What's The legend of ZELDA for Nintendo64?

 「ゼルダの伝説〜時のオカリナ」は、Nintendo64用にリニューアルされた「ゼルダの伝説」として、1998年11月21日に発売された。
 個人的には、今作の「ゼルダ」は初代「ゼルダの伝説」の続編とはとらえていない。ゲームシステムやキャラクターデザインは初代のおもかげがほとんど残らないほどに変化してしまっているし、ストーリー的にも特に必然的な繋がりは見い出せないからだ。ただ、所々に隠された仕掛けや謎をプレイヤー自身の手であばいてゆく楽しみは確かにゼルダのそれであると感じる。
 64ゼルダは、全体的に高い難易度を持っている。3次元の空間を走り回る操作性も、先に進むための謎かけも、ゼルダシリーズの中でも最も難しいものであると思う。それと同時に、クリアまでの内容のボリュームも相当に大きい。
 これらの点から見たゼルダの評価は分かれるところだろう。各所に散りばめられたサービスイベントや、仕掛け、広大な空間はその自由度の高さと終わりが見えない奥の深さゆえにプレイヤーに満足を与えるかも知れないし、逆に戸惑いを生んでストレスを与えるかも知れない。このバランスは難しいところだ。
 ソフトの内容がどんどん肥大化し、CD1枚にすら収まりきらなくなり2枚組・3枚組と長大化してゆくのが最近の傾向だが、本質的にゲームに影響を与えない枝葉をたくさん付けすぎた結果としてボリュームが増えているのだとしたら、ソフト作りの姿勢として本末転倒ではないかと、僕は思っている。
 とはいえ、「ゼルダの伝説〜時のオカリナ」は任天堂がキラーソフトとして力を注いできただけあって、全体として優れたバランスを持っている。細かい点まで行き届いたグラフィックの作りこみは素晴らしいものだし、あれだけのフィールドや、一つ一つの神殿を矛盾なく構築してゆくという作業は、「ゼルダ」スタッフであったからこそ到達できた完成度であると思う。