もどる
第67回  工房の 大運動会

その日の朝、
輝豸雄は何時も以上に興奮している自分を感じていた。

  ドキッ ドキッ

鼓動を感じる。

3人で作った照る照る坊主が効いた訳ではないだろうが、
まさに、 運動会日和 というに相応しい日だった。

  ドンドーン

開催を告げる花火が揚がる。

今日は、待ちに待った 運動会の日だ。


運動会が始まった。
徒競走・騎馬戦・玉入れ
順調に競技は続く。

低学年による創作ダンスが終わる。

いよいよ、輝豸雄たちの学年による組体操だ。

ピッ、ピッ、ピーッ!
先生のホイッスルの音で競技は続く。

 一人組      ピッ!

 二人組      ピッピッ!

 三人組      ピッピッピッ!   

 四人組      ピッピッピッピッ!

いよいよ最後の 技、六人組だ。

ピッピッピッピッピッピッ!  ホイッスルが鳴り響く。
土台が出来ていく。   3人だ。
2段目が出来た。    2人だ。
そして、其の上に輝豸雄が上っていく。

   ピーッ!
 
長い笛の音に合わせて、輝豸雄たちが両手を開いていく。

    

 六人組の完成の瞬間だった。


                                                   第68回に続く