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第13回  工房のバイク野郎

輝豸雄は、無免許である。
せっかく、鮫洲の免許センターまで、試験を受けに行ったのに
熊だからと、免許が取れなかったのである。
視力検査だって、ちゃんと一番下まで読み上げる事が出来たし、
聴力だって、おね-さん達の衣擦れの音まで聞こえる程、調子がよかったのに。

   

でも、そんな輝豸雄に、
くま旦那は、バイクを買ってくれた。
赤いバイクは非常に高性能だったけど、電気で走るヤツだったので、免許は要らないそうなのだ。
中古で(しかも、所々、、、というか至る処瑕だらけ)、成田山のステッカーが貼ってあるのが気になったが、
贅沢は言わない、輝豸雄だった。
                                                   第14回に続く