学歴による臨床検査技師の待遇の差 ほんとうは、「専門学校卒/大卒は就職に不利か?」というのは、答えのない質問です。 というのも「職場によって望まれる資質は変わってくる」からです。 どの施設がどんな学生を求めているかは、一般論で推し量ることはできません。 また、「就職に有利なように施設の希望に自分を合わせる」ことをしても、就職できるとはかぎりません。 あなたがどんなに優秀であっても、採用人数が限られている以上、あなたより適当な人がたくさんいれば、あなたは採用されないのです。 そこが就職の厳しいところです。 とりあえず、webで公開されている情報を元に、比較のしやすい待遇の差を考えてみます。 -- ☆学歴により、職務内容が違うことがあります。 職務内容が違えば、待遇も当然違ってきます。高度な判断が必要であればそれだけ待遇はよくなります。 企業によっては、短大・専門学校卒は補助や作業員としか見なされないことがあります。 もっとも、博士・修士が多い研究所なら、大卒でも作業員です。これは、学歴により勉強してきたことが違うと考えられているからです。 専門学校卒は、懸命に手を動かすことを勉強してきたと思われているわけですね。もちろん、会社や研究所によって違います。 臨床検査技師としての資格、業務にはなんら差はありません。病院で検査業務を行う分には、差はまったくないと思います。 -- ☆学歴により給与が違います。 賃金については、国公立病院は人事院勧告に準拠だそうです。私立病院や企業も参考にしています。臨床検査技師は以下の表を使います。 現行俸給表 医療職(二) http://www.jinji.go.jp/kankoku/h13/pdf/h15iryou2.pdf ところが、もとの表は同じでも、どこから始まるか、何年で昇級するかなどといった運用は、自治体によりまったく違います。 また、手当の有無や額の高低などさまざま要因があるので、一概には言えません。 以下は臨床検査技師について、能力や職務が同じであるとの前提で学歴のみに注目したデータです。 ※実際には諸手当によりもっと差が開きます。 ※表の読み方が間違っていたらゴメン。 ※2002年12月の時点で、インターネット上に公開されていた情報を調べました。 ※現在は状況が変わっている可能性があります。あくまで参考としてください。 A県B市(人口120万) 大卒 1級10号給 6年後に2級昇級可。 短大3卒 初任給=大卒-\16,100 1級8号給 7年後に2級昇級可。 ※専門学校卒は短大3卒に該当。 ※短大卒は、1年下の大卒と同じ身分、2年下の大卒と同じ給与。 A県C市(人口350万) 大卒 2級2号給 6年後に3級昇級可。 短大3卒 初任給=大卒-\17,200 1級8号給 1年後に2級、7年後に3級昇級可。 ※専門学校卒は短大3卒に該当。 ※短大卒は、1年下の大卒と同じ身分、2年下の大卒と同じ給与。 D県E市(人口180万) 大卒 2級3号給 5年後に3級昇級可。 短大3卒 初任給=大卒-\11,500 1級9号給 3年後に2級昇級可。 ※短大卒は、3年下の大卒と同じ身分、2年下の大卒と同じ給与。 F県G市(人口3万) 大卒 2級2号給 3年後に3級昇級可。 短大3卒 初任給=大卒-29,600 1級5号給 3年後に2級昇級可。 ※短大卒は、3年下の大卒と同じ身分、4年下(昇級なしなら6年下)の大卒と同じ給与。