もどる
第42回  工房の 青春の光と影

「ごめんね、、、、、。」

「もう、わたし達、駄目なのかなぁ。」
「今日だって、、、、。」

「どうして、こんなことになっちゃったんだろうね、わたし達。」
搾り出すように、彼女が呟いた。



「でも、、、でも、、、」
缶麦酒を持つ手が震える。
「楽しい事や、哀しい事、色々な事があったけど、、、、けど、、けど、、、。」

恋愛に、” もしも ” は無い。

「ごめんね、、、、、。輝豸雄くん、、、。」

彼女がそう云ったのは、これで何回目だろう。
繰返され、積上げられていく台詞の一つ一つが、輝豸雄の心を締め上げる。


    


「ごめんね、輝豸雄くん、、、、、。」
「あたし、やっぱり、アイツのこと、、、、、。」

「・・・・・・・・・、・・・・・・・。」


倖せを見つけるのは、とても難しい。
喩え、目の前にそれがあったとしても。

二人の想いは、裸電球の下を彷徨い続けていた。
                                                   第43回に続く