丹沢地獄山登り(塔の岳編


4月30日友人と丹沢へ山登りに出掛けました!



 今中高年の間でブームの山登りに今回友人と挑戦してきました。友人は多少経験有りですが、なにせ私は山登り初心者。またもや無知という恐ろしい武器を片手に挑んできました。
さて、なぜ今回丹沢に行こうとなったかと言えば、4月中旬に会社で募集していた丹沢山開きに誘われて行ったのが、事の始まりでした。その日は、雨天の為さっさと帰宅しましたが、そのとき私の好奇心がちょろっと顔を出したのです。「山登りってどんなんだろ?」と。この時の私のイメージは、ずばりハイキングだったのです。その後、また行こうとなり、山に入るまでずっと「整備された道をたらたら歩いて行くだけだろ、楽勝ー!」という具合だったのです・・。何せ近場だし、たかが丹沢。アスレチックにいったこともあるもんねーってな具合だったのです。・・・無知ってこわいっすね。ははは。
とりあえず前回の経験から、雨具を購入し、防寒になるかわからんトレーナーと弁当、とりあえずバンドエイドなどを持って出掛けることにしました。
8時に渋沢の駅で待ち合わせ。そこで食べ物を仕入れ出発です。渋沢の駅から今回登り始めの大倉までは、バスが出ています。このバスに乗る人はほぼ登山客でしょう。おじさん、おばさんが大きな荷物を持って続々と乗り込んで来ます。15分ほどで大倉に到着。みなさん、準備運動をしたり着替えをしたりと準備に余念がありません。そんな中、なにも分からない私達は、写真を撮ったりしながらだらだらとみんなが行くほうへ歩き始めました。ここでほんとは、登山者カードを書いて置かなければいけなかったと思うのですが、箱はあれども紙はなく、結局書かずじまい。後で考えると怖いですね。だって家族には言っていてもどこの山に入ったかわかんないじゃないですか!(無知その1)
最初は林道のような杉林に囲まれた道をてくてく登って行きます。しかし、もうここで心臓がばくばく、息がはあはあ・・・。あれ、おかしいなーと思いつつひたすら歩くことに専念します。息があがって汗もだらだら、でも休憩すると途端に寒くなるということを繰り返しながら登ります。この日風がかなりあって、汗をかいたままのところに風があたると、そこからどんどん冷えていくということだったんでしょう。またなかなか乾かない綿製品を着ていたので。
丸太の階段がまるで永遠に続くかのような場所が結構あり、これは普通の泥道を歩くより困難でしたね。自分の歩幅を取れないので歩きづらいのです。大倉から塔の岳まではずっとそんなかんじでした。でもまだ登っている時は、景色を眺める余裕はありました。上に行くにつれ、雪景色の富士山が見えたり、遠くを見渡せば、江ノ島から小田原方面の海が一望できたりと、おおここまで登ってきてよかったよー的な景色を堪能できます。富士山をカメラで撮っていると、一人で来たらしい女の人が「一緒に撮って上げるよ。」と言ってくれました。またここでは野生のシカを見ることもできました。お尻がプリティーでしたよ。
しかし、ここまでで私は体力の半分以上は使い果たしたなと自分では思っていました。途中から足の腿がすごく痛くなり、ザックの背負い方が悪いのか、腰も痛い。果たして下りの体力残ってるのかと正直自分でも不安だったもん。えへ。
そして、塔の岳一歩手前の花立山荘にて早めの昼食をとることにしました。私達は、早起きして弁当を作る余裕もなく(最初から作る気なしともいう)コンビニ弁当をぱくついてましたが、一緒のテーブルについたおばさんは、がさごそ荷物を捜してるしてると思ったら、ミニガスバーナーのようなものをセットし、お湯を沸かし始めました。この山荘、見晴らしはサイコーですが、風がぴゅーぴゅーふいて異様に寒い!そんな中暖かいものが食べたいなぁと思っていたところにそのおばさんが!
お湯をわかして持参のコップにインスタント味噌汁をいれお湯を注げばあったか汁物いっちょあがり!
・・・うらやましい、すごいおいしそう。。。結局我慢できず、そこの山荘でコーヒーを飲んで満足し、いよいよ塔の岳山頂へアタックです!
ここからも急な階段が延々と・・・。立ち止まって休憩する回数が格段に増えます。友人は、一気にあがらないとつらいということで先に行ってもらいます。彼女はタフです。って私の体力が人よりないってことかしら・・。だって少し上がると息がはあはあ、心臓ばくばくでまた立ち止まってもずっと、心臓のドキドキが収まらないというね、もう中年かっていう・・・。しかし、中年を侮ってはいけないんですねぇ。私なんかよりよっぽど軽快に登って行きますもん。何人に追い抜かれたことか。また、後ちょっとで頂上だと思っても体がいうこときかないんですよね。まいりましたよ、ほんとに。
そして、やっとやっと塔の岳へたどり着きました。人、いっぱいいました。さすがブームですね。ってそんなことより、私を座らせてくれって感じで感慨もなにもあったもんじゃない。
ふーー、大変だったね。すごい景色きれいだね、なんて言っていると、さっき山荘で見かけた茅ヶ崎から来たらしいおじさんに「写真撮らないの?カメラ持ってきてない?」と言われて、ありますとか言うと「じゃあ二人で撮ってあげるよ。」と写真撮ってくれました。親切だ。このおじさん、私達が下の山荘で寒いね、なんて言いながらコーヒーを飲んでた時に、暑い暑い言いながらかき氷を食ってた人で、その後も途中の階段で、「ここはきついね。」なんて会話があった人でした。ありがとう、おじさん!
そして、13時を回ったので山を降りることに。最初の計画では三の塔まで行ってそこから、下るということになっていました。
下りは息切れはしないものの、滑るという恐怖が!私は滑るということを異常に怖がるという性質があり、精神的な疲労が・・。とりあえず、何度かすっ転びながら尾根を伝って行きます。途中休憩していたら、ラジオを持ってるおじさんがいて、そのラジオからはど演歌がちゃらり〜♪と流れはじめました。さわやかな山がいきなり夜の酒場へ・・・。おじさんは、演歌を道連れに去って行きました。
さて、新大日の頭を過ぎて、書策小屋まで来たとき、下から登ってくるおじさんに出くわしました。何気なく「これから戸沢いくの?じゃあここ下っていけばいいよ。」と教えてくれました。そして、私達が三の塔へ行くと言うと、「あれが三の塔だよ。」と指した先はかなり遠い・・・。どうしよう、こっちの方が近いよ。と相談の上、おじさんが教えてくれた道を下ることにしたのです。このおじさんこそ、後に私達を助けてくれる大恩人だったのです!
今まで歩いてきた道とはかなり違い、人が一人通れるくらいの道を下に向かいます。獣道のようで怖い。迷わないかななど、初心者の私にはかなりプレッシャーに。下るにつれ、ほとんど崖かっていうくらいのところあり、ロープ伝いのところあり、丸太の階段ありで、「ええーん、こんなはずじゃなかった。」と心で泣くばかり。そんな状況でも友人は、かなり楽しんでいる模様。身軽だし。この差はなに!?
下に行くにつれ、川の音が聞こえてきます。あれ、川を越えるの?え、あんな岩場におりるのぉ〜!?と最初の山登りのイメージが間違っていたため、このショックは大きい。友人は、結構平気そうでしたが、私はやだ。ということでまた上に戻ることに。あんな苦労して下ってきたのに・・・。でもあの恐怖よりはましと言い聞かせてもと来た道を、ひき返しだしました。すると、上から女の人が降りてきて、これから戸沢に行くという話しです。その人もここは初めてで、行き方を教えてもらったと言っていました。なんだか滝の裏を通るとか。え?滝のうら?いよいよサバイバル。そんなんやだよー。「一緒に行きます?」と聞いてくれたけど、遠慮させてもらいました・・。その時、時間がないからということをしきりに行っていたので、なんだタイムレースでもしてるのかとまたもやお馬鹿なことを!後で諭されたところによると、下山した先のバスの時間はちゃんと調べないといけなかった。お姉さんにあったのは、15時30分過ぎ。その時点でヤビツ峠のバスはなかったのでした。ヤビツにないと蓑毛まで行かないとだめらしい。ってちゃんと調べな さいよ、あんた。・・・そこまで頭回りませんでした、私。だってバスはいつもあると思ってたんだもの。シクシク・・・(無知その2)
お姉さんと別れた後、またしばらく登り続けると、さっき戸沢から登ってきたおじさんが、また下ってきました。おじさんも覚えていたらしく、また戻るの?と聞かれ、川があってとかいうと、そりゃあって当たり前みたいな顔をされてしました。いろいろルートを教えてくれましたが、結局おじさんと一緒に戸沢に向かうことになりました。なんと同じ道を往復するという、なんとも体力の無駄遣いをしながら川まで戻ります。この時点で、私の足はかなり限界にきていました。俗に言う「ひざが笑う」状態です。足を踏ん張ろうとしても力がはいらず、ヘタするとがくっと転がりそうになります。足首ももちろん力が入らないので、ずるずる滑る回数が多くなります。別に平地を歩く分には、特に危険はありませんが、一歩間違えれば沢にまっさかさま。ひぇーーーーーー。あたし、ここで死んじゃうのかなとかなり悲観的な私。滑る原因は、どうやら私の靴にも問題があったようです。さすが2900円靴。足の裏の溝がおじさんの靴より、かなり浅いのです。浅い上に隙間が細かいのでひっかからずに、滑るという。その靴は代えたほうがいいね、とおじさん に諭されました。何はなくとも靴にはこだわったほうがいい、ということを学びましたよ。命には変えられないものね。
おじさん指導のもと、川を渡ったり、岩を這いつくばりながら下に降りて行きます。でも、この人がいなきゃ道なんてわかんないだろ、というような所も何箇所もありました。まだ土の上だったら、人が踏みしめた道らしきものが見えるからいいのですが、川に下りて岩がごろごろしてるような所だと、どこを辿って行ったらいいかなんてまるでわかりません。あれは初心者が入るところじゃないと、思うんですけどね。今回はおじさんがいたのでなんとか、川を渡ることができました。途中、清水が涌き出ているところがあり、やっとのこと飲んでみましたが、ただ冷たいという感想しか持てなかった・・。もう頭の中は、ほんとに山から出られるのかとか、私の足もう動かないとかそんなことしか考えてなかったですから・・。
やっと川とおさらばして後は延々と杉林の道。しかーし、ここもかなりつらかった。ひざがねー、ほんとやばいんですよ。なんかねー、もう柔軟性とかなくてロボット歩きのようにかくかくしちゃうの。わかるかな?ずっと下り道なのよ。それが続くのは拷問のようなの。「もうやだよーー。もーーあるけないよーー。」とまるで子供のように叫びだす始末・・。きっと友人も呆れただろうな。でもつらかったんだもん。ほんとに。またねー、そんな自分が情けないのよ。おじさんが前で友人が後ろで歩いてるんだけど、おじさんは飛ぶように歩いていくのね。で、友人も疲れを見せず歩いていて、なんだか申し訳なくて前に行ってって言うんだけど、そこできっと私を後ろにしたら、やばいと分かってるらしい友人はだめって励ましてくれました。ありがとー、友人!その道中、山の師匠(そう呼ばせてください!)に、歩き方のコツや植物の名前など教えてもらいました。下りでは、滑りそうなところでは、かに歩き、またははのじで歩くとか、かかとから着地するなとか、とりあえず木でも葉っぱでもつかまれるものに掴まれとか。とっても役立ちました。
いつとも知れぬ出口を求めて歩き続け、時計を見るともう17時30分近い。どうしよう、日が暮れちゃったら。ここで野宿!?暗い考えがよぎります。そんな中「もう終わりだよ。」のおじさんの声が!!
やったー!やっと下り道から開放されるのね、やっと滑らなくていいのね、やっと川越えなくていいのねーーー!!と、感慨もひとしおでした。下山できてよかったよー、と言いながらしかし、まだまだ岩道が続いていたりする。。そして、戸沢のキャンプ場でおじさんの車に乗せてもらい、一路大倉へ。もし、車に乗らなければまた延々1時間、林道を歩き続けなければならなかったという・・・。ほんと、有難う師匠!!その車中、師匠の身の上?話しをお聞きし、鎌倉にお住まいで定年退職して山登りをしてるという話しでした。月に1,2回登るとか。靴はどこそこで安く買ったとかそんなお話しをしながら大倉に着きました。
そして師匠と別れ、大倉のバス停へ。時刻表を見ると、18時22分がいったばかりで、次が52分。腹も減ったから、前のラーメン屋でラーメン食べる?とか話していると、子供連れのお母さんが「駅行くなら乗っていきませんか?」と声をかけてくれました!なんて今日はラッキーな日なんでしょう!!喜んで駅まで乗せてもらい、ミスドで飲茶セットを食べて帰ってきました。
出発時にセットした万歩計は、約19000歩になっていました。普段の日だったらきっと3000歩も歩いてないと思う。

翌日・・・。私の予想通り、あまりの体の酷使のため、筋肉痛で夜眠れず、起きたら起きたで、しゃがむのすら困難な体になっておりました。とほほ。今も激痛が!

今回の感想:山で出会った人はほんと親切でした。行き交う人に「こんにちは」と挨拶するのもなんだか楽しかった。なんか仲間だって思える瞬間でしたね。今回はちょっとへたれちゃったけど、今度はもうちょっと難易度が低いところで挑戦したいなぁなんて思ってます。その時も友人、よろしくね。見捨てないでーー。



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