番外編  工房の 6月の花嫁

お隣りに住んでいたレイちゃんが、御嫁に行ったのは、
輝豸雄がまだ幼かった時のことだ。
いつもは滅多に笑う事なんて無かった彼女が、
結婚式の当日にあんなに可愛く微笑むなんて、、、。

 「あぁ、なんて綺麗なんだろう」

そう思ったことを、輝豸雄は憶えている。

   

6月が来る度に、輝豸雄は幸せそうな彼女の微笑を思い出す。

そして、いつか自分にも、
あんな笑顔を見せてくれる人が現れるのだろうか? と 思うのだ。

                                                   番外編 おわり

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