第三十一話 欠号    1966年51号(12月25日号)掲載

第三十二話 欠号    1966年51号(12月25日号)掲載

第三十三話 海ぼうず   1967年1号(1月1日号)掲載

 一艘の船が沖を航行していると、突如岩山のように巨大な妖怪が、波音高く海上に姿を現すことがある。その姿は巨大な禿頭で、目はランランと光り、口の大きさは70センチもある。

 船は荒波にもまれてあちこちがきしむ。

 五つ、六つと妖怪の数は増え、「ギャーギャー」という声を上げて船に迫ってくる。

 しかし、絶対に「あれは、なにものだ!!」などと声を出してはいけない。声を出すと、船のあかりは消され、船を抱えてひっくり返されてしまうのだ。

 これは、海ぼうずという妖怪で、昔、海ぼうずは魚が化けて出るのだと信じられていた。


第三十四話 歯黒べったり 1967年2号(1月8日号)掲載

 昔、ある人が、古い寺を散歩していた。前を見ると、女が、一人で拝んでいる。

「よし、からかってやろう!!」と拝んでいる女の背中を、ポンと指でつついた。
女の人は、びっくりして振り向き、つついた人の方を振り返った。

「助けてくれー!!」
びっくりしたのはちょっかいを出した方の人だった。

 女の顔には、目も鼻もなく、ただ歯を真っ黒に染めた大きな口をニッと開き、ケラケラと笑っているのだ。

 これは、「歯黒べったり」という妖怪だ。お墓やお宮の森によく出る、女ののっぺらぼうなのだ。歯だけ真っ黒に染めていたところから、「歯黒べったり」と言われた。


第三十五話 しょうけら  1967年2号(1月8日号)掲載

 屋根の引き窓がスルスルと開くので、見上げると、奇怪なものが覗いている。あわてて屋根に登ってみると、何もいない。

 これは「しょうけら」という妖怪だ。だが、何のために出るのかは不明である。


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