◆□キノの旅でハァハァしよう4□◆
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上記スレ、流浪の文士:Persona grata さん作。



人を作る国
―――It's Automatic!―――


 緑の海の中に、茶色の線が延びていた。
 それは上を簡単に固めただけの道で、西へ向かってまっすぐ走っていた。
あたり一面には膝ほどの高さの草が、風の通り抜けるさまを示すように、
緩 やかに走っていた。近くにも遠くにも、木は一本も見えない。
 道の真ん中を、一台のモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)が走っていた。
後部にあるキャリアには、薄汚れたかばんがくくりつけられている。
 モトラドはエンジン音を響かせながら、かなりのスピードで走っているが、
全く危なげの無い感じだ。運転者の機嫌を、まるでそのまま表しているかのようだ。
 運転手の体躯は細い。黒いジャケットを着て、腰を太いベルトで締めていた。
ベルトにはポーチがいくつかついて、後ろにはハンド・パースエイダー
(注・パースエイダーは銃器。この場合は拳銃)のホルスターをつけている。
その中には自動操作式パースエイダーが一丁、グリップを上にして入っていた。
 右腿にはもう一丁、リヴォルバータイプのハンド・パースエイダーがホルスターに収まっている。
抜け落ちないように、ハンマーがホルスターから短く伸びた紐を噛んでいた。
 帽子は飛行帽のような、前だけに鍔がついたもので、防寒用に耳を覆うたれが着いていた。
たれはゴーグルのバンドで押さえつけられ、あまりが風でばたばたと暴れている。
代わりに帽子本体が風圧ですっ飛んでいくのを防いでいた。
 モトラドが運転手に言った。
「ねぇ、キノ。さっきのキャラバンでは随分悩んでたけど、何を買ったの?」
 キノと呼ばれた運転手はこう言い返した。
「け、携帯食料だよ」
 モトラドが、小石を踏んで少し揺らぐ。
「それにしては時間がかかったね。あれ?でも携帯食料は前の国で
安く仕入れたからしばらく要らないって言ってなかったっけ?」
「何事も、備えあれば憂い無しだよ」
「ふーん。裏でこそこそしてるからてっきり大人のおもちゃでも買ってるのかと思ったよ」
「………考えすぎだよ」
 傾き始めた日の光を受けながら、キノの頬を、一筋の汗が流れていった。
 目指す国は、もうすぐそこだ。

「こんにちは、旅人さん。我が国へようこそ」
 その国の城壁外側、城門脇にある窓口で、
入国審査官はモトラドに乗ってやってきた旅人に挨拶した。
「こんにちは。ボクはキノ、こちらはエルメス。観光と休養で入国させてください。
今日を入れて三日間を希望します」
 キノがそう言うと、審査官は書類と筆記用具を差し出した。
「それではこちらの方に記入をお願いいたします」
 キノはそれを受け取り、次々と記入していく。
 氏名、性別、生年月日、罹患暦の有無……多少仰々しくはあったが、
これまで行って来た国とあまり大差は無い。
数分もせずに、キノは全ての欄を埋め、審査官に書類を返した。
審査官はそれをチェックしながら、入国手続きを進めていた。
「はい、有難うございます……おや?二枚目が記入されていませんが」
「え?二枚目が有ったんですか?それは失念していました。すぐ記入しなおします」

 受け取ろうと手を伸ばすキノ。しかし入国審査官は手を振った。
「いえいえ、ホンの数問なので口頭で行きましょう。では1つ目。生理は来てますか?」
「え、えぇ?」
 一瞬自分の耳を疑うキノ。いくらご無沙汰とはいえ、空耳にも程がある。
「あ、スイマセン。聞こえづらかったですかね。生理は、来てますか?」
「は、はい……」
 どうやら空耳ではなかったようだ。
 キノの同様を知ってか知らずか、審査官は次々と質問を出してきた。
「性交渉の経験はありますか?」
「はい…」
「性病に罹ったことは?」
「ないです」
「子供を欲しいと思った事は?」
「ありません」
「結婚願望は?」
「今のところゼロ」
   ・
   ・
   ・
   ・

「綺麗な国だね」
 城門をくぐり終え、エルメスが声をかけてきた。
「だね。久しぶりに、モダンで整った国に来た。入国審査がちょっとアレだったけどね」
 キノとエルメスの目の前には、完成された町並みが広がっていた。
何本にも並ぶ、整った太い道路。あちこちに設けられた、緑の豊かな公園。
国の中央に立ち並ぶ、外見も配置も美しくデザインされた建造物。
 夕日に照らされるその姿が、機能美も相まってひとつの絵画にも見えた。
 しかし、キノの顔が赤いのはそれのせいだけではない。
「さて、どうする?キノ」
「今日はもう泊まるところを探そう。散策は明日だ」
「りょーかい」
 エルメスが言った時、目の前で車が一台止まった。荷台つきの車で、誰も乗っていない。
 車に積まれた機械が、どうぞお乗りください、目的地までお連れします、と告げる。
 キノが値段を聞いて、その必要はないと返事が来た。
「どうする?エルメス。乗っちゃっていいかい?」
「いいんじゃない?ホテルとか、自分で探すよりは早いでしょ」
「分かった」

 キノは、エルメスを荷台に押し載せようとした。すると自動的にクレーンが伸びて、
エルメスをひょいと吊って載せた。すぐにベルトと車輪止めが出てきて、固定した。
「ちょっと前にも、こんなこと無かったかな〜?ま、いいや」
 キノが座席に乗る。やはり自動的にベルトが締められて、車は走り出した。
 広い道を、他車と一定の間隔を取りながら走った。公園では、
遊び終えたらしい子供たちが車に乗り込んでいるのが見えた。
 そして車は、ビルの並ぶ中心街へ向かう。
 到着したのは、綺麗で立派なホテルだった。玄関でボーイが迎えた。
宿泊の料金は全く取らないという。
 キノとエルメスは小型の車に乗せられ、座ったまま立派な部屋まで案内された。
ボーイが、「ごゆっくり」と言って、部屋を出て行った。
「楽な国だね」
 キノが、ジャケットを脱ぎながらいった。
「居る意味なーし」
 エルメスが言った。キノは荷物を降ろしながら、
「<ストレスをもらう国>に似てる気がしたけど、みんな普通に仕事をしているみたいだし。
ただ単純に機械が発展しているだけなんだろうね」
「つまんない?」
「とんでもない」
キノは下着を脱ぎながら言った。
「只で熱いシャワーも、真っ白なシーツも、おいしい食事もあるんだ。
満喫しないほうがどうかしてるよ」
と言って、シャワールームに消えていった。
「びんぼーしょー」

「ふぅ……」
 まずは左腕から、右腕、胸、腹……長旅で付いた汗と汚れを、丁寧に落としていく。
 雪のように白い足がゆっくりと湯船に近づいていった瞬間、ざわっと水面が揺らいだ。
「え!?なにっ!?……んくっ!」
 突然、キノの右足がお湯の中に引き込まれていた。
「何だ、これ!?……うああっ!」
 左足で踏ん張りながら、キノは右足を引き上げようとするが、
何かが引っかかったようでどうにもならない。
 そして、再び水面が揺らいだかと思うと、
ジュルジュルという粘着性の音とともにキノの左足にも何かが絡みつく。
「い、いやっ……んんっ!」
 驚きで見開かれたキノの瞳に、湯船から這い出した半透明上でゲル状の何かが映った。
「ひいっ、いやぁ……いやああっ!?」
 必死に逃れようとするキノを嘲笑うかのように、
その何かはキノの足首から太腿、そして全身をゆっくりと覆っていった。
「んっ……んんっ……いやっ……助けて……」
 今やキノの体は、首から上のわずかな部分だけを残して、
その半透明の代物に覆われていた。
「くうっ……しまっ……全然動け……あうふううっ……!」
 突然、その「何か」がぐねぐねと激しく蠢き出し、キノの口から悲鳴とは違う艶っぽい叫びが上がった。
「あんっ……いやぁ、やめ……てぇ……んぁあっ!」
 半透明のそれがじゅるじゅると音を立てて蠢き、キノの体中をゆっくりと刺激していく。
 特に尻の辺りのそれは大きくうねり、キノの引き締まった太腿や尻を上下左右に揉みしだいている。
「んあっ……んっく……いや、いやあっ……んっ!」
 いつの間にか胸も攻めだしたそれに、揉まれる双丘の中心がぷっくりと紅く膨らんでいた。
 「何か」は乳房をぐねぐねと揉みながら、一方で勃起した乳首を全く違った形で捻っていく。
「ふぁあっっ!な、何だっ。これっ!」
 人では有り得ない形で刺激を加えられ、キノの体がびくんびくんと激しく震える。
「くっ……んっ……ど、どうして……そんな……んぁあっ!」
 そして、敏感な乳房だけでなく、背中、腹、爪先……
全身のあらゆる性感帯がねっとりとしたゲルによって刺激されていく。
「ふぁ……だめ……だめ……やめ、て……いや……感じたくないのに……ああんっ!」
 その言葉とは裏腹に、キノは全身を淫らにくねらせ、それは全身を覆う
ゲルの脈動にはっきりと呼応していた。
「んっ……んんっ……あふぅっ!」
 そして、それの間断の無い刺激によって、キノの官能はあっという間に高められていく。
「んっ……くぅ……こんなの……感じちゃ……でも、ふぁああっ!」
 キノの口から艶のこもった喘ぎが漏れ始めると、
それを待ちかねていたかのように、それの動きが変わった。
「えっ!?な、なに……んんんっ!」
 下半身を覆ったそれが外に向かって動き、固く閉じられていたキノの足をゆっくりと開いていく。
「いやぁ……やめてぇ……だめ、だめぇえっ!」
 抵抗するキノを嘲笑うかのように、それはぐちゅぐちゅと蠢いて、容赦なく抵抗力を奪っていく。
「あぁ……いや、いやぁあっ!」
 薄くだが形のそろった陰毛、ぷっくりと膨らんだ陰唇と、
その中心の真っ赤な果肉、尻たぶの奥にある蕾までが全て晒される。
 だが、股間を覆ったそれの脈動によって、外から見えるキノの秘所は
一定の形をとることなく常に蠢いていた。
「んくっ!……やめ……てぇ。弄らないで……あぁ……だめぇっ!」
 秘所への刺激にキノは抗うことが出来ず、涎をだらだらとたらしながら、全身を震わせる。
 既に肉体は謎の生物の与える快感を受け入れ、理性もそれに押し流される寸前のようだ。
「ふぁ、あんっ……どうして……こんなに……ボクの、感じて……るんだ。こんなの……こんなのぉっ!」
 キノの嬌声の高まりに応じて、股間の辺りが怪しく蠢き、中から棒状の突起が生え始めてくる。
 その瞬間、意思など持ちようもなさそうなそれの目的を悟り、キノが狂ったように激しく身もだえした。
「いやぁ!それだけは……だめ、やだっ……んんっ、あんっ!」
 そんなキノの言葉とは裏腹に、体はそれの巧み過ぎる刺激によって既に十分すぎるほど潤んでいた。
 その証拠に、膣内から溢れ出した愛液がそれの粘膜と反応し、
股間の辺りでじゅくじゅくと泡立つような音を立てている。
「あぁ……いや。このままじゃ、ボク……こんなものに……犯さ……て……んんっ!」
 それは、半透明の蛇のような触手を作り上げると、キノの眼前でゆらゆらとそれを動かした。
「い……いやぁぁあああああ!やだぁぁぁあああ!」
 だが、キノの懇願に耳も貸さず―――元々無さそうだが―――触手は鎌首をもたげて、
ぶくりと膨れた先端をキノの秘裂に一気に突き入れた。
「やぁあああっ!……な、なに、これえっ……っ!」
 びくんっと激しく体を弓なりに曲げて、キノが甲高い喘ぎを出した。
 触手は、人のペニスではありえない動きで肉襞を抉りながら、根本から脈動してその太さを変えていく。
「ふぁあっ……やぁ、中で、大きく……なって……こんな、こんなのぉ……うくうっ!」
 たっぷりと膨らんだ触手で、キノの膣は両手で輪を作ったほどに広げられていた。
「いやぁ……まさか、まさかぁ……」
 半透明のそれを通して、淫らな紅い色をしたキノの肉襞はおろか、
その奥の子宮の形までがはっきりと見える。
 まるで極限まで広がったキノの皮肉が、自ら快楽を求めてうねっているようだった。
「んんっ……あぁ……こんな……の、初め……てぇ……んふぅうっ!」
 触手のほとんどがキノの膣に埋め込まれたかと思うと、ずるずると音を立てて一気に引き出される。
 その度に、キノの愛液が噴水のように迸り、じゅくじゅくと音を立ててゲルと反応した。
「ふぁあ……いい、いいの……とても……ああぁ、感じる……感じるぅっ……っ!」
 既に理性は残っていないのか、キノは大きく開けた口から舌を突き出して、体を激しくくねらせた。
「もっと……もっと動かして……ボクの中で……たくさん、動かしてぇっ!」
 その言葉に応えるように触手の動きが激しくなり、
遂にはその長さの全てをキノの中に埋め込んで、膣内をかき回す。
「ふああんっ!……すごぉいいっ!いいっ……いいの。イキそう、イキそうっ!おまんこイキそうっ!!」
 髪を振り乱して淫らな言葉を口にするキノの体が、びくびくと激しく震える。
「ふぁあああああああああっっ!!」
 キノは、雷に打たれたようにがくんと激しく身を仰け反らせて絶頂に達した。
「あんぅ……あぁ……すごい……こんなの……ふぁあああっ!」
 キノにその余韻を楽しませる間も与えず、決して絶頂を迎えることの無い触手はキノに刺激を加え続けた。
 触手の動きはますます激しくなり、前後に出し入れされるたびに、
肥大したキノの膣壁がズリッ、ズリッと外にめくれかえって行く。
「ふぁぁ……だめぇ……イッたのぉ……にぃ……そんな風に、動かしちゃ……だめぇ……んくうっ!」
 高まり続ける快感にキノの体が小さく痙攣し始めるが、
触手の動きは収まるどころか益々その荒々しさを増していく。
「ふぁあっ……だめぇ。イクっ、イクッッ……またイクっ!あああああっん!」
 そのまま背骨が折れてしまうと思えるほど激しく背筋を仰け反らせ、キノが再び絶頂に達した。
 しかし、触手の動きは衰えることが無く、キノの快感のわずかな収まりも許そうとはしない。
「あぁ……らめぇ……もう……ボクぅ、狂って……ふぁあっ!」
止め処ない快感に、その言葉も徐々に呂律が回らなくなってくる。
 そんなキノの快楽をさらに貪るように、股間の辺りから新たな突起がぶくぶくと生まれてきた。
 肉壷で蠢き続ける触手よりも小さなそれは、だらしなく広げられたキノの股間の後ろをかき回す。
「ふぁ……やえれぇ……おひりは……そんなとこは……あぁ……らめぇ……」
 だが、透けて見えるキノの菊門は小さな口をひくひくと震わせ、
触手の挿入を今か、今かと待ち受けている。
 一瞬、怪しく蠢く触手が止まったかと思うと、それらは一気に蛇が噛み付くようにキノのアナルに潜り込んだ。
「ふぁああああああああんっ!」
 茶色の蕾がグイッと広げられた瞬間、キノはがくんがくんと何度も体を痙攣させて、再び絶頂に達していた。
「んふぁ……ぁあ……らめぇ……らめなのに……気持ち……いいのぉ……あぁ……っ」
 キノは焦点をすっかり失った目で、身悶えすることも出来ずに、ただひくひくと痙攣を繰り返している。

「随分長風呂だったね、キノ」
 風呂上りにエルメスがたずねる。
「うん、結構珍しいお風呂でね。ついつい長湯してしまったよ」
 バスタオルを体に巻き、ゆっくりと髪を拭く。
 やたらご機嫌なのか、鼻歌まで歌っている。
「まったく、少しは声を落としてくれないと。聞かされるこっちの身にもなって欲しいもんだよ」
「う……いいじゃないか、滅多に無いんだし」
 顔を真っ赤にしながら、やや乱暴に髪を拭き終える。
「やっぱりただのびんぼーしょーじゃん」

 次の日、キノは夜明けとともに起きた。
 いつもどおり、運動とパースエイダーの訓練をし、シャワーを浴びる。
ただ、湯船には近づかなかった。
 朝食をとり、いつもより少し遅めに、エルメスを叩いて起こした。
「今日はどうするの、キノ?」
「うん。こういう国は行政が集まる市街地とベッドタウンの居住地が別々になった構造らしいから、
今日はまず居住地からざっとまわろうかと思っているよ。」
「また"アレ"に乗って?」
 エルメスは、昨日の大きい車を指して言った。
「いや。大事な相棒のエンジンが腐られても困るしね。」

 機械的な町並みの執政区・工業区を抜けると、広大な草原をたたえる畜産区に入った。
「広いねー」
「そうだね。この国の広さも、今まで旅してきた国の中でも1・2の広さだからね」
 司法や立法など政治の中心である執政区も十分な広さだったが、
その倍の面積を持つ工業区、さらにその倍の面積がある畜産区、
またその倍の面積がある農業区、という形で国が構成されていた。
 衣食住の全てを国内産のものでまかなっている。ここ数十年の良政もあり、
国土はさらに広がりを見せている。
「でも……」
「子供も多いし、まだまだ発展しそうないい国に、何か不満でもあるの?」
キノの漏らしたつぶやきに、エルメスが疑問を投げる。
「う〜ん、何かこう、決定的にこの国に欠けているものが有るような気がするんだよ、エルメス」
「船がグラグラしてる感じ、ってやつだね」
「胸がモヤモヤ?」
「そうそれ」
それは苦しすぎだよ、と心の中で突っ込んでおく。

 太陽がまもなく中天に差し掛かろうとする頃、穀倉地帯の中に立つ人物に声を掛けられた。
「今日は!旅人さん!」
 話しかけてきたのは、作業着を身にまとった二十代ぐらいの女性だった。
「今日は、ボクはキノ。こっちはエルメス」
「はろ〜」
「よろしく、キノさん、エルメスさん。私はシリィ、この辺りでライ麦を育てているの。
ねぇ、キノさん?お昼ご飯はもういただきましたか?」
「いえ、まだですが」
「じゃあ、我が家にお呼ばれされない?今からお昼を食べに帰る所で、すぐそこなの。
いかがかしら?ぜひ旅の話とかを聞かせて欲しいわ。
私特製のライ麦パンのサンドイッチもご馳走するわよ」
 その時、キノのお腹から、ぐぐぐーっと言う音が聞こえた。二人は目を合わせると、
一人はにっこりと、もう一人ははにかみながら笑い、ゆっくりと歩いて行った。

 シリィの家は、低い丘の上に建てられていた。
 キノは彼女にすすめられ、ダイニングの椅子に座った。エルメスが、その後ろにセンタースタンドで立つ。
 昼食をとりながら二人と一台は、今までの旅であったいろんなことを話した。
楽しかったこと、嬉しかったこと、悔しかったこと、残念だったこと……
シリィはその度に、一緒に喜び、悔しがり、悲しんだ。

楽しい話をありがとう、キノさん。外の人とお話が出来る機会は少ないんですよ。
この国は、今のところどうですか?」
「長閑で良い所ですね。国内の産業だけで衣食住を全てまかなっている国はそう有りませんし、
国が潤っている証拠です」
「えぇその通り、私はこの国が大好きよ。でも……」
「退屈」
 エルメスが言った。
 シリィは笑いながら、
「全くそのとおり。実際この国は退屈なの。景色もいいし、重厚で素晴らしい歴史を持ち、
平和で、治安もいい。のんびりとした生活が楽しめる。でも、私たちには楽しさがないの」
「あぁそれで……」
キノは胸の靄が晴れていく気がした。
「どういうこと、キノ?」
「この国には、娯楽がなかったんだよ」
「そうなんです。十数代前の行政長の政策で、この国には娯楽といえるものがほとんど消されてしまったの。
『娯楽があるから国民はさぼる。それでは国は発展しない』ってね」
「なるほど……でも、それでは皆さんは納得しなかったでしょう?」
「もちろんよ!」
 と言って、シリィはデザートのフルーツを持ってきた。それを食べながら、二人は話を続ける。
「だから、旅人さんが通るときは絶好のお話日和、という訳。
キノさんが私の所に来てくださってとても感謝してるわ」
「でもそれじゃあ普段どうしているんですか?歴史的に見ても娯楽のない国は
往々にして内部崩壊していくものですが、この国にはその兆候が見え……?」
 キノは、目の前が少しふらついていることに気がついた。少し呼吸も荒くなっているような感じもする。
「あれ……?なぜ……?」
「いかがかしらキノさん?この国特産のフルーツのお味は?」
「一体……どういうこと、ですか……?」
 シリィはキノの後ろに立ち、ゆっくり肩を抱きしめた。
「さっきキノさんが食べたのは、遺伝子組み換えで成分の中に脳内麻薬を発生させるものが組み込まれたフルーツなの。
言ったわよね、娯楽のない国は崩壊するって。でもね、この国には、ちゃんと娯楽はあるわよ。
キノさんは、昨日お風呂に入ったわよね?女の子なんだもの」
 キノは、昨晩風呂場で起きた出来事を思い出し、少し顔を赤らめた。
「ま、さか……」
「うふふ……ちゅっ」
 シリィはキノの耳朶にそっと口付ける。それだけでキノは全身を震わせ、目の焦点を失う。
「やっぱりほっとかれるんだね」
 エルメスが、そっとぼやいた。

「どう?気持ちいいでしょぉ?」
 頬や首筋にキスを落としながら、シリィが尋ねる。
「ふっ……んっ!そんな……こと……ありません……」
「感じてないなんて、嘘ばっかり」
「ほんとう……です……」
「ふぅ〜ん……こんなに、乳首……尖ってるのに?」
 ジャケットの胸元を広げると、シリィの指が、キノの乳首をつまみあげた。
 既に存分に愛撫を受けた後のためか、言葉の通り、キノの乳首は、「ピン」と、そそり立っている。
「こんなに、コリコリにしちゃってさ……やらしぃんだから、キノさんってば」
「きゃふ……ぅ、そんなこと……ありませ……ひぁっ!」
「ほりほり。ふふ、こするたびにビクビクして、おもしろぉ〜い」
「し、シリィさん……ひっ、人の体で、遊ばないでくだ……あぁっ……さい……っ」
「聞こえなぁ〜い。ほりっ、ほりほりっ」
「あくっ!ひゃんっ!……んぁっ!あっ!あっ、そんなに、いじったら……だめぇっ!」
 シリィの細い指が……キノの胸を揉みしだいていく。
 ささやかな膨らみでも、執拗に揉まれて形を変えるさまは、すごくいやらしい。
「ふふーん。すっごいコリコリ。キノさんの乳首、勃起してるねぇ」
「シ、シリィさんが……いじるから、です……んぁっ……も、もう……やめて……」
「ほんとにやめていいのかなぁ……」
 剥き出しになった、キノの肩や脇腹に、繊細なタッチでシリィの指が這い回っていく。
 キノの白い肌が、快感にほの紅く染まっていく。すでに全身の力は抜け、腰は淫らにくねり出していた。
「くぁ……あ……あぁっ、んっ……んぅっ」
「ほぉら、いやらしい声になってきた……。んふ、キノさんの耳、すっごく熱くなってるね……あむっ」
「あぁっ!みみダメぇっ……っ!」
「はむはむ、んー……れろ、くちゅ……」
 真っ赤に染まったキノの耳を、シリィの舌が犯していく。
 乳首をいじりながら、空いた手が、下半身に向かって肌を滑っていった。
「こっちもぉ……触って欲しいんでしょ」
「そ、そんなこと、ありま……せんってば……あぁ……」
 言葉とは裏腹に、シリィの手に逆らうことなく、キノの股が開く。
 キノの下着は、すでにじっとりと濡れ、舟形のシミの向こうに、ピンク色の秘唇が透けて見えた。
「すました顔してても、キノさんはスケベな子なんだね……
ほぉら、もう、下着がいやらしいお汁でびしょびしょだよ」
「きゃふぅっ……んぁ、やめてぇ……そこ、だめなのぉ……」
「そこってどこぉ〜?ほれほれ」
「んやぁんっ!く、くりちゃん……だめです……ふゃぁっ!」
 濡れた下着の上から、シリィの指が小さな突起を押さえ、こねまわしていく。
 指と下着の間に愛液が糸を引き、部屋にクチュクチュと湿った音が木霊する。
「もうクタってなっちゃって……気持ちいいんでしょ?」
「んやっ……あっ、あふっ、ひっ……ひんぅっ!」
 下着越しに直接割れ目とクリをいじられ、乳首と耳を責め立てられて、
キノは完全に蕩けている。
 シリィに耳を甘噛みされ、あるいは乳首を擦られるたびに、
ビクビクっと腰を揺すり上げ……敏感な部分をシリィの指にこすりつける。
「ほらぁ……自分ばっかり気持ちよくなってないで、私にもしてよぉ」
「え……シリィさん、にも……?」
「そう。ね、私も、キノさんのオマンコ、舐めてあげるから……」
「でも……そんなの……」
「なによぉ、ココ、舐めて欲しくないのぉ?」
「ひゃんっ!ん……あ……あ、あ……なめて……ほしい……」
「そうそう、そうやって素直にしてなよね……ん、なんか、私も濡れて」
「きちゃった……早くぅ……舐めて」
「ふぁ……はい……」

 二人はベッドに移動すると、お互いの股間に顔を寄せていく。
「んっ……ふぁっ……キノさんのオマンコ……すっごい、グチョグチョだよぉ……」
「シ、シリィさんの……だって……んくっ、いっぱい……溢れて……ますぅ……」
 お互いに足を開きあい、露になった秘唇に舌を這わせ、愛液を啜り合う。
 舌や指が踊るたびに、びくびくと足が動くのが、とてもいやらしい。
「キノさんのオマンコ、ひくひくしてるっ、んっ……んっ、ちゅっ……」
「ふぁっ!し、シリィさんの、だって……いっぱい、濡れてます……んぅっ!」
「ひゃん!そこぉ……気持ちいいのぉ……」
 くねくねとお尻を揺すりながら、お互いのオマンコに愛撫を加える。
 部屋の中には、二人分の熱気が篭って、ピンク色に染まっているような感じすらある。
「んはぁ……キノさんの、クリちゃん……すっごく膨らんで……勃起してるよぉ……
んふふ……クリちゃんに、フェラしてあげる。んくっ……んっ、ちゅっ……んはっ」
「ひぅっ!む、剥いちゃ……ダメです!ダメ!ダめぇ……んっ!はぁぅっ!」
「んっ、ちゅっ、ちゅっちゅっちゅ〜」
「そ、そんなに、されたら……あっ、あっひぁぁっ!」
 ちゅっ〜っと、シリィがクリを吸い上げ、舌を絡めていく。
 キノはシリィの舌に翻弄され、愛撫を放棄して身悶える。
「だめっ、クリちゃん……吸っちゃダメぇっ!ダメなのぉっ!」
「ん〜?」
 ちゅぱ、っと。キノから口を離すシリィ。
 内股を濡れた指でなぞりながら、意地悪そうな微笑を浮かべる。
「なんでダメなのぉ?クリちゃんいじられるのヤなんだ?」
「いや……というか……」
「ちがうのぉ?じゃあ、どうしてクリちゃんダメなのぉ?」
 頬を紅潮させて微笑みながら、シリィはふたたび、キノの股間に顔を埋める。
「きゃぅっ!あっ、あっ、あぁっ!」
 舌の動きに合わせ、キノの腰がビクビクと跳ね上がる。
「ろぉひへ〜?(どおして〜?)」
「ひゃっ……ふぁっ……あっ……だ、だって……
イ、イキそ……ぉ……に、なっちゃ……うぅ……」
「ふぅ〜ん、イっちゃうんだぁ。キノさんは、私にクリ舐められて、イっちゃうんだねぇ」
「いやぁ……やだ……言わないで下さい……」
「だーめ。ほら、イっちゃえ」
 そう言うと、シリィは本格的に舌を使い始めた。
「ひゃぁぁんっ!!あ、そっ、そこぉっ!だめぇっ……」
「んくっ、んっ、んっ……ちゅむ……んは」
「だめ、だめなのぉ……剥いてちゅうちゅうしないでっ!舐めちゃだめですぅっ!」
「んっ、ちゅっ、んぁ……ふン、んっ……」
「んぁっ、あっ、あっ、あぁっ!く、クリトリス……
クリトリス勃起しちゃうっ!おっきくなっちゃうぅ!」
「んくっ、キノさんのオチンチン、いっぱい勃起してるよ」
「そんな風に言わないで下さい……ひぅあっ!だめぇっ!ジュポジュポしないでぇっ!」
「すっごぉい、キノさんのオマンコ、ひくひくして、
いっぱいお汁出てるよぉ……ほんと、いやらしいオマンコ」
「あぁっ!もうダメっ!ダメなのぉっ!イっちゃうのぉっ!」
「ふふ……私にクリトリスおしゃぶりされてイっちゃうんだね……いっぱいフェラチオしてあげる。
ジュポジュポして、キノさんがスケベな子だって教えてあげる」
「やぁっ!もうだめっ!イクっ、イくの、イっちゃうのぉっ!あっ、あっ、いやぁぁぁっ!」
 キノの背中が痙攣しながら反り返った。
 同時に、まるで本当にフェラチオされたペニスのように、
キノの膣口から、ぴゅっぴゅっと潮が噴き出される。
「ふぁ……あっ……ふゃ、あふ……」
「ふふ、顔射されちゃったぁ……」
 顔をぬらした愛液をぺろっと舐めて、シリィは微笑んだ。

 日も昇らないような早朝にキノは目を覚ました。
 その後、完全にシリィに馴らされてしまったキノは、
夕食を口移しで受けたあと、深夜遅くまで体を重ねていた。
 そんな昨日の情事の跡が生々しい部屋をそっと抜け出し、エルメスを叩いて起こす。
「こんなに朝早く、どうしたのキノ?」
 そんなエルメスの声に耳もくれず、かなり急いで出国の準備をする。
 そしてそのまま、シリィを起こすことなく家を辞す。
「どうしちゃったの?こんなに急ぐなんて。それともこれがこの国の流行?」
 全ての質問に一切答えず、キノはただ国の外を目指した。
そして国外に出ても、キノはエルメスを走らせ続けた。
「あ……」
 薄っすらと太陽が昇り始めた頃、キノはエルメスを停車させ、
ぐったりとした表情でようやく口を開いた。
「あ?」
「危なかった……」
「それが今までの質問の答え?」
「うん……あの国にあのままいると、ボクはなんだか
抜け出せなくなっていたような気がするよ、エルメス」
「そんなに気に入ったの?」
 驚いた声で、エルメスは言った。その質問に、キノは遠いところを見ながら答えた。
「旅人にとって人を作る作業は、たまにするからいいんだよ」
 そういって今度は、先ほどよりは優しく、アクセルを入れた。




あとがき

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