 482 タン ただしくたつ ただし はし れいふく    
           
           
4602 482 𥪦 ケイ            
           
           
4603 482 シユ まつ          
           
           
4604 482 ケイ きそう あらそう        
キヨウ          
           
4605 482            
           
           
4606 483 チク たけ          
           
           
4607 483 チク あつし くにのな        
ジク          
           
4608 483 𥫡󠄁 ふえのな          
           
           
4609 483 ふえのな          
           
           
4610 483 竿 カン たかざお さお はたざお      
           
           
4611 483 キユウ おいはこ          
           
           
4612 483 シヨウ わらう          
           
           
4613 483 𥬇 シヨウ わらう          
           
           
4614 483 くし          
           
           
4615 484 コツ しやく          
           
           
4616 484 ソウ ざる          
           
           
4617 484 ヒツ ふで          
           
           
4618 484 ジユン            
           
           
4619 484 サン            
           
           
4620 484            
           
           
4621 484 セン たけむち そうし        
           
           
4622 484 むちうつ          
           
           
4623 484 ソウ しようのふえ        
シヨウ          
           
4624 484 ビン たけはだ へぎたけ        
           
           
4625 484 テイ ついで          
ダイ          
           
4626 484 テキ ふえ          
           
           
4627 485 ハン のり かた        
           
           
4628 486 リユウ かむりかさ たけのかわのかさ      
リツ          
           
4629 486 わりふ しるし        
           
           
4630 486 サク            
           
           
4631 486 はこ つづら        
           
           
4632 486 サク すのこ せまる しぼる      
           
           
4633 486 フツ            
           
           
4634 486 あしのふえ          
           
           
4635 486 ヨウ ささ ふだ        
           
           
4636 486            
           
           
4637 486 コウ うえ          
           
           
4638 487 ヒツ ふで          
イツ          
           
4639 487 コウ つえ          
           
           
4640 487 トウ ととのう ひとし        
           
           
4641 487 キン すじ          
           
           
4642 487 トウ ふえ つつ        
           
           
4643 487 セン うえ ふせご        
           
           
4644 487 セン ささら          
           
           
4645 487 ジユン たけのこ          
           
           
4646 487 キヨウ はこ          
           
           
4647 487 カツ やはず          
           
           
4648 488 バツ いかだ          
           
           
4649 488 ケイ こうがい かんざし        
           
           
4650 488 𥬸 むち          
           
           
4651 488 トウ こたう          
           
           
4652 488 サク むち かきもの はかりごと      
           
           
4653 488 イン            
ジユン          
           
4654 488 ケン かけい          
           
           
4655 488 キヨ めしびつ はこ        
           
           
4656 488 エン たけむしろ しきもの        
           
           
4657 488 サク            
           
           
4658 488 コウ はこ たけのな        
           
           
4659 488 キヨウ            
サク          
           
4660 488 トウ きりたるたけ たけづつ      
           
           
4661 489 サン さんぎ そろばん        
           
           
4662 489 テイ いとまくくだ          
           
           
4663 489 ゼイ うらなう          
           
           
4664 489 チヨ はし          
ジヨ          
           
4665 489 ジヨウ            
           
           
4666 489 シヨウ ちいさきうつわ        
           
           
4667 489          
           
           
4668 489 サン かぞえる はかる        
           
           
4669 489 𥮒 セン たけすのこ          
           
           
4670 489 セン ふだ かきつけ        
           
           
4671 489 ハク すだれ          
           
           
4672 490 ソウ こと          
           
           
4673 490 ソウ おうぎ          
           
           
4674 490 シユウ ははき          
           
           
4675 490 箙󠄃 ホク やなぐい えびら        
フク          
           
4676 490 たけのひともと ひとつ      
         
           
4677 490 𥮏 テン            
           
           
4678 490 カン ふえ つかさどる        
           
           
4679 490 𣻜 いかだ          
           
           
4680 490 ケン たけばさみ はさむ やつとこ      
           
           
4681 491 スイ むち むちうつ        
           
           
4682 491 ふえむち          
           
           
4683 491 キン たけのな          
           
           
4684 491 箭󠄃 セン やたけ しの やつとこ      
           
           
4685 491 𥯗 ジユン            
           
           
4686 491 えびら          
           
           
4687 491 ヨウ            
           
           
4688 491 シヨウ にぐら わたどの はこ      
           
           
4689 491 シン たけばり はり いましむ      
           
           
4690 491 キン すじ          
           
           
4691 491 チヨ はし あらわる つける きもの    
ジヨ          
チヤク          
4692 491 節󠄄 セツ たけのふし ふし しるし      
           
           
4693 491 ハン みちばたのまつり のり      
           
           
4694 491 コウ たけのはた たかむら        
           
           
4695 491 チク きずく つくす        
           
           
4696 491 トウ さす かきもの        
           
           
4697 491 ベン たなのかご やまかご        
           
           
4698 491 ヘン かきもの ふみ        
           
           
4699 491 キヨウ はこ          
           
           
4700 491 トク うまおそし あつし        
           
           
4701 492 篆󠄂 テン もじかく ふでひく        
           
           
4702 492 リツ            
           
           
4703 492 くし          
           
           
4704 492 コウ ふなざお          
           
           
4705 492 サン うばう          
           
           
4706 492 ふるい          
           
           
4707 492 はこ          
           
           
4708 492 ジヨウ しのだけ          
           
           
4709 492 ケイ ははき          
           
           
4710 492 𥱵 ケイ ははき          
           
           
4711 492 ホウ とじぶみ ちようめん        
         
           
4712 493 テキ ふえ          
           
           
4713 493 ホウ とま          
           
           
4714 493 ギヨ かこい ふせぐ        
           
           
4715 493 ヘツ しきもの          
           
           
4716 493 サク すのこ          
           
           
4717 493 ゾク むらがる あつまる        
           
           
4718 493 めしもりうつわ        
           
           
4719 493 𥴂 ヒツ まがき しばのと ふえ      
           
           
4720 493 ロウ かご          
           
           
4721 493 シヨウ わりたけ そうし ろべそ さお    
           
           
4722 493 𥳓 サク            
           
           
4723 494 ロク せたかきかご くら しるす    
           
           
4724 494 サク さしとる          
           
           
4725 494 ハク            
           
           
4726 494 タン べんとうばこ こばこ        
           
           
4727 494 タン たかむしろ しきふ        
           
           
4728 494 めしもりうつわ        
           
           
4729 494 簿󠄃 すだれ とじぶみ        
           
           
4730 494 𥳑 カン たけのふだ かきもの はぶく あらし えらぶ  
           
           
4731 494 トウ えつきかさ からかさ あまがさ      
           
           
4732 495 サン かんざし          
           
           
4733 495 コウ ふえのした うごかす        
           
           
4734 495 シヨウ しようのふえ        
           
           
4735 495 イク こめあげざる        
           
           
4736 495 レン すだれ みす        
           
           
4737 495 𥴨 アイ おおわる みえず かくれる くらし    
           
           
4738 495 エン のき          
           
           
4739 495 カン やたけ          
           
           
4740 495 ケン うわがき          
           
           
4741 495 あおる          
           
           
4742 496 シユン            
           
           
4743 496 テキ            
           
           
4744 496 簴󠄂 キヨ            
           
           
4745 496 はこ          
           
           
4746 496 チユウ かずとり はかりごと      
           
           
4747 496 セキ ふみ しるす        
           
           
4748 496 トウ たけざいく        
           
           
4749 496 ロク            
           
           
4750 496 ラン かご          
           
           
4751 496 ハン おおい        
           
           
4752 496 ギヨ            
           
           
4753 496 ソウ こめあげざる        
           
           
4754 496 タク たけのかわ          
           
           
4755 496 ライ みつあなのふえ あななる      
           
           
4756 496 籠󠄄 ロウ つちかご かご        
           
           
4757 497 レン かがみばこ けしようばこ        
           
           
4758 497 セン しるし あらわる みくじ      
           
           
4759 497 ヤク てならいふだ ふえ かぎ    
           
           
4760 497 𥷤 キク つみをただす きわむ      
           
           
4761 497 まがき          
           
           
4762 497 𥸅 ヘン たけのたかつき        
           
           
4763 497 ふるい          
サイ          
           
4764 497 エイ こがねいれ かねざいく きんこ      
           
           
4765 498 ベイ こめ よね        
           
           
4766 498   もみ          
           
           
4767 498 フン こめのこ おしろい        
           
           
4768 498 あしきこめ しいな        
           
           
4769 498 ジユウ            
           
           
4770 498 コウ もみ          
           
           
4771 498 さとう          
           
           
4772 498 リユウ こめつぶ ひとつぶ        
           
           
4773 498 ソウ こめのあらづき あらし      
           
           
4774 498 ハク かす          
           
           
4775 498 バツ かゆ こな        
           
           
4776 498 テン ねばる          
ネン          
           
4777 499 ねばりつく のり いそうろう      
           
           
4778 499 𥹃            
           
           
4779 499 キヨ            
           
           
4780 499 シヨウ よそおい          
ソウ          
           
4781 499 ゾク あわのみ あわつぶ        
           
           
4782 499 もち          
           
           
4783 499 リン            
           
           
4784 499 ジユク かゆ          
           
           
4785 499 リヨウ かて          
           
           
4786 499            
           
           
4787 499 リヨウ あわのこめ もろこし        
           
           
4788 499 サン しらげる あきらか        
           
           
4789 499 粳󠄂 コウ うるち          
           
           
4790 499 𥹺 コウ            
           
           
4791 499 スイ まじりなし          
           
           
4792 500 リン しみずいずるかたち        
           
           
4793 500 こめをしらげる ひえ      
ハイ          
           
4794 500 セイ しらげる つぶより くわし      
           
           
4795 500 リヨウ かて          
           
           
4796 500 _ リン            
           
           
4797 500 ソウ ちまき          
           
           
4798 500 ジユウ まざる          
           
           
4799 500 サン            
           
           
4800 500 コウ            
           
           
4801 500 ソウ ちまき          
           
           
4802 500 シヨウ たくわえ          
           
           
4803 500            
           
           
4804 500 ほしいい          
           
           
4805 500 こめをつく          
           
           
4806 501 糖󠄃 トウ あめすがる さとう        
           
           
4807 501 糚󠄂 ソウ            
           
           
4808 501 シユウ いりごめ たびのかて        
           
           
4809 501 なれたるかゆ おじや ただらかす    
           
           
4810 501            
           
           
4811 501 サン こめいりあつもの おじや      
           
           
4812 501 コウ            
           
           
4813 501 フン のぞきさる くそ        
           
           
4814 501 ソウ もろみ さけかす        
           
           
4815 501 𥻳 レイ            
           
           
4816 501 𥼚 サク はやくかりとる はつほ      
           
           
4817 501            
           
           
4818 502 リヨウ かて          
           
           
4819 502 サン            
           
           
4820 502 𥼷 セン            
           
           
4821 502 𥼶 セキ こめをひたす ふるさけ とぐ    
           
           
4822 502 ゲツ もやし こうじ        
           
           
4823 502 ナン もちいい          
           
           
4824 502 𥶶 キク            
           
           
4825 502 ライ あらづき あらし        
           
           
4826 502 ダン だんご          
           
           
4827 502 𥽘 バツ こな          
           
           
4828 502 もみをくだく          
         
           
4829 503 ベキ よりいと          
           
           
4830 503 ケイ かかる つづく        
           
           
4831 503 糾󠄂 キユウ みつこなわ あざなう まつわる ただす あつまる  
           
           
4832 503 いとぐちわかる くぎり      
           
           
4833 503 シユン まるうちひも のり うがつ      
           
           
4834 503 シヨウ            
           
           
4835 504 コウ あか くれない        
           
           
4836 504 ジン ひとえなわ          
           
           
4837 504 䊸󠄀 かがまる まつわる        
           
           
4838 504 かがまる まつわる        
           
           
4839 504 ヤク つかねる くくる ちかう      
           
           
4840 504 ガン しろきぬ しろし        
           
           
4841 504 ブン みだる あや しるし      
モン          
           
4842 504 納󠄃 トウ いとしめる いる        
ノウ          
           
4843 504 チユウ つけひも むすびめ つけね      
           
           
4844 504 ジヨウ ゆるぶ          
           
           
4845 504 さらしわた かみ        
           
           
4846 504 ウン            
           
           
4847 505 ジユン きよきいと まざりなし        
           
           
4848 505 キユウ ついで しな くらい      
           
           
4849 505 シヤ            
           
           
4850 505 フン おぶくろ ちらばる みだる      
           
           
4851 505 ジン はたいと きぬおり        
           
           
4852 505 ホウ いとをきる つむぐ        
           
           
4853 505 きぎぬ しろし じしつ もと    
           
           
4854 505 タン            
           
           
4855 506 サク なわとなるくさ なわなう さみし もとむ  
           
           
4856 506 キン            
           
           
4857 506 シツ ぬう          
           
           
4858 506 ビン            
           
           
4859 506 むらさき          
           
           
4860 506 シユウ つむぎ          
チユウ          
           
4861 506 ルイ つづる わずらわし かさなる      
           
           
4862 506 サイ ほそいと ほそし        
           
           
4863 506 ゲン            
           
           
4864 506 𥿋 ハン            
           
           
4865 506 セイ きずな とりなわ ゆみため いと    
セツ          
           
4866 507 シヨウ つぐ ひきあわせ        
           
           
4867 507 シン おおおび          
           
           
4868 507 チヨ ほそあさ          
           
           
4869 507 フツ みだれあさ なわ つな      
           
           
4870 507 コン いろ          
           
           
4871 507 テン しばる くくる ひとえ      
           
           
4872 507 紿 タイ いとつかれる ゆるむ つかる あざむく  
           
           
4873 507 フツ            
           
           
4874 507 ひらぐみひも くむ さなだひも      
           
           
4875 507 ジヨウ ほころび ぬう        
           
           
4876 507 いとのかず          
           
           
4877 508 シユウ しあげ おわり        
           
           
4878 508 なわ なわをくくる        
           
           
4879 508 ハン ほだし きずな        
           
           
4880 508            
           
           
4881 508 ケイ ひきしめる あさぬの        
           
           
4882 508 ケツ むすぶ しめる ひきつめる ゆう    
           
           
4883 508 ジン            
           
           
4884 508 ケイ まゆのかす つづく あらぎぬ うわぎ かかる  
           
           
4885 508 ゼツ たつ          
           
           
4886 508 ジヨ ふるわた わた        
           
           
4887 509 ケツ あさたば ととのう いさぎよし      
           
           
4888 509 絳󠄃 コウ あかぎぬ あかし        
ホウ          
           
4889 509 コウ くくる しめる        
           
           
4890 509 はかま          
           
           
4891 509 ラク つかれわた つづく        
           
           
4892 509 ケン うつくし いろ あや      
           
           
4893 509 ヘイ あらぬの しまおり かすり      
ホウ          
           
4894 509 絣󠄃 ヘイ あらぬの しまおり かすり      
ホウ          
           
4895 509 𥿮 シヨク            
           
           
4896 509 キユウ たらす そなう たまう      
           
           
4897 509 キユウ くるまのしとね うつぼ たたら    
フク          
           
4898 510 ジユウ こまかきおりもの        
           
           
4899 510 セン            
           
           
4900 510 ベイ こめかたのぬいとり        
           
           
4901 510 𥿫            
           
           
4902 510 イン いきれ きのぼる        
           
           
4903 510 ルイ つみかさぬ かさねる つづける      
           
           
4904 510 キン            
           
           
4905 510 セツ ふだんぎ ねまき        
           
           
4906 510 いと          
           
           
4907 510 コウ            
           
           
4908 510 ケン たすき          
           
           
4909 510 トウ おおすげ ほんもと くくる      
           
           
4910 511 コウ わた ぬめ        
           
           
4911 511 セツ            
           
           
4912 511 ケン            
           
           
4913 511 ケイ            
           
           
4914 511 ケン きぬ          
           
           
4915 511 トウ ひらうちひも さなだひも        
           
           
4916 511 くずふ かたびら        
           
           
4917 511 ゲキ くずふ あらくず かたびら      
           
           
4918 511 あらぬの つづく とじあわせ      
           
           
4919 511 𦀓 ゾウ            
           
           
4920 511 シヨウ きいと きぎぬ        
           
           
4921 511 綆󠄃 コウ いどなわ つるべなわ ゆみため      
           
           
4922 511 スイ くるまのもちなわ やすんず たるる    
           
           
4923 512 トウ            
           
           
4924 512 テイ あつぎぬ          
           
           
4925 512 䋣󠄀 ハン            
           
           
4926 512 ケイ たていと たてすじ ただしきみち    
キヨウ たつときふみ      
           
4927 512 _ シユウ            
           
           
4928 512 テイ ゆるやか          
           
           
4929 512 エン かんむりのおおい        
           
           
4930 512 綾󠄂 リヨウ あや ぬめ        
           
           
4931 512 フツ            
           
           
4932 512 ソウ おさ すぶ        
           
           
4933 512 ロク みどり もえぎ        
リヨク          
           
4934 512 チユウ まとう おおし        
           
           
4935 512 キン つけひも ひきしめるひも      
           
           
4936 513 きぬのうすもえぎ まだらひも くつのつけひも  
           
           
4937 513 セン あかねいろ むすぶ        
           
           
4938 513 ジユ ひも          
           
           
4939 513 くるまのおい つなぐ かける    
           
           
4940 513 綮󠄃 ケイ めのつみたるきぬ はたじるし しまる    
           
           
4941 513 コウ おおつな なわ        
           
           
4942 513 タン            
           
           
4943 513 網󠄄 モウ あみ あみめ        
           
           
4944 513 トウ なわなう          
           
           
4945 513 セツ つづる          
テツ          
           
4946 513 サイ いろどる          
           
           
4947 514 リン あおひも つりいと なわばり      
           
           
4948 514 ベン            
           
           
4949 514 シヤク ゆるやか しとやか        
           
           
4950 514 あやぎぬ あざやか        
           
           
4951 514 綿 メン            
           
           
4952 514 キン きびし しめる        
           
           
4953 514 スウ            
           
           
4954 514 シユウ ぬう なわ つづく      
シヨウ          
           
4955 514 𦁛 セツ            
           
           
4956 514 セイ きぬのあや          
           
           
4957 514 コン おりおび          
           
           
4958 514 ビン つりいと さし        
           
           
4959 515 ふとぎぬ あかいろ        
           
           
4960 515 緇󠄂 シユウ くろし          
           
           
4961 515 スイ かんむりのたれひも つづく かざり    
           
           
4962 515 チヨ いとぐち しごと あまり くみひも    
シヨ          
           
4963 515 カン からげる とずる とじめ      
           
           
4964 515 メン ほそくつづく つらなる わた      
           
           
4965 515 セン いと いとすじ        
           
           
4966 515 緝󠄃 シユウ つむぐ つづく あきらか あつまる    
           
           
4967 515 締󠄂 テイ むすばる しまる        
           
           
4968 516 シヨク ましかさぬ かさなる        
           
           
4969 516 ビン            
           
           
4970 516 ダン くつぞこのつみかわ あつぎぬ      
           
           
4971 516 ソウ            
           
           
4972 516 ホウ むつぎ          
           
           
4973 516 編󠄃 ヘン あむ とじる        
           
           
4974 516 ユウ しりがい なわ せまる はねのな ぶらんこ  
シユウ          
           
4975 516 エイ ゆるやか おわる        
           
           
4976 516 セツ            
           
           
4977 516 コウ おおつち ゆみつるはる おわる    
           
           
4978 516 緩󠄃 カン ゆるやか おそし        
           
           
4979 516 ビヨウ            
           
           
4980 517 レン ねりいと ねりぎぬ        
           
           
4981 517 ベン あさをくむ かりぬい まつりのころも    
           
           
4982 517 テイ あかきいろ ただ        
         
           
4983 517 メン ほそいと ちりめん        
           
           
4984 517 よこいと よこすじ よこ      
           
           
4985 517 こまか ぬう おぎなう      
           
           
4986 517 緣󠄂 エン へり ふち        
           
           
4987 517 縛󠄃 バク しばる くくる        
           
           
4988 517 エイ いとをまく まとう からまる      
           
           
4989 517 𦃃            
           
           
4990 518 シン きぬのあかいろ さしはさむ      
           
           
4991 518 くびくくる みのむし        
イツ          
           
4992 518 シユウ あさちぢみ ちぢむ        
           
           
4993 518 ケン ふたこぎぬ          
           
           
4994 518 セン あかそめのはじめ べにいろ      
           
           
4995 518 オン さきあさ ふるわた あたたか うすあか    
           
           
4996 518 コウ きぎぬ しろきぬ しま      
           
           
4997 518 ジヨク いろかざり わずらわし うるさし      
           
           
4998 518 トウ からまる とじる ふじかずら      
         
           
4999 518 𦃍 ハン            
           
           
5000 518 ルイ            
           
           
5001 519 コク ちぢみきぬ ちぢむ        
           
           
5002 519 ケン くびをかける かける        
           
           
5003 519 ソウ            
           
           
5004 519 𦃟 ケイ            
           
           
5005 519 𦃠            
           
           
5006 519 シヨウ            
           
           
5007 519 トク            
           
           
5008 519 ヒツ かむりとめ しばりとめる        
           
           
5009 519 縫󠄃 ホウ ぬう ぬいめ        
           
           
5010 519 𦄲 シユク おさむ ちぢめる しじまる      
           
           
5011 519 シヨウ ゆるやか ほしいまま はなつ たて    
ジユウ          
           
5012 519 縵󠄄 ハン あやなしきぬ ながし      
マン          
           
5013 520 チユウ ほだし まつわる きずな      
           
           
5014 520            
           
           
5015 520 ラク            
           
           
5016 520 ふといと          
           
           
5017 520 バク            
マク          
           
5018 520 ヒヨウ はなだいろ そらいろ はるか      
           
           
5019 520 うしのはなづな ちらばる そこなう    
           
           
5020 520 總󠄂 ソウ つかねる すべる あげまき くくり    
           
           
5021 520 セキ つむぐ うむ いさお わざ    
           
           
5022 520 サイ くるまにいとをつける いとぐるま      
           
           
5023 520 ハン たてがみかざり かざり しげし    
           
           
5024 521 繃󠄃 ホウ まとわす つかぬ        
           
           
5025 521 エイ ほこのしるし あかくろいろ        
           
           
5026 521 ソウ いとたる いろひも かむりひも      
           
           
5027 521 ヨウ よる したがう        
ユウ          
           
5028 521 キヨウ ふしながいと むつぎ ぜにのさし    
           
           
5029 521 ビユウ あさたば まとう からまる      
           
           
5030 521 レン こだらかる          
           
           
5031 521 シヨウ いとをあわす あつむ      
シユウ          
           
5032 521 ケイ            
           
           
5033 521 ソウ きぬ かとり        
           
           
5034 521 ゼン つくろう なおす        
           
           
5035 522 織󠄂 シヨク おる おりもの くみたて のぼり    
           
           
5036 522 サン            
           
           
5037 522 シヤク            
           
           
5038 522 キツ つるべなわ          
           
           
5039 522 スイ たる しべ        
           
           
5040 522 ハン みだる のごいきれ        
           
           
5041 522 リヨウ まとう めぐらす        
           
           
5042 522 ジヨウ まとう めぐらす        
           
           
5043 522 カイ おりもののはし      
           
           
5044 522 カイ かけひも むすぶ        
           
           
5045 522 ソウ こんきぬ いとくる        
           
           
5046 523 カイ ぬいとり えがく        
           
           
5047 523 ケイ かける つなぐ つらなる      
           
           
5048 523 𦅻 カン            
           
           
5049 523 繭󠄃 ケン まゆ          
           
           
5050 523 シヤク ねらぬいと きいと まとう      
           
           
5051 523 ヘキ くるまつきとりあみ おりおび      
           
           
5052 523 エキ いとをひく ひきだす つづき      
           
           
5053 523 ジヨウ なわ ただし        
           
           
5054 523 ベン いとをあむ うちまぜる        
           
           
5055 524 繼󠄂 ケイ つぐ たえぬ        
           
           
5056 524 ヒン ゆきき さかん あやあり おおし    
           
           
5057 524 ケン こころあつし ねんごろ つとむ ひとかたまり  
           
           
5058 524 ボク もすそのはばをそぐ はばきれ ずきん    
           
           
5059 524 クン うすあか ゆうやけ        
           
           
5060 524 サン くみひも つぐ あつむ      
           
           
5061 524 ケツ            
           
           
5062 524 ボク なわ          
           
           
5063 524 \ コウ            
           
           
5064 524 シユウ えもよう ぬいとり        
           
           
5065 524 ノウ            
           
           
5066 525 ラン つかぬ まとう        
           
           
5067 525 ゾク つづく つらなる        
           
           
5068 525 ルイ いとふし          
ライ          
           
5069 525 ルイ つづる かかる つな      
           
           
5070 525 あらぬののいと ねらぬいと      
           
           
5071 525 エイ かむりひも          
           
           
5072 525 シユウ くろあか わずか        
スウ          
サン          
5073 526 ジヨウ たすき うばう おび      
           
           
5074 526 セン いとほそし ごくほそ こまか ほそし    
           
           
5075 526 サン つぐ          
           
           
5076 526 かみつつみ ひとはばきれ つなぎ ひも  
  ひらぞこくつ        
           
5077 526 トウ おにがしら さしずはた        
           
           
5078 526 ふとぎぬ あらきつむぎ      
           
           
5079 526 ラン いかりづな          
           
           
5080 527 ユウ かめ          
           
           
5081 527 ヒユウ            
ホウ          
           
5082 527 ケツ われる かける        
           
           
5083 527 テン きず          
           
           
5084 527 缾󠄃 ヘイ びん          
           
           
5085 527 𦉈 かめのたぐい        
           
           
5086 527 コウ やかぬかわら        
コク          
           
5087 527 ケイ うつわのなかむなし つきる ことごとく    
           
           
5088 527 やききず すきま        
         
           
5089 527 ソン            
           
           
5090 527 エイ かめのたぐい もだい      
           
           
5091 528 罐󠄃 カン つるべ いれもの        
           
           
5092 528 ライ おおだる おおかめ        
           
           
5093 528 すやきのうつわ        
           
           
5094 528 タン びん          
           
           
5095 528 𦉥 オウ つるべ かめ        
           
           
5096 528 モウ あみ          
           
           
5097 528 モウ            
           
           
5098 528 カン とりあみ まれ        
           
           
5099 528 うさぎあみ          
シヤ          
           
5100 529 うおあみ          
           
           
5101 529 ケイ さかいめ とどむる        
           
           
5102 529 ケン            
           
           
5103 529 シン ふしづけ          
           
           
5104 529 ザイ うおとるあみ つみ        
           
           
5105 529 ゆるす おく        
           
           
5106 529            
ヘイ          
           
5107 529 トウ うおとりかご うおあみ        
           
           
5108 529 シヨ やくわり しるす やくしよ      
           
           
5109 529 ソウ            
           
           
5110 529 バツ つみす とがむ ころす      
           
           
5111 530 罶󠄁 リユウ うえ やな        
           
           
5112 530 ヒツ あみ          
           
           
5113 530 ののしる          
           
           
5114 530 ゆるす やめる つかる      
           
           
5115 530 かかる          
         
           
5116 530 ケイ うおあみ けおりもの        
           
           
5117 530 ケン            
           
           
5118 530 ソウ よつであみ          
           
           
5119 530 罿󠄂 シヨウ むそうあみ          
           
           
5120 530 とりあみ かかる うれう あき ならぶ  
みまわり        
           
5121 530 羃󠄂 ベキ            
           
           
5122 531 ひぐま          
           
           
5123 531 おもがい たび はたご      
           
           
5124 531 しろぼうし          
           
           
5125 531 𦌾 ケン あみ わな むすぶ      
           
           
5126 531 ヨウ ひつじ          
           
           
5127 531 うまし うつくし よし      
           
           
5128 531 タツ こひつじ たやすくうまる      
           
           
5129 531 ユウ みちびく いざなう すすむ      
           
           
5130 532 コウ こひつじ          
           
           
5131 532 コウ こひつじ          
           
           
5132 532 シユウ すすめる          
           
           
5133 532 羕󠄀 ヨウ みずながし          
           
           
5134 532 グン ひつじのむれ むらがる      
           
           
5135 532 セン うらやむ          
           
           
5136 532 たけきすがた ほどきまり よし    
           
           
5137 532 𦎫 ジユン よくにえる          
           
           
5138 532 𦏡 あさひ きいず        
           
           
5139 532 セン ひつじくさし          
           
           
5140 532 やせる よわし        
ルイ          
           
5141 533 コウ あつもの          
           
           
5142 533 はね          
           
           
5143 533 𦐀            
           
           
5144 533 翁󠄄 オウ くびのはね おきな おやじ      
           
           
5145 533 つばさ ただ        
           
           
5146 533 𦐈󠄁 フン            
           
           
5147 533 翌󠄃 ヨク ならびとぶ あした たすく      
           
           
5148 533 ヨク ならびとぶ あした たすく      
           
           
5149 533 レイ はね          
           
           
5150 533 リユウ たかくとぶ そらとぶ ころす      
           
           
5151 533 翔󠄃 シヨウ かける おおきくとぶ        
           
           
5152 534 キユウ とびたつ ならう すう あう あつむ  
  さかんなり        
           
5153 534 キツ            
           
           
5154 534 習󠄃 シユウ ならう かさなる        
           
           
5155 534 シヨウ はねやぶる ながし        
シユウ          
           
5156 534 テキ やまきじ きじのはね        
           
           
5157 534 かわせみ ひぎぬ        
           
           
5158 534 翠󠄄 スイ かわせみ みどり        
           
           
5159 534 トウ            
           
           
5160 534 セン はねはえそろう やばね たちそろえる  
           
           
5161 534 翩󠄅 ヘン はやくとぶ ひるがえる        
           
           
5162 535 おおきくとぶ きじのたぐい      
           
           
5163 535 翫󠄃 ガン もてあそぶ          
           
           
5164 535 コウ しろくこゆ しろし        
カク          
           
5165 535 翰󠄃 カン やまどり つよきはね たすく      
           
           
5166 535 コウ とりとぶこえ          
           
           
5167 535 エイ おおう かくす        
           
           
5168 535 𦒇 トウ はた          
           
           
5169 535 ギヨウ おながのけ つまたつ        
           
           
5170 535 翻󠄃 ヘン ひるがえる          
           
           
5171 535 コウ かける たかくとぶ        
           
           
5172 536 翼󠄄 ヨク つばさ たすく        
           
           
5173 536 ケン すこしとぶ ちよつちよつととぶ      
           
           
5174 536 耀 ヨウ てらす かがやく        
           
           
5175 536 ロウ としより おゆ        
           
           
5176 536 考󠄃 コウ としより ちち かんがう      
           
           
5177 536 𦒷 ボウ としより          
           
           
5178 537 シヤ わかつことば もの      
シヨ          
           
5179 537 としより          
         
           
5180 537 コウ としよりのはだいろ こごむ      
           
           
5181 537 テツ としより          
           
           
5182 537 うわひげ さかなのひげ して    
           
           
5183 537 タイ つみびとのひげそる たえる      
           
           
5184 538 よわし やわらか        
ゼン          
           
5185 538 タン はし はじめ        
           
           
5186 538 ライ すきのあたま すき      
           
           
5187 538 つちかう          
         
           
5188 538 耕󠄃 コウ たがやす          
           
           
5189 538 耗󠄃 コウ よきいね きえる むなし      
モウ          
           
5190 538 ウン たのくさとり くさぎる        
           
           
5191 539 すきのさき          
           
           
5192 539 耜󠄂 すき すきのえ        
           
           
5193 539 ジヨ ねんぐ すき        
           
           
5194 539 セキ かりる たがえす てんりよう      
           
           
5195 539 ゴウ ならぶ あいかた つれあい たぐい    
グウ          
           
5196 539 トウ すき          
           
           
5197 539 ユウ つちならし          
           
           
5198 539 みみ のみ        
           
           
5199 540 シヨウ みみたる          
           
           
5200 540            
           
           
5201 540 コウ まえよりのみみ あきらか      
           
           
5202 540 リユウ みみなり たよる ほしいまま いささか    
           
           
5203 540 レイ きく          
           
           
5204 540 カツ かまびすし がやがやする わるごうしよう  
           
           
5205 540 ヘイ とう たずぬ ゆいのう      
           
           
5206 540 聖󠄃 セイ ひじり きみ        
           
           
5207 541 聟󠄃 セイ むこ          
           
           
5208 541 ブン きこゆ きく        
モン          
           
5209 541 シユ あつまる よりあう        
           
           
5210 541 カク            
           
           
5211 541 𢕈 シヨウ            
           
           
5212 541 ケイ きかぬ          
           
           
5213 541 レン つらなる          
           
           
5214 541 聰󠄃 ソウ さとし          
           
           
5215 541 ゴウ こばむ ききいれぬ        
           
           
5216 541 𦗖 リヨウ            
           
           
5217 541 聲󠄂 セイ こえ        
           
           
5218 541 聶󠄃 シヨウ みみこすり ささやく        
           
           
5219 542 聳󠄃 シヨウ つんぼ そびゆ おそる      
           
           
5220 542 𦗂            
           
           
5221 542 カイ うまれつきのつんぼ        
           
           
5222 542 シヨク しるす しわざ なりわい      
           
           
5223 542 𦗁 テン            
           
           
5224 542 聽󠄂 テイ きく ききさだむ したがう ゆるす    
チヨウ          
           
5225 542 聾󠄃 ロウ つんぼ くらし        
           
           
5226 542 𦘍 コツ みみなし かなつんぼ        
           
           
5227 543 イツ ふで ついに ここに      
ヒツ          
           
5228 543 チヨウ はじめ          
           
           
5229 543 ながし つらぬ いち ほしいまま はやし  
  ゆるし なおし ならう ついに  
           
5230 543 肇󠄃 チヨウ うつ はじめ        
           
           
5231 543 チヨウ うつ はじめ        
           
           
5232 543 シユク つつしむ うやうやし        
           
           
5233 544 ジク しし          
ニク          
           
5234 544 ロク あばらぼね          
           
           
5235 544 オク            
           
           
5236 544 はだ          
           
           
5237 544 肎󠄂 コウ ほねにくつく ゆるす がえんず      
           
           
5238 544 カン きも          
           
           
5239 544 肖󠄃 シヨウ にる かたどる        
           
           
5240 544 コウ おおはら          
           
           
5241 545 コウ しんぞうのした        
モウ          
           
5242 545 チユウ ひじのふし          
           
           
5243 545 イク やしなう そだてる        
           
           
5244 545 カン            
           
           
5245 545 フン            
           
           
5246 545 もも けらい        
           
           
5247 545 てあし          
           
           
5248 545 こゆ ふとる        
           
           
5249 545 肩󠄃 ケン かた たえる        
           
           
5250 545 ホウ こゆ ふとる あぶら      
           
           
5251 545 䏕󠄁 ジン            
           
           
5252 546 ユウ いぼ          
           
           
5253 546 𦙃 シヨ            
           
           
5254 546 ハイ はらみはじめ        
           
           
5255 546 コウ            
           
           
5256 546 ハイ はいのぞう いきのもと        
           
           
5257 546 フン            
           
           
5258 546 コウ さかな くいもの くらう      
           
           
5259 546 𦙄 キヨウ            
           
           
5260 546 ゼン いぬのにく          
           
           
5261 546 コウ            
           
           
5262 546 コウ            
           
           
5263 546 コウ ひじ          
           
           
5264 546 いのふ いぶくろ        
           
           
5265 546 チユウ そうりよう ちすじ        
           
           
5266 546 コウ かた          
           
           
5267 547 テツ ほねたがう とびでる なかくぼ      
トツ          
           
5268 547 ハイ うしろ        
           
           
5269 547 タイ はらむ はじめ        
           
           
5270 547 ハン かたみ ゆたか おおいなり      
           
           
5271 547 シン くちひび          
           
           
5272 547 はいのこ うじ やすで      
           
           
5273 547 ハイ            
           
           
5274 547            
           
           
5275 547 おやゆび          
           
           
5276 547 セイ なまぐさし やせる        
           
           
5277 547 かかとのかわあつし たこ      
           
           
5278 547 胞󠄃 ホウ えな          
           
           
5279 548 キヨ わきのした わきからひらく      
           
           
5280 548 のどぶくろ なんぞ おおいなり こちよう おしろい  
           
           
5281 548 𦙷 コウ しり          
           
           
5282 548 𦙶 かわく          
           
           
5283 548 イン よつぎ つぐ うく たね ならう  
           
           
5284 548 シヨ かにのしおから しるす やくにん あらし  
  まつ しばし くわしくみる みな あい
           
5285 548 イン のど べに        
           
           
5286 548 コウ            
           
           
5287 548 𦚤            
           
           
5288 548 また          
           
           
5289 549 コウ ゆばりぶくろ          
           
           
5290 549 ドウ            
           
           
5291 549 キヨウ むね          
           
           
5292 549 ベン いちまいあばら あつし ひび たこ  
ヘイ          
           
5293 549 とりのいぶくろ        
           
           
5294 549 ノウ よきけもの よくす        
タイ          
           
5295 549 きりにく ししむら きりみ      
           
           
5296 549 あぶら          
           
           
5297 549 キヨウ            
           
           
5298 550 ゼイ もろし よわし かろし      
           
           
5299 550 ミヤク ちのみち ちすじ        
           
           
5300 550 キヨウ あばら わきのした おびやかす      
           
           
5301 550 セキ せなか        
           
           
5302 550 キヤク すね あし        
           
           
5303 550 ケイ すね          
           
           
5304 550 シユウ にこにこ えがお        
           
           
5305 550 こまか          
           
           
5306 550 ハイ せにく          
           
           
5307 551 シン くちびる たちはた もりにく      
           
           
5308 551 ほくろ          
           
           
5309 551 シユウ ほじし かわく ながし おさむ    
           
           
5310 551 脫󠄁 ダツ にくおちる はなる とく うしなう うばう  
           
           
5311 551 ホウ ゆばりぶくろ          
           
           
5312 551 ほじし ひもの        
           
           
5313 551 トウ くびますぐ          
           
           
5314 551 テイ ひもの          
           
           
5315 551 キヨウ            
           
           
5316 551 䏰󠄂 ジン            
ニン          
           
5317 551 チヨウ はらはる          
           
           
5318 551 サク ひもの          
           
           
5319 551 ひのぞう          
           
           
5320 552 スイ いさらい          
           
           
5321 552 エキ わきのした          
           
           
5322 552 𦝮 フン            
           
           
5323 552 ゼイ            
           
           
5324 552 ツイ きずあと たこ        
         
           
5325 552 テン おおし あつし ととのう よし    
           
           
5326 552 シヨク            
           
           
5327 552 ヨウ しおづけにく          
           
           
5328 552 ジン            
           
           
5329 552 ワン かいな うで        
           
           
5330 552 ジン じんのぞう          
           
           
5331 552 くさる ただらす        
           
           
5332 552 はらわた          
           
           
5333 552 𦜔 シツ            
           
           
5334 553 ふくらはぎ かくる やむ      
ハイ          
           
5335 553 キヨ とりのひもの        
           
           
5336 553 バイ はらごもる はじめ        
           
           
5337 553 ほねつきひしお やわらか      
ナン          
           
5338 553 トウ のうみそ          
ノウ          
           
5339 553 ソウ きめ          
           
           
5340 553 ヨウ こし          
           
           
5341 553 𦝫󠄁 ヨウ こし          
           
           
5342 553 腹󠄂 フク はら          
           
           
5343 553 セン ふくらはぎ          
           
           
5344 554 チヨウ うすきりにく きりかさぬ        
           
           
5345 554 𦝠 けもののな          
           
           
5346 554 シヨウ はれもの こぶたつ        
           
           
5347 554 セイ にくぼし なまぐさし        
           
           
5348 554 ダン ほしにく うちかたむ        
           
           
5349 554 チヨウ はらわた          
           
           
5350 554 したはらふくれる はらわた うまみ    
           
           
5351 554 膀󠄂 ホウ わきばら ゆばりぶくろ        
           
           
5352 554 リヨ せぼね          
           
           
5353 555 𦞠 ドン            
デン          
           
5354 555 𦞜 ソク やどりにく          
           
           
5355 555 ハク ほじし はりつける        
           
           
5356 555 コウ あぶら こえる        
           
           
5357 555 腿󠄃 タイ はぎのうしろ        
           
           
5358 555 カク むねのうち          
           
           
5359 555 𦞤 シン あたまのはち        
           
           
5360 555 シユウ            
           
           
5361 555 膋󠄂 リヨウ            
           
           
5362 555 セキ やせる ひからびる        
           
           
5363 555 うしのいぶくろ あわせかさぬ    
           
           
5364 555 はだ つらぬ        
         
           
5365 555 チヨウ            
           
           
5366 555 膜󠄂 バク うすかわ          
マク          
           
5367 556 シツ ひざ          
           
           
5368 556 コウ にかわ かたし        
           
           
5369 556 チツ にくふさがる          
           
           
5370 556 リヨウ あぶら          
           
           
5371 556 ハン ひもろぎ やきにく        
           
           
5372 556 セツ もろし やわらか        
ゼイ          
           
5373 556 𦠆 セン            
           
           
5374 556 膱󠄀 シヨク ほじし          
           
           
5375 556 ほねなしひもの うつくし      
           
           
5376 556 ゼン そなえる すすむ        
           
           
5377 557 あぶらぎる こゆ なめらか      
           
           
5378 557 𦠊 トウ            
           
           
5379 557 臆󠄂 オク むね むなもと        
           
           
5380 557 タン きも          
           
           
5381 557 ヨウ むね あたる うく      
           
           
5382 557 ズイ            
           
           
5383 557 カイ なます          
           
           
5384 557 ドン いさらい しり        
デン          
           
5385 557 うで          
           
           
5386 557 𣎜 ヨウ            
           
           
5387 557 ソウ あぶらのにおい        
           
           
5388 558 トウ うみ          
ノウ          
           
5389 558 キヨウ            
           
           
5390 558 セイ ほぞ まなか        
           
           
5391 558 キヤク くちのうえのくぼみ        
           
           
5392 558 臈󠄂 ロウ            
           
           
5393 558 ヨウ            
           
           
5394 558 ヒン            
           
           
5395 558 クン            
           
           
5396 558 𦣍 コウ            
           
           
5397 558 トウ ひつじぶたのかいな にくたらす うごめく    
           
           
5398 558 𦡸            
           
           
5399 558 ロウ まつりのな          
           
           
5400 558 シユウ ほしうお ひもの        
           
           
5401 558 つらぬ          
           
           
5402 559 𦢌 トク            
           
           
5403 559            
           
           
5404 559 𦣀 シヨウ            
           
           
5405 559 臟󠄂 ゾウ はらわた          
           
           
5406 559 イン のど あぶら べに      
           
           
5407 559 やせる          
           
           
5408 559 ラン やせる きりにく        
レン          
           
5409 559 シン おみ けらい        
           
           
5410 559 𦣝 おとがい          
           
           
5411 559 ケン かたし          
           
           
5412 559 ふす          
           
           
5413 559 ゾウ よし かくす はらわた      
           
           
5414 560 リン のぞむ のぞきこむ        
           
           
5415 560 ボク            
           
           
5416 560 はな みずから より おのずから    
           
           
5417 560 シユウ かぐ におい        
           
           
5418 560 𦤃 コウ            
           
           
5419 560 コウ            
           
           
5420 560 ゲツ まと          
          ×
           
5421 561 𦤙 ゲツ やすからず あやうくす        
           
           
5422 561 いたる          
           
           
5423 561 致󠄂 いたす          
           
           
5424 561 いたす          
           
           
5425 561 タイ ものみ          
           
           
5426 561 シン いたる よる        
           
           
5427 561 𦥊 いかりもとる          
           
           
5428 562 キユウ うす          
           
           
5429 562 𦥑 キヨク てをくむ こまぬく        
           
           
5430 562 𠚒            
           
           
5431 562 カン おとしいる おちいる        
           
           
5432 562 ソウ むぎをつく うすつく すき      
           
           
5433 562            
           
           
5434 562 シヨウ もみをつく うすつく        
           
           
5435 562 キユウ しゆうと          
           
           
5436 562 くみす あずかる    
           
           
5437 562 セキ            
ジヤク          
           
5438 563 キヨウ たつ おこる おもしろし      
コウ          
           
5439 563 キヨ さしになう あげる        
           
           
5440 563 キユウ みみずく ひさし ふるし      
           
           
5441 563 舋󠄁 キン            
         
           
5442 563 キン            
         
           
5443 563 𦦰 トウ            
           
           
5444 563 𢍹 セン            
           
           
5445 563 舌󠄃 ゼツ した          
           
           
5446 563 シヤ いえ すてる        
           
           
5447 563 𦧇            
           
           
5448 563 ジヨ のぶ ちらばる ゆるやか      
           
           
5449 564            
           
           
5450 564 ねぶる          
           
           
5451 564 カン やかた          
           
           
5452 564 𦧵            
           
           
5453 564 舛󠄆 セン そむく むかう        
           
           
5454 564 シユン おしておこなう くさのな      
           
           
5455 564 カツ くさび          
           
           
5456 565 まい まう        
           
           
5457 565 シユウ ふね          
           
           
5458 565 トウ こぶね          
           
           
5459 565 コウ ふなわたし          
           
           
5460 565 ホウ ふないくさ いかだ        
           
           
5461 565 𦨕 フク            
           
           
5462 566 ハン めぐらす さまよう        
           
           
5463 566 ジク かくがたぶね とも かじ へさき  
           
           
5464 566 ゲン ふなばた          
           
           
5465 566 かじ          
           
           
5466 566 いかだ          
           
           
5467 566 セン ふね          
           
           
5468 566 ハク ふね          
           
           
5469 566 おおふね ふねとめくい      
           
           
5470 566 𦨶 チン            
           
           
5471 566 テイ こぶね          
           
           
5472 566 いかだ ふね はしけ      
           
           
5473 566 𦩍 トウ            
           
           
5474 567 コウ ふねのな          
           
           
5475 567 ソウ            
           
           
5476 567 ゲキ ふながしら          
           
           
5477 567 ソウ こぶね          
           
           
5478 567 いかだ          
           
           
5479 567 𦨷 バツ いかだ          
           
           
5480 567 𦪑 バツ いかだ          
           
           
5481 567            
           
           
5482 567 シヨウ ほばしら          
           
           
5483 567 艟󠄂 ドウ いくさぶね          
シヨウ          
           
5484 567 𦪗 コウ ふねわたし          
           
           
5485 567 ふなよそおい        
           
           
5486 567 艥󠄀 シユウ かい          
           
           
5487 567            
           
           
5488 567 カン いくさぶね          
           
           
5489 567 艨󠄃 モウ いくさぶね          
           
           
5490 567 かくながのふね へさき とも やねぶね  
           
           
5491 568 コン きかぬ もとる とどむ      
           
           
5492 568 リヨウ よし あつし かしこし      
           
           
5493 568 カン かたし なやむ        
           
           
5494 569 シヨク かおいろ いろ        
シキ          
           
5495 569 ホツ いかるいろ          
フツ          
           
5496 569 ソウ くさ          
           
           
5497 569 艾󠄂 カイ よもぎ もぐさ そめくさ かげま ひさし  
  こらす        
           
5498 569 芄󠄂 カン つるくさのな ばんや        
           
           
5499 569 芍󠄃 シヤク くろぐわい しやくやく        
           
           
5500 569 芒󠄄 ボウ めさき ほさき        
           
           
5501 570 芃󠄂 ホウ くささかる きよし        
           
           
5502 570 芓󠄂 あさ        
           
           
5503 570 芌󠄀 いも          
           
           
5504 570 芋󠄂 いも          
           
           
5505 570 芔󠄂            
           
           
5506 570 芎󠄂 キユウ            
           
           
5507 570 芝󠄂 ひじりたけ れいし たけ しば    
           
           
5508 570 芟󠄂 サン くさかる おおかま        
           
           
5509 570 芡󠄂 ケン おにばす          
           
           
5510 570 芣󠄂 フク はなさかんなり おおばこ      
           
           
5511 570 芙󠄂 はちす はす        
           
           
5512 570 芥󠄂 カイ からしな からし つちくれ あくた    
           
           
5513 570 𦬠󠄂 モウ            
           
           
5514 571 芧󠄂 みくさ かやつりぐさ どんぐり    
           
           
5515 571 芬󠄂 フン におう やわらぐ もちあがる      
           
           
5516 571 芭󠄂 ハク ばしよう          
           
           
5517 571 芰󠄂 ひし          
           
           
5518 571 花󠄃 はな          
           
           
5519 571 芾󠄂 フツ くさおおし まえかけ        
           
           
5520 571 芳󠄂 ホウ かおり におい こうばし      
           
           
5521 571 芴󠄂 フツ におい あらし こまか      
           
           
5522 571 ケツ えびすくさ          
           
           
5523 571 スウ かりくさ          
           
           
5524 571 芺󠄂 オウ おにあざみ          
シヨウ          
           
5525 572 芸󠄂 ウン においぐさ くさのいきれ くさぎる      
           
           
5526 572 芼󠄂 ボウ くさはびこる えりどり        
           
           
5527 572 芹󠄂 キン せり          
           
           
5528 572 芽󠄄 くさのめ        
           
           
5529 572 芷󠄂            
           
           
5530 572 苓󠄂 レイ なもみ          
           
           
5531 572 苑󠄃 エン その こうえん        
           
           
5532 572 茅󠄂 ボウ かや        
           
           
5533 572 苗󠄂 ビヨウ なえ かり        
           
           
5534 572 苔󠄂 タイ みずごけ こけ        
           
           
5535 572 苧󠄂 シヨク あさ          
           
           
5536 572 苐󠄂 ダイ            
           
           
5537 573 苛󠄂 ちいさいくさ わずらわし むごし      
           
           
5538 573 苜󠄂 モク うまごやし          
           
           
5539 573 苞󠄂 ホウ くさのな うえる つつむ      
           
           
5540 573 苟󠄃 コウ くさのな ただ まこと かりそめ いやしくも  
           
           
5541 573 苡󠄂 おおばこ じゆずご はとむぎ      
           
           
5542 573 苤󠄂            
           
           
5543 573 苣󠄃 キヨ たまつ          
           
           
5544 573 若󠄃 ジヤク えらぶ わかし したがう ごとし    
ニヤク          
           
5545 573 苒󠄃 ゼン            
           
           
5546 573 苫󠄂 セン とま          
テン          
           
5547 573 ケイ            
           
           
5548 574 苦󠄂 にがきくさ にがし なやむ      
           
           
5549 574 苷󠄂 カン あまくさ くすり        
           
           
5550 574 英󠄄 エイ はなやか ひいず はなぶさ      
           
           
5551 574 シユウ たけ きのこ        
           
           
5552 574 苴󠄂 シヨク くつしき          
           
           
5553 574 苹󠄂 ヘイ うきくさ よもぎ        
           
           
5554 574 苺󠄂 バイ おおいちご のり        
         
           
5555 574 茉󠄂 マツ まつり          
           
           
5556 574 苽󠄃 まこも          
           
           
5557 575 苾󠄂 ヒツ こうばし          
フク          
           
5558 575 茀󠄂 フツ くさおおし まえだれ おおう ちいさし    
         
           
5559 575 𦭅 カイ            
           
           
5560 575 󠄂 サツ くさのめいず そだつ        
           
           
5561 575 茂󠄃 くさしげる しげる うるわし      
           
           
5562 575 范󠄃 ハン くさのな はち のり ひとのな    
           
           
5563 575 茇󠄂 バツ くさのね          
           
           
5564 575 茆󠄂 ボウ じゆんさい          
           
           
5565 575 茄󠄂 はすのくき なすび        
           
           
5566 575 荔󠄂 レイ くさのな れいし        
           
           
5567 576 茗󠄂 メイ ちや          
           
           
5568 576 茜󠄂 セン あかね          
           
           
5569 576 茝󠄂 サイ においぐさ          
         
           
5570 576 茨󠄄 くさぶき なずな        
           
           
5571 576 茫󠄂 ボウ はるか          
           
           
5572 576 コウ            
           
           
5573 576 茭󠄂 コウ まぐさ          
           
           
5574 576 茮󠄂 シヨウ            
           
           
5575 576 茱󠄂 シユウ かわはじかみ ぐみ      
           
           
5576 576 荗󠄂 ジユウ からあおい          
           
           
5577 576 茰󠄂 かわはじかみ ぐみ      
           
           
5578 576            
           
           
5579 576 茸󠄂 ジヨウ くさみだる          
           
           
5580 577 荐󠄂 セン しきもの すすむ しきりに      
           
           
5581 577 茲󠄂 くさふえる ます この      
         
           
5582 577 茡󠄂            
           
           
5583 577 茵󠄂 イン しきもの しとね        
           
           
5584 577 茹󠄂 ジヨ むまかう くらう したしもの ゆでる    
           
           
5585 577 茶󠄂 チヤ            
           
           
5586 577 ホウ くさふかし          
モウ          
           
5587 577 荃󠄂 セン からしあい においぐさ ふせご      
           
           
5588 577 荂󠄂            
           
           
5589 577 荅󠄃 トウ こまめ まめ こたう      
           
           
5590 578 荊󠄃 ケイ いばら むち おさむ      
           
           
5591 578 𦭼 ヒヨウ            
           
           
5592 578 荏󠄂 ジン しそ よわし      
           
           
5593 578 草󠄂 ソウ どんぐり くろ くさ      
           
           
5594 578 荇󠄂 コウ            
           
           
5595 578 荒󠄃 コウ くさふかし あれる        
           
           
5596 578 茯󠄂 フク            
           
           
5597 578 セン ちや          
           
           
5598 578 キヨク かいこのす かいこかご        
           
           
5599 578 荀󠄂 イン くさのね          
ジユン          
           
5600 578 荑󠄂 テイ くさのな          
           
           
5601 579 荳󠄂 トウ            
           
           
5602 579 荼󠄂 にがな ちや        
         
         
5603 579 荷󠄂 はすのは はちす になう      
           
           
5604 579 荻󠄃 テキ よもぎのたぐい おぎ      
           
           
5605 579 莅󠄂 のぞむ          
           
           
5606 579 莆󠄂 めでたいくさ          
           
           
5607 579 莊󠄂 ソウ くささかん さかんなり        
           
           
5608 579 莉󠄂 においぐさ          
           
           
5609 579 莖󠄃 ケイ くき          
コウ          
           
5610 580 莍󠄂 キユウ いが まり きのみ      
           
           
5611 580 莎󠄂 はますげ          
           
           
5612 580 莓󠄂 バイ            
           
           
5613 580 莕󠄂 コウ はなじゆんさい        
           
           
5614 580 莛󠄃 テイ くき          
           
           
5615 580 莒󠄂 キヨク いも          
           
           
5616 580 莜󠄂 チヨウ あじか          
           
           
5617 580 莝󠄂 きざみわら きりまぐさ        
           
           
5618 580 莢󠄂 キヨウ さや          
           
           
5619 580 莠󠄂 ユウ はぐさ          
           
           
5620 580 莞󠄂 カン しきもの にこにこわらい    
           
           
5621 580 莪󠄂 よもぎのたぐい        
           
           
5622 581 莩󠄂 つるくさ あまかわ ゆきだおれ      
           
           
5623 581 莫󠄂 なし なかれ        
バク          
           
5624 581 莟󠄂 ガン            
カン          
           
5625 581 莽󠄃 ホウ いぬうさぎをかりだす くさふかし      
モウ          
           
5626 581 菁󠄃 セイ にらのはな うるわし かぶらな      
           
           
5627 581 菅󠄂 カン かや すげ        
           
           
5628 581 菉󠄂 リヨク かりやす          
           
           
5629 581 菖󠄂 シヨウ しようぶ あやめ        
           
           
5630 581 菊󠄂 キク せきちく かわらよもぎ きぎく    
           
           
5631 581 菌󠄂 キン たけ          
           
           
5632 582 菑󠄂 あらた わざわい        
サイ          
           
5633 582 菷󠄂 シユ ははき          
           
           
5634 582 菟󠄅 むらのな とらのな うさぎ      
           
           
5635 582 菓󠄃 くだもの かし        
           
           
5636 582 菘󠄂 シヨウ かぶらな        
スウ          
           
5637 582 菜󠄃 サイ やさい        
           
           
5638 582 菔󠄃 フク おおね だいこん すずしろ      
           
           
5639 582 菡󠄂 カン はすのつぼみ        
           
           
5640 583 菩󠄂 バイ くさのな          
         
           
5641 583 タイ            
           
           
5642 583 菫󠄂 キン すみれ          
           
           
5643 583 菱󠄄 リヨウ ひし かど        
           
           
5644 583 菰󠄂            
           
           
5645 583 菴󠄂 アン よもぎのたぐい いおり      
エン          
           
5646 583 󠄂 ホウ くさしげる くささかん きさかん      
           
           
5647 583 𦱊 ソウ くさみだる          
           
           
5648 583 シユン            
           
           
5649 583 菽󠄂 シユク まめ わかめ わかし      
           
           
5650 584 菹󠄂 すずけ          
           
           
5651 584 萁󠄂 まめがら          
           
           
5652 584 あさのみ あさ あさぬの かくれたるおおね  
フン          
           
5653 584 萆󠄂 ヘキ みの          
         
           
5654 584 萄󠄂 トウ くさのな ぶどう        
           
           
5655 584 萊󠄂 ライ あかざのたぐい だいこん      
           
           
5656 584 萋󠄂 セイ くささかん さかん        
           
           
5657 584 萏󠄃 タン はすのつぼみ さかんなり      
           
           
5658 585 萌󠄃 ボウ めだし きざし はじめ      
           
           
5659 585 萃󠄃 スイ くさなびく あつまる そえる きぬずれのこえ  
           
           
5660 585 萎󠄂 かいくさ しおれる しぼむ なえる    
           
           
5661 585 菀󠄂 エン しおん          
オン          
           
5662 585 菲󠄃 かぶらのたぐい うすし くつ におい  
           
           
5663 585 キン においよもぎ        
           
           
5664 585 華󠄄 はなさく はなやか さかえる      
           
           
5665 585 蓑󠄂 みの          
           
           
5666 586 蒲󠄂 がま かば はらばい      
           
           
5667 586 萩󠄂 シユウ よもぎ はぎ        
           
           
5668 586 葻󠄁 ラン            
           
           
5669 586 萬󠄄 バン むしのな よろず        
マン          
           
5670 586 萱󠄂 ケン わすれぐさ          
           
           
5671 586 萼󠄂 ガク はなぶさ          
           
           
5672 586 葖󠄂 トツ だいこん          
           
           
5673 586 落󠄂 ラク はおつ はじめ できあがる      
           
           
5674 586 著󠄃 チヨ            
チヤク          
           
5675 586 韮󠄂 キユウ            
           
           
5676 586 𦳊 くそ          
           
           
5677 587 葆󠄂 ホウ くさしげる おにがしら むつぎ おおいなり たもつ  
  つつむ        
           
5678 587 葁󠄁 キヨウ            
           
           
5679 587 葉󠄃 ヨウ くさのは うすし      
           
           
5680 587 葊󠄂 アン いおり          
           
           
5681 587 萸󠄂            
           
           
5682 587 葚󠄂 ジン かわのみ どどめ うちものだい      
           
           
5683 587 葛󠄈 カツ くず          
           
           
5684 587 葢󠄃 ガイ とま おおう ふた けだし    
           
           
5685 587 葦󠄅 あし          
           
           
5686 587 葭󠄂 わかあし          
           
           
5687 587 󠄂            
           
           
5688 588 董󠄂 トウ あぶらかや ただす        
           
           
5689 588 葧󠄂 ボツ しろきよもぎ くわい        
           
           
5690 588 葑󠄂 ホウ            
           
           
5691 588 葩󠄂 はなさかる はなびら        
           
           
5692 588 葡󠄂 ホウ ぶどう          
           
           
5693 588 葬󠄂 ソウ ほうむる          
           
           
5694 588 葱󠄂 ソウ ねぎ あおし        
           
           
5695 588 葵󠄂 やさいのな あおい ひまわり      
           
           
5696 588 萵󠄂 くさのな むなし ちしやな      
           
           
5697 588 葷󠄂 クン くさき やさい        
           
           
5698 588 ゼン きのこ きくらげ        
           
           
5699 589 葺󠄃 シユウ やねふく かさぬ        
           
           
5700 589 葙󠄂 ソウ            
           
           
5701 589 蒂󠄂 テイ うりのへた うてな        
           
           
5702 589 蒐󠄂 シユウ あかね あつむ        
         
           
5703 589 シン にんじん          
           
           
5704 589 蒔󠄂 うえつけ うう まく      
           
           
5705 589 蒙󠄃 モウ かつら おおう こうむる おさなし    
           
           
5706 589 蓉󠄂 ヨウ はす          
           
           
5707 589 蒜󠄂 サン ひる にんにく        
           
           
5708 589 蒡󠄂 ホウ しろよもぎ ごぼう        
           
           
5709 590 蒟󠄂 くこのみ こんにやく        
           
           
5710 590 蒻󠄂 ジヤク がまのもと こんにやく        
           
           
5711 590 蒞󠄂            
           
           
5712 590 蒹󠄂 ケン ひめよし おぎ        
           
           
5713 590 蓁󠄂 シン くささかんなり はしげる はしばみ    
           
           
5714 590 蓈󠄂 ロウ しいな くさのな        
           
           
5715 590 蒨󠄂 セン            
           
           
5716 590 𦵻 セン            
           
           
5717 590 蒓󠄂 ジユン            
           
           
5718 590 𦶮 ウン            
           
           
5719 590 蒸󠄂 ジヨウ あさがら むす        
           
           
5720 590 蓏󠄃 くさのみ うり        
           
           
5721 590 蒿󠄂 コウ よもぎ          
           
           
5722 590 蒭󠄂 スウ            
           
           
5723 590 𦸜 サイ            
           
           
5724 591 蓂󠄂 ベキ おおなずな こよみぐさ        
メイ          
           
5725 591 蓍󠄂 めどぎ        
           
           
5726 591 蒼󠄂 ソウ くさいろ あらし        
           
           
5727 591 蓄󠄂 チク つむ たくわう        
           
           
5728 591 カン            
           
           
5729 591 蓐󠄂 ジヨク めだしくさ しく しとね      
           
           
5730 591 蒺󠄂 シツ くさのな はまびし        
           
           
5731 591 𦷱 セン きいちご          
           
           
5732 591 蓑󠄃            
           
           
5733 591 蓬󠄄 ホウ よもぎ          
           
           
5734 591 蓮󠄃 レン はすのみ はす        
           
           
5735 592 蓴󠄃 ジユン がましげる かまぼこ じゆんさい      
           
           
5736 592 蓼󠄂 リヨウ たで          
           
           
5737 592 蓧󠄂 ジヨウ            
           
           
5738 592 蔘󠄂 シン            
           
           
5739 592 蔀󠄂 ホウ しとみ          
           
           
5740 592 蔑󠄄 ベツ つかれめ かろんず        
           
           
5741 592 蔔󠄂 フク だいこん          
           
           
5742 592 蔓󠄂 マン つるくさ つる はびこる      
           
           
5743 592 蔗󠄄 シヤ さとうのき          
           
           
5744 592 ゲイ うえる          
           
           
5745 592 蔆󠄂 リヨウ            
           
           
5746 592 ケイ            
           
           
5747 592 蔟󠄂 ゾク まぶし とりのす だんごのくし りつのこえ あつまる  
  むらがる        
           
5748 593 蔡󠄂 サイ くさみだる たおれぐさ はなつ      
           
           
5749 593 蔣󠄃 シヨウ まこも しきもの        
           
           
5750 593 蔕󠄂 テイ            
           
           
5751 593 蔥󠄄 ソウ            
           
           
5752 593 蔬󠄂 やさい あらづきごめ    
           
           
5753 593 蔧󠄂 ケイ            
           
           
5754 593 キン            
           
           
5755 593 蔭󠄂 イン くさはのかげ きのかげ      
           
           
5756 593 蔚󠄂 おとこよもぎ においぐさ しげる      
ウツ          
           
5757 593 蓯󠄂 ソウ かぶらな          
           
           
5758 593 蓿󠄂 シユク            
           
           
5759 593 蔦󠄂 チヨウ つた          
           
           
5760 593            
           
           
5761 593 蕃󠄃 ハン しげる ふえる おおし かき    
           
           
5762 593 蕖󠄄 キヨ はす          
           
           
5763 593 蕑󠄃 ラン            
           
           
5764 593 𦺠            
           
           
5765 594 蔽󠄅 ヘイ ちいさいくさ おおう かくす      
           
           
5766 594 𦺉 しく のぶ        
           
           
5767 594 カン            
           
           
5768 594 蕈󠄃 ジン くわたけ きのこ        
           
           
5769 594 蕎󠄂 キヨウ そば          
           
           
5770 594 蕗󠄂 ふぶき ふき        
           
           
5771 594 蕉󠄂 シヨウ きあさ やせる ばしよう      
           
           
5772 594 蕊󠄂 ズイ ふしになるみ はなしべ      
           
           
5773 594 蕕󠄃 ユウ みずくさのな くさきくさる      
           
           
5774 594 蕘󠄂 ジヨウ かりしば かぶら        
           
           
5775 595 󠄃 ケイ においぐさ らんのたぐい      
           
           
5776 595 蕝󠄃 ゼツ いどころのしるし        
           
           
5777 595 アイ おおう くさむらがる もや      
           
           
5778 595 蕡󠄃 フン くさのにおい          
         
           
5779 595 𦺳 ヨク じゆずご はとむぎ        
           
           
5780 595 蕢󠄂 あじか つちもりかご      
           
           
5781 595 蕩󠄂 ヨウ くさのな うごかす はなつ おおいなり    
トウ          
           
5782 595 󠄃 トウ            
           
           
5783 595 スウ            
           
           
5784 596 蕤󠄂 スイ はなたるる          
           
           
5785 596 蕨󠄂 ケツ わらび          
           
           
5786 596 _ サツ ほとけ          
           
           
5787 596 蕪󠄂 あれる かぶら しげる      
           
           
5788 596 𦺝 トウ くさみだる          
           
           
5789 596 蕣󠄃 シユン あさがお          
           
           
5790 596 薀󠄂 ウン つもる あつまる あたたか いきれ    
オン          
           
5791 596 薏󠄂 ヨク じゆずご はとむぎ        
           
           
5792 596 蕾󠄂 ライ つぼみ          
           
           
5793 596 蕷󠄂            
           
           
5794 596 薉󠄂 カイ あくた けがれ        
           
           
5795 597 薄󠄃 ハク おおし せまる うすし ほん すだれ  
         
           
5796 597 薇󠄃 のえんどう          
           
           
5797 597 薅󠄂 コウ たのくさとり          
           
           
5798 597 薈󠄂 アイ くさおおし くもおこるかたち いえにら    
カイ          
           
5799 597 薌󠄄 キヨウ におい          
コウ          
           
5800 597 薖󠄀            
           
           
5801 597 薙󠄂 くさかる なぎる かみそる      
テイ          
           
5802 597 薔󠄂 シヨウ みずたで くさばら        
           
           
5803 597 薗󠄂 エン その          
           
           
5804 597 薁󠄂 イク やまぶどう ゆすらむめ        
           
           
5805 597 蕞󠄂 サイ ちいさし しるし        
ゼツ          
           
5806 598 薑󠄂 キヨウ はじかみ しようが        
           
           
5807 598 薢󠄂 カイ ひし          
           
           
5808 598 薤󠄂 カイ おににら らつきよ        
           
           
5809 598 薨󠄂 コウ おわる しぬ        
           
           
5810 598 𧂎 コウ はかば ぼち ひもの      
           
           
5811 598 薦󠄂 セン よもぎのたぐい しきもの すすめる    
           
           
5812 598 𦽆 ゲツ ひこばえ          
           
           
5813 598 薪󠄂 シン たきぎ          
           
           
5814 598 薆󠄂 アイ かくる          
           
           
5815 598 薩󠄄 サツ            
           
           
5816 598            
           
           
5817 598 󠄂 クン かおりぐさ かおる        
           
           
5818 599 薯󠄄 シヨ いも          
           
           
5819 599 薶󠄂 マイ            
           
           
5820 599 蕭󠄂 シヨウ よもぎ          
           
           
5821 599 薺󠄂 セイ はまびし あまな なずな      
           
           
5822 599 薿󠄂 しげる          
           
           
5823 599 𦾵 エイ くさまつわる          
           
           
5824 599 藉󠄂 シヤ しきもの かる        
セキ          
           
5825 599 藂󠄂 ソウ            
           
           
5826 599 藍󠄃 ラン あい あお ぼろ      
           
           
5827 599 藏󠄃 ゾウ くら かくす        
           
           
5828 599 𦿔󠄀 ヘイ            
           
           
5829 600 藐󠄂 ビヨウ むらさきぐさ ひろし はるか ちいさし うるわし  
バク さかんなり        
           
5830 600 薾󠄂 はなさかんなり        
           
           
5831 600 藳󠄂 コウ わら          
           
           
5832 600 藕󠄃 グウ はすのね          
           
           
5833 600 セキ おもだかのたぐい        
シヤ          
           
5834 600 藘󠄂 リヨ あかね          
         
           
5835 600 藚󠄃 ゾク おもだか          
           
           
5836 600 藜󠄂 レイ あかざ ひとくさ はまびし      
           
           
5837 600 藝󠄂 ゲイ うう しわざ いきおい      
           
           
5838 600 藤󠄅 トウ ふじかずら ふじ        
           
           
5839 601 藟󠄂 ライ ふじかずら おにかずら ふじ      
         
ルイ          
5840 601 藥󠄂 ヤク くすり          
           
           
5841 601 𧃎 セツ よもぎのたぐい        
           
           
5842 601 藪󠄂 ソウ さわ やぶ あつまる      
           
           
5843 601 藩󠄂 ハン かき くるまのおい      
           
           
5844 601 藷󠄃 シヨ さとうのき やまのいも        
           
           
5845 601 𧂄 タン            
           
           
5846 601 藺󠄂 リン いのたぐい          
           
           
5847 601 蘀󠄂 タク おちば たけのかわ        
           
           
5848 602 藻󠄂 ソウ みずくさ あや      
           
           
5849 602 藹󠄂 アイ さかんなるかたち みのるかたち    
           
           
5850 602 藡󠄂 テキ おぎ          
           
           
5851 602 ガク            
           
           
5852 602 蘂󠄂 ズイ            
           
           
5853 602 蘇󠄄 しそ においぐさ きこり よみがえる さからう  
           
           
5854 602 キヨウ            
           
           
5855 602 蘆󠄂 おおね あし        
           
           
5856 602 蘊󠄂 ウン            
           
           
5857 602 キク きぎく あきぎく        
           
           
5858 602 蘋󠄂 ヒン うきくさ かたばみも        
           
           
5859 603 藾󠄂 ライ くさよもぎ          
           
           
5860 603 トウ ふじ          
           
           
5861 603 藼󠄃 ケン            
           
           
5862 603 𧂊 カイ            
           
           
5863 603 𧂉 ハン            
           
           
5864 603 蘘󠄂 ジヨウ みようが におうくさ        
           
           
5865 603 レイ くすりのな ちわう        
           
           
5866 603 シヨウ ばら          
           
           
5867 603 蘩󠄂 ハン            
           
           
5868 603 蘙󠄂 エイ            
           
           
5869 603 蘤󠄂            
           
           
5870 603 蘚󠄂 セン こけ          
           
           
5871 603 蘭󠄃 ラン ふじばかま においぐさ        
           
           
5872 603 𧃓 キク            
           
           
5873 603 においぐさ          
           
           
5874 604 蘼󠄂 ばら          
           
           
5875 604 𧄜 ズイ            
           
           
5876 604 つく うららか        
           
           
5877 604 䕺󠄂 ソウ くさむらがりいず        
           
           
5878 604 蘺󠄂 においぐさ せんきゆう        
           
           
5879 604 𧅓 キユウ においぐさ せんきゆう        
           
           
5880 604 蘿󠄂 つのよもぎ かずらのたぐい      
           
           
5881 604 𧅱󠄀 セイ きざみひしお        
           
           
5882 604 ラン じゆんさい          
           
           
5883 604 ベツ            
           
           
5884 604 とら          
           
           
5885 605 コウ とらなく たたく        
           
           
5886 605 ギヤク しえたげ そこなう        
           
           
5887 605 虔󠄃 ケン とらゆくさま かたくもつ ひきみだす つつしむ    
           
           
5888 605 𧆨            
           
           
5889 605 とらほえる さけぶ ああ      
オン          
           
5890 605 シヨ おる ところ        
           
           
5891 605 フク とらのかたち        
           
           
5892 605 キヨ おおおか むなし        
           
           
5893 606 いけどり えもの とりこ      
リヨ          
           
5894 606 ぶちとら たのしむ おもんぱかる    
           
           
5895 606 ゴウ さけぶ よばわる        
           
           
5896 606 カク とらのつめあと くにのな      
           
           
5897 606            
           
           
5898 606 ボウ あらし          
           
           
5899 606 キヨ がつきのたなのあし あしたかつくえ がつきのな  
           
           
5900 607 セン ねこ          
           
           
5901 607 虧󠄂 かける          
           
           
5902 607 𧇾 かける          
           
           
5903 607 ギヤク とらのたぐい おそる        
           
           
5904 607 まむし むし        
           
           
5905 607 トウ あかあり あかとんぼ        
           
           
5906 607 シツ            
           
           
5907 607 キユウ みずち          
           
           
5908 607 コウ にじ          
           
           
5909 607 まむしのたぐい かみなりのこえ    
           
           
5910 607 ボウ あぶ うまばえ        
           
           
5911 608 𧈲 シツ しらみ          
           
           
5912 608            
           
           
5913 608 ブン          
           
           
5914 608 おたまじやくし        
           
           
5915 608 イン みみず          
           
           
5916 608 蚌󠄂 ボウ            
           
           
5917 608 ゼイ ぬかが あぶ        
           
           
5918 608 コウ            
           
           
5919 608 テン みみず          
           
           
5920 608 フン            
           
           
5921 608 セキ            
           
           
5922 608 カイ            
           
           
5923 608 おおあり          
           
           
5924 608 ゲン いもり          
           
           
5925 609 ソウ のみ はやし        
           
           
5926 609 シヨウ はたおり ぎつちよ むかで      
ソウ          
           
5927 609 エン            
           
           
5928 609 むしのな わらう おろか みだる    
           
           
5929 609 サツ なつぜみ          
           
           
5930 609 キユウ みみず          
           
           
5931 609 ありのたまご        
           
           
5932 609 ユウ やすで          
           
           
5933 609 シヨ いなごのたぐい うじ      
         
           
5934 609 タン たまごのしろみ        
           
           
5935 610 けら なつぜみ つくづくぼうし    
           
           
5936 610 ユウ            
           
           
5937 610 レイ とんぼ ぎんやんま        
           
           
5938 610 へび おろち        
           
           
5939 610 けむし          
           
           
5940 610 カイ さなだむし          
           
           
5941 611 ヨウ かゆし もだえる よねむし      
           
           
5942 611 レツ こおろぎ きりぎりす        
           
           
5943 611 アイ どくむし かわず        
ケイ          
           
5944 611 蛟󠄂 コウ みずち          
           
           
5945 611 蛧󠄂 モウ            
           
           
5946 611 シユ くも          
           
           
5947 611 𧊸 さす          
           
           
5948 612 コン すべてのむし        
           
           
5949 612 ボウ ねきりむし          
           
           
5950 612 コウ あさり はまぐり        
           
           
5951 612 𧊜󠄀 ガク わに          
           
           
5952 612 テツ ひる          
           
           
5953 612 蛩󠄂 キヨウ けもののな きりぎりす せみのぬけがら いなご  
           
           
5954 612 蛫󠄀 むつあしがに        
           
           
5955 612 ヨウ さなぎ          
           
           
5956 612 キヨウ あげはのちよう        
           
           
5957 612 テイ とかげ          
           
           
5958 613 蛸󠄃 ソウ かまきりのこ あしながぐも たこ    
シヨウ          
           
5959 613 ゼイ もぬけのから ぬけがら      
           
           
5960 613 蜈󠄂 むかで          
           
           
5961 613 かいこのちよう        
           
           
5962 613 シヨク むしのな くにのな        
           
           
5963 613 ホウ はち          
           
           
5964 613 ロウ かまきりのこ せみ      
           
           
5965 614 シン おおはまぐり いしばい しつくい    
           
           
5966 614 あさり          
           
           
5967 614 ケン ぼうふら          
           
           
5968 614 ケン みのむし しじみ        
           
           
5969 614 エン うねる えびす なめくじ あま    
タン          
           
5970 614 おおあり かげろう        
           
           
5971 614 シヨ がま          
           
           
5972 614 バイ            
           
           
5973 614 シヤ            
           
           
5974 614 セン うずまき          
           
           
5975 614 𧋈            
           
           
5976 615 つのむし くさいむし とぶ      
           
           
5977 615 ミツ はちみつ          
           
           
5978 615 うじ もとむ まつりのな      
           
           
5979 615 セキ とかげ          
           
           
5980 615 ジヨウ かんぜみ          
           
           
5981 615 シヨウ            
チヨウ          
           
5982 615 エン うねる          
           
           
5983 615 シヨウ            
           
           
5984 615 ヨク いさごむし かいる ふくろう けら なえくいむし  
コク ねきり        
           
5985 615 コン            
           
           
5986 616 ゲイ かんぜみ つくづくぼうし にじ    
           
           
5987 616 セイ こおろぎ きりぎりす とんぼう ぎんやんま    
           
           
5988 616 ボウ どぶがい はまぐり        
           
           
5989 616 じがばち かたつむり ひさご      
           
           
5990 616 トウ にじ かえるのこ        
           
           
5991 616 テツ にじ          
           
           
5992 616 リヨウ            
           
           
5993 616 くも          
           
           
5994 616 ケン            
           
           
5995 616            
           
           
5996 616 ゼイ            
           
           
5997 616 エキ とかげ          
           
           
5998 616 カン            
           
           
5999 617 カツ すくもむし きくいむし さそり      
           
           
6000 617 𧍓 シツ            
           
           
6001 617 𧍣 タイ さそり          
           
           
6002 617 シヨ はたおり ぎつちよ        
           
           
6003 617 なめくじ          
           
           
6004 617 ボウ はんみよう          
           
           
6005 617 コウ おおねむし いなご        
           
           
6006 617 蝙󠄃 ヘン こうもり          
           
           
6007 617 フク こうもり          
           
           
6008 617 エン やもり かんぜみ        
           
           
6009 617 シヨク            
           
           
6010 618 ゼン うごめく          
           
           
6011 618 𧍘 ユウ からまる よじれる こばち      
           
           
6012 618 おたまじやくし        
           
           
6013 618 ユウ かげろう          
           
           
6014 618            
           
           
6015 618 ユウ きくいむし          
           
           
6016 618 シツ            
           
           
6017 618 フク はみ まむし        
           
           
6018 618 𧍞 ガク わに          
           
           
6019 618            
           
           
6020 618 エン さる          
           
           
6021 618 チヨウ ちようちよう          
           
           
6022 618 かたつむり ででむし まいまいつぶら    
           
           
6023 618 ボウ            
           
           
6024 618 蝐󠄀 マイ            
           
           
6025 618 螂󠄄 ロウ            
           
           
6026 619 がま かえる えび      
           
           
6027 619 メン むまぜみ          
ベン          
           
6028 619 ハン はんみよう どくむし        
           
           
6029 619 キヨ            
           
           
6030 619 ユウ かまどのけむり あきらか とおる やわらぐ  
           
           
6031 619 ゲン いもり          
           
           
6032 619 ケイ ほたる          
           
           
6033 619            
           
           
6034 619 𧐂󠄁 シヨク むしばむ くいこむ        
           
           
6035 619 シン むぎわらぜみ かおかたち      
           
           
6036 620 あり おおあり        
ガイ          
           
6037 620            
           
           
6038 620 シユウ            
           
           
6039 620 メイ くきむし あおむし        
           
           
6040 620 サン            
           
           
6041 620 カイ おとこさなぎ          
           
           
6042 620 𧎮 ソウ            
           
           
6043 620 トウ うわばみ いなごのたぐい      
           
           
6044 620 みずち あまりよう        
           
           
6045 620 セキ むしさす どく        
           
           
6046 620 𧐅            
           
           
6047 620 ソウ すくもむし          
           
           
6048 620 𧐯 リヤク かげろう          
           
           
6049 620 ゴウ かにのはさみ        
           
           
6050 621 ドウ とうろう かまきり        
           
           
6051 621 テツ            
           
           
6052 621 𧐏            
           
           
6053 621 かたつむり          
           
           
6054 621 𧐉            
           
           
6055 621 シユウ おおねむし いなご ばつた      
           
           
6056 621 カク            
           
           
6057 621 キヨ かげろう          
           
           
6058 621 蟀󠄂 シツ きりぎりす          
           
           
6059 621 キン みみず          
           
           
6060 622 シツ きりぎりす          
           
           
6061 622 ホウ            
           
           
6062 622 ロウ けら すくもむし        
           
           
6063 622 イン            
           
           
6064 622 マン くわむし          
           
           
6065 622 チツ ひそむ          
           
           
6066 622 蟆󠄂 がま かえる つちかえる      
         
           
6067 622 𧒂            
           
           
6068 622 𧎾 リヤク かげろう          
           
           
6069 622 リユウ まつわる うねる        
           
           
6070 622 𧐔 シユウ ほたる          
           
           
6071 622 𧐌            
           
           
6072 622 ヘイ            
           
           
6073 623 蟒󠄄 モウ いなご おろち        
           
           
6074 623 しらみのこ ひる        
           
           
6075 623 ヘン わらじむし わだかまる        
ハン          
           
6076 623            
           
           
6077 623 ケイ かんぜみ つくづくぼうし      
           
           
6078 623 リン ほたる          
           
           
6079 623 チユウ むし          
           
           
6080 623 セン せみ          
           
           
6081 624 カイ かに          
           
           
6082 624 あり          
         
           
6083 624 𧒎            
           
           
6084 624 ゼン うねる うなぎのたぐい      
           
           
6085 624 セン かえる          
           
           
6086 624 キヨウ こえをしるむし ひびく      
           
           
6087 624 𧒖            
           
           
6088 624 ヨウ はえ          
           
           
6089 624 。󠄂 レイ かき ぼれい さそり      
           
           
6090 625 かたつむり どばち        
           
           
6091 625 カツ さそり          
           
           
6092 625 𧓉 セイ すくもむし きくいむし        
         
           
6093 625            
           
           
6094 625 エイ やもり さざえ        
           
           
6095 625 ヒン しんじゆ          
           
           
6096 625 蠖󠄂 カク しやくとり          
           
           
6097 625 𧓎 ヒヨウ おおちふぐり かまきりのこ      
           
           
6098 625 ケン            
           
           
6099 625 ゼン            
           
           
6100 625 𧓱 エン            
           
           
6101 625 ブン            
           
           
6102 625 𧓢 ブン            
           
           
6103 626 ハン いなご へひりむし        
           
           
6104 626 ロウ みつろう はくろう        
           
           
6105 626 蠣󠄂 レイ            
           
           
6106 626 レイ きくいむし わかつ        
           
           
6107 626 シユン うごめく おろか みだる      
           
           
6108 626 ビン            
ヒツ          
           
6109 626 ライ とびねずみ          
           
           
6110 626 シヨ かえる          
           
           
6111 626 ホウ            
           
           
6112 626 ケツ もののけ わざわい        
           
           
6113 626 はらのむし むしばむ ばちるす まどわす こと  
           
           
6114 626 𧕐 ソウ            
           
           
6115 626 𧕅 レイ くわむし          
           
           
6116 626 蠨󠄂 シヨウ あしながぐも          
           
           
6117 627 ケン おおやすで いさぎよし あきらか      
           
           
6118 627 サン かいこ          
           
           
6119 627 𧕰 おおあり          
           
           
6120 627 𧖚 おおあり          
           
           
6121 627 きくいむし のむし くいいる      
           
           
6122 627 きくいむし のむし くいいる      
           
           
6123 627 𧖅 ミツ            
           
           
6124 627 𧕿            
           
           
6125 627 バン えびすのな          
           
           
6126 627 𧖕            
           
           
6127 627 ケツ          
           
           
6128 628 ジユツ            
           
           
6129 628 ジク はなぢ くじく ちぢむ      
           
           
6130 628 衆󠄅 シユウ ひとおおし あつまる        
           
           
6131 628 ミヤク            
           
           
6132 628 𧗕 ノウ            
           
           
6133 628 𧖽 メイ            
           
           
6134 628 コウ ゆく おこなう        
ギヨウ          
           
6135 628 𧗟 コウ            
           
           
6136 628 エン みずうみにいる のがる のびる    
           
           
6137 628 ジユツ むらのみち わざ        
           
           
6138 628 𧗪 セイ            
           
           
6139 628 コウ ちまた          
           
           
6140 629 ケイ よびうり てらう        
ゲン          
           
6141 629 ガイ ちまた よつつじ        
           
           
6142 629 ゆくかたち つらなる        
           
           
6143 629 𧗴 ツウ            
           
           
6144 629 ガン ふくむ          
           
           
6145 629 シヨウ ぬけみち ゆきあたり つく      
           
           
6146 629 コウ うしよけてすり うしのつのよけ かこい  
  よこ はかりのよこぎ    
           
6147 629 トウ            
           
           
6148 629 𧗿 シツ ひきゆ たいしよう        
スイ          
           
6149 629 エイ まもりやく まもる        
           
           
6150 629 エイ まもりやく まもる        
           
           
6151 629 よつつじ ちまた        
           
           
6152 630 ころも きる さび      
           
           
6153 630 シヨ            
           
           
6154 630 ソツ            
           
           
6155 630 ヒヨウ うわぎ おもて        
           
           
6156 630 タン ひろそで かざみ        
サン          
           
6157 630 カン しわのばし          
           
           
6158 630 衮󠄁 コン てんしのれいふく        
           
           
6159 630 トウ おぎなう ぼうずのきもの ころも    
トツ          
           
6160 631 衰󠄄 みの おとろう        
スイ          
           
6161 631 チユウ きごみ まこと        
           
           
6162 631 テイ あかき かばいろ ただ      
         
           
6163 631 ジヤ よこしま ななめ        
           
           
6164 631 キン えり          
           
           
6165 631 キン ふすま よぎ        
           
           
6166 631 𧘝 ヒヨウ            
           
           
6167 631 ジン おくみ えり しとね      
           
           
6168 631 ジツ はだぎ あこめぎぬ        
           
           
6169 631 ベイ そで そでぐち        
           
           
6170 631 タイ ふくろ          
           
           
6171 631 袣󠄀 セツ            
           
           
6172 632 えびすのころも けさごろも      
           
           
6173 632 ホウ いだく かかえる        
           
           
6174 632 ホウ わたいれ ぬのこ うわぎ まええり    
           
           
6175 632 セン            
           
           
6176 632 シユウ そで          
           
           
6177 632 チツ ふみころも          
           
           
6178 632 ねまき どてら こよぎ      
           
           
6179 632 ボウ おびのうえ たて        
           
           
6180 632 まええり しく そで      
           
           
6181 633 シン くろころも ふろつく ひとえ      
           
           
6182 633 テイ あせじゆばん        
           
           
6183 633 ハン いろなし うちぎ        
           
           
6184 633 ものそぎはば ずきん かむり    
           
           
6185 633 タン ほころぶ はだみゆ はだぬぐ      
           
           
6186 633 袣󠄀 セイ            
           
           
6187 633 セン            
           
           
6188 633 サイ ころもつくる たちはじめ たつ さばく    
           
           
6189 633 ケイ もすそ うちぎ うちかけ      
           
           
6190 633 イン しとね          
           
           
6191 634 レツ きれ さく        
           
           
6192 634 コウ あわせ          
           
           
6193 634 はかま          
           
           
6194 634 エイ すそ すえ あとつぎ とおし    
           
           
6195 634 ユウ ゆたか ゆるやか        
           
           
6196 634 うら うち        
           
           
6197 634 ユウ ふみつつみ つつむ まとう うるおす ころものか  
           
           
6198 634 おぎなう つくろう        
           
           
6199 634 クン もすそ          
           
           
6200 634 ホウ            
           
           
6201 634 チヨウ みじかきころも まとう うごく よわし  
           
           
6202 634 𧚍 キユウ けごろも          
           
           
6203 635 ソウ つつむ おさむ よそおう ととのう    
           
           
6204 635 テイ はだか          
           
           
6205 635 けさ          
           
           
6206 635 はだぬぐ はだか        
           
           
6207 635 シヨウ もすそ          
           
           
6208 635 つつむ ふくろ        
           
           
6209 635 したがさね ます そう      
           
           
6210 635 キン まええりのあわせめ えりのかきあわせ えり  
  ひれ かけひも      
           
6211 636 タン            
           
           
6212 636 ハイ ながきころも すそひく さまよう    
           
           
6213 636 䘸󠄁 エキ わき ころものわき      
           
           
6214 636 セイ したつ つくる        
           
           
6215 636 キヨ おおえり まええり ころものすそ    
           
           
6216 636 セキ はだぬぐ むつぎ ころものすそ    
テキ          
           
6217 637 トク あたらしききもののこえ せぬい      
           
           
6218 637 リヨウ かけよろい          
           
           
6219 637 ケイ            
           
           
6220 637 褊󠄃 ヘン ころもちいさし ひきつる せまし    
           
           
6221 637 コン            
           
           
6222 637 チヨウ かさぬ          
           
           
6223 637 複󠄂 フク かさねぎ わたいれ ふたえ      
           
           
6224 637 カツ あさのたび あらきぬの        
           
           
6225 637 ホウ むつぎ          
           
           
6226 637 シユウ            
           
           
6227 637 ホウ おおえり すすむ ほめる      
           
           
6228 637 ジヨク しとね          
           
           
6229 637 カイ いだく ふところ        
           
           
6230 638 ケイ あさのひとえ        
           
           
6231 638 カイ そで かくす いだく      
           
           
6232 638 シユウ かさね          
           
           
6233 638 タイ ころもぬぐ はなちる いろさめる      
           
           
6234 638 うばう          
           
           
6235 638 オン どてら          
           
           
6236 638 ケン はかま かかぐ ちぢむ      
           
           
6237 638 ゼツ ふだんぎ なれる かさねる      
           
           
6238 638 セキ ひだ          
           
           
6239 638 ジヨウ かさねぎぬ          
           
           
6240 638 タン はだぬぎ          
           
           
6241 638 キヨウ むつぎ せおいひも        
           
           
6242 638 タン ひとえ うすし        
           
           
6243 639 オウ あおし うわぎ ふすま      
           
           
6244 639 ゾウ まじる          
ザツ          
           
6245 639 ボク            
           
           
6246 639 ヘキ ころもをしぼる しわよる ひだ    
           
           
6247 639 𧝑 テン あかちぢみ          
           
           
6248 639 セン ひざかけ まえだれ ころもととのう    
  みじかきころも      
           
6249 639 トウ うちかけ かけよろい        
           
           
6250 639 キン えりのかきあわせ        
           
           
6251 639 ラン へりなしじゆばん やれごろも ぼろぼろ    
           
           
6252 639 ジユ ひざきりじゆばん じゆばん よだれかけ    
           
           
6253 639 ケツ つまはさむ          
           
           
6254 640 襪󠄃 ベツ たび          
           
           
6255 640 𧞧 ヒヨウ おもて          
           
           
6256 640 𧞷 カイ            
           
           
6257 640 襯󠄃 シン はだぎ しやつ        
           
           
6258 640 襱󠄁 ロウ さるまた          
           
           
6259 640 シユウ ひだりまえ かさね おそう      
           
           
6260 640 ハン つけひも たすき        
           
           
6261 640 襼󠄂 ゲイ            
セツ          
           
6262 640 西 西 セイ とりのす にし        
サイ          
           
6263 640 西 おおう          
           
           
6264 641 西 ヨウ こし かなめ くくる      
           
           
6265 641 西 䙴󠄂 セン のぼる うつる        
           
           
6266 641 西 覃󠄂 タン うまみ あじよし        
           
           
6267 641 西 フク おおう くつがえす つまびらか もとむ    
         
           
6268 641 西            
           
           
6269 641 西 カク あきらか かたし たね      
           
           
6270 641 西 覊󠄂            
           
           
6271 641 西 覉󠄂            
           
           
6272 642 ケン みる あらわる しめす      
ゲン          
           
6273 642 ぶんまわし まんまる のり ただし    
           
           
6274 642 ベキ ながしめ もとむ        
           
           
6275 642 ボウ えらぶ          
           
           
6276 642 くわしくみる みつめる        
           
           
6277 642 うかがう          
           
           
6278 642 チヨウ みまう みる ながめる      
           
           
6279 643 みる          
           
           
6280 643 テン            
           
           
6281 643 シン したしむ いつくしむ おや うち みずから  
           
           
6282 643 のぞむ うかがう        
           
           
6283 643 こいねがう          
           
           
6284 643 キン まみゆ おめみえ        
           
           
6285 643 覯󠄃 コウ であう めをあわす        
           
           
6286 643 カク さとる さめる さとす おぼえる    
           
           
6287 643 ラン みおろす おおきくみる くくりみる      
           
           
6288 643 覿 トク まみゆ ゆきうる        
           
           
6289 644 觀󠄃 カン くわしくみる よくみる おおきくみる しめす ものみ  
           
           
6290 644 カク つの あげまき さかずき あらそう    
コク          
           
6291 644 キン すじ はかりのめ        
           
           
6292 644            
           
           
6293 644 テイ            
           
           
6294 644 さかずき じをかくき まこも ひとり    
           
           
6295 644 けづの くちばし ひもとき      
           
           
6296 645 コウ つのさかずき        
           
           
6297 645 カイ とく わかつ とける おこたる    
           
           
6298 645 ソク おそれ ちぢむ        
           
           
6299 645 テツ うつぼ          
チヨウ          
           
6300 645 シツ ひつりつのふえ ひちりき かぜさむし いずみわく  
           
           
6301 645 つのかたむく        
           
           
6302 645 コク さかずきいれ かたし ふる おそる  
           
           
6303 646 シヨウ さかずき          
           
           
6304 646 さかずき          
           
           
6305 646 𧥍 ヒヨウ            
           
           
6306 646 シヨク ふれる あたる さわる      
           
           
6307 646 𧥎 ケツ おびどめ          
           
           
6308 646 觿 ケイ おびつの むすびとき        
           
           
6309 646 ゲン ことば いう        
ゴン          
           
6310 646 テイ はかる おしならす        
           
           
6311 647 しらせ          
           
           
6312 647 ケイ かぞえる はかる はかりごと      
           
           
6313 647 キヨウ さけぶ なげく        
           
           
6314 647 ジヨウ あつし          
           
           
6315 647 シユン はげしくとう ぎんみ といただす      
ジユン          
           
6316 647 キツ およぶ          
           
           
6317 647 コウ みだる うちわもめ        
           
           
6318 647            
         
           
6319 647 𧥣 コウ たたく よびおこす        
           
           
6320 647 セン そしる みだる        
           
           
6321 648 ケツ あばく          
カン          
           
6322 648 𧥦󠄀 なげく ああ さけぶ いつわる ほこる  
  まこと おおいなり      
           
6323 648 なげく ああ さけぶ いつわる ほこる  
  まこと おおいなり      
           
6324 648 クン おしう みちびく        
           
           
6325 648 タク たのむ ゆだぬ        
           
           
6326 648 トウ おさむ うつ        
           
           
6327 648 ジン にぶきことば みとむ      
           
           
6328 648 シン            
           
           
6329 648 𧥡 タン            
           
           
6330 648 しるす ふみ        
           
           
6331 648 キヨ ゆるす くみす        
           
           
6332 649 セツ もうく ほどこす おく      
           
           
6333 649 シヨウ うつたう あらそう せむ かまびすし    
           
           
6334 649 訝󠄄 むかう          
           
           
6335 649            
           
           
6336 649 ホウ といはかる とうず たずぬ      
           
           
6337 649 キヨウ とく うつとう あらそう      
           
           
6338 649 トツ どもる          
           
           
6339 649 ユウ あやまち とがむ        
           
           
6340 649 ケツ わかる          
           
           
6341 649 キン よろこぶ          
           
           
6342 650 𧥳            
           
           
6343 650 𧥯 テイ            
           
           
6344 650 𧦄 うじ          
           
           
6345 650 ギン            
           
           
6346 650 ヨウ すうたい          
           
           
6347 650 シン まこと          
           
           
6348 650 シン            
           
           
6349 650 ジヨウ さわがし          
           
           
6350 650 ナン            
           
           
6351 650 𧦡 うつたう          
           
           
6352 650 うつたう          
           
           
6353 650 セン            
           
           
6354 650 どなる しかる せむ いかる とがむ  
  はらう        
           
6355 650 ジユツ いざなう          
           
           
6356 650 シン かんがう          
           
           
6357 650 チユ ときあかす          
           
           
6358 650 𧦣 ネイ            
           
           
6359 651 セイ いさむ しるし        
           
           
6360 651 𧦝 よぶ よしよせる よばわる      
           
           
6361 651 こころにとめぬ どうでもよし そしる みる  
  そなわる きず うらむ    
           
6362 651 ときあかす よみわける        
           
           
6363 651 テイ しかる そしる あざむく しう はずかしむ  
           
           
6364 651 ののしる          
           
           
6365 651 ヨウ さとし いかりしかる      
           
           
6366 651 𧦥 ボウ            
           
           
6367 651 キヨ あに なんぞ まださだまらぬことば    
           
           
6368 652 セイ ことばおおし          
           
           
6369 652 あざむく いつわる        
           
           
6370 652 のろう          
           
           
6371 652 あざむく おくる        
           
           
6372 652 ケイ つげる うかがう めあかし さぐる たんてい  
           
           
6373 652 シヨウ めす つげる おしう みことのり    
           
           
6374 652 クツ かがまる まがる くだる      
           
           
6375 652 ことば          
           
           
6376 653 あざむく のがれことば      
           
           
6377 653 評󠄃 ヘイ はかる しなさだめ        
ヒヨウ          
           
6378 653 コウ            
           
           
6379 653 チヨウ いざなう いどむ からかう      
           
           
6380 653 エイ うたう ながうた        
           
           
6381 653 𧧜 モウ            
シユ          
           
6382 653 ケイ いたる うかがう        
           
           
6383 653 ジユン            
           
           
6384 653 おおごえ はつきりとう おおいなり ゆきとどく    
           
           
6385 653 タク            
           
           
6386 653 𧧢 コウ かろがろしくいう でたらめ      
           
           
6387 654 もちう こころむ        
           
           
6388 654 コウ はずかしむ ののしる        
           
           
6389 654 からうた          
           
           
6390 654 せむ あやし そむく      
           
           
6391 654 コウ あう やわらぐ        
           
           
6392 654 セン そなわる よし えらぶ      
           
           
6393 654 シユ            
           
           
6394 654 キツ といつめる なじる せむ あした    
           
           
6395 654 カイ ものがたり はなし        
         
           
6396 654 詿 カイ あやまる          
           
           
6397 655 セン ことばおおし みる いたる やすし たす  
           
           
6398 655 ガイ ちかい かぬる        
           
           
6399 655 シヨウ つまびらか くわし いつわる      
           
           
6400 655 ルイ ほめる おくりな のりと      
           
           
6401 655 チユ せむ つみす        
           
           
6402 655 諛󠄃 へつらう したがう        
           
           
6403 655 ほこる ほらふく        
           
           
6404 656 カイ おどけ          
           
           
6405 656 𧧌 セキ            
           
           
6406 656 キヨウ たぶらかす あざむく        
           
           
6407 656 シヨウ しるす          
           
           
6408 656 セイ ちかう          
           
           
6409 656 いやいや いとう しかり しう わらう  
           
           
6410 656 タン うそつく あざむく でたらめ おおいなり うまれる  
           
           
6411 656 認󠄃 ジン みとむ したたむ        
ニン          
           
6412 656 シヨウ せむ          
           
           
6413 656 𧧿 キヨウ            
           
           
6414 657 ハイ みだる もとる そむく      
ボツ          
           
6415 657            
           
           
6416 657 かたる いいとく        
           
           
6417 657 セイ まこと          
           
           
6418 657 カイ いましむ          
           
           
6419 657 ヘイ ことば          
           
           
6420 657 ブン しう そしる        
           
           
6421 657 コウ さとす おしう おふれ      
           
           
6422 658 シヨウ そらよむ ふしつけよみ となう    
           
           
6423 658 カイ おしう さとす        
           
           
6424 658 あやまる まちがい        
           
           
6425 658 說󠄁 セツ よろこぶ うちとける とく      
エツ          
ゼイ          
6426 658 𧨁 なげく          
           
           
6427 658 ユウ いざなう すすむる みちびく      
           
           
6428 658 ケン あやまち          
           
           
6429 658 𧧼 ほどよし ひとのみち        
           
           
6430 658 ほどよし ひとのみち        
           
           
6431 659 よきことば くちずさむ        
           
           
6432 659 スイ たそ たれ とがむ      
           
           
6433 659 こころむ ためす        
           
           
6434 659 そしる          
           
           
6435 659 トウ ことばおおし くだくだし        
           
           
6436 659 シヨウ            
           
           
6437 659 せむ つぐ いさむ ののしる    
スイ          
           
6438 659 ギン やわらぎあらそう        
           
           
6439 659 ケツ            
           
           
6440 659 ソウ あらそう          
           
           
6441 660 調󠄃 チヨウ やわらぐ ととのう しらべ      
           
           
6442 660 テン へつらう こびる        
           
           
6443 660 あざむく いむ はかる      
           
           
6444 660 ジユン あつくさとす ねんごろ        
           
           
6445 660 モウ            
           
           
6446 660 ダン かたる はなし        
           
           
6447 660 請󠄃 セイ めみえ こう とう つぐ もとむ  
           
           
6448 660 リヨウ まこと かたくな        
           
           
6449 660 といはかる ひろくとう        
シユ          
           
6450 661 シン ふかくいさむ かきくどく つげる    
           
           
6451 661 ロン すじをとく はかりかたる      
リン          
           
6452 661 チヨウ まわしもの しのび うかがう      
           
           
6453 661 ケン            
           
           
6454 661 シヨ ちえしやのことば しる ちえ    
           
           
6455 661 ただしきことば つまびらか      
           
           
6456 661 諮󠄄 はかる とう        
           
           
6457 661 諤󠄂 ガク あらそう がみがみいう      
           
           
6458 661 𧩯            
           
           
6459 661            
           
           
6460 662 諞󠄃 ヘン ことばたくみ かたり        
           
           
6461 662 諦󠄂 テイ つまびらか なく        
ダイ          
           
6462 662 カイ ととのう かなう やわらぐ      
           
           
6463 662 カン いさむ ただす        
           
           
6464 662 諭󠄄 さとす          
           
           
6465 662 いむ いみな        
           
           
6466 662 諳󠄂 アン おおごえ          
           
           
6467 662 シユウ            
ジユン          
           
6468 662 カン やわらぐ まこと        
           
           
6469 662 ナン ことばおおし          
セン          
           
6470 663 フウ そらよみ うたう あてこする そしる    
           
           
6471 663            
           
           
6472 663 𧪁            
           
           
6473 663 シヨ わかつことば もろもろ      
           
           
6474 663 ゲン ことわざ いいつたえ        
           
           
6475 663 ケン いつわる あざむく わする      
           
           
6476 663 アツ こう もうす つぐ      
エツ          
           
6477 663 ジン まこと          
           
           
6478 663 ボウ はかりごと        
           
           
6479 663 つげる とく いう おもう うわさ  
           
           
6480 664 諾󠄂 ダク こたえ うけがう ゆする したがう    
           
           
6481 664 カク いましむ あらたまる        
           
           
6482 664 トウ かきうつす          
           
           
6483 664 ケン どもる          
           
           
6484 664 ケイ ちいさいこえ うるさいこえ        
           
           
6485 664 メイ なぞ          
           
           
6486 664 ヒツ つまびらか つつしむ やすし      
           
           
6487 664 うた          
           
           
6488 664 𧪠 シツ ねたむ にくむ        
           
           
6489 664 シン いかりののしる あざわらう      
           
           
6490 665 謔󠄂 ギヤク たわむれ わるしやれ おどけ      
           
           
6491 665 謗󠄂 ホウ そしり          
           
           
6492 665 謙󠄃 ケン へりくだる ゆずる        
           
           
6493 665 おくりな          
           
           
6494 665 𧪿 コウ ときあかす やわらぐ なかなおり ならう    
           
           
6495 665 シヤ ことわる やめる ゆずる      
           
           
6496 665 トウ うたがう          
           
           
6497 665 ヨウ すうたい ひとりうたう        
           
           
6498 666 𧩮󠄀 シユウ            
           
           
6499 666 𧪜 うつたう          
           
           
6500 666 はず          
           
           
6501 666 𧩾 カン            
           
           
6502 666 ケイ せきばらい          
           
           
6503 666 謨󠄂 はかる はかりごと        
           
           
6504 666 謬󠄃 ビユウ あやまる いつわる たわごと      
           
           
6505 666 オウ うた うたう        
           
           
6506 666 ゴウ おろか つんぼ おごる かまびすし みだら  
  なげく        
           
6507 666 キン つつしむ ことこまか        
           
           
6508 666 謾󠄃 マン あざむく          
           
           
6509 667 謫󠄂 タク せむ とがむ つみす せめ いかる  
テキ          
           
6510 667 サク            
           
           
6511 667 𧫠            
           
           
6512 667            
         
           
6513 667 𧫙 キヨウ            
           
           
6514 667 𧫘 キヨウ            
           
           
6515 667 𧫚 テイ            
           
           
6516 667 ソウ            
           
           
6517 667 カン ほこる みだる        
           
           
6518 667 謿 トウ あざける たわむる        
チヨウ          
           
6519 667 譁󠄃 かまびすし ばかす        
           
           
6520 667 かなしむこえ ああ おそるるこえ  
  うらめし わらう よろこぶ    
           
6521 667 シヨウ つぐ しるし いさむ      
           
           
6522 667 ラン            
           
           
6523 667 シユウ            
           
           
6524 668 いつわり うそつく ばかす      
           
           
6525 668 𧬊 かなしむ          
           
           
6526 668 ケツ いつわる          
キツ          
           
6527 668 オウ こたえ          
           
           
6528 668 そしる せむ うらむ      
           
           
6529 668 セン よくおしえ えらぶ あつむ      
           
           
6530 668 ラン みだるることば おさむ つづく つらなる  
  たえぬ        
           
6531 668 シヨク しるす しる        
シキ          
         
6532 669 シヨウ せむ しかる        
           
           
6533 669 タン ながばなし ものがたり        
           
           
6534 669 𧪰            
           
           
6535 669 𧬑            
           
           
6536 669 ならべしるす        
           
           
6537 669 シン しこつる          
           
           
6538 669 カイ とどむ いいとく みだす      
           
           
6539 669 ソン            
           
           
6540 669 ソウ さわがし ざざめく        
           
           
6541 669 レン といつめる あきらかなるしるし      
ケン          
           
6542 669            
           
           
6543 670 警󠄂 ケイ いましむ          
           
           
6544 670 たとえ さとす        
           
           
6545 670 エキ いいとく つたう        
ヤク          
           
6546 670 はかる いいさだむ        
           
           
6547 670 キヨウ よばわる          
           
           
6548 670 𧬨 カイ こえ すずおと がらんがらん    
           
           
6549 670 譩󠄂 うらむことば なげくことば ほめることば    
           
           
6550 670 ゼン            
           
           
6551 670 譪󠄁 アイ まめまめし          
           
           
6552 670 ケン せめとう しかる まろぶ      
           
           
6553 670 ほまれ よきな        
           
           
6554 671 護󠄂 まもる          
           
           
6555 671 チユウ のろう あざむく たそ      
トウ          
           
6556 671 𥷚 キク            
           
           
6557 671 カン            
           
           
6558 671 䜚󠄀 トウ かたりつづける すする      
           
           
6559 671 トク よむ          
           
           
6560 671 ケイ さとし          
           
           
6561 671 ヘン かわる あらたまる        
           
           
6562 671 讁󠄂 テキ            
           
           
6563 671 テン            
カン          
           
6564 671 エン さかもり よろこぶ        
           
           
6565 672 シユウ こたえ もちゆ あたる かたき あたい  
  うらむ ともがら      
           
6566 672 ガク            
           
           
6567 672 𧮈 ケン どもる          
           
           
6568 672 ザン しこつ そしる そこなう      
           
           
6569 672 ジヨウ せむ なじる ゆずる      
           
           
6570 672 ラン あざむく しう        
           
           
6571 672 ジヨウ ことばおおし ささやか        
           
           
6572 672 シン みくじ          
           
           
6573 672 ゲイ ねごと うわごと        
           
           
6574 672 トウ            
シヨウ          
           
6575 673 讙󠄂 カン かまびすし よろこぶ        
           
           
6576 673 サン とく ほめる        
           
           
6577 673 ケン つみをただす さばく      
           
           
6578 673 コク たに きわまる        
           
           
6579 673 𧮲 エン            
           
           
6580 673 シユン            
           
           
6581 673 㕡󠄁 ガク            
           
           
6582 673 谿 ケイ たに          
           
           
6583 673 カツ ひらけたるたに むなし      
           
           
6584 674 𧯎 カン            
           
           
6585 674 トク            
           
           
6586 674 トウ にくもりざら まめ        
           
           
6587 674 がくのな こいねがう あに      
ガイ          
           
6588 674 𧯡 エン まめあめ えんどうまめ      
           
           
6589 674 レイ うつわのな          
           
           
6590 674 ジユ たつ          
           
           
6591 674 𧯢 サン さかずきごと こんれいのしき    
           
           
6592 674 𧯮 ホウ            
           
           
6593 675 ホウ うつわのな ゆたか        
           
           
6594 675 エン ふくぶくし あでやか つやつやし      
           
           
6595 675 豕󠄃 豕󠄃 ぶた          
           
           
6596 675 豕󠄃 トク ぶたのあしをしばる        
タク          
チク          
6597 675 豕󠄃 彖󠄃 タン ぶたはしる          
           
           
6598 675 豕󠄃 𧰲 ぶた          
           
           
6599 675 豕󠄃 𧱈 テイ ぶたのたぐい        
           
           
6600 675 豕󠄃 豚󠄂 トン まつりのぶた いのこ      
           
           
6601 676 豕󠄃 象󠄃 シヨウ おおきいけもののな にる かたどる    
ゾウ          
           
6602 676 豕󠄃 𧰽            
           
           
6603 676 豕󠄃 ケン ぶたかう ならす うまし      
           
           
6604 676 豕󠄃 コン かむ おさむ たがえす      
           
           
6605 676 豕󠄃 豙󠄂 ぶたのいかりげたつ そこなう      
           
           
6606 676 豕󠄃 豪󠄄 ゴウ はりねずみ ながきけ ふで      
           
           
6607 676 豕󠄃 おぶた          
           
           
6608 676 豕󠄃 豫󠄂 おおぞう よろこぶ あらかじめ      
           
           
6609 677 豕󠄃 チヨ いのこ いのしし たまりみず      
           
           
6610 677 けもののかたち        
           
           
6611 677 サイ たけきけもの        
           
           
6612 677 カン のいぬ えびすいぬ ひとや      
           
           
6613 677 豹󠄂 ヒヨウ けもののな          
           
           
6614 677 たけきけもの たけし      
           
           
6615 677 たけきけもの たけし      
           
           
6616 677 チヨウ てん          
           
           
6617 677 豿            
           
           
6618 678 ハク えびすのな さみし けもののな      
           
           
6619 678 カク えびすのな むじな        
           
           
6620 678 カク むじな          
           
           
6621 678 キユウ たけきけもの たけし      
           
           
6622 678 たけきけもの たけし      
           
           
6623 678 ボウ かたち          
           
           
6624 678 貓󠄂 ミヨウ            
           
           
6625 678 貘󠄂 バク けもののな くまのたぐい        
           
           
6626 679 バイ かい          
           
           
6627 679 テイ うらないとう ただし まこと      
           
           
6628 679 たのむ よる おぶさる      
           
           
6629 679            
           
           
6630 679 サイ たから ぜに        
           
           
6631 679 コウ みつぎ ねんぐ        
           
           
6632 679 エン かず まろし        
イン          
ウン          
6633 679 トク こいもとむ          
           
           
6634 680 ヒン まずし いやし        
           
           
6635 680 ハン あきなう もうける        
           
           
6636 680 タン むさぼる あきたらず        
ドン          
           
6637 680 たから ぜにかね        
           
           
6638 680 カン つらぬく ぜにひとさし        
           
           
6639 680 カン もてあそぶ          
           
           
6640 680 サク せむ もとむ かり      
サイ          
セキ          
6641 680 みのしろかね にんとうぜい もとで  
  はかる        
           
6642 680 貿 ボウ とりかえ          
           
           
6643 681 チヨ たくわう つもる        
           
           
6644 681 シヤ あたう もらう        
セイ          
           
6645 681 ゲン てらう          
           
           
6646 681 そえる くわえる ふたつ      
         
           
6647 681 たつとし たつとぶ        
           
           
6648 681 バイ かう あきなう        
           
           
6649 681 ヘン へらす おとす        
           
           
6650 681 キヨウ たまう          
           
           
6651 681 ついえ へらす        
           
           
6652 681 チヨウ かたにおく いれじち        
           
           
6653 682 いわう          
           
           
6654 682 タイ かす あたえる        
           
           
6655 682 おくる のこす        
           
           
6656 682 賁󠄂 かざる          
フン          
           
6657 682 あきなう うりかい あたい      
         
           
6658 682 ジン やとう          
チン          
           
6659 682 資󠄄 たから もとで とる たすく    
           
           
6660 682 ゾク そこなう ぬすむ        
           
           
6661 683 ワイ たから おくる まいなう      
           
           
6662 683 おくる まいなう        
           
           
6663 683 シン ゆたか にぎわす        
           
           
6664 683 シヤ あがなう もろう かる あまる ゆるし  
           
           
6665 683 キユウ まいない          
           
           
6666 683 ゾク            
           
           
6667 683 ヒン まちびと きやくじん        
           
           
6668 683 𧶜 シヨウ あきない          
           
           
6669 683 𧶊 ウン みだる          
           
           
6670 683 ライ たまう          
         
           
6671 684 シユウ たらす にぎわす        
           
           
6672 684 たまう たまもの        
           
           
6673 684 シヨウ たまう ほうび        
           
           
6674 684 ケン ゆたか さかし さとし かしこし    
           
           
6675 684 セン いやし ひくし        
           
           
6676 684 バイ うる ひさぐ        
           
           
6677 684 𧶠 イク うりあるく          
トク          
           
6678 684 𧷗 イク うりあるく          
トク          
           
6679 684 シツ ひとじち          
シチ          
           
6680 685 ぜい みつぎ とりたて あとう うまれつき  
  うたう        
           
6681 685 ボウ こうでん しびとへおくる      
           
           
6682 685 かけごと ばくち        
しや          
           
6683 685 ジン            
           
           
6684 685 𧷓 バイ            
           
           
6685 685 ライ もうけ たよる        
           
           
6686 685 トウ ます ふえる そえる あまる    
           
           
6687 685 おくる こうでん        
           
           
6688 685 サイ むくう さいせん        
           
           
6689 685 サク            
           
           
6690 686 購󠄄 コウ あがなう          
           
           
6691 686 𧷎 カツ ろうやぶり          
           
           
6692 686 イツ かねのめかた        
           
           
6693 686 にえ くもつ        
           
           
6694 686 ゼイ しちいれ          
           
           
6695 686 ソウ おくる おくりもの        
           
           
6696 686 タイ はげる くずる おつ      
           
           
6697 686 サン まみゆ すすむ みちびく たすく ほめる  
           
           
6698 686 ヒン            
イン          
           
6699 687 セン たる あたう おおし      
           
           
6700 687            
           
           
6701 687 エイ もうく あまり とく うく つつむ  
           
           
6702 687 ケン            
           
           
6703 687 ジン おくりもの はなむけ        
           
           
6704 687 ゾウ けがれたるたから        
           
           
6705 687            
           
           
6706 687 シヨウ あがなう ばつきん        
トウ          
           
6707 688 ガン にせ          
           
           
6708 688 セキ あか あかし        
           
           
6709 688 タン かおあかめる        
           
           
6710 688 カク まつか さかんなり かがやく      
           
           
6711 688 シヤ あかし          
           
           
6712 688 テイ うすあか          
           
           
6713 688 𧹲 コク ひのでのいろ        
           
           
6714 688 𧹳 カン あかいろ          
           
           
6715 689 ソウ はしる          
           
           
6716 689 はしる おもむく しんだしらせ      
           
           
6717 689 赳󠄃 キユウ たけし とし        
           
           
6718 689 起󠄃 たつ おこす        
           
           
6719 689 カン おをたてはしる        
ケン          
           
6720 689 ますぐにゆく およぶ        
           
           
6721 689 シン おう さまよう        
           
           
6722 689 にわかにはしる        
           
           
6723 689 チヨウ おどりこえる はねあがる        
           
           
6724 690 エツ こえる          
           
           
6725 690 ひとまたぎ          
           
           
6726 690 ゆるやかにあゆむ ぶらぶらあるき    
           
           
6727 690 チヨウ ゆるやかにあゆむ        
           
           
6728 690 シユ はしる うながす おもむく おもむき とる  
           
           
6729 690 タク はるか          
           
           
6730 690 シユ こばしり おもむく うながす      
           
           
6731 690 𧽍 テン つまずく          
           
           
6732 690 𧽯 ザン そろそろすすむ しばらく      
           
           
6733 691 ヒツ とどむ          
           
           
6734 691 キヨウ みがる はしこし        
           
           
6735 691 ソウ さわがし そそつかし よこぶれ      
           
           
6736 691 𧾀 サク まじる          
           
           
6737 691 𧾍 テン さまよう          
           
           
6738 691 𧾜 スウ            
           
           
6739 691 テキ おどる はねる        
ヤク          
           
6740 691 ソク あし たらす        
           
           
6741 691 おもむく たちこえる        
           
           
6742 691 あしくび          
           
           
6743 691 ゲツ あしきる          
           
           
6744 692 むつゆび ふたまた        
           
           
6745 692 ハイ            
           
           
6746 692 あし          
           
           
6747 692 趿 ソウ あしでかきよせる        
           
           
6748 692 距󠄃 キヨ けづめ こばむ さる      
           
           
6749 692 トウ ふみこたえる つつぱる      
           
           
6750 692 バツ のめる けつまずく たおる あとあし    
           
           
6751 692 テツ ふみはずす          
           
           
6752 692 ふみはずす たがう        
           
           
6753 693 セキ あしのひら ふむ        
           
           
6754 693 ちんば びつこ        
           
           
6755 693 サン ちんば よろめく        
           
           
6756 693 ふむ          
           
           
6757 693 チユ とどまる          
           
           
6758 693 あし          
           
           
6759 693 またがる わたる またぐ      
           
           
6760 693 ケイ            
           
           
6761 693            
           
           
6762 693 フク はらばい          
           
           
6763 693 チヨウ つまずく おどる のがる      
           
           
6764 693 ひざまずく かにのあし        
           
           
6765 693 セキ あと          
           
           
6766 693 𨀛 ソン            
           
           
6767 693 みち          
           
           
6768 694 セン はだし すあし        
           
           
6769 694 𨀣            
           
           
6770 694 ヨウ おどる はねる        
           
           
6771 694 うとし あらし        
           
           
6772 694 ケイ            
           
           
6773 694 シユン            
           
           
6774 694 バイ あるいてはつまずく        
           
           
6775 694 シン うごく ふるう        
           
           
6776 694 シヨウ おどる うごく        
チヨウ          
           
6777 694 キヨク かがまる          
           
           
6778 694 𨁈 コウ あしあと          
           
           
6779 694 シユク はやし とおきにゆく ながあるき      
           
           
6780 694 セン ふむ おこなう つらぬ きる    
           
           
6781 694            
         
           
6782 694 キヨ うずくまる こしかける        
           
           
6783 694            
           
           
6784 695 ホク たおす たおる        
ハイ          
           
6785 695 かたあし          
           
           
6786 695 ケン かがまる          
           
           
6787 695 𨁾 くつ          
           
           
6788 695 跰󠄂 ヘイ            
           
           
6789 695 シユク            
           
           
6790 695 トウ            
           
           
6791 695 𨂂 セキ            
           
           
6792 695 エン            
           
           
6793 695 ソツ けとばす ふれる にわか あわてる おどろく  
スイ          
           
6794 695 シヨウ おう ゆきき つづく ふむ    
           
           
6795 695 セン            
           
           
6796 695 ジユウ ふみにじる          
           
           
6797 695 こえる わたる        
           
           
6798 695 チヨウ ふむ          
           
           
6799 695 蹄󠄂 テイ あし ひづめ ふむ ける    
           
           
6800 696 ヨウ            
           
           
6801 696 タク            
           
           
6802 696 𨂮            
           
           
6803 696 セキ こごみゆく ぬきあしさしあし      
           
           
6804 696 ソウ うごく ゆくかたち        
           
           
6805 696 ケン あしなえ ちんば どもる      
           
           
6806 696 トウ ふむ こえる おどる      
           
           
6807 696 テン つまずく          
           
           
6808 696 トウ ふむ          
           
           
6809 696 つまずく          
           
           
6810 697 ケイ まつ こみち        
           
           
6811 697 ヒツ とどむ          
           
           
6812 697 テイ            
           
           
6813 697 𨃞 ハン            
           
           
6814 697 セキ はねこえる おどる あしのひら      
           
           
6815 697 セキ            
           
           
6816 697 チヨ            
           
           
6817 697 蹢󠄂 テキ たたずむ          
           
           
6818 697 ケイ            
           
           
6819 697 ザン しばらく          
           
           
6820 697 𨄃 テキ            
           
           
6821 697 シユク つつしむ あしをちぢむ        
           
           
6822 697 テキ たいらかにゆく やすやすし つみ しじまる  
シユク しじむ せまる      
           
6823 697 ハン よろめく          
マン          
           
6824 697 シヨウ あとをおう あと        
           
           
6825 698 ケツ たおす たおる はねおきる こえる おどる  
  ほる よし わるがしこい けあげる
           
6826 698 トウ ふむ          
           
           
6827 698 ハツ くさをふみからす ぬく      
           
           
6828 698 ソン うずくまる いも        
           
           
6829 698 シユウ ふむ ける けまり      
           
           
6830 698 ハン あと          
           
           
6831 698 𨆌 ハン あと          
           
           
6832 698 キヨウ たかし たけし        
           
           
6833 698 セン            
           
           
6834 698 リン きしる ふみにじる くるまのあと      
           
           
6835 699 𨅊 テツ あと          
           
           
6836 699 𨅖 サン            
           
           
6837 699 𨅝 トウ            
           
           
6838 699 ヘキ ちんば あしなえ        
           
           
6839 699 チヨク ゆきつもどりつ        
           
           
6840 699 ソウ            
           
           
6841 699 𨆁 テン            
           
           
6842 699 躇󠄂 チヨ            
           
           
6843 699 チユウ たたずむ          
           
           
6844 699 躍󠄃 ヤク はやし おどる        
チヤク          
テキ          
6845 699 セイ のぼる          
           
           
6846 699 キヨ            
           
           
6847 699 レキ うごく          
           
           
6848 699 シツ つまずく たおる        
           
           
6849 700 チヨ たたずむ          
           
           
6850 700 テキ            
           
           
6851 700 テン あとふむ めぐる        
           
           
6852 700 𨇥 ケン            
           
           
6853 700 _ ケン            
           
           
6854 700 まいのくつ          
           
           
6855 700 カク たしかなるあしどり はやあし      
           
           
6856 700 シン みごもる からだ みずから      
           
           
6857 700 キユウ からだ みずから つつしむ    
           
           
6858 700 キユウ からだ みずから つつしむ    
           
           
6859 700 からだ むくろ        
           
           
6860 701 シヨク            
           
           
6861 701 タイ            
           
           
6862 701 シヤ くるま ひく        
           
           
6863 701 アツ きしる ひく        
           
           
6864 701 グン いくさ          
           
           
6865 701 わだち          
           
           
6866 701 アイ じくかしら          
エイ          
           
6867 701 ハン しきみのまえ        
           
           
6868 701 ケン たかえくるま いえのな のき    
           
           
6869 701 ゲツ            
           
           
6870 702 シン こしきしばり ひつぎぐるま めぐる    
ジユン          
           
6871 702 ケツ くびきつなぎ よこがみ        
           
           
6872 702 コウ よこぎ くらべる あきらか      
カク          
           
6873 702 アク くびきつなぎ うまのくびおさえ      
ヤク          
           
6874 702 ゼン よわし やわらか        
ナン          
           
6875 702 ジク よこがみ しんぼう        
           
           
6876 702 ハン            
           
           
6877 702 つぎよこがみのくるま ふしあわせ こころやすからぬ  
           
           
6878 702 イツ くるまをのりだす わだち あせる しみこむ  
           
           
6879 703 おしぎ ひく        
           
           
6880 703 シヨク くるまのとじきみ しきみにふす    
           
           
6881 703 コウ            
           
           
6882 703 コウ            
           
           
6883 703 キヨク おおばしや にぐるま こし やまかご    
           
           
6884 703 ひつぎぐるま        
           
           
6885 703 おもし ひくし おす      
         
           
6886 703 サイ のりもの のせる        
           
           
6887 703 シユウ ながえ          
           
           
6888 704 シヨウ くるまのわきぎ たやすし たちまち すなわち  
           
           
6889 704 𨌆 コウ            
           
           
6890 704 くるまのそえぎ たすく      
         
           
6891 704 ケイ かろきくるま かろし        
           
           
6892 704 テン            
           
           
6893 704 𨌊 ゲイ            
           
           
6894 704 バン ひく          
           
           
6895 704 ゲイ ながえのはし        
           
           
6896 704 リヨウ くるまいちだい        
           
           
6897 704 モウ くるまのわ          
           
           
6898 704 セツ くるまのきず とどまる やむ      
           
           
6899 704 リヨウ にじる しのぐ        
           
           
6900 704 カン            
           
           
6901 705 レン てぐるま          
           
           
6902 705 ハイ くるまならぶ ともがら        
           
           
6903 705 リン くるまのわ まわりわ        
           
           
6904 705 ほろぐるま にぐるま        
           
           
6905 705 シヨウ            
           
           
6906 705 かがやく          
           
           
6907 705 ユウ かろきくるま かろし        
           
           
6908 705 ソウ あつまる          
           
           
6909 705 シユウ くるまととのう やわらぐ あつむ おさむ  
           
           
6910 705 フク わのほそぎ          
           
           
6911 705 輸󠄃 おくる うつる まける かわる    
           
           
6912 705 ナン            
           
           
6913 706 ジユウ くるまのわ ためる ふむ      
           
           
6914 706 テン きしる にじる ころばる      
           
           
6915 706 轄󠄅 カツ くるまのおと くさび        
           
           
6916 706 輿 くるまのとこ あげごし        
           
           
6917 706 コク くるまのこしき        
           
           
6918 706 エン ながえ          
           
           
6919 706 ロク ろくろ いととりぐるま あや    
           
           
6920 706 𨎐            
           
           
6921 707 テン めぐらす まろばす        
           
           
6922 707 ドウ つく          
           
           
6923 707 テツ くるまのあと わだち        
           
           
6924 707 キヨウ こぐるま やまかご        
           
           
6925 707 リン きしる          
           
           
6926 707 轕󠄂 カツ            
           
           
6927 707 カン たいらかならぬ        
           
           
6928 707            
           
           
6929 707 レキ あや          
           
           
6930 707 コウ とどろく          
キヨウ          
           
6931 707 たづな          
           
           
6932 707 レキ きしる ふみにじる        
           
           
6933 708 ライ うつ          
           
           
6934 708 𢹏 かきあぐ          
           
           
6935 708 ろくろ          
           
           
6936 708 ケイ            
           
           
6937 708 カン            
           
           
6938 708 リン ふみにじる          
           
           
6939 708 シン からし かのと        
           
           
6940 708 つみす つみ        
           
           
6941 708            
           
           
6942 708 ヘキ のりもの せむ きみ たとえ さける  
たま ほのか めぐる ちぢむ かさなる
ヘイ ひらく きにいり つんざく    
6943 709 ザイ つみす          
           
           
6944 709 ベン あらそう          
           
           
6945 709            
           
           
6946 709 ラツ さす          
           
           
6947 709 カイ おさむ          
           
           
6948 709 うけぬ ことわる やめる      
           
           
6949 709 セツ つみす つみ        
           
           
6950 709            
           
           
6951 710 ベン わかちさだむ わきまう      
           
           
6952 710 𨐨 ヘキ のり おさむ つみ      
           
           
6953 710 ベン おさむ ときあかす        
           
           
6954 710 辬󠄁 ハン            
           
           
6955 710 いいとく さとす ことば ことわる    
           
           
6956 710 シン とき ふるう ほし たつ    
           
           
6957 711 ジヨク はずかしむ かたじけなし      
           
           
6958 711 シン あした つと        
           
           
6959 711 トウ ひやくしよう たがやす        
ノウ          
           
6960 711 チヤク にわかあるき たたずむ      
           
           
6961 711 込󠄃   こむ こめる        
           
           
6962 711   つじ          
           
           
6963 711 辺󠄂 ヘン            
           
           
6964 711 迅󠄄 ジン はやし          
           
           
6965 712 カン すすむ もとむ        
           
           
6966 712 まわりとおし よこしま        
           
           
6967 712 迃󠄁 まわりとおし よこしま        
           
           
6968 712 巡󠄃 ジユン みまわる めぐる したがう しりぞく    
           
           
6969 712 𨑒󠄀 すあし          
           
           
6970 712            
           
           
6971 712 𨑓            
           
           
6972 712 ユウ            
           
           
6973 712 タツ            
           
           
6974 712 キツ とどむ いたる およぶ おわる    
           
           
6975 712 近󠄃 キン ちかづく ちかし        
           
           
6976 712 迎󠄃 ゲイ むかう あう        
           
           
6977 712 返󠄄 ハン かえる かえす        
ヘン          
           
6978 713 迓󠄂 でむかえのことば むかう いぶかる    
           
           
6979 713 𨑹 ジユウ            
           
           
6980 713 𨑭󠄀 うつる          
           
           
6981 713 コウ けもののあしあと あと こみち    
           
           
6982 713 䢌󠄀 ハツ のめる たおる つまずく      
ハイ          
           
6983 713 さかう さからう        
           
           
6984 713 𨑩 テキ いたる          
チヨウ          
           
6985 713 ソウ めぐる          
           
           
6986 713 ななめにゆく うねる つづく    
         
           
6987 713 チヨウ こゆ          
           
           
6988 713 䢐󠄀 ゆく          
           
           
6989 713 𨒉󠄀 ゆくかたち せわしくゆく        
           
           
6990 714            
           
           
6991 714 𨒌󠄀 セイ ゆく          
           
           
6992 714 サク たちはたらく せわし たちまち せまる    
           
           
6993 714 述󠄃 ジユツ すらすらゆく のぶ        
           
           
6994 714 ケイ とおくゆく はるか        
           
           
6995 714 トウ のがる          
           
           
6996 714 迫󠄃 ハク ちかづく せまる せばむ      
           
           
6997 714 𨒛 ちかし          
           
           
6998 714 迭󠄃 テツ かわる たがいに ほしいまま      
           
           
6999 714 迪󠄃 テキ みちびく みち すすむ      
           
           
7000 714 タイ およぶ          
           
           
7001 715 迷󠄃 メイ まよう まどう        
           
           
7002 715 セキ あしあと あと ふむ とどまる    
           
           
7003 715 追󠄃 ツイ おう おくる        
           
           
7004 715 コウ あう めぐりあう        
           
           
7005 715 ジヨウ すなわち          
           
           
7006 715 コウ あう であう まざる      
           
           
7007 715 うつる          
           
           
7008 715 カイ めぐる          
           
           
7009 715 退󠄃 タイ しりぞく さがる たちのく      
           
           
7010 715 𨒥 コウ            
         
           
7011 716 送󠄃 ソウ おくる          
           
           
7012 716 逃󠄄 トウ のがる かくれる        
           
           
7013 716 逆󠄃 ギヤク でむかえる あう やどる さからう    
           
           
7014 716 𨒭󠄀 カイ            
           
           
7015 716 𨒪 セキ            
           
           
7016 716 ホウ            
           
           
7017 716 迿󠄁 ジユン            
           
           
7018 716 𨒰󠄀 ユウ            
           
           
7019 716 ハイ やぶれはしる やぶれる      
           
           
7020 716 シヨウ ゆるやかにあゆむ        
           
           
7021 716 透󠄃 トウ とおる おどろく        
           
           
7022 716 逐󠄃 チク おう          
           
           
7023 717 キユウ あつめる もとむ        
           
           
7024 717 ケイ こみち          
           
           
7025 717 途󠄃            
ジヨ          
           
7026 717 ユウ            
           
           
7027 717 テキ はるか とおし        
           
           
7028 717 トウ とどまる          
           
           
7029 717 さかう          
           
           
7030 717 ケン むかう この        
           
           
7031 717 通󠄃 トウ とおる ものしり        
ツウ          
           
7032 717 逝󠄃 セイ ゆく          
           
           
7033 717 テイ とおる はやし たくましうす のぶ    
           
           
7034 717 ホウ あう でつくわす        
           
           
7035 718 速󠄃 ソク すみやか まねく        
           
           
7036 718 造󠄃 ゾウ すすむ なる なす つくる    
           
           
7037 718 シユン あとずさり しりごみ しりぞく うずくまる    
           
           
7038 718 コウ            
           
           
7039 718 逓󠄂 テイ            
           
           
7040 718 のがる          
           
           
7041 718 連󠄃 レン つづく つらなる        
           
           
7042 718 𨓉 ヘン            
           
           
7043 719 サク ゆきかう まじわる        
           
           
7044 719 ヘイ しりぞく ほどばしる        
           
           
7045 719 カン のがる にげまわる        
           
           
7046 719 逮󠄃 タイ およぶ たう やすし たなびく    
テイ          
           
7047 719 ひろこうじ          
           
           
7048 719 進󠄃 シン すすむ のぼる        
           
           
7049 719 週󠄃 シユウ めぐる          
           
           
7050 719 逸󠄄 イツ うせる にげる すぐれる たのしむ    
           
           
7051 719 ライ            
           
           
7052 719 タク とおし しのぐ こえる      
           
           
7053 720 ななめにゆく うねる      
           
           
7054 720 𨓲 ケン あやまち          
           
           
7055 720 𨔝󠄀 シヨウ            
ドウ          
           
7056 720 逼󠄃 フク せまる          
           
           
7057 720 こえる いよいよ まさる      
           
           
7058 720 トン うつる のがる        
           
           
7059 720 遂󠄅 スイ にげる みち あなみち とんねる みぞ  
  ふかし したがう なる うく ついに
  なす とげる なしとげる おつ ひうちいし
7060 721 遇󠄄 グウ あう たまたま        
           
           
7061 721 テイ うかがう          
           
           
7062 721 トウ            
           
           
7063 721 遊󠄃 ユウ およぐ あそぶ        
           
           
7064 721 遌󠄃 ガク おうておどろく であう びつくり    
           
           
7065 721 遍󠄃 ヘン あまねし          
           
           
7066 721 運󠄃 ウン めぐる まわる        
           
           
7067 721 過󠄃 すぐる よぎる あやまる      
           
           
7068 721 アツ とどむ          
           
           
7069 722 セン しばしば ゆきき        
           
           
7070 722 いたる はるか おおいなり      
           
           
7071 722 さかのぼる          
           
           
7072 722 𨔟󠄀 ユウ            
           
           
7073 722 コウ いとま ひま にわか      
           
           
7074 722 シユウ せまる せわし かたし あつまる つよし  
           
           
7075 722 道󠄃 ドウ みち          
           
           
7076 722 達󠄃 タツ とおる ゆきちがう ゆきつく      
           
           
7077 722 遅󠄂            
           
           
7078 723 違󠄇 はなる たがう        
           
           
7079 723 トウ およぶ          
           
           
7080 723 遘󠄃 コウ であう あいみる まみゆ      
           
           
7081 723 ヨウ こみちによる よる さまよう    
           
           
7082 723 遠󠄄 エン とおし はなる        
           
           
7083 723 リユウ            
           
           
7084 723 ソン のがる へりくだる したがう      
           
           
7085 723 テイ たぐあ たがいに かわるがわる    
           
           
7086 723 遣󠄃 ケン おくる やる        
           
           
7087 723            
           
           
7088 723 遟󠄁            
           
           
7089 723 𨖍            
           
           
7090 723 カイ            
           
           
7091 723 カン ならう なれる        
           
           
7092 724 遯󠄃 トン のがる しりぞく        
           
           
7093 724 適󠄄 テキ ゆく あたる        
           
           
7094 724 ゴウ あそぶ おごる        
           
           
7095 724 䢦󠄀 シツ みちびく          
スイ          
           
7096 724 𨖆 ゆく          
           
           
7097 724 遭󠄃 ソウ あう ならぶ        
           
           
7098 724 遮󠄄 シヤ さえぎる とどむ        
           
           
7099 724 テイ つづきゆく あきらか        
           
           
7100 724 遷󠄉 セン のぼる うつる        
           
           
7101 724 ヨウ むかう さえぎる        
キヨウ          
           
7102 724 おそし おこたる おくれる      
           
           
7103 725 ソク            
           
           
7104 725 遵󠄅 ジユン したがう          
           
           
7105 725 選󠄄 セン おくる おくりやる えらぶ      
           
           
7106 725 ギヨウ ゆくかたち あしかろし あしをあぐ めぐる    
           
           
7107 725 イツ にげまわる さける したがう ここに    
           
           
7108 725 遺󠄃 うせる わする のこす おくる    
           
           
7109 725 遼󠄃 リヨウ はるか とおし        
           
           
7110 725 遽󠄃 キヨ はやだより ゆうびん にわか      
           
           
7111 726 避󠄃 よける さける のがる ひがむ    
           
           
7112 726 𨗥 カイ            
           
           
7113 726 邁󠄃 マイ とおくゆく はげむ すすめる      
           
           
7114 726 カイ            
           
           
7115 726 𮄜 スイ ふかし          
           
           
7116 726 バク            
           
           
7117 726 𨘷󠄀 バク            
           
           
7118 726 還󠄃 カン かえる まわる かえす      
           
           
7119 726 ちかし ちちのはかば      
           
           
7120 726 セン            
           
           
7121 726 ヘン はずれをゆく ほとり かたよる    
           
           
7122 726 トク なれる けがる        
           
           
7123 727 レイ ゆるやかにゆく そろそろすすむ    
           
           
7124 727 ユウ            
           
           
7125 727 𨙂󠄀 ユウ            
           
           
7126 727 邍󠄁 ゲン のはら はら        
           
           
7127 727 𨙅 ゲン のはら はら        
           
           
7128 727 めぐる みまわり        
           
           
7129 727 ユウ くに むら こむら      
           
           
7130 727 ボウ むらのな          
           
           
7131 727 𨙫 コウ むらのな たたく いいつくす      
           
           
7132 727 キヨウ ちのな たけのな つえ      
コウ          
           
7133 728 ヨウ いけ ふさぐ やわらぐ      
           
           
7134 728 ヒン くにのな やまのな        
           
           
7135 728 𨙸            
           
           
7136 728 ホウ くに          
           
           
7137 728 那󠄃 えびすのな なんぞ        
         
           
7138 728 ソン ちのな くに むら      
           
           
7139 728 邪󠄄 ジヤ むらのな よこしま        
         
           
7140 729 テイ かんしや やど やしき      
           
           
7141 729 キユウ ちのな おか        
           
           
7142 729 カン まがたのな          
           
           
7143 729 ハイ むらのな          
           
           
7144 729 シヨウ            
           
           
7145 729 コウ くるわのそと むらはずれ        
           
           
7146 729 イク ちのな あや        
           
           
7147 729 コウ            
           
           
7148 729 グン こおり          
           
           
7149 729 ロウ やどりいえ ひさし ほそどの おとこ    
           
           
7150 729 ロウ やどりいえ ひさし ほそどの おとこ    
           
           
7151 729 くるわ          
           
           
7152 730 ゲキ むらのな すきま        
           
           
7153 730 ちのな わかつ かきもの      
ホウ          
           
7154 730 ユウ つぎば しゆくつぎ ゆうびん あやまり    
           
           
7155 730 カク しろあと くるわ そとがわ      
           
           
7156 730 みやこ うつくし みやびやか すべて    
         
           
7157 730 ク󠄃 キヨウ さと むら ふるさと      
           
           
7158 731 鄂󠄂 ガク ちのな しきり うてな おどろく あらそう  
           
           
7159 731 いなか いやし        
           
           
7160 731 タン むらのな          
           
           
7161 731 テイ あがたのな くにのな ねんいり      
           
           
7162 731 リン となり ちかし        
           
           
7163 731 ユウ さけ とり        
シユ          
           
7164 731 テイ よう          
           
           
7165 732 酋󠄃 シユウ なれざけ ながし えびすのきみ    
ユウ          
           
7166 732 シヤク さかずき くむ        
           
           
7167 732 チユウ こきさけ つよきさけ        
           
           
7168 732 シユ さけ          
           
           
7169 732            
           
           
7170 732 ハイ さけのいろ めあわす つれあい      
           
           
7171 732 タン さけびたし ふける どく      
           
           
7172 732 よつぱらう さけびたし さけくせあしし    
           
           
7173 732 ジユン            
           
           
7174 732 テン おく さだむ        
           
           
7175 733 きびざけ かおあかし ほろよい      
         
           
7176 733 ひとよざけ さけをかう かう うる    
           
           
7177 733 サク むくゆ        
           
           
7178 733 カン たけなわ          
           
           
7179 733 𨠒 ハン さけのはやづくり はやし      
           
           
7180 733            
           
           
7181 733 ラク こきちちなれる ほしちち      
サク          
           
7182 733 メイ よう          
           
           
7183 733 シユウ さけをすすむ むくゆ      
           
           
7184 733 酷󠄃 コク あじこい はげし はなはだし      
           
           
7185 734 さけのもと にごりざけ すみさけ      
         
           
7186 734 イン すこしずつのむ ちびちびのむ くちそそぐ    
           
           
7187 734 酸󠄂 サン むごし        
           
           
7188 734 テイ さかやまい わるよい えいざめ さめる    
           
           
7189 734 いわいざけ まじないさけ      
           
           
7190 734 コウ しらかす ふくれる あまざけ      
           
           
7191 734 ジユン こいさけ まざりなし        
           
           
7192 734 𤖕 シヨウ            
           
           
7193 734 スイ よう えいつぶれ        
           
           
7194 735 サク むくゆ さかずきさす    
           
           
7195 735 セン さかずき          
           
           
7196 735 バイ えいあきる もろみ        
           
           
7197 735 テイ あかさけ すみさけ        
ダイ          
           
7198 735 セイ さめる          
           
           
7199 735 メン さけびたし          
           
           
7200 735 シヨ したむ          
           
           
7201 735 カン しお          
           
           
7202 735 よきさけ          
           
           
7203 735 シユウ にくにくし みにくし たぐい      
           
           
7204 735 カイ ししびしお しおから        
           
           
7205 735 𨢓 コウ            
           
           
7206 736 ウン かもす あたたむ        
           
           
7207 736 シヨウ ししびしお しようゆ        
           
           
7208 736 くすし          
           
           
7209 736 ロウ かすあるさけ もろみ      
           
           
7210 736 うすきさけ しる        
           
           
7211 736 シヨウ いわいまつり さけのみつくす    
           
           
7212 736 ハツ かもす          
           
           
7213 737 エキ ねれたるさけ としこしざけ      
           
           
7214 737 𨢩 シヨウ            
           
           
7215 737 ケイ          
           
           
7216 737 ジヨウ こきさけ あつし        
           
           
7217 737 醵󠄂 キヤク だしあいのみ        
キヨ          
           
7218 737 レイ あまざけ          
           
           
7219 737 シュウ            
           
           
7220 737 レイ            
           
           
7221 737 ケン          
           
           
7222 737 クン よう えいまわる かおあかし      
           
           
7223 737 ジユ こきさけ          
           
           
7224 737 エン さかもり          
           
           
7225 738 ジヨウ かもす          
           
           
7226 738 キン ちぬる ちまつり すきま ひび    
           
           
7227 738 したむ いつぽんぎのさけ きいつぽん    
           
           
7228 738 シヨウ のみほす          
           
           
7229 738 ケン            
           
           
7230 738 𨤇 ソウ            
           
           
7231 738 よきさけ          
           
           
7232 738 𨤍 レイ よきさけ したむ        
           
           
7233 739 ベン わかつ          
           
           
7234 739 ユウ あぶらぎる つやつやし くすり      
           
           
7235 739 シヤク かさなる おもし        
セキ          
           
7236 739 さと うれう        
           
           
7237 739 チヨウ かさなる おもし        
ジユウ          
           
7238 740 いやし        
           
           
7239 740 リヨウ はかる はかり ます      
           
           
7240 740 さいわい はかりめのな      
リン          
           
7241 740 キン かね こがね        
           
           
7242 741 テイ のべきん くぎ        
           
           
7243 741 シン            
           
           
7244 741 チヨウ つり つる        
           
           
7245 741 コウ くちきん きんのゆきかけ めつき ぼたん  
           
           
7246 741 エン うでわ てまき        
シン          
           
7247 741 釵󠄁 サイ かんざし          
         
           
7248 741 コウ くるまのかなぐ ともしび      
           
           
7249 741 ソウ さしとる かすむ うつしとる      
シヨウ          
           
7250 741 チユウ つまみ          
           
           
7251 741 キン おおからすき もつ おす    
           
           
7252 741 ドン にぶし おろか        
           
           
7253 742 𨥏 かま          
           
           
7254 742 かま          
           
           
7255 742 キン はかりめのな ひとし      
           
           
7256 742 レイ すず          
           
           
7257 742 デン はなかんざし あおがいざいく    
           
           
7258 742            
           
           
7259 742 コウ            
           
           
7260 742 やのね          
           
           
7261 742 シツ ぬう          
           
           
7262 742 𨥨 ボウ ほこ          
           
           
7263 742 鉅󠄁 キヨ はがね おおいなり        
           
           
7264 743 ジヤ みじかいほこ てやり      
         
           
7265 743 ホウ かんな          
           
           
7266 743 コウ まがりかね つりばり ひつかける      
           
           
7267 743 すき          
ジヨ          
           
7268 743 ハク きんぱく          
           
           
7269 743 ケン はさみつける ぴんせつと たぼどめ    
カン          
           
7270 743 ハツ はち          
ハン          
           
7271 743 エン なまり おしろい        
           
           
7272 743 エツ くるまのすずおと おおまさかり      
           
           
7273 743 ギン しろがね          
           
           
7274 743 ドウ あかがね          
           
           
7275 744 チツ いねかりかま こかま      
           
           
7276 744 セン はかり はかる たいらかにす    
           
           
7277 744 シユ はかりめのな          
           
           
7278 744 テツ            
           
           
7279 744 カツ たちきる          
           
           
7280 744 ヘキ            
           
           
7281 744 セン すきのたぐい とし      
           
           
7282 744 メイ しるす          
           
           
7283 744 ジユウ おののあな てつぽう        
           
           
7284 744 ヨウ あたためるうつわ ちようし おおすき ほこ  
チヨウ          
           
7285 744 ボウ ほこ          
           
           
7286 744 キン            
           
           
7287 744 キン            
           
           
7288 744 ガン くつばみ ふくむ        
           
           
7289 745 テイ ほさき とし するどし      
           
           
7290 745 シヨウ とかす きゆる        
           
           
7291 745 ヨク しろきかね          
           
           
7292 745 シヨウ つりがね          
           
           
7293 745 ホウ ほこさき きつさき        
           
           
7294 745 ジヨ            
           
           
7295 745 ユウ からかねてつ たづなのかなぐ      
ジヨウ          
           
7296 745 キヨウ かなばさみ やつとこ かたなのつか    
           
           
7297 745 もんかなぐ しく みせ      
           
           
7298 745 鋩󠄄 ボウ きつさき ほこさき        
           
           
7299 745 シン            
           
           
7300 745 キヨ のこぎり          
           
           
7301 746 コウ はがね          
           
           
7302 746 ケン はがね          
           
           
7303 746 セイ くわし さび        
           
           
7304 746 スイ きり          
           
           
7305 746 トウ きせがね          
           
           
7306 746 ソウ かねのこえ たまのなるこえ      
           
           
7307 746 スイ はかりめのな はかりのおもり たる  
           
           
7308 746 タイ いしづき          
ジユン          
           
7309 746 カン よろい はこ        
           
           
7310 746 テイ たかつき ともしびのうつわ      
ジヨウ          
           
7311 746            
           
           
7312 746 セキ すず たまう        
         
           
7313 747 セン すき くわ ぜに      
           
           
7314 747 コン            
           
           
7315 747 キン にしき          
           
           
7316 747 いかたむ ふさぐ とじこめる      
           
           
7317 747 サク めつき まじわる        
           
           
7318 747 きんながし めつき        
           
           
7319 747 はかりめのな        
           
           
7320 747 ロク かねさび ろきしよう しるす      
           
           
7321 747 ガク やいば          
           
           
7322 747 レン かねをえる きたえねる        
           
           
7323 747 チン まくらぎ          
           
           
7324 748 なべ つちやきかま      
           
           
7325 748 タン きたう かねうち        
           
           
7326 748 コウ つくかねのこえ ごーんとなる    
           
           
7327 748 ソウ そとわくはり すき        
           
           
7328 748 ケツ くさかりがま きざむ くさび      
           
           
7329 748 ヒユウ かまのたぐい とがま かぶと    
ボウ          
           
7330 748 かねのな しんちゆう        
           
           
7331 748 ヨウ うすきかね うすかねいた じがね    
           
           
7332 748 カン はかりめのな おもさ      
           
           
7333 749 シユウ すき くわ        
           
           
7334 749 シン はり          
           
           
7335 749 錨󠄂 ビヨウ いかり          
           
           
7336 749 ケン かなえぼう かぎ とじまり      
           
           
7337 749 シヨウ さけつぼ かさぬ あつまる      
           
           
7338 749 鎌󠄃 レン かま かど        
           
           
7339 749 ヨウ いがた るつぼ たたら      
           
           
7340 749 鎚󠄃 タイ つち おもり        
ツイ          
           
7341 749 ちいさきたまのこえ くさり      
           
           
7342 750 ソウ つりがねのこえ たまのこえ やり    
           
           
7343 750 イツ かねだかのな みつる      
           
           
7344 750 ガイ よろい          
           
           
7345 750 シン しずめる おもし        
チン          
           
7346 750 リユウ            
           
           
7347 750 バン            
           
           
7348 750 トウ            
           
           
7349 750 鎡󠄃 すき          
           
           
7350 750 _ カク            
           
           
7351 750 キン            
           
           
7352 750 ヒツ            
           
           
7353 750 ゾク とし やじり        
           
           
7354 750 ソウ            
           
           
7355 750 ソウ くさり          
           
           
7356 750 鏌󠄂 バク            
           
           
7357 750 鏑󠄂 テキ かぶら なるかぶら やのね      
           
           
7358 751 オウ かまのたぐい あたためるうつわ みなごろし  
           
           
7359 751 ヒヨウ こじり          
           
           
7360 751 トウ かねのこえ たいこのこえ つづみのこえ  
           
           
7361 751 コウ はがね かねのこえ        
           
           
7362 751 鏠󠄁 ホウ            
           
           
7363 751 マン てつこて          
           
           
7364 751 はがね きざむ ちりばむ ほりすかし    
ロウ          
           
7365 751 鏡󠄂 キヨウ かがみ          
           
           
7366 751 セン うがつべきもの いしほり える    
           
           
7367 751 リユウ いしゆみのまえ よきこがね      
           
           
7368 751 鏓󠄂 ソウ かねのこえ おおのみ        
           
           
7369 752 リヨウ しろがね ぷらちな        
           
           
7370 752 ケツ            
           
           
7371 752 シン かたなのかしら かたなのわがね    
           
           
7372 752 鐘󠄂 シヨウ つりがね          
           
           
7373 752 ボク あらがね          
           
           
7374 752            
           
           
7375 752 トウ にくうもりうつわのあし ひともしき あぶみ    
           
           
7376 752            
           
           
7377 752 鐩󠄁 スイ ひとりかがみ みずとりかがみ ひうちいし  
           
           
7378 752 カン ゆびわ          
           
           
7379 752 タク おおふりがね おおすず ふれまわる    
           
           
7380 752 鐻󠄂 キヨ            
           
           
7381 753 𨮯 テツ くろがね          
           
           
7382 753 ケン            
           
           
7383 753 カイ            
           
           
7384 753 ヨウ            
           
           
7385 753 トウ くさり          
           
           
7386 753 チユウ いる いもの        
           
           
7387 753 鑊󠄂 カク あしなきかなえ にる      
           
           
7388 753 カン おおぼん たらい かがみ      
           
           
7389 753            
           
           
7390 753 鐕󠄂 サン とじくぎ くぎしめ とず      
           
           
7391 753 鑓󠄃 ヤリ            
           
           
7392 753 シツ かたしき          
           
           
7393 753 コウ あらがね          
           
           
7394 754 シヤク かねをとかす けす へらす かがやく  
  さかんなり        
           
7395 754 ゲキ            
           
           
7396 754 ヒヨウ            
           
           
7397 754 リヨ やすり みがく        
           
           
7398 754 𨯔 ライ            
           
           
7399 754 ライ            
           
           
7400 754 ひとこ ひいれ ふろ いろり    
           
           
7401 754 ケン            
           
           
7402 754 セン てつのうつわ おおぼん きり    
シン          
           
7403 754 ザン するどし さす つるはし      
           
           
7404 754 ヤク とざし かんのきのたて      
           
           
7405 754 ジヨウ いがたのつめもの おがた      
           
           
7406 754 鑵󠄂 カン つるべ かんのうつわ      
           
           
7407 755 ジヨウ けぬき ぴんせつと やつとこ      
           
           
7408 755 すきのたぐい へいき      
           
           
7409 755 サン のみうがつ          
           
           
7410 755 どら          
           
           
7411 755 ラン くるまのすず        
           
           
7412 755 サク きをうがつ のみ あな      
           
           
7413 755 カク おおすき          
           
           
7414 756 チヨウ おさ ひととなり ながし      
           
           
7415 756 ひさし やむ みつ つくろう    
         
           
7416 756 モン かど          
           
           
7417 756 サン かんぬき          
           
           
7418 756 𨳌 シン のぼる          
           
           
7419 756 セン うかがう きらめく        
           
           
7420 757 カン さとのもん          
           
           
7421 757 ヘイ とず          
           
           
7422 757 カイ もんをひらく ひらく        
           
           
7423 757 開󠄂 カイ もんをひらく ひらく        
           
           
7424 757 カン あいだ すきま しずか      
           
           
7425 757 カン あいだ すきま しずか      
           
           
7426 757 コウ たかし          
           
           
7427 757 カン しきり てすり ふせぐ      
           
           
7428 757 シユン うるう          
           
           
7429 757 閔󠄁 ヒン とむらう つとむ くらし      
           
           
7430 758 コウ つじのきど ひろし おおいなり      
           
           
7431 758 𨳟 カイ            
           
           
7432 758 コウ あけたて          
           
           
7433 758 もんをとず しめこむ かみごと つつしむ    
           
           
7434 758 カク とおさえ ぜんだな おく たかどの    
           
           
7435 758 コウ わきもん くぐりもん        
           
           
7436 758 さむらい やくしよ        
           
           
7437 758 バツ ぬきんず てがら        
           
           
7438 758 ケイ くぐりもん おくのもん ねや      
           
           
7439 758 コン もんしきり おくむき おおうち      
           
           
7440 759 リヨ さとのもん さと あつまる      
           
           
7441 759 エツ そなえる くみす        
           
           
7442 759 ロウ もんたかし たかくむなし        
           
           
7443 759 ヨク しきみ しきり        
イキ          
           
7444 759 シヨウ そらのもん あきのかぜ        
           
           
7445 759 エン おおうちのもんばん        
           
           
7446 759 エン さとのもん のきした うつくし      
           
           
7447 759 コン もんばん こもの とず うごく    
           
           
7448 759 ゲキ さみし          
           
           
7449 760 闇󠄂 アン とず いおり はかばのこや    
           
           
7450 760 闈󠄂 おおうちもん こもん わきもん くぐりもん    
           
           
7451 760 カツ とおす ひろし        
           
           
7452 760 𨵵 コウ とびら とず なんぞ      
           
           
7453 760 サツ            
           
           
7454 760 ラン もんのなかじきり さえぎる てすり らんかん  
  たけなわ        
           
7455 760 ついじ しろのすみ        
ジヤ          
           
7456 760 イン ついじ かさねもん しろのすみ ふす ふさぐ  
           
           
7457 761 カイ ひらく たのしむ        
           
           
7458 761 チン むまいず すすみいる        
           
           
7459 761 ケツ ものみ はしらもん かける      
           
           
7460 761 テン もんにみつ さかんなり        
           
           
7461 761 𨶚 カン かんのき せき        
           
           
7462 761 ゲツ もんのたてしきり        
           
           
7463 762 トウ にかいのと          
           
           
7464 762 トウ さかんなり          
           
           
7465 762 カン            
           
           
7466 762 うかがう          
           
           
7467 762 セン ひらく あきらかにす      
           
           
7468 762 ヘキ ひらく          
           
           
7469 762 キユウ            
コウ          
           
7470 762 カン いちのそともん みち めぐらす    
           
           
7471 762 タツ とびら どあ        
           
           
7472 763 𨷲 ヤク            
           
           
7473 763 𨷻 テン みだりにいる        
           
           
7474 763 ひろきおか          
           
           
7475 763 ゴツ いしやま でこぼこ はげやま      
           
           
7476 763 くずれる おつ さか うねる ななめ  
         
           
7477 763 セン あぜみち          
           
           
7478 763 ホウ つつみ ふせぐ まち      
           
           
7479 763 ハン さか つつみ        
           
           
7480 763 けわし          
           
           
7481 764 コウ おおあな たかくむなし からほり      
           
           
7482 764 ヨウ            
           
           
7483 764 イン            
           
           
7484 764 セイ おとしあな          
           
           
7485 764 やまのあし          
           
           
7486 764 アク ふさぐ せまし        
アイ          
           
7487 764            
ヘイ          
           
7488 764 けわし なやむ とどまる はばむ    
           
           
7489 764 あがりだん きざはし        
           
           
7490 764            
           
           
7491 764            
           
           
7492 764 つちもり つきやま ふく      
           
           
7493 765 おおらか すみ おもねる      
           
           
7494 765 テイ さか くずれ        
           
           
7495 765 さか おか がけ かたよる つつみ  
  ためいけ かたよる よこしま    
           
7496 765 ゲン けわし かぎる        
           
           
7497 765 コウ くだる くだす        
           
           
7498 765 ハク みち          
           
           
7499 765 𨹟 ロウ せまくるし うらだな いやし かくる のがる  
           
           
7500 765 やぶれがき          
           
           
7501 766 ケイ やまのきれこみ さか      
           
           
7502 766 シユン けわし きつたて        
           
           
7503 766 けわし          
           
           
7504 766 シヨウ けわし たかし きつたて      
           
           
7505 766 チヨク のぼる のぼす むまにのる      
           
           
7506 766 ヘイ きみのきざはし かいだん      
           
           
7507 766 シヨウ のぼる          
           
           
7508 766 カン かたし かきのうち        
イン          
           
7509 766 キヨウ せまし はざま いやし      
           
           
7510 766 ジヨ きざはし さる のぞく      
           
           
7511 767 ジン いくさならび          
           
           
7512 767 ホウ            
           
           
7513 767 バイ つちをかさぬ もりつち そえる くわえる  
           
           
7514 767 ソウ すみ くま あつまる      
           
           
7515 767 ちのな やまのではな やまのきし    
         
           
7516 767 イン やまのかげ くらし        
           
           
7517 767 あやうし とおし はて      
         
           
7518 767 ジン くにのな つらぬ ふるし      
チン          
           
7519 767 ひめがき ついじ のぞく      
ハイ          
           
7520 768 陵󠄂 リヨウ おおさか みささぎ        
           
           
7521 768 テイ            
           
           
7522 768 トウ かさなるおか やきもの      
           
           
7523 768 𨹹 ホウ            
           
           
7524 768 リク おおおか ひらち        
           
           
7525 768 カン おとしいる おちいる        
           
           
7526 768 イキ            
           
           
7527 768 𨺅 スイ はざま          
           
           
7528 768 みずなかのおか なぎさ      
           
           
7529 768 ヨウ ひなた あかるし        
           
           
7530 768 イン ふさぐ          
           
           
7531 769 テイ つつみ どて しきり ふせぎ    
           
           
7532 769 グウ すみ かど        
           
           
7533 769 リユウ たかし さかんなり        
           
           
7534 769 アイ まがりかど くま すみ      
ワイ          
           
7535 769 隊󠄄 タイ おつ とんねる あつまる      
           
           
7536 769 さきにく くにのな        
ズイ          
           
7537 769 コウ しろのほり からほり        
           
           
7538 769 カイ きざはし あがりだん はしごだん      
           
           
7539 770 ゲツ あやうし          
ゲイ          
           
7540 770 アン            
           
           
7541 770 エン せき          
           
           
7542 770 カク へだつ ふさぐ やまいのな      
           
           
7543 770 アイ せまし          
           
           
7544 770 トウ つつみ          
           
           
7545 770 イン おつ おとす しぬ      
           
           
7546 770 𨻋 シユウ しめる          
           
           
7547 770            
           
           
7548 770 𡐦            
           
           
7549 770 トウ しま          
           
           
7550 770 𨻐            
           
           
7551 770 ヨウ            
           
           
7552 770 𨻳 エン            
           
           
7553 770 ゲキ かべのすきま あいだ      
           
           
7554 770 ゲキ            
           
           
7555 771 障󠄂 シヨウ へだて しきり さえぎる      
           
           
7556 771 䧢󠄀 そばだつ あやうし        
           
           
7557 771 𨻽 シユウ            
           
           
7558 771 サイ あわせめ きわ        
           
           
7559 771 タイ おつる くずる        
           
           
7560 771 チン            
           
           
7561 771 トウ あおぐ さか かけはし      
           
           
7562 771 リン となり          
           
           
7563 771 𨻵 サイ            
           
           
7564 771 ズイ したがう ともする        
           
           
7565 771 スイ あなみち          
           
           
7566 771            
           
           
7567 771 𨼬 カイ くにのな          
           
           
7568 772 オウ みずぎしのくま くま      
           
           
7569 772 トウ            
           
           
7570 772 フン            
           
           
7571 772 ケン けわし あしし        
           
           
7572 772 ゴウ みち          
           
           
7573 772 イン かくしどころ かくる        
           
           
7574 772 セイ おつ のぼる        
           
           
7575 772 𨽎 タイ            
           
           
7576 772 シユウ しめりち さわ くぼち      
           
           
7577 772            
           
           
7578 772 𨽍 トク みぞ ほりわり        
           
           
7579 773 隴󠄂 ロウ おおいなるさか つつみ      
           
           
7580 773 𨽵 スイ あげひ          
           
           
7581 773 タイ およぶ          
           
           
7582 773 𨽶            
           
           
7583 773 ルイ つく よりつく しもべ つみびと    
           
           
7584 773 𨽸            
           
           
7585 773 スイ おのみじかいとり        
           
           
7586 773 カク たかくとぶ たかし つる      
           
           
7587 773 セキ とりいちわ かたかた        
           
           
7588 774 ジヤク すずめ          
           
           
7589 774 ジユン はやぶさ          
           
           
7590 774 キユウ はと          
           
           
7591 774 シユン とりこゆ ふとる とし      
           
           
7592 774 ヨク いぐるみ とび        
           
           
7593 774 𨾊 コウ とりこゆ          
           
           
7594 774 ガン かり          
           
           
7595 774 萑󠄂 ずく          
           
           
7596 774 雅󠄄 みやまがらす ただし もと    
         
           
7597 774 ユウ とりのちち おんどり おす たけし    
           
           
7598 775 シユウ とりあつまる あつまる        
           
           
7599 775 雇󠄃 とりのな やとい        
           
           
7600 775 𨾙 ホウ            
           
           
7601 775 ヨウ たか          
           
           
7602 775 きじのおすなく        
           
           
7603 775 きじのおすなく くさぎる      
           
           
7604 775 とりのはは めんどり めす      
           
           
7605 775 シヨ            
           
           
7606 775 ヨウ            
           
           
7607 775 𨾦 とび          
           
           
7608 776 ラク みみずく みずのな        
           
           
7609 776 テキ やまきじ やまどり        
           
           
7610 776 蒦󠄃 カク はかる          
           
           
7611 776 𨾽            
           
           
7612 776 𤸰 ヨウ たか          
           
           
7613 776 チヨウ くまたか ほりもの しぼむ      
           
           
7614 776 𨿡 ジユン うずら          
           
           
7615 776 䧿 セキ            
           
           
7616 776 シユウ とりのつがい あいかた      
           
           
7617 776 とかげ いえども        
         
           
7618 777 ケイ ほととぎす          
         
           
7619 777 ヨウ せきれい こえをあわす やわらぐ    
           
           
7620 777 ケイ にわとり ながなきどり      
           
           
7621 777 ソウ つがい ふたつ ならぶ      
           
           
7622 777 雘󠄂 アク こいあか まつか        
カク          
           
7623 777 ゾウ まじる          
ザツ          
           
7624 778 雚󠄂 カン とりのな          
           
           
7625 778 スウ ひな          
           
           
7626 778 とりのな うぐいす るり かかる はなる  
  しきり なし においぐさ    
           
7627 778 アン まだらなきうずら おおうずら      
           
           
7628 778 𩀼 サン なげあみ あまがさ こうもりがさ      
           
           
7629 778 ダン とりのな かたし なやむ      
ナン          
           
7630 778 𩁟 とりのな うぐいす        
           
           
7631 779 雨󠄃 あめ あめふる        
           
           
7632 779 あまごい にじ        
           
           
7633 779 雪󠄃 セツ ゆき          
           
           
7634 779 ウン くも いわく        
           
           
7635 779 ホウ ゆきふるかたち        
           
           
7636 779 フン            
           
           
7637 779 雯󠄂 フン くもがた          
           
           
7638 779 レイ あまだれ おつ        
           
           
7639 779 デン いなずま かみ のびる      
           
           
7640 780 ライ いかずち          
           
           
7641 780 ハク ひさめ あられ        
ボク          
ホウ          
7642 780 ボウ            
           
           
7643 780 𩂣 ラク あめおつる たるる        
           
           
7644 780 ジユ まつ あまやすみ うるおう      
           
           
7645 780 チン くもりつづく つゆたる        
           
           
7646 780 シヨウ あめまじりのみぞれ そら      
           
           
7647 780 サン            
           
           
7648 781 テイ かみなりのこえ いかずち      
           
           
7649 781 ハイ おおあめ          
           
           
7650 781 シン いかずち ふるう おどす      
           
           
7651 781 セイ はれる          
           
           
7652 781 トウ            
           
           
7653 781 くものかたち あめのかたち      
           
           
7654 781 アイ            
           
           
7655 781 テン あめしみこむ ずぶぬれ うるおす    
           
           
7656 781 トウ かみなり なりひびく しばし たちまち    
           
           
7657 782 ゲイ うすきにじ はたなびく まいのな      
           
           
7658 782 リン ながあめ しよぼしよぼあめ      
           
           
7659 782 カク とぶこえ はやし        
           
           
7660 782 イン くもる ひかげ        
           
           
7661 782 かすみ          
           
           
7662 782 ソウ しも          
           
           
7663 782 レイ あめおつ たれくだる        
           
           
7664 782 ボウ            
         
           
7665 782 霙󠄂 エイ ゆきのはな くもしろし        
           
           
7666 782 リユウ あまだり あまおち とい      
           
           
7667 782 イン ながあめ          
           
           
7668 782 カク はれる ほがらか むなし      
           
           
7669 783 シユウ あめふる あめかぜつよし      
           
           
7670 783 𩅂 タン            
           
           
7671 783 セツ            
           
           
7672 783 きり          
ボウ          
           
7673 783 サン みぞれ あらし        
ソウ          
           
7674 783 つゆ うるおす あらわす      
           
           
7675 783 おおう          
フク          
           
7676 783 𩅳 アイ            
           
           
7677 783 リユウ かみなり          
           
           
7678 783 ヘキ つんざく          
           
           
7679 783 ハク つきかける はたがしら        
         
           
7680 783 𩅽 トウ つゆ          
ノウ          
           
7681 783 セイ あめやむ はれる        
           
           
7682 783 ホウ            
           
           
7683 784 バイ つちふる くらし        
           
           
7684 784 ライ            
           
           
7685 784 アイ おおう もや        
           
           
7686 784 レキ つんざく          
           
           
7687 784 ホウ こさめ          
           
           
7688 784 タイ くもたなびく くらし        
           
           
7689 784 アイ            
           
           
7690 784            
タイ          
           
7691 784 𩆜 レイ かんなぎ あらたか こころのもと      
           
           
7692 784 レイ かんなぎ あらたか こころのもと      
           
           
7693 784 セイ あおし          
           
           
7694 784 𩇕󠄀 セイ さつぱりしたかざり うすげしよう      
           
           
7695 785 セイ めす けしよう あきらか      
           
           
7696 785 セイ            
           
           
7697 785 セイ つまびらか しずか        
           
           
7698 785 そむく ひらく あらず      
           
           
7699 785 ちらばる こまか なし      
           
           
7700 786 メン つら おもて むかう      
           
           
7701 786 ホウ かおのできもの かおのほてり    
           
           
7702 786 𩈍 テン            
           
           
7703 786 𩈢 ジヨウ うれう          
           
           
7704 786 ほほ ほおぼね        
           
           
7705 786 テン あつかましきつらつき おもなし      
           
           
7706 786 シヨウ やつれる          
           
           
7707 786 カイ かおあらう          
           
           
7708 786 ヨウ えくぼ          
           
           
7709 787 カク つくりかわ あらたまる        
           
           
7710 787 靫󠄂 うつぼ          
           
           
7711 787 くつ          
           
           
7712 787 イン ひきがわ むながい        
           
           
7713 787 𩊄 チユウ かぶと          
           
           
7714 787 チユウ かぶと          
           
           
7715 787 ハン            
           
           
7716 787 タツ やわらかきかわ うれう      
タン          
           
7717 787 コウ おしまずき とじきみのかわ      
           
           
7718 787 ハク かわつくり かわをなめす      
           
           
7719 788 トウ            
           
           
7720 788 トウ            
           
           
7721 788 イン しとね          
           
           
7722 788 𩊙 フク            
           
           
7723 788 ケイ かわぞこのあさぐつ わらじ かばあ    
アイ          
           
7724 788 アン くら          
           
           
7725 788 カク かたむ つかぬ        
           
           
7726 788 ジヨウ たづなのはし        
           
           
7727 788 ソウ さや          
シヨウ          
           
7728 788 コウ しめる          
           
           
7729 788 ヘイ かたなのさや        
           
           
7730 788 ホウ            
           
           
7731 788 ホウ            
           
           
7732 788 キク けまり きわまる        
           
           
7733 789 チヨウ            
           
           
7734 789 シユウ            
           
           
7735 789 カツ            
           
           
7736 789 テイ かわぐつ ながぐつ ひとえぐつ      
           
           
7737 789 あまり はこぶ        
           
           
7738 789 鞭󠄂 ベン むち むちうつ        
           
           
7739 789 コン かわはり あかぎれ        
           
           
7740 789 𩍁 フク くるまのしとね たたら ふいご    
           
           
7741 789 コウ ゆごて          
           
           
7742 789 ケイ            
           
           
7743 789 ハン おおおび かわおび        
           
           
7744 789 𩌦 まいのくつ うわぐつ ぞうり      
           
           
7745 789 カク けなきかわ          
           
           
7746 790 ドウ            
           
           
7747 790 鞾󠄂            
           
           
7748 790 キヨウ やまかご          
           
           
7749 790 ケン たづなのわきにかかるもの      
           
           
7750 790 ベツ            
           
           
7751 790 韄󠄂 カク かたなのさげお        
           
           
7752 790 セン ぶらんこ          
           
           
7753 790 トク ゆみやのいれもの えびら ふばこ    
           
           
7754 790 韋󠄂 なめしがわ          
           
           
7755 790 韌󠄂 ジン しんねりつよし        
           
           
7756 791 韍󠄂 フツ まえだれ          
           
           
7757 791 韎󠄂 ハイ あかねぞめのかわ あかまえだれ    
マイ          
           
7758 791 𩎧 ブク            
           
           
7759 791 𩎮 よこしま          
           
           
7760 791 カク            
           
           
7761 791 韔󠄂 チヨウ ゆみぶくろ つつむ        
           
           
7762 791 韓󠄃 カン いげた いどかわ        
           
           
7763 791 𩏇 ダン            
           
           
7764 791 韘󠄂 チヨウ ゆがけ          
           
           
7765 791 韙󠄂 ただし よし あさはか      
           
           
7766 791 くつ          
           
           
7767 791 𩏕 フク            
ハイ          
         
7768 791 韜󠄂 トウ つるぎぶくろ つつむ ゆみぶくろ      
           
           
7769 791 𩏤 キユウ            
           
           
7770 791 韞󠄃 ウン つつむ          
           
           
7771 792 韝󠄂 コウ ひじかけ かわたすき        
           
           
7772 792 ケイ ふくろのひも          
           
           
7773 792 韡󠄂 はなさかる あきらか かがやく      
           
           
7774 792 韠󠄂 ヒツ まえだれ ひざかけ        
           
           
7775 792 韤󠄃 ベツ たび くつした        
           
           
7776 792 キユウ にら          
           
           
7777 792 セイ きざみひしお こまぎりのつけもの まぜる  
  なれる        
           
7778 792 ガイ やまにら せまし        
           
           
7779 793 音󠄃 イン おと          
オン          
           
7780 793 䪧󠄁            
           
           
7781 793 韵󠄂 イン おんのひびき ちようし      
           
           
7782 793 韻󠄃 イン おんのひびき ちようし      
           
           
7783 793 ギン            
           
           
7784 793 韶󠄂 シヨウ がくのな          
           
           
7785 793 ホウ たいこのこえ        
           
           
7786 793 䪫󠄁 コウ がくのこえ          
           
           
7787 793 響󠄆 キヨウ ひびき          
           
           
7788 793 シユ かしら あたま        
ケツ          
           
7789 794 ケイ かたむく しばらく        
           
           
7790 794 テイ いただき          
チヨウ          
           
7791 794 コウ うなじ          
           
           
7792 794 ジユン かおのすじ ついず したがう      
           
           
7793 794 ハイ かおあらう          
           
           
7794 794 シユ したひげ まつ しばらく すべからく べし  
           
           
7795 794 コツ            
           
           
7796 794 ヨウ かたどる うたう ほめる      
シヨウ          
           
7797 794 𩑛 ハツ            
           
           
7798 794 コウ            
           
           
7799 794 あずかる          
           
           
7800 794 𩑞 ゼン ひげ          
           
           
7801 795 ガン さいずちあたま かたくな      
           
           
7802 795 ハン おおあたま わかつ        
           
           
7803 795 頋󠄁            
           
           
7804 795 トン ぬかづく にぶし たおる つまずく    
           
           
7805 795 ギヨク あたまただし        
           
           
7806 795 レイ うなじ ころものかきあわせ おさむ うく  
リヨウ          
           
7807 795 あたまかたよる たがう すこぶる    
           
           
7808 795 ハン            
           
           
7809 795 アツ はなばしら はなすじ        
           
           
7810 795 ふす          
ベン          
           
7811 796 ケツ ただしきうなじ たかぶる とびあがる    
           
           
7812 796 カク            
           
           
7813 796 おとがい やしなう        
           
           
7814 796 ライ にる にたかお しろくあざやか    
ルイ          
           
7815 796 カツ ひらがお          
           
           
7816 796 ハイ かおあらう          
           
           
7817 796 タイ くずる          
           
           
7818 796 トウ あたま かしら はじめ      
         
           
7819 796 キヨウ ほお こころよし        
           
           
7820 796 シン            
           
           
7821 796 𩒹 ゼン ほおひげ うわばみ        
           
           
7822 796 ホウ かたち          
           
           
7823 797 ガン かおきいろ あぎと        
           
           
7824 797 エイ            
           
           
7825 797 テイ            
           
           
7826 797 ケイ くび くびすじ        
           
           
7827 797 ヒン しきりに          
           
           
7828 797 うわひげ くちひげ        
           
           
7829 797 ツイ おでこ          
           
           
7830 797 テイ            
           
           
7831 797 こあたま ひとかたまり つちくれ    
           
           
7832 797 スイ おもやつれ おとろう やむ      
           
           
7833 797 ケイ            
           
           
7834 797 サイ あぎと          
           
           
7835 798 カン うなだる じぎする        
           
           
7836 798 𩓣 シユ            
           
           
7837 798 ガク ひたい ぬか        
           
           
7838 798 ソウ ひたい ぬか        
           
           
7839 798 ガン かお          
           
           
7840 798 テイ ひたい かもい しるす      
ダイ          
           
7841 798 セン まじめがお もつぱら        
           
           
7842 798 𩔞 カン おとがいのうちがわ        
           
           
7843 798 ガン おおあたま ねがう        
           
           
7844 798 テン いただき みね つまずく      
           
           
7845 799 ルイ にる たぐい        
           
           
7846 799 セキ かおをしかめる        
           
           
7847 799 シヨウ おもやつれ          
           
           
7848 799 𩕏 しろし          
           
           
7849 799 顧󠄃 かえりみる おもう        
           
           
7850 799 コウ あたましろし しらが しろし      
           
           
7851 799 𩕘 ヒン            
           
           
7852 799 𩕢 テイ            
           
           
7853 799 セン あたまふるえる わななく びくつく    
           
           
7854 799 𩕎            
           
           
7855 799 ドク            
           
           
7856 799 ケン あたまのかざり あきらか      
           
           
7857 799 顴󠄂 ケン つらがまちのほね        
           
           
7858 800 されこうべ          
           
           
7859 800 ヒン かおをしかめる ひそむ うれう    
           
           
7860 800 フウ かぜ          
           
           
7861 800 ソウ ふきまわすかぜ かぜのこえ      
サツ          
           
7862 800 レツ はげしきかぜ あらし      
           
           
7863 800 ヒョウ            
           
           
7864 800 ユウ            
           
           
7865 800 颶󠄂 つむじかぜ          
           
           
7866 800 ヨウ ふきあげる まいあがる        
           
           
7867 800 コツ はげしきかぜ        
           
           
7868 801 すずしきかぜ はやきかぜ      
           
           
7869 801 ヨウ ふきあげる ゆらめく        
           
           
7870 801 ヘン むまはやし ふねのほ        
ハン          
           
7871 801 リユウ そらふくかぜ こがらし      
           
           
7872 801 ヒヨウ つむじかぜ ふきまわす        
           
           
7873 801 リユウ            
           
           
7874 801 ヒョウ つむじかぜ おおかぜ あらきかぜ      
           
           
7875 801 ヒツ ひゆうひゆうかぜ さむいかぜ      
           
           
7876 801 𩙚 シユク きたかぜ すずしきかぜ      
シヨウ          
           
7877 801 フウ            
           
           
7878 801 𩙤 フウ            
           
           
7879 802 とぶ          
           
           
7880 802 シヨ            
           
           
7881 802 𩙶 カン            
           
           
7882 802 𩙺󠄁 ヨク            
           
           
7883 802 ハン ひるがえる かえつて        
           
           
7884 802 食󠄃 めし くらう はむ やしなう    
ジキ          
シヨク          
7885 802 飤󠄀            
           
           
7886 802 うう うえる        
           
           
7887 802 䬢󠄁 トウ            
           
           
7888 802 ザン            
           
           
7889 802 タク もち          
           
           
7890 802 サン            
           
           
7891 802 飦󠄂 セン かゆ          
カン          
           
7892 803 ソン あいのめし ゆうめし        
           
           
7893 803 ザン            
           
           
7894 803 ザン            
ソン          
           
7895 803 飩󠄂 トン むしもち うんどん        
           
           
7896 803 飪󠄂 ジン よくにえる にえほど        
           
           
7897 803 𩚖󠄁 ジユウ ごもくめし まざる        
           
           
7898 803 飭󠄂 シヨク かたむ おさむ いましむ      
           
           
7899 803 イン のむ          
           
           
7900 803 ハン めし          
           
           
7901 804 飫󠄃 ヨウ さかもり うちわのさかもり たちぐい    
ヨク てがるのさかもり あく    
           
7902 804 𩚷 リユウ            
           
           
7903 804 飴󠄀 タイ あめ あるへい たまう おくる    
           
           
7904 804 𩚳 ハン            
           
           
7905 804 ハン            
           
           
7906 804 くらわす かて やしなう かう    
           
           
7907 804 シヨク のごいきよむ かざる      
           
           
7908 804 飽󠄃 ホウ あく          
           
           
7909 804 飻󠄀 テツ ばかぐい むさぼる        
           
           
7910 804 䬴󠄁 マツ            
           
           
7911 804 飶󠄂 ヒツ こうばし うまそうなにおい      
           
           
7912 804 𩚩󠄁            
           
           
7913 805 こめのもち しんこ だんご きび    
           
           
7914 805 𩛉            
           
           
7915 805 サン ぜんぶ ひるめし        
           
           
7916 805 ヨウ やしなう そだてる かう      
           
           
7917 805 餁󠄁 ジン            
           
           
7918 805 ガイ おくび          
           
           
7919 805 餌󠄆 だんごもち くいもの えさ      
           
           
7920 805 餉󠄃 シヨウ かれい ほしいい        
キヨウ          
           
7921 805 餒󠄃 スイ うう さかなくさる        
           
           
7922 805 うう          
           
           
7923 805 𩛞󠄁 ホウ            
           
           
7924 805 𩛒 ホウ            
           
           
7925 806 餔󠄂 あいのめし ひるめし ゆうのとき      
           
           
7926 806 餖󠄂 トウ たくわう          
           
           
7927 806 餘󠄂 おおし あまり        
           
           
7928 806 餕󠄃 シユン            
           
           
7929 806 餗󠄂 ソク あつもの かゆのたぐい      
           
           
7930 806 餑󠄂 ボツ ながし むぎもち        
           
           
7931 806 𩛥󠄁 サイ ぜんだて はじめ すなわち      
           
           
7932 806 餠󠄂 ヘイ むぎもち うどんこのもち      
           
           
7933 806 餡󠄃 カン なかづめ          
アン          
           
7934 806 餞󠄂 セン はなむけ みおくる        
           
           
7935 807 カン とまりやど やかた ほてる      
           
           
7936 807 󠄃 タイ うう やしなう あざる さかなくさる    
スイ          
         
7937 807 餦󠄂 チヨウ かて ほしいい        
           
           
7938 807 𩜈󠄁 ヨク            
           
           
7939 807 餛󠄂 コン うんどん          
           
           
7940 807 餝󠄂 シヨク            
           
           
7941 807 餫󠄂 ウン でさきへおくるめし べんとう      
           
           
7942 807 𩝉 ヨウ かれいす べんとう        
           
           
7943 807 餲󠄂 テイ めしくさる においつく すえる      
アイ          
           
7944 807 ケン            
カン          
           
7945 807 𩜾 ケン            
カン          
           
7946 807 餱󠄂 コウ ほしいい          
           
           
7947 807 餭󠄀 コウ かて          
           
           
7948 807 𩝮            
           
           
7949 807 アン            
           
           
7950 807 𩜿󠄁 ホウ            
           
           
7951 808 餬󠄂 いそうろう くらう        
           
           
7952 808 餳󠄂 セイ あめついゆ さとう あまみ      
トウ          
           
7953 808 テツ            
           
           
7954 808 𩜯󠄁 シユウ めしむれくさる        
           
           
7955 808 餿󠄁 シユウ めしむれくさる        
           
           
7956 808 餽󠄂 まつりのな おくる とぼし はず    
           
           
7957 808 餻󠄂 コウ くさもち しんこ だんご きみだんご    
           
           
7958 808 餾󠄂 リユウ めしをむらす          
           
           
7959 808 餼󠄂            
           
           
7960 808 𩞑󠄁 フン むれまえのめし        
ホン          
ホツ          
7961 808 饅󠄄 マン まんじゆう          
           
           
7962 808 𩞀󠄁 サン こめいりのあつもの        
           
           
7963 809 饉󠄂 キン うう やさいとれぬ      
           
           
7964 809 𩞃󠄁 シヨウ ひるめし          
           
           
7965 809 𩞁            
           
           
7966 809 𩞂 トウ            
           
           
7967 809 𩝫 シヨウ            
           
           
7968 809 饋󠄃 おくりもの おくる めし      
           
           
7969 809 饌󠄂 セン            
           
           
7970 809 𩞫󠄁            
           
           
7971 809 饎󠄂 さけとめし ごちそう        
           
           
7972 809 饐󠄂 すえる めしくさる        
         
           
7973 809 饍󠄂 ゼン            
           
           
7974 809 饑󠄂 うう みのらぬとし はずれどし    
           
           
7975 809 饒󠄂 ジヨウ あきる おおし あまる ゆたか    
  しあわせよし      
           
7976 810 饊󠄀 サン めしをにつめる        
           
           
7977 810 饖󠄀 カイ めしむれくさる すえる      
           
           
7978 810 ヨウ よくにたもの あじよし あさめし      
           
           
7979 810 トウ むさぼる あくまのな        
           
           
7980 810 饘󠄂 セン こきかゆ          
           
           
7981 810 饗󠄆 キヨウ さかもり もてなす うく      
           
           
7982 810 饛󠄃 ホウ やまもり          
モウ          
           
7983 810 エン あく          
           
           
7984 810 䉵󠄁 セン そなえもの ぜんぶそろえる ほんぜん くいのこし  
サン          
           
7985 811 䭣󠄁            
           
           
7986 811 饡󠄀 サン しるかけめし        
           
           
7987 811 シユ くび はじめ きみ      
           
           
7988 811 ひろこおじ ここのつみち      
           
           
7989 811 𩠕 バツ かみのけ          
           
           
7990 811 ケイ じぎする あたまさぐ        
           
           
7991 811 𩠣 キヨウ            
           
           
7992 811 𩠛 おとがい          
           
           
7993 811 カク くびかく みみとる        
           
           
7994 811 𩠪 ガン            
           
           
7995 811 𩠲 カク            
           
           
7996 811 𢒸 シヨク            
           
           
7997 812 コウ こうばし におい        
           
           
7998 812 ヒツ におい つよきにおい      
フク          
           
7999 812 ボツ つよきにおい        
           
           
8000 812 よきにおい          
           
           
8001 812 フク におう          
           
           
8002 812 ケイ こうばし かおる かおり      
           
           
8003 812 むま うま        
         
           
8004 813 ヒヨウ むまはやし よる        
           
           
8005 813 ギヨ            
           
           
8006 813 ケン いつさいむま        
カン          
           
8007 813 はす になう        
         
           
8008 813            
           
           
8009 813 カン            
           
           
8010 813 ジユン むますなお なれる ならす      
           
           
8011 813 ハク むまのぶち まだら しらべる      
           
           
8012 813 チユウ ほだし          
           
           
8013 813 _ チユウ ほだし          
           
           
8014 813 ジツ てんま むまつぎ        
           
           
8015 813 馿            
           
           
8016 813            
           
           
8017 813            
           
           
8018 814 シユ とどまる たたずむ        
チユ          
           
8019 814 こま          
           
           
8020 814 うまをつける のりもの しのぐ      
           
           
8021 814 くるまのむま よつむま      
           
           
8022 814 そえむま ちかづく        
           
           
8023 814            
         
           
8024 814            
         
           
8025 814 タイ はみゆるむ よわし はなつ      
           
           
8026 814 にぶきむま          
           
           
8027 814 はやし          
           
           
8028 814 ケイ まきば          
           
           
8029 814            
           
           
8030 814 トウ さんさいむま        
           
           
8031 814 リユウ            
           
           
8032 815 駭󠄂 ガイ むまおどろく おびゆ        
           
           
8033 815 ラク しろむま          
           
           
8034 815 駮󠄂 ハク            
           
           
8035 815 𩢲            
           
           
8036 815            
           
           
8037 815 カン あらむま つきかける くら      
           
           
8038 815 ヘイ はす ますぐにかける たいらか    
           
           
8039 815 シン むまはやし はやくすすむ      
           
           
8040 815 タイ つきいたる はげし        
           
           
8041 815 駿󠄂 シユン すぐれうま はやし        
           
           
8042 815 アイ むまいさむ おろか        
           
           
8043 815 ベン ふたつむま ならぶ あわす ちかづく    
           
           
8044 815 うまにのる きへい        
           
           
8045 816 そえむま          
           
           
8046 816 コン よきむま          
           
           
8047 816 ケン            
           
           
8048 816 みだれはす はやし つよし      
           
           
8049 816 ケン むまのはらへこむ へる かける ぬく  
  かかぐ        
           
8050 816 𩥄 テン ひたいしろし          
           
           
8051 816 シツ おむま のぼる さだむ      
チツ          
           
8052 816 𩥂            
           
           
8053 816 騰󠄃 トウ てんま のぼる        
           
           
8054 817 ソウ みだる さわぐ うれう      
           
           
8055 817 リユウ あかむま すぐれむま        
           
           
8056 817 はす おう かる      
           
           
8057 817 ヒヨウ しろかげ かろし        
           
           
8058 817            
           
           
8059 817 サン くるまのみつむま そえむま      
           
           
8060 817 驀󠄂 バク むまにのる にわか まつしぐら      
           
           
8061 817 ダン のうま れんぜんあしげ      
         
タン          
8062 817 キヨウ せたかきむま たかぶる あなどる さかんなり  
           
           
8063 817 驊󠄃 すぐれむま          
           
           
8064 818 キヨウ よきむま たけし        
ジヨウ          
           
8065 818 ケン むまのな しるし ききめ      
           
           
8066 818 驚󠄂 キヨウ おどろく          
           
           
8067 818 エキ はやだより しゆくつぎ        
           
           
8068 818 シユウ うまはやし にわか        
シユ          
           
8069 818 うさぎむま あいのこむま      
           
           
8070 818 うさぎむま          
           
           
8071 818 ロウ おおむま みつる        
           
           
8072 818 ジヨウ むまふしあおぐ むまさかんなり はす  
  のる こゆ      
           
8073 818 𩧐 タク らくだ          
           
           
8074 818 ソウ よきむまのな        
           
           
8075 818 䮿 ケン ぼつくりしやくたり        
           
           
8076 819 驥󠄃 すぐれむま          
           
           
8077 819 驩󠄂 カン むまのな よろこぶ        
           
           
8078 819 くろげむま くろみどり ならぶ      
           
           
8079 819 コツ ほね          
           
           
8080 819 タイ            
           
           
8081 819 骸󠄂 ガイ はぎのほね ほね かばね      
           
           
8082 819 コウ はぎのほね ひざした かぶらや まえぶれ    
           
           
8083 820 カク とりけもののほね こしぼね      
           
           
8084 820            
           
           
8085 820 骾󠄂 コウ さかなのほねのどにたつ こわし      
           
           
8086 820 タイ ふともも          
           
           
8087 820 もものそと          
           
           
8088 820 骿 ベン いちまいあばら かわかたまる たこ  
           
           
8089 820 カク            
           
           
8090 820 かたのほね          
           
           
8091 820 𩪦 ズイ            
           
           
8092 820 ハク かたのほね かいがらぼね      
           
           
8093 820 髈󠄂 ホウ わきばら          
           
           
8094 820 _ リヨ            
           
           
8095 820 コウ ほね          
           
           
8096 821 ドク あたまのほね されこうべ      
           
           
8097 821 ロウ あたまのほね されこうべ      
           
           
8098 821 𩪗 ケツ しりのほね          
           
           
8099 821 𩪡 ゴウ かにのて          
           
           
8100 821 𩪋 テン しり          
           
           
8101 821 カイ けよせ こうがい もとゆい      
           
           
8102 821 タイ からだ          
           
           
8103 821 ヒン ひざがしら ひざのさら        
           
           
8104 821 ズイ ほねのなかのあぶら のうみそ      
           
           
8105 821 髖󠄂 カン いざらい          
           
           
8106 821 𩪠 ヨウ むね          
           
           
8107 821 𩪼 カン ほおぼね          
           
           
8108 821 あたまのほね          
           
           
8109 822 コウ いえたかし たかし        
           
           
8110 822 コウ いえたかし たかし        
           
           
8111 822 𩫖 カク            
           
           
8112 822 𩫧 エン            
           
           
8113 822 𩫨 ジヨウ            
           
           
8114 822 ヒユウ かみのけながし ごましおあたま    
ヒヨウ          
           
8115 822 コン かみをそる ぼうず        
           
           
8116 822 テイ そえがみ かもじ        
           
           
8117 822 ホウ さもにたり          
           
           
8118 822 コン            
           
           
8119 822 カイ もとどり ゆいかみのね      
           
           
8120 822 ゼン            
           
           
8121 823 ボウ かみのけのつよきもの たてがみ とし    
           
           
8122 823 キユウ うるしぬる          
           
           
8123 823 そえがみ かつら かもじ      
           
           
8124 823 ホウ たれがみ          
           
           
8125 823 ホツ さもにたり          
           
           
8126 823 𩬚 カン かもじ          
           
           
8127 823 ハツ かみのけのね かみのけ      
           
           
8128 823 うわひげ くちひげ        
           
           
8129 823 カツ かみゆう くしあげ もとどり      
           
           
8130 824 ほおひげ          
           
           
8131 824 ホウ            
           
           
8132 824 ジヨウ            
           
           
8133 824 𩬶 つらぬ          
           
           
8134 824 ケツ かみゆう くしあげ もとどり      
ケイ          
           
8135 824 キヨク ちぢれげ          
           
           
8136 824 テイ かみをそる ぼうずになる      
           
           
8137 824 𩭊 キヨク ちぢれげ          
           
           
8138 824 髿 かみのけたる        
           
           
8139 824 ホウ            
           
           
8140 824 ケツ            
           
           
8141 824 テキ そえがみ かつら かもじ      
テイ          
           
8142 824 ソウ            
           
           
8143 824 ケン かみのけうつくし        
           
           
8144 824 チユウ かみのけおおし        
           
           
8145 825 ソウ かみみだれたるかたち        
           
           
8146 825 𩭦            
           
           
8147 825 ホウ けみじかきかたち ごぶがり        
           
           
8148 825 ソウ            
           
           
8149 825 かみのけおつ すずしろ のこりげ けしぼうず  
  おけし        
           
8150 825 シン びんのけ みだれがみ        
           
           
8151 825 たてがみ ひれ        
         
           
8152 825 シン かみのけおおし くろかみ こまか ひとえ  
           
           
8153 825 𩮜 エキ かみをそる          
           
           
8154 826 キユウ うるしぬる          
           
           
8155 826 マン かみながし くびかざり        
           
           
8156 826 𩮰 ジヨウ みだれがみ          
           
           
8157 826 かみをつかぬ そくはつ      
           
           
8158 826 サン かみみだる          
           
           
8159 826 ソウ ごぶがり          
           
           
8160 826 𩯝 リヨウ            
           
           
8161 826 カイ            
           
           
8162 826 ヒン びんずら          
           
           
8163 826 シユ くちひげ          
           
           
8164 826 ネイ かみみだる          
           
           
8165 826 カン もとどり つかねる みみずら あげまき    
           
           
8166 826 リヨウ かみのけたつ ひげ たてがみ    
           
           
8167 827 トウ たたかう          
           
           
8168 827 トウ さわがし みだる        
           
           
8169 827 コウ たたかう ときのこえ        
           
           
8170 827 ゲキ せめぐ うつたう        
           
           
8171 827 鬭󠄃 トウ あう たたかう        
           
           
8172 827 𩰝 ヒン たたかいつづく もつれる まぎらわし まうさま  
           
           
8173 828 𩰟 フン たたかいつづく みだる もつれる    
           
           
8174 828 コウ あらそいとる くじ        
キユウ          
           
8175 828 チヨウ においざけ ゆみぶくろ        
           
           
8176 828 𩰤 キヨ            
           
           
8177 828 𩰦 シヤク            
           
           
8178 828 𩰪 ウツ においぐさ          
           
           
8179 828 ウツ            
           
           
8180 828 ゲキ うつわのな かなえのたぐい      
           
           
8181 829 𩰫            
           
           
8182 829 𩰬            
           
           
8183 829 𩰱 シヨウ にる にくたらす        
           
           
8184 829 ケン こしき          
           
           
8185 829            
           
           
8186 829 𩰾 フツ ゆわく にえたつ        
           
           
8187 829 ジユク かゆ うる ひさぐ やしなう    
イク          
           
8188 829 𩱓            
           
           
8189 829 𩱡 セン かゆ          
カン          
           
8190 829 シヤ にる          
           
           
8191 829 𩱧 コウ あつもの          
           
           
8192 829 𩱫 ソク            
           
           
8193 829 𩱲 シヤク ゆがく ゆでる        
           
           
8194 829 𩱷 ベツ かゆ          
           
           
8195 830 みたま おに        
           
           
8196 830 カイ えしやく かしら さきがけ      
           
           
8197 830 コン たましい          
           
           
8198 830 ぬし もののけ こだま      
           
           
8199 830 ハク たましい かす こはく さみし みつる  
           
           
8200 830 バツ ひでりのかみ        
           
           
8201 830 えやみのかみ        
           
           
8202 830 リヨウ ぬし せいれい こだま      
           
           
8203 830            
           
           
8204 831 ホウ ぬし せいれい こだま      
           
           
8205 831 やまのかみ けもの        
           
           
8206 831 魔󠄃 あくま          
           
           
8207 831 𩴓 おびゆ おにやらい なやむ かたし    
         
           
8208 831 𩴪 おにのならわし        
           
           
8209 831 エン おそわる うなされる        
           
           
8210 831 ギヨ うお さかな        
           
           
8211 832 トウ たちのうお          
           
           
8212 832 ケツ うおをさく          
           
           
8213 832 𩵎 ギヨ            
           
           
8214 832 タク たら          
           
           
8215 832 さめ すなふき        
           
           
8216 832 ギヨ            
           
           
8217 832 ゲン            
           
           
8218 832 ホウ            
           
           
8219 832 コウ おおがい          
           
           
8220 832 ホウ おあかうお まながつお        
           
           
8221 832 𩶑 おろか にぶし        
           
           
8222 832 テン なまず あゆ        
           
           
8223 833 おおもだま おおなまず        
           
           
8224 833 なまずのたぐい すなふき      
           
           
8225 833 たちのうお いじける        
           
           
8226 833 コン            
           
           
8227 833 C セイ            
           
           
8228 833 ハク しろお しらうお        
           
           
8229 833 バツ            
           
           
8230 833 ふな          
           
           
8231 833 タイ ふぐのたぐい としより      
           
           
8232 833 ホウ しおづけうお ほしうお くさきうお      
           
           
8233 833 すし          
           
           
8234 834 さめのたぐい しび      
           
           
8235 834 ケイ ふぐ さけ        
           
           
8236 834 鮫󠄅 コウ さめのたぐい        
           
           
8237 834 セン うおのな あざやか あらた すくなし    
           
           
8238 834 さかなのこ からすみ        
           
           
8239 834 うおのししびしお つけうおひれ    
           
           
8240 834 シユク こしび          
           
           
8241 834 鯁󠄂 コウ さかなのほね つかえる      
           
           
8242 834 シヨウ たこ          
           
           
8243 834 アイ くさる          
           
           
8244 835 こい          
           
           
8245 835 コン うおのな ひとのな        
           
           
8246 835 𩷑 エン            
           
           
8247 835            
           
           
8248 835            
           
           
8249 835 鮿 シヨウ あまぼしのひもの        
           
           
8250 835 ソウ しらお しらすぼし こびと      
           
           
8251 835 なよし いな ぼら      
           
           
8252 835 鯖󠄃 セイ さば あおさば        
           
           
8253 835 アイ くさる          
           
           
8254 835 コン            
           
           
8255 835 シユク            
           
           
8256 835 鯛󠄄 チヨウ うおのほねもろし たい      
           
           
8257 835 エキ うなぎ するめ        
           
           
8258 836 ゲイ くじら          
           
           
8259 836 ゲイ にんぎよ くじらのめす        
           
           
8260 836 ネン なまず          
           
           
8261 836 うおのな うおのこ        
           
           
8262 836 セイ なまぐさし さけ        
           
           
8263 836 レン うおのな にしん        
           
           
8264 836 さかなのな えび        
           
           
8265 836 シユウ どじよう          
           
           
8266 837 ソク いか ちぬ ふな      
           
           
8267 837 チヨウ かれい          
           
           
8268 837 フク あわび          
ホク          
           
8269 837 シユウ どじよう かじか        
           
           
8270 837 鰐󠄂 ガク わに          
           
           
8271 837 鰋󠄁 エン なまずのたぐい        
           
           
8272 837 コウ おおぶちうお おおえび      
           
           
8273 837 はそ はす ひら ひらこのしろ うみひめ  
           
           
8274 837 チン おこぜ          
           
           
8275 838 カン うおのな やむ あわれなひと やもめ  
           
           
8276 838 キヨ            
           
           
8277 838 いか          
           
           
8278 838 トウ            
           
           
8279 838 ヨウ とびのうお          
           
           
8280 838 ひれ          
           
           
8281 838 オン いわし          
           
           
8282 838 リユウ うおのな          
           
           
8283 838 𩹾 トウ こめ えい        
           
           
8284 838   いわし          
           
           
8285 838 ぶり          
           
           
8286 838 ゴウ うおのな          
           
           
8287 839 ソウ なまぐさし あじ        
           
           
8288 839 ケン かつお          
           
           
8289 839 鰻󠄃 マン うなぎ          
           
           
8290 839 シユウ どじよう          
           
           
8291 839 ソン ます          
           
           
8292 839 シユウ            
           
           
8293 839 鱏󠄂 タン さめのたぐい        
           
           
8294 839 ケイ あさじ          
ケツ          
           
8295 839 リン いろこ うろこ        
           
           
8296 839 シヨウ たこ          
           
           
8297 839 ベツ            
           
           
8298 839 ハツ            
           
           
8299 839 𩻙 ガク            
           
           
8300 840 セン わにのたぐい うなぎのたぐい    
           
           
8301 840 ソウ            
           
           
8302 840 カイ            
           
           
8303 840 カイ            
           
           
8304 840 テン こい さめのたぐい じやうなぎ うみへび  
           
           
8305 840 シユウ ほしうお ひもの        
           
           
8306 840 レイ もだま はむ はも      
           
           
8307 840 シヨウ うおのな          
           
           
8308 840 たなご          
           
           
8309 840 もだま          
           
           
8310 840 ガク            
           
           
8311 840 すずき          
           
           
8312 841 うなぎ          
           
           
8313 841 セン あたらしきうお あらた      
           
           
8314 841 𩽵 レイ はも          
           
           
8315 841 チヨウ おながどり とり        
           
           
8316 841 鳦󠄂 イツ つばめ          
           
           
8317 841 トウ よしきり          
           
           
8318 841 𩾛 キユウ はと あつまる        
           
           
8319 841 かも あひる        
           
           
8320 842 かつこうどり          
           
           
8321 842 メイ なきごえ なく なる      
           
           
8322 842 エン とび          
           
           
8323 842 コウ            
           
           
8324 842 ホウ とりのな おおとり とも      
           
           
8325 842 𩿈 フン とりあつまる とぶかたち にぶくとぶ      
           
           
8326 842 ホウ とりのな とき        
           
           
8327 842 ケツ みそさざい もず        
ゲキ          
           
8328 843 チン どくとり どくやく        
           
           
8329 843 ガン あひる          
           
           
8330 843 鴉󠄃 からす          
         
           
8331 843 ホウ みぞこ          
           
           
8332 843 キヨウ みそさざい みみずく        
           
           
8333 843 とびのたぐい たかのたぐい    
           
           
8334 843 ははちよう          
           
           
8335 843 オウ かも          
           
           
8336 843   しぎ          
           
           
8337 843 エン おし          
           
           
8338 843 オウ おし          
           
           
8339 844 𪀉 かりのたぐい がちよう      
           
           
8340 844 タン よなきどりのな        
           
           
8341 844 シヨ かくがのとり みさご        
           
           
8342 844 レイ せきれい          
           
           
8343 844 とりのな          
           
           
8344 844            
           
           
8345 844 ホウ            
           
           
8346 844            
           
           
8347 844 コウ            
           
           
8348 844 イツ とりとぶ          
           
           
8349 844 𪀝 エン たかのたぐい みさご      
           
           
8350 844 コウ くぐい おおとり はくちよう ひしくい    
           
           
8351 844 キユウ みみずく          
           
           
8352 844 しめ          
           
           
8353 844            
           
           
8354 844 テイ            
           
           
8355 845 𪀖 シユウ しまつどり          
           
           
8356 845 ジヨ うずら          
           
           
8357 845 コウ ごいさぎ あおさぎ        
           
           
8358 845 鴿 コウ いえばと          
           
           
8359 845 ジン            
           
           
8360 845 うずら          
           
           
8361 845 チユウ はとのたぐい なきばと ぶちばと    
           
           
8362 845 ケン ほととぎす          
           
           
8363 845 ヨク ははちよう          
           
           
8364 845 テイ がらんちよう        
           
           
8365 845 みみずく          
           
           
8366 846 鵠󠄃 コク こうのとり くぐい        
           
           
8367 846 ゲキ            
           
           
8368 846 がちよう あひる        
           
           
8369 846 𪁌 ゲキ            
           
           
8370 846 ボツ じゆずかけばと        
           
           
8371 846 𪁨 オウ かも          
           
           
8372 846 カク いかるが          
           
           
8373 846 おうむ          
           
           
8374 846 ジユン うずら はやぶさ        
           
           
8375 846 みみずく          
           
           
8376 846 クツ ぶちばと じゆずかけばと      
           
           
8377 846 シン ふふどり かつこう じゆずかけばと    
スイ          
           
8378 847 セイ ごいさぎ あおさぎ        
           
           
8379 847 ジヤク かささぎ          
           
           
8380 847 みやまがらす ひえどり      
           
           
8381 847 みみずく          
           
           
8382 847 鵬󠄃 ホウ            
           
           
8383 847 フク みみずく          
           
           
8384 847 きじににたとり ぬえ      
           
           
8385 847 クウ ぬえ          
           
           
8386 847 ゲキ            
           
           
8387 847 G チヨウ            
           
           
8388 847 コン            
           
           
8389 847 キヨ            
           
           
8390 847 からす          
           
           
8391 847 𪃦 ビヨウ みそさざい          
           
           
8392 847 コウ しやもににたとり        
           
           
8393 847 ガク            
           
           
8394 848 ウン しやも おおとり        
コン          
           
8395 848 ゲキ もず          
           
           
8396 848 ソク せきれい          
           
           
8397 848            
           
           
8398 848 ボク あいがも あひる        
           
           
8399 848 ボウ みみずく          
           
           
8400 848 ジユウ ちいさきとりのな        
           
           
8401 848 ソウ とりのな かねのこえ たまのこえ ちようせんうぐいす  
           
           
8402 848 オウ とりのはねのあや うぐいす      
           
           
8403 848 スウ ひな          
           
           
8404 848 I カク つる たず        
           
           
8405 848 カク しろし          
           
           
8406 849 テイ にお          
           
           
8407 849 ゲキ            
           
           
8408 849 𪄟 セン            
           
           
8409 849 シン つみ はやぶさ        
           
           
8410 849 シヤ しやこどり          
           
           
8411 849 オウ かもめ うみかも        
           
           
8412 849 たかのたぐい あらとり      
           
           
8413 849 𪆪 コク ひな          
           
           
8414 849 𪄿 ダン            
ナン          
           
8415 849 エイ かものたぐい        
           
           
8416 849 シユウ とりのな わし        
           
           
8417 849 𪆂 キヨ せきれい          
           
           
8418 849 𪅾            
           
           
8419 850 ヨウ たか すずめだか        
           
           
8420 850 𪃿            
           
           
8421 850 ゲキ みずとりのな ふねがしら      
           
           
8422 850 ケイ            
           
           
8423 850 セキ せきれい          
           
           
8424 850 鷀󠄄          
           
           
8425 850 リユウ るりちよう ふくろう        
         
           
8426 850 ケン とりとぶかたち        
           
           
8427 850 コツ はと たかのたぐい      
           
           
8428 850 カン あかききじ きじのこえたかし      
           
           
8429 851 シヨウ さざき みそさざい たくみどり      
           
           
8430 851 リヨウ よしはらすずめ よしきり みそさざい    
           
           
8431 851 𪆃 タン たか くまたか        
           
           
8432 851 ケツ たかのたぐい        
           
           
8433 851 ベツ あかきじ          
           
           
8434 851 カン みみずく しろきじ        
           
           
8435 851 𪆃 タン たか くまたか        
           
           
8436 851 イツ かわせみのたぐい おおしぎ      
           
           
8437 851 さぎ          
           
           
8438 852 ヨウ たか          
           
           
8439 852 カク やまかささぎ おながどり      
           
           
8440 852 鷿 ヘキ にお          
           
           
8441 852 セン つみ はやぶさのたぐい      
           
           
8442 852 テイ みそさざい          
           
           
8443 852 エイ よきとりのこえ うぐいす      
オウ          
           
8444 852 𪇒 セイ せきれい          
           
           
8445 852 みやまがらす        
           
           
8446 852 とびねずみ ぬささび ももんが      
           
           
8447 853 テキ やまきじ          
           
           
8448 853 𪇮 セン            
           
           
8449 853 しまつどり        
           
           
8450 853 エン つばめ          
           
           
8451 853            
           
           
8452 853 オウ ものいいどり おうむ      
           
           
8453 853 鸛󠄂 カン はしこきとりのな まと      
           
           
8454 853 うぐいす          
           
           
8455 853 ラン くしきとり          
           
           
8456 854 しおだ しおはま        
           
           
8457 854 カン しお にがしお        
           
           
8458 854 ケン しおみず あく しやぼん      
           
           
8459 854 エン しお          
           
           
8460 854 鹿 鹿 ロク しか          
           
           
8461 854 鹿 麀󠄂 ユウ めじか          
           
           
8462 854 鹿 ホウ おおしかのな いちご くさぎる    
  とりのけいろかわる      
           
8463 855 鹿 キン            
           
           
8464 855 鹿 シユ おおしか ほつす        
           
           
8465 855 鹿 𪊛 ユウ            
           
           
8466 855 鹿            
           
           
8467 855 鹿 おおしか          
           
           
8468 855 鹿 𪊨󠄀 おおしか ちからあるしか      
           
           
8469 855 鹿 キン のろ つかぬ        
           
           
8470 855 鹿 あつまる のろのおす        
           
           
8471 855 鹿 リン きりんのめす        
           
           
8472 855 鹿 レイ しかあつまる ならぶ うつくし    
         
           
8473 855 鹿 キヨウ            
           
           
8474 856 鹿 きりん          
           
           
8475 856 鹿 ロク ふもと やまもり        
           
           
8476 856 鹿 ゲイ しし しかのこ        
           
           
8477 856 鹿 おじか          
           
           
8478 856 鹿 ベイ かご しかのこ        
         
           
8479 856 鹿 ジヤ においのけもの        
           
           
8480 856 鹿 𪋎 ユウ            
           
           
8481 856 鹿 麞󠄂 シヨウ のろ おおしか        
           
           
8482 856 鹿 リン おおめじか きりん        
           
           
8483 856 鹿 キヨウ ひとつつののしか おおつの      
           
           
8484 856 鹿 しかのまばら あらし      
           
           
8485 857 バク むぎ          
           
           
8486 857 メン むぎこ うどんこ        
           
           
8487 857 𪌋 トン            
           
           
8488 857 こむぎのふすま        
           
           
8489 857 ライ            
           
           
8490 857 マツ むぎこ こめのこ        
           
           
8491 857 ボウ おおむぎ          
           
           
8492 857 キク こうじ          
           
           
8493 857 ゴウ            
           
           
8494 857 𪍓 ボウ            
           
           
8495 857 𪍛 セツ むぎぬか          
           
           
8496 857 むぎをする むぎをしらげる      
           
           
8497 858 麻󠄃 あさいと あさ        
           
           
8498 858 ちいさし          
           
           
8499 858 さしまねく          
           
           
8500 858 黂󠄁            
           
           
8501 858 コウ つちのいろ きいろ        
           
           
8502 858 コウ つちのいろ きいろ        
           
           
8503 858 テン うすき たまごいろ        
           
           
8504 858 ケイ よききいろ さえたき        
           
           
8505 858 あおきいろ うすもえぎ        
           
           
8506 858 黋󠄂 コウ            
           
           
8507 858 ケン あかき かばいろ なれあなどる    
           
           
8508 858 タン くろみあるき          
           
           
8509 858 コウ まなびどころ        
           
           
8510 859 シヨ きび          
           
           
8511 859 𪏯 レイ くつのり あつまる あらつち なし くろし  
           
           
8512 859 ジツ ねばりつく ひつつく        
           
           
8513 859 ネン ねばる のり        
           
           
8514 859 𪏻            
           
           
8515 859 𪏽 コウ            
           
           
8516 859 K K コク くろ          
           
           
8517 859 K コク くろ          
           
           
8518 859 K タン あか けがれ きくろ      
           
           
8519 860 K ケン くろし          
キン          
           
8520 860 K 𪐤 ユウ いぼ          
           
           
8521 860 K ボク いぬあとをおう くろし だまる    
モク          
           
8522 860 K テン くろぼし ちよぼ けがる      
           
           
8523 860 K チユツ しりぞく          
           
           
8524 860 K 黛󠄃 タイ まゆずみ          
           
           
8525 860 K ユウ あおみあるくろ しげる      
           
           
8526 860 K 𪐲 シン くろかみ          
           
           
8527 860 K カツ かたまりくろし わるがしこい    
           
           
8528 860 K エイ くろぎ うもれぎ        
           
           
8529 860 K 𪑄            
           
           
8530 860 K シユク あおくろ はやし        
           
           
8531 861 K トウ あざやかならぬ とも みうち    
           
           
8532 861 K 𪑣 デン おどみかす くろし        
           
           
8533 861 K ゲイ かおのいれずみ        
           
           
8534 861 K 黯󠄂 アン まつくろ          
           
           
8535 861 K タン くわのみのいろ わたくし けがる    
           
           
8536 861 K タイ            
           
           
8537 861 K バイ かび よごれのほし      
           
           
8538 861 K エン かおのほくろ ほくろ      
           
           
8539 861 K サン きくろ いろぐろ        
           
           
8540 862 K ロク あかをふくむ けがさる はずかしめらる  
  みだる        
           
8541 862 K くろし くろめ        
           
           
8542 862 ぬいとりきぬ        
           
           
8543 862 フツ くろとあおのもよう        
           
           
8544 862 𪓋 ベイ            
           
           
8545 862 くろとしろのもよう おののもよう ついたて  
           
           
8546 863 𪓑 𪓑 ボウ かわず つとむ        
           
           
8547 863 𪓑 黿 ゲン おおすつぽん いもり      
           
           
8548 863 𪓑 シユク ひきがえる          
           
           
8549 863 𪓑 チヨウ かいるのたぐい あさ      
           
           
8550 863 𪓑 かえる かわずのたぐい      
           
           
8551 863 𪓑 シユ くも          
           
           
8552 863 𪓑 ゴウ うみがめ おおかめ        
           
           
8553 864 𪓑 くも          
           
           
8554 864 𪓑 ベツ べつこう すつぽん わらび      
           
           
8555 864 𪓑 だりよう わにのたぐい      
           
           
8556 864 テイ かなえ ただし        
           
           
8557 864 たいこ つづみ        
           
           
8558 865 ソク つづみうつ          
           
           
8559 865 鼖󠄂 フン おおつづみ おおだいこ        
           
           
8560 865 トウ でんでんだいこ ふりつづみ      
           
           
8561 865 ヘイ むまのうえでたたくつづみ こつづみ せめつづみ    
           
           
8562 865 エン ふりつづみのこえ        
           
           
8563 865 鼛󠄃 キユウ おおだいこ おおつづみ        
           
           
8564 865 セキ よまわりだいこ        
           
           
8565 865 トウ たいこのこえ どうんどうん      
           
           
8566 865 ねずみ          
           
           
8567 866 鼢󠄂 フン むぐらもち          
           
           
8568 866 チヨウ てん          
           
           
8569 866 ユウ いたち          
           
           
8570 866 セキ おかつぎ けら        
           
           
8571 866 おかつぎ むささび ももんが      
           
           
8572 866 エン うごろもち むぐろもち        
           
           
8573 866 鼻󠄃 鼻󠄃 はな はじめ        
           
           
8574 867 鼻󠄃 キユウ かぜひき はなふさがる      
           
           
8575 867 鼻󠄃 カン ねいき おおいびき        
           
           
8576 867 鼻󠄃 シユウ かぐ          
           
           
8577 867 セイ ほでそらう ひとし ととのう ものいみ    
サイ          
           
8578 867 サイ ものいみ いさぎよくす つつしむ      
セイ          
           
8579 867 𪗉 きび          
           
           
8580 868 齍󠄁 おもりもの そなえもの そなえもののうつわ    
           
           
8581 868 䭣󠄁            
           
           
8582 868 𪗍 セイ ひとし          
           
           
8583 868 セイ もたらす          
           
           
8584 868            
           
           
8585 868 𪗑 サイ            
           
           
8586 868 よわい        
           
           
8587 868 シン こどものはぬけかわる いとけなし      
           
           
8588 869 𪗙 カン でば はあらわる        
           
           
8589 869 コツ かみきる かじる        
           
           
8590 869 カイ はぎしり          
           
           
8591 869 キン はぐき はをむきだす      
           
           
8592 869 レイ よわい とし        
           
           
8593 869 ボウ ぬけば          
チヨウ          
           
8594 869 くいちがう          
           
           
8595 869 サク かむ          
           
           
8596 869 キツ かむ          
           
           
8597 869 むしば          
           
           
8598 869 𪗾 ケツ はのかたきこえ かみならす      
           
           
8599 869 ケン かけば まがりは        
           
           
8600 869 コウ ほねをかむ かむ        
           
           
8601 870 はあわぬ くいちがう        
           
           
8602 870 ソク あくせく          
           
           
8603 870 かむ          
           
           
8604 870 サク かむ くらう        
           
           
8605 870 ゴウ やえば はならびあしし      
           
           
8606 870 アク あくせく ちよこまかする いじいじする    
           
           
8607 870 齶󠄂 ガク はぐき          
           
           
8608 870 サク かみあわせ かむ        
           
           
8609 870 カツ かけば          
           
           
8610 870 龍󠄇 リヨウ たつ          
リユウ          
           
8611 871 キヨウ つつしむ うやうやし        
           
           
8612 871 𪚕 ガン りようのかたち とる ずし    
           
           
8613 871 龔󠄂 キヨウ そなう たらす        
           
           
8614 871 龜󠄃 龜󠄃 かめ          
           
           
8615 871 龜󠄃 𪚰 シヨウ うらかたみえぬ やく      
           
           
8616 871 ヤク ふえのな          
           
           
8617 872 こえととのう ちようしあう やわらぐ むつまし    
           
           
8618 872 スイ ふえふく          
           
           
8619 872 カイ こえととのう やわらぐ        
           
           
8620 872 よこぶえ