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第26回 工房の 宮仕えは辛いよ!
「まただ。」
輝豸雄は小さく舌打ちをしながら呟いた。
このお姫様の(お姫様と言っても小さな惑星一つしか持っていないのだが)下で働くようになってから、
何かとアクシデントが多い。
この間、やっとデス・スターを破壊できたというのに、
今度は、黒ずくめの男たちに囲まれてしまった。
「キキィッ!」
「キキィッィ!」
「キィ?!」
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「何ヨォ、アンタ達!」 口の悪いお姫様だ。 「キキィ!キィキィッ!」 「きいきい 煩いわねぇ、全く。 輝豸雄っ、コイツ等なに言ってるの?」 「キキイッ。キイキキイ!」 「早くしなさいよ、輝豸雄!通訳なんでしょ!」 「ピコピコ:ピコピコ」 調子に乗ってR2-D2まで騒いでいる。 「やれやれ、」 輝豸雄はおよそ300万の言語を解するが、 この手の言語は珍しい。 「え〜っと。」 輝豸雄の意識は 知識の階層を奥へ奥へと進んでゆく。 この言葉は、かなり辺境の部族だな。 第63銀河の辺境だ、 太陽系かぁ、一度行って見たいなぁ。 第3惑星、地球と云う星の言葉だ。 「輝豸雄っ!まだなの」 姫様は、熊使いが荒い。 |
「はい、只今。」
「姫様、このひと達は、第63銀河・太陽系・第3惑星・地球と云う惑星の部族です。
ニッテレ人だと言っています。」
「そのニッテレ人が何の用なのよ?」
ちょっと待ってくださいね、輝豸雄はニッテレ人に向かって話し掛けた。
「キッキキッイィ?キイィ」
「キイキイ、キキィ!キッキィィ!」
なるほど、そうか、そうだったのか! 輝豸雄はひとり楽しくなった。
「何ニヤニヤしてんのよォ。早く云いなさいよ。」
「はい、姫様。
この人達は、見目麗しい姫様に、TV番組に出て欲しいと言っています。
力尽くでも、参加して欲しい!と、言っております。
誘拐してでも、参加させたい!と、言っております。」
「はぁ? テ〜レ〜ビィ〜? 誘拐ぃ〜?」
「はい、姫様。「電波少年」という番組にに出て欲しいそうです。」
レイア姫が、出演を断ったのは、云うまでも無い。
第27回に続く