第19回 工房の 遠い親戚より近くの・・・・・・
或る日、輝豸雄が一人、自室で本を読んでいたら、
急に、外が騒がしくなった。
バタバタッ ドタドタッ ズサズサッ ボコッ
ゴツン。
誰かが階段を登って来るようだ。
「ハアハアゥ、、、。」
誰かがドアの向うに立っている。
誰だろう? 輝豸雄は考えた。
「! っ! ゥ!」
何故だろう、嫌な予感がする、輝豸雄は自然と身構えた。
ガチャ!。
扉が開いて、誰かが部屋に入ってきた。
「やー、て〜ちゃん、元気でやっとるかね。
風邪ひいとらんかね。
御飯はちゃんと食べとるかね。
何か食べたい物はないかね。
好きな娘はできたかね。
今度お向いのしーちゃんが結婚する事知っとるかね。
御土産はきし麺にしたがね。
ソースはコーミに限るがね。
野球は中日だがね。」
入って来るなり、機関銃のように話し続けているのは、
オハイオに住んでいる 倶馬美小母さんだった。
彼女は、生まれた時からの、輝豸雄の天敵であった。
第20回に続く